JPH0653810B2 - 粉粒状重合体およびその製造方法 - Google Patents

粉粒状重合体およびその製造方法

Info

Publication number
JPH0653810B2
JPH0653810B2 JP61184959A JP18495986A JPH0653810B2 JP H0653810 B2 JPH0653810 B2 JP H0653810B2 JP 61184959 A JP61184959 A JP 61184959A JP 18495986 A JP18495986 A JP 18495986A JP H0653810 B2 JPH0653810 B2 JP H0653810B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
organic liquid
particles
powdery
granular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61184959A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62149726A (ja
Inventor
輝彦 杉森
文男 鈴木
英明 羽原
浩成 稲田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Publication of JPS62149726A publication Critical patent/JPS62149726A/ja
Publication of JPH0653810B2 publication Critical patent/JPH0653810B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
    • C08C1/00Treatment of rubber latex
    • C08C1/02Chemical or physical treatment of rubber latex before or during concentration
    • C08C1/065Increasing the size of dispersed rubber particles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F6/00Post-polymerisation treatments
    • C08F6/14Treatment of polymer emulsions
    • C08F6/18Increasing the size of the dispersed particles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J3/00Processes of treating or compounding macromolecular substances
    • C08J3/12Powdering or granulating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J3/00Processes of treating or compounding macromolecular substances
    • C08J3/12Powdering or granulating
    • C08J3/16Powdering or granulating by coagulating dispersions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2321/00Characterised by the use of unspecified rubbers
    • C08J2321/02Latex

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粉体特性に優れた粉粒状重合体、さらに詳し
くは乳化重合法により得られた重合体であり、かつ実質
的に空隙を含まない一体化した、粒子径が20μm以上
の一次粒子および/または該一次粒子が凝集した二次粒
子より構成された粉粒状重合体およびその製造方法に関
する。
〔従来の技術〕
乳化重合法などによって得られた重合体ラテックスは、
一般に粒子径が1μm以下の重合体粒子が乳化剤に覆わ
れてミセルとして水に分散浮遊した状態として存在し、
粒子径が小さすぎるのでそのまま固液分離し、重合体を
回収することは難しい。このような重合体ラテックスか
ら重合体を回収する従来方法としては、噴霧乾燥機を
使用して粉粒体として直接分離する方法、重合体ラテ
ックスに塩または酸を混合して凝析させ、昇温加熱して
固化させた後、脱水乾燥して粉粒体として回収する方法
が多用されてきた。
さらに得られる重合体粒子の粒子径を調整するために、
重合体ラテックスを特定の溶剤中に分散球状化した後
で凝固させる方法(特開昭52−68285号公報)、
重合体ラテックスを凝析して得られたスラリーに水に
難溶でかつ重合体を溶解しないが濡らし得る有機液体を
混合して造粒する方法(特公昭59−5610号公
報)、水に難溶でかつ重合体を溶解しないが濡らし得
る有機液体と重合体ラテックスとを凝固剤の存在下に混
合する方法(特公昭59−5611号公報)、噴霧乾
燥機構を利用し凝固性雰囲気中に重合体ラテックスの液
滴を分散させて半凝固させ、さらに凝固液中で固化させ
その後脱水乾燥させる方法(特開昭56−95905号
公報)などが提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、の噴霧乾燥機を使用する方法は多量の
水を伴なった重合体ラテックスをそのまま乾燥させるた
めに蒸発させるべき水の量が多く乾燥エネルギーを多量
に必要とする、粒子の大きさや嵩比重を制御することが
難しい、装置コストが高い等の問題点があった。
の凝析し固化させる方法は、通常の槽型または塔型の
凝析固化装置を使用した場合には、得られる重合体粉粒
体の粉粒分布が広くなり、特に粒子径の細い微粉が多量
に混入して粉粒体の取扱い性が悪い、粉粒体の含水率が
高く乾燥エネルギーを多量に必要とするなどの問題点が
あった。
の方法は、球状化処理に使用した大量の溶剤を処理す
る必要があり、かつ球状ラツクス粒子が外部から凝固さ
せるため、凝固が不均一となり、該重合体の加工時にフ
ィツシユアイなどの問題を生じるおそれがある。の方
法はの方法に比較すれば少ないが、重合体100重量
部に対し60〜500重量部の有機液体を添加するため
に、やはり大量の有機液体を処理する必要があり、特に
嵩比重を大きくするためには重合体100重量部に対し
200重量部以上の有機液体を必要とする欠点を有して
いる。の方法においても、重合体容積1に対して1〜
5(容積比)の有機液体を添加するために、大量の有機
液体を処理する必要があり、さらに処理時の重合体濃度
が低いので装置が大型化するという欠点を有している。
の方法は噴霧乾燥の機構と同じなので球形粉粒体を得
やすいが、粒子の大きさに限度があり、気相を利用する
凝固であるために装置が大きくなるなどの欠点を有して
いる。
一方粉末計量の自動化および貯蔵輸送設備の大型化が進
