JP3195409B2 - Acat阻害物質 - Google Patents
Acat阻害物質Info
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- compound
- formula
- stachybotrys
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、式I:
【化4】 (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して水
素、低級アルキル基、または低級アルカノイル基を表わ
す。)で示される化合物、該化合物を産生する微生物、
該化合物の製造法、および該化合物を有効成分として含
有するACAT阻害剤に関する。
素、低級アルキル基、または低級アルカノイル基を表わ
す。)で示される化合物、該化合物を産生する微生物、
該化合物の製造法、および該化合物を有効成分として含
有するACAT阻害剤に関する。
【0002】
酵素アシルコエンザイムA:コレステロ−ルアシルトラ
ンスフェラ−ゼ(ACAT)はコレステロ−ルのエステ
ル化酵素であり、本酵素の阻害剤は動脈硬化の治療薬
(Drago R. et al., Tips 1991 (12), 194〜199)とし
て期待されている。近年わが国においても、生活水準の
変化に伴い欧米型食生活の増加、人口の高齢化とともに
高脂血症およびそれに起因する動脈硬化性疾患が増加し
社会問題となっている。動脈硬化症は、血管の内膜肥厚
と脂質蓄積が特徴的な病変である。近年、粥状動脈硬化
症の病巣に、マクロファ−ジ由来の細胞がコレステロ−
ルエステルを脂肪滴として貯蔵している泡沫細胞が観察
され、病変の進展に深く関わっていると推定されてい
る。また、動脈硬化病変部位の血管壁のACAT活性が
高くなっており、血管壁へコレステロ−ルエステルが蓄
積している事が報告されている。ACAT阻害剤により
コレステロ−ルのエステル化を阻害すれば、細胞内の遊
離コレステロールは高比重リポ蛋白質(HLD)により
沈着部位から取り去られ肝臓に運ばれ代謝されるので、
病変部位でのコレステロ−ルエステルの蓄積が抑制され
直接的な抗動脈硬化作用を得ることができる。
ンスフェラ−ゼ(ACAT)はコレステロ−ルのエステ
ル化酵素であり、本酵素の阻害剤は動脈硬化の治療薬
(Drago R. et al., Tips 1991 (12), 194〜199)とし
て期待されている。近年わが国においても、生活水準の
変化に伴い欧米型食生活の増加、人口の高齢化とともに
高脂血症およびそれに起因する動脈硬化性疾患が増加し
社会問題となっている。動脈硬化症は、血管の内膜肥厚
と脂質蓄積が特徴的な病変である。近年、粥状動脈硬化
症の病巣に、マクロファ−ジ由来の細胞がコレステロ−
ルエステルを脂肪滴として貯蔵している泡沫細胞が観察
され、病変の進展に深く関わっていると推定されてい
る。また、動脈硬化病変部位の血管壁のACAT活性が
高くなっており、血管壁へコレステロ−ルエステルが蓄
積している事が報告されている。ACAT阻害剤により
コレステロ−ルのエステル化を阻害すれば、細胞内の遊
離コレステロールは高比重リポ蛋白質(HLD)により
沈着部位から取り去られ肝臓に運ばれ代謝されるので、
病変部位でのコレステロ−ルエステルの蓄積が抑制され
直接的な抗動脈硬化作用を得ることができる。
【0003】また、食事中に含まれるコレステロ−ルは
小腸粘膜細胞においてACATによりエステル化された
後、キロミクロンの成分として血流中に放出される。A
CATの阻害剤を用いれば、食事中のコレステロ−ルの
小腸からの吸収を阻害することにより血中コレステロ−
ルを低下させることができ、その結果、動脈硬化を抑制
することができる。本発明化合物と類似の構造を持つ化
合物として、Arturo San Feliciano et al., Phytochem
istry 21(8), 2115-2117, 1982およびArturo San Felic
iano et al., Phytochemistry 29(2), 645-648, 1990に
記載されているものがあるが、これらの化合物のACA
T阻害作用はもちろん、医薬としての有用性についても
一切記載されていない。
小腸粘膜細胞においてACATによりエステル化された
後、キロミクロンの成分として血流中に放出される。A
CATの阻害剤を用いれば、食事中のコレステロ−ルの
小腸からの吸収を阻害することにより血中コレステロ−
ルを低下させることができ、その結果、動脈硬化を抑制
することができる。本発明化合物と類似の構造を持つ化
合物として、Arturo San Feliciano et al., Phytochem
istry 21(8), 2115-2117, 1982およびArturo San Felic
iano et al., Phytochemistry 29(2), 645-648, 1990に
記載されているものがあるが、これらの化合物のACA
T阻害作用はもちろん、医薬としての有用性についても
一切記載されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ACATには、肝臓に
存在する酵素と副腎に存在する酵素の2つのサブタイプ
が存在し、高コレステロ−ル食を負荷したときには、小
腸や血管壁において副腎に存在するタイプの酵素が誘導
されることが報告されている(Paul M. Kinnunenet a
l., Biochemistry 1988, 27, 7344〜7350)。これまで
ACAT阻害剤の研究の多くは肝臓の酵素を対象として
行われている。本発明者らは、高コレステロ−ル食で誘
導される副腎に存在するタイプの酵素を選択的に阻害す
る化合物は、より副作用の少ない動脈硬化の予防・治療
薬になりうると考え研究を行った。
存在する酵素と副腎に存在する酵素の2つのサブタイプ
が存在し、高コレステロ−ル食を負荷したときには、小
腸や血管壁において副腎に存在するタイプの酵素が誘導
されることが報告されている(Paul M. Kinnunenet a
l., Biochemistry 1988, 27, 7344〜7350)。これまで
ACAT阻害剤の研究の多くは肝臓の酵素を対象として
行われている。本発明者らは、高コレステロ−ル食で誘
導される副腎に存在するタイプの酵素を選択的に阻害す
る化合物は、より副作用の少ない動脈硬化の予防・治療
薬になりうると考え研究を行った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の事
柄を鑑み鋭意研究を行なった結果、カビの1種であるス
タキボトリス エレガンス RF−4667株(Stachy
botrys elegans RF-4667)の培養液中に生産される化合
物が副腎に存在するタイプのACATの活性を特異的に
阻害することを見出し、質量分析、1H−、13C−NM
R等のスペクトルデーターの解析、および化学分解反応
より該化合物がセスキテルペン配糖体の構造を有するこ
とを確認して本発明を完成させるに至った。すなわち本
発明は、式I:
柄を鑑み鋭意研究を行なった結果、カビの1種であるス
タキボトリス エレガンス RF−4667株(Stachy
botrys elegans RF-4667)の培養液中に生産される化合
物が副腎に存在するタイプのACATの活性を特異的に
阻害することを見出し、質量分析、1H−、13C−NM
R等のスペクトルデーターの解析、および化学分解反応
より該化合物がセスキテルペン配糖体の構造を有するこ
とを確認して本発明を完成させるに至った。すなわち本
発明は、式I:
【化5】 (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して水
素、低級アルキル基、または低級アルカノイル基を表わ
す。)で示される化合物に関する。本発明化合物は式I
I:
素、低級アルキル基、または低級アルカノイル基を表わ
す。)で示される化合物に関する。本発明化合物は式I
I:
【化6】 で示される立体構造をもつことが確認された。
【0006】また本発明は、スタキボトリス エレガン
ス(Stachybotrys elegans)種に属し、式III:
ス(Stachybotrys elegans)種に属し、式III:
【化7】 (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して水
素または低級アルカノイル基を表わす。)で示される化
合物を産生する微生物を提供する。本発明のスタキボト
リス エレガンス(Stachybotrys elegans)種に属する
RF−4667株は以下のような性状を有していた。
素または低級アルカノイル基を表わす。)で示される化
合物を産生する微生物を提供する。本発明のスタキボト
リス エレガンス(Stachybotrys elegans)種に属する
RF−4667株は以下のような性状を有していた。
【0007】RF−4667株の菌学的諸性状 本菌株をポテトデキストロ−ズ寒天上で25℃にて10
日間培養するとコロニ−は白いうぶ毛でおおわれた状態
になり、胞子の形成に伴い薄オレンジ色を呈するように
なる。コロニ−の裏面はオレンジ色である。分生胞子柄
は分枝するものとしないものがあり、無色で長さは20
0μmに達し、幅は3〜4μmで、その頂端に数個の梗
