JP2007146045A - ポリ塩化ビニル樹脂の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】再生ポリ塩化ビニル樹脂の熱安定性の低下や色相の劣化の発生を抑制できるポリ塩化ビニル樹脂の回収方法を提供することを課題とする。
【解決手段】所定の溶解工程(a)、所定の析出工程(b)、所定のリンス工程(c)の各工程からなり、かつ、この(a)〜(c)の各工程の温度を70℃以下に保つポリ塩化ビニル樹脂の回収方法を採用する。
【選択図】図1

Description

この発明は、廃ポリ塩化ビニル樹脂からポリ塩化ビニル樹脂を回収する方法に関し、具体的には、廃ポリ塩化ビニル樹脂又は廃ポリ塩化ビニル樹脂を含む構造物からポリ塩化ビニル樹脂を回収し、再生してポリ塩化ビニル樹脂をリサイクルする方法に関する。
なお、この明細書において、「ポリ塩化ビニル樹脂」は、廃ポリ塩化ビニル樹脂由来で含有している可塑剤やその他添加物を含んだポリ塩化ビニル樹脂組成物を含む。
ポリ塩化ビニル樹脂は、可塑剤等の配合組成及び配合量によって、軟質から硬質まで種々の物理的性質を付与することができ、種々の用途に使用されている。このようなポリ塩化ビニル樹脂製品の多くは、廃棄する際には焼却又は埋め立て等の処分がされており、従来、省エネルギーや環境問題などの社会的な問題があった。
また、使用済みのポリ塩化ビニル樹脂製品が複合材である場合、これからポリ塩化ビニル樹脂を再生使用する際に、金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、シリコンラバー等との分離、あるいは泥、砂、工事用テープなど種々の異物の分離、あるいは鉛系の熱安定剤やフィラー等の、ポリ塩化ビニル樹脂に元来含まれる添加剤の分離等、再生品の使用目的に応じた異物除去が望まれていた。これに対し、この異物除去の方法としては、熱溶融してポリ塩化ビニル樹脂と異物を分離する方法があるが、熱溶融だけでは、十分に異物除去することはできなかった。
この異物除去の問題を解決するために種々の方法が検討されてきた。例えば、溶媒を用いてポリ塩化ビニル樹脂を溶解し、溶解液から不溶解分をろ過や遠心分離等により除去する方法が知られている。この方法において、溶解したポリ塩化ビニル樹脂をポリ塩化ビニル樹脂コンパウンド原料として再使用するためには、ポリ塩化ビニル樹脂と溶解に用いた溶媒を再度分離する必要がある。この方法として、例えば、特許文献1には、廃ポリ塩化ビニル樹脂製品を一定の寸法を有する断片に細断し、実質的に乾燥しているこの製品の断片を、水との共沸混合物を形成し、かつ、塩化ビニルポリマーを溶解することのできる実質的に無水の溶媒に接触させて塩化ビニルポリマーを溶解させる。そして、異物を除去した後、この溶液中にスチームを注入する事によって溶媒に溶解した塩化ビニルポリマーを沈殿させると共に、水−溶媒共沸混合物をストリッピングして、水と固体ポリマー粒子とからなる混合物を残留させ、塩化ビニルポリマー粒子を回収する方法が開示されている。しかし、この方法はストリッピング中に生じた析出物を、槽から抜き出すことが困難であるため、バッチ操作となる。このため、溶媒を多量に用い、かつ、連続的に揮発させるような連続操業には不向きであった。
一方、特許文献2には、ポリ塩化ビニル樹脂溶解剤を用いて、硬質ポリ塩化ビニル樹脂を処理する方法が開示されている。この方法は、攪拌機を有した溶解槽に収容されている溶解剤に硬質ポリ塩化ビニル樹脂を投入して溶解させ、このポリ塩化ビニル樹脂を溶解した溶液をろ過装置でろ過して、不溶物を除去した後、析出槽へ導入し、水を供給してポリ塩化ビニル樹脂を析出させ、析出したポリ塩化ビニル樹脂をコンベヤーなどで外部に取り出し、液切りした後、水洗し、連続的に再生ポリ塩化ビニル樹脂を得る方法が記載されている。
また、特許文献3には、ポリ塩ビニル樹脂を含む廃棄物を溶媒で溶解し、溶解液を加熱水と接触させてポリ塩ビニル樹脂を析出させ、析出したポリ塩化ビニル樹脂を分離し、析出したポリ塩化ビニル樹脂と水との混合物の一部を循環型湿式粉砕機に供給し、粉砕されたポリ塩化ビニル樹脂を析出工程に戻す方法が開示されている。さらに、スラリーを別の容器にて、別の加熱水と接触させることによって、再生樹脂中の残留溶媒濃度を低減させる方法が記載されている。
しかし、これらの方法を採用しても、未だ解決できない問題として、再生したポリ塩化ビニル樹脂の品質が溶解の工程で劣化することがあった。特に、熱安定性や色相に関しては、劣化を受けやすく、そのため再生品の用途が限定され、リサイクル量の拡大の阻害になっていた。
