JP2744843B2 - 新規なコナゲニン誘導体 - Google Patents

新規なコナゲニン誘導体

Info

Publication number
JP2744843B2
JP2744843B2 JP31582090A JP31582090A JP2744843B2 JP 2744843 B2 JP2744843 B2 JP 2744843B2 JP 31582090 A JP31582090 A JP 31582090A JP 31582090 A JP31582090 A JP 31582090A JP 2744843 B2 JP2744843 B2 JP 2744843B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
conagenin
formula
represented
hydrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31582090A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04187664A (ja
Inventor
雅章 石塚
敬 山下
昌司 河津
佳秀 布施
壮一 守川
謙二 前田
富雄 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Microbial Chemistry Research Foundation
Kaneka Corp
Original Assignee
Microbial Chemistry Research Foundation
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Microbial Chemistry Research Foundation, Kaneka Corp filed Critical Microbial Chemistry Research Foundation
Priority to JP31582090A priority Critical patent/JP2744843B2/ja
Publication of JPH04187664A publication Critical patent/JPH04187664A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2744843B2 publication Critical patent/JP2744843B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はT細胞増殖作用と抗腫瘍作用を有し且つ後記
の一般式(I)で表される新規なコナゲニン誘導体およ
びその造塩可能なものの塩に関し、またそれらの製造方
法に関する。更に本発明は後記の(II)で表されるコナ
ゲニンおよび一般式(I)で示されるコナゲニンの誘導
体又はそれらの塩を有効成分とするT細胞増殖促進剤、
並びに一般式(I)で表されるコナゲニン誘導体又はそ
の塩を有効成分とする制癌剤に関するものである。
〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕
従来臨床に用いられている制癌剤抗生物質は本質的に
は細胞毒物質であるため、一般に毒性が強く、癌細胞の
増殖を抑制するが正常細胞にも障害を与えるため、副作
用が強いという欠点を有している。このため、従来とは
異なる作業機序で制癌活性を示し、かつ毒性が低くて副
作用が少ないが有効な抗癌活性を示して人癌治療に有効
である制癌性の新規な物質が望まれている。
本発明者らは、先にそのような望ましい性質を持つ新
規な抗生物質としてコナゲニンを得ることに成功した。
コナゲニンは新菌株であるストレプトミセス・ロゼオ
スポルスMI696-AF3株の培養によって産生されて次式(I
I) で表わされる新規な抗生物質である(本出願人の出願に
係る特開昭2-306953号公報参照)。
これまで、コナゲニンの上記の化学構造と類似する構
造をもち且つT細胞の増殖を促進する活性、および(ま
たは)制癌活性を示す物質は知られていない。本発明者
らは、新規で有用な制癌性化合物を創製する目的でコナ
ゲニンから種々の新しい誘導体を合成する研究を重ねた
が、後記の一般式(I)で表わし得るコナゲニン誘導体
を合成することに成功し、またこれら新規コナゲニン誘
導体が哺乳動物のT細胞の増殖を促進する活性を有する
こと及び抗腫瘍作用を有することを見出した。また、コ
ナゲニンそれ自体も同様なT細胞増殖促進活性を有する
ことを見出した。これらの知見に基づいて本発明は完成
された。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明の第一の発明は新規物質として下記
の一般式(I)のコナゲニン誘導体とその塩に関する。
このコナゲニン誘導体は、下記の一般式(I)で表され
る化合物である。
〔式中、R1は水素、メチル基、エチル基または式−COR6
(R6は水素、メチル基、またはエチル基を示す)で表わ
されるアシル基を表わし;R2は水素、C1〜C5のアルキル
基、 (nは1〜3の整数を示す)で表わされるアラルキル基
または式−COR7(R7は水素、メチル基またはエチル基を
示す)で表わされるアシル基を表わし;R3は水素、メチ
ル基またはエチル基を表わし;R4は水素、C1〜C5のアル
キル基、 (nは1〜3の整数を示す)で表わされるアラルキル
基、または式−COR8(R8は水素、メチル基またはエチル
基を示す)で表わされるアシル基を表わし;R5は式−OR
9(R9は水素、C1〜C5のアルキル基または式 (nは1〜3の整数を示す)で示されるアラルキル基を
示す)で表わされる基、または式−NHR10(R10は水素、
C1〜C5のアルキル基または (nは1〜3の整数を示す)で示されるアラルキル基を
示す)で表わされるアミノ基又は置換アミノ基を表わす
が但し、R1、R2、R3、R4およびR5のすべてが同時に水素
原子であることはない〕。
なお、一般式(I)の化合物において、式−COR6のア
シル基、式−COR7のアシル基、式−COR8のアシル基は、
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基
の如きC2〜C6のアルカノイル基であることが好ましい。
またR2、R4、R9及びR10がアラルキル基である場合の好
ましい例はベンジル基、フエネチル基、等である。C1
C5のアルキル基の好ましい例は、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso
−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、等である。例
えば、一般式(I)のコナゲニン誘導体の塩としては、
そのカルボキシル基における金属塩、特にナトリウム又
はカリウムのごときアルカリ金属との塩、あるいはカル
シウムのごときアルカリ土類金属またはアンモニウム基
との薬学的に許容される塩あるいはカルボキシル基にお
ける塩基、例えばアルキルアミンとの付加塩が挙げられ
る。これらの塩をT細胞増殖剤あるいは制癌剤として使
用する場合には、生理的に許容される塩を選ぶべきであ
る。
本発明による一般式(I)のコナゲニン誘導体の代表
例を次の第1表にあげる。なお、第1表にあげた化合物
番号は後記の試験例及び実施例でも参照される。
なお、第1表でt−Buは第3級ブチル基、n−Buはn
−ブチル基、Phはフェニル基の略号を表わす。
また、本発明の第2の発明によると、一般式(I)で
示すコナゲニン誘導体の製造法が提供される。
この第2の本発明の方法は、次式(II) で表わされるコナゲニンの官能基である水酸基、カルボ
キシル基又は活性の水素原子を保護し又は保護せずに、
コナゲニンのアルコール性水酸基の1個又はそれ以上を
エーテル化又はエステル化するか、もしくはコナゲニン
のカルボキシル基をエステル化又はアミド化するか、も
しくはコナゲニンのイミノ基をアルキル化するか、もし
くはそれらのエーテル化、エステル化、アミド化及びア
ルキル化の何れか二つ又はそれ以上の反応を組合わせて
行うことを特徴とする、一般式(I)のコナゲニン誘導
体の製造法に関する。
本法で原料として用いられるコナゲニンは、放線菌に
属するコナゲニン生産菌、具体的にはストレプトミセス
・ロゼオスポルスMI696-AF3株(微工研菌寄第10598号)
の培養によって生産される(特願平1-127846号明細書参
照)。
MI696-AF3株の菌学的性状は次のとおりである。
1.形態 MI696-AF3株は顕微鏡下で分枝した基中菌糸より、比
較的長いまっすぐな気菌糸を形成し、らせん形成および
輪生枝は認められない。気菌糸の先端には50個以上の胞
子の連鎖を認め、その大きさは0.6×1.0〜1.2ミクロン
位を示す。胞子の表面は平滑である。
2.各種培地における生育状態 色の記載について〔 〕内に示す標準はコンティナー
・コーポレーション・オブ・アメリカのカラー・ハーモ
ニー・マニュアル(Container Corporation of America
のColor Harmony Manual)を用いた。
(1) シュクロース・硝酸塩寒天培地(27℃培養) 無色の発育上に、白〜ピンク白の気菌糸をうっすらと
着生し、溶解性色素は認められない。
(2) グルコース・アスパラギン寒天培地(27℃培
養) 発育はうす黄〔2ca,Lt Ivory〜2ea,Lt Wheat〕、気菌
糸は白〜ピンク白〔3ca,Pearl Pink〕、溶解性色素は認
められない。
(3) グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP培地
5、27℃培養) うす黄茶〔3ie,Camel〕〜黄茶〔3le,Cinnamon〕の発
育上に、ピンク白〜うすピンク〔4ca,Flesh Pink〕の気
菌糸を着生し、溶解性色素は黄茶を呈する。
(4) スターチ・無機塩寒天培地(ISP培地4、27℃
培養) うす黄〔2ea,Lt Wheat〕〜うす黄茶〔2ic,Honey Gol
d〕の発育上に、うすピンク〔4ca,Flesh Pink〕の気菌
糸を着生し、溶解性色素は認められない。
(5) チロシン寒天培地(ISP培地7、27℃培養) 発育はうす黄〔2ea,Lt Wheat〕〜うす黄茶〔2ic,Hone
y Gold〕、気菌糸は茶白〔3ca,Pearl Pink〕、溶解性色
素は認められない。
(6) 栄養寒天培地(27℃培養) 発育は無色、気菌糸を着生せず、溶解性色素も認めら
れない。
(7) イースト・麦芽寒天培地(ISP培地2、27℃培
養) うす黄茶〔2ic,Honey Gold〜31e,Cinnamon〕の発育上
に、うすピンク〔4ca,Flesh Pink〜5ca,Flesh Pink〕の
気菌糸を着生し、溶解性色素は認められない。
(8) オートミール寒天培地(ISP培地3、27℃培
養) 発育は無色、気菌糸はピンク白〜うすピンク〔4ca,Fl
esh Pink〜5ca,Flesh Pink〕、溶解性色素は認められな
い。
(9) グリセリン・硝酸塩寒天培地(27℃培養) うす黄 〜黄茶〔3ng,Yellow Maple〕の発育上に、茶白〔3ca,Pe
arl Pink〕の気菌糸を着生し、黄茶の溶解性色素がわず
かに認められる。
(10) スターチ寒天培地(27℃培養) 発育はうす黄〜うす黄茶〔2gc,Bamboo〕、気菌糸はう
すピンク〔4ca,Flesh Pink〕、溶解性色素は認められな
い。
(11) リンゴ酸石灰寒天培地(27℃培養) 無色の発育上に白の気菌糸を着生し、溶解性色素は認
められない。
(12) セルロース(濾紙片添加合成液、27℃培養) 無色の発育上に、白の気菌糸をうっすらと着生し、溶
解性色素は認められない。
(13) ゼラチン穿刺培養 15%単純ゼラチン培地(20℃培養)、グルコース・ペ
プトン・ゼラチン培地(27℃培養)ともに、発育は無
色、気菌糸は着生せず、溶解性色素も認められない。
(14) 脱脂牛乳(37℃培養) 発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解性色素はわずか
に茶色味をおびる。
3.生理的物質 (1) 生育温度範囲 スターチ・イースト寒天培地(可溶性澱粉1.0%、イ
ーストエキス〔日本製薬(株)製〕0.2%、ひも寒天3.0
%、pH7.0〜7.2)を用い、20℃、24℃、27℃、30℃、37
℃、50℃の各温度で試験の結果、50℃を除いて、そのい
ずれの温度でも発育したが、最適生育温度は30℃〜37℃
付近と思われる。
(2) ゼラチンの液化(15%単純ゼラチン、20℃培
養:グルコース・ペプトン・ゼラチン、27℃培養) 単純ゼラチン培地では、培養後7日目頃より液化が認
められ、その作用は中等度〜強い方である。グルコース
・ペプトン・ゼラチン培地では、培養後11日目頃より液
化が認められ、その速度はゆっくりと進み、中等度であ
る。
(3) スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒天培
地及びスターチ寒天培地、いずれも27℃培養) スターチ・無機塩寒天培地、スターチ寒天培地ともに