子(phialide)が形成される。梗子は棍棒状で頂点に開
口部を持ち、表面は平滑で、大きさは14〜16×4〜
6μmである。分生胞子は紡錘形で両端は丸く、無色で
表面は平滑であり、8〜11×5〜6μmである。これ
らの諸性状から、本菌株はスタキボトリス(Stachybotr
ys)属に属する株と判断される。上述した諸性状をDoms
ch, K. H., Gams, W., Anderson, T. H. 共著、”Compe
ndium of Soil Fungi”Vol. 1 Academic Press, New Yo
rk, 1980 のStachybotrys属についての記載と比較した
結果、RF−4667株はStachybotrys elegans (Pido
pl.) W. Gams, comb. nov. に属すると結論し、本菌株
をStachybotryselegans RF-4667と命名した。本菌株
は、茨城県つくば市東1−1−3(郵便番号305)に
ある工業技術院微生物工業研究所に、平成4年(199
2年)4月4日よりブダペスト条約に基づき「Stachybo
trys elegans RF-4667」微工研条寄第3823号(FERM
BP-3823)として寄託されている。
日間培養するとコロニ−は白いうぶ毛でおおわれた状態
になり、胞子の形成に伴い薄オレンジ色を呈するように
なる。コロニ−の裏面はオレンジ色である。分生胞子柄
は分枝するものとしないものがあり、無色で長さは20
0μmに達し、幅は3〜4μmで、その頂端に数個の梗
子(phialide)が形成される。梗子は棍棒状で頂点に開
口部を持ち、表面は平滑で、大きさは14〜16×4〜
6μmである。分生胞子は紡錘形で両端は丸く、無色で
表面は平滑であり、8〜11×5〜6μmである。これ
らの諸性状から、本菌株はスタキボトリス(Stachybotr
ys)属に属する株と判断される。上述した諸性状をDoms
ch, K. H., Gams, W., Anderson, T. H. 共著、”Compe
ndium of Soil Fungi”Vol. 1 Academic Press, New Yo
rk, 1980 のStachybotrys属についての記載と比較した
結果、RF−4667株はStachybotrys elegans (Pido
pl.) W. Gams, comb. nov. に属すると結論し、本菌株
をStachybotryselegans RF-4667と命名した。本菌株
は、茨城県つくば市東1−1−3(郵便番号305)に
ある工業技術院微生物工業研究所に、平成4年(199
2年)4月4日よりブダペスト条約に基づき「Stachybo
trys elegans RF-4667」微工研条寄第3823号(FERM
BP-3823)として寄託されている。
【0008】本発明において、低級アルキルとしては直
鎖または分岐していてもよいC1〜C6アルキル、具体的
にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、
ペンチル、ヘキシルが挙げられる。低級アルカノイルと
しては直鎖または分岐していてもよいC2〜C6アルカノ
イル、具体的には、アセチル、プロピオニル、ブチリ
ル、イソブチリル、バレリルなどが例示される。
鎖または分岐していてもよいC1〜C6アルキル、具体的
にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、
ペンチル、ヘキシルが挙げられる。低級アルカノイルと
しては直鎖または分岐していてもよいC2〜C6アルカノ
イル、具体的には、アセチル、プロピオニル、ブチリ
ル、イソブチリル、バレリルなどが例示される。
【0009】さらに本発明は、スタキボトリス(Stachy
botrys)属に属し式IIIで示される化合物を産生する微
生物を培養し、該培養培地から該化合物を採取し、所望
により加水分解、アルカノイル化、またはアルキル化す
ることを特徴とする本発明化合物の製造法を提供する。
以下に、本発明化合物の一般的製造法を記載する。スタ
キボトリス(Stachybotrys)属に属する菌株、例えば上
記のStachybotryselegans RF-4667を、通常の発酵生産
に用いる培地組成、培地条件で培養する。培地は原則と
して、炭素源、窒素源、無機塩などを含む。必要に応じ
て、ビタミン類、先駆物質などを加えてもよい。炭素源
としては、例えば、グルコ−ス、可溶性澱粉、デキスト
リン、グリセリン、糖類、有機酸などが単独または混合
物として用いられる。窒素源としては、例えば、大豆
粉、コ−ンスチ−プリカ−、肉エキス、酵母エキス、綿
実粉、ペプトン、小麦麦芽、硫酸アンモニウム、硝酸ア
ンモニウムなどが単独または混合物として用いられる。
無機塩としては、例えば、炭酸カルシウム、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、塩化
マンガン、硫酸亜鉛、塩化コバルト、各種リン酸塩など
が挙げられ、必要に応じて培地に添加する。
botrys)属に属し式IIIで示される化合物を産生する微
生物を培養し、該培養培地から該化合物を採取し、所望
により加水分解、アルカノイル化、またはアルキル化す
ることを特徴とする本発明化合物の製造法を提供する。
以下に、本発明化合物の一般的製造法を記載する。スタ
キボトリス(Stachybotrys)属に属する菌株、例えば上
記のStachybotryselegans RF-4667を、通常の発酵生産
に用いる培地組成、培地条件で培養する。培地は原則と
して、炭素源、窒素源、無機塩などを含む。必要に応じ
て、ビタミン類、先駆物質などを加えてもよい。炭素源
としては、例えば、グルコ−ス、可溶性澱粉、デキスト
リン、グリセリン、糖類、有機酸などが単独または混合
物として用いられる。窒素源としては、例えば、大豆
粉、コ−ンスチ−プリカ−、肉エキス、酵母エキス、綿
実粉、ペプトン、小麦麦芽、硫酸アンモニウム、硝酸ア
ンモニウムなどが単独または混合物として用いられる。
無機塩としては、例えば、炭酸カルシウム、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、塩化
マンガン、硫酸亜鉛、塩化コバルト、各種リン酸塩など
が挙げられ、必要に応じて培地に添加する。
【0010】培養温度は約25〜37℃で行なうと良
く、特に28〜32℃が好ましい。培養時間は発酵の規
模に大きく左右されるが、約5〜7日が大量生産を行な
う場合に要する培養時間である。培養中に激しい発泡が
起こる場合には、培養前または培養中に例えば、植物
油、ラ−ド、ポリプロピレングリコ−ルなどの消泡剤を
適宜添加するとよい。培養終了後、培養物から式IIIで
示される化合物を分離採取するには、通常の発酵生産物
を分離採取する方法を適宜用いる。例えば、濾過、遠心
分離、各種イオン交換樹脂やその他の活性吸着剤による
吸脱着やクロマトグラフィ−、各種有機溶媒による抽出
などを適当に組み合わせるとよい。
く、特に28〜32℃が好ましい。培養時間は発酵の規
模に大きく左右されるが、約5〜7日が大量生産を行な
う場合に要する培養時間である。培養中に激しい発泡が
起こる場合には、培養前または培養中に例えば、植物
油、ラ−ド、ポリプロピレングリコ−ルなどの消泡剤を
適宜添加するとよい。培養終了後、培養物から式IIIで
示される化合物を分離採取するには、通常の発酵生産物
を分離採取する方法を適宜用いる。例えば、濾過、遠心
分離、各種イオン交換樹脂やその他の活性吸着剤による
吸脱着やクロマトグラフィ−、各種有機溶媒による抽出
などを適当に組み合わせるとよい。
【0011】得られた式IIIで示される化合物のうち、R
1〜R4のいずれかまたは全てが水素の物については、所
望により適宜アルカノイル化を行なって、R1〜R4の全て
をアルカノイル基とすることができる。アルカノイル化
は、低級アルカノイルやその無水物を用いて通常のエス
テル化の方法で行なうことができる。
1〜R4のいずれかまたは全てが水素の物については、所
望により適宜アルカノイル化を行なって、R1〜R4の全て
をアルカノイル基とすることができる。アルカノイル化
は、低級アルカノイルやその無水物を用いて通常のエス
テル化の方法で行なうことができる。
【0012】以下に上記培養工程で得られた化合物RF
−4667A,D,F,G,H,I,Jの物理化学的性
状を示す。
−4667A,D,F,G,H,I,Jの物理化学的性
状を示す。
【0013】(1) RF−4667A 1)構造:式Iまたは式III中、R1〜R4が全てアセチル基 2)性状:無色のオイル (中性) 3)溶解性:可溶;メタノ−ル、アセトン、クロロホル
ム、酢酸エチル、エ−テル :不溶;水 4)分子式:C29H44O10 (分子量:552.66) 5)質量分析 (LSI-MS):m/z 553 (M+H)+, 575 (M+Na)+,
331 (C14H19O9)+=マンノ−スのtetra-O-acetyl体のオ
キソニウムイオン、205 (C15H25)+=アグリコン 6)HR-LSIMS:C29H44O10Naとして 理論値:575.2831 実測値:575.2838 (M+Na)+ 7)元素分析:C29H44O10として 理論値:C: 63.03, H: 8.02 実測値:C: 62.91, H: 7.99.
