JP2687537B2 - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系樹脂の製造方法Info
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- JP2687537B2 JP2687537B2 JP834489A JP834489A JP2687537B2 JP 2687537 B2 JP2687537 B2 JP 2687537B2 JP 834489 A JP834489 A JP 834489A JP 834489 A JP834489 A JP 834489A JP 2687537 B2 JP2687537 B2 JP 2687537B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、塩化ビニル系樹脂水性ラテックスから、か
さ比重が大きく、粉立ちが少なく、かつ粉体流動性が良
好で、取扱いが極めて容易な主としてペースト用レジン
として使用しうる球形顆粒状塩化ビニル系樹脂の製造方
法に係る。
さ比重が大きく、粉立ちが少なく、かつ粉体流動性が良
好で、取扱いが極めて容易な主としてペースト用レジン
として使用しうる球形顆粒状塩化ビニル系樹脂の製造方
法に係る。
[従来の技術] ペースト用塩化ビニル樹脂(ペーストレジン)は、一
般的には塩化ビニル単量体を乳化重合または微細懸濁重
合して得られた2μ以下の塩化ビニル樹脂粒子を含むラ
テックスを噴霧乾燥し、次いで強固に凝集した粗大粒子
を粉砕するという方法によって製造されている。該製造
方法によって得られる塩化ビニル樹脂は、微粉体でかさ
比重が小さく、粉立ちのため包装作業環境が悪く、また
包装費用、輸送費用が高く経済的にも不利であった。さ
らに、該塩化ビニル樹脂は、粉体流動性が、懸濁重合法
または塊状重合法によって製造された塩化ビニル樹脂に
比して著しく劣っており、自動計量機等の適用が困難で
あり、取扱い作業における改善には限度があった。
般的には塩化ビニル単量体を乳化重合または微細懸濁重
合して得られた2μ以下の塩化ビニル樹脂粒子を含むラ
テックスを噴霧乾燥し、次いで強固に凝集した粗大粒子
を粉砕するという方法によって製造されている。該製造
方法によって得られる塩化ビニル樹脂は、微粉体でかさ
比重が小さく、粉立ちのため包装作業環境が悪く、また
包装費用、輸送費用が高く経済的にも不利であった。さ
らに、該塩化ビニル樹脂は、粉体流動性が、懸濁重合法
または塊状重合法によって製造された塩化ビニル樹脂に
比して著しく劣っており、自動計量機等の適用が困難で
あり、取扱い作業における改善には限度があった。
上述の欠点を改良するために、ペースト用塩化ビニル
樹脂を造粒する方法が特開昭52−47853号公報に開示さ
れているが、この方法では一旦乾燥したペースト用塩化
ビニル樹脂を別工程で造粒する方法が採用されており、
作業上または経済的不利がある。また、塩化ビニル樹脂
ラテックスに凝集剤を添加し、塩化ビニル樹脂粒子を凝
集させた後デカンターで脱水し、パテ状のウエットケー
キを乾燥する方法が特開昭59−155403号公報に示されて
いるが、この方法ではウエットケーキがデカンターのケ
ーシング内に付着して工業的に、連続した安定運転が困
難であった。
樹脂を造粒する方法が特開昭52−47853号公報に開示さ
れているが、この方法では一旦乾燥したペースト用塩化
ビニル樹脂を別工程で造粒する方法が採用されており、
作業上または経済的不利がある。また、塩化ビニル樹脂
ラテックスに凝集剤を添加し、塩化ビニル樹脂粒子を凝
集させた後デカンターで脱水し、パテ状のウエットケー
キを乾燥する方法が特開昭59−155403号公報に示されて
いるが、この方法ではウエットケーキがデカンターのケ
ーシング内に付着して工業的に、連続した安定運転が困
難であった。
[発明が解決しようとする問題点] かかる事情に鑑み、本発明者らは、粉立ちが少なく、
かつ粉体流動性が良好で、取扱いが容易な塩化ビニル系
樹脂の製造方法について鋭意検討した結果、塩化ビニル
系樹脂ラテックスを噴霧乾燥することなく、該ラテック
スを破壊して、塩化ビニル系樹脂粒子を凝集させた後、
撹拌下、通常可塑剤の希釈剤等として用いられる疎水性
貧溶媒を添加することで球形樹脂ビードを生成させ、ペ
ーストレジンとしての品質を損わない程度の温度に加
温、賦形した後、脱水、乾燥することで工業的に安定し
てペーストレジンとして使用しうる球形顆粒状の塩化ビ