められている今日、貯蔵中に粉末粒子同士が固まるとい
うブロツキング現象や、粉粒状体の流動性不足に起因す
る輸送ラインの詰りなどの観点から、取扱い易い粉粒状
重合体の開発が強く望まれている。また、作業環境を粉
粒状重合体で汚染することのないよう、微粉の少ない粉
粒状重合体とする必要がある。さらにまた、他の粉粒状
体と混合して使用する場合には貯蔵、輸送中に粉体の偏
析による成分変動が生じないよう適度な粒子径を有する
必要がある。さらに得られた粉粒状重合体を射出成形
機、カレンダーロールなどに直接供給し、ペレツト工程
が省略できるよう嵩比重が大きく粒子径が均一で且つ適
度の大きさを有する粉粒状重合体の開発が強く望まれて
いる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上述した如き問題点を解決すべく鋭意検討
の結果、重合体ラテックスに予め水に難溶な有機液体を
添加し、次いで凝析剤を添加して凝析することにより所
期の目的を達成し得る粉粒状重合体とし得ることを見出
し本発明に到達した。
本発明の目的は、微粉がなく、流動性に優れ、しかも嵩
比重が大きく、実質的に空隙を含まない一次粒子および
/または二次粒子より構成される粉粒状重合体を提供す
ることにある。
本発明の他の目的は、かかる粉粒状重合体の製造方法を
提供することにある。
本発明の粉粒状重合体は、重合体ラテックスに予め有機
液体を添加し、次いで凝析剤を添加して凝析することを
特徴とする、該重合体ラテックス中の重合体粒子の凝集
により生成された、実質的に空隙を含まず一体化した、
粒子径が20μm以上の一次粒子および/または該一次粒
子が凝集した二次粒子より構成された粉粒状重合体であ
る。
また本発明の粉粒状重合体の製造方法は、重合体ラテッ
クスに予め水に難溶な有機液体(以下、必要によりこの
条件を満足する有機液体を「非水性有機液体」と呼ぶ)
を添加し、次いで凝析剤を添加して凝析することを特徴
とする、該重合体ラテックス中の重合体粒子の凝集によ
り生成された、実質的に空隙を含まず一体化した、粒子
径が20μm以上の一次粒子および/または該一次粒子
が凝集した二次粒子より構成された粉粒状重合体の製造
方法である。
一般に重合体ラテツクスに凝析剤を加えると乳化状態が
破壊され、重合体ラテツクスに含まれていたラテツクス
粒子(重合体粒子)が多数会合、凝集し、一次粒子を形
成すると考えられている。しかし、従来の凝析方法で
は、この一次粒子の大きさを制御することが困難であっ
た。前述のまたはの噴霧機構を利用した凝析法は、
この問題を解決するものであり、重合体ラテツクスを噴
霧し、重合体ラテツクスを液滴状にしてから凝析を行な
うことにより、凝析にともなうラテツクス粒子の会合を
各液滴内にとどめ、いわば各液滴の大きさで一次粒子の
大きさを制御する方法である。しかし、これらの方法で
は噴霧により生成可能な液滴の大きさに制約があり、一
次粒子をさらに凝集させて二次粒子を生成することが困
難であるため、特に500μm以上の大きな粒子径の粒
子を作ることができなかった。
これに対し本発明は、重合体ラテックスに予め非水性有
機液体を添加し、次いで凝析剤を添加して凝析し、これ
ら混合物を撹拌することによって、生成する一次粒子の
粒子径を正確に制御でき、しかも一次粒子が会合、凝集
して生じる二次粒子の大きさも制御することができるた
め、粒度分布が狭く且つ体積平均粒子径が数十μmから
数mm程度の粉粒状重合体を重合体ラテツクスから直接製
造することが可能である。
本発明の粉粒状重合体は、上述の如くその基本構成粒子
である一次粒子の粒子径が20μm以上と大きく、かつ
実質的に一体化しているため次のような種々の特徴を有
する。
第1の特徴は微粉の発生が皆無であるということであ
る。従来の凝析法で得られる粉粒状重合体では、一見一
次粒子に見える粒子も、実はさらに細かい、通常20μ
m以下の一次粒子がぶどう房状に凝集した二次粒子であ
る。この差異は同一のポリマ−ラテツクスより製造した
本発明に係る粉粒状重合体粒子と従来の凝析法により得
た粉粒状重合体粒子を光学顕微鏡で透過光を利用して観
察すると明確である。第1図は後述の実施例1で得た本
発明の粉粒状重合体粒子の150μmから212μmの
範囲の粒子構造の光学顕微鏡写真、第2図は後述の比較
例1で得た従来の凝析法による粉粒状重合体粒子の粒子
構造の光学顕微鏡写真である。本発明に係る粉粒状重合
体粒子は透明性に優れ、光を透過している。一方従来の
凝析法によるものでは粉粒状重合体粒子に含まれる一次
粒子が完全に一体化しておらず界面を有する為に、界面
で光を乱反射して光を透過しないことがわかる。このよ
うに従来法による粉粒状重合体では、微細な粒子が凝集
した二次粒子より構成されているため、製造工程中の気
流・流動乾燥機中での粉体同士の摩擦、または輸送中の
振動などにより該二次粒子が崩れ微細な一次粒子とな
る。そしてこれが微粉となり取扱時に微粉を発生して環
境を汚染するなどの問題を引き起こし易い。これに対し
本発明に係る粉粒状重合体は、一次粒子の粒子径が20
μm以上と大きく、かつ実質的に一体化しているため微
粉の発生が皆無である。
第2の特徴は実質的に空隙を含まないため各重合体粒子
内の伝熱が良好なことである。このため押出機により溶
融成形加工する際に押出機内での重合体粒子の溶融速度
が高くなり、押出機の生産性が向上するという利点を有
する。さらに未溶融重合体に起因するフィツシユアイの
発生が少なくなり、フイルムやブロー成形品用途ではそ
の品質を大巾に向上させることができる。また塩化ビニ
ル樹脂用添加剤の如く、溶融粘度の低い他の樹脂と混合
して押出す場合にも得られる製品中のフイツシユアイが
大巾に減少し、品質が向上するという利点を有する。
第3の特徴は嵩比重が高いことである。これにより同一
体積中に充填することができる重量が増加し、輸送コス
ト、貯蔵コストを低減することができるという利点を有
する。
第4の特徴はシヤープな粒度分布を有することである。
かかる特性は他の粉粒状物と混合する場合にホツパー部
などでの偏析を防止するのに有効である。すなわち、本
発明に係る粉粒状重合体の粒度を混合相手の粉粒状物の
粒度に合わせると混合相手の粉粒状物の粒度と粒子径の
大きく異なる粒子が含まれないため両者の粒度差に起因
する偏析を防止することができるという利点を有する。
以上のような特徴を有する粉粒状重合体、前述の如く重
合体ラテックスに予め非水性有機液体を添加し、次いで
凝析剤を添加して凝析することにより効率よく製造する
ことができる。かかる本発明の粉粒状重合体が、重合体
ラテツクスから得られる機構は次のように考えられる。
重合体ラテツクスに混合した非水性有機液体は、ラテツ
クス粒子表面またはラテツクス粒子中の重合体の表面に
吸着される。このような状態下で撹拌しながら凝析剤を
加えると乳化状態が破壊されラテツクス粒子は互いに会
合し易くなり、粒子表面に存在する非水性有機液体が
「液体架橋剤」として作用し粒子間に引力を生じせし
め、造粒が行われる。このような「液体架橋剤」を利用
した造粒機構は衛生工学、鉱業、製薬分野ではよく知ら
れており、古くはD.I. Stockらによってベンゼン中の硫
酸バリウムの微粒子の造粒について報告されている(Na
ture誌、Vol. No.4323、423頁、1952
