JP3947234B2 - ペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法 - Google Patents

ペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、塩化ビニル樹脂の水性分散液から、粉末粒子にほぐれやすく、分散性の良好なペースト加工用塩化ビニル樹脂粉体を、微分散されている特定粘度の有機液体を用いて製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル樹脂の重要な加工法の一つにペースト加工がある。塩化ビニル樹脂のペースト加工は、ペースト加工用に製造された塩化ビニル樹脂を、可塑剤、安定剤のほか、必要に応じて顔料、充填剤などの配合剤とともに混合して液状のプラスチゾルとし、この液状のプラスチゾルを注型、コーティング、浸漬などの手段で賦型し、加熱溶融固化させることによって成形品を得るものである。
したがって、ペースト加工用塩化ビニル樹脂には、粒径が非常に微細で可塑剤中に分散して自由にブラウン運動を行い沈降しないこと、適切な粒度分布を有すること、表面が平滑で内部が緻密な球形粒子であること、可塑剤と混合するとき凝集することなく容易に分散して安定なゾルを形成すること、常温では可塑剤に膨潤されがたく熟成粘度変化が小さく、高温で溶融する際には容易に迅速に均一にゲル化することなど、さまざまな性能が要求される。
これらの要求性能の中でもゾル分散特性は特に重要である。ペースト加工用塩化ビニル樹脂は、通常単一粒子が多数凝集して樹脂粒子粉体を形成しているが、プラスチゾル中において、この集合体が単一粒子にほぐれる必要があり、もしそのまま粗大粒子として残存していると、プラスチゾルの流動性に影響を与えるばかりでなく、プラスチゾルの輸送時の目づまり、コーティング加工時の筋引きなどのトラブルや、成形品にした場合に、成形品表面の肌の荒れ及び光沢低下、さらには成形品の強度低下などの不都合を引き起こす。
ペースト加工用塩化ビニル樹脂のゾル分散特性は、通常North Finess Gaugeによって評価される。この評価法は、調製したプラスチゾルを、溝の深さが直線的に変わる鋼製ゲージの基線上にのせ、スクレーパーでゾルを浅い方に向かって引き、粗大凝集粒子が点として多く現れる位置を読む方法であり、評価は0〜8のNF値として表される。NF値が大きいほど、粒子が細かく、よく分散しているが、従来の技術では4以上のNF値を得ることは容易ではなかった。
このようなペースト加工上の問題点を改善するために、これに用いる樹脂粉体を、通常Tylerふるい325メッシュ全通のような微細な粉体として供給する方法が提案されている。このための樹脂の製造方法としては、塩化ビニル又は塩化ビニルを主体とする単量体混合物をラジカル発生型重合開始剤と乳化剤の存在下に、乳化重合あるいは微細懸濁重合することによって粒径0.05〜5μmの球形樹脂の水性分散液を得、この水性分散液をスプレー乾燥する方法が採られているが、水分を蒸発乾燥するには多量のエネルギーを必要とする欠点がある。
また、こうした方法で得られた従来の樹脂は微細な粉体であるため、製品の袋詰め時、並びにプラスチゾル製造に際しての開袋投入及び混合時の粉体飛散など、作業環境の悪化を引き起こすばかりでなく、粉体流動性が悪いため、自動計量、自動輸送が困難となっている。
かかるペースト加工用樹脂の現状の問題点を解決するために、ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液から塩化ビニル樹脂を、水に難溶であって、かつ塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させない有機液体を、水性分散液に添加することにより、塩化ビニル樹脂を集合体として水相より分離せしめ、これをそのままあるいは造粒させたのち乾燥することによって塩化ビニル樹脂を回収する方法が特公平1−42282号公報に提案されている。しかしながら、この方法によって種々の問題点は一応改善されているが、脱水後の湿潤樹脂集合体のまとまりが強く、乾燥工程でのブロッキングの発生、乾燥の不均一、分散性の不良や粗大粒子の存在による成形品の表面の粒状突起の発生などの欠点が依然として存在する。