ム、酢酸エチル、エ−テル :不溶;水 4)分子式:C29H44O10 (分子量:552.66) 5)質量分析 (LSI-MS):m/z 553 (M+H)+, 575 (M+Na)+,
331 (C14H19O9)+=マンノ−スのtetra-O-acetyl体のオ
キソニウムイオン、205 (C15H25)+=アグリコン 6)HR-LSIMS:C29H44O10Naとして 理論値:575.2831 実測値:575.2838 (M+Na)+ 7)元素分析:C29H44O10として 理論値:C: 63.03, H: 8.02 実測値:C: 62.91, H: 7.99.
【0014】 8)UV:λmax 70% CH3CN, End absorption (末端吸収) 9)IR:νmax film cm-1:2960, 2920, 1745, 1435, 17
30, 1225, 1177, 1119, 1051, 989, 963, 914 10)[α]D 24°;−50.6±0.8° (c 1.16, CHCl3) 11)TLC (KGF):Rf=0.78 [ジクロロメタン/メタノ
−ル (10:1)] 12)HPLC:保持時間 (Rt);12.1分, カラム;YMC-OD
S-5 (4.6 × 150mm), UV;220nm, 流速;1ml/分, 溶
媒;アセトニトリル/水 (70:30).
30, 1225, 1177, 1119, 1051, 989, 963, 914 10)[α]D 24°;−50.6±0.8° (c 1.16, CHCl3) 11)TLC (KGF):Rf=0.78 [ジクロロメタン/メタノ
−ル (10:1)] 12)HPLC:保持時間 (Rt);12.1分, カラム;YMC-OD
S-5 (4.6 × 150mm), UV;220nm, 流速;1ml/分, 溶
媒;アセトニトリル/水 (70:30).
【0015】13)1H−NMR (CDCl3); (アグリコン);5.368 (1H, m, H-2), 1.816 (1H, m, Ha
-3), ca 1.93 (1H,m, Hb-3), 1.70 (1H, m, J=2, 〜4.
5, 〜11.5, H-4), 1.239 (1H, m, J=6.0, 11.8, Ha-5),
ca 1.87 (1H, m, Hb-5), ca 1.96 (2H, m, H-6), 1.63
1 (3H, s, Me-7), 1.536 (1H, ddd, J=5.3, 11.3, 14.
0, Ha-9), 1.422 (1H, ddd, J=5.2, 11.8, 14.0, Hb-
9), ca 1.88 (1H, m, 11-Ha), 1.94 (1H, m, 11-Hb),
1.172 (3H,s, Me-10), 5.051 (1H, m, J=ca 1, 7), 1.5
88 (3H, s, Me-14), 1.672 (3H, s, Me-15) (糖);4.781 (1H, d, J=1.0, 1’-H), 5.341 (1H, dd,
J=1.0, 3.4, H-2’), 5.075 (1H, dd, J=3.4, 10.0, H-
3’), 5.180 (1H, t, J=10.0, H-4’), 3.626 (1H, dd
d, J=2.7, 6.6, 9.5, H-5’), 4.127 (1H, dd, J=2.7,
12.0, Ha-6’), 4.215 (1H, dd, J=6.6, 12.0), 2.173
(3H, s, OAc-2’), 1.999 (3H, s, OAc-3’), 2.041 (3
H, s, OAc-4’), 2.057 (3H, s, OAc-6’)
-3), ca 1.93 (1H,m, Hb-3), 1.70 (1H, m, J=2, 〜4.
5, 〜11.5, H-4), 1.239 (1H, m, J=6.0, 11.8, Ha-5),
ca 1.87 (1H, m, Hb-5), ca 1.96 (2H, m, H-6), 1.63
1 (3H, s, Me-7), 1.536 (1H, ddd, J=5.3, 11.3, 14.
0, Ha-9), 1.422 (1H, ddd, J=5.2, 11.8, 14.0, Hb-
9), ca 1.88 (1H, m, 11-Ha), 1.94 (1H, m, 11-Hb),
1.172 (3H,s, Me-10), 5.051 (1H, m, J=ca 1, 7), 1.5
88 (3H, s, Me-14), 1.672 (3H, s, Me-15) (糖);4.781 (1H, d, J=1.0, 1’-H), 5.341 (1H, dd,
J=1.0, 3.4, H-2’), 5.075 (1H, dd, J=3.4, 10.0, H-
3’), 5.180 (1H, t, J=10.0, H-4’), 3.626 (1H, dd
d, J=2.7, 6.6, 9.5, H-5’), 4.127 (1H, dd, J=2.7,
12.0, Ha-6’), 4.215 (1H, dd, J=6.6, 12.0), 2.173
(3H, s, OAc-2’), 1.999 (3H, s, OAc-3’), 2.041 (3
H, s, OAc-4’), 2.057 (3H, s, OAc-6’)
【0016】14)13C−NMR (CDCl3); (アグリコン);133.94 (s, C-1), 120.85 (d, C-2), 2
6.63 (t, C-3), 41.70 (d, C-4), 23.63 (t, C-5), 31.
03 (t, C-6), 23.35 (q, C-7), 82.37 (s, C-8), 35.87
(t, C-9), 21.19 (q, C-10), 21.95 (t, C-11), 124.3
3 (d, C-12),131.56 (s, C-13), 17.59 (q, C-14), 25.
68 (q, C-15), (糖);92.83 (d, C-1’), 70.40 (d, C-2’), 71.25
(d, C-3’), 66.58 (d, C-4’), 72.17 (d, C-5’), 6
3.06 (t, C-6’), 20.85 (q, C-2’-0COCH3), 20.60
(q, C-3’-0COCH3), 20.71 (q, C-4’-OCOCH3), 20.71
(q, C-6’-OCOCH3), 170.37 (s, C-2’-0COCH3), 170.0
2 (s, C-3’-OCOCH3), 169.72 (s, C-4’-OCOCH3), 17
0.64 (s, C-6’-OCOCH3)
6.63 (t, C-3), 41.70 (d, C-4), 23.63 (t, C-5), 31.
03 (t, C-6), 23.35 (q, C-7), 82.37 (s, C-8), 35.87
(t, C-9), 21.19 (q, C-10), 21.95 (t, C-11), 124.3
3 (d, C-12),131.56 (s, C-13), 17.59 (q, C-14), 25.
68 (q, C-15), (糖);92.83 (d, C-1’), 70.40 (d, C-2’), 71.25
(d, C-3’), 66.58 (d, C-4’), 72.17 (d, C-5’), 6
3.06 (t, C-6’), 20.85 (q, C-2’-0COCH3), 20.60
(q, C-3’-0COCH3), 20.71 (q, C-4’-OCOCH3), 20.71
(q, C-6’-OCOCH3), 170.37 (s, C-2’-0COCH3), 170.0
2 (s, C-3’-OCOCH3), 169.72 (s, C-4’-OCOCH3), 17
0.64 (s, C-6’-OCOCH3)
【0017】(2)RF−4667D 1)構造:式Iまたは式III中、R1=R3=水素、R2=R4=
アセチル基 2)質量分析:m/z 468 (M)+ (C25H40O8) 3)1H−NMR (CDCl3): (アグリコン);1.203 (3H, s), 1.20〜1.60 (3H, m),
1.594 (3H, s), 1.643 (3H, s), 1.678 (3H, s), 1.75
〜2.05 (8H, m), 5.080 (1H, m), 5.375 (1H,m) (糖);2.095 (3H, s), 2.186 (3H, s), 2.462 (1H, s),
2.65 (1H, d, J=5Hz), 3.425 (1H, m), 3.875 (1H,
m), 3.975 (1H, d, J= 2.5), 4.28〜4.48 (2H, m), 4.7
23 (1H, d, J=1), 4.800 (1H, m) 3)IR:νmax CHCl3 cm-1;3564, 2960, 2922, 1736, 160
3, 1439, 1375, 1240,1149, 1066, 1030.
アセチル基 2)質量分析:m/z 468 (M)+ (C25H40O8) 3)1H−NMR (CDCl3): (アグリコン);1.203 (3H, s), 1.20〜1.60 (3H, m),
1.594 (3H, s), 1.643 (3H, s), 1.678 (3H, s), 1.75
〜2.05 (8H, m), 5.080 (1H, m), 5.375 (1H,m) (糖);2.095 (3H, s), 2.186 (3H, s), 2.462 (1H, s),
2.65 (1H, d, J=5Hz), 3.425 (1H, m), 3.875 (1H,
m), 3.975 (1H, d, J= 2.5), 4.28〜4.48 (2H, m), 4.7
23 (1H, d, J=1), 4.800 (1H, m) 3)IR:νmax CHCl3 cm-1;3564, 2960, 2922, 1736, 160
3, 1439, 1375, 1240,1149, 1066, 1030.
