JPH07268021A - ペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法 - Google Patents

ペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法

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JPH07268021A
JPH07268021A JP8596194A JP8596194A JPH07268021A JP H07268021 A JPH07268021 A JP H07268021A JP 8596194 A JP8596194 A JP 8596194A JP 8596194 A JP8596194 A JP 8596194A JP H07268021 A JPH07268021 A JP H07268021A
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vinyl chloride
chloride resin
aqueous dispersion
resin
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JP8596194A
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Toshihiko Hori
登志彦 堀
Terunori Takeuchi
輝紀 竹内
Akikatsu Kanayama
昭勝 金山
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液
に、水に難溶であってかつ塩化ビニル樹脂を溶解又は膨
潤させない有機液体を添加することにより塩化ビニル樹
脂を集合体として水相より分離して回収する方法におい
て、水相より分離して回収するときの塩化ビニル樹脂の
集合体を含む水性分散液の温度を0〜20℃として分離
回収することを特徴とするペースト加工用塩化ビニル樹
脂の製造方法。 【効果】塩化ビニル樹脂の集合体を含む水性分散液の温
度を0〜20℃とすることにより、ろ過性、湿潤ケーキ
のほぐれ易さ及び塩化ビニル樹脂の回収率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペースト加工用塩化ビ
ニル樹脂の製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、本発明は、塩化ビニル樹脂の水性分散液からペース
ト加工用塩化ビニル樹脂を集合体として回収する際に、
ろ過脱水が円滑に進み、回収率を向上することが可能な
ペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂の重要な加工法の一つに
ペースト加工がある。塩化ビニル樹脂のペースト加工
は、ペースト加工用に製造された塩化ビニル樹脂を、可
塑剤、安定剤のほか、必要に応じて顔料、充填剤などの
配合剤とともに混合して液状のプラスチゾルとし、この
液状のプラスチゾルを注型、コーティング、浸漬などの
手段で賦型し、加熱溶融固化させることによって成形品
を得るものである。したがって、ペースト加工用塩化ビ
ニル樹脂には、粒径が非常に微細で可塑剤中に分散して
自由にブラウン運動を行い沈降しないこと、適切な粒度
分布を有すること、表面が平滑で内部が緻密な球形粒子
であること、可塑剤と混合するとき凝集することなく容
易に分散して安定なゾルを形成すること、常温では可塑
剤に膨潤されがたく熟成粘度変化が小さく、高温で溶融
する際には容易に迅速に均一にゲル化することなど、さ
まざまな性能が要求される。また、ペースト加工用塩化
ビニル樹脂は、通常単一粒子が多数凝集して樹脂粒子粉
体を形成しているが、プラスチゾル中において、この集
合体が単一粒子にほぐれる必要があり、もしそのまま粗
大粒子として残存していると、プラスチゾルの流動性に
影響を与えるばかりでなく、プラスチゾルの輸送時の目
づまり、コーティング加工時の筋引きなどのトラブル
や、成形品にした場合に、成形品表面の肌の荒れ及び光
沢低下、さらには成形品の強度低下などの不都合を引き