年)。さらにPuddingtonはその実験を追試して「液体架
橋剤」による造粒作用について明らかにした(The Cana
dian Journal of Chemistry,38巻、1911頁、1
960年)。しかしながら硫酸バリウム粒子などの無機
物粒子への適用では造粒された粒子が圧密化されても、
その空隙率が0.4〜0.5程度もあり非常に多孔質的
な構造になっている(「材料」誌、25巻、274号、
628頁、昭和51年)。しかるに本発明の方法による
場合にはラテツクス粒子が柔らかく、造粒の際に合一、
一体化し実質的に空隙を含まない一次粒子として成長す
る。第1図は後述の実施例1で得た粉粒状重合体の15
0μmから212μmの範囲の粒子の光学顕微鏡写真、
第2図は後述の比較例1で得た粉粒状重合体の光学顕微
鏡写真である。第1図および第2図から明らかなように
従来の凝析法では多孔質な粒子となるため得られる重合
体粒子は不透明であるが、本発明の方法による場合には
重合体粒子は透明であり、しかもラテツクス粒子が実質
的に空隙を含まず一体化して造粒されていることがわか
る。
ここで粒子が造粒されている過程については遊佐美津
雄、「表面」誌、17巻、68頁、1979年に報告さ
れている。すなわちi)熱運動凝集、ii)流動搬送凝集、i
ii)機械的シネレシスの三過程からなる。このうち粒子
の圧密化に関してはiii)機械的シネレシスが重要な意味
を持っている。遊佐は機械的シネレシスは「凝集体の表
面に瞬間的に不均等で、しかも作用点が時間の経過と共
に移動し統計的に一様化した力が作用し、凝集体を構成
する粒子間に剪断力が働き、粒子の配置換えが起こり凝
集体が圧密化され、粒子間の接触点の数が増加し、凝集
体の構造が緻密になる過程である。」と説明している。
この遊佐の説明からも圧密化に対する機械的シネレシス
すなわち粒子に作用する剪断力の重要性が理解できる
が、本発明では単なる「粒子間の配置換え」と「粒子間
の接触点の数の増加」が発生するだけではなく、粒子が
合一、一体化するので機械的シネレシスの重要性上述の
遊佐らの説明以上により大きなものになっている。
本発明の粉粒状重合体の製造方法においては重合体ラテ
ツクス、非水性有機液体および凝析剤の混合物を撹拌ま
たは振動させれなどして混合することにより上記機械的
シネレシスを与えることができる。さらに重合体ラテツ
クス、非水性有機液体および凝析剤の全混合物中の重合
体容積の割合を一定値以上とすることにより全混合物の
見掛け粘度を上げ、重合体粒子に大きな剪断力を作用さ
せることが好ましい。
以上述べた如き機構により、本発明に係る粉粒状重合体
は一次粒子が実質的に空隙を含まず嵩比重が高く、しか
も粒度が狭く、数十μmから数mmまでの任意の粒径を有
し、流動性が良好で、ブロツキングなどの現象が発生し
にくいなど極めて優れた粉体特性を有するものである。
本発明を実施するに際して用いる重合体ラテツクスは凝
析時に全混合物中の重合体の容積割合を3%以上、好ま
しくは10%以上にすることができる固形分含有率を有
する重合体ラテツクスであれば使用できるが、特に5〜
80重量%の弾性体成分を含有する重合体のラテツクス
は非常に効果的に使用することができる。重合体ラテツ
クス中の重合体を構成する弾性体成分としてはブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマーを
重合して得たジエン系弾性体、ならびにブチルアクリレ
ート、プロピルアクリレート、オクチルアクリレート等
のアルキル基の炭素数が3〜10のアルキルアクリレー
ト系モノマーを重合して得たアルキルアクリレート系弾
性体などが挙げられる。具体的な重合体としてはアクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹
脂)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共
重合体(MBS樹脂)、アルキルアクリレート−アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体(AAS樹脂)、アルキ
ルメタクリレート−アルキルアクリレート共重合体など
を挙げることができる。
本発明の粉粒状重合体の製造方法は使用する非水性有機
液液体の特性により二つの方法に大別できる。
第一の方法は有機液体として水に難溶で且つ重合体を溶
解しないが濡らす有機液体(以下、必要によりこの条件
を満足する有機液体を「非水不溶性有機液体」と呼ぶ)
を使用する場合であり、第二の方法は有機液体として水
に難溶でかつ該重合体ラテツクスに含まれる重合体を構
成する各単量体(該重合体が単一単量体からなる場合に
は一つの単量体)を単独で重合して得られる重合体(す
なわち、この重合体ラテツクスに含まれる重合体を構成
する単量体の種類がn種類であればn種類)の1種類以
上の重合体を溶解する有機液体(以下、必要によりこの
条件を満足する有機液体を「非水溶解性有機液体」と呼
ぶ)を使用する場合である。
本発明の粉粒状重合体の製造方法の上記第一の方法を実
施するに際して用いる非水不溶性有機液体は前述の如く
水に難溶で且つ重合体ラテツクスの重合体を溶解しない
が濡らす有機液体の中から選択すればよい。ここで「濡
らす」とは有機液体が重合体の表面のみに付着し、内部
に浸透していかない状態をいい、重合体表面での付着状
態時の接触角が約30゜以下を指すものである。かかる
条件を満す有機液体としては常温での表面張力が35ダ
イン/cm以下であるものが挙げられ、例えばヘキサン、
ヘプタンなどのパラフイン系の有機液体、シクロヘキサ
ン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシ
クロヘプタンなどの脂環属炭化水素およびそれらのアル
キル置換体を使用することができる。これらの非水不溶
性有機液体は単独でまたは組合せて使用することができ
る。
上記非水不溶性有機液体を用いて本発明の粉粒状重合体
の製造方法を実施するに際しては重合体ラテツクス、非
水不溶性有機液体および凝析剤を混合した全混合物中の
重合体ならびに非水不溶性有機液体の容積割合が重要な
因子となる。
重合体の全混合物中の容積割合は3〜25%である。特
に嵩比重0.45以上のような高嵩比重の粉粒状重合体
を得るには10〜25%であることが好ましい。3%未
満の容積割合では全混合物中での重合体粒子と衝突頻度
が低下し、造粒ならびに重合体粒子が一体化する速度が
下がり、その結果得られる粉粒状重合体の嵩比重が低く
なってしまうので好ましくない。一方25%を超える容積
割合では凝析して得られる凝析スラリーの粘度が著しく
高くなり撹拌混合が均一に行なえず、粗大な粒子が発生
し易くなる。またこの凝析スラリーの取扱い性も悪くな
るので好ましくない。
また非水不溶性有機液体の全混合物中の容積割合は1〜
30%である。特に嵩比重0.45以上のような高嵩比
重の粉粒状重合体を得るには10〜30%であることが
好ましい。1%未満の容積割合では得られる粉粒状重合
体の嵩比重が低くなり、また微粉の含有率も高くなって
しまうので好ましくない。一方30%を超える容積割合
では粒径が4mm以上の粗大粒子の生成が多くなり、該有
機液体の使用量が増加するにもかかわらず嵩比重が高く