ニル系樹脂が効率良く得られることを見い出し、本発明
を完成するに到った。球形樹脂ビードとは、水性媒体中
に分散された貧溶媒中に塩化ビニル樹脂粒子が取り込ま
れ、球形粒子になったものをいう。
かつ粉体流動性が良好で、取扱いが容易な塩化ビニル系
樹脂の製造方法について鋭意検討した結果、塩化ビニル
系樹脂ラテックスを噴霧乾燥することなく、該ラテック
スを破壊して、塩化ビニル系樹脂粒子を凝集させた後、
撹拌下、通常可塑剤の希釈剤等として用いられる疎水性
貧溶媒を添加することで球形樹脂ビードを生成させ、ペ
ーストレジンとしての品質を損わない程度の温度に加
温、賦形した後、脱水、乾燥することで工業的に安定し
てペーストレジンとして使用しうる球形顆粒状の塩化ビ
ニル系樹脂が効率良く得られることを見い出し、本発明
を完成するに到った。球形樹脂ビードとは、水性媒体中
に分散された貧溶媒中に塩化ビニル樹脂粒子が取り込ま
れ、球形粒子になったものをいう。
すなわち、本発明の目的は、かさ比重が大きく、粉立
ちが少なくかつ流動性が良好で、取扱いが容易な球形顆
粒状塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供するにある。
ちが少なくかつ流動性が良好で、取扱いが容易な球形顆
粒状塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供するにある。
[問題点を解決するための手段] しかして、本発明の要旨とするところは、乳化重合法
または微細懸濁重合法によって製造された塩化ビニル系
樹脂水性ラテックスから球形顆粒状塩化ビニル系樹脂を
製造する方法において、 a) 塩化ビニル系樹脂水性ラテックスに凝集剤と疎水
性貧溶媒を添加して撹拌下に塩化ビニル系樹脂ビードを
生成させる工程 b) 該樹脂ビードを水性媒体中で加温する工程、 および c) 該樹脂ビードを遊離水から分離した後乾燥する工
程 を経ることを特徴とする球形顆粒状塩化ビニル系樹脂の
製造方法に存する。
または微細懸濁重合法によって製造された塩化ビニル系
樹脂水性ラテックスから球形顆粒状塩化ビニル系樹脂を
製造する方法において、 a) 塩化ビニル系樹脂水性ラテックスに凝集剤と疎水
性貧溶媒を添加して撹拌下に塩化ビニル系樹脂ビードを
生成させる工程 b) 該樹脂ビードを水性媒体中で加温する工程、 および c) 該樹脂ビードを遊離水から分離した後乾燥する工
程 を経ることを特徴とする球形顆粒状塩化ビニル系樹脂の
製造方法に存する。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に用いる塩化ビニル系樹脂水性ラテックスとし
ては、塩化ビニルまたは塩化ビニルとそれに共重合可能
なコモノマーとの混合物を微細懸濁重合法または乳化重
合法等ペースト用塩化ビニル系樹脂製造に通常に適用さ
れる方法によって製造されるものすべてが用いられる。
塩化ビニルに共重合可能なコモノマーとしては、例えば
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等
のビニルエステル類、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル
類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等の
メタクリル酸エステル類、ジブチルマレエート、ジエチ
ルマレエート等のマレイン酸エステル類、ジブチルフマ
レート、ジエチルフマレート等のフマール酸エステル
類、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビ
ニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、
エチレン、プロピレン、スチレン等のα−オレフィン
類、塩化ビニリデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以外の
ハロゲン化ビニル類が挙げられ、これらコモノマーは、
塩化ビニル系樹脂の構成成分中30重量%以下、好ましく
は20重量%以下の範囲で用いられる。勿論、コモノマー
は、上述のものに限定されるものではない。
ては、塩化ビニルまたは塩化ビニルとそれに共重合可能
なコモノマーとの混合物を微細懸濁重合法または乳化重
合法等ペースト用塩化ビニル系樹脂製造に通常に適用さ
れる方法によって製造されるものすべてが用いられる。
