JP2007284530A - ポリ塩化ビニル樹脂の回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率よくリンス工程を行い、得られる回収ポリ塩化ビニル樹脂に含まれる残存有機溶媒濃度を大幅に低減させ、十分な製品品質を得ることを目的とする。
【解決手段】溶解工程(a)、析出工程(b)、リンス工程(c)からなる廃ポリ塩化ビニル樹脂からのポリ塩化ビニル樹脂の回収方法であって、上記リンス工程(c)は、多段のリンス単位工程からなり、この多段のリンス単位工程を、前後に分け、後側のリンス単位工程群を、前側のリンス単位工程群より高温で行うことを特徴とするポリ塩化ビニル樹脂の回収方法を用いる。
【選択図】図1
【解決手段】溶解工程(a)、析出工程(b)、リンス工程(c)からなる廃ポリ塩化ビニル樹脂からのポリ塩化ビニル樹脂の回収方法であって、上記リンス工程(c)は、多段のリンス単位工程からなり、この多段のリンス単位工程を、前後に分け、後側のリンス単位工程群を、前側のリンス単位工程群より高温で行うことを特徴とするポリ塩化ビニル樹脂の回収方法を用いる。
【選択図】図1
Description
この発明は、廃ポリ塩化ビニル樹脂からポリ塩化ビニル樹脂を回収する方法に関する。
なお、この明細書において、「ポリ塩化ビニル樹脂」は、廃ポリ塩化ビニル樹脂由来で含有している可塑剤やその他添加物を含んだポリ塩化ビニル樹脂組成物を含む。
なお、この明細書において、「ポリ塩化ビニル樹脂」は、廃ポリ塩化ビニル樹脂由来で含有している可塑剤やその他添加物を含んだポリ塩化ビニル樹脂組成物を含む。
廃ポリ塩化ビニル樹脂を有機溶媒と接触させ、含まれるポリ塩化ビニル樹脂を溶解した後、貧溶媒と接触させてポリ塩化ビニル樹脂を析出回収するプロセスにおいて、回収したポリ塩化ビニル樹脂中の残存有機溶媒濃度を抽出除去により低減する方法が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1に開示されているプロセスは、析出回収したポリ塩化ビニル樹脂をリンス槽に送り、抽出除去する方法である。
しかしながら、リンス工程は、繰り返し多段で行うことにより、残存有機溶媒濃度を低減することができるが、従来の技術においても、まだ、十分な有機溶媒低減効果が得られず、製品品質が十分でない問題点や、経済性に問題があった。
そこで、この発明は、効率よくリンス工程を行い、得られる回収ポリ塩化ビニル樹脂に含まれる残存有機溶媒濃度を大幅に低減させ、十分な製品品質を得ることを目的とする。
この発明は、下記の(a)工程〜(c)工程からなる廃ポリ塩化ビニル樹脂からのポリ塩化ビニル樹脂の回収方法であって、上記リンス工程(c)は、複数のリンス単位工程を有する多段の工程であり、この複数のリンス単位工程を、前後に分け、後側のリンス単位工程群を、前側のリンス単位工程群より高温で行うことにより、上記の課題を解決したのである。
(a)工程…廃ポリ塩化ビニル樹脂をポリ塩化ビニル樹脂に対する良溶媒と接触させ、廃ポリ塩化ビニル樹脂中のポリ塩化ビニル樹脂を上記良溶媒で溶解してポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る溶解工程、
(b)工程…上記(a)工程にて得られたポリ塩化ビニル樹脂溶解液を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒を含む析出液と接触させることにより、ポリ塩化ビニル樹脂を析出させる析出工程、
(c)工程…上記(b)工程で析出させたポリ塩化ビニル樹脂を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する溶解性が低く、かつ(a)工程における良溶媒を均一に溶解する抽出溶剤と接触させるリンス工程。
(a)工程…廃ポリ塩化ビニル樹脂をポリ塩化ビニル樹脂に対する良溶媒と接触させ、廃ポリ塩化ビニル樹脂中のポリ塩化ビニル樹脂を上記良溶媒で溶解してポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る溶解工程、
(b)工程…上記(a)工程にて得られたポリ塩化ビニル樹脂溶解液を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒を含む析出液と接触させることにより、ポリ塩化ビニル樹脂を析出させる析出工程、
(c)工程…上記(b)工程で析出させたポリ塩化ビニル樹脂を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する溶解性が低く、かつ(a)工程における良溶媒を均一に溶解する抽出溶剤と接触させるリンス工程。
また、前側のリンス単位工程群で使用された後のリンス後溶液を、析出工程(b)に送って、析出液の一部として使用し、次いで、析出工程(b)で使用した後の析出液を蒸留により精製した後、この蒸留液と、後側のリンス単位工程群に使用される抽出溶剤とを熱交換し、前側のリンス単位工程群の抽出溶剤として使用してもよい。