ならないので好ましくない。
また上記(I)全混合物中の重合体の容積割合が3〜25
%、(II)全混合物中の非水不溶性有機液体の容積割合が
1〜30%の条件の他にさらに(III)重合体の容積に対
する非水不溶性有機液体の容積割合が200%以下なる
条件を満すことにより粗大な粒子とならず、含水率が低
く、しかも嵩比重の高い粉粒状重合体を得ることができ
る。さらに有機液体の使用量が軽減できコスト低減とも
なるので好ましい。
さらに本発明の粉粒状重合体の製造方法の上記第二の方
法を実施するに際して用いる非水溶解性有機液体は、水
に難溶なもので、かつ重合体ラテツクスに含まれる重合
体を構成する各単量体の単独重合体の一つ以上を溶解す
るものであり、さらに好ましくは重合体ラテツクスに含
まれる重合体そのものを溶解し得る能力を有するものが
よい。水に対する溶解性としては、水への溶解度が少な
くとも約0.1重量%(10℃)以下であるものが望ま
しい。該有機液体に水に対する溶解度が大きい場合に
は、ラテツクス中の重合体は粒子を生成せず該有機液体
に抽出され、最終的には(a)重合体を含む有機液体層、
(b)未抽出のラテツクスを含む水、(c)有機液体と水層の
混合層の三層または上記(a)と(b)の二層に分離してしま
う。さらに該有機液体の水に対する溶解度が大きい場合
には、重合体ラテツクスから凝析造粒重合体粒子を生成
させた後に、大量の水から有機液体を分離処理する必要
が生じるため不適当である。非水溶解性有機液体は、重
合体ラテツクスに含まれる重合体の構成各単量体の単独
重合体の一つ以上を溶解するものであればよい。さらに
好ましくは重合体ラテツクスに含まれる重合体そのもの
を溶解するのがよい。これにより所望とする一次粒子を
形成することができる。非水溶解性有機液体としては、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素な
どそれらのアルキル置換体、クロロホルム、四塩化炭
素、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素、ジイソブ
チルケトンなどが挙げられる。これらは単独でまたは組
合せて使用することができる。
非水溶解性有機液体は、造粒作用に対して極めて大きな
影響を与え、重合体ラテツクスに含まれる重合体の固形
分100重量部当り3〜40重量部使用する。非水溶解性
有機液体の量が3重量部未満の場合には、従来法と同様
に粒子径の細かい微粉が得られることになり好ましくな
い。一方、40重量部を超える場合には、凝析造粒重合
体同士が一体化し、最終的には餅状に会合するため好ま
しくない。
非水溶解性有機液体の混合添加量を変化させることによ
り、幅広い粒径範囲で非常に均一な粒度分布の粉粒体を
得ることができる。特に従来は困難であった数mmの粒径
を持つ重合体粒子を造粒することができる。
なお非水溶解性有機液体を使用する製造方法に適用する
重合体ラテツクスの種類は特に限定されず、上記のもの
が使用することができるがその固形分含有量は5〜60
重量%の範囲のものが適当であり、さらに10〜60重
量%の範囲のものが好ましい。固形分含有量が5重量%
未満では、重合体粒子同士の衝突が少なくなるため会合
粒子の圧密化が十分に行なわれず、嵩比重が低下し含水
率が上昇してしまう。一方、固形分含有量が60重量%
を超えると、凝析剤を加えた直後にスラリーの粘度が著
しく上昇し撹拌が不能になり均一な粒度を持つ粉粒体を
得難い。
通常、重合体ラテツクスの固形分含有量は、重合工程の
生産性、重合体物性などによって選択されるので、凝固
処理を実施する前に重合体ラテツクスに水を追加するな
どして望ましい粉体物性、操作性が実現できるよう重合
体ラテツクスの固形分含有量を調整するのが良い。
本発明を実施するに際して用いる凝析剤としては公知の
ものを使用することができる。例えば無機塩類(塩化カ
ルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アル
ミニウム、硫酸亜鉛、炭酸ナトリウム、塩化アンモニウ
ム、カリミヨウバンなど)、鉱酸類(硫酸、塩酸、燐
酸、硝酸、炭酸など)、有機酸類(酢酸など)などがあ
り、それらを単独または混合して使用することができ
る。凝析剤の使用量は特に限定されずに重合体ラテツク
スの種類、使用する凝析剤の種類に応じて重合体ラテツ
クスが凝析するのに十分な量を使用する。
本発明の実施に際しては重合体ラテツクスに先ず非水性
有機液体を添加し十分混合した後に、この混合物中に凝
析剤を添加混合して凝析することが必須である。このよ
うな方法をとることにより嵩比重が0.45以上の粉粒
状重合体が得られるため好ましい。
特に非水性有機液体の分散が均一な程、得られる粉粒状
重合体の粒度分布を狭くすることができるので非水性有
機液体は撹拌などにより重合体ラテツクス中に均一に分
散させるのが好ましい。しかし、この場合、重合体ラテ
ツクスの乳化状態を撹拌に伴なう機械的剪断力によって
破壊しないように注意することが必要である。この目的
を達成するための分散装置としては、槽型撹拌装置、ソ
ーレスミキサー、スタテイツクミキサーおよび通常の遠
心ポンプなどを使用することができる。さらに非水性有
機液体の分散をより均一にするために、非水性有機液
体、分散剤および水を混合し、予め非水性有機液体を水
に分散させ、これを重合体ラテツクスに添加混合しても
よい。なお分散剤の添加は凝析造粒された重合体粒子の
分散安定性を増し、不要な二次凝集を防ぐ意味からも好
ましい。非水性有機液体の重合体ラテツクスの混合分散
に要する時間は、ラテツクスの量および使用する装置に
よっても異なるが通常数秒から数分程度である。
次いで非水性有機液体の分散した重合体ラテツクスに凝
析剤を添加混合する。この凝析剤添加混合の際の撹拌
も、凝析時の造粒作用に大きな影響を与えるので重要で
ある。凝析剤を添加した直後は一時的に得られる凝析ス
ラリーの粘度が上昇するので、特に凝析スラリー全体を
均一に撹拌する必要がある。この目的を達成するための
撹拌装置としては通常の槽型反応器とタービン翼、後退
翼、邪魔板などを組合せたものおよびコーレスミキサー
などのインラインミキサーなどを使用することができ
る。凝析、造粒の速度は非常に速く、通常は数秒から1
分程度で完了する。
このようにして重合体ラテツクスを凝析、造粒して得た
重合体粒子は、次いで該重合体のガラス転移点以上の温
度に昇温し、粒子をより緻密化するとともに固化する。
通常は重合体粒子を含む凝析スラリーの温度を上昇させ
て行なうが、その際、造粒がさらに進行し粗大な粒子が
できることがある。特に凝析剤として鉱酸類を使用した
場合にこのような現象が発生しやすい。このような場
合、該スラリーのpHを2〜5、好ましくは3〜5の範
囲に調整した後に、該スラリー温度を上昇させ固化を行
なうと、造粒の進行が抑制され粗大な粒子の発生が少な
くなり均一な粒子径を持つ粉粒体が得られ易くなる。
さらに固化時に、重合体粒子または凝析スラリーの分散
媒に分散している非水性有機液体を蒸発させ、重合体粒
子から除去することが望ましい。該有機液体の沸点が1
00℃以下の場合には、固化を行なう際に凝析スラリー
の温度を使用する有機液体の沸点以上かつ100℃以下
の温度にすることにより簡単に除去することができる。