また、有機液体の使用量を低減すると樹脂集合体の収率が低下するという欠点があり、少ない量の有機液体でペースト加工用塩化ビニル樹脂集合体を形成しうる方法の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、塩化ビニル樹脂の水性分散液から、粉末粒子にほぐれやすく、分散性の良好なペースト加工用塩化ビニル樹脂を、少量の有機液体を用いて製造する方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニル樹脂の水性分散液に特定の粘度を有し、水に微分散された有機液体を添加することにより、良好な性能を有する塩化ビニル樹脂集合体が得られることを見いだし、その知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液に、水に難溶であってかつ塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させない有機液体を塩化ビニル樹脂100重量部当たり0 . 1〜5重量部添加することにより塩化ビニル樹脂を集合体として水相より分離して回収する方法において、該有機液体が30℃において100センチポアズ以上500センチポアズ以下の粘度を有し、かつ平均液滴径10〜100μmの微分散状態で水に微分散されているものであることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法を提供するものである。
【0005】
本発明方法は、基本的には塩化ビニル樹脂の水性分散液を調整する第1工程、第1工程で得られた水性分散液を回分式槽型混合機に導き、30℃において100センチポアズ以上1000センチポアズ以下の粘度を有し、かつ水に微分散されている有機液体を添加する第2工程、塩化ビニル樹脂集合体の水性分散液から、塩化ビニル樹脂集合体を分離回収する第3工程、及び回収した塩化ビニル樹脂集合体を乾燥する第4工程から構成される。
本発明において用いられるペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液は、通常の乳化重合又は微細懸濁重合により製造された塩化ビニルの単独重合体、又は塩化ビニルを主体とした(通常は70重量%以上)共重合体、例えば、塩化ビニルと酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブテン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はマレイン酸などの単量体との共重合体の水性分散液のことであって、通常のペースト加工に供しうるものであれば特に制限なく使用することができる。
本発明において用いられる塩化ビニル樹脂の水性分散液は、通常塩化ビニル樹脂を10〜70重量%程度含有するものである。このような水性分散液としては、重合終了後の塩化ビニル樹脂の水性分散液をそのまま使用してもよいし、必要ならば一部脱水し、あるいは水を添加して用いてもよい。塩化ビニル樹脂の含有量が10重量%未満では廃水量が製品量に比べて多くなりすぎ不経済であるし、塩化ビニル樹脂の含有量が70重量%を超えると、水性分散液と有機液体との混合液の粘度が著しく上昇し操業が困難となる。
【0006】
本発明方法においては、水に難溶であって、塩化ビニル樹脂の分離回収時において塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させない有機液体であり、かつ30℃において100センチポアズ以上1000センチポアズ以下、好ましくは150センチポアズ以上500センチポアズ以下の粘度を有するものが用いられる。30℃における粘度が100センチポアズ未満の有機液体を用いて得た塩化ビニル樹脂集合体は、プラスチゾルとしたときほぐれ易さが十分でなく満足すべき分散性を有しないので好ましくない。一方、30℃における粘度が1000センチポアズを超える有機液体を使用すると、塩化ビニル樹脂の水性分散液から均一な集合体となった粒状樹脂を得ることができないので好ましくない。
本発明方法において用いられる有機液体は、30℃における粘度が100センチポアズ以上1000センチポアズ以下、好ましくは150センチポアズ以上500センチポアズ以下であり、かつ水に難溶であって、塩化ビニル樹脂を水性分散液から分離処理する温度において塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させないものであれば特に制限なく使用することができ、例えば、フタル酸ジトリデシル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリイソデシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシルなどを挙げることができる。さらに、エポキシ系可塑剤、例えば、エポキシ化大豆油なども適切な粘度と特性を有し上記の条件を満足するものは、本発明方法において好適に使用することができる。
