JP2006037084A - 塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法 - Google Patents
塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006037084A JP2006037084A JP2005181330A JP2005181330A JP2006037084A JP 2006037084 A JP2006037084 A JP 2006037084A JP 2005181330 A JP2005181330 A JP 2005181330A JP 2005181330 A JP2005181330 A JP 2005181330A JP 2006037084 A JP2006037084 A JP 2006037084A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- waste
- dichloromethane
- pvc
- vinyl chloride
- chloride polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/62—Plastics recycling; Rubber recycling
Landscapes
- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
Abstract
【解決手段】塩化ビニル重合体含有廃棄物からなるPVC廃棄物をジクロロメタンに浸した後、流動若しくは振動させ前記PVC廃棄物の洗浄物を得る洗浄工程を備える。
【選択図】なし
Description
廃棄されたポリ塩化ビニル樹脂製農業用フィルムの内、約48%程度は再生処理されているが、36%強は埋め立て処理や焼却処理されているのが現状である。
また、塩化ビニル重合体含有廃棄物(PVC廃棄物)の再生処理に関する従来の技術としては、(特許文献1)に「塩化ビニルポリマーにポリ塩化ビニル樹脂の良溶剤(メチルエチルケトン,テトラヒドロフラン等)に溶解させ、この溶液にスチームを注入して塩化ビニルポリマーを沈殿させるリサイクル方法」が開示されている。
(特許文献2)に「破砕した塩ビポリマーを主体とする廃プラスチックを、テトラヒドロフランを主体とする溶液に溶解して、このポリマー溶液が低粘度のうちにポリマー溶液から砂等の異物を除去した後、ポリマー溶液を発泡状態で予熱した後にするマテリアルリサイクル法」が開示されている。
(1)廃棄フィルムは、砂埃や油・農薬等によって汚れているため、これらを除去しなければ純度の高いポリ塩化ビニル樹脂に再生できないので、従来の技術では複数の洗浄工程が必要になり、工程が煩雑で処理工数を要するという課題を有していた。
(2)水等による洗浄を繰り返すので、乾燥工程が必要になり乾燥時間が長くなり、再生処理の生産性に欠けるという課題を有していた。
(3)廃棄フィルムは、大きな圧力を加えて圧縮しない限り嵩張るため、再生処理装置に一度に投入できる量が少なく処理効率が低いという課題を有していた。嵩を小さくするため、廃棄フィルムを折畳んだ状態、重ねた状態、圧縮した状態では、折畳まれた箇所や大小の皺の内側等に汚れや砂埃を抱え込んだままになり洗浄ができないからである。
(4)廃棄フィルムを切断することで、折畳まれた箇所や大小の皺等を少なくでき洗浄効果を高めることはできるが、切断された廃棄フィルムが大きい場合は、皺等ができ易いため、洗浄効果が低下するという課題を有していた。そのため、洗浄工程前に細かく切断しなければならず、切断のために多大な工数を要するという課題を有していた。
(5)(特許文献1)、(特許文献2)に開示の技術では、PVC廃棄物をポリ塩化ビニル樹脂の良溶剤に溶解させてポリマー溶液を製造すると、溶解量の増大とともにポリマー溶液の粘度が上昇する。このため、ポリマー溶液中に含まれる砂等の異物を取り除くのが困難になり、また撹拌も次第に困難になるためPVC廃棄物の溶解量が制限され、処理効率が低下するという課題を有していた。
(6)そのため、(特許文献2)に開示の技術では、ポリマー溶液が低粘度のうちに砂等の異物を取り除かなければならず、ポリマー溶液の粘度管理等の工程管理が煩雑になるという課題を有していた。
(7)(特許文献1)に開示の技術では、PVC廃棄物を溶解したポリマー溶液中にスチームを注入しなければならず、工程が煩雑になるという課題を有していた。
(8)PVC廃棄物を溶解したポリマー溶液中にスチームを注入すると、メチルエチルケトン等の有機溶剤と水との混合溶液が回収される。有機溶剤を再利用するために蒸留等の手段で分離する場合、有機溶剤と水の沸点が近い場合は共沸するため分離が極めて困難になるという課題を有していた。そのため(特許文献1)では、分離剤を使って有機溶剤と水とを分離する必要や分離剤の処理も必要になり、工程が極めて煩雑になるという課題を有していた。