【0018】(3)RF−4667F 1)構造:式Iまたは式III中、R2=R3=水素、R1=R4=
アセチル基 2)質量分析:m/z 468 (M)+ (C25H40O8) 3)1H−NMR (CDCl3): (アグリコン);1.170 (3H, s), 1.20〜1.56 (3H, m),
1.597 (3H, s), 1.635 (3H, s), 1.673 (3H, s), 1.70
〜2.02 (8H, m), 5.05 (1H, m), 5.375 (1H,m) (糖);2.099 (3H, s), 2.169 (3H, s), 2.725 (1H, br-
s), 3.087 (1H, br-s), 3.425 (1H, m), 3.600 (1H,
m), 3.720 (1H, m), 4.363 (2H, d, J=4), 4.725 (1H,
d, J=1), 5.185 (1H, d, J=4).
アセチル基 2)質量分析:m/z 468 (M)+ (C25H40O8) 3)1H−NMR (CDCl3): (アグリコン);1.170 (3H, s), 1.20〜1.56 (3H, m),
1.597 (3H, s), 1.635 (3H, s), 1.673 (3H, s), 1.70
〜2.02 (8H, m), 5.05 (1H, m), 5.375 (1H,m) (糖);2.099 (3H, s), 2.169 (3H, s), 2.725 (1H, br-
s), 3.087 (1H, br-s), 3.425 (1H, m), 3.600 (1H,
m), 3.720 (1H, m), 4.363 (2H, d, J=4), 4.725 (1H,
d, J=1), 5.185 (1H, d, J=4).
【0019】(4)RF−4667G 1)構造:式Iまたは式III中、R1=R3=R4=水素、R2=
アセチル基 2)質量分析:m/z 426 (M)+ (C23H38O7) 3)1H−NMR (CDCl3): (アグリコン);1.191 (3H, s), 1.28〜1.60 (3H, m),
1.598 (3H, s), 1.645 (3H, s), 1.682 (3H, s), 1.175
〜2.10 (8H, m), 5.075 (1H, m), 5.385 (1H, m) (糖);2.185 (3H, s), 2.310 (1H, br-s), 2.530 (1H,
br-s), 2.675 (1H,br-s), 3.325 (1H, m), 3.70〜3.95
(2H, m), 3.98〜4.09 (2H, m), 4.768 (1H,d, J=1), 4.
80 (1H, m). 3)IR:νmax CHCl3 cm-1;3568, 3430, 2960, 2920, 1
736, 1600, 1452, 1376, 1243, 1066, 1027.
アセチル基 2)質量分析:m/z 426 (M)+ (C23H38O7) 3)1H−NMR (CDCl3): (アグリコン);1.191 (3H, s), 1.28〜1.60 (3H, m),
1.598 (3H, s), 1.645 (3H, s), 1.682 (3H, s), 1.175
〜2.10 (8H, m), 5.075 (1H, m), 5.385 (1H, m) (糖);2.185 (3H, s), 2.310 (1H, br-s), 2.530 (1H,
br-s), 2.675 (1H,br-s), 3.325 (1H, m), 3.70〜3.95
(2H, m), 3.98〜4.09 (2H, m), 4.768 (1H,d, J=1), 4.
80 (1H, m). 3)IR:νmax CHCl3 cm-1;3568, 3430, 2960, 2920, 1
736, 1600, 1452, 1376, 1243, 1066, 1027.
【0020】(5)RF−4667H 1)構造:式Iまたは式III中、R1=R2=R3=水素、R4=
アセチル基 2)質量分析:m/z 426 (M)+ (C23H38O7) 3)1H−NMR (CDCl3): (アグリコン);1.198 (3H, s), 1.26〜1.56 (3H, m),
1.599 (3H, s), 1.642 (3H, s), 1.684 (3H, s), 1.70
〜2.03 (8H, m), 5.075 (1H, m), 5.375 (1H,m) (糖);2.080 (3H, s), 2.60 (1H, br-s), 2.85 (1H, br
-s), 3.340 (1H, m), 3.46〜3.66 (2H, m), 3.88 (1H,
d, J=4), 4.337 (2H, d, J=4.2), 4.665 (1H, d, J =
1).
アセチル基 2)質量分析:m/z 426 (M)+ (C23H38O7) 3)1H−NMR (CDCl3): (アグリコン);1.198 (3H, s), 1.26〜1.56 (3H, m),
1.599 (3H, s), 1.642 (3H, s), 1.684 (3H, s), 1.70
〜2.03 (8H, m), 5.075 (1H, m), 5.375 (1H,m) (糖);2.080 (3H, s), 2.60 (1H, br-s), 2.85 (1H, br
-s), 3.340 (1H, m), 3.46〜3.66 (2H, m), 3.88 (1H,
d, J=4), 4.337 (2H, d, J=4.2), 4.665 (1H, d, J =
1).
【0021】(6)RF−4667I 1)構造:式Iまたは式III中、R2=R3=R4=水素、R1=
アセチル基 2)質量分析:m/z 426 (M)+ (C23H38O7) 3)1H−NMR (CDCl3): (アグリコン);1.162 (3H, s), 1.19〜1.55 (3H, m),
1.601 (3H, s), 1.636 (3H, s), 1.675 (3H, s), 1.70
〜2.00 (8H, m), 5.050 (1H, m), 5.375 (1H,m), (糖);2.166 (3H, s), 2.25 (1H, br-s), 2.60 (1H, br
-s), 2.85 (1H, br-s), 3.30 (1H, m), 3.725 (2H, d,
J=5.2), 3.88〜3.95 (2H, m), 4.763 (2H, d, J=1), 5.
270 (1H, d, J= 1.4).
アセチル基 2)質量分析:m/z 426 (M)+ (C23H38O7) 3)1H−NMR (CDCl3): (アグリコン);1.162 (3H, s), 1.19〜1.55 (3H, m),
1.601 (3H, s), 1.636 (3H, s), 1.675 (3H, s), 1.70
〜2.00 (8H, m), 5.050 (1H, m), 5.375 (1H,m), (糖);2.166 (3H, s), 2.25 (1H, br-s), 2.60 (1H, br
-s), 2.85 (1H, br-s), 3.30 (1H, m), 3.725 (2H, d,
J=5.2), 3.88〜3.95 (2H, m), 4.763 (2H, d, J=1), 5.
270 (1H, d, J= 1.4).