また、該有機液体の沸点が100℃以上の場合には、約
100℃の凝析スラリーに水蒸気を吹き込み、該有機液
体を水蒸気に同伴させて除去することができる。どちら
の場合においても、本発明では使用する該有機液体量が
少ないので有機液体を蒸発させるための熱量は少なく、
また水に難溶の有機液体を使用するので排水に含まれる
有機液体は殆どなく、排水処理も非常に簡略化できるの
で非常に経済的なプロセスを組むことができる。
〔実施例〕
以下実施例による本発明を具体的に説明する。
実施例1 アンカー状の撹拌翼が付設された内径約15cm、深さ約
23cmのガラス製円筒状の凝析槽装置に、メチルメタク
リレート(85重量%)とアクリル酸ブチル(15重量
%)との共重合体ラテツクス(固形分含有量27.8重
量%)を第1表記載の容積割合になるように加え、約 5
00rpm で撹拌を開始した。その後ヘキサンを第1表記載
の容積割合になるような量を加え、1分間撹拌して混合
分散させた。次に凝析剤として硫酸を共重合体100g
当り1gに相当する量の硫酸水溶液を添加した。
硫酸水溶液を投入すると、撹拌により起泡して体積が増
加していた重合体ラテツクス、水、ヘキサンの混合物は
急速に体積を減少し、数秒のうちにほぼもとの体積まで
減少し、それと共に凝析スラリーの粘度は上昇するが、
なおも撹拌を続けると凝析スラリーの粘度は低下した。
硫酸水溶液添加終了から凝析スラリーの粘度が低下し、
ほぼ定常に達成するまでの時間は10〜30秒であっ
た。
撹拌をさらに続け1分間経過後撹拌を停止し凝析、造粒
された重合体粒子を含む凝析スラリーを容積20の撹
拌槽型固化装置内に満した65℃、5の温水の中へ撹
拌しながら投入した。投入開始から固化装置内に蒸気を
吹き込み温水温度が60℃〜65℃の範囲になるように
制御した。全凝析スラリーを固化装置内に投入した後、
撹拌しながら蒸気を連続的に吹き込み約3〜5分で10
0℃に昇温し、1分間保持した後凝析スラリーを取出
し、固液分離、冷却、洗浄、脱水、乾燥を行い粉粒状重
合体を得た。
得られた粉粒状重合体粒子の150μmから212μm
の範囲の粒子構造の光学顕微鏡写真を第1図に示す。
また得られた粉粒状重合体の嵩比重をJISK−672
1により測定した。流動性はJISK−6721で用い
られる嵩比重測定機に粉粒体を入れ、ダンパーを取り外
した際の流出状態を観察し、その流動性を判定した。
流出状態 ○:ダンパーを取り外すと試料が自然流出する ×:衝撃を連続的に加えると流出する ××:衝撃を連続的に加えても流出しない これらの測定法は以下の実施例、比較例に共通である。
測定結果を第1表に示す。嵩比重も大きく、45μm以
下の微粉量も少ない良好な粉粒状重合体が得られた。
実施例2〜5 実施例1で使用した共重合体ラテツクスを用い、また非
水不溶性有機流体として第1表に示したものを用い、こ
れらを第1表に示した容積割合になるように使用する以
外は実施例1と同様の操作を粉粒状重合体を得た。それ
ぞれ嵩比重が大きく、微粉量が少なく、良好な流動性を
示す粉粒状重合体が得られた。特に実施例5では嵩比重
が著しく大きく、また粒度分布が非常に狭い粉粒状重合
体が得られた。
比較例1 実施例1で使用した共重合体ラテツクス360 gを50℃
の0.1%硫酸水溶液3中に投入し凝析した後、得ら
れた凝析スラリー中に蒸気を吹き込み98℃まで昇温し
重合体を回収した。得られた重合体粒子の物性を測定し
た結果を第1表に示す。重合体粒子の嵩比重は小さく、
微粉が多く、また粒度分布も広く、流動性も非常に悪い
ものであった。
得られた重合体粒子の粒子構造の光学顕微鏡写真を第2
図に示す。
比較例2 第1表に示す条件のもとで実施例1と同様の方法で粉粒
状重合体を得た。物性を測定した結果を第1表に示す。
有機液体の全混合物中の容積割合は実施例8と同等であ
るにもかわわらず重合体の容積割合が範囲外のため嵩比
重が小さい粉粒状重合体しか得られなかった。
比較例3 第1表に示す条件のもとで実施例1と同様の方法で粉粒
状重合体を得た。物性を測定した結果を第1表に示す。
有機液体の全混合物中の容積割合は実施例7と同等であ
るにもかかわらず重合体の容積割合が大きすぎるため、
粗大な粒子が生成された。
比較例4 第1表に示す条件のもとで実施例1と同様の方法で粉粒
状重合体を得た。物性を測定した結果を第1表に示す。
有機液体の容積割合が大きすぎるため、嵩比重は実施例
5と同等であっても粗大な多く生成された。
比較例5 実施例1で使用した共重合体ラテックスを、第1表記載
の容積割合になるように実施例1と同一のガラス容器に
加え、約700rpm で撹拌を開始した。その後硫酸水溶
液を投入し、第1表に示す条件で重合体ラテックスを凝
析した。この凝析スラリーに第1表記載の容積割合にな
るようにヘキサンを加え、1分間経過後撹拌を停止し、
得られた凝析スラリーを実施例1と同様の固化・脱水・
乾燥して粉粒状重合体を得た。得られた粉粒状重合体の
嵩比重は0.29と低かった。
実施例6〜8 実施例1で使用した共重合体ラテツクスを、第1表記載
の容積割合になるように実施例1と同一のガラス容器に
加え、約700rpm で撹拌を開始した。その後ヘキサン
を第1表記載の容積割合になるように加え、5分間撹拌
して混合分散した。以下実施例1と同様の処理をして粉
粒状重合体を得た。粉粒状重合体の特性を第1表に示
す。嵩比重が大きく、粒子径が45μm以下の微粉の量
も少なく良好な粉粒状重合体であった。
参考例 実施例3および比較例1で得た粉粒状重合体の内、粒子
径が106μmから212μmの重合体粒子を、錫系の
安定剤を配合した硬質塩化ビニル樹脂コンパウンド90
重量部に対し10重量部混合して2種類の混合物を得
た。これら混合物および硬質塩化ビニル樹脂コンパウン
ドを30mmφの一軸押出機およびフイツシユテール型の
シートダイスを用いて、それぞれ厚さ0.5mm、巾70
mmのシート状物に成形した。シート状物に発生したフイ
ツシユアイの数を測定した結果を第2表に示す。実施例
3による粉粒状重合体を配合したものはフイツシユアイ
の発生が少ないことがわかる。
実施例9〜10 ポリブタジエン60重量部にメタクリル酸メチル20重
量部およびスチレン20重量部をグラフト重合して得た
共重合体ラテツクスを第3表に示した割合で混合した後
実施例6と同様の方法で処理して粉粒状重合体を得た。
得られた粉粒状重合体の特性を第3表に示す。またこの
粉粒状重合体粒子の75μm〜106μmの粒子構造の
光学顕微鏡写真を第3図に示す。
比較例6 実施例9と一の共重合体ラテツクスを用いて比較例1と
同様の処理をして凝固粉を得た。得られた凝固粉の特性
を第3表に併せて示す。
実施例11 実施例1で用いた凝析槽装置と共重合体ラテツクスを使
用し、該共重合体ラテツクス(固形分含有量27.8
%)360gを加え、約500rpm で撹拌を開始した
後、非水溶解性有機液体としてトルエン10gを加え、
5分間撹拌して混合分散させた。次に、追加水328g
を凝析槽内に入れ、直ちに凝析剤として3重量%濃度の
硫酸水溶液33gを投入した。
硫酸水溶液を投入すると、撹拌により起泡して体積が増
加していた重合体ラテツクス、水、トルエンの混合物
は、数秒のうちにほぼもとの体積まで減少し、それとと
もにスラリーの粘度は上昇するが、なおも撹拌を続ける
と、スラリーの粘度は低下した。硫酸水溶液投入からス