特開平11−310660号公報(ソルヴェイ) 特開平2000−290427号公報(三菱化学) 特開平2002−284920号公報(神戸製鋼所)
そこで、この発明は、再生ポリ塩化ビニル樹脂の熱安定性の低下や色相の劣化の発生を抑制できるポリ塩化ビニル樹脂の回収方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、再生されたポリ塩化ビニル樹脂の物性とポリ塩化ビニル樹脂再生条件との関係を詳細に検討した。その結果、再生処理中に受ける樹脂の加熱、すなわち熱履歴によって最終製品の樹脂の物性が著しく悪影響を受けることを見出した。
この熱履歴は、ポリ塩化ビニル樹脂の溶解工程、溶解液と貧溶媒を接触させる析出工程、および析出した樹脂から溶媒を除去する工程のいずれでも受けるが、特に溶解工程において、ポリ塩化ビニル樹脂の熱劣化が著しい。このため、溶解工程での熱処理をできるだけ最小に留める必要があり、そのためには比較的低温であっても短時間でポリ塩化ビニル樹脂を溶解することができる溶媒を高純度で用いることが効果的となる。また、ポリ塩化ビニル樹脂からの溶媒除去を蒸発によりおこなう場合、必然的にポリ塩化ビニル樹脂が加熱されるため、熱劣化を受けることとなる。これに対し、ポリ塩化ビニル樹脂が不要に加熱されないように、比較的低温で固液抽出により溶媒を除去することが好ましい。
本願発明は、これらのことを見出し、再生処理中の熱履歴をできる限り小さくすることにより、上記課題を解決したのである。
具体的には、本願発明は、下記の(a)〜(c)の各工程からなり、かつ、この(a)〜(c)の各工程の温度を70℃以下に保つポリ塩化ビニル樹脂の回収方法を採用することにより、上記の課題を解決したのである。
(a)廃ポリ塩化ビニル樹脂を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する良溶媒と接触させ、廃ポリ塩化ビニル樹脂中のポリ塩化ビニル樹脂を、この良溶媒で溶解してポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る溶解工程、
(b)上記溶解工程(a)にて得られた上記ポリ塩化ビニル樹脂溶解液を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒を含む析出液と接触させることにより、ポリ塩化ビニル樹脂を析出させる析出工程、
(c)上記析出工程(b)で析出させたポリ塩化ビニル樹脂を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する溶解性が低く、かつ上記溶解工程(a)における良溶媒を均一に溶解する抽出溶媒と接触させるリンス工程。
また、以下の(1)〜(4)の方法に限定することができる。
(1)良溶媒、貧溶媒及びポリ塩化ビニルの各分散力成分、極性成分、及び水素結合成分の関係が、下記式<1>を満たす方法。
P≦3.5 <1>
(上記式中、Pは、下記式<2>を示す。
Figure 2007146045
また、上記式<2>中、δD1はハンセンの溶解パラメーターにおける良溶媒の分散力成分を、δD2はハンセンの溶解パラメーターにおけるポリ塩化ビニル樹脂の分散力成分を、及びδD3はハンセンの溶解パラメーターにおける貧溶媒の分散力成分を示す。さらに、δP1はハンセンの溶解パラメーターにおける良溶媒の極性成分を、δP2はハンセンの溶解パラメーターにおけるポリ塩化ビニル樹脂の極性成分を示す。さらにまた、δH1はハンセンの溶解パラメーターにおける良溶媒の水素結合成分を、δH2はハンセンの溶解パラメーターにおけるポリ塩化ビニル樹脂の水素結合成分を示す。)
(2)上記リンス工程(c)の後に、下記溶媒再利用工程(e)を行う方法。
(e)析出工程(b)及び/又はリンス工程(c)から排出される良溶媒及び貧溶媒からなる析出液、若しくは抽出溶媒、又はこれらの混合液が、蒸留設備に導入され、分離精製された後、良溶媒を溶解工程(a)へ、貧溶媒を析出工程(b)へ、抽出溶媒をリンス工程(c)へ戻す溶媒再利用工程。
(3)上記析出工程(b)とリンス工程(c)との間に、下記破砕工程(f)を行う方法。
(f)析出工程(b)で得られた析出物を粉砕する粉砕工程。
(4)上記溶解工程(a)と析出工程(b)との間に、下記分離工程(g)を行う方法。
(g)上記溶解工程(a)で得られたポリ塩化ビニル樹脂溶解液を固液分離装置にかけ、固形分を分離する分離工程。
この発明によると、熱安定性の低下や色相の劣化の発生を抑制できるポリ塩化ビニル樹脂の回収方法を提供することができる。