本発明の請求項1に記載の塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法は、塩化ビニル重合体含有廃棄物からなるPVC廃棄物をジクロロメタンに浸した後、流動若しくは振動させ前記PVC廃棄物の洗浄物を得る洗浄工程を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)PVC廃棄物中のポリ塩化ビニル樹脂とジクロロメタンは相溶性がよいので、PVC廃棄物から可塑剤等がジクロロメタン中に抽出されるとともに、ジクロロメタンがポリ塩化ビニル樹脂中に速やかに浸透し軟化させるので、PVC廃棄物の折畳まれた箇所や皺等が伸び、皺等の間に入り込んだり付着したりしている砂埃や油等をPVC廃棄物から除去させ、PVC廃棄物に付着した砂埃や無機物等の不溶分を沈殿させることができる。
(2)PVC廃棄物とジクロロメタンとを流動させたり振動を加えたりすることで浸透性が高まり、PVC廃棄物が軟化して、嵩張っていたPVC廃棄物の見掛けの体積が減少するので、処理槽内に一度に投入できるPVC廃棄物の量を増やすことができ再生処理効率を高めることができる。
(3)PVC廃棄物とジクロロメタンとを激しく流動させることで、洗浄物を流動の剪断力によって粉砕でき、さらにPVC廃棄物の体積を減少させることができ再生処理効率を高めることができるとともに、粉砕した洗浄物の隅々まで洗浄することができる。
(4)PVC廃棄物のポリ塩化ビニル樹脂の一部及び可塑剤等のジクロロメタン可溶分がジクロロメタンに溶出してもジクロロメタンの粘性は低く維持できるので、PVC廃棄物に付着した砂埃や配合された無機物等がジクロロメタンに容易に沈殿し、洗浄物と容易に分離できる。
PVC廃棄物とジクロロメタンとを振動させる手段としては、超音波等を発振させて振動させるもの等が用いられる。
また、ジクロロメタンに代えて、例えば1−プロパノール等の貧溶剤を使用した場合は、PVC廃棄物を軟化させることができず、流動や振動を与えてもPVC廃棄物を処理槽に投入したときの折畳まれた箇所や皺等の形がそのまま残るため、それらに入り込んだ汚れや砂埃を完全に除去できないことがわかった。
なお、ジクロロメタンに、1−プロパノール等の貧溶剤が混合したものを用いることはできるが、ジクロロメタンに対して貧溶剤の混合量を10重量%以下にするのが好ましい。PVC廃棄物を軟化させる効果が低下するからである。
このような貧溶剤としては、メタノール,エタノール,1−プロパノール,2−プロパノール,1−ブタノール,2−ブタノール,アセトニトリル,エチレングリコール,グリセリン,プロピレングリコール等が挙げられる。これらの貧溶剤は、ポリ塩化ビニル樹脂の溶解度が低く、かつ沸点がジクロロメタンよりも10〜20℃以上高いので、PVC廃棄物を洗浄し分離した後、その分離液を分留してジクロロメタンを再利用できるからである。なかでも、炭素数が3〜4のアルコール類が好適に用いられる。ジクロロメタンと沸点の差が大きいので、分留操作が容易だからである。
また、PVC廃棄物は、処理槽に入る程度の大きさに切断してあればよい。PVC廃棄物とジクロロメタンを流動させたり振動を加えたりすることで、嵩張っていたPVC廃棄物の見掛けの体積が1/6〜1/2程度に減少するからである。なお、小さく粗切断してもよい。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)アルコール等の貧溶剤にPVC廃棄物を浸漬しても軟化しないが、ジクロロメタンにPVC廃棄物を浸漬すると軟化するので、PVC廃棄物とジクロロメタンを撹拌することで可塑剤等をジクロロメタンに抽出した洗浄物を粉砕させることができる。
(2)洗浄物を粉砕するので、さらにジクロロメタン中のPVC廃棄物や洗浄物の体積を減少させることができ再生処理効率を高めることができるとともに、粉砕した洗浄物の隅々まで洗浄でき洗浄効率も高めることができる。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)PVC廃棄物に対し十分な量のジクロロメタンがあるため、PVC廃棄物とジクロロメタンの流動若しくは振動をスムーズに行うことができ、PVC廃棄物の隅々にまでジクロロメタンを行き渡らせPVC廃棄物の汚れや砂埃等を除去することができる。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ジクロロメタンの液温が10〜45℃の範囲で流動若しくは振動させるので、低い温度でPVC廃棄物へジクロロメタンを浸透させ軟化させることができ省エネルギー性に優れる。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)分離工程を備えているので、洗浄物や粉砕物とジクロロメタン中に沈殿した汚れや砂埃等とを分離させ、洗浄物や粉砕物を得ることができ作業性に優れる。
スクリーンや篩を用いた場合、その目開きは1〜5mm好ましくは2〜5が好適に用いられる。目開きが2mmより小さくなるにつれ砂等が通過し難く、また目詰まりすることもあり分離工程の作業性が低下する傾向がみられ、1mmより小さくなるとこの傾向が著しくなるため好ましくない。5mmより大きくなると、粉砕物も砂等と一緒に通過してしまう傾向がみられるため好ましくない。
この構成により、請求項5で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)分離工程においてジクロロメタンにポリ塩化ビニル樹脂の貧溶剤を添加するので、ジクロロメタンの粘性を低下させることができ分離作業を短時間で行うことができる。