塩化ビニルに共重合可能なコモノマーとしては、例えば
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等
のビニルエステル類、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル
類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等の
メタクリル酸エステル類、ジブチルマレエート、ジエチ
ルマレエート等のマレイン酸エステル類、ジブチルフマ
レート、ジエチルフマレート等のフマール酸エステル
類、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビ
ニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、
エチレン、プロピレン、スチレン等のα−オレフィン
類、塩化ビニリデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以外の
ハロゲン化ビニル類が挙げられ、これらコモノマーは、
塩化ビニル系樹脂の構成成分中30重量%以下、好ましく
は20重量%以下の範囲で用いられる。勿論、コモノマー
は、上述のものに限定されるものではない。
しかして、塩化ビニル系樹脂水性ラテックスの固形分
濃度は、重合度の重合性モノマー及び水の比、添加物、
重合の程度により異なるけれども、ラテックス凝集破壊
後の水の分離、装置の大きさなどを勘案すると高い程望
ましく、通常全ラテックスに対し30重量%以上の範囲に
あるものを使用するのが望ましい。
濃度は、重合度の重合性モノマー及び水の比、添加物、
重合の程度により異なるけれども、ラテックス凝集破壊
後の水の分離、装置の大きさなどを勘案すると高い程望
ましく、通常全ラテックスに対し30重量%以上の範囲に
あるものを使用するのが望ましい。
また、重合後の水性ラテックスには、塩化ビニル系樹
脂として悪影響を与えない限り、その使用目的に応じて
親油性の熱安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、滑剤、充てん剤等の各種物性改良助剤、または加工
助剤を添加したものであってもよい。
脂として悪影響を与えない限り、その使用目的に応じて
親油性の熱安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、滑剤、充てん剤等の各種物性改良助剤、または加工
助剤を添加したものであってもよい。
本発明方法に用いる凝集剤としては、ミョウバン、硫
酸マグネシウム、酢酸カルシウム等の多価金属塩、アル
ギン酸、ポリアミン、ポリアクリルアミド、イオネンポ
リマー等の高分子凝集剤等公知の凝集剤が適用され、通
常水溶液として使用される。中でも、乳化剤系の種類に
関係なく凝集破壊が容易であること、乳化剤と凝集剤の
反応生成物が安定剤の働きを示す、ハロゲン化物を除く
アルカリ土類金属塩、またはイオネンポリマー類が最も
好適である。
酸マグネシウム、酢酸カルシウム等の多価金属塩、アル
ギン酸、ポリアミン、ポリアクリルアミド、イオネンポ
リマー等の高分子凝集剤等公知の凝集剤が適用され、通
常水溶液として使用される。中でも、乳化剤系の種類に
関係なく凝集破壊が容易であること、乳化剤と凝集剤の
反応生成物が安定剤の働きを示す、ハロゲン化物を除く
アルカリ土類金属塩、またはイオネンポリマー類が最も
好適である。
凝集剤の添加量は、塩化ビニル重合時の乳化剤の種
類、量、ラテックスの濃度、凝集剤の種類等によって異
なるけれども、ラテックスの固形分100重量%に対し、
0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%の範囲で
充分である。
類、量、ラテックスの濃度、凝集剤の種類等によって異
なるけれども、ラテックスの固形分100重量%に対し、
0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%の範囲で
充分である。
本発明方法では、凝集剤とならび、もう一方の添加剤
である疎水性貧溶媒としては、疎水性でありかつ塩化ビ
ニル系樹脂を溶解し難いものであることが必要であり、
具体例としてミネラルスピリット、ミネラルターペン、
ケロシン、ソルベベッソ、TXIB等の製品名または商品名
で市販されている公知の石油系炭化水素類、またはメチ
ルセルソルブ、エチルセルソルブ、キシレン、トルエン
