JPH05194753A - 顆粒レジンの製法 - Google Patents

顆粒レジンの製法

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JPH05194753A
JPH05194753A JP684192A JP684192A JPH05194753A JP H05194753 A JPH05194753 A JP H05194753A JP 684192 A JP684192 A JP 684192A JP 684192 A JP684192 A JP 684192A JP H05194753 A JPH05194753 A JP H05194753A
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vinyl chloride
paste
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latex
powder
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JP684192A
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English (en)
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Tokio Niiguni
時生 新国
Yukio Noro
幸生 野呂
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Mitsubishi Kasei Vinyl Co
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Vinyl Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペーストゾル調製時に粉塵の発生が少なく、
粉体流動性が良好でかつ自動計量が可能であり、また可
塑剤に容易に分散して低粘度のかつ高剪断領域において
でさえ良好なな流動性を有するペーストゾルとなる塩化
ビニル系レジンを得る。 【構成】 乳化重合法または微細懸濁重合法により得ら
れたポリ塩化ビニルラテックス(A)とペースト用塩化
ビニル系樹脂粉末(B)とを混合して水分含有率を30
%以下とした後に50℃以下の温度で押出造立し、次い
で50℃以下の温度で乾燥することを特徴とする顆粒レ
ジンの製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉立ちが少なく、粉体
流動性に優れ、ペースト加工用レジンとして用いること
のできる顆粒レジンの製法に係る。
【0002】
【従来の技術】ペースト用塩化ビニル樹脂の粉立ち防
止、自動計量の目的で近年、微粉末であるペースト用塩
化ビニル樹脂そのものを顆粒状にする試みがなされてい
る。例えば特開平2−133409号公報、同2−13
3410号公報には、ペースト加工用塩化ビニル樹脂の
水性分散液を回転円盤式のアトマイザーを有するスプレ
ー乾燥機を用いて乾燥し、乾燥の際に回転円盤の回転数
と乾燥空気の温度及び湿度を調節して顆粒レジンを製造
している。しかしながら、通常この方法では顆粒の粒子
径を大きくするために回転円盤の回転数を小さくすると
高温での乾燥が必要となり、得られる顆粒レジンは固く
なり、可塑剤中で容易に分散せず、ペーストゾルは形成
されない。
【0003】一方、乾燥温度を低くすると乾燥が不充分
となり、再度別の乾燥工程を必要とするかあるいはさら
に大型の噴霧乾燥装置を設置しなければならないという
欠点があり、経済的不利は免がれ得ない。また、従来の
技術で行われているように、微細粒子のみを含んだ水性
分散液を乾燥してペースト加工用塩化ビニル樹脂を製造
しても、該樹脂から調製されるペーストゾルは粘度が高
いか、粘度の経時的安定性の劣ったものとなる。また、
ペースト加工用塩化ビニル樹脂にしたものに、同じ樹脂
を含む水性乳状液を若干添加した後に押出機を通して造
粒し、得られた造粒物を流動床乾燥機を用いて80℃の
温度で乾燥する粒状塩化ビニル樹脂の製造方法が特公昭
48−23180号公報に開示されている。