この発明によると、(c)工程を構成する多段のリンス単位工程を、前後に分け、後側のリンス単位工程群を、前側のリンス単位工程群より高温で行われる。(b)工程で析出する回収ポリ塩化ビニル樹脂は、内部に細孔を有する構造を有し、この細孔壁は、比較的良溶媒の濃度が高い条件で、高温状態にさらされると、膨潤し、かつ、細孔を封ずる方向に変質する。このため、前側のリンス単位工程群の温度を低くすることにより、細孔内の良溶媒が封じ込まれるのを抑制し、抽出溶剤との置き換えが可能となる。また、前側のリンスを行った後、良溶媒が比較的低濃度の条件で、後側のリンス単位工程群の温度を高くするので、良溶媒の移動がより容易となり、良溶媒の除去が容易となる。
また、(c)工程全体を高温状態にしないので、回収されるポリ塩化ビニル樹脂の熱劣化を低減させ、品質劣化を抑制することができる。
さらに、前側のリンス単位工程群で使用された後のリンス後溶液を、析出工程(b)に送って、析出液の一部として使用し、次いで、析出工程(b)で使用した後の貧溶媒を蒸留により精製した後、この蒸留液と、後側のリンス単位工程群に使用される抽出溶剤とを熱交換し、前側のリンス単位工程群の抽出溶剤として使用することができる。また、蒸留後の缶出液は、溶解槽へ送られるが、その途中で後段のリンス単位工程で使用される抽出溶剤と熱交換し、溶解槽の良溶媒として使用することができる。これらから、貧溶媒の再利用が可能となると共に、熱回収も可能となり、廃液や廃熱を減少させ、また、経済的なメリットを得ることができる。
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかるポリ塩化ビニル樹脂の回収方法は、図1に示すように、溶解槽1における下記の溶解工程(a)(以下、「(a)工程」と称する。)、析出槽2における析出工程(b)(以下、「(b)工程」と称する。)、並びにリンス槽(前段群)3及びリンス槽(後段群)4からなるリンス工程(c)(以下、「(c)工程」と称する。)を必須工程として用いることにより、廃ポリ塩化ビニル樹脂からポリ塩化ビニル樹脂を回収する方法である。
この発明にかかるポリ塩化ビニル樹脂の回収方法は、図1に示すように、溶解槽1における下記の溶解工程(a)(以下、「(a)工程」と称する。)、析出槽2における析出工程(b)(以下、「(b)工程」と称する。)、並びにリンス槽(前段群)3及びリンス槽(後段群)4からなるリンス工程(c)(以下、「(c)工程」と称する。)を必須工程として用いることにより、廃ポリ塩化ビニル樹脂からポリ塩化ビニル樹脂を回収する方法である。
(a)工程…廃ポリ塩化ビニル樹脂をポリ塩化ビニル樹脂に対する良溶媒と接触させ、廃ポリ塩化ビニル樹脂中のポリ塩化ビニル樹脂を上記良溶媒で溶解してポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る溶解工程、
(b)工程…上記(a)工程にて得られたポリ塩化ビニル樹脂溶解液を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒を含む析出液と接触させることにより、ポリ塩化ビニル樹脂を析出させる析出工程、
(c)工程…上記(b)工程で析出させたポリ塩化ビニル樹脂を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する溶解性が低く、かつ(a)工程における良溶媒を均一に溶解する抽出溶剤と接触させるリンス工程。
(b)工程…上記(a)工程にて得られたポリ塩化ビニル樹脂溶解液を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒を含む析出液と接触させることにより、ポリ塩化ビニル樹脂を析出させる析出工程、
(c)工程…上記(b)工程で析出させたポリ塩化ビニル樹脂を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する溶解性が低く、かつ(a)工程における良溶媒を均一に溶解する抽出溶剤と接触させるリンス工程。
本発明におけるポリ塩化ビニルとは、塩化ビニル単独重合体及び、ポリ塩化ビニルを主体とする共重合体、混合体を含み、共重合成分や混合成分としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、オクチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、塩化ビニリデンなどのビニリデン化合物等が挙げられる。これらのうち好ましいものとしては、ポリ塩化ビニル単独重合体があげられる。
なお、本発明において「ポリ塩化ビニルを主成分とする」とは、重合体構成成分の50重量%以上のポリ塩化ビニルを含有することを意味する。