等の有機溶剤など、塩化ビニルオルガノゾルに用いられ
る液状化合物が適用される。また、疎水性貧溶媒として
塩化ビニル、ジクロロエタン等ハロゲン化炭化水素など
も用いられるが、塩化ビニル等常温で気体のものは加圧
密閉系で添加される。
である疎水性貧溶媒としては、疎水性でありかつ塩化ビ
ニル系樹脂を溶解し難いものであることが必要であり、
具体例としてミネラルスピリット、ミネラルターペン、
ケロシン、ソルベベッソ、TXIB等の製品名または商品名
で市販されている公知の石油系炭化水素類、またはメチ
ルセルソルブ、エチルセルソルブ、キシレン、トルエン
等の有機溶剤など、塩化ビニルオルガノゾルに用いられ
る液状化合物が適用される。また、疎水性貧溶媒として
塩化ビニル、ジクロロエタン等ハロゲン化炭化水素など
も用いられるが、塩化ビニル等常温で気体のものは加圧
密閉系で添加される。
疎水性貧溶媒の添加量は、その種類や、ラテックスの
濃度、粒子径、及びその分布、粒子表面積等のパラメー
ターによって異なるけれども、ラテックスの固形分100
重量%に対して1重量%以上、好ましくは3〜20重量%
の範囲で使用するのが望ましい。
濃度、粒子径、及びその分布、粒子表面積等のパラメー
ターによって異なるけれども、ラテックスの固形分100
重量%に対して1重量%以上、好ましくは3〜20重量%
の範囲で使用するのが望ましい。
塩化ビニル系樹脂水性ラテックスに、上記凝集剤の水
溶液と疎水性貧溶媒の2液を撹拌下に添加する事によ
り、凝集した微細樹脂粒子間に抱きこまれた水分が疎水
性貧溶媒によって置換、除外されながら、同時に該凝集
粒子を含んだ油滴となり、かつ、撹拌による遠心、剪断
作用によって油滴が均一分散しながら液中造粒が行なわ
れて粒子径の揃った球形樹脂ビードが生成し水相中に分
散された状態となる。
溶液と疎水性貧溶媒の2液を撹拌下に添加する事によ
り、凝集した微細樹脂粒子間に抱きこまれた水分が疎水
性貧溶媒によって置換、除外されながら、同時に該凝集
粒子を含んだ油滴となり、かつ、撹拌による遠心、剪断
作用によって油滴が均一分散しながら液中造粒が行なわ
れて粒子径の揃った球形樹脂ビードが生成し水相中に分
散された状態となる。
本発明方法に用いる2液、すなわち凝集剤の水溶液と
疎水性貧溶媒の添加手順としては、該2液を同時に、あ
るいはそれぞれを別々に相前後して添加してもよいが、
最も好ましい手順としては、まずラテックスに凝集剤を
添加して、樹脂粒子を凝集せしめてフロック粒子とし、
該フロック粒子を細かく分散させてクリーム状とした
後、疎水性貧溶媒を添加するのが望ましく、この手順に
より均一な大きさの樹脂ビードが生成出来る。
疎水性貧溶媒の添加手順としては、該2液を同時に、あ
るいはそれぞれを別々に相前後して添加してもよいが、
最も好ましい手順としては、まずラテックスに凝集剤を
添加して、樹脂粒子を凝集せしめてフロック粒子とし、
該フロック粒子を細かく分散させてクリーム状とした
後、疎水性貧溶媒を添加するのが望ましく、この手順に
より均一な大きさの樹脂ビードが生成出来る。
生成される樹脂ビードの大きさは、ラテックスのパラ
メーター、浴比、凝集剤の量、凝集粒子径、疎水性貧溶
媒の種類、量、及び撹拌による剪断力等によって左右さ
れるが、疎水性貧溶媒の量と剪断力を任意に操作する事
で0.1〜2m/mφ程度の範囲でビード径を調整することが
出来る。
メーター、浴比、凝集剤の量、凝集粒子径、疎水性貧溶
媒の種類、量、及び撹拌による剪断力等によって左右さ
れるが、疎水性貧溶媒の量と剪断力を任意に操作する事
で0.1〜2m/mφ程度の範囲でビード径を調整することが
出来る。
生成した樹脂ビードは、撹拌しながら例えば35℃以
上、好ましくは40℃以上の温度に加温することにより球
形のまま賦形される。加温の程度は、塩化ビニル系樹脂
をペースト加工用として用いる場合には70℃以下、好ま
しくは60℃以下の温度範囲にするのが好ましい。また、
懸濁重合した塩化ビニル系樹脂と同様の加工分野に用い
る場合には、塩化ビニル系樹脂としての品質を損なわな
い程度の温度にまで加温することができ、好ましくは12
0℃以下、特に90℃以下の温度で操作するのが望まし
い。球形顆粒状に賦形された塩化ビニル系樹脂を含む水
性媒体は、デカンター等公知の脱水機により簡単に遊離
水が分離される。分離された塩化ビニル系樹脂は、その
後減圧式または加熱式乾燥機等により、目的に応じた温
度で乾燥される。この際、疎水性貧溶媒の全部または大
部分は揮発し、顆粒状の塩化ビニル系樹脂から除去され