培養後3日目頃より水解性が認められ、その作用は強い
方である。
(4) 脱脂牛乳の凝固・ペプトン化(脱脂牛乳、37℃
培養) 凝固を認めることなく、培養後8日目頃よりペプトン
化が始まり、その速度はゆっくりと進み、3週間目に完
了する。
(5) メラニン様色素の生成(トリプトン・イースト
・ブロス、ISP培地1:ペプトン・イースト・鉄寒天培
地、ISP培地6:チロシン寒天培地、ISP培地7、いずれも
27℃培養) トリプトン・イースト・ブロス、ペプトン・イースト
・鉄寒天培地およびチロシン寒天培地で陰性である。
(6) 炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリーブ寒天
培地、ISP培地9、27℃培養) D−グルコース、L−アラビノース、D−キシロー
ス、ラムノース、ラクトースを利用してよく発育し、イ
ノシトール、D−フラクトース、シュクロース、D−マ
ンニトール、ラフィノースは利用しない。
(7) リンゴ酸石灰の溶解(リンゴ酸石灰寒天培地、
27℃培養) 陽性である。
(8) 硝酸塩の還元反応(0.1%硝酸カリウム含有ペ
プトン水、ISP培地8、27℃培養) 陽性である。
(9) セルロースの分解(濾紙片添加合成液、27℃培
養) 陰性である。
以上の性状を要約すると、MI696-AF3株の気菌糸は直
線状で、らせん形成および輪生枝は認められず、胞子の
表面は平滑である。種々の培地で、無色あるいはうす黄
〜うす黄茶の発育上にピンク白〜うすピンクの気菌糸を
着生し、溶解性色素は認められないか、あるいはわずか
に茶色味をおびる。メラニン様色素の生成は、トリプト
ン・イースト・ブロス、ペプトン・イースト・鉄寒天培
地、チロシン寒天培地のいずれの場合も陰性である。蛋
白分解力は中等度〜強い方であり、スターチの水解性も
強い。なお、細胞壁に含まれる2,6−ジアミノピメリン
酸はLL−型であった。
これらの性状より、MI696-AF3株はストレプトミセス
(Streptomyces)属に属するものと考えられる。更に、
近縁の既知菌種を検索すると、ストレプトミセス・ロゼ
オフルブス(Streptomyces roseofulvus;文献1)「I
nternational Journal of Systematic Bacteriology」1
8巻、165頁、1968:文献2)「International Journal o
f Systematic Bacteriology」30巻、399頁、1980)およ
びストレプトミセス・ロゼオスポルス(Streptomyces
roseosporus;文献「International Journal of System
atic Bacteriology」18巻、370頁、1968)があげられ
た。
そこで、MI696-AF3株とこれらの菌種について実地に
比較検討した。その結果をまとめると、第2表のように
なる。
第2表から明らかなように、MI696-AF3株はストレプ
トミセス・ロゼオスポルスおよびストレプトミセス・ロ
ゼオフルブスのいずれにも類似している。しかし、後者
とはD−フラクトース、シュクロース、ラフィノースの
利用性で大きく異なり、しかも後者が有するpHインディ
ケーター(酸化還元指示薬)の溶解性色素をMI696-AF3
株は示さない。一方、ストレプトミセス・ロゼオスポル
スとMI696-AF3株は、すべての点で酷似した成績を示し
た。
従って、MI696-AF3株をストレプトミセス・ロゼオス
ポルス(Streptomyces roseosporus)MI696-AF3株と同
定する。
なお、MI696-AF3株を工業技術院微生物工業技術研究
所に寄託申請し、平成元年3月2日、微工研菌寄第1059
8号として受託された。
式(II)のコナゲニンの理化学的性状を以下に示す。
形 状:無色板状晶 元素分析:炭素47.96%、水素7.67%、窒素5.64
%、酸素38.19% 質量分析:250.1291(M+H)+、(高分解機能マススペ
クトルによる) 分子式 :C10H19NO6 融 点:159〜161℃ 比旋光度:▲〔α〕27 D▼+55.4°(c1.0,メタノー
ル) 紫外部吸収スペクトル:末端吸収あり(メタノール
中) プロトン核磁気共鳴スペクトル:(重メチルスルホ
キシド中、内部標準テトラメチルシラン); 0.81(d,3H,J=6.0Hz);1.11(d,3H,J=6.0Hz); 1.38(S,3H);1.77(gdd,1H,J=6.0Hz); 3.57,3.79(AB patern,2H,J=11.0Hz); 3.66(gd,1H,J=6.0Hz,6.0Hz); 3.99(d,1H,J=2.0Hz)7.72(S,1H) 13C−磁気共鳴スペクトル(重メタノール中、内部
基準テトラチルシラン): 176.7(s) 175.8(s) 75.3(d) 7.12(d) 66.2
(t) 62.7(s) 43.7(d) 21.2(g) 20.0(g)
8.3(g) コナゲニンの製造例を後記の参考例で具体的に記載す
る。
本発明の方法において一般式(I)の化合物を合成す
るには次の様な実施方法が挙げられる。
例えば、上記一般式(I)で表わされる本発明化合物
のうち、R1がメチル基もしくはエチル基で表わされる化
合物は式(II)のコナゲニンを式R11X(R11はメチル基
もしくはエチル基を示しXはハロゲン原子を示す)で表
わされるアルキルハライドと塩基の存在下に反応させる
ことにより合成できる。
また、R2がC1〜C5のアルキル基またはアラルキル基で
表わされる式(I)の化合物並びにR4がC1〜C5のアルキ
ル基またはアラルキル基で表わされる式(I)の化合物
は、それぞれ式(II)のコナゲニンと式R12X(R12はC1
〜C5のアルキル基または (n=1〜3)のアラルキル基を示しXはハロゲン原子
を示す)で表わされるアルキルハライド又はアラルキル
ハライドを塩基の存在下に反応させることに合成するこ
とができる。以上の合成法はコナゲニンのアルコール性
水酸基を常法でエーテル化反応することによって、目的
とする型の式(I)の化合物を合成するものであり、こ
のように目的とするエーテル型の式(I)の化合物を得
る方法は上記の特定な方法に限定する必要はなく、エー
テル化反応を行う他の試剤(例えば硫酸エステル、スル
ホン酸エステルやジアゾアルカン等)も同様に用いるこ
とができる。なおここで用いる塩基としては、ナトリウ
ムメチラート等のアルカリ金属アルコラート、水素化ナ
トリウム等のアルカリ金属水素化物、水酸化カリウム等
のアルカリ金属水酸化物、リチウムジイソプロピルアミ