【0004】この方法では製造される粒状塩化ビニル樹
脂が塩化ビニル樹脂微粒子のみを固めており、かつ80
℃という高温で乾燥しているので、単に可塑剤を混合し
てもペースト加工用に供することはできず、ペーストゾ
ルにするために擂潰機で長時間すりつぶすという工程が
必要となり、仮にペーストゾルになったとしても、その
流動性は必ずしも良いものではなく、経時的安定性にも
問題が残る。さらに有機液体や凝集剤を用いて粒状にし
たレジンが知られているけれども、有機液体、凝集剤の
樹脂そのものの諸性能、例えば耐久性、印刷性等に悪影
響を及ぼす等の心配がある。これらの樹脂から調製され
たペーストゾルでは、高速コーティング、ロータリース
クリーン印刷、スプレー塗布、ディッピング等の用途に
供することは難しく、他のレジン等との混合によって、
改めて粘度、流動性等の調整が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、粉立ち
が少なく、粉体流動性にすぐれていて自動計量が可能
で、懸濁重合法で製造された塩化ビニル系樹脂よりも溶
融し易く、また可塑剤中に分散したとき容易に低粘度で
かつ高剪断領域でも流動性の良好なペーストゾルを与え
ることのできる塩化ビニル系樹脂を得るべく鋭意検討し
た結果、乳化重合法または微細懸濁重合法によって製造
された通常3μ以下の微細塩化ビニル系樹脂粒子を含む
水性分散液の一部を噴霧乾燥し、乾燥して得られる微細
塩化ビニル系樹脂粒子表面が互いに融着した数10μの
粒子をそのまままたは粉砕して元の水性分散液に混合し
て、水性分散液の固形分濃度を高めた後に、押出造粒
し、次いで低温で乾燥することにより、上述の目的を達
成しうる顆粒状の塩化ビニルレジンが得られることを見
い出し、本発明を完成するに到った。
【0006】すなわち、本発明の目的は、粉立ちが少な
く、粉体流動性が良好で自動計量が可能であり、懸濁重
合法で製造された塩化ビニル系樹脂よりも溶融し易く、
また可塑剤に分散したとき容易に低粘度でかつ高剪断領
域で良好な流動性を示すペーストゾルを与えることので
きる顆粒レジンの製法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
とするところは、乳化重合法または微細懸濁重合法によ
り得られたポリ塩化ビニルラテックス(A)とペースト
用塩化ビニル系樹脂粉末(B)とを混合して水分含有率
を30%以下とした後に50℃以下の温度で押出造粒
し、次いで50℃以下の温度で乾燥することを特徴とす
る顆粒レジンの製法にある。本発明を詳細に説明する
に、ポリ塩化ビニルラテックス(A)は、乳化重合法ま
たは微細懸濁重合法で製造された粒径3μ以下、通常
0.1〜2μの微細塩化ビニル重合体粒子を含む水性分
散液である。
【0008】乳化重合法は、例えば塩化ビニルまたはこ
れと共重合可能なコモノマー、具体的には酢酸ビニル、
(メタ)アクリル酸アルキル、エチレン、プロピレン等
との混合物を、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム等の重合用乳化剤及び水溶性
重合触媒の存在下に重合させる方法であり、また微細懸
濁重合法は、例えば塩化ビニルまたはこれに共重合可能
なコモノマーとの混合物を、乳化剤または懸濁剤及び塩
化ビニルに可溶性の重合触媒とを一緒にホモジナイザー
等の分散機で均一に微分散して安定化した後に重合させ
る方法である。
【0009】これら方法によって製造されたポリ塩化ビ
ニルラテックス(A)は、それに含まれる塩化ビニル重
合体の大部分が3μ以下の微粒子であるが、重合過程で
攪拌のみによっては崩壊しない粗粒子が生成することが
あり、本発明方法では500μ以上の粗粒子、好ましく
は65μよりも大きな粒子を除去して用いるのが望まし
い。このラテックス(A)は、また限外濾過等の方法で
ラテックス中の水分を除去し、ラテックス(A)中の固
形分濃度を上げて用いるのが好ましい。
【0010】ペースト用塩化ビニル系樹脂粉末(B)
は、通常、乳化重合法や微細懸濁重合法によって得られ
た上述のようなポリ塩化ビニルラテックスを噴霧乾燥し
て製造されるものが使用される。3μ以下の塩化ビニル
重合体微粒子を含むラテックスを噴霧乾燥することによ