【0022】(7)RF−4667J 1)構造:式Iまたは式III中、R1〜R4は全て水素 2)MS:m/z (M)+ 384 (C21H36O6) 3)IR:νmax CHCl3 cm-1;3394, 2962, 2922, 1603, 1
451, 1378, 1066, 1027 4)TLC:メルク KGf, Rf=0.18, 溶媒;ジクロロメタ
ン/メタノ−ル=10/1 5)HPLC:Rt=2.7分, カラム;YMC-ODS-5 (4.6 × 1
50 mm), 溶媒;アセトニトリル/水=70/30, 検出;UV
(220 nm), 流速;1 ml/分 6)1H−NMR (CDCl3) ppm: (アグリコン):1.175 (3=H, s), 1.21〜1.59 (3H, s),
1.599 (3H, s), 1.638 (3H, s), 1.682 (3H, s), 1.74
0〜2.100 (8H, m), 5.069 (1H, m), 5.373 (1H, m), (糖); 3.12〜3.28 (2H, m), 3.395 (1H, m), 3.525 (1
H, m), 3.75〜3.95 (6H, m), 4.868 (1H, s)
451, 1378, 1066, 1027 4)TLC:メルク KGf, Rf=0.18, 溶媒;ジクロロメタ
ン/メタノ−ル=10/1 5)HPLC:Rt=2.7分, カラム;YMC-ODS-5 (4.6 × 1
50 mm), 溶媒;アセトニトリル/水=70/30, 検出;UV
(220 nm), 流速;1 ml/分 6)1H−NMR (CDCl3) ppm: (アグリコン):1.175 (3=H, s), 1.21〜1.59 (3H, s),
1.599 (3H, s), 1.638 (3H, s), 1.682 (3H, s), 1.74
0〜2.100 (8H, m), 5.069 (1H, m), 5.373 (1H, m), (糖); 3.12〜3.28 (2H, m), 3.395 (1H, m), 3.525 (1
H, m), 3.75〜3.95 (6H, m), 4.868 (1H, s)
【0023】上記化合物中、ACAT阻害活性の最も強
いRF−4667Aを得るためには粗抽出物の段階でア
セチル化を行い、部分アセテ−トをRF−4667Aに
変換させることにより、簡便、且つ容易に単離精製する
ことができる。
いRF−4667Aを得るためには粗抽出物の段階でア
セチル化を行い、部分アセテ−トをRF−4667Aに
変換させることにより、簡便、且つ容易に単離精製する
ことができる。
【0024】また、所望により、上記培養工程で得られ
た式IIIに示される化合物のアルキル化を行ない、該化
合物より数倍強いACAT阻害活性をもつ誘導体を得る
ことができる。アルキル化はつぎの方法で行なうことが
できる。すなわち、式IIIで示される化合物のうちR1〜
R4の全てが水素である化合物、あるいはいずれかが低
級アルカノイル基である化合物の場合は加水分解(脱ア
ルカノイル)を行なって全て水素とした化合物をN,N-
ジメチルホルムアミド(DMF)などの適当な溶媒に溶
かし、酸化銀などの触媒の存在下でヨウ化メチルなどの
ヨウ化アルキルと反応させることにより該誘導体を得る
ことができる。また、上記加水分解産物を前記エステル
化の方法に従ってアルカノイル化を行なえば、所望の低
級アルカノイル化合物を得ることもできる。以下に上記
アルキル化によって得られた化合物RF−4667J−
OMeの物理化学的性状を示す。
た式IIIに示される化合物のアルキル化を行ない、該化
合物より数倍強いACAT阻害活性をもつ誘導体を得る
ことができる。アルキル化はつぎの方法で行なうことが
できる。すなわち、式IIIで示される化合物のうちR1〜
R4の全てが水素である化合物、あるいはいずれかが低
級アルカノイル基である化合物の場合は加水分解(脱ア
ルカノイル)を行なって全て水素とした化合物をN,N-
ジメチルホルムアミド(DMF)などの適当な溶媒に溶
かし、酸化銀などの触媒の存在下でヨウ化メチルなどの
ヨウ化アルキルと反応させることにより該誘導体を得る
ことができる。また、上記加水分解産物を前記エステル
化の方法に従ってアルカノイル化を行なえば、所望の低
級アルカノイル化合物を得ることもできる。以下に上記
アルキル化によって得られた化合物RF−4667J−
OMeの物理化学的性状を示す。
【0025】RF−4667J−OMe 1)構造:式I中、R1〜R4は全てメチル基 1)性状:無色のオイル (中性) 2)溶解性:溶解;メタノ−ル, アセトン, クロロホル
ム, N−ヘキサン 不溶;水 3)分子式:C25H4406 (分子量;440.62) 4)質量分析 (LSI-MS):m/z 463 (M+Na)+, m/z 479 (M+
K)+, m/z 205 (C15H25 +, アグリコン), m/z 219 (C10H
19O5 +, テトラ-O-メチル-6-糖 オキソニウムイオン) 5)[α]D 26°;−75.5°±1.1° (c 1.05, CHCl3) 6)TLC;Rf=0.49 [ジクロロメタン/メタノ−ル (10
0:3)]. Rf=0.65 [ジクロロメタン/アセトン (80:20)]
ム, N−ヘキサン 不溶;水 3)分子式:C25H4406 (分子量;440.62) 4)質量分析 (LSI-MS):m/z 463 (M+Na)+, m/z 479 (M+
K)+, m/z 205 (C15H25 +, アグリコン), m/z 219 (C10H
19O5 +, テトラ-O-メチル-6-糖 オキソニウムイオン) 5)[α]D 26°;−75.5°±1.1° (c 1.05, CHCl3) 6)TLC;Rf=0.49 [ジクロロメタン/メタノ−ル (10
0:3)]. Rf=0.65 [ジクロロメタン/アセトン (80:20)]
【0026】7)1H−NMR (CDCl3) ppm:1.192 (3H,
s), 1.2〜1.6 (4H, m), 1.604 (3H,s), 1.641 (3H, s),
1.692 (3H, s), 1.7〜2.1 (7H, m), 3.122〜3.233 (3
H, m), 3.52〜3.60 (3H, m), 3.370 (3H, s), 3.487 (3
H, s), 3.505 (3H, s), 3.655 (3H, s), 4.502 (1H, s-
br), 5.051 (1H, m), 5.388 (1H, m) 8)13C−NMR (CDCl3):17.63, 21.34, 22.29, 23.4
2, 23.88, 25.74, 26.75, 30.98, 35.88, 41.49, 57.4
4, 59.11, 60.72, 61.94, 71.12, 75.29, 76.71,78.73,
81.62, 81.39, 95.62, 120.92, 124.60, 131.32, 134.
14,
s), 1.2〜1.6 (4H, m), 1.604 (3H,s), 1.641 (3H, s),
1.692 (3H, s), 1.7〜2.1 (7H, m), 3.122〜3.233 (3
H, m), 3.52〜3.60 (3H, m), 3.370 (3H, s), 3.487 (3
H, s), 3.505 (3H, s), 3.655 (3H, s), 4.502 (1H, s-
br), 5.051 (1H, m), 5.388 (1H, m) 8)13C−NMR (CDCl3):17.63, 21.34, 22.29, 23.4
2, 23.88, 25.74, 26.75, 30.98, 35.88, 41.49, 57.4
4, 59.11, 60.72, 61.94, 71.12, 75.29, 76.71,78.73,
81.62, 81.39, 95.62, 120.92, 124.60, 131.32, 134.
14,
【0027】本発明はさらに、本発明化合物を有効成分
として含有するACAT阻害剤を提供する。本発明のA
CAT阻害剤は、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散
剤、シロップ剤などによる非経口投与、注射剤による静
脈注射、筋肉注射、皮下注射のような投与方法、あるい
は軟膏剤などによる経皮投与の方法で投与することがで
きる。
として含有するACAT阻害剤を提供する。本発明のA
CAT阻害剤は、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散
剤、シロップ剤などによる非経口投与、注射剤による静
脈注射、筋肉注射、皮下注射のような投与方法、あるい
は軟膏剤などによる経皮投与の方法で投与することがで
きる。
【0028】錠剤の場合は活性成分の外に補助成分と一
緒に圧縮または成型して作られる。この補助成分として
は薬学的に許容される賦形剤、例えば結合剤(例:トウ
モロコシでん粉)、充填剤(例:ラクト−ス、微結晶性
セルロ−ス)、崩壊剤(例:でん粉グリコ−ル酸ナトリ
ウム)または滑沢剤(例:ステアリン酸マグネシウム)
を用いることができる。また、錠剤をコ−ティングして
もよい。シロップ剤、液剤、懸濁剤などの液体製剤の場
合、例えば懸濁化剤(例:メチルセルロ−ス)、乳化剤
(例:レチシン)、保存剤などを用いて慣用の方法によ
り調製することができる。注射用に調製する場合、溶
液、懸濁液、油性または水性乳濁液の形態でもよく、懸
濁液安定剤または分散剤などを含有してもよい。