また、上記廃ポリ塩化ビニル樹脂とは、ポリ塩化ビニル樹脂を含有する使用済みの製品や、ポリ塩化ビニル樹脂製品の製造工程で発生する規格外品等であって、ポリ塩化ビニル樹脂の軟質や硬質を問わない。上記ポリ塩化ビニル樹脂を含有する使用済み製品としては、ポリ塩化ビニル樹脂の単体組成の製品、あるいは金属、セラミック、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン等との複合材等があげられ、より好ましくはポリ塩化ビニル樹脂の含有量が多い製品、たとえば、ポリ塩化ビニル樹脂製のパイプ管、パイプ継ぎ手、窓枠、電線、農ビ等があげられる。また、ポリ塩化ビニル樹脂製品の製造工程で発生する規格外品等としては、成形時不良品や、不要在庫、樹脂切断時の切り屑等があげられる。
なお、本発明において「ポリ塩化ビニル樹脂」とは、ポリ塩化ビニルと添加剤とからなる樹脂であって、添加剤としては、熱安定剤、滑剤、可塑剤等、廃ポリ塩化ビニル樹脂中に含有される添加剤等があげられる。
[(a)工程]
上記(a)工程は、廃ポリ塩化ビニル樹脂から、ポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る溶解工程である。
この工程において、まず、廃ポリ塩化ビニル樹脂を必要に応じて粉砕等し、ポリ塩化ビニル樹脂に対する良溶媒(以下、単に「良溶媒」と称する。)と接触させ、廃ポリ塩化ビニル樹脂中のポリ塩化ビニル樹脂を溶解させる。これにより、ポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る。
上記(a)工程は、廃ポリ塩化ビニル樹脂から、ポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る溶解工程である。
この工程において、まず、廃ポリ塩化ビニル樹脂を必要に応じて粉砕等し、ポリ塩化ビニル樹脂に対する良溶媒(以下、単に「良溶媒」と称する。)と接触させ、廃ポリ塩化ビニル樹脂中のポリ塩化ビニル樹脂を溶解させる。これにより、ポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る。
上記良溶媒とは、ポリ塩化ビニル樹脂を溶解する能力を有する溶媒をいう。
良溶媒をプロセス内で回収、精製し、リサイクル使用する際に、上記(b)工程あるいは(c)工程で用いられるポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒(ポリ塩化ビニル樹脂を溶解する能力の低い溶媒をいう。詳細は、後述する。以下、単に「貧溶媒」と称する。)が良溶媒中に混入する場合がある。この貧溶媒の良溶媒への混入はポリ塩化ビニル樹脂の溶解度を著しく下げるため、良溶媒を選定する際の基準として、ポリ塩化ビニル樹脂と良溶媒の相溶性と、もうひとつは良溶媒と貧溶媒の相溶性から選ぶことが好ましい。
良溶媒をプロセス内で回収、精製し、リサイクル使用する際に、上記(b)工程あるいは(c)工程で用いられるポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒(ポリ塩化ビニル樹脂を溶解する能力の低い溶媒をいう。詳細は、後述する。以下、単に「貧溶媒」と称する。)が良溶媒中に混入する場合がある。この貧溶媒の良溶媒への混入はポリ塩化ビニル樹脂の溶解度を著しく下げるため、良溶媒を選定する際の基準として、ポリ塩化ビニル樹脂と良溶媒の相溶性と、もうひとつは良溶媒と貧溶媒の相溶性から選ぶことが好ましい。
上記の相溶性の指標としては、ハンセンの溶解パラメーターを用いることができる。溶解パラメーターを説明するにあたり、Polymer Handbook 第3版, VII/519−544, J.Brandrup, E.H.Immergut Table3.3 HANSEN SOLUBILITY PARAMETERS OF LIQUIDS AT 25℃ 及び Table3.6HANSEN SOLUBILITY PARAMETERS OF POLYMERS を参照した。
本発明においては、ポリ塩化ビニル樹脂の回収のしやすさという観点から、良溶媒、貧溶媒及びポリ塩化ビニル樹脂の各分散力成分、極性成分、及び水素結合成分の関係が、下記式<1>を満たすことが好ましい。
P≦3.5 <1>
P≦3.5 <1>
(上記式中、Pは、下記式<2>を示す。
また、上記式<2>中、δD1はハンセンの溶解パラメーターにおける良溶媒の分散力成分を、δD2はハンセンの溶解パラメーターにおけるポリ塩化ビニル樹脂の分散力成分を、及びδD3はハンセンの溶解パラメーターにおける貧溶媒の分散力成分を示す。さらに、δP1はハンセンの溶解パラメーターにおける良溶媒の極性成分を、δP2はハンセンの溶解パラメーターにおけるポリ塩化ビニル樹脂の極性成分を示す。さらにまた、δH1はハンセンの溶解パラメーターにおける良溶媒の水素結合成分を、δH2はハンセンの溶解パラメーターにおけるポリ塩化ビニル樹脂の水素結合成分を示す。)