(2)洗浄物や粉砕物を分離した残りの分離液には、PVC廃棄物から一部溶出したポリ塩化ビニル樹脂が含まれているので、ポリ塩化ビニル樹脂の貧溶剤を添加することで、溶出していたポリ塩化ビニル樹脂を粒状や綿状に析出させ沈降させることができ、分離液中に溶出していたポリ塩化ビニル樹脂も回収し再生させることができる。
分離用の貧溶剤の添加量としては、ジクロロメタンへのPVC廃棄物の浸漬量にもよるが、ジクロロメタン100重量部に対して10〜35重量部好ましくは15〜25重量部が好適である。15重量部より少なくなるにつれ、ジクロロメタンと、ジクロロメタンが浸透して膨潤した洗浄物や粉砕物とが分離し難く、分離工程における分離作業性が低下する傾向がみられ、25重量部より多くなってもジクロロメタンの粘性の低下に大きな影響はなく貧溶剤の量が増えるだけランニングコストが増加する傾向がみられる。特に、10重量部より少なくなるか、35重量部より多くなると、これらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ポリ塩化ビニル樹脂製廃棄農業用フィルム若しくはシートは嵩張るため、再生処理装置に一度に投入できる量が少なく処理効率が低かったが、ジクロロメタン中で軟化され体積が小さくなり再生処理効率を高めることができるとともに汚れや砂埃を除去することができ、簡単な操作で高い再生処理効率が得られる。
(2)ポリ塩化ビニル樹脂製廃棄農業用フィルムを束ねるためにポリエチレン製等の紐類がしばしば用いられるが、紐類が混入していてもジクロロメタンに不溶であり軟化しないため、粉砕されずにジクロロメタン中に残るので、容易に洗浄工程後に除去することもでき作業性に優れる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)PVC廃棄物中のポリ塩化ビニル樹脂とジクロロメタンは相溶性がよいので、ジクロロメタンがポリ塩化ビニル樹脂中に速やかに浸透し軟化させるので、PVC廃棄物の折畳まれた箇所や皺等が伸び、皺等の間に入り込んだり付着したりしている砂埃や油等をPVC廃棄物から除去させ、PVC廃棄物に付着した砂埃や無機物等の不溶分を沈殿させることができ、純度の高いポリ塩化ビニル樹脂が得られる塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法を提供することができる。
(2)PVC廃棄物が軟化して、嵩張っていたPVC廃棄物の見掛けの体積が減少するので、処理槽内に一度に投入できるPVC廃棄物の量を増やすことができ再生処理効率の高い塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法を提供することができる。
(3)PVC廃棄物とジクロロメタンとを激しく流動させることで洗浄物を流動の剪断力によって粉砕でき、さらにPVC廃棄物の体積を減少させることができ再生処理効率を高めることができるとともに、粉砕した洗浄物の隅々まで洗浄することができ洗浄効率に優れた塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法を提供することができる。
(4)ジクロロメタンの粘性を低く維持できるので、PVC廃棄物に付着した砂埃や配合された無機物等がジクロロメタンに容易に沈殿し、洗浄物と容易に分離でき分離効率に優れた塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法を提供することができる。
(1)ジクロロメタンにPVC廃棄物を浸漬すると軟化するので、PVC廃棄物とジクロロメタンを撹拌することで洗浄物を粉砕させることができ、粉砕することでPVC廃棄物の体積を減少させることができ再生処理効率を高めることができるとともに、粉砕した洗浄物の隅々まで洗浄でき洗浄効率を高めることができる塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法を提供することができる。
(1)PVC廃棄物とジクロロメタンの流動若しくは振動をスムーズに行うことができ、PVC廃棄物の隅々にまでジクロロメタンを行き渡らせPVC廃棄物の汚れや砂埃等を剥離除去することができ操作性に優れた塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法を提供することができる。
(1)低い温度でPVC廃棄物へのジクロロメタンの浸透・軟化を行うことができ省エネルギー性に優れた塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法を提供することができる。
(1)洗浄物や粉砕物とジクロロメタン中に沈殿した汚れや砂埃等とを分離させ、洗浄物や粉砕物を得ることができ作業性に優れた塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法を提供することができる。
(1)分離工程において、ジクロロメタンの粘性を低下させることができ分離作業を短時間で行うことができ作業性に優れた塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法を提供することができる。