ド等のアルカリ金属アミド、ピリジン類、トリエチルア
ミン等のアミン類等が挙げられる。
次に、一般式(I)で表わされる本発明化合物のう
ち、R3がメチル基もしくはエチル基で表わされる式
(I)の化合物は式(II)のコナゲニンを式R13X(R13
はメチル基もしくはエチル基を示す)で表わされるアル
キルハライドと塩基の存在下に反応させる事により合成
することができる。以上の方法は、コナゲニン中のイミ
ノ基のチッ素原子のアルキル化修飾によって、目的とす
る式(I)の化合物を合成するものであり、目的とする
化合物を得る方法は上記の特定な方法に限定する必要は
なく、イミノ基のチッ素原子をアルキル化する他の試剤
も同様に用いることができる。
ここで用いる塩基としては、ナトリウムメチラート等
のアルカリ金属アルコラート、水素化ナトリウム等のア
ルカリ金属水素化物、リチウムジイソプロピルアミド等
のアルカリ金属アミド等が挙げられる。
更に、一般式(I)で表わされる本発明化合物のう
ち、R1がアシル基−COR6(R6は前記に同じ)で表わされ
る化合物、あるいはR2がアシル基−COR7(R7は前記と同
じ)で表わされる化合物、あるいはR4がアシル基−COR8
(R8は前記に同じ)で表わされる化合物は、式(II)の
コナゲニンを式(R14CO)2O(R14は水素、メチル基もしく
はエチル基を示す)で表わされる有機酸無水物と硫酸、
p−トルエンスルホン酸等の酸、またはピリジン、ルチ
ジン等の塩基の存在下にエステル化反応させることによ
り合成することができ、若しくはコナゲニンと式R15COX
(R15は水素、メチル基、もしくはエチル基を示しハロ
ゲン原子を示す)で表わされる酸ハライドとを水酸化ナ
トリウム等のアルカリ金属水酸化物等の無機塩基、また
はピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基の存在下に
エステル化反応させることによって合成できる。
以上の合成法はコナゲニンのアルコール性水酸基を常
法でエステル化反応することによって、目的とするエス
テル型の式(I)の化合物を合成するものであり、目的
とする型の式(I)の化合物を得る方法は上記の特定な
方法に限定する必要はなく、エステル化反応を行う他の
試剤も同様に用いることができる。
更に一般式(I)で表わされる本発明化合物のうち、
R5が式−OR16(R16はC1〜C5のアルキル基、もしくは (n=1〜3)のアラルキル基を示す)で表わされる式
(I)の化合物は式(II)のコラゲニンを式R17X(R17
はC1〜C5のアルキル基、もしくは (n=1〜3)のアラルキル基を示しXはハロゲン原子
を示す)で表わされるアルキルハライド又はアラルキル
ハライド化合物とナトリウムメチラート等のアルカリ金
属アルコラート、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水
素化物、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、リ
チウムジイソプロピルアミド等のアルカリ金属アミド、
ピリジン類、トリエチルアミン等のアミン類、テトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド等の四級アンモニウム等
の塩基の存在下にコナゲニンのカルボキシル基の所で反
応させることにより、あるいはコナゲニンと式R18OH(R
18はC1〜C5のアルキル基もしくは (n=1〜3)のアラルキル基を示す)で表わされるア
ルカノール又はアラルキルアルコール類とを塩酸、硫酸
等の鉱酸、トリフッ化ホウ素等のルイス酸、p−ルトル
エンスルホン酸等の有機酸の存在下、もしくは、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド等の通常用いられる脱水縮合
剤の存在下にコナゲニンのカルボキシル基の所でエステ
ル化反応させることにより合成できる。更には、塩化チ
オニル、五塩化リン等のハロゲン化試剤によりコナゲニ
ンをカルボン酸塩化物に変換した後、式R18OH(R18は前
記に同じ)にアルコールを反応させることにより合成す
る事ができる。以上の合成法はコナゲニンのカルボキシ
ル基のエステル化反応によって、目的とするエステル型
の式(I)の化合物を合成するものであり、目的とする
化合物を得る方法は、上記の特定な方法に限定する必要
はなく、エステル化反応を行う他の試剤(例えばジアゾ
アルカン、硫酸エステル等)も同様に用いることができ
る。
また、一般式(I)で表わされる本発明化合物のう
ち、R5が式−NHR10(R10は前記に同じ)で表わされる化
合物は遊離酸の形の式(II)のコナゲニン、もしくは一
般式(I)で表わされる本発明化合物のうちR5が式OR16
(R16は前記に同じ)で表わされるエステル型の式
(I)の化合物を式NHR19(R19は水素、C1〜C5のアルキ
ル基、もしくは式 (n=1〜3)のアラルキル基を示す)で表わされるア
ミン化合物に対して触媒の不存在下に、あるいはジシク
ロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド等の通常用いら
れる脱水縮合剤、または/および、ナトリウムメトキシ
ド等の金属アルコラート、ブチルリチウム等のアルキル
金属ナトリウムハイドライド等の金属水素化物等の塩基
の存在下に、更には塩化チオニル、五塩化リン等のハロ
ゲン化試剤との反応により酸塩化物に変換した後、反応
させることにより合成できる。
当然の事ながら、上記の反応により一般式(I)のコ
ナゲニン誘導体を合成する場合、条件によってR1、R2
R3、R4、およびR5の水素以外に該当する官能基を、それ
ぞれ種々の組み合わせで同時に導入することができる。
さらに、同時に導入した後に、R5が基−OR16(R16は前
記に同じ)で表わされる化合物を水酸化ナトリウム等の
塩基または硫酸等の酸で加水分解により、R5がOHである
遊離カルボン酸の形の式(I)の化合物を得る事も出来
る。また、先にコナゲニンに保護基を導入した後、上記
反応を行い、その後に通常の脱保護法による脱保護によ
り、選択的に目的とする式(I)の化合物を得ることも
できる。ここで言う保護基とは、トリメチルシリル基、
ジメチル−ターシャリーブチルシリル基、テトラヒドロ
ピラニル基またはアセトニド基等が挙げられるが、これ
に限定する必要はなく、水酸基、アミド基、カルボキシ
ル基の保護基として働き得る他の保護基を用いることも
できる。
更に第3の本発明によると、次式 で表されるコナゲニン又はその塩および一般式(I)で