り、微細粒子の表面同士が融着した約10μ以上の粒子
が生成し、例えば回転円盤、圧力ノズル、二流体ノズル
等の噴霧機構に与えられる回転数、圧力、ラテックスの
流量等の諸条件により各種大きさの球形の粒子が得られ
る。また、乾燥温度を高くすると、例えば乾燥装置の排
風温度、すなわち乾燥装置の出口温度を65℃以上にす
ると、微細粒子同士の融着力が強く、得られた粒子を可
塑剤に攪拌分散しても粒子は崩壊しない。排風温度を5
0〜60℃の範囲、特に55℃程度にすることにより1
0〜40%が崩壊して微細粒子になる。
【0011】一方、50℃以下の温度で乾燥すれば可塑
剤中で粒子は崩壊し、ほとんどが微細粒子に戻る。本発
明方法では、ペースト用塩化ビニル系樹脂粉末(B)と
してラテックス(A)に含まれる塩化ビニル重合体微粒
子と同一化学組成を有するものを用いるのが望ましい
が、必要に応じてペースト用塩化ビニル樹脂粉末(B)
と組成の異なったものであったもよい。また、ペースト
用塩化ビニル系樹脂粉末(B)として、通常、塩化ビニ
ルまたはそれと共重合可能なコモノマーとの混合物を、
懸濁剤及び場合によっては乳化剤並びに塩化ビニルに可
溶性の重合触媒の存在下に重合して得られる、いわゆる
ペースト混和用レジンも使用することができる。該レジ
ンは単一の5〜100μ程度の粒径を有する球形の樹脂
であり、平均粒径は普通20〜40μの範囲にある。
【0012】本発明方法で製造された顆粒レジンをペー
スト加工用に供する場合、ペースト用塩化ビニル系樹脂
粉末(B)は粒径150μよりも大きいものを分級除去
して使用するのがよく、ペーストゾルの高剪断領域での
良好な流動性を確保するためには、平均粒径5〜45μ
の範囲のものを使用するのが望ましい。勿論、ペースト
用塩化ビニル系樹脂粉末(B)の粒径が大きければ粉砕
機で粉砕し、適宜大きさの範囲に分級して用いてもよ
い。なお、顆粒レジンを、極めて薄いフィルムを製造す
る用途、透明フィルムを製造する用途または細線用スク
リーン印刷加工の用途に用いる場合には、粉末(B)は
5μよりも小さいな粒子のものを用いるのが好適であ
る。
【0013】本発明方法は、上述のポリ塩化ビニルラテ
ックス(A)とペースト用塩化ビニル系樹脂粉末(B)
とを均一に混合してラテックス(A)の固形分濃度を上
げたウェットケーキまたはウェットパウダーにした後に
押出造粒し、次いで乾燥するにある。ペースト用塩化ビ
ニル系樹脂粉末(B)を配合した後のウェットケーキま
たはウェットパウダーの固形分濃度は、75〜90重量
%、好ましくは75〜85重量%の範囲にあるのが望ま
しく、乳化重合または微細懸濁重合後のラテックス
(A)中の固形分濃度によって粉末(B)の配合量を適
宜調節する。前述の通り、ラテックス(A)の固形分濃
度は高い程好ましく、限外濾過等の方法を用いて固形分
が少なくとも40重量%まで濃縮した後に粉末(B)を
添加するのが望ましい。
【0014】こうすることにより、粉末(B)の添加量
を少なくすることができ、粉末(B)を製造する過程で
の乾燥エネルギーを減ずることができ経済的である。粉
末(B)のラテックス(A)への添加量は、乾燥後の顆
粒レジンの10〜90重量%、好ましくは30〜80重
量%の範囲であるのが、ペーストゾルの流動性の観点か
ら望ましい。ラテックス(A)と粉末(B)の混合は、
どのような方法で行ってもよいが、ラテックス(A)の
攪拌下に粉末(B)を逐次添加していくのが均一なウェ
ットケーキまたはウェットパウダーになり易く、また固
形分濃度管理上も好ましい。
【0015】固形分濃度を上げた後のウェットケーキま
たはウェットパウダーを押出造粒するための装置は、特
に限定されるものではなく、通常のスクリュー押出機、
プランジャー押出機、ギヤポンプ押出機、ローラー押出
機等各種の押出機が用いられる。押出造粒時の樹脂温度
は50℃よりも高くならないことが必要であり、50℃
よりも高いと可塑剤中で分散され難く、ペーストゾル調
製時支障を来す。押出された顆粒レジンの粒径は、押出
ノズルの径によって種々大きさの径のものが得られる
が、好ましくは0.1〜20mmの範囲であり、適宜長さ
に切断した円柱であるのが、後述の乾燥工程、粉体流動
性、顆粒の強度、可塑剤への分散性、用途等の関係から
好ましい。
【0016】押出造粒されたレジンは、レジン中に残存