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかるポリ塩化ビニル樹脂の回収方法は、図1に示す工程のうち、下記の溶解工程(a)、析出工程(b)、及びリンス工程(c)を必須工程として用いることにより、廃ポリ塩化ビニル樹脂からポリ塩化ビニル樹脂を回収する方法である。
(a)廃ポリ塩化ビニル樹脂を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する良溶媒と接触させ、廃ポリ塩化ビニル樹脂中のポリ塩化ビニル樹脂を、この良溶媒で溶解してポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る溶解工程、
(b)上記溶解工程(a)にて得られた上記ポリ塩化ビニル樹脂溶解液を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒を含む析出液と接触させることにより、ポリ塩化ビニル樹脂を析出させる析出工程、
(c)上記析出工程(b)で析出させたポリ塩化ビニル樹脂を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する溶解性が低く、かつ上記溶解工程(a)における良溶媒を均一に溶解する抽出溶媒と接触させるリンス工程。
本発明におけるポリ塩化ビニル樹脂とは、塩化ビニル単独重合体及び、ポリ塩化ビニル樹脂を主体とする共重合体、混合体を含み、共重合成分や混合成分としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、オクチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、塩化ビニリデンなどのビニリデン化合物等が挙げられる。これらのうち好ましいものとしては、ポリ塩化ビニル樹脂単独重合体があげられる。
なお、本発明において「ポリ塩化ビニル樹脂を主成分とする」とは、構成成分の50重量%以上の塩化ビニルモノマーを含有することを意味する。
また、上記廃ポリ塩化ビニル樹脂とは、ポリ塩化ビニル樹脂を含有する使用済みの製品や、ポリ塩化ビニル樹脂製品の製造工程で発生する規格外品等であって、ポリ塩化ビニル樹脂の軟質や硬質を問わない。上記ポリ塩化ビニル樹脂を含有する使用済み製品としては、ポリ塩化ビニル樹脂の単体組成の製品、あるいは金属、セラミック、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン等との複合材等があげられ、より好ましくはポリ塩化ビニル樹脂の含有量が多い製品、たとえば、ポリ塩化ビニル樹脂製のパイプ管、パイプ継ぎ手、窓枠、電線、農ビ等があげられる。また、ポリ塩化ビニル樹脂製品の製造工程で発生する規格外品等としては、成形時不良品や、不要在庫、樹脂切断時の切り屑等があげられる。
なお、本発明において「ポリ塩化ビニル樹脂」とは、ポリ塩化ビニル樹脂からなる樹脂であって、熱安定剤、滑剤、可塑剤等、廃ポリ塩化ビニル樹脂中に含有される添加剤を含有していてもよい。
上記溶解工程(a)は、廃ポリ塩化ビニル樹脂から、ポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る溶解工程である。
この工程において、まず、廃ポリ塩化ビニル樹脂を必要に応じて粉砕等し、ポリ塩化ビニル樹脂に対する良溶媒(以下、単に「良溶媒」と称する。)と接触させ、廃ポリ塩化ビニル樹脂中のポリ塩化ビニル樹脂を溶解させる。これにより、ポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る。
上記良溶媒とは、ポリ塩化ビニル樹脂を溶解する能力を有する溶媒をいう。
良溶媒をプロセス内で回収、精製し、リサイクル使用する際に、上記析出工程(b)あるいはリンス工程(c)で用いられるポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒(ポリ塩化ビニル樹脂を溶解する能力の低い溶媒をいう。詳細は、後述する。以下、単に「貧溶媒」と称する。)が良溶媒中に混入する場合がある。この貧溶媒の良溶媒への混入はポリ塩化ビニル樹脂の溶解度を著しく下げるため、良溶媒を選定する際の基準として、ポリ塩化ビニル樹脂と良溶媒の相溶性と、もうひとつは良溶媒と貧溶媒の相溶性から選ぶことが好ましい。
上記の相溶性の指標としては、ハンセンの溶解パラメーターを用いることができる。溶解パラメーターを説明するにあたり、Polymer Handbook 第3版, VII/519−544, J.Brandrup, E.H.Immergut Table3.3 HANSEN SOLUBILITY PARAMETERS OF LIQUIDS AT 25℃ 及び Table3.6HANSEN SOLUBILITY PARAMETERS OF POLYMERS を参照した。