起こす。 このようなペースト加工上の問題点を防止するために、
これに用いる樹脂粉体は、通常Tyler篩325メッ
シュ全通のような微細な粉体として供給する方法が提案
されている。このための樹脂の製造方法としては、塩化
ビニル又は塩化ビニルを主体とする単量体混合物をラジ
カル発生型重合開始剤と乳化剤の存在下に、乳化重合あ
るいは微細懸濁重合することによって粒径0.05〜5
μmの球形樹脂の水性分散液を得、この水性分散液をス
プレー乾燥を行う方法が採られているが、水分を蒸発乾
燥するには多量のエネルギーを必要とする。また、こう
した方法で得られた従来の樹脂は微細な粉体であるた
め、製品の袋詰め時、並びにプラスチゾル製造に際して
の開袋投入及び混合時の粉体飛散など、作業環境の悪化
を引き起こすばかりでなく、粉体流動性が悪いため、自
動計量、自動輸送が困難となっている。かかるペースト
加工用樹脂の現状の問題点を解決するために、ペースト
加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液から塩化ビニル樹脂
を、水に難溶であって、かつ塩化ビニル樹脂を溶解又は
膨潤させない有機液体を、該水性分散液に添加すること
により、塩化ビニル樹脂を集合体として水相より分離せ
しめたのちろ過などの手段により分離し、これをそのま
まあるいは造粒させたのち乾燥することによって塩化ビ
ニル樹脂を回収する方法が特公平1−42282号公報
に提案されている。しかしながら、この方法によって種
々の問題点は一応改善されているが、なお、水性分散液
より集合体として分離した塩化ビニル樹脂をろ布を用い
てろ過するための時間が長くかかり、湿潤ケーキがほぐ
れにくく自動輸送の際に空搬ダクト内に粉体付着が起
き、さらに、塩化ビニル樹脂の回収率が十分満足しうる
ほど高くないという問題が残されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、塩化ビニル樹脂の水性分散液から、容易
にろ過することができ、湿潤ケーキがほぐれ易い塩化ビ
ニル樹脂の集合体を高い回収率で得ることを目的として
なされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニル
樹脂の水性分散液に有機液体を添加することにより塩化
ビニル樹脂を集合体として水相より分離し、得られた水
性分散液を低温においてろ過すれば、本発明の目的を達
成しうることを見いだし、その知見に基づいて本発明を
完成した。すなわち、本発明は、ペースト加工用塩化ビ
ニル樹脂の水性分散液に、水に難溶であってかつ塩化ビ
ニル樹脂を溶解又は膨潤させない有機液体を添加するこ
とにより塩化ビニル樹脂を集合体として水相より分離し
て回収する方法において、水相より分離して回収すると
きの塩化ビニル樹脂の集合体を含む水性分散液の温度を
0〜20℃として分離回収することを特徴とするペース
ト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法を提供するものであ
る。
【0005】本発明方法は、基本的には塩化ビニル樹脂
の水性分散液を調整する第1工程、第1工程で得られた
水性分散液を回分式槽型混合機に導き有機液体を添加し
て塩化ビニル樹脂を集合させる第2工程、塩化ビニル樹
脂集合体の水性分散液を冷却する第3工程、冷却した塩
化ビニル樹脂集合体の水性分散液から、塩化ビニル樹脂
集合体を分離回収する第4工程、及び回収した塩化ビニ
ル樹脂集合体を乾燥する第5工程から構成される。本発
明において用いられるペースト加工用塩化ビニル樹脂の
水性分散液は、通常の乳化重合又は微細懸濁重合により
製造された塩化ビニルの単独重合体、又は塩化ビニルを
主体とした(通常は70重量%以上)共重合体、すなわ
ち、塩化ビニルと酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、アクリロニトリル、アクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル又はマレイン酸など
の単量体との共重合体の水性分散液のことであって、通
常のペースト加工に供しうるものであれば特に制限なく
使用することができる。また、必要に応じて増量用塩化