なお、ポリ塩化ビニル樹脂は、δD2=18.82[(MPa)1/2],δP2=10.03[(MPa)1/2]を値として用いた。
ポリ塩化ビニル樹脂および良溶媒のそれぞれのハンセンの溶解パラメーターの分散力成分δDの差を2乗した値が10より小さくなるように良溶媒を選ぶことが好ましい。一方、良溶媒に貧溶媒が混入しても良溶媒としての機能を発現するように行いたいが、貧溶媒と良溶媒との関係において、ハンセンの溶解パラメーターの極性成分δPの差を2乗した値が60より小さくなるように良溶媒と貧溶媒を選ぶことが好ましい。より好ましくは良溶媒と貧溶媒のハンセンの溶解パラメーターの極性成分δPの差を2乗した値が50より小さくなるような良溶媒を選ぶことで、良溶媒をリサイクル使用する場合に不可避的に起こる貧溶媒の混入に対して、ポリ塩化ビニル樹脂の溶解力の低下を比較的起こしにくくすることができ、溶媒のリサイクルを前提に考える工業化プロセスにおいて有効な溶媒選定の手段となる。
上記貧溶媒としては、低級アルコールや水を適用できるが、工業的には水が好ましい。特に貧溶媒に水を用いた場合に、上記の2つの条件を同時に満たす良溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン(以下、「NMP」と称する。)(0.67,13.69)、ガンマブチロラクトン(以下「GBL」と略する)(0.03、0.36)、メチルエチルケトン(以下「MEK」と略する)(7.95,49)、2−ピロリドン(0.34,1.96)等があげられ、これらの混合溶媒であっても良い。特に溶解度が高いNMPが好ましい。なお、上記各具体例のかっこ内の数値は、(δD1−δD2)2、(δp1−δp2)2を表す。
上記(a)工程の温度条件は、室温以上70℃以下が好ましく、より好ましくは30℃〜60℃である。70℃以上は、熱劣化が顕著になるので好ましくない。室温未満では、溶解速度に悪影響があり、また10℃以下は冷却設備が必要となり経済的に不利であるため、意図的に低温にするメリットは無く、通常、室温以上で行うことが好ましい。
廃ポリ塩化ビニル樹脂と良溶媒との接触時間は、上記の温度範囲でも、8時間以内が好ましく、より好ましくは2時間以内である。一方、溶解時間を短縮する目的で、必要に応じて廃ポリ塩化ビニル樹脂原料を予め細粉砕することもできる。破砕のサイズは小さいほうが好ましいが、通常、経済性から0.5cm以上5cm以下で行うことが好ましく、より好ましくは、1cm以上3cm以下である。
廃ポリ塩化ビニル樹脂中のポリ塩化ビニル樹脂を良溶媒に溶解してポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る際において、溶解液中のポリ塩化ビニル樹脂の濃度は、所定の液温度で、遠心ポンプ、ギヤポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ、モーノポンプなどで送液できる粘度、具体的には、好ましくは2000cP以下、より好ましくは1000cP以下となるようにポリ塩化ビニル樹脂濃度を調整することが好ましい。ポリ塩化ビニル樹脂の種類によって同濃度でも粘度は異なるが、本発明においては、ポリ塩化ビニル樹脂溶解液の濃度は、通常、1重量%以上30重量%以下が好ましい粘度範囲として適用可能であり、好ましくは、10重量%以上25重量%以下である。また、溶解工程での熱劣化を抑制するために、必要に応じてで良いが、熱安定剤を溶解液に追加することができる。
[(b)工程]
上記(b)工程は、上記(a)工程で得られたポリ塩化ビニル樹脂溶解液を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒を含む析出液と接触させることにより、ポリ塩化ビニル樹脂を析出させ、析出物を得る析出工程である。この析出液とは、貧溶媒、又は良溶媒と貧溶媒の混合溶液をいう。
上記(b)工程は、上記(a)工程で得られたポリ塩化ビニル樹脂溶解液を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒を含む析出液と接触させることにより、ポリ塩化ビニル樹脂を析出させ、析出物を得る析出工程である。この析出液とは、貧溶媒、又は良溶媒と貧溶媒の混合溶液をいう。
上記貧溶媒とは、ポリ塩化ビニル樹脂を溶解する能力を有さない、あるいは実質的に有さないものであり、具体的には、溶媒100gに対して、ポリ塩化ビニル樹脂の溶解量が1g以下である溶媒である。また、良溶媒と均一に溶解する溶媒から選ばれる。このような貧溶媒の例としては、水、あるいはメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールがあげられ、好ましくは水である。