る。
上、好ましくは40℃以上の温度に加温することにより球
形のまま賦形される。加温の程度は、塩化ビニル系樹脂
をペースト加工用として用いる場合には70℃以下、好ま
しくは60℃以下の温度範囲にするのが好ましい。また、
懸濁重合した塩化ビニル系樹脂と同様の加工分野に用い
る場合には、塩化ビニル系樹脂としての品質を損なわな
い程度の温度にまで加温することができ、好ましくは12
0℃以下、特に90℃以下の温度で操作するのが望まし
い。球形顆粒状に賦形された塩化ビニル系樹脂を含む水
性媒体は、デカンター等公知の脱水機により簡単に遊離
水が分離される。分離された塩化ビニル系樹脂は、その
後減圧式または加熱式乾燥機等により、目的に応じた温
度で乾燥される。この際、疎水性貧溶媒の全部または大
部分は揮発し、顆粒状の塩化ビニル系樹脂から除去され
る。
又、加温工程の前あるいは、加温工程中においては、
該球形樹脂ビードを含んだ水相中に乳化剤、安定剤等塩
化ビニル系樹脂用の助剤を添加し、樹脂ビードに吸着さ
せる事も可能である。
該球形樹脂ビードを含んだ水相中に乳化剤、安定剤等塩
化ビニル系樹脂用の助剤を添加し、樹脂ビードに吸着さ
せる事も可能である。
本発明方法によって得られた球形顆粒状の塩化ビニル
系樹脂は可塑剤を添加して剪断力を付与することにより
容易に崩壊してプラスチゾルとなり、ペースト加工の各
種用途に、また懸濁重合、塊状重合法によって得られた
塩化ビニル系樹脂の加工性改質剤、あるいは代替え用レ
ジンとして広く利用される。
系樹脂は可塑剤を添加して剪断力を付与することにより
容易に崩壊してプラスチゾルとなり、ペースト加工の各
種用途に、また懸濁重合、塊状重合法によって得られた
塩化ビニル系樹脂の加工性改質剤、あるいは代替え用レ
ジンとして広く利用される。
[発明の効果] 本発明方法によれば、塩化ビニル系樹脂水性ラテック
ス中の水分を全て熱エネルギーによって蒸発させる方法
と異なり、樹脂ビードを生成した後、大部分の水を分
離、除去するので、乾燥エネルギーが少なくてすみ、工
業的に有利である。
ス中の水分を全て熱エネルギーによって蒸発させる方法
と異なり、樹脂ビードを生成した後、大部分の水を分
離、除去するので、乾燥エネルギーが少なくてすみ、工
業的に有利である。
そして、本発明方法によって得られた球形顆粒状塩化
ビニル系樹脂はかさ比重が大きく、粉立ちが少なく、か
つ粉体流動性に優れているのでハンドリング性が向上
し、さらに包装、輸送等、各種費用の削減にも役立つ。
ビニル系樹脂はかさ比重が大きく、粉立ちが少なく、か
つ粉体流動性に優れているのでハンドリング性が向上
し、さらに包装、輸送等、各種費用の削減にも役立つ。
また、本発明方法によって製造された顆粒状塩化ビニ
ル系樹脂は、可塑剤の添加によって容易に微分散され、
容易にプラスチゾルまたはオルガノゾルになり、ペース
ト加工用レジンとしてまたはそのままで汎用加工レジン
として幅広く利用することができる。
ル系樹脂は、可塑剤の添加によって容易に微分散され、
容易にプラスチゾルまたはオルガノゾルになり、ペース
ト加工用レジンとしてまたはそのままで汎用加工レジン
として幅広く利用することができる。
[実施例] 次に本発明方法を実施例をもって詳述するが、本発明
は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定され
るものではない。
は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定され
るものではない。
なお、実施例及び比較例において製造した塩化ビニル
系樹脂、及び樹脂組成物の評価は、次のように行ない、
その結果を別表にまとめた。
系樹脂、及び樹脂組成物の評価は、次のように行ない、
その結果を別表にまとめた。
<粉体形態、及び粒子径> 粒子100個当りを実測し、その平均値(μ)が100μ以
上を顆粒、以下を粉末と判定した。
上を顆粒、以下を粉末と判定した。
<かさ比重> JIS−K−6721に準拠した。
<粉体流動性> かさ比重測定装置の漏斗に60gの試料(塩化ビニル系
樹脂)を入れ、ダンパーを引き抜いてかさ試料が漏斗か
ら全て落下するまでの時間を測定した。
樹脂)を入れ、ダンパーを引き抜いてかさ試料が漏斗か
ら全て落下するまでの時間を測定した。
<プラスチゾル粘度> 室温23℃、湿度50%の条件下で、次の配合処方により
プラスチゾルを調製しブルックフィールド型粘度計でN
o.6スピンドルを用い、スピンドルが1分間当り、50回