【0007】
本発明方法において、有機液体は水中油滴の状態で水に微分散させて使用する。本発明方法において用いる有機液体は、その粘度が30℃において100センチポアズ以上1000センチポアズ以下であり、塩化ビニル樹脂の水性分散液の粘度に比較すると高粘度であるので、あらかじめ微分散された状態にしておくことにより、塩化ビニル樹脂の水性分散液の中での偏在を防ぎ、均一に分散して塩化ビニル樹脂の集合体の形成に効果を発揮することができる。有機液体の水中への微分散を助けるためには、アニオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤を添加することができる。これらの界面活性剤の添加量は有機液体に対して0.5〜10重量%程度が適当である。また、有機液体の水中への微分散のために、高速撹拌機、振動撹拌機、超音波撹拌などの手段を用いることができる。本発明方法においては、有機液体は平均液滴径10〜100μmの微分散状態で使用する。平均液滴径が100μmを超えると有機液体が偏在し、本発明の目的は達せられない。また、平均液滴径を10μmより小さくしても、そのために投入するエネルギーに見合う利点は見られない。
塩化ビニル樹脂の水性分散液から塩化ビニル樹脂を集合体として分離するために使用する有機液体は、一般には融点が20℃以下であり、常圧における沸点が塩化ビニル樹脂の分離回収時の温度以上、好ましくは200℃以上のものが望ましいが、本発明方法に用いる粘度を有する有機液体は、ほぼこれらの条件を充足している。
【0008】
本発明に用いる有機液体が水に難溶であることが要求される理由は以下の2点にある。第1には、水性分散液との混合のあと、分離すべき水相への同伴量を減少させて、有機液体の損失を防ぎ、廃水処理費用を軽減させるためであり、第2には、水に分散した塩化ビニル樹脂粒子を有機液体を介して集合せしめるには、樹脂粒子と水との間に有機液体が粒子表面に存在することが必要であるためである。また、本発明に用いる有機液体が、本発明における分離回収時の温度において樹脂を溶解又は膨潤させるものである場合には、樹脂粒子が変形、変質を起こすため不都合である。なお、本発明で使用する有機液体は、大部分が製品樹脂に残留するため、ペースト加工時の操作性、加工性及び成形品の品質に対し悪影響を与えるものは避けなければならない。以上の点からすれば、有機液体として通常ペースト加工に用いられる液状配合剤を使用するのが一番自然で合理的である。
本発明方法において用いられる有機液体の使用量は、塩化ビニル樹脂100重量部当たり0.1〜5重量部、好ましくは1〜3重量部である。有機液体の使用量が0.1重量部未満であると、水性分散液中の塩化ビニル樹脂の集合体の形成が不十分であり、有機液体の使用量が5重量部を超えると、空搬ダクトに塩化ビニル樹脂粉体が付着したり、塩化ビニル樹脂集合体が固くなりペースト調製時に分散性が悪くなるので好ましくない。
【0009】
本発明方法において、ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液と有機液体の混合には、回分式槽型混合機を好適に使用することができる。回分式槽型混合機としては、撹拌機や邪魔板を有する公知の混合機が用いられる。混合の程度は、塩化ビニル樹脂の有機液体による集合能率に大きな影響を与えるため、好ましくは混合機の単位容積当たりの混合動力が1kW/m3以上であって、混合時間との積が4kW・Hr/m3以上であることが望ましい。
本発明方法においては、回分式槽型混合機において、塩化ビニル樹脂の水性分散液と有機液体との混合液を、通常20〜70℃、かつ使用する有機液体が塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させない温度で撹拌するが、高温になるほど有機液体により塩化ビニル樹脂が膨潤されやすくなるので、50℃以下で撹拌混合することが有利である。この温度が70℃を超えると有機液体の塩化ビニル樹脂への吸収が速まるばかりか、塩化ビニル樹脂が軟化し合体化して最終製品がもはやペースト加工に適合しなくなるおそれがある。かかる操作により、粒子径50〜500μm、平均100〜300μmの粒状の集合体を形成させることができる。
次に、有機液体を介して集合した塩化ビニル樹脂集合体を水相から分離回収するには、集合体の形状に応じて公知の方法、例えば、粒子径差を利用してろ布、金網などを用いる真空脱水法や遠心脱水法、あるいは比重差を利用した遠心沈降分離法などを用いることができる。