また、上記析出液としては、析出液中の良溶媒の濃度は低いほうが好ましいが、抽出溶剤の用が多すぎると、経済性が悪いため、ある程度の良溶媒濃度で行うことが好ましい。具体的には、良溶媒濃度が90重量%以下、好ましくは60重量%以下であれば、ポリ塩化ビニル樹脂溶解液からポリ塩化ビニル樹脂はほぼ全量析出できる。良溶媒濃度が90重量%より多いと、ポリ塩化ビニル樹脂の回収率が不十分となる傾向があり、さらに、60重量%より多いと、析出液中の良溶媒の量が高くなり、後述する(c)工程での良溶媒の除去効率が悪化する傾向がある。
上記(b)工程において得られる析出物の形状は、析出方法によって、種々の形状とすることができ、例えば、シート状、フィルム状、ストランド状、粒子状、粉状等をあげることができる。この析出物の好ましい形状は、薄く、細く、小さい形状である。これにより固化時間を早めることができ、かつ、続く(c)工程で実施される析出物中からの良溶媒の抽出除去の効率を良好なものにすることができる。
接触させる際のポリ塩化ビニル樹脂溶解液と析出液との量比については、析出物が完全に固化するまでの時間析出液に接触していれば良い。したがって例えば、少量の析出液と接触させるなら二重円筒管で、大量なら水槽に張られた析出液にポリ塩化ビニル樹脂溶解液を導入すればよい。さらに具体的に例示すると、析出槽の析出液面上方に配されたノズルからポリ塩化ビニル樹脂溶解液を吐出し析出液と接触させることができる。
上記ノズルは、例えば、一流体あるいは二流体スプレーノズル、アトマイザー(回転ディスク式)、単管、二重管、多孔板ノズルなどを種々用いることができる。好ましくは、二流体スプレーノズルと多孔板ノズルである。二流体スプレーノズルは、窒素や蒸気などのガスで溶解液を噴霧造粒でき、多孔板ノズルは細いストランドで析出物を得ることができる。このようにして製造された析出物の形状が粒子、粉体あるいはストランドであればその直径がシートやフィルムであれば、その厚みは、0.1mm以上2mm以下となるようにすることが好ましく、より好ましくは0.1mm以上0.5mm以下である。0.1mm以下では、製造自体が特殊な設備が必要となり、2mm以上では、析出物中心部までの固化に時間がかかり、生産性が低下する。
上記(b)工程の析出液の温度は、10℃以上70℃以下が好ましく、より好ましくは20℃以上60℃以下、更に好ましくは室温である。10℃より低いと、冷却装置が必要となり経済的に不利であり、70℃より高いと、リンス効率の低下、樹脂の熱劣化が起こりやすくなる。
[(c)工程]
上記(c)工程は、上記(b)工程で析出させたポリ塩化ビニル樹脂を抽出溶剤と接触させて、上記析出物中の良溶媒を抽出溶剤に抽出させることで、上記析出物中の良溶媒の含有量を低減する工程である。
上記(c)工程は、上記(b)工程で析出させたポリ塩化ビニル樹脂を抽出溶剤と接触させて、上記析出物中の良溶媒を抽出溶剤に抽出させることで、上記析出物中の良溶媒の含有量を低減する工程である。
上記抽出溶剤としては、上記(a)工程における良溶媒と均一に溶解し、かつ、ポリ塩化ビニル樹脂に対して溶解性の低い溶媒が挙げられる。このような溶媒としては、水あるいはメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールがあげられる。溶媒の精製回収系を複雑にしないためには、析出工程で用いた貧溶媒と同じ溶媒を抽出溶剤として用いることが好ましい。なお、図1の図は、貧溶媒と抽出溶剤とを同一のものを用いた場合の例を示したものである。
上記(b)工程で得られた析出物を抽出溶剤と接触させる方法としては、攪拌機つきの槽で析出物を流動させても良いし、槽に析出物を導入して流動させない浸漬方法を用いても良い。通常は、リンス槽内の析出物は流動する必要はなく、浸漬法で行うことができる。従ってリンス装置は、析出物を充填したカラム槽となる。カラム槽での析出物のディメンジョンは高さ/直径の比が0.3〜5であり、好ましくは0.5〜3である。析出物と接触させる抽出溶剤の容量比に制限はなく、少量で外部循環して析出物と接触させても良いし、十分に多量の抽出溶剤中に浸漬させることもできる。
この(c)工程は、多段のリンスを行ため、複数の単位工程(以下、「リンス単位工程」と称する。)を有する工程である。そして、繰り返し、リンスを行うことにより、析出物中の良溶媒濃度を所望の濃度まで低減させることができる。抽出溶剤の使用量を削減するためには、抽出溶剤は向流式で接触させることが好ましい。また、この(c)工程で使用した後のリンス液の一部は、(b)の析出工程の析出液として用いることもできる。
上記リンス単位工程の数、すなわち、(c)工程の段数は、3〜10段がよく、4〜8段が好ましい。3段より少ないと、十分なリンス効果が得られないおそれがある。一方、10段より多くてもよいが、十分な費用対効果が得られない傾向がある。