ラリーの粘度が低下し、ほぼ定常に達するまでの時間は
10〜30秒であった。
1分間撹拌を続けた後、撹拌を停止し、凝析造粒された
重合体粒子を含むスラリーを容積20の撹拌槽型固化装
置内に満した65℃、5の温水の中へ撹拌しながら投
入した。投入開始から固化装置内に蒸気を吹き込み、温
水温度が60℃〜65℃の間になるよう制御した。該ス
ラリーを全て固化装置内に投入した後、撹拌しながら蒸
気を連続的に吹き込み約3〜5分で100℃に昇温し、
1分間保持した後、スラリーを取出し、固液分離、冷
却、洗浄、脱水、乾燥を行い粉粒状重合体を得た。
これらの結果を第4表に示した。なお、トルエンは、構
成単量体の単独重合体であるポリメタクリル酸メチルお
よびポリアクリル酸ブチルをともに溶解するものであ
る。
得られた粉粒状重合体粒子の37μm〜63μmの範囲
の粒子構造の光学顕微鏡写真を第4図に示す。
実施例12〜14 トルエンの使用量を第4表に示したように変化させたこ
とを除いては実施例11と全く同様にして共重合体ラテ
ツクスの凝固を実施した。トルエンの使用量により粉粒
状重合体の粒子径は第4表に示したように変化したが流
動性は全て良好であった。
比較例7 トルエンを使用しなかったことを除いては実施例11と
全く同様にして共重合体ラテツクスの凝固を実施した。
得られた粉粒状重合体は微粉末が多く、流動性も非常に
悪かった。
実施例15 実施例11と全く同様にして凝析造粒して得られたスラ
リーに水酸化ナトリウムの5重量%水溶液を加えスラリ
ーのpHを3.5にした後、実施例11と同様にして固
化を行なった。得られた粉粒状重合体は、実施例11よ
り粒度がそろったものであった。
実施例16 非水溶解製有機液体としてベンゼンを使用したことを除
いては実施例11と同様にして共重合体ラテツクスの凝
固を実施した。
なお、ベンゼンはポリメタクリル酸メチルを溶解するが
ポリアクリル酸ブチルについては溶解しない。
実施例17 ブタジエン(15重量%)とスチレン(65重量%)と
アクリロニトリル(20重量%)との共重合体ラテツク
ス(固形分含有量33%)を実施例11と同様にして凝
固した。
なお、トルエンは構成単量体の単独重合体でるポリスチ
レンを溶解、ポリブタジエンは一部溶解するが、ポリア
クリロニトリルは溶解しない。
比較例8 トルエンを使用しなかったことを除いては実施例17と
全く同様にして共重合体ラテツクスの凝固を実施した。
その結果を第4表に示す。
得られた粉粒状重合体は微粉末が多く、流動性も悪かっ
た。
〔発明の効果〕 本発明の方法によるとラテツクス粒子が合一、一体化
し、実質的に空隙を含まない一次粒子および/または該
一次粒子が凝集した二次粒子より構成される粉粒状重合
体が得られるため、脱水、洗浄、乾燥工程においても微
粉を生じることがなく、流動性に優れ、しかも嵩比重が
大きいものである。このため貯蔵中のブロツキング現
象、輸送ラインの詰り等のトラブルの発生が著しく少な
く、貯蔵、輸送設備の簡略化、大型化を可能にする。さ
りに嵩比重が大きく、微粉が少ないことからスラリーの
脱水性が良好であり遠心脱水分離等の方法で得られる湿
粉の含水率も従来のものに比較して50%以上少なくす
ることができ乾燥工程に於いてその負荷を大巾に軽減す
ることができる。さらに水に難溶の有機液体を使用する
ので排水に含まれる有機液体は殆どなく、排水処理が非
常に簡略化できる。またペレツト工程を省略して直接射
出成形機等に供給して成形することも可能である等の優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得た粉粒状重合体粒子の150μm
から212μmの範囲の粒子構造の光学顕微鏡写真、第
2図は比較例1で得た粉粒状重合体の粒子構造の光学顕
微鏡写真、第3図は実施例9で得た粉粒状重合体粒子の
75μmから106μmの範囲の粒子構造の光学顕微鏡
写真、第4図は実施例11で得た粉粒状重合体粒子の3
7μmから63μmの範囲の粒子構造の光学顕微鏡写真
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−115325(JP,A) 特開 昭54−54156(JP,A)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体ラテックスに予め有機液体を添加
    し、次いで凝析剤を添加して凝析することを特徴とす
    る、該重合体ラテックス中の重合体粒子の凝集により生
    成された、実質的に空隙を含まず一体化した、粒子径が
    20μm以上の一次粒子および/または該一次粒子が凝
    集した二次粒子より構成された粉粒状重合体。
  2. 【請求項2】有機液体が、水に難溶でかつ重合体を溶解
    しないが濡らす有機液体であることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の粉粒状重合体。
  3. 【請求項3】有機液体が、水に難溶でかつ重合体を構成
    する各単量体の単独重合体の1つ以上を溶解する有機液
    体であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    粉粒状重合体。
  4. 【請求項4】重合体ラテックスと有機液体との混合物に
    凝析剤を添加混合して凝析したものであることを特徴と
    する特許請求の範囲第2項または第3項記載の粉粒状重
    合体。
  5. 【請求項5】嵩比重が0.45以上であることを特徴と
    する特許請求の範囲第2項または第4項記載の粉粒状重
    合体。
  6. 【請求項6】重合体が5〜80重量%の弾性体成分を含
    有することを特徴とする特許請求の範囲第1項から第5
    項いずれか記載の粉粒状重合体。
  7. 【請求項7】重合体ラテックスに予め有機液体を添加
    し、次いで凝析剤を添加して凝析することを特徴とす
    る、重合体粒子の凝集により生成された、実質的に空隙
    を含まず一体化した、粒子径が20μm以上の一次粒子
    および/または該一次粒子が凝集した二次粒子より構成
    された粉粒状重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】重合体ラテックスを凝析するに際し、 (I)全混合物中の重合体の容積割合が3〜25% (II)全混合物中の有機液体の容積割合が1〜30% となることを特徴とする特許請求の範囲第7項記載の粉
    粒状重合体の製造方法。
  9. 【請求項9】重合体ラテックスを凝析するに際し、 (I)全混合物中の重合体の容積割合が10〜25% (II)全混合物中の有機液体の容積割合が10〜30% となり、嵩比重0.45以上なる粉粒状重合体とするこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第7項記載の粉粒状重合
    体の製造方法。
  10. 【請求項10】重合体ラテックスを凝析するに際し、 (I)全混合物中の重合体の容積割合が3〜25% (II)全混合物中の有機液体の容積割合が1〜30% (III)重合体の容積に対する有機液体の容積割合が20
    0%以下 となることを特徴とする特許請求の範囲第7項記載の粉