ビニル樹脂を含むこともできる。本発明において用いら
れる塩化ビニル樹脂の水性分散液は、通常塩化ビニル樹
脂を10〜70重量%程度含有するものである。このよ
うな水性分散液としては、重合終了後の塩化ビニル樹脂
の水性分散液をそのまま使用してもよいし、必要ならば
一部脱水し、あるいは水を添加して用いてもよい。塩化
ビニル樹脂の含有量が10重量%未満では廃水量が製品
量に比べて多くなりすぎ不経済であるし、塩化ビニル樹
脂の含有量が70重量%を超えると、水性分散液と有機
液体との混合液の粘度が著しく上昇し操業が困難とな
る。
【0006】本発明方法においては、水に難溶であっ
て、かつ塩化ビニル樹脂の分離回収時において塩化ビニ
ル樹脂を溶解又は膨潤させない有機液体が用いられる。
このような有機液体としては、一般には融点が20℃以
下、常圧における沸点が本発明の分離回収時の温度以
上、好ましくは200℃以上のものが望ましい。有機液
体として沸点が分離回収時の温度未満のものを用いた場
合には、この有機液体の揮散を防ぐために圧力容器を使
用したり、揮散した有機液体を回収するための付加設備
を必要とする上に、塩化ビニル樹脂中の有機液体の量を
一定に保つことが容易でなくなるので好ましくない。む
ろん、単品としては以上に述べた条件を外れるものであ
っても、2種以上の液体の混合物として上述した要件を
備えているものであれば用いることができる。本発明に
用いる有機液体が水に難溶であることが要求される理由
は以下の2点にある。第1には、水性分散液との混合の
あと、分離すべき水相への同伴量を減少させて、有機液
体の損失を防ぎ、廃水処理費用を軽減させるためであ
り、第2には、水に分散した塩化ビニル樹脂粒子を有機
液体を介して集合せしめるには、樹脂粒子と水との間に
有機液体が粒子表面に存在することが必要であるためで
ある。また、本発明に用いる有機液体が、本発明におけ
る分離回収時の温度において樹脂を溶解又は膨潤させる
ものである場合には、樹脂粒子が変形、変質を起こすた
め不都合である。なお、本発明で使用する有機液体は、
大部分が製品樹脂に残留するため、ペースト加工時の操
作性、加工性及び成形品の品質に対し悪影響を与えるも
のは避けなければならない。以上の点からすれば、有機
液体として通常ペースト加工に用いられる液状配合剤を
使用するのが一番自然で合理的である。本発明方法にお
いて、用いられる有機液体の使用量は、塩化ビニル樹脂
100重量部当たり0.07〜3重量部、好ましくは0.
1〜2重量部である。有機液体の使用量が0.07重量
部未満であると、水性分散液中の塩化ビニル樹脂の集合
体の形成が不十分であり、有機液体の使用量が3重量部
を超えると、空搬ダクトに塩化ビニル樹脂粉体が付着し
たり、塩化ビニル樹脂集合体が固くなりペースト調製時
に分散性が悪くなるので好ましくない。なお、ペースト
加工用塩化ビニル樹脂中に含まれる有機液体が少量であ
るほど、プラスチゾルを調製する際の塩化ビニル樹脂の
分散性が良好である。
【0007】本発明方法においては、有機液体として、
例えば、下記の可塑剤、プロセス油、滑剤などを使用す
ることができる。 (1)ジオクチルフタレート、ジノニルフタレート、ブ
チルラウリルフタレート、メチルオレイルフタレートな
どのフタル酸アルキルエステル系可塑剤。 (2)トリオクチルトリメリテート、ジエチレングリコ
ールジベンゾエートなどの芳香族カルボン酸エステル系
可塑剤。 (3)ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、ジ
オクチルテトラヒドロフタレートなどの脂肪族二塩基酸
エステル系可塑剤。 (4)トリオクチルフォスフェート、トリクロロエチル
フォスフェートなどのリン酸エステル系可塑剤。 (5)ジエチレングリコールジカプリレート、1,4ブ
チレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートなど
の脂肪酸グリコールエステル系可塑剤。 (6)ポリエステル系可塑剤。 (7)オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチ
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール
ジイソブチレートなどの脂肪酸エステル系、エポキシ化
大豆油、エポキシステアリン酸オクチルなどのエポキシ
系、塩素化脂肪酸メチル、塩素化パラフィンなどの塩素
化パラフィン系、コハク酸ジオクチルなどの脂肪族二塩
基酸エステル系の二次可塑剤。 (8)ミネラルスピリット、ミネラルターペンなどの石
油系、ドデシルベンゼンなどの長鎖アルキルベンゼン系
の希釈剤。 (9)高級アルコール、流動パラフィン、高級脂肪酸ア
ルキルエステルなどの液状滑剤。
【0008】本発明方法において、ペースト加工用塩化
ビニル樹脂の水性分散液と有機液体の混合には、回分式
槽型混合機を好適に使用することができる。回分式槽型
混合機としては、撹拌機や邪魔板を有する公知の混合機
が用いられる。混合の程度は、塩化ビニル樹脂の有機液
体による集合能率に大きな影響を与えるため、好ましく
は混合機の単位容積当たりの混合動力が1kW/m
上であって、混合時間との積が4kW・Hr/m以上
であることが望ましい。本発明方法においては、回分式
槽型混合機において、塩化ビニル樹脂の水性分散液と有
機液体との混合液を、通常20〜70℃、かつ使用する
有機液体が塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させない温度
で撹拌するが、高温になるほど有機液体により塩化ビニ
ル樹脂が膨潤されやすくなるので、50℃以下で撹拌混
合することが有利である。この温度が70℃を超えると
有機液体の塩化ビニル樹脂への吸収が速まるばかりか、
塩化ビニル樹脂が軟化し合体化して最終製品がもはやペ
ースト加工に適合しなくなるおそれがある。かかる操作
により、粒子径50〜500μm、平均100〜300
μmの粒状の集合体を形成させることができる。本発明
方法において、ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分
散液とは、塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単量体
と共重合可能な他の単量体との乳化重合又は微細懸濁重
合によって得られた粒子径0.05〜5μmの球形樹脂
粒子が水中に分散している分散液を意味し、塩化ビニル
樹脂の集合体を含む水性分散液とは、上記のペースト加
工用塩化ビニル樹脂の水性分散液に有機液体を添加する
ことにより得られた粒子径50〜500μmの塩化ビニ
ル樹脂の集合体を含有する分散液を意味する。
【0009】本発明方法においては、塩化ビニル樹脂の
水性分散液と有機液体とを、回分式槽型混合機において
撹拌混合することにより、塩化ビニル樹脂が集合体とし
て水相より分離した水性分散液は、0〜20℃に冷却さ
れる。塩化ビニル樹脂の集合体は、その水性分散液の温
度を0〜20℃、好ましくは3〜15℃として分離回収
される。水性分散液の温度が0℃未満であると、水性分
散液の中に微細な氷の結晶が生成し、その結晶がろ塊で
ある塩化ビニル樹脂の中に混在して徐々に溶融するの
で、ろ塊の含水率が高くなり好ましくない。水性分散液
の温度が20℃を超えると、本発明方法の目的である円
滑なろ過脱水性、湿潤ケーキのほぐれ易さ、高い回収率
が達成されないので好ましくない。水性分散液を冷却す
る方法に特に制限はなく、任意の方法を用いることがで
きる。例えば、冷却用のジャケットを回分式槽型混合機
に設置しておきジャケット内に冷却用媒体を通すことに
より水性分散液を冷却することができ、また、回分式槽
型混合機内に蛇管を設けその中に冷却用媒体を通すこと
により冷却してもよい。好ましい方法は、回分式槽型混
合機の外部に熱交換器を設置し、水性分散液を外部冷却
方式により冷却することである。すなわち、塩化ビニル
樹脂の集合体が冷却過程で破壊されにくい方法が好まし
い。恒温室などでの静置冷却が集合体を最もこわさない
方法ではあるが、長時間要するので工業的な意味を持た
ない。逆に、回分式槽型混合機のジャケットによる冷却
は伝熱効率が悪く長時間撹拌しなければならないので、
その間に樹脂集合体の破壊が起きてくる。集合体が破壊
されると、脱水ろ過時に目詰まりして含水率が高くなり
やすく、その結果湿潤ケーキはほぐれにくくなり、粗粒
として除かれるなどで収率も悪化することになる。それ