【0010】
以下に、本発明の態様を列挙する。
(1)ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液に、水に難溶であってかつ塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させない有機液体を添加することにより塩化ビニル樹脂を集合体として水相より分離して回収する方法において、該有機液体が30℃において100センチポアズ以上1000センチポアズ以下の粘度を有し、かつ水に微分散されているものであることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法。
(2)有機液体の30℃における粘度が150センチポアズ以上500センチポアズ以下である上記(1)記載のペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法。
(3)有機液体の液滴径が平均10〜100μmである上記(1)又は(2)記載のペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法。
(4)アニオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤を該有機液体に対し0.5〜10重量%さらに添加した上記(1)、(2)又は(3)記載のペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法。
分離工程において分離された塩化ビニル樹脂集合体は、次に乾燥工程に送られ、付着水分が除去される。この乾燥工程においては、ペースト加工時の分散性を損なわないような条件を設定することが必要である。すなわち乾燥工程中の塩化ビニル樹脂の温度は、通常70℃以下、好ましくは50℃以下となるようにする。すなわち、形成された塩化ビニル樹脂集合体の粒子径分布に近い状態の粒状を再現するように条件を選ぶ。乾燥装置としては、被乾燥物の温度を低く維持するためには減圧の撹拌乾燥機の使用が好ましく、また、樹脂の粒度が比較的揃っていれば低温乾燥、操業能率向上の点から、流動床式乾燥機が適当であるが、広く公知の乾燥装置が使用可能である。乾燥工程においては装置を適当に選ぶことによって不定形の、あるいは粒度分布の広い樹脂を製品として得ることも可能であるが、押出型造粒機などのペレット形成機を工程中に組み込むことによって粒子形状を均質化することも可能である。この場合も、造粒時に熱や圧力により樹脂が溶融したり有機液体を吸収したりして、ペースト混練時の分散性を損なうようなことがあってはならない。
【0011】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例における各特性は下記の方法により判定した。
(1)ゾル分散特性
樹脂50gとジ−2−エチルヘキシルフタレート30gを擂潰機で混合して調製したものにより、ゾル中の樹脂粒子の粒度NF(North Finess Gauge)を測定した。溝の深さが直線的に変わる0.5インチ幅の鋼製ゲージの、深さ最大位置にある基線上にゾルをのせ、スクレーパーでゾルを浅い方に向かって引き、粗大凝集粒子が点として多く現れる位置を読む。0が最も粗く、8が最も細かい。この数値の8は粒径0に相当し、4は粒径51μmであり、0は粒径102μmである。NF値が大きいほど、粒子が細かく、よく分散していることを示す。
(2)回収率
【数1】
Figure 0003947234
【0012】
実施例1
ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液を、あらかじめ目開き250μmの金網を張ったスクリーンに通し、通過した水性分散液に水を加えて固形分含有量35重量%に調整した。次に調整した水性分散液11kgを直径20cm、内容量12リットルの槽型混合装置に入れ、1100rpmで撹拌を開始すると同時に混合装置底部より、別途、容量500mlのステンレス製ビーカーにトリメリット酸トリオクチル[新日本理化(株)社製、30℃における粘度162センチポアズ]150g及び水150gを入れ、高速撹拌機を用いて1100rpmで10分間撹拌しトリメリット酸トリオクチルを微分散せしめたものを、撹拌を継続しつつ毎分7gの速度で40分間注入した。その後1100rpmでさらに撹拌混合を90分継続したところ、粒状樹脂の水分散液が得られた。この分散液を通気量80ml/sec・cm2のろ布を用いて真空ろ過し、粒状樹脂を分離したところ6700gの湿潤粒状樹脂が得られた。これを小型流動乾燥機で乾燥したところ3900gの粒状塩化ビニル樹脂が得られた。この粒状塩化ビニル樹脂についてゾル分散特性を求めた。