する水分を除去するために、流動乾燥、棚段乾燥、真空
乾燥、パドルドライヤー等の操作に付される。乾燥温度
は、押出温度と同様に50℃以下の温度であることが必
要である。
【0017】
【実施例】次に本発明方法を実施例にて詳述するが、本
発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお、ラテックス(A)、粉末
(B)及び顆粒レジンは次の様に評価した。
【0018】1 粒径の測定 a)ラテックス中の粒径 遠心沈降式粒径測定機 CPSM(TECHNIDYN
E社製)により測定 b)乾燥品の粒径 レーザー回折式粒径測定装置(堀場製作所製LA−50
0)を用いて測定 c)顆粒レジンの粒径 上記b)と同じ。但し粒径200μを超える場合タイラ
ー篩を使用 2 粒子形状 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察
【0019】3 圧裂強度 微小圧縮試験機(島津製作所製、MCTM−500)を
用い、塩化ビニル樹脂の凝集粒子1個をゆっくり荷重を
かけて圧縮し、急激な変化を起す荷重値を求める。急激
な荷重変化で粒子の圧裂が分る。粒子断面積当りの荷重
値(g/mm2 )を粒子10個の平均でもって圧裂強度を
示した。 4 粉体流動性 パウダーテスター(細川粉体研究所製)を用い、安息角
を測定。 5 粉立ち性 1m高さのメスシリンダーの上から100gの顆粒レジ
ンを一度に落下させ、落下直後の粉煙の高さで評価し
た。 ◎印: 粉煙 0cm ○印: 粉煙 50cm未満 △印: 粉煙 50〜100cm ×印: 粉煙 100cm超
【0020】6 プラスチゾルの粘度 (a)初期粘度:塩化ビニル樹脂/可塑剤=100/6
0(重量部)をプラネタリーミキサ(N−50型)で♯
1スピード(61rpm)×5分及び♯2スピード(125
rpm)×15分混合して調製したプラスチゾルのブルック
フィールド型粘度計(B型粘度計)50rpm 時の23℃
での数値。 (b)経時粘度:上述ゾルを23℃で24時間保持した
後に(a)を同様に測定した数値。 (c)高剪断時の粘度:シーバース型粘度計(S型粘度
計)を用い、上述ゾルの90psi 加圧下における100
秒間あたりの流出量(単位:g)。
【0021】実施例1〜8、比較例 (1)ポリ塩化ビニルラテックス(A)の製造 (A−1)ラテックス:攪拌機を備えた容積200lの
予備重合槽にイオン交換水100kg、ラウロイルパーオ
キサイド600g、ラウリル硫酸ナトリウム400g、
ラウリルアルコール200gを添加し、次いで同予備重
合槽内を脱気してから塩化ビニル単量体60kgを添加
し、攪拌しながら35℃に保持した。次いで均一に攪拌
後、分散機(ホモジナイザー)を用いて所望液滴径(約
0.5〜0.7μ)に分散させてから予め脱気しておい
た攪拌機を備えた容積200lの重合槽に移送した。分
散液の移送完了後、重合反応液の温度を50℃に昇温さ
せ公知の方法で微細懸濁重合を行い、平均粒径0.6μ
の塩化ビニル種子重合体粒子を含むラテックスを得た。
【0022】この種子重合体粒子を含むラテックスを用
いて、次のようにポリ塩化ビニルラテックス(A−1)
を調製した。すなわち、攪拌機を備えた容量200lの
重合槽に脱イオン水80kg、前記種子重合体粒子5kg
(ラテックス中の固形分換算値)、炭酸水素ナトリウム
20gを仕込んだ後、脱気して塩化ビニル単量体75kg
を仕込み、温度を55℃に昇温させた後、予め溶解して
おいて亜硫酸水素ナトリウム0.3%水溶液を少量ずつ
(約1500ml/hr)重合槽へ連続的に40分間添
加して重合を開始させた。亜硫酸水素ナトリウムの添加
開始後、一定の反応速度で反応するようにその添加速度
を調整した。
【0023】さらに重合率が10%に達した時点から重
合終了までの間に、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウ
ムを約8%の水溶液として塩化ビニル単量体に対して毎
時0.1%の割合で連続的に添加した。乳化剤の全添加
量は塩化ビニル単量体に対して0.6%であった。重合
圧が55℃における塩化ビニルの飽和圧から1kg/cm2
降下したときに亜硫酸ナトリウムを添加して重合を停止
させ、未反応単量体を回収した。重合中に生成した粗大
粒子を除去するため100メッシュ金網を通したが、粗
大粒子は皆無であった。得られたラテックス中の重合体
粒子の平均粒径は1.1μであり、ラテックスの固形分
濃度は41.0重量%であった。このラテックスを限外
濾過により固形分濃度45重量%にした。
【0024】(A−2)ラテックス:攪拌機を備えた容
積200lの重合槽に、90kgの温度54℃の脱イオン
水、10kgの過硫酸カリウム及び50gのピロ亜硫酸ナ
トリウムを入れ、約20分間攪拌して溶解させた。次い
で、重合槽内を−610mmHgまで減圧し、50分間5
5℃に保持した。
【0025】次いで、重合槽に60kgの塩化ビニル単量
体を仕込み、槽内温度を50℃に保持した。単量体の仕
込後15分経過してから、予め溶解しておいた0.2%
過硫酸カリウム水溶液を約10ml/分の割合で徐々に
添加し、以後一定の重合速度を保つように、過硫酸カリ
ウム水溶液の添加速度を制御しながら反応させ、その後
重合率が約15%に達したときに、別の溶解しておいて
ラウリル硫酸ナトリウムの約8%水溶液の添加を開始
し、同水溶液を80ml/10分前後の速度で全ラウリ
ル硫酸ナトリウム添加量が360gになるまで添加し
た。槽内圧力が、50℃での塩化ビニル単量体の飽和圧
から2.0kg/cm2 降下したときに反応を停止し、未反
応単量体を回収して重合体ラテックスを得た。得られた
ラテックスは粒径約0.5μの単一分散粒子であり、ラ
テックスの安定性が良好であった。
【0026】次いで、攪拌機を備えた容積200lの重
合槽に、前記の得られたラテックスを種子ラテックスと
して4.5kg(固形分換算)、脱イオン水80kgをそれ
ぞれ仕込んだのち、脱気してから塩化ビニル単量体2
5.5kgを仕込み、温度を57℃に昇温した。その後、
全量で0.05%(対塩化ビニル)の過酸化水素−ホル
ムアルデヒドナトリウムスルホキシレートのレドックス
系重合開始剤を一定の重合速度を保つようにその添加速
度を制御しながら連続的に添加した。重合率が10%に
達したときから重合終了までラウリル硫酸ナトリウムの
約8%水溶液を約0.1l/時間の割合で連続的に添加
した。
【0027】また、反応率が15%に達した時点から全
量で70kgの塩化ビニルを12kg/20分の割合で添加
した。重合圧が57℃における塩化ビニルの飽和圧力か
ら1kg/cm2 降下した時に開始剤の添加を停止して重合
を停止させ、未反応塩化ビニルを回収した。得られたラ
テックスは、平均粒径0.9μの重合体粒子を含み固形
分濃度39.6重量%であった。このラテックスを限外
濾過により固形分濃度43.6重量%まで濃縮した。
【0028】(2)ペースト用塩化ビニル系樹脂粉末
(B)の製造 上述のようにして製造したラテックス(A−2)の一部
を次の条件で噴霧乾燥した。樹脂粉末(B)としての市
販品及び粒子径等を併記した。
【表1】 樹脂粉末 噴霧機構 排風温度 平均粒径 形状 圧裂強度 (B−1) 回転円盤 55℃ 60μ 球形 10g/mm2 (B−2) 二流体ノズル 60℃ 30μ 球形 90g/mm2 (B−3) (B-1) を粉砕 5μ 異形 10g/mm2 > (B−4) 市販ペースト 35μ 球形 >1000g/mm2 用混和レジン
【0029】(3)顆粒レジンの製法 上記ラテックス(A)と樹脂粉末(B)をそれぞれ表1
に示す割合で混合してウェットケーキとした後にこれを
径0.8mmφの多孔スクリーンを装備した単軸スクリュ
ー押出機を用いて加熱せずに押出し、1〜2mm長に切断
し、次いで流動乾燥機で45℃の温度で乾燥して顆粒レ
ジンを製造した。なお、ラテックス(A)と粉末(B)
の混合はラテックスの攪拌下に粉末を連続的に添加混合
した。顆粒レジン及びプラスチゾルの物性を表1に記し
た。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明方法によれば乳化重合法または微
細懸濁重合法によって得られた微細塩化ビニル系樹脂粒
子を含むラテックスから径0.1mm以上の円柱状の大き
な顆粒レジンを製造することができ、得られた顆粒レジ
ンは粉立ちが少なく、粉化が少なく、粉体流動性が良好
で、自動計量が可能になり、包装、輸送等が容易にな