表されるコナゲニン誘導体またはその塩の少なくとも一
つを有効成分として含有することを特徴とするT細胞増
殖促進剤が提供される。
前記コナゲニンは、それの作用の特徴として、マウス
脾細胞から得たT細胞の増殖を特異的に促進するが、休
止期のT細胞には作用しない。例えば、コンカナバリン
Aで処理したT細胞あるいはマクロファージと共存して
いるT細胞に作用する。このことから、ヘルパーT細胞
あるいはエフェクターT細胞のクローンを増やして活性
化することが期待され、癌あるいは自己免疫病への薬剤
としての可能性がある。
一般式(I)で表されるコナゲニン誘導体のT細胞増
殖促進作用は以下に試験例によって例証する。
試験例1 コナゲニン、並びに一般式(I)のコナゲニン誘導体
のT細胞増殖に対する効果は、次のように調べた。
雌性フィッシャー344ラット(12〜16週齢、日本チャ
ールス・リバー社より購入)から無菌的に摘出した脾臓
をホモジナイズした後、ナイロン・ウール・ファイバー
・カラムを通過させ、T細胞の豊富な細胞液を得た。こ
の細胞液を、牛胎児血清10%を添加したRPHI 1640培地
〔日本製薬(株)製〕中に2×106個/mlになるように懸
濁し、96穴マイクロ・プレートに100μlずつ分注し
た。細胞液には5μg/mlのコンカナバリンA(ファルマ
シア社製)と、各濃度の供試化合物を加え、炭酸ガスふ
卵器(CO2濃度5%)中で37℃、3日間培養した。培養
終了16時間前に、10μl/mlの放射能ラベルしたチミジン
液(Thymidine,[6−3H]NEN社製)を10μl添加し
た。培養細胞をセルハーベスターによって濾紙上に固定
し、液体シンチレーション・カウンターで放射能値を測
定し、検体無添加群の値を100とした時の値を、ラット
T細胞増殖に対するコナゲニン誘導体の増強値として示
した。その結果を第3表に示す。
第3表に示された結果から、本発明による一般式
(I)の化合物は優れたT細胞増殖促進活性を有するこ
とが明らかである。
本発明の第4の発明によると、一般式(I)で表され
るコナゲニン誘導体又はその塩の少なくとも一つを有効
成分とする制癌剤が提供される。
一般式(I)のコナゲニン誘導体の抗腫瘍活性は、以
下の試験例により例証する。
試験例2 本発明化合物(I)の抗腫瘍作用は、以下の様に試験
した。
すなわち、ICRマウスにエールリッヒ腹水癌細胞の懸
濁液を細胞数2×106個/マウスになる様に鼠蹊部皮下
に移植し、移植後7日目より供試化合物を、50、12.5、
3.125、0.78、0.19mg/kgの投与量で腹腔内に7階注射し
た(1群4匹、対照群8匹)。15日目に固型癌を取り出
し、固型癌の重量を測定し、対照群に比較しての処理群
のマウスの固型癌の重量の減少を抑制率として第4表に
示した。第4表に示すように、本発明の各化合物は、マ
ウスエールリッヒ固型癌に対して、顕著な抑制活性を示
した。
本発明による第4表に示された代表例の新規コナゲニ
ン誘導体を500mg/kgの投与量でマウスに経口投与した
が、何らの毒性を示さず、本発明による新規コナゲニン
誘導体(I)は低毒性であることが分った。
本発明によるコナゲニン誘導体(I)を有効成分とし
て含有する制癌剤の製剤としては、経口、経腸または非
経口的投与による製剤のいずれをも選ぶことが出来る。
具体的製剤としては、注射剤、錠剤、カプセル剤、細粒
剤、シロップ剤、坐薬、軟膏剤などをあげることが出来
る。本発明による制癌剤の製剤の担体としては、経口、
経腸、その他非経口的に投与するために適した有機また
は無機の固体または液体の、通常は不活性な薬学的担体
材料が用いられる。具体的には、例えば結晶性セルロー
ス、ゼラチン、乳糖、澱粉、ステアリン酸マグネシウ
ム、タルク、植物性および動物性脂肪および油、ガム、
ポリアルキレングリコールがある。製剤中の担体に対す
る本発明の制癌剤化合物(I)の割合は0.2〜100%の間
で変化させることが出来る。また、本発明による制癌剤
は、これと両立性の他の制癌剤又はその他の医薬を含む
ことが出来る。この場合、本発明による制癌剤が、その
製剤中の主成分でなくても良いことはいうまでもない。
本発明による一般式(I)の化合物は、一般に所望の
作用が副作用を伴うことなく達成される投与量で投与さ
れる。その具体的な値は医師の判断で決定されるべきで
あるが、制癌の目的には一般に成人1人当り10mg〜10
g、好ましくは20mg〜5g程度で投与されるのが普通であ
ろう。なお、第4の本発明の制癌剤は有効成分として1m
g〜5g、好ましくは3mg〜1gの単位の薬学的製剤として投
与できる。
(実施例) 次にコナゲニンの製造の参考例、並びに本発明の化合
物の製造例をあげて本発明を具体的に説明するが、これ
ら実施例は本発明を制限するものではない。
参考例 コナゲニンの製造例 寒天斜面培地で培養したストレプトミセス・ロゼオス
ポルス(Streptomyces roseosporus)MI696-AF3株(微
工研菌寄第10598号)より、ガラクトース2.0%、デキス
トリン2.0%、ソイペプトン(ディフコ社製バクトソイ
トン)1.0%、コーン・スティープ・リカー〔日本食品
化工(株)製〕0.5%、硫酸アンモニウム0.2%、炭酸カ
ルシウム0.2%、消泡用シリコーンオイル〔信越化学工
業(株)製シリコンKM70〕0.03%からなる液体培地(pH
7.4)を110mlずつ分注したワッフル付三角フラスコ2本
に1白金耳ずつ接種し、27℃で3日間振とう培養した。
それを種培養液として用い、マルトース(HAYASHIBAR
A BIOCHEMICAL社製)2.0%、細菌用肉エキス〔極東製薬
工業(株)製〕0.5%ペプトン〔日本製薬(株)製ポリ
ペプトン〕0.5%、粉末酵母エキスS〔日本製薬(株)
製〕0.3%、塩化ナトリウム0.3%、硫酸マグネシウム
(7水和物)0.1%、以上の培地成分に無機塩として、
硫酸銅(5水和物)2.8g、硫酸鉄(7水和物)0.4g、塩
化マンガン(4水和物)3.2g、硫酸亜鉛(7水和物)0.
8gを500mlの蒸留水に溶解したものを1.25ml/lとなるよ
うに加えた液体培地を、110mlずつ分注したワッフル付
三角フラスコ91本に3mlずつ接種し、27℃で4日間振と
う培養した。培養液の濾過により濾過液を菌体から分離
し、その濾過液8100mlに200gの活性炭素を加え、濾別し
た。活性炭素に吸着した有効成分は4lの50%アセトン水
で抽出し、減圧濃縮した。これを2lの蒸留水に溶解しpH
3にて等量のブタノールで抽出、pHを8に戻した後、減
圧濃縮して、7.5gの褐色油状物質を得た。
これを酢酸ブチル−ブタノール−酢酸−水(6:4:1:
1)で充填した150mlのシリカゲルカラムにかけ、同溶液
で溶出クロマトクラフィーを行った。メルク社製Art.57
15シリカゲルプレートを用いた薄層クロマトグラフィー
でRf値0.50〜0.55〔展開液ブタノール−酢酸−水(4:1:
1)〕を示すニンヒドリン発色分画を集め、減圧濃縮し
て1.2gのコナゲニン粗物質を得た。
この粗物質を高速液体クロマトグラフィー(センシュ
ー科学(株)製、センシューパックヌクレオジル(Nucl
eosil)5C18、20φ×300mm〕にかけ、5ml/分の流速にお
いて、移動相を20分間で10%メタノールから100%メタ
ノールへとグラジェントをかけながら溶出し、その後20
分間メタノールで溶出を行った。滞留時間21分のピーク
を分取し、減圧濃縮したところ無色結晶として34.8mgの
コナゲニンが得られた。この結晶のメタノール溶液は、
メルク社Art.5715シリカゲル薄層クロマトグラフィー
〔ブタノール−酢酸−水(4:1:1)で展開〕で単一スポ
ットを与え、純粋なコナゲニンを得たことがわかった。
実施例1 化合物No.1の合成 水素化ナトリウム(油性、含有量60%)3.2gを乾燥ジ
メチルホルムアミド(DMF)160mlに懸濁し、この懸濁液
にコナゲニン4.0gを室温にて撹拌しながらゆっくり加
え、ガスの発生が終了するまで約30分間反応させた。
この懸濁液にヨウ化メチル12.5mlを加え、室温にて2
時間反応させた。このエーテル化の反応終了後、得られ
た反応溶液を減圧下濃縮し、続いて、飽和食塩水を加
え、ブタノール50mlで3回抽出した。抽出液を飽和食塩
水で洗浄後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルを
担体とするカラムクロマトグラフィーにかけ、1%から
5%のメタノールを含むクロロホルムにて溶出を行ない
目的物質を含む画分を集め溶媒を留去し、目的とする化
合物No.1(第1表参照)を4.1g得た(収率84.8%)。
実施例2 化合物No.4の合成 コナゲニン1.0gをDMF30mlに溶解し、この溶液にテト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド・5水和物0.73gの3
0ml水溶液を室温にて加え、10分間反応させた。
この反応溶液を減圧乾固し、残渣にDMF30mlを加え、
続いてヨウ化メチル2.5mlを加え、激しく撹拌しながら2
4時間反応させた。
反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣に飽和食塩水を
加え、ブタノール30mlで3回抽出した。抽出液を飽和食
塩水で洗浄後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル
を担体とするカラムクロマトグラフィーにかけ3%から
5%のメタノールを含むクロロホルムにて溶出を行な
い。目的とする化合物No.4(第1表参照)を0.9g得た
(収率90.0%)。
実施例3 化合物No.7の合成 コナゲニン1.5g、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド・5水和物1.1g、臭化ベンジル1.4mlを用い、実施
例2と同様の操作で反応し且つ後処理すると、目的とす
る化合物No.7(第1表参照)を1.8g得た(収率89.6
%)。
実施例4 化合物No.9の合成 水素化ナトリウム0.22g(油性、含有量60%)、コナ
ゲニン0.5g、臭化ベンジル1.0mlを用い、実施例1と同
様の操作を行ない、目的とする化合物No.9(第1表参
照)を0.5g得た(収率60.0%)。
実施例5 化合物No.12の合成 実施例1で得られた化合物No.1の250mgをメタノール1
0mlに溶解し、この溶液に5N水酸化ナトリウム0.2mlを加
え80℃で8時間反応させた。
反応液を冷却後、水を加え、2N塩酸で酸性にし、ブタ
ノール30mlで3回抽出を行なった。抽出液を水洗後に溶
媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルを担体とす
るカラムクロマトグラフィーに付し、5%のメタノール
を含むクロロホルムにて溶出を行ない、目的とする化合
物No.12(第1表参照)を130mg得た(収率54.2%)。
実施例6 化合物No.14の合成 コナゲニン0.5gをピリジン20mlに溶解し、この溶液に
無水酢酸10mlを加え、室温にて24時間反応させた。この
アセチル化の反応終了後、減圧下濃縮し、得られた残渣
に酢酸エチル50mlを加え、希塩酸20mlで洗浄し、乾燥後
(硫酸ナトリウムによる)に溶媒を減圧留去した。残渣
をシリカゲルを担体とするカラムクロマトグラフィーに
付し、酢酸エチル:ヘキサン(3:7)の混合溶媒にて溶
出し、目的とする化合物No.14(第1表参照)を0.16g得
た(収率21%)。
実施例7 化合物No.17の合成 実施例2で得られた化合物No.4の300mgを濃アンモニ
ア水1mlに溶解し、この溶液に塩化アンモニウム1.0gを
加え、室温にて16時間反応させた。反応終了後、反応液
を減圧下濃縮し、得られた残渣を、シリカゲルを担体と
するカラムクロマトグラフィーに付し、5%から20%の
メタノールを含むクロロホルムにて溶出した。目的物を
含む画分を集め、溶媒を減圧留去し、目的とする化合物
No.17(第1表参照)を42mg得た(収率、15.4%)。
実施例8 化合物No.19の合成 実施例2で得られた化合物No.4の30mgをメタノール1m
lに溶解し、この溶液にn−ブチルアミン0.1mlを加え、
続いてナトリウムメトキシドを触媒量加え、80℃にて8
時間反応させた。
反応終了後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲ
ルを担体とするカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸
エチルにて溶出を行ない、目的とする化合物No.19(第
1表参照)を25mg得た(収率73.5%)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 231/12 C07C 231/12 237/22 237/22 (72)発明者 布施 佳秀 兵庫県高砂市高砂町西畑3丁目1番6― 403 (72)発明者 守川 壮一 兵庫県姫路市伊傳居473―15 (72)発明者 前田 謙二 東京都目黒区五本木2丁目46番11号 (72)発明者 竹内 富雄 東京都品川区東五反田5丁目1番11号 ニユーフジマンシヨン701

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I) 〔式中、R1は水素、メチル基、エチル基または式−COR6
    (R6は水素、メチル基、またはエチル基を示す)で表わ
    されるアシル基を表わし;R2は水素、C1〜C5のアルキル
    基、 (nは1〜3の整数を示す)で表わされるアラルキル基
    または式−COR7(R7は水素、メチル基またはエチル基を
    示す)で表わされるアシル基を表わし;R3は水素、メチ
    ル基またはエチル基を表わし;R4は水素、C1〜C5のアル
    キル基、 (nは1〜3の整数を示す)で表わされるアラルキル
    基、または式−COR8(R8は水素、メチル基またはエチル
    基を示す)で表わされるアシル基を表わし;R5は式−OR
    9(R9は水素、C1〜C5のアルキル基または式 (nは1〜3の整数を示す)で示されるアラルキル基を
    示す)で表わされる基、または式−NHR10(R10は水素、
    C1〜C5のアルキル基または (nは1〜3の整数を示す)で示されるアラルキル基を
    示す)で表わされるアミノ基又は置換アミノ基を表わす
    が但し、R1、R2、R3、R4およびR5のすべてが同時に水素
    原子であることはない〕で表わされるコナゲニン誘導
    体、またはその塩。
  2. 【請求項2】次式(II) で表わされるコナゲニンの官能基である水酸基、カルボ
    キシル基又は活性の水素原子を保護し又は保護せずに、
    コナゲニンのアルコール性水酸基の1個又はそれ以上を
    エーテル化又はエステル化するか、もしくはコナゲニン
    のカルボキシル基をエステル化又はアミド化するか、も
    しくはコナゲニンのイミノ基をアルキル化するか、もし
    くはそれらのエーテル化、エステル化、アミド化及びア
    ルキル化の何れか二つ又はそれ以上の反応を組合わせて
    行うことを特徴とする、請求項1に記載の一般式(I)
    のコナゲニン誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】次式(II) で表されるコナゲニン又はその塩および請求項1に記載
    の一般式(I)で表わされるコナゲニン誘導体またはそ
    の塩の少なくとも一つを有効成分として含有することを
    特徴とするT細胞増殖促進剤。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の一般式(I)で表わされ
    るコナゲニン誘導体またはその塩を有効成分として含有
    することを特徴とする制癌剤。
JP31582090A 1990-11-22 1990-11-22 新規なコナゲニン誘導体 Expired - Lifetime JP2744843B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31582090A JP2744843B2 (ja) 1990-11-22 1990-11-22 新規なコナゲニン誘導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31582090A JP2744843B2 (ja) 1990-11-22 1990-11-22 新規なコナゲニン誘導体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04187664A JPH04187664A (ja) 1992-07-06
JP2744843B2 true JP2744843B2 (ja) 1998-04-28