(2)溶出していたポリ塩化ビニル樹脂は粒状や綿状に析出させ沈降させることができ、分離液中に溶出していたポリ塩化ビニル樹脂も回収し再生させることができる塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法を提供することができる。
(1)ジクロロメタン中で軟化され体積が小さくなり再生処理効率を高めることができるとともに汚れや砂埃を除去することができ、簡単な操作で高い再生処理効率が得られる塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法を提供することができる。
(2)ポリエチレン製等の紐類が混入してもジクロロメタンに不溶であり軟化や粉砕されずに残るので、容易に洗浄工程後に除去することもでき作業性に優れた塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法を提供することができる。
(実施例1)
下部にコックの付いた3リットルの丸底のセパラブルフラスコを用意し、フラスコの底部に目開き2mmを装入した。フラスコの上部は蓋をして、蓋の開口部からモータに接続した半月形羽根のついた剪断力のある撹拌棒を入れ、蓋の他の開口部を還流冷却管に接続した。フラスコの中にジクロロメタンを1600gと、表面に付着した金属片や大きな異物を取り除いただけで洗浄等の前処理を行っていないおよそ掌大に裁断したポリ塩化ビニル樹脂製廃棄農業用フィルム(廃棄フィルム)200gと、を入れ、ジクロロメタンに廃棄フィルムを浸した後、還流下40℃に維持しながら350rpmで3時間撹拌した。
撹拌後、蓋に付いている栓のひとつを開けて480gの分離用の貧溶剤である2−プロパノール(沸点82.4℃)を添加するとともに、下部のコックを開きフラスコ内の液体を、篩を通してフラスコの外へ排出した。篩に残った残留物(粉砕物)を篩とともに乾燥したところ、133.8gのほぼ白色の鱗片状粉末を得た。鱗片状粉末の色を「カラーチャート1368」(2000年4月発行、視覚デザイン研究所編)と照合して数値化すると、BCMY=10・0・5・10(黒・青緑・赤紫・黄の各%を示したもので、数値が大きいものほどその色が濃いことを示す)であり、黒色の度合が著しく低いことがわかった。フラスコの外に排出された分離液は茶色く濁っていたが、一晩放置したところ、底に黒っぽい液状のものが沈降していた。上澄み液はやや紫色を帯びた透明な液であった。
なお、乾燥後の鱗片状粉末を25000rpmのカッター刃付き粉砕機で60秒間粉砕したところ、90重量%が目開き425μmの標準篩を通過した。
比較のため、実施例1と同じ廃棄フィルムをハサミで10×10mmの大きさに裁断し、同じ粉砕機を用いて同じ条件で粉砕したが、目開き425μmの標準篩を通過したものはなかった。
実施例1によれば、軟質の廃棄フィルムに付着していた固形物や油脂等の汚れが剥離し又はジクロロメタンに溶解し、廃棄フィルムは軟化され再利用され易いかたちに粉砕されたことを示している。このため粉砕物は再利用し易いことが明らかになった。
廃棄フィルム50g、ジクロロメタン400gを実施例1と同様のセパラブルフラスコ(但し容量は1リットル)に入れ、撹拌時間を30分にした以外は、実施例1と同様に撹拌した。
撹拌後、下部のコックを開くとともに120gの分離用の貧溶剤としての2−プロパノールを添加し、篩に残った残留物(粉砕物)と、フラスコの外に排出された黒茶色の分離液とを分離した。
実施例2の場合も実施例1と同様に、篩で分離された白色の鱗片状粉末が得られた。
廃棄フィルム50gとジクロロメタン400gを実施例1と同様のセパラブルフラスコ(但し容量は1リットル)に入れ、還流すると同時に撹拌した。5分経過したところ廃棄フィルムの見掛けの体積が減少したので還流を止め、さらに廃棄フィルム40gとジクロロメタン250gとを追加し、再度還流と撹拌を30分続けた。
撹拌後、下部のコックを開いて汚れの移った黒茶色の液を排出させ、実施例1と同様の操作を行い、篩の残留物から63gの白色の粉末を得た。
実施例3によれば、廃棄フィルムがジクロロメタン中で軟化して見掛けの体積が減少するので、処理槽内に一度に投入できる廃棄フィルムの量を増やすことができ再生処理効率を高められることが明らかになった。
廃棄フィルム50g、ジクロロメタン380g、貧溶剤の2−プロパノール20gを実施例1と同様のセパラブルフラスコ(但し容量は1リットル)に入れ、撹拌時間を30分にした以外は、実施例1と同様に処理した。
撹拌後、下部のコックを開いて汚れの移った黒茶色の液を排出させ、篩の残留物を少量の貧溶剤の1−プロパノールで洗浄して乾燥させた。乾燥後、目開き0.85mmの標準篩で分別したところ、通過したものは10%以下であった。また、篩を通過したものとしなかったものの色を比較すると、篩を通過したものは砂埃等が混ざり灰色がかっておりBCMY=20・0・0・10であり、通過しなかったものは白色が強くBCMY=5・0・0・10であった。
実施例4によれば、ジクロロメタンに貧溶剤を混合した場合でも、廃棄フィルムを洗浄し粉砕できることが明らかになった。
廃棄フィルム50g、ジクロロメタン360g、貧溶剤の2−プロパノール40gを実施例1と同様のセパラブルフラスコ(但し容量は1リットル)に入れ、撹拌時間を30分にした以外は、実施例1と同様に処理した。