緒に圧縮または成型して作られる。この補助成分として
は薬学的に許容される賦形剤、例えば結合剤(例:トウ
モロコシでん粉)、充填剤(例:ラクト−ス、微結晶性
セルロ−ス)、崩壊剤(例:でん粉グリコ−ル酸ナトリ
ウム)または滑沢剤(例:ステアリン酸マグネシウム)
を用いることができる。また、錠剤をコ−ティングして
もよい。シロップ剤、液剤、懸濁剤などの液体製剤の場
合、例えば懸濁化剤(例:メチルセルロ−ス)、乳化剤
(例:レチシン)、保存剤などを用いて慣用の方法によ
り調製することができる。注射用に調製する場合、溶
液、懸濁液、油性または水性乳濁液の形態でもよく、懸
濁液安定剤または分散剤などを含有してもよい。
【0029】有効成分の投与量は、投与形態、患者の症
状、年齢、体重、性別により異なるが、体重1kgあた
り、1日10〜1000mg、好ましくは10〜100
mgを投与する。ただし、これら投与量はこれらの範囲
に限定されるものではない。
状、年齢、体重、性別により異なるが、体重1kgあた
り、1日10〜1000mg、好ましくは10〜100
mgを投与する。ただし、これら投与量はこれらの範囲
に限定されるものではない。
【0030】以下に実施例により本発明を詳細に説明す
る。
る。
【0031】
1.培養(発酵) グルコース2.0%、ポリペプトン(日本製薬製)1.0
%、肉エキス0.3%、酵母エキス0.2%および食塩
0.1%よりなる培地800mlを入れた2L容三角フ
ラスコに、28℃で10日間培養した Stachybotrys el
egans RF-4667の斜面培養物を接種する。接種したフラ
スコは、振幅70mm、回転数180rpmのシェーカ
ー上で、28℃で3日間振盪培養する。この培養液80
0mlを、上記と同一組成を有する培地20Lを入れた
30L容ジャーファメンターに接種する。接種した培地
を150rpmで撹拌下、28℃で23時間培養する。
次いでこの培養液8Lを,サッカロース2.0%を含む2
0%馬鈴薯浸出液200Lを入れた500L容タンクに
接種し、撹拌回転数350rpm、通気量毎分200L
で28℃で6日間培養する。
%、肉エキス0.3%、酵母エキス0.2%および食塩
0.1%よりなる培地800mlを入れた2L容三角フ
ラスコに、28℃で10日間培養した Stachybotrys el
egans RF-4667の斜面培養物を接種する。接種したフラ
スコは、振幅70mm、回転数180rpmのシェーカ
ー上で、28℃で3日間振盪培養する。この培養液80
0mlを、上記と同一組成を有する培地20Lを入れた
30L容ジャーファメンターに接種する。接種した培地
を150rpmで撹拌下、28℃で23時間培養する。
次いでこの培養液8Lを,サッカロース2.0%を含む2
0%馬鈴薯浸出液200Lを入れた500L容タンクに
接種し、撹拌回転数350rpm、通気量毎分200L
で28℃で6日間培養する。
【0032】2.分離精製 (1) RF−4667Aの分離工程 上記工程で得られた発酵液181Lを、遠心分離機によ
り菌体層と水層に分離する。得られた湿菌体13kgを
アセトン78Lで抽出し、抽出液を減圧留去して水層1
2Lとする。この水層を酢酸エチル18Lで抽出する。
抽出液を水10Lで洗浄後、減圧留去し残渣97gを得
る。この残渣をピリジン213mlと無水酢酸213m
lに溶解し、室温で4時間アセチル化を行う。氷水2L
に添加して反応を終了させた後、塩化メチレン2Lで2
回抽出する。溶媒を減圧留去して油状粗物質118gを
得た。次にこの物質をシリカゲル4kgを使用するカラ
ムクロマトを行い、トルエン:酢酸エチル(9:1)で
溶出されるフラクションを集め減圧留去し39gのRF
−4667Aを得た。
り菌体層と水層に分離する。得られた湿菌体13kgを
アセトン78Lで抽出し、抽出液を減圧留去して水層1
2Lとする。この水層を酢酸エチル18Lで抽出する。
抽出液を水10Lで洗浄後、減圧留去し残渣97gを得
る。この残渣をピリジン213mlと無水酢酸213m
lに溶解し、室温で4時間アセチル化を行う。氷水2L
に添加して反応を終了させた後、塩化メチレン2Lで2
回抽出する。溶媒を減圧留去して油状粗物質118gを
得た。次にこの物質をシリカゲル4kgを使用するカラ
ムクロマトを行い、トルエン:酢酸エチル(9:1)で
溶出されるフラクションを集め減圧留去し39gのRF
−4667Aを得た。
【0033】上記工程を少量で行なう場合には、培養液
(8L)にセライトを加え、pH7で濾過する。菌体部
はアセトン(4L)抽出後、減圧濃縮し、これを濾液と
合わせpH7で酢酸エチル(8L)抽出する。酢酸エチ
ル層は水洗後、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮
して油状残渣5.7gを得る。次に前記残渣5.5gを真
空ポンプで完全に溶媒を留去した後、ピリジン12.5
mlおよび無水酢酸12.5mlを加え、室温で4時間
撹拌し、アセチル化を行う。反応液を氷水500mlに
注入し、酢酸エチル抽出(500ml×2回)、無水硫
酸ナトリウムで脱水乾燥後、濃縮し、油状残渣(8.5
g、RF−4667Aを主含有)を得る。これを塩化メ
チレンに溶解し、カラムクロマトを行う(カラム:Loba
r, SiO2 60, 380g, Type C: Merck)い、塩化メチレン
(1700ml)〜塩化メチレン/メタノ−ル(10
0:1)(1700ml)で溶出する。TLC(塩化メ
チレン/メタノ−ル=200:3)をモニタ−として単
一分画の溶媒溜去し、残渣1760mgを得る。更に精
製するために同じくカラムクロマト(カラム:Lobar Si
O2 60, 70g, Type B,溶媒:塩化メチレン(500m
l))で溶出し、これを減圧留去してRF−4667A
のオイル(1560mg)を得る。
(8L)にセライトを加え、pH7で濾過する。菌体部
はアセトン(4L)抽出後、減圧濃縮し、これを濾液と
合わせpH7で酢酸エチル(8L)抽出する。酢酸エチ
ル層は水洗後、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮
して油状残渣5.7gを得る。次に前記残渣5.5gを真
空ポンプで完全に溶媒を留去した後、ピリジン12.5
mlおよび無水酢酸12.5mlを加え、室温で4時間
撹拌し、アセチル化を行う。反応液を氷水500mlに
注入し、酢酸エチル抽出(500ml×2回)、無水硫
酸ナトリウムで脱水乾燥後、濃縮し、油状残渣(8.5
g、RF−4667Aを主含有)を得る。これを塩化メ
チレンに溶解し、カラムクロマトを行う(カラム:Loba
r, SiO2 60, 380g, Type C: Merck)い、塩化メチレン
(1700ml)〜塩化メチレン/メタノ−ル(10
0:1)(1700ml)で溶出する。TLC(塩化メ
チレン/メタノ−ル=200:3)をモニタ−として単
一分画の溶媒溜去し、残渣1760mgを得る。更に精
製するために同じくカラムクロマト(カラム:Lobar Si
O2 60, 70g, Type B,溶媒:塩化メチレン(500m
l))で溶出し、これを減圧留去してRF−4667A
のオイル(1560mg)を得る。
【0034】(2)RF−4667A〜Jの各成分の分離
精製 培養液(1.7L)にセライトを加えpH7に調整して
濾過し、濾液と菌体に分離する。菌体部分は70%含水
アセトンで抽出後、減圧濃縮する。これを濾液と混ぜp
H7で酢酸エチル抽出(1L×2回)する。酢酸エチル
層を無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥後、減圧濃縮し、油
状残渣880mgを得る。次にこの残渣をカラムクロマ
トにかける(カラム:Lobar SiO2 60, 70g, TypeB)。
溶出溶媒は塩化メチレン(800ml)、1%メタノ−
ル/塩化メチレン(400ml)、2%メタノ−ル/塩
化メチレン(400ml)、3%メタノ−ル/塩化メチ
レン(400ml)、5%メタノ−ル/塩化メチレン
(800ml)の順で溶出する。溶出液は、TLCをモ
ニタ−として9分画(計430mg)に分け、各分画を
HPLC(カラム:YMC-ODS-5, 20×10mm, 検出:UV(25
4nm),流速:6ml/分, 溶媒:アセトニトリル:水=7
5:25〜アセトニトリル:水=90:10)で分離精
製を行う。分離液は濃縮し、酢酸エチル抽出、無水硫酸
ナトリウムで脱水後、溶媒を留去し、成分AからJまで
の11化合物を、油〜アメ状物質として得た。収量は以
下の通り。 A=65mg、B1=11.5mg、B2=7.5mg、C
=3.4mg、D=10.7mg、E=2.8mg、F=
53mg、G=51mg、H=19mg、I=30m
g、J=12mg
精製 培養液(1.7L)にセライトを加えpH7に調整して
濾過し、濾液と菌体に分離する。菌体部分は70%含水
アセトンで抽出後、減圧濃縮する。これを濾液と混ぜp
H7で酢酸エチル抽出(1L×2回)する。酢酸エチル
層を無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥後、減圧濃縮し、油
状残渣880mgを得る。次にこの残渣をカラムクロマ
トにかける(カラム:Lobar SiO2 60, 70g, TypeB)。
溶出溶媒は塩化メチレン(800ml)、1%メタノ−
ル/塩化メチレン(400ml)、2%メタノ−ル/塩
化メチレン(400ml)、3%メタノ−ル/塩化メチ