本発明においては、ポリ塩化ビニル樹脂の回収のしやすさという観点から、良溶媒、貧溶媒及びポリ塩化ビニルの各分散力成分、極性成分、及び水素結合成分の関係が、下記式<1>を満たすことが好ましい。
P≦3.5 <1>
(上記式中、Pは、下記式<2>を示す。
Figure 2007146045
また、上記式<2>中、δD1はハンセンの溶解パラメーターにおける良溶媒の分散力成分を、δD2はハンセンの溶解パラメーターにおけるポリ塩化ビニル樹脂の分散力成分を、及びδD3はハンセンの溶解パラメーターにおける貧溶媒の分散力成分を示す。さらに、δP1はハンセンの溶解パラメーターにおける良溶媒の極性成分を、δP2はハンセンの溶解パラメーターにおけるポリ塩化ビニル樹脂の極性成分を示す。さらにまた、δH1はハンセンの溶解パラメーターにおける良溶媒の水素結合成分を、δH2はハンセンの溶解パラメーターにおけるポリ塩化ビニル樹脂の水素結合成分を示す。)
なお、ポリ塩化ビニル樹脂は、δD2=18.82[(MPa)1/2],δP2=10.03[(MPa)1/2]を値として用いた。
ポリ塩化ビニル樹脂および良溶媒のそれぞれのハンセンの溶解パラメーターの分散力成分δの差を2乗した値が10より小さくなるように良溶媒を選ぶことが好ましい。一方、良溶媒に貧溶媒が混入しても良溶媒としての機能を発現するように行いたいが、貧溶媒と良溶媒との関係において、ハンセンの溶解パラメーターの極性成分δの差を2乗した値が60より小さくなるように良溶媒と貧溶媒を選ぶことが好ましい。より好ましくは良溶媒と貧溶媒のハンセンの溶解パラメーターの極性成分δの差を2乗した値が50より小さくなるような良溶媒を選ぶことで、良溶媒をリサイクル使用する場合に不可避的に起こる貧溶媒の混入に対して、PVCの溶解力の低下を比較的起こしにくくすることができ、溶媒のリサイクルを前提に考える工業化プロセスにおいて有効な溶媒選定の手段となる。
上記貧溶媒としては、低級アルコールや水を適用できるが、工業的には水が好ましい。特に貧溶媒に水を用いた場合に、上記の2つの条件を同時に満たす良溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン(以下、「NMP」と略する)(0.67,13.69)、ガンマブチロラクトン(以下「GBL」と略する)(0.03、0.36)、メチルエチルケトン(以下「MEK」と略する)(7.95,49)、2−ピロリドン(0.34,1.96)等があげられ、これらの混合溶媒であっても良い。特に溶解度が高いNMPが好ましい。なお、上記各具体例のかっこ内の数値は、(δD1−δD2、(δp1−δp2を表す。
従来技術では、溶解工程において、溶解速度を向上する目的で比較的高温条件で処理されていたが、回収ポリ塩化ビニル樹脂の物性と、ポリ塩化ビニル樹脂の回収条件との関係を詳細に検討した結果、回収処理中に受ける樹脂の加熱によって最終製品の樹脂の物性が著しく影響を受けることを見出した。特にポリ塩化ビニル樹脂の溶解工程で熱劣化を受け易いことを見出した。具体的には、廃ポリ塩化ビニル樹脂をポリ塩化ビニル樹脂に対する良溶媒と接触させる時の温度は、室温以上70℃以下が好ましく、より好ましくは30℃から60℃であることを見出した。70℃以上は、熱劣化が顕著になるので好ましくない。室温未満では、溶解速度に悪影響があり、また10℃以下は冷却設備が必要となり経済的に不利であるため、意図的に低温にするメリットは無く、通常、室温以上で行うことが好ましい。
廃ポリ塩化ビニル樹脂と良溶媒との接触時間は、上記の温度範囲でも、8時間以内が好ましく、より好ましくは2時間以内である。一方、溶解時間を短縮する目的で、必要に応じて廃ポリ塩化ビニル樹脂原料を予め細粉砕することもできる。破砕のサイズは小さいほうが好ましいが、通常、経済性から0.5cm以上5cm以下で行うことが好ましく、より好ましくは、1cm以上3cm以下である。