に対し、熱交換器を用いてエチレングリコール、ブライ
ンなどにより1〜10分、好ましくは1〜5分の短時間
で冷却する方法を採れば、樹脂集合体の破壊を極力抑え
ることができる。本発明方法において、温度を0〜20
℃、好ましくは3〜15℃とした塩化ビニル樹脂集合体
を水性分散液から分離回収するには、集合体の形状に応
じて公知の方法、例えば、粒子径差を利用してろ布、金
網などを用いる真空脱水法や遠心脱水法、あるいは比重
差を利用した遠心沈降分離法などを用いることができ
る。
【0010】次に、本発明の態様を列挙する。 (1)ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液に、
水に難溶であってかつ塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤さ
せない有機液体を添加することにより塩化ビニル樹脂を
集合体として水相より分離して回収する方法において、
水相より分離して回収するときの塩化ビニル樹脂の集合
体を含む水性分散液の温度を0〜20℃として分離回収
することを特徴とするペースト加工用塩化ビニル樹脂の
製造方法。 (2)塩化ビニル樹脂の集合体を含む水性分散液を、熱
交換器にて冷媒により0〜20℃に冷却する上記(1)記
載のペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法。 (3)水性分散液の温度を3〜15℃として分離回収す
る上記(1)又は(2)記載のペースト加工用塩化ビニル樹
脂の製造方法。 本発明方法において、分離工程において分離された塩化
ビニル樹脂集合体は、次に乾燥工程に送られ、付着水分
が除去される。この乾燥工程においては、ペースト加工
時の分散性を損なわないような条件を設定することが必
要である。すなわち乾燥工程中の塩化ビニル樹脂の温度
は、通常70℃以下、好ましくは50℃以下となるよう
にする。すなわち、塩化ビニル樹脂集合体が可塑剤に分
散されるとき形成された塩化ビニル樹脂集合体の単位粒
子径分布に近い状態を再現するように条件を選ぶ。乾燥
装置としては、被乾燥物の温度を低く維持するためには
減圧の撹拌乾燥機の使用が好ましく、また、樹脂の粒度
が比較的揃っていれば低温乾燥、操業能率向上の点か
ら、流動床式乾燥機が適当であるが、広く公知の乾燥装
置が使用可能である。乾燥工程においては装置を適当に
選ぶことによって不定形の、あるいは粒度分布の広い樹
脂を製品として得ることも可能であるが、押出型造粒機
などのペレット形成機を工程中に組み込むことによって
粒子形状を均質化することも可能である。この場合も、
造粒時に熱や圧力により樹脂が溶融したり有機液体を吸
収したりして、ペースト混練時の分散性を損なうような
ことがあってはならない。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、参考例、実施例及び比較例にお
ける各特性は下記の方法により判定した。 (1)ろ過性 ろ過面積2800cm2の真空ろ過機のろ面に通気量80m
l/sec・cmのろ布をおき真空ろ過する際に、塩化ビニ
ル樹脂の集合体を含有する水性分散液全量をろ過機の貯
槽に仕込んだ時から、水分がろ過されることによりウェ
ットケーキが露出するまでの時間を測定し分離時間とし
た。 (2)湿潤ケーキのほぐれ易さ 湿潤ケーキの塊10gを、12メッシュのTyler標
準篩に入れ、1分間タップ式振盪機にかけた後のケーキ
のほぐれの程度を、下記の評価基準により判定した。 ○:篩全通。 △:5g未満のケーキが篩に残存。 ×:5g以上のケーキが篩に残存。 (3)回収率
【数1】
【0012】参考例1 ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液を、あらか
じめ目開き250μmの金網を張ったスクリーンに通
し、通過した水性分散液に水を加えて固形分含有量35
重量%に調整した。次に調整した水性分散液250kgを
直径63cm、内容量300リットルの槽型混合装置に入
れ、35℃で500rpmで撹拌を開始すると同時に混合
装置底部よりにジイソノニルフタレートを毎分45gの
速度で60分間注入した。その後500rpmでさらに撹