    粒状重合体の製造方法。
  11. 【請求項11】重合体ラテックスが固形分含有量が5〜
    60重量%のものであり、また有機液体が水に難溶でか
    つ重合体を構成する各単量体の単独重合体の1つ以上を
    溶解するものであり、該重合体ラテックスに該有機液体
    を該重合体ラテックスに含まれる重合体固形分100重
    量部当り3〜40重量部添加し、次いで凝析剤を添加す
    る工程を有することを特徴とする特許請求の範囲第7項
    記載の粉粒状重合体の製造方法。
  12. 【請求項12】重合体が5〜80重量%の弾性体成分を
    含有することを特徴とする特許請求の範囲第7項から第
    11項いずれか記載の粉粒状重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】有機液体として沸点が100℃以下の有
    機液体を使用し、凝析した重合体粒子を該有機液体の沸
    点以上かつ100℃以下の温度で加熱固化するととも
    に、該有機液体を蒸発させて重合体粒子から除去するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第7項から第12項いずれ
    か記載の粉粒状重合体の製造方法。
  14. 【請求項14】有機液体として沸点が100℃以上の有
    機液体を使用し、凝析した重合体粒子を含む凝析スラリ
    ーに水蒸気を吹き込み、該重合体粒子を加熱固化すると
    ともに、該有機液体を水蒸気に同伴させて重合体粒子か
    ら除去することを特徴とする特許請求の範囲第7項から
    第12項いずれか記載の粉粒状重合体の製造方法。
  15. 【請求項15】凝析した重合体粒子を含む凝析スラリー
    のpHを2〜5の範囲に調節した後に加熱固化すること
    を特徴とする特許請求の範囲第7項から第14項いずれか
    記載の粉粒状重合体の製造方法。
JP61184959A 1985-08-21 1986-08-06 粉粒状重合体およびその製造方法 Expired - Lifetime JPH0653810B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18182085 1985-08-21
JP60-191399 1985-08-30
JP60-181820 1985-08-30
JP19139985 1985-08-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62149726A JPS62149726A (ja) 1987-07-03
JPH0653810B2 true JPH0653810B2 (ja) 1994-07-20

Family

ID=26500836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61184959A Expired - Lifetime JPH0653810B2 (ja) 1985-08-21 1986-08-06 粉粒状重合体およびその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (2) US4874841A (ja)
EP (1) EP0215321B1 (ja)
JP (1) JPH0653810B2 (ja)
CA (1) CA1281473C (ja)
DE (1) DE3687775T2 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5208038A (en) * 1989-12-08 1993-05-04 Dow Corning Corporation Coacervated highly absorptive polymers
DE3941368A1 (de) * 1989-12-15 1991-06-20 Hoechst Ag Verfahren zur herstellung eines agglomerierten formpulvers aus polytetrafluorethylen und hydrophoben fuellstoffen
JP2581322B2 (ja) * 1992-03-31 1997-02-12 日本ゼオン株式会社 ペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法
US5521231A (en) * 1992-08-31 1996-05-28 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Process for producing thermoplastic copolymer powder
JP2735751B2 (ja) * 1992-09-29 1998-04-02 帝人化成株式会社 ブロモ化スチレン重合体粒子の製造方法
JP3653736B2 (ja) * 1993-05-18 2005-06-02 コニカミノルタホールディングス株式会社 非球状粒子及びその製造方法
FR2749310B1 (fr) * 1996-06-03 1998-08-14 Atochem Elf Sa Procede pour produire des particules de latex polymere coagulees
JP4059929B2 (ja) * 1997-07-07 2008-03-12 新第一塩ビ株式会社 ペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒およびその製造方法
DE19751332A1 (de) * 1997-11-19 1999-05-20 Basf Ag Verfahren zur Herstellung grobteiliger Polymerdispersionen
JP4173226B2 (ja) * 1998-09-10 2008-10-29 三菱レイヨン株式会社 グラフト共重合体粉体およびその製造方法
US6699964B1 (en) 1999-08-31 2004-03-02 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Process for producing polymer particle
US20040230013A1 (en) * 2003-01-31 2004-11-18 Brandenburg Charles J Blends of poly (alpha-methylene-gamma-methyl-gamma-butyrolactone-co-glycidyl methacrylate) and polyphenylene sulfide polymer, articles therefrom and preparation thereof
US20040230019A1 (en) * 2003-01-31 2004-11-18 Brandenburg Charles J. Poly (alpha-methylene-gama-methyl-gamma-butyrolactone-c-glycidyl methacrylate): preparation, polymer blends derived therefrom, and end uses thereof