レン(400ml)、5%メタノ−ル/塩化メチレン
(800ml)の順で溶出する。溶出液は、TLCをモ
ニタ−として9分画(計430mg)に分け、各分画を
HPLC(カラム:YMC-ODS-5, 20×10mm, 検出:UV(25
4nm),流速:6ml/分, 溶媒:アセトニトリル:水=7
5:25〜アセトニトリル:水=90:10)で分離精
製を行う。分離液は濃縮し、酢酸エチル抽出、無水硫酸
ナトリウムで脱水後、溶媒を留去し、成分AからJまで
の11化合物を、油〜アメ状物質として得た。収量は以
下の通り。 A=65mg、B1=11.5mg、B2=7.5mg、C
=3.4mg、D=10.7mg、E=2.8mg、F=
53mg、G=51mg、H=19mg、I=30m
g、J=12mg
【0035】3. RF−4667A〜Jの構造決定、
およびアグリコンと糖部の決定 (1)アグリコンの単離と構造決定:RF−4667A 5
0mgを無水p−トルエンスルホン酸7.8mg、無水
メタノ−ル0.6mlと46℃で2.5時間後、0.5N
水酸化ナトリムで中和し、濃縮乾固して残渣に少量の水
を加えエ−テル抽出し、水洗、硫酸ナトリウム脱水後、
減圧留去し油状残渣を得る。これをTLC(メルク KG
F, 溶媒:n−ヘキサン/アセトン (80:20) Rf=0.30)
で分離精製し、無色の油状物質5.5mgを得た。得ら
れた油状物質を、(-)-エピ(8)-α-ビサボロ−ルおよび
(-)-α-ビサボ−ルと比較した。その結果を表1に示
す。
およびアグリコンと糖部の決定 (1)アグリコンの単離と構造決定:RF−4667A 5
0mgを無水p−トルエンスルホン酸7.8mg、無水
メタノ−ル0.6mlと46℃で2.5時間後、0.5N
水酸化ナトリムで中和し、濃縮乾固して残渣に少量の水
を加えエ−テル抽出し、水洗、硫酸ナトリウム脱水後、
減圧留去し油状残渣を得る。これをTLC(メルク KG
F, 溶媒:n−ヘキサン/アセトン (80:20) Rf=0.30)
で分離精製し、無色の油状物質5.5mgを得た。得ら
れた油状物質を、(-)-エピ(8)-α-ビサボロ−ルおよび
(-)-α-ビサボ−ルと比較した。その結果を表1に示
す。
【0036】
【表1】 1)参考値:D. Babin et al. Tetrahedron. Vol 37, Sup
plement No.1, p. 1〜7(1981) 2) (-)-α-ヒ゛サホ゛ロ-ル:市販品 Extrasynthese社製 (Fran
ce) 以上の結果よりアグリコンは(-)-エピ(8)-α-ビサボロ
−ルと決定した。
plement No.1, p. 1〜7(1981) 2) (-)-α-ヒ゛サホ゛ロ-ル:市販品 Extrasynthese社製 (Fran
ce) 以上の結果よりアグリコンは(-)-エピ(8)-α-ビサボロ
−ルと決定した。
【0037】(2) 糖の決定 RF−4667A 320mgを25%TFA 5mlと
60℃で1時間反応(アグリコンと糖の開裂)後、脂溶
性物質(アグリコン)は塩化メチレンで抽出して除き、
残りの水層部を濃縮し、アセトンで洗浄後濃縮乾固し
て、残渣50mg(糖)得る。これに5%塩酸−メタノ
−ル3mlを加え、35℃で3.5時間撹拌する。この
濃縮乾燥残渣にピリジン2.5mlと無水酢酸2.5ml
を加え、室温で6時間アセチル化する。反応液を冷却
下、水30mlに希釈し、減圧濃縮後、シロップ状残渣
をTLC(メルク KGF, 溶媒:n−ヘキサン/アセトン
(70:30), Rf=0.22)で分離精製して、45mgの無色
油状物質を得た。この油状物質は、標品(α−メチル−
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−マンノピラノシド
(α-methyl-2,3,4,6,-tetra-O-acetyl-D-mannopyranosi
de))とのNMR、MS、[α]Dの比較からD−マンノ−
スと決定した。
60℃で1時間反応(アグリコンと糖の開裂)後、脂溶
性物質(アグリコン)は塩化メチレンで抽出して除き、
残りの水層部を濃縮し、アセトンで洗浄後濃縮乾固し
て、残渣50mg(糖)得る。これに5%塩酸−メタノ
−ル3mlを加え、35℃で3.5時間撹拌する。この
濃縮乾燥残渣にピリジン2.5mlと無水酢酸2.5ml
を加え、室温で6時間アセチル化する。反応液を冷却
下、水30mlに希釈し、減圧濃縮後、シロップ状残渣
をTLC(メルク KGF, 溶媒:n−ヘキサン/アセトン
(70:30), Rf=0.22)で分離精製して、45mgの無色
油状物質を得た。この油状物質は、標品(α−メチル−
2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D−マンノピラノシド
(α-methyl-2,3,4,6,-tetra-O-acetyl-D-mannopyranosi
de))とのNMR、MS、[α]Dの比較からD−マンノ−
スと決定した。
【0038】この物質の物理化学的性質を以下に示す。 a)TLC:メルク KGF, Rf=0.34;n−ヘキサン/アセトン (6:4) Rf=0.48;トルエン/酢酸エチル/エタノ−ル(10:3:1)
標品と一致 b)[α]D 24°:+41.9°±0.4 (c 2.1, CHCl3). 標品;[α]D 24°:+42.5°±0.7 (c 1.2, CHCl3). c)MS (LSI-MS):m/z 363(M+H)+, d)1H−NMR:標品に一致した。
標品と一致 b)[α]D 24°:+41.9°±0.4 (c 2.1, CHCl3). 標品;[α]D 24°:+42.5°±0.7 (c 1.2, CHCl3). c)MS (LSI-MS):m/z 363(M+H)+, d)1H−NMR:標品に一致した。
【0039】(3)RF−4667A〜Jの構造決定: (a)RF−4667Aのアルカリ加水分解 RF−4667A9mgをメタノ−ル0.3ml、0.5
N水酸化ナトリウム0.3mlに溶解し室温で10分間
放置後、中和濃縮する。濃縮残渣を酢酸エチルで抽出
後、TLC(メルク, KGF)で分離し、5.6mgの脱ア
セチル体を得た(収率:90%)。TLC、HPLC及
び1H−NMR比較からRF−4667Jと一致した。
N水酸化ナトリウム0.3mlに溶解し室温で10分間
放置後、中和濃縮する。濃縮残渣を酢酸エチルで抽出
後、TLC(メルク, KGF)で分離し、5.6mgの脱ア
セチル体を得た(収率:90%)。TLC、HPLC及
び1H−NMR比較からRF−4667Jと一致した。
【0040】(b)RF−4667D、F、G、H、I、
Jのアセチル化 RF−4667J(5mg)を過剰の無水酢酸/ピリジ
ン(1:1)2mlに溶解し、室温で10時間反応後、
水を加え濃縮する。濃縮残渣をTLCで分離し4.6n
g(収率:70%)のRF−4667A(tetraacetat
e)を得た(TLC、HPLC、1H−NMRでRF−4
667Aと一致)。同様にD、F、G、H、Iの混合物
についてもRF−4667Aを生成した。
Jのアセチル化 RF−4667J(5mg)を過剰の無水酢酸/ピリジ
ン(1:1)2mlに溶解し、室温で10時間反応後、
水を加え濃縮する。濃縮残渣をTLCで分離し4.6n
g(収率:70%)のRF−4667A(tetraacetat
e)を得た(TLC、HPLC、1H−NMRでRF−4
667Aと一致)。同様にD、F、G、H、Iの混合物
についてもRF−4667Aを生成した。
【0041】(c)RF−4667B、D、F、G、H、
I、Jは、1H−NMR、EI−MSの測定結果及びア
セチル化実験により、糖部分のアセテ−トの相違物質と
判明した。表2に、RF−4667A〜JのTLC、H
PLC、MS、1H−NMRの測定結果、および糖部分
のアセテ−トの状態を示す。
I、Jは、1H−NMR、EI−MSの測定結果及びア
セチル化実験により、糖部分のアセテ−トの相違物質と
判明した。表2に、RF−4667A〜JのTLC、H
PLC、MS、1H−NMRの測定結果、および糖部分
のアセテ−トの状態を示す。
【0042】
【表2】 a) TLC: メルク KGF, 溶媒;塩化メチレン/メタノ−ル
=10/1 b) HPLC: カラム;YMC-ODS-5 (4.6 × 150 mm), 溶媒;
アセトニトリル/水=70/30, 検出;UV (220 nm), 流
速;1 ml/分 (主要成分はA及びF)
=10/1 b) HPLC: カラム;YMC-ODS-5 (4.6 × 150 mm), 溶媒;
アセトニトリル/水=70/30, 検出;UV (220 nm), 流
速;1 ml/分 (主要成分はA及びF)
【0043】5.(-)-α-エピ(8)-ビサボロ−ル-2,3,4,
6-テトラ-O-メチル-β-D-マンノピラノシド((-)-α-Ep
i(8)-bisabolol-2,3,4,6-tetra-O-methyl-β-D-mannopy
ranoside)(テトラ−O−メチル 誘導体,RF−466
7A−OMe)の合成 RF−4667A 18gをメタノ−ル150mlに溶
解し、0.5N水酸化ナトリウム40mlを加え、室温
で30分撹拌後、3N塩酸で中和し、濾過、減圧濃縮を
行う。濃縮残渣を酢酸エチル300mlで抽出し、水洗
後、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した後減圧留去し、
油状のAcetyl-free体の残渣(RF−4667J)14.