この複数のリンス単位工程は、前後の2つの群に分けることができ、後側のリンス単位工程群(以下、「後リンス単位工程群」と称する。)の温度を、前側のリンス単位工程群(以下、「前リンス単位工程群」と称する。)の温度より高温とすることが好ましい。上記(b)工程で析出する回収ポリ塩化ビニル樹脂は、内部に細孔を有する構造を有し、この細孔壁は、高温状態にさらされると、膨潤し、かつ、細孔を封ずる方向に変質する。このため、前リンス単位工程群の温度を低くすることにより、細孔内の良溶媒が封じ込まれるのを抑制し、抽出溶剤との置き換えが可能となるからである。また、後リンス単位工程群の温度を高くすると、良溶媒と貧溶媒の分離がより容易となり、良溶媒の除去が容易となるからである。
具体的には、上記前リンス単位工程群で使用される抽出溶剤の温度を、5〜70℃とするのが好ましく、10〜30℃とするのがより好ましい。また、上記後リンス単位工程群で使用される抽出溶剤の温度を、70〜95℃とするのが好ましく、90〜95℃とするのがより好ましい。これらの温度条件を満たすことにより、上記のとおり、良溶媒の回収ポリ塩化ビニル樹脂からの分離がより容易となる。
前リンス単位工程群で使用される抽出溶剤の温度が5℃以下でもよいが、冷蔵機や冷凍機を用いる必要が出てくるので、効率的でない。一方、70℃を超えると、析出したポリ塩化ビニル樹脂の細孔壁の発達が生じ、細孔内の良溶媒の排出が困難となる傾向がある。また、後リンス単位工程群で使用される抽出溶剤の温度が70℃より低いと、良溶媒と貧溶媒の分離が不十分となる場合があり、95℃を超えると、回収されるポリ塩化ビニル樹脂の熱劣化、着色等の問題を生じることがある。
なお、図1においては、前リンス単位工程群を行うところとして、リンス槽(前段群)3と、まとめて1つの槽のように記載し、また、後リンス単位工程群を行うところとして、リンス槽(後段群)4と、まとめて1つの槽のように記載した。これは、図を簡略化するために、まとめたものであり、リンス槽(前段群)3も、リンス槽(後段群)4も、いずれも所定数の単位工程を有するものである。
ところで、上記前リンス単位工程群における単位工程の段数と、上記後リンス単位工程群における単位工程の段数は、(c)工程に供与されるポリ塩化ビニル樹脂に含まれる良溶媒の量によって調整することができる。すなわち、(c)工程に供与されるポリ塩化ビニル樹脂に含まれる良溶媒の量が、ポリ塩化ビニル樹脂に対して、1.5重量%より多い場合、この良溶媒量が1.5重量%以下となるのに必要な段数を上記前リンス単位工程群内に設けることが好ましい。言い換えれば、上記の後リンス単位工程群に送られる上記ポリ塩化ビニル樹脂に含まれる上記良溶媒の量は、上記ポリ塩化ビニル樹脂に対して、1.5重量%以下であることが好ましい。1.5重量%より多いと、析出したポリ塩化ビニル樹脂の細孔壁の変質が生じるため、リンス効果が低減するからである。
上記前リンス単位工程群における単位工程の段数は、上記の条件を満たせば、特に限定されないが、具体的には、3〜4段が好ましい。3段未満だと、上記の後リンス単位工程群に送られる上記ポリ塩化ビニル樹脂に含まれる上記良溶媒の量が、上記ポリ塩化ビニル樹脂に対して1重量%以下とならないことが生じやすい。また、4段より多くてもよいが、十分な費用対効果が得られない場合がある。
上記の貧溶媒と抽出溶剤として、同一のものを用いた場合、上記前リンス単位工程群で使用された後のリンス後溶液は、図1に示すように、(b)工程に送られ、上記析出液の一部として使用される。次いで、上記(b)工程で使用された後の析出液を蒸留塔5に送って、蒸留により精製した後、蒸留され、貧溶媒を主とする蒸留液を得ることができる。この蒸留液中には、微量又は少量の良溶媒を含有するため、上記後リンス単位工程群の抽出溶剤として使用すると、製品となる回収ポリビニルアルコールに良溶媒を付加させるおそれがある。このため、この蒸留液は、上記の前リンス単位工程群の抽出溶剤として使用することが好ましい。
ただ、上記蒸留液は、高温状態なので、図1に示すように、この蒸留液と、上記の後リンス単位工程群に使用される抽出溶剤7とを、熱交換器6で熱交換し、上記蒸留液を、上記前リンス単位工程群で使用される抽出溶剤の温度範囲に冷却すると共に、上記後側のリンス単位工程群で使用される抽出溶剤7を、上記後リンス単位工程群で使用される抽出溶剤の温度範囲に加熱することが好ましい。これにより、蒸留液が有する熱量を有効に活用することができる。
なお、上記熱交換器6で冷却した蒸留液の温度が、上記前リンス単位工程群で使用される抽出溶剤の温度範囲まで冷却できていない場合がある。この場合は、新たに抽出溶剤8を混合し、上記温度範囲内に調整してもよい。また、蒸留液に含まれる良溶媒の量が多量の場合、上記前リンス単位工程群で使用すると、好ましくない場合がある。このような場合は、上記抽出溶剤8を混合し、良溶媒濃度を調整することが好ましい。
ところで、上記良溶媒がNMPの場合、上記蒸留液中の濃度は、5000ppm以下が好ましい。また、上記蒸留液中のNMPは、2000ppm以上含有する場合が多い。
また、上記熱交換器6で加熱された抽出溶剤7の温度が、上記後リンス単位工程群で使用される抽出溶剤の温度範囲まで加熱できていない場合がある。この場合は、熱交換器9で再度加熱して、上記した所定の温度範囲内とし、後リンス単位工程群に使用することが好ましい。
さらに、上記蒸留塔5の缶出液は、溶解槽1に送られて再利用されるが、この缶出液は、高温状態なので、熱交換器10で抽出溶剤7と熱交換することにより、抽出溶剤7を加熱することができる。この加熱された抽出溶剤7は、後段のリンス槽4に送って、後リンス単位工程群で使用することが可能となる。
ところで、貧溶媒が水あるいは低級アルコールであり,良溶媒がNMP(bp:204℃)の場合は、蒸留塔5は1つの塔で容易に分離可能である。すなわち、貧溶媒と良溶媒とを99.5%以上99.8%以下のそれぞれの純度で回収することができる。このときの、還留比は、0.5〜0.1で可能である。また、圧力は、常圧〜30kPaで行うことができる。さらに、温度は、1つの塔の場合で、塔底温度で150℃〜180℃である。蒸留フィード組成は、通常、良溶媒/貧溶媒(重量比)=70/30〜30/70で可能であるが、60/40〜40/60が好ましい。コスト削減のためには蒸留塔フィードを余熱することも可能である。
この発明にかかるポリ塩化ビニル樹脂の回収方法により得られる回収ポリ塩化ビニル樹脂に含まれる上記良溶媒の含有量は、回収ポリ塩化ビニル樹脂全体に対し、300ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましい。300ppmより多いと、製品の溶出試験を行うと、製品使用条件外の過酷な条件では、良溶媒が検出(検出限界:0.1ppm)されることがあるからである。
以下実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
廃パイプの粉砕物250重量部を、NMP1000重量部に50℃、3時間で溶解した((a)工程(溶解工程))。
次に、1250重量部の溶解液を17%のNMP濃度の析出液1510重量部と接触させ0.3mm径のストランドで析出させた((b)工程(析出工程))。
次いで、ストランド状析出物と析出液を分離し、析出物を0.5mmに微破砕した。破砕した析出物753重量部を表1の如くNMP濃度を調製した水で25℃で10分間浸漬させ順次リンスした。リンス4回目は、蒸留回収した水(NMP濃度0.332%)1510重量部を用いてリンスした。各回のリンス後の析出物は少量サンプリングし、NMP濃度を分析した。表中の析出物中NMP濃度は、ポリ塩化ビニル樹脂(以下、「PVC」と称する。)を100%としたときのパーセントである。
5回目から8回目のリンスは、毎回新たな95℃に加熱した熱水で、10分間浸漬リンスした。その結果、PVC中に残るNMP濃度は0.19%となった。
廃パイプの粉砕物250重量部を、NMP1000重量部に50℃、3時間で溶解した((a)工程(溶解工程))。
次に、1250重量部の溶解液を17%のNMP濃度の析出液1510重量部と接触させ0.3mm径のストランドで析出させた((b)工程(析出工程))。
次いで、ストランド状析出物と析出液を分離し、析出物を0.5mmに微破砕した。破砕した析出物753重量部を表1の如くNMP濃度を調製した水で25℃で10分間浸漬させ順次リンスした。リンス4回目は、蒸留回収した水(NMP濃度0.332%)1510重量部を用いてリンスした。各回のリンス後の析出物は少量サンプリングし、NMP濃度を分析した。表中の析出物中NMP濃度は、ポリ塩化ビニル樹脂(以下、「PVC」と称する。)を100%としたときのパーセントである。
5回目から8回目のリンスは、毎回新たな95℃に加熱した熱水で、10分間浸漬リンスした。その結果、PVC中に残るNMP濃度は0.19%となった。
なお、NMP濃度の測定方法は、下記の通りである。
[NMP濃度の測定方法]
測定対象の析出物試料を1g秤量し、脱水されたテトラヒドロフラン(THF)20gに溶解する。得られた溶解液をガスクロマトグラフィーで良溶媒濃度(a%)を分析し、カールフィッシャー水分測定器で水濃度(b%)を分析する。析出物重量から分析値で求めたNMPと水の量を差し引いた重量をPVC重量とした。厳密には、熱安定剤、可塑剤、滑剤、フィラーなどの添加剤を含有したコンパウンドであるが、これをPVC100%としたときのNMPの量を残存濃度とする。
NMP濃度(%)=(21×a/100×100)/(1−21×a/100−21×b/100)
[NMP濃度の測定方法]
測定対象の析出物試料を1g秤量し、脱水されたテトラヒドロフラン(THF)20gに溶解する。得られた溶解液をガスクロマトグラフィーで良溶媒濃度(a%)を分析し、カールフィッシャー水分測定器で水濃度(b%)を分析する。析出物重量から分析値で求めたNMPと水の量を差し引いた重量をPVC重量とした。厳密には、熱安定剤、可塑剤、滑剤、フィラーなどの添加剤を含有したコンパウンドであるが、これをPVC100%としたときのNMPの量を残存濃度とする。
NMP濃度(%)=(21×a/100×100)/(1−21×a/100−21×b/100)
なお、析出槽ではリンスを行っていないが、析出は、PVCを水と接触させて行うので、析出した固形分から液中へのNMP移動は生じている。このため、表1においては、このNMP移動をリンスとみたてて、リンス前後のNMP濃度を記載した。
1 溶解槽
2 析出槽
3 リンス槽(前段群)
4 リンス槽(後段群)
5 蒸留塔
6 熱交換器
7 抽出溶剤
8 抽出溶剤
9 熱交換器
10 熱交換器
2 析出槽
3 リンス槽(前段群)
4 リンス槽(後段群)
5 蒸留塔
6 熱交換器
7 抽出溶剤
8 抽出溶剤
9 熱交換器
10 熱交換器
Claims (5)
- 廃ポリ塩化ビニル樹脂をポリ塩化ビニル樹脂に対する良溶媒と接触させ、廃ポリ塩化ビニル樹脂中のポリ塩化ビニル樹脂を上記良溶媒で溶解してポリ塩化ビニル樹脂溶解液を得る溶解工程(a)、
上記溶解工程(a)にて得られたポリ塩化ビニル樹脂溶解液を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する貧溶媒を含む析出液と接触させることにより、ポリ塩化ビニル樹脂を析出させる析出工程(b)、
上記析出工程(b)で析出させたポリ塩化ビニル樹脂を、ポリ塩化ビニル樹脂に対する溶解性が低く、かつ溶解工程(a)における良溶媒を均一に溶解する抽出溶剤と接触させるリンス工程(c)、
からなる廃ポリ塩化ビニル樹脂からのポリ塩化ビニル樹脂の回収方法であって、
上記リンス工程(c)は、複数のリンス単位工程を有する多段の工程であり、この複数のリンス単位工程を、前後に分け、後側のリンス単位工程群を、前側のリンス単位工程群より高温で行うことを特徴とするポリ塩化ビニル樹脂の回収方法。 - 上記の後側のリンス単位工程群に送られる上記ポリ塩化ビニル樹脂に含まれる上記良溶媒の量が、上記ポリ塩化ビニル樹脂に対して、1.5重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリ塩化ビニル樹脂の回収方法。
- 上記の前側のリンス単位工程群で使用される抽出溶剤の温度が5〜70℃であり、上記の後側のリンス単位工程群で使用される抽出溶剤の温度が70〜95℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリ塩化ビニル樹脂の回収方法。
- 上記の前側のリンス単位工程群で使用された後のリンス後溶液を、析出工程(b)に送って、上記析出液の一部として使用し、次いで、上記析出工程(b)で使用した後の析出液を蒸留により精製した後、この蒸留液を、上記の前側のリンス単位工程群の抽出溶剤として使用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のポリ塩化ビニル樹脂の回収方法。
- 上記蒸留液と、上記の後側のリンス単位工程群に使用される抽出溶剤とで熱交換を行い、上記蒸留液を冷却すると共に、上記後側のリンス単位工程群で使用される抽出溶剤を加熱することを特徴とする請求項4に記載のポリ塩化ビニル樹脂の回収方法。
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JP2014514523A (ja) * | 2011-03-15 | 2014-06-19 | ティッセンクルップ・ウーデ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 湿潤ポリマー粉体を乾燥させるための方法及び当該方法に適した装置 |
WO2023033605A1 (ko) * | 2021-09-03 | 2023-03-09 | 주식회사 엘지화학 | 폴리염화비닐 추출용 용매의 스크리닝 방법, 폐기물의 재활용하는 방법, 재활용된 폴리염화비닐 및 조성물 |
-
2006
- 2006-04-14 JP JP2006112266A patent/JP2007284530A/ja active Pending
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WO2023033605A1 (ko) * | 2021-09-03 | 2023-03-09 | 주식회사 엘지화학 | 폴리염화비닐 추출용 용매의 스크리닝 방법, 폐기물의 재활용하는 방법, 재활용된 폴리염화비닐 및 조성물 |
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