拌混合を60分継続したところ、粒状樹脂の水性分散液
が得られた。この分散液を10kgを15℃に保たれた恒
温室に一昼夜放置することで15℃に冷却し、通気量8
0ml/sec・cm2のろ布を用いて真空ろ過し粒状樹脂を分
離したところ、5070gの湿潤粒状樹脂が得られた。
このうち湿潤ケーキ10gを用いてほぐれ易さの試験を
行った。試験に用いた樹脂を上記の湿潤粒状樹脂に戻し
て、小型流動乾燥機で乾燥したところ3544gの粒状
塩化ビニル樹脂が得られた。 実施例1 参考例1の粒状樹脂の水性分散液10kgを熱交換器を用
いて2℃のブラインにより5分間で5℃に冷却し、通気
量80ml/sec・cm2のろ布を用いて真空ろ過し粒状樹脂
を分離したところ、5145gの湿潤粒状樹脂が得られ
た。このうち湿潤ケーキ10gを用いてほぐれ易さの試
験を行った。試験に用いた樹脂を上記の湿潤粒状樹脂に
戻して、小型流動乾燥機で乾燥したところ3551gの
粒状塩化ビニル樹脂が得られた。
【0013】実施例2 参考例1の粒状樹脂の水性分散液11kgを直径20cm、
内容量12リットルの槽型混合装置に入れ、ジャケット
に冷却用媒体(10℃)を通しながら、100rpmで撹
拌を開始し、粒状樹脂の水性分散液の温度が15℃にな
るまで撹拌を続けた。40分後冷却終了し、通気量80
ml/sec・cm2のろ布を用いて真空ろ過し粒状樹脂を分離
したところ、5575gの湿潤粒状樹脂が得られた。こ
のうち湿潤ケーキ10gを用いてほぐれ易さの試験を行
った。試験に用いた樹脂を上記の湿潤粒状樹脂に戻し
て、小型流動乾燥機で乾燥したところ3867gの粒状
塩化ビニル樹脂が得られた。 比較例1 参考例1の粒状樹脂の水性分散液10kgを冷却しない
で、35℃のまま通気量80ml/sec・cm2のろ布を用い
て真空ろ過し粒状樹脂を分離したところ、5030gの
湿潤粒状樹脂が得られた。このうち湿潤ケーキ10gを
用いてほぐれ易さの試験を行った。試験に用いた樹脂を
上記の湿潤粒状樹脂に戻して、小型流動乾燥機で乾燥し
たところ3469g粒状塩化ビニル樹脂が得られた。参
考例1、実施例1、実施例2及び比較例1で得られた結
果を第1表に示す。
【0014】
【表1】
【0015】塩化ビニル樹脂集合体の水性分散液を冷却
して真空ろ過した参考例1及び実施例1においては、分
離時間が短く、湿潤ケーキのほぐれ易さが良好であり、
塩化ビニル樹脂の回収率が高い。特に、水性分散液槽型
混合装置で冷却した実施例2よりも、熱交換器に短時間
通して5℃に冷却した実施例1の方が分離時間及び回収
率において、より良好な結果が得られている。これに対
して、水性分散液を冷却することなく、35℃で真空ろ
過した比較例1においては、分離時間が長く、湿潤ケー
キのほぐれ易さにも劣り、塩化ビニル樹脂の回収率も低
い。
【0016】
【発明の効果】ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分
散液に有機液体を添加して塩化ビニル樹脂を集合体とし
て水相より分離して回収する方法において、塩化ビニル
樹脂の集合体を含む水性分散液の温度を0〜20℃とす
ることにより、ろ過性、湿潤ケーキのほぐれ易さ及び塩
化ビニル樹脂の回収率が向上する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散
    液に、水に難溶であってかつ塩化ビニル樹脂を溶解又は
    膨潤させない有機液体を添加することにより塩化ビニル
    樹脂を集合体として水相より分離して回収する方法にお
    いて、水相より分離して回収するときの塩化ビニル樹脂
    の集合体を含む水性分散液の温度を0〜20℃として分
    離回収することを特徴とするペースト加工用塩化ビニル
    樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】塩化ビニル樹脂の集合体を含む水性分散液
    を、熱交換器にて冷媒により0〜20℃に冷却する請求
    項1記載のペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法。
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