転時の粘度を測定した。
プラスチゾルを調製しブルックフィールド型粘度計でN
o.6スピンドルを用い、スピンドルが1分間当り、50回
転時の粘度を測定した。
配合処方 塩化ビニル系樹脂 100重量部 DOP(ジ−2−エチルヘキシルフタレート) 60 ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル 1 <プラスチゾル中の最大粒径> JIS−K−5400のつぶ試験(B)判定法に準拠した。
実施例1 水媒体中で、ラウリル硫酸ナトリウム塩を主乳化剤と
して乳化重合を行ない、平均粒子径0.75μ、固形分35重
量%(水分65%)の塩化ビニル樹脂水性ラテックスを得
た。このラテックスを235メッシュ(63μ)スクリーン
で濾過した後、撹拌機付きの容器に移し、0.8%水溶液
濃度に調整した酢酸カルシウムをラテックス中の固形分
に対し1重量%分を、撹拌しながら徐々に添加し、塩化
ビニル樹脂の凝集物とした。
して乳化重合を行ない、平均粒子径0.75μ、固形分35重
量%(水分65%)の塩化ビニル樹脂水性ラテックスを得
た。このラテックスを235メッシュ(63μ)スクリーン
で濾過した後、撹拌機付きの容器に移し、0.8%水溶液
濃度に調整した酢酸カルシウムをラテックス中の固形分
に対し1重量%分を、撹拌しながら徐々に添加し、塩化
ビニル樹脂の凝集物とした。
上記凝集物を更に撹拌しながら均一なクリーム状とし
た後、凝集物の固形分に対して10重量%のミネラルスピ
リット(日本石油製、希釈剤)を添加して球形樹脂ビー
ドを生成せしめ、該ビードを含む液温を50℃迄上昇させ
て30分間保持した後、撹拌を停止し、デカンテーション
により液中より取出した樹脂ビードを40℃雰囲気下、減
圧乾燥機により乾燥させて球形顆粒状塩化ビニル樹脂を
得、これを評価用試料とした。評価結果を表に示した。
た後、凝集物の固形分に対して10重量%のミネラルスピ
リット(日本石油製、希釈剤)を添加して球形樹脂ビー
ドを生成せしめ、該ビードを含む液温を50℃迄上昇させ
て30分間保持した後、撹拌を停止し、デカンテーション
により液中より取出した樹脂ビードを40℃雰囲気下、減
圧乾燥機により乾燥させて球形顆粒状塩化ビニル樹脂を
得、これを評価用試料とした。評価結果を表に示した。
実施例2 実施例1において、ミネラルスピリットに換えてケシ
ロン(燈油)を10重量%添加したほかは、実施例1と同
様にして顆粒状塩化ビニル樹脂を得て評価した。
ロン(燈油)を10重量%添加したほかは、実施例1と同
様にして顆粒状塩化ビニル樹脂を得て評価した。
実施例3 実施例1においてミネラルスピリットに換えてソルベ
ッソ150(東水産業製、芳香族系溶剤)を10重量部添加
したほかは、実施例1と同様にして顆粒状塩化ビニル樹
脂を得て、評価した。
ッソ150(東水産業製、芳香族系溶剤)を10重量部添加
したほかは、実施例1と同様にして顆粒状塩化ビニル樹
脂を得て、評価した。
実施例4 実施例1において、均一に分散した凝集物に添加する
ミネラルスピリットの量を固形分に対して10重量%に換
えて3重量%とした以外は、実施例1と同様にして、塩
化ビニル樹脂を得て評価した。
ミネラルスピリットの量を固形分に対して10重量%に換
えて3重量%とした以外は、実施例1と同様にして、塩
化ビニル樹脂を得て評価した。
実施例5 実施例1において、ミネラルスピリットの添加により
生成した樹脂ビードを含む液の加温条件を、50℃に換え
て、65℃で30分間とした以外は、実施例1と同様にして
塩化ビニル樹脂を得て、評価した。
生成した樹脂ビードを含む液の加温条件を、50℃に換え
て、65℃で30分間とした以外は、実施例1と同様にして
塩化ビニル樹脂を得て、評価した。
比較例1 実施例1において、ミネラルスピリットの添加により
生成した樹脂ビードを含む液を加温せずに、そのまま凍
結乾燥により乾燥させて塩化ビニル樹脂を得て評価し
た。
生成した樹脂ビードを含む液を加温せずに、そのまま凍
結乾燥により乾燥させて塩化ビニル樹脂を得て評価し
た。
比較例2 実施例1で得た塩化ビニル樹脂水性ラテックスを、回
転円盤型の噴霧器を備えた噴霧乾燥機にて入口温度170
℃、出口温度50℃の条件で乾燥した後、粉砕機で粉砕し
て、微粉末状の塩化ビニル樹脂を得て評価した。
転円盤型の噴霧器を備えた噴霧乾燥機にて入口温度170
℃、出口温度50℃の条件で乾燥した後、粉砕機で粉砕し
て、微粉末状の塩化ビニル樹脂を得て評価した。
比較例3 実施例1において樹脂ラテックスに凝集剤を入れずに