Family

ID=18069954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31582090A Expired - Lifetime JP2744843B2 (ja) 1990-11-22 1990-11-22 新規なコナゲニン誘導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2744843B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5798387A (en) * 1992-10-15 1998-08-25 Zaidan Hojin Biseibutsu Kagaku Kenkyu Kai Amino acid derivatives
DE69326321T2 (de) 1992-10-15 2000-01-13 Kanegafuchi Kagaku Kogyo K.K., Osaka Neues aminosäurederivat
CN104788333B (zh) * 2015-03-19 2017-03-22 中国医科大学 2‑取代‑9,10‑蒽醌类化合物、制备方法及其用途

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04187664A (ja) 1992-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0315147B1 (en) New antibiotics, benanomicins A and B and dexylosylbenanomicin B, and production and uses thereof
US6087540A (en) Terphenyl compounds and medicines containing the same
CH637160A5 (fr) Procede de fabrication de glucosides anthracyclines.
GB2071661A (en) Physiologically active substance ebelactone and production thereof
US5527820A (en) Antibiotics having immunosuppressive activity, delaminomycins and processes for the production of the same
JP2744843B2 (ja) 新規なコナゲニン誘導体
AU634921B2 (en) Deacetylcolchicine derivatives
EP0420552B1 (en) New antifungal antibiotic, and the production and uses of same
EP0499489A1 (en) Polyhydroxycyclopentane derivatives, their preparation and their therapeutic use
JP3124373B2 (ja) 免疫抑制物質
CA1338184C (en) Bu-3862t antitumor antibiotic
CA2017276C (en) Carcinostatic or antitumor antibiotic, conagenin, and production and uses thereof
US5091371A (en) Antifungal and antiviral antibiotic, benanomicin A 4"'-O-sulfate or its salt, and the production and uses thereof
KR0130473B1 (ko) 새로운 항생물질, 베나노마이신 a와 b 및 덱실오실베나노마이신 b와 이들의 제조 방법과 용도
JP2879394B2 (ja) ベンズアントラセン誘導体、該誘導体を含有する抗腫瘍剤及びその製造方法
JPH05271267A (ja) Fr901459物質、その製法及び用途
JPH09157266A (ja) 新規抗生物質エポキシキノマイシンaおよびbとその製造法
JPH07126202A (ja) 化合物tan−1786およびその用途
JP3195409B2 (ja) Acat阻害物質
JP2581931B2 (ja) 新規アントラサイクリン抗生物質
JPH07258242A (ja) 抗腫瘍性物質be−39891類
JPH1057089A (ja) 抗生物質テトロマイシンc1、c2、c3、c4およびc5とその製造法
JPS62270527A (ja) 4181−2物質及びその誘導体を有効成分とする抗腫瘍剤
JPH09316069A (ja) 新規キサントン誘導体
JP2001055386A (ja) 抗生物質ツベラクトマイシンb、dおよびeとその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080206

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080206

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090206

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090206

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100206

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100206

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110206

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110206

Year of fee payment: 13