廃ポリ塩化ビニル樹脂中のポリ塩化ビニル樹脂を良溶媒に溶解してポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る際において、溶解液中のポリ塩化ビニル樹脂の濃度は、所定の液温度で、遠心ポンプ、ギヤポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ、モーノポンプなどで送液できる粘度、具体的には、好ましくは2000cP以下、より好ましくは1000cP以下となるようにポリ塩化ビニル樹脂濃度を調整することが好ましい。ポリ塩化ビニル樹脂の種類によって同濃度でも粘度は異なるが、本発明においては、ポリ塩化ビニル樹脂溶解液の濃度は、通常、1重量%以上30重量%以下が好ましい粘度範囲として適用可能であり、好ましくは、10重量%以上25重量%以下である。また、溶解工程での熱劣化を抑制するために、必要に応じてで良いが、熱安定剤を溶解液に追加することができる。
上記で得られたポリ塩化ビニル樹脂溶解液に不溶解物が存在する場合、この溶解工程(a)と析出工程(b)との間に下記の分離工程(g)をおき、溶解工程(a)で得られるポリ塩化ビニル樹脂溶解液から固形分を分離することができる。
(g)上記溶解工程(a)で得られたポリ塩化ビニル樹脂溶解液を固液分離装置にかけ、固形分を分離する分離工程。
この固形分の分離方法としては、金網、樹脂織り、金属繊維フィルター等によるろ過分離、遠心濾過や遠心沈降等の遠心分離等で実施できる。
上記析出工程(b)は、上記溶解工程(a)で得られたポリ塩化ビニル樹脂溶解液を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒を含む析出液と接触させることにより、ポリ塩化ビニル樹脂を析出させ、析出物を得る析出工程である。この析出液とは、貧溶媒、又は良溶媒と貧溶媒の混合溶液をいう。
上記貧溶媒とは、ポリ塩化ビニル樹脂を溶解する能力を有さない、あるいは実質的に有さないものであり、具体的には、溶媒100gに対して、ポリ塩化ビニル樹脂の溶解量が1g以下である溶媒である。また、良溶媒と均一に溶解する溶媒から選ばれる。このような貧溶媒の例としては、水、あるいはメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールがあげられ、好ましくは水である。
また、上記析出液としては、析出液中の良溶媒の濃度は低いほうが好ましい。具体的には、貧溶媒濃度が10重量%以上、好ましくは40重量%以上であれば、ポリ塩化ビニル樹脂溶解液からポリ塩化ビニル樹脂はほぼ全量析出できる。貧溶媒濃度が10重量%より少ないと、ポリ塩化ビニル樹脂の回収率が不十分となる傾向があり、さらに、好ましくは40重量%より少ないと、析出液中の良溶媒の量が高くなり、後述するリンス工程(c)での良溶媒の除去効率が悪化する傾向がある。
上記析出工程(b)において得られる析出物の形状は、析出方法によって、種々の形状とすることができ、例えば、シート状、フィルム状、ストランド状、粒子状、粉状等をあげることができる。この析出物の好ましい形状は、薄く、細く、小さい形状である。これにより固化時間を早めることができ、かつ、続くリンス工程(c)で実施される析出物中からの良溶媒の抽出除去の効率を良好なものにすることができる。
接触させる際のポリ塩化ビニル樹脂溶解液と析出液との量比については、析出物が完全に固化するまでの時間析出液に接触していれば良い。したがって例えば、少量の析出液と接触させるなら二重円筒管で、大量なら水槽に張られた析出液にポリ塩化ビニル樹脂溶解液を導入すればよい。さらに具体的に例示すると、析出槽の析出液面上方に配されたノズルからポリ塩化ビニル樹脂溶解液を吐出し析出液と接触させることができる。
上記ノズルは、例えば、一流体あるいは二流体スプレーノズル、アトマイザー(回転ディスク式)、単管、二重管、多孔板ノズルなどを種々用いることができる。好ましくは、二流体スプレーノズルと多孔板ノズルである。二流体スプレーノズルは、窒素や蒸気などのガスで溶解液を噴霧造粒でき、多孔板ノズルは細いストランドで析出物を得ることができる。このようにして製造された析出物の形状が粒子、粉体あるいはストランドであればその直径がシートやフィルムであれば、その厚みは、0.1mm以上2mm以下となるようにすることが好ましく、より好ましくは0.1mm以上0.5mm以下である。0.1mm以下では、製造自体が特殊な設備が必要となり、2mm以上では、析出物中心部までの固化に時間がかかり、生産性が低下する。
析出工程(b)の析出液の温度は、10℃以上70℃以下が好ましく、より好ましくは20℃以上60℃以下である。10℃より低いと、冷却装置が必要となり経済的に不利であり、70℃より高いと、リンス効率の低下、樹脂の熱劣化が起こりやすくなる。
上記析出形態が、粒子状、粉状の場合は、そのまま、次工程のリンス工程(c)に送ることができる。また、上記析出形態が、シート状、フィルム状、ストランド状の場合、析出工程(b)と上記リンス工程(c)の間に、下記の破砕工程(f)を行うのが好ましい。これにより、次工程のリンス工程(c)による上記良溶媒の抽出をより効率よく行うことができる。