ミネラルスピリットのみを10重量%添加した以外は、実
施例1と同様にした。ラテックスは固・液分離できなか
った。
ミネラルスピリットのみを10重量%添加した以外は、実
施例1と同様にした。ラテックスは固・液分離できなか
った。
比較例4 実施例1において樹脂ラテックスに凝集剤を添加して
均一なクリーム状とした後、疎水性貧溶媒を添加せずに
そのまま加温、脱水した。ラテックスから分離した塩化
ビニル樹脂はペースト状であり、これを乾燥し粉砕した
後評価した。
均一なクリーム状とした後、疎水性貧溶媒を添加せずに
そのまま加温、脱水した。ラテックスから分離した塩化
ビニル樹脂はペースト状であり、これを乾燥し粉砕した
後評価した。
本発明方法によれば、噴霧乾燥工程を経ることなく容
易に球形顆粒状の塩化ビニル系樹脂を製造することがで
き、該塩化ビニル系樹脂は比較的低温で乾燥したものは
剪断力によって容易に顆粒が破壊されプラスチゾルにな
る。また比較的高温で乾燥した塩化ビニル樹脂(実施例
5)は、プラスチゾル中のつぶ試験の結果からペースト
加工用レジンとしての適性は不充分であるが、汎用塩化
ビニル系樹脂の流動性改良剤として、またはそのまま汎
用塩化ビニル系樹脂として使用しうる。
易に球形顆粒状の塩化ビニル系樹脂を製造することがで
き、該塩化ビニル系樹脂は比較的低温で乾燥したものは
剪断力によって容易に顆粒が破壊されプラスチゾルにな
る。また比較的高温で乾燥した塩化ビニル樹脂(実施例
5)は、プラスチゾル中のつぶ試験の結果からペースト
加工用レジンとしての適性は不充分であるが、汎用塩化
ビニル系樹脂の流動性改良剤として、またはそのまま汎
用塩化ビニル系樹脂として使用しうる。
Claims (1)
- 【請求項1】乳化重合法または微細懸濁重合法によって
製造された塩化ビニル系樹脂水性ラテックスから顆粒状
塩化ビニル系樹脂を製造する方法において、 a) 前記水性ラテックスに凝集剤と疎水性貧溶媒を添
加して、撹拌下に塩化ビニル系樹脂ビードを生成させる
工程、 b) 該樹脂ビードを水性媒体中で加温する工程、 および c) 該樹脂ビードを遊離水から分離した後乾燥する工
程 を経ることを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP834489A JP2687537B2 (ja) | 1989-01-17 | 1989-01-17 | 塩化ビニル系樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP834489A JP2687537B2 (ja) | 1989-01-17 | 1989-01-17 | 塩化ビニル系樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02189308A JPH02189308A (ja) | 1990-07-25 |
JP2687537B2 true JP2687537B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=11690599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP834489A Expired - Lifetime JP2687537B2 (ja) | 1989-01-17 | 1989-01-17 | 塩化ビニル系樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2687537B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2581322B2 (ja) * | 1992-03-31 | 1997-02-12 | 日本ゼオン株式会社 | ペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法 |
-
1989
- 1989-01-17 JP JP834489A patent/JP2687537B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02189308A (ja) | 1990-07-25 |
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Legal Events
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