撹拌しても廃棄フィルムはほとんど粉砕されていなかったが、コックを開いて黒茶色の汚れた液をフラスコの外に排出したところ、篩の上には洗浄物が残留した。乾燥後の洗浄物の色は、実施例1よりもやや白色が強いBCMY=5・0・0・0であった。但し、粉砕機で実施例1の鱗片状粉末と同程度の大きさに粉砕したところ、実施例1と同程度(BCMY=10・0・5・10)の色であった。
下部にコックの付いた3リットルの丸底のセパラブルフラスコを用意し、フラスコの底部に目開き7mmの篩を装入した。フラスコの上部の開口部からモータに接続した半月形羽根のついた剪断力のある撹拌棒を入れた。フラスコの中に150gの廃棄フィルムを押込むように入れ、その中にジクロロメタンを1300g加えた。これを室温(25℃)、200rpmで5分間撹拌したところ、ジクロロメタンが黒茶色に変色し、廃棄フィルムの体積が約半分に減少した。次いで、撹拌棒の回転数を300rpmに上げ10分間撹拌し続けたところ、廃棄フィルムのほぼ全てがジクロロメタンに浸漬された。このまま30分間撹拌した後、撹拌したまま下部のコックを開き、汚れたジクロロメタンの一部250gを抜き取って、フラスコの底に溜まった砂埃等をフラスコの外に排出した。
コックを閉じた後、撹拌しながら、フラスコの上部から250gの分離用の貧溶剤の1−プロパノール(沸点97.2℃)を添加した。10分後、下部のコックを開いたところ、フラスコ内の目開き7mmの篩を通過できなかった廃棄フィルム(洗浄物)が少しあったが、フラスコ内のほぼ全量の汚れた液と洗浄され粉砕された廃棄フィルム(粉砕物)が、篩(目開き7mm)を通過して下部のコックから排出された。排出された液について目開き1mmの篩を通過させたところ、この篩の上に残留物(粉砕物)を得た。この残留物(粉砕物)を乾燥して、白色粉末(BCMY=5・0・10・10)を得た。砂埃等は篩(目開き1mm)を通過して、粉砕物と分離された。
本実施例によれば、室温で処理してもフラスコの底部に装入した目開き7mmの篩を通過する程度にまで、廃棄フィルムを小さく粉砕できることがわかった。
ハサミで20〜30mmの大きさの方形状に裁断した廃棄フィルム30g、貧溶剤の2−プロパノール300gを実施例1と同様のセパラブルフラスコ(但し容量は1リットル)に入れ、撹拌時間を30分にした以外は、実施例1と同様に処理した。
撹拌後、下部のコックを開いて汚れの移った黒茶色の液を排出させたところ、篩(目開き2.38mm)に、粉砕されずにほぼ投入した状態のままの洗浄された廃棄フィルムを得た。廃棄フィルムの大部分の汚れは貧溶剤に移り、処理後のフィルムの色は白色化(BCMY=20・0・0・20)していたが、フィルム内に折畳まれた箇所の砂埃や汚れは残ったままであった。
Claims (7)
- 塩化ビニル重合体含有廃棄物からなるPVC廃棄物をジクロロメタンに浸した後、流動若しくは振動させ前記PVC廃棄物の洗浄物を得る洗浄工程を備えていることを特徴とする塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法。
- 前記PVC廃棄物と前記ジクロロメタンを撹拌し、前記洗浄物を粉砕して粉砕物を得ることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法。
- 前記ジクロロメタン100重量部に対し前記PVC廃棄物を10〜30重量部の割合で浸すことを特徴とする請求項1又は2に記載の塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法。
- 前記ジクロロメタンの液温が10〜45℃であることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法。
- 前記洗浄物及び/又は前記粉砕物を前記ジクロロメタンから分離する分離工程を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載の塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法。
- 前記分離工程において、前記ジクロロメタンにポリ塩化ビニル樹脂の貧溶剤を添加することを特徴とする請求項5に記載の塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法。
- 前記塩化ビニル重合体含有廃棄物が、ポリ塩化ビニル樹脂製廃棄農業用フィルム若しくはシートであることを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1に記載の塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005181330A JP2006037084A (ja) | 2004-06-21 | 2005-06-21 | 塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004181948 | 2004-06-21 | ||
JP2005181330A JP2006037084A (ja) | 2004-06-21 | 2005-06-21 | 塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006037084A true JP2006037084A (ja) | 2006-02-09 |
Family
ID=35902413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005181330A Pending JP2006037084A (ja) | 2004-06-21 | 2005-06-21 | 塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006037084A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100788334B1 (ko) * | 2007-01-19 | 2007-12-27 | 이종욱 | 폐폴리염화비닐의 재생방법 |
US20220169822A1 (en) * | 2020-12-02 | 2022-06-02 | International Business Machines Corporation | Feedstock purification of polyester waste for recycling processes |
-
2005
- 2005-06-21 JP JP2005181330A patent/JP2006037084A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100788334B1 (ko) * | 2007-01-19 | 2007-12-27 | 이종욱 | 폐폴리염화비닐의 재생방법 |
WO2008088138A1 (en) * | 2007-01-19 | 2008-07-24 | Jong-Uk Lee | The restoring method of waste polyvinyl chloride |
US20220169822A1 (en) * | 2020-12-02 | 2022-06-02 | International Business Machines Corporation | Feedstock purification of polyester waste for recycling processes |
US11814487B2 (en) * | 2020-12-02 | 2023-11-14 | International Business Machines Corporation | Feedstock purification of polyester waste for recycling processes |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN102015856B (zh) | 用于再循环基于纤维增强聚合物的制品的方法 | |
JP4275238B2 (ja) | 塩化ビニルポリマーをベースとした製品のリサイクル方法 | |
KR102023744B1 (ko) | 플라스틱 필름에 프린팅된 잉크의 제거 방법 | |
DE60012778T2 (de) | Verfahren zur wiederverwendung von gegenständen aus vinylpolymeren | |
WO2005100460A1 (de) | Verfahren zum recycling von polyestern oder polyestergemischen aus polyesterhaltigen abfällen | |
CN102773944A (zh) | 一种环保型废弃塑料瓶回收加工工艺 | |
JP2004042461A (ja) | 廃プラスチック材の分離方法、廃プラスチック材の分離装置 | |
WO1994006854A1 (en) | Method of and apparatus for regenerating waste polyvinyl chloride | |
JP2007146045A (ja) | ポリ塩化ビニル樹脂の回収方法 | |
JP2009046520A (ja) | ポリ塩化ビニル樹脂廃棄物の処理方法及び処理装置 | |
US6403661B1 (en) | Volume reducing agents for expanded polystyrene, methods and apparatus for processing expanded polystyrene using the same | |
JP2006037084A (ja) | 塩化ビニル重合体含有廃棄物の再生方法 | |
CN107599234A (zh) | 一种废弃铝塑分离再回收工艺 | |
JP2007039479A (ja) | 塩化ビニル系樹脂廃棄物の処理方法及び再生塩化ビニル系樹脂 | |
US5674914A (en) | Method and apparatus for reclamation of waste polyvinyl chloride | |
CN106432794A (zh) | 一种聚氨酯废弃物的回收工艺 | |
CN214714983U (zh) | 一种膜杂水洗分离装置 | |
JPH0517616A (ja) | ポリ塩化ビニル屑の再資源