(f)析出工程(b)で得られた析出物を粉砕する破砕工程。
この破砕工程(f)で使用する破砕機は、特に制限はなく、一般的な粉砕機を使用することができる。破砕サイズはハンドリングの面からみて0.1mm以上5mm以下にすることが好ましい。特に好ましくは0.4mm以上4mm以下である。粉砕サイズが小さすぎると、次のリンス工程(c)での洗浄溶媒への浸漬が困難となる場合がある。一方、粉砕サイズが大きすぎると、次のリンス工程(c)において上記良溶媒の抽出を効率よく行うことができない場合がある。
上記リンス工程(c)は、上記析出工程(b)で析出させたポリ塩化ビニル樹脂を抽出溶媒と接触させて、上記析出物中の良溶媒を抽出溶媒に抽出させることで、上記析出物中の良溶媒の含有量を低減する工程である。
上記抽出溶媒としては、溶解工程(a)における良溶媒と均一に溶解し、かつ、ポリ塩化ビニルに対して溶解性の低い溶媒が挙げられる。このような溶媒としては、水あるいはメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールがあげられる。溶媒の精製回収系を複雑にしないためには、析出工程で用いた貧溶媒と同じ溶媒を抽出溶媒として用いることが好ましい。
析出工程(b)で得られた析出物を抽出溶媒と接触させる方法としては、攪拌機つきの槽で析出物を流動させても良いし、槽に析出物を導入して流動させない浸漬方法を用いても良い。通常は、リンス槽内の析出物は流動する必要はなく、浸漬法で行うことができる。従ってリンス装置は、析出物を充填したカラム槽となる。カラム槽での析出物のディメンジョンは高さ/直径の比が0.3〜5であり、好ましくは0.5〜3である。析出物と接触させる抽出溶媒の容量比に制限はなく、少量で外部循環して析出物と接触させても良いし、十分に多量の抽出溶媒中に浸漬させることもできる。
このリンス工程(c)での抽出操作は、複数回、繰り返し行うことで、析出物中の良溶媒濃度を所望の濃度まで低減させることができる。抽出溶媒の使用量を削減するためには、抽出溶媒は向流式で接触させることが好ましい。また、向流接触操作で使用したリンス液は、(b)の析出工程の析出液として用いることもできる。
リンス工程(c)における抽出操作の温度は、10〜70℃が好ましく、30〜60℃がより好ましい。10℃以下は、冷却設備が必要となり、経済的に不利である。温度が高いほど抽出速度は大きく好ましいが、70℃を超えると、樹脂の熱劣化が起こるようになり好ましくない。
リンス工程(c)で抽出操作後の析出物は、通常、上記貧溶媒及び抽出溶媒を同伴しているので、溶媒除去工程(d)で公知の方法によってそれらを除去することができる。この溶媒除去工程(d)は、リンス工程(c)で得られた析出物を脱気することにより、上記析出物同伴された上記の貧溶媒、及び抽出溶媒を除去する工程である。
この溶媒除去工程(d)において、ポリ塩化ビニルに同伴された上記貧溶媒及び抽出溶媒を除去する方法としては、リンス工程(c)後のポリ塩化ビニルを流動乾燥機にかける方法や押出機にかける方法が挙げられる。
リンス工程(c)で得られた析出物、すなわちポリ塩化ビニル溶解液と貧溶媒とを接触させて回収した析出物は一般に多孔質であり、多量の貧溶媒や抽出溶媒を細孔に含有している。このため伝導加熱型乾燥機や滞留時間の短い気流乾燥機では細孔内奥深くの抽出溶媒まで十分に効率よく乾燥できない。この問題を解決する方法としては、押出機で溶媒を取り除き乾燥物を得る方法や流動乾燥機や熱風乾燥機などで加熱乾燥する方法があげられる。
上記押出機の例では、上記リンス工程(c)後の析出物を導入し、この析出物をせん断しながら圧縮し抽出溶媒及び良溶媒を絞り出し、後流に配された脱気ベントより抽出溶媒及び貧溶媒を脱気する押出機があげられる。混錬し、溶融した樹脂は、ダイスヘッドでストランド状に押し出され、その後回転刃を有したカッターで切断、冷却により、ペレット状の固形物が得られる。こうして目的物たる回収ポリ塩化ビニルを得ることができる。
このような押出機の具体例としては、シリンダー部に複数のスリットあるいはスクリーンを有した搾りゾーンと、脱気のためのベントゾーンとダイヘッドを有した二軸の押出機が好ましい。
また、押出機に析出物を導入する前に析出物表面に付着する溶媒を除去するために遠心分離型などの脱水機を導入することも可能である。
上記流動乾燥機の例としては、上記リンス工程(c)後の析出物を、遠心分離型やスクリュー圧縮型などの脱水機に導入し、析出物に含まれる溶媒を低減させた後、流動乾燥機へ導入し、50℃の熱風により、10時間、溶媒を揮発させ、乾燥させることにより、目的物たる回収ポリ塩化ビニル樹脂を得ることができる。
溶媒除去効率を高めるために、好ましくは流動乾燥機へ析出物を導入する前にスクリュー圧縮機へ導入し、析出物の多孔質中に含まれる溶媒を絞り出すことが有効である。また流動乾燥機は熱風及びチューブ加熱できるタイプが好ましい。
本発明の塩化ビニル樹脂の回収方法においては、(a)〜(c)の各工程の温度を70℃以下に保持する必要があり、上記溶媒除去工程(d)以外の全工程にわたって、温度を70℃以下に保持することが好ましい。50℃以下で行うことも可能なため、回収される塩化ビニル樹脂は、熱履歴を受けることがほとんどなく、回収塩化ビニル樹脂の物性を低下させずに保持させることができる。一方、温度が低すぎると溶解速度にも悪影響があり、また10℃以下は冷却設備が必要となり経済的に不利であるため、意図的に低温にするメリットは無く、通常、室温以上で行うことが好ましい。
上記析出工程(b)及び/又はリンス工程(c)から排出される、良溶媒及び貧溶媒、若しくは抽出溶媒、又はこれらの混合物は、混合物として回収され、これらの回収液は、溶媒再利用工程(e)に送られる。通常は、蒸留塔で精密に分留したのち後、各工程でリサイクル使用することができる。具体的には、分離精製された後、上記回収液中に良溶媒を含む場合は、この良溶媒を溶解工程(a)へ、上記回収液中に貧溶媒を含む場合は、この貧溶媒を析出工程(b)へ、上記回収液中に抽出溶媒を含む場合は、この抽出溶媒をリンス工程(c)へ戻すことができる。
本発明に適用できる良溶媒中の貧溶媒濃度としては、0.01重量%以上5重量%以下である。5重量%の貧溶媒の混入で純良溶媒のおよそ半分までにポリ塩化ビニルの溶解度は低下する。したがってより好ましくは、1重量%以下である。0.05重量%より低濃度では蒸留精製の負荷が上がり経済的に不利となるため、0.05重量%以上が好ましい。このため、この溶媒再利用工程において回収される良溶媒中の貧溶媒濃度が、上記の範囲内となるように分留することが好ましい。
また、精製の観点から、貧溶媒と抽出溶媒とが同じ溶媒であることが好ましい。
なお、本発明においては、(a)〜(c)の各工程の間に、必要に応じて、分離工程(g)や破砕工程(f)等のその他の工程を入れてもよい。但し、その際には、それぞれの工程の操作温度が70℃を超えないようにすることが好ましい。
この発明にかかる塩化ビニル樹脂の回収方法により得られる回収ポリ塩化ビニル樹脂に含まれる上記良溶媒の含有量は、回収塩化ビニル樹脂全体に対し、0.5重量%以下が好ましく、0.1重量%以下がより好ましい。0.5重量%より多いと、良溶媒のロスが大きくなり経済的な損失がある。
また、上記回収ポリ塩化ビニル樹脂に含まれる貧溶媒及び/または抽出溶媒の含有量は、0.05重量%以上1重量%以下が好ましく、0.1重量%以上0.5重量%以下がより好ましい。1重量%以上より多いと、成形時の不良化が起こりやすく、0.05重量%以下にすると樹脂が静電気で帯電して粉体の場合取り扱いが困難になる。
なお、この発明にかかる塩化ビニル樹脂の回収方法の具体例を、図2に示す。
以下実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
攪拌機と温水ジャケットを有する300LのSUS製溶解槽に、NMP200kgを仕込み、50℃に昇温した後、使用済みパイプの1cm粉砕品55kgを撹拌しながら投入し、2時間かけて完全に溶解した(溶解工程(a))。
次いで、得られた溶液を槽底より抜き出し、目開き1mmの金網で粗ろ過し、シールテープやガムテープ等の不溶解物を除去した。次いで、150メッシュの金網でろ過し、砂等を除去し、最後に50μmのPP製キャンドルフィルター(日本ポール製)を用いて、微粒子をろ過した(分離工程(g))。
そして、得られたろ過液を0.5mm孔径の多孔板ノズルから25℃の水が入った槽の液面に連続フィードして、直径0.3mmのストランド析出物を得た(析出工程(b))。
このストランドを4mmスクリーンを有した回転刃式破砕機で破砕した(破砕工程(f))。
得られた破砕物を破砕物と同体積の60℃の水中に浸漬し、30分毎に水を入れ替える洗浄操作を10回行った(リンス工程(c))。
次いで、遠心脱水機((株)コクサン製:H−122)で2500rpm、15分間脱水した後、バッチ式流動乾燥機(不二パウダル(株)):MDD2000N型)で温風温度50℃、10時間乾燥させ、再生塩化ビニル樹脂固形物を得た(溶媒除去工程(d))。