JP4763458B2 (ja) * 2003-04-28 2011-08-31 株式会社カネカ ポリオルガノシロキサン含有樹脂の製造方法
CA2559129A1 (en) * 2004-03-08 2005-09-15 Kaneka Corporation Method for manufacturing coagulated particles from latex prepared by emulsion polymerization
US20100288169A1 (en) * 2007-07-12 2010-11-18 Lomold Corporation Nv Pallet
JP6213457B2 (ja) * 2013-01-07 2017-10-18 三菱ケミカル株式会社 熱可塑性樹脂粉体およびその製造方法
KR102068055B1 (ko) * 2014-03-20 2020-01-21 미쯔비시 케미컬 주식회사 비닐 중합체 분체, 열가소성 수지 조성물 및 그의 성형체

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1248950B (de) * 1963-08-02 1967-08-31 E I du Pont de Nemours and Company, Wilmington Del (V St A) Verfahren zur Isolierung von Chloroprencopoly meren
IT1127266B (it) * 1979-11-27 1986-05-21 Montedison Spa Procedimento per agglomerare lattici di gomme
NL8000355A (nl) * 1980-01-19 1981-08-17 Stamicarbon Werkwijze voor het bereiden van een polymeer van alfa-methylstyreen.
US4330672A (en) * 1980-10-28 1982-05-18 Celanese Corporation Thermoplastic elastomer powder coatings
US4401806A (en) * 1981-01-27 1983-08-30 Kureha Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Process for producing graft copolymer
JPS57187322A (en) * 1981-05-15 1982-11-18 Mitsubishi Rayon Co Ltd Production of particulate product
JPS595610A (ja) * 1982-06-30 1984-01-12 Mitsubishi Electric Corp 変圧器装置
JPS595611A (ja) * 1982-06-30 1984-01-12 Mitsubishi Electric Corp 内燃機関用点火コイル
CA1218500A (en) * 1982-07-30 1987-02-24 Noriyuki Tajiri Process for producing thermoplastic resin
JPS6094409A (ja) * 1983-10-28 1985-05-27 Nippon Zeon Co Ltd 塩化ビニル樹脂の回収方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP0215321B1 (en) 1993-02-17
CA1281473C (en) 1991-03-12
EP0215321A2 (en) 1987-03-25
EP0215321A3 (en) 1988-09-21
DE3687775T2 (de) 1993-06-17
JPS62149726A (ja) 1987-07-03
US4874841A (en) 1989-10-17
US4977241A (en) 1990-12-11
DE3687775D1 (de) 1993-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0653810B2 (ja) 粉粒状重合体およびその製造方法
KR0177491B1 (ko) 건조 마이크로스피어의 제조 방법 및 마이크로스피어 제품
US4429114A (en) Method for treating emulsified latex
US4767803A (en) Method of producing coagulated colloidal particles
US4792490A (en) Compacted agglomerates of polymer latex particles
PL178930B1 (pl) Blok zawierający cząstki polimeru rozpuszczalnego w wodzie oraz sposób wytwarzania bloku zawierającego cząstki polimeru rozpuszczalnego w wodzie
EP0333879B1 (en) Process for continuously producing granular polymer and process for controlling particle size of said polymer
JPH0247482B2 (ja) Netsukasoseijushinoseizohoho
JPS627430A (ja) コロイド粒子の凝集体を取得する方法
CA2027878A1 (en) Production process of particulate polymer
US3592801A (en) Free-flowing fused beads of thermoplastic polymers
JPS627429A (ja) コロイド粒子凝集体を取得する方法
JPH0124175B2 (ja)
JP2559833B2 (ja) 粉粒状重合体の連続的製造方法および該重合体粒子径の制御方法
JPH03223303A (ja) 粉粒状重合体の製造方法
JPH0386702A (ja) 粉体特性に優れた粉粒状重合体の製造方法
JPH0329812B2 (ja)
JP2721717B2 (ja) 粉粒状重合体の製造方法
JP2687537B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造方法
CA1073590A (en) Process for recovering proteins and polymers from liquids containing same
JPS595610B2 (ja) グラフト共重合体の製造方法
JPH0240087B2 (ja) Netsukasoseijushinoseizoho
JPH0580936B2 (ja)
JPH0610201B2 (ja) 凝固ラテツクスの製造方法
JPH05194753A (ja) 顆粒レジンの製法