り、その取扱い性が改善された。そして、該レジンは、
懸濁重合法で製造された塩化ビニル系樹脂よりも大きな
粒径をもつにもかかわらず、熱溶融性に優れ、押出成
形、射出成形、回転成形、カレンダー加工等の樹脂原料
として好適である。
【0032】また、顆粒レジンは、微細粒子とそれより
も大きな粒子の少なくとも2つの異なる粒径のもの、そ
れぞれが比較的緩い力でもって固められているので、可
塑剤の中での攪拌によって容易に顆粒が崩壊して低粘度
のペーストゾルになり、経時的粘度安定性も優れかつ高
剪断領域での流動性も良好であり、ゾル調製後の粘度及
び流動性の調整は不要である。
【0033】したがって、本発明方法によって製造され
た顆粒レジンは、懸濁重合法によって製造される塩化ビ
ニル系樹脂の代替として、また加熱溶融性の良好な樹脂
として押出成形、射出成形、カレンダー加工、粉末成形
等の各種成形方法に供せられる。また、本発明方法によ
って製造された顆粒レジンは、ペースト加工用レジンと
して有用であり、高速コーティング、ロータリースクリ
ーン印刷、スプレー塗布、ディッピング等の用途に供す
ることができる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化重合法または微細懸濁重合法により
    得られたポリ塩化ビニルラテックス(A)とペースト用
    塩化ビニル系樹脂粉末(B)とを混合して水分含有率を
    30%以下とした後に50℃以下の温度で押出造粒し、
    次いで50℃以下の温度で乾燥することを特徴とする顆
    粒レジンの製法。
  2. 【請求項2】 ポリ塩化ビニルラテックス(A)を濃縮
    した後ペースト用塩化ビニル系樹脂粉末(B)と混合す
    る請求項1記載の顆粒レジンの製法。
  3. 【請求項3】 ポリ塩化ビニルラテックス(A)として
    重合過程で生成する65μより大きな粗粒子を除去した
    ものを使用する請求項1または請求項2記載の顆粒レジ
    ンの製法。
  4. 【請求項4】 ポリ塩化ビニルラテックス(A)中の塩
    化ビニル重合体または共重合体が3μ以下の微細粒子で
    ある請求項1、請求項2または請求項3記載の顆粒レジ
    ンの製法。
  5. 【請求項5】 ペースト用塩化ビニル系樹脂粉末(B)
    がポリ塩化ビニルラテックス(A)を噴霧乾燥したもの
    である請求項1記載の顆粒レジンの製法。
  6. 【請求項6】 ペースト用塩化ビニル系樹脂粉末(B)
    がその組成と異なるポリ塩化ビニルラテックス(A)を
    噴霧乾燥したものである請求項1記載の顆粒レジンの製
    法。
  7. 【請求項7】 ポリ塩化ビニルラテックス(A)の噴霧
    乾燥温度が乾燥装置出口において50℃以上である請求
    項5または請求項6記載の顆粒レジンの製法。
  8. 【請求項8】 ペースト用塩化ビニル系樹脂粉末(B)
    がペースト混和用レジンである請求項1記載の顆粒レジ
    ンの製法。
  9. 【請求項9】 ペースト用塩化ビニル系樹脂粉末(B)
    が粒径150μよりも大きい粗大粒子を含まないもので
    ある請求項1、請求項5、請求項6または請求項7記載
    の顆粒レジンの製法。
  10. 【請求項10】 ペースト用塩化ビニル系樹脂粉末
    (B)が平均粒径5〜45μである請求項1、請求項
    5、請求項6、請求項7、請求項8または請求項9記載
    の顆粒レジンの製法。
  11. 【請求項11】 ペースト用塩化ビニル系樹脂粉末
    (B)の平均粒径が5μ未満の大きさである請求項9記
    載の顆粒レジンの製法。
  12. 【請求項12】 ポリ塩化ビニルラテックス(A)及び
    ペースト用塩化ビニル系樹脂粉末(B)との混合物の固
    形分濃度が75〜90重量%である請求項1記載の顆粒
    レジンの製法。
  13. 【請求項13】 押出造粒径が0.1〜20mmの円柱で
    ある請求項1記載の顆粒レジンの製法。
  14. 【請求項14】 押出造粒後の乾燥をパドルドライヤー
    で行う請求項1記載の顆粒レジンの製法。
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