ポリ塩化ビニル樹脂中の残存NMP及び水の分析はTHFで溶解し、その溶液を分析した。NMPはガスクロマトグラフィーにより、水の分析はカールフィッシャー試薬を用いた水分分析計で行った。ポリ塩化ビニル樹脂の濃度はNMPと水の濃度を差し引いた残りの部分として計算により求めた。得られたポリ塩化ビニル樹脂の回収率は98重量%、得られた回収ポリ塩化ビニル樹脂中の残存NMP量は0.1重量%であった。熱安定性については8インチ混練2本ロールにて180℃、20rpm、0.5mm、5分間混連して採取したシートを190℃のギアオーブンへ入れその黒化時間を測定した。色調については、前記ロール混練シートを5mmに積層し、180℃、10分、100kg/cmで熱プレスし、測色色差計(日本電色工業製:ZE―2000)でイエローインデックス(YI)を測定した。その結果を、比較例と共に表1に示す。
なお、良溶媒としてNMP、貧溶媒として水を用いたので、(δD1−δD2=0.67であり、(δP1−δP2=13.69となった。
[実施例2、比較例1〜3]
溶解温度と析出温度とリンス温度を変化させた以外は実施例1の操作に従った。結果を表1に示す。
[参考例]
実施例で用いた使用済みパイプの物性測定を表1に示す。
Figure 2007146045
この発明にかかるポリ塩化ビニル樹脂の回収方法についてのフロー図 この発明にかかるポリ塩化ビニル樹脂の回収方法についての具体的なプロセス図

Claims (5)

  1. 下記の(a)〜(c)の各工程からなり、かつ、この(a)〜(c)の各工程の温度を70℃以下に保つポリ塩化ビニル樹脂の回収方法。
    (a)廃ポリ塩化ビニル樹脂を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する良溶媒と接触させ、廃ポリ塩化ビニル樹脂中のポリ塩化ビニル樹脂を、この良溶媒で溶解してポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る溶解工程、
    (b)上記溶解工程(a)にて得られた上記ポリ塩化ビニル樹脂溶解液を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒を含む析出液と接触させることにより、ポリ塩化ビニル樹脂を析出させる析出工程、
    (c)上記析出工程(b)で析出させたポリ塩化ビニル樹脂を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する溶解性が低く、かつ上記溶解工程(a)における良溶媒を均一に溶解する抽出溶媒と接触させるリンス工程
  2. 良溶媒、貧溶媒及びポリ塩化ビニルの各分散力成分、極性成分、及び水素結合成分の関係が、下記式<1>を満たす請求項1に記載のポリ塩化ビニル樹脂の回収方法。
    P≦3.5 <1>
    (上記式中、Pは、下記式<2>を示す。
    Figure 2007146045
    また、上記式<2>中、δD1はハンセンの溶解パラメーターにおける良溶媒の分散力成分を、δD2はハンセンの溶解パラメーターにおけるポリ塩化ビニル樹脂の分散力成分を、及びδD3はハンセンの溶解パラメーターにおける貧溶媒の分散力成分を示す。さらに、δP1はハンセンの溶解パラメーターにおける良溶媒の極性成分を、δP2はハンセンの溶解パラメーターにおけるポリ塩化ビニル樹脂の極性成分を示す。さらにまた、δH1はハンセンの溶解パラメーターにおける良溶媒の水素結合成分を、δH2はハンセンの溶解パラメーターにおけるポリ塩化ビニル樹脂の水素結合成分を示す。)
  3. 上記リンス工程(c)の後に、下記溶媒再利用工程(e)を行う請求項1に記載のポリ塩化ビニル樹脂の回収方法。
    (e)析出工程(b)及び/又はリンス工程(c)から排出される良溶媒及び貧溶媒からなる析出液、若しくは抽出溶媒、又はこれらの混合液が、蒸留設備に導入され、分離精製された後、良溶媒を溶解工程(a)へ、貧溶媒を析出工程(b)へ、抽出溶媒をリンス工程(c)へ戻す溶媒再利用工程。
  4. 上記析出工程(b)とリンス工程(c)との間に、下記破砕工程(f)を行う請求項1乃至3のいずれかに記載のポリ塩化ビニル樹脂の回収方法。
    (f)析出工程(b)で得られた析出物を粉砕する破砕工程。
  5. 上記溶解工程(a)と析出工程(b)との間に、下記分離工程(g)を行う請求項1乃至4のいずれかに記載のポリ塩化ビニル樹脂の回収方法。
    (g)上記溶解工程(a)で得られたポリ塩化ビニル樹脂溶解液を固液分離装置にかけ、固形分を分離する分離工程。
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