実施例2
容量500mlのステンレス製ビーカーにトリメリット酸トリイソデシル[新日本理化(株)社製、30℃における粘度287センチポアズ]150g、水150g及びポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート1.5gを入れ、高速撹拌機を用い1100rpmで10分間撹拌しトリメリット酸トリイソデシルを微分散せしめた。
ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液を、あらかじめ目開き250μmの金網を張ったスクリーンに通し、通過した水性分散液に水を加えて固形分含有量35重量%に調整した。次に調整した水性分散液11kgを直径20cm、内容量12リットルの槽型混合装置に入れ、1250rpmで撹拌を開始すると同時に混合装置底部より上記のトリメリット酸トリイソデシルの微分散液を毎分7gの速度で40分間注入した。その後1100rpmでさらに撹拌混合を90分継続したところ、粒状樹脂の水分散液が得られた。この分散液を通気量80ml/sec・cm2のろ布を用いて真空ろ過し粒状樹脂を分離したところ7010gの湿潤粒状樹脂が得られた。これを小型流動乾燥機で乾燥したところ3960gの粒状塩化ビニル樹脂が得られた。この粒状塩化ビニル樹脂についてゾル分散特性を求めた。
【0013】
比較例1
容量500mlのステンレス製ビーカーにジイソノニルフタレート[30℃における粘度41センチポアズ]150g、水150g及びポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート1.5gを入れ、高速撹拌機を用い1100rpmで10分間撹拌しジイソノニルフタレートを微分散せしめた。
ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液を、あらかじめ目開き250μmの金網を張ったスクリーンに通し、通過した水性分散液に水を加えて固形分含有量35重量%に調整した。次に調整した水性分散液11kgを直径20cm、内容量12リットルの槽型混合装置に入れ、1100rpmで撹拌を開始すると同時に混合装置底部より上記のジイソノニルフタレートの微分散液を毎分7gの速度で40分間注入した。その後1100rpmでさらに撹拌混合を90分継続したところ、粒状樹脂の水分散液が得られた。その分散液を通気量80ml/sec・cm2のろ布を用いて真空ろ過し粒状樹脂を分離したところ6390gの湿潤粒状樹脂が得られた。これを小型流動乾燥機で乾燥したところ3880gの粒状塩化ビニル樹脂が得られた。この粒状塩化ビニル樹脂についてゾル分散特性を求めた。
実施例1、実施例2及び比較例1の結果を第1表に示す。
【0014】
【表1】
Figure 0003947234
【0015】
比較例1の塩化ビニル樹脂から得られたプラスチゾルのNF値が4.0であるのに対して、実施例1のNF値は5.0、実施例2のNF値は5.5であり、本発明方法により得られた塩化ビニル樹脂はプラスチゾルにおいて良好な分散性を有していることが分かる。
【0016】
【発明の効果】
ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液に30℃における粘度が100センチポアズ以上1000センチポアズ以下の有機液体を微分散状態で添加することにより、プラスチゾル中で容易に単一粒子にほぐれ、良好な分散状態を与える塩化ビニル樹脂粒子集合体を得ることができる。

Claims (1)

  1. ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液に、水に難溶であってかつ塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させない有機液体を塩化ビニル樹脂100重量部当たり0 . 1〜5重量部添加することにより塩化ビニル樹脂を集合体として水相より分離して回収する方法において、該有機液体が30℃において100センチポアズ以上500センチポアズ以下の粘度を有し、かつ平均液滴径10〜100μmの微分散状態で水に微分散されているものであることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法。
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