4gを得る。次に得られたRF−4667J 4.9gを
DMF25ml、酸化銀26g、ヨウ化メチル27gを
加え室温で3時間反応後、濾過し、濾液を濃縮して、反
応残渣5.5gを得る。これをカラムクロマト(Lobar,
LiChroprep SiO2 60, 380g. TypeB)に付し、塩化メチ
レン/メタノ−ル(200:1)860ml、ジクロロ
ロメタン/メタノ−ル(100:1)600mlの順に
溶出し、この溶出分を減圧の濃縮して、単一濃縮物RF
−4667J−OMe 4.4gを得た。
6-テトラ-O-メチル-β-D-マンノピラノシド((-)-α-Ep
i(8)-bisabolol-2,3,4,6-tetra-O-methyl-β-D-mannopy
ranoside)(テトラ−O−メチル 誘導体,RF−466
7A−OMe)の合成 RF−4667A 18gをメタノ−ル150mlに溶
解し、0.5N水酸化ナトリウム40mlを加え、室温
で30分撹拌後、3N塩酸で中和し、濾過、減圧濃縮を
行う。濃縮残渣を酢酸エチル300mlで抽出し、水洗
後、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した後減圧留去し、
油状のAcetyl-free体の残渣(RF−4667J)14.
4gを得る。次に得られたRF−4667J 4.9gを
DMF25ml、酸化銀26g、ヨウ化メチル27gを
加え室温で3時間反応後、濾過し、濾液を濃縮して、反
応残渣5.5gを得る。これをカラムクロマト(Lobar,
LiChroprep SiO2 60, 380g. TypeB)に付し、塩化メチ
レン/メタノ−ル(200:1)860ml、ジクロロ
ロメタン/メタノ−ル(100:1)600mlの順に
溶出し、この溶出分を減圧の濃縮して、単一濃縮物RF
−4667J−OMe 4.4gを得た。
【0044】8.ACAT阻害活性の測定 (1)副腎のミクロソ−ムを用いる方法 0.8mg/mlのBSA、2mM DTT、および10
0μgのコレステロ−ルを含む0.1Mリン酸緩衝液
(0.5ml)中、副腎のミクロソ−ム存在下で90,0
00dpm/5nmoleの放射活性をもつオレオイル
−コエンザイムA(Oleoyl-Coenzyme A)と本発明化合
物を37℃で20分間反応させた。なお副腎のミクロソ
−ムは、Paulらの方法(Paul M. Kinnunen, Angela DeM
ichele, and Louis G. Lang., Biochemistry 1988, 27,
7344〜7350)に準じて調製し、20分間に0.5nmo
leのコレステロ−ルオレエ−トを生じる蛋白量を用い
た。Bleigh & Dyerの方法(Bleigh, E. G., & Dyer,
W. J., Can. J. Biochem. Physiol, 37 911〜917, 195
9)により反応を停止させた後、6μgのコレステロ−ルオ
レエ−トを添加し、溶媒を留去した。残渣の薄層クロマ
トグラフィ−を行い、生成したコレステロ−ルオレエ−
トの放射活性により酵素活性を測定した。
0μgのコレステロ−ルを含む0.1Mリン酸緩衝液
(0.5ml)中、副腎のミクロソ−ム存在下で90,0
00dpm/5nmoleの放射活性をもつオレオイル
−コエンザイムA(Oleoyl-Coenzyme A)と本発明化合
物を37℃で20分間反応させた。なお副腎のミクロソ
−ムは、Paulらの方法(Paul M. Kinnunen, Angela DeM
ichele, and Louis G. Lang., Biochemistry 1988, 27,
7344〜7350)に準じて調製し、20分間に0.5nmo
leのコレステロ−ルオレエ−トを生じる蛋白量を用い
た。Bleigh & Dyerの方法(Bleigh, E. G., & Dyer,
W. J., Can. J. Biochem. Physiol, 37 911〜917, 195
9)により反応を停止させた後、6μgのコレステロ−ルオ
レエ−トを添加し、溶媒を留去した。残渣の薄層クロマ
トグラフィ−を行い、生成したコレステロ−ルオレエ−
トの放射活性により酵素活性を測定した。
【0045】(2)肝臓のミクロソ−ムを用いる方法 副腎のミクロソ−ムを用いる方法と同様の方法で行っ
た。但し,肝臓のミクロソ−ムは,ミクロソ−ム中に十
分な内在性のコレステロ−ルが含まれるのでコレステロ
−ルの添加は行わなかった。
た。但し,肝臓のミクロソ−ムは,ミクロソ−ム中に十
分な内在性のコレステロ−ルが含まれるのでコレステロ
−ルの添加は行わなかった。
【0046】測定結果を表3に示す。
【表3】 *:N’-(2,4-ジメチルフェニル)-N-ベンジル-N-ブチル
尿素[N’-(2,4-dimethylphenyl)-N-benzyl-N-butylure
a](Vern G. DeVries et al., J. Med. Chem., 1989,
32, 2318〜2325)
尿素[N’-(2,4-dimethylphenyl)-N-benzyl-N-butylure
a](Vern G. DeVries et al., J. Med. Chem., 1989,
32, 2318〜2325)
【0047】表1に示す如く、標品が肝臓の酵素を強く
阻害するのに対し、本発明化合物は副腎由来の酵素に対
して強い阻害活性を示した。
阻害するのに対し、本発明化合物は副腎由来の酵素に対
して強い阻害活性を示した。
【0048】
【発明の効果】本発明化合物は吹く副腎由来のACAT
の活性を特異的に阻害することから、動脈硬化およびそ
れに起因する動脈硬化性病気の治療剤として有用であ
る。
の活性を特異的に阻害することから、動脈硬化およびそ
れに起因する動脈硬化性病気の治療剤として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 9/99 C12N 9/99 C12P 19/44 C12P 19/44 //(C12N 1/14 (C12N 1/14 C12R 1:645) C12R 1:645) (C12P 19/44 (C12P 19/44 C12R 1:645) C12R 1:645) (72)発明者 板崎 弘 兵庫県宝塚市清荒神3−9−4 (56)参考文献 Phytochemistry,Vo l.29,No.2,pp.645−648, (1990) Phytochemistry,Vo l.21,No.8,pp.2115−2117, (1982) J.Biol.Chem.,Vol. 265,No.14,pp.8042−8051, (1990) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 19/00 - 19/64 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (6)
- 【請求項1】 式I: 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して水
素、低級アルキル基、または低級アルカノイル基を表わ
す。)で示される化合物。 - 【請求項2】 式II: 【化2】 (式中、R1、R2、R3およびR4は前記と同義。)で示
される請求項1記載の化合物。 - 【請求項3】 スタキボトリス エレガンス(Stachybo
trys elegans)種に属し、式III: 【化3】 (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して水
素または低級アルカノイル基を表わす。)で示される化
合物を産生する微生物。 - 【請求項4】 スタキボトリス エレガンス RF−4
667(Stachybotrys elegans RF-4667)(FERM BP-38
23)である請求項3に記載の微生物。 - 【請求項5】 スタキボトリス(Stachybotrys)属に属
し、式IIIで示される化合物を産生する微生物を培養
し、該培養培地から該化合物を採取し、所望により加水
分解、アルカノイル化、またはアルキル化することを特
徴とする、請求項1に記載の化合物の製造法。 - 【請求項6】 請求項1または2に記載の化合物を有効
成分として含有するACAT阻害剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13624092A JP3195409B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | Acat阻害物質 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13624092A JP3195409B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | Acat阻害物質 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05310771A JPH05310771A (ja) | 1993-11-22 |
JP3195409B2 true JP3195409B2 (ja) | 2001-08-06 |
Family
ID=15170563
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13624092A Expired - Fee Related JP3195409B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | Acat阻害物質 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3195409B2 (ja) |
-
1992
- 1992-04-28 JP JP13624092A patent/JP3195409B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
J.Biol.Chem.,Vol.265,No.14,pp.8042−8051,(1990) |
Phytochemistry,Vol.21,No.8,pp.2115−2117,(1982) |
Phytochemistry,Vol.29,No.2,pp.645−648,(1990) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05310771A (ja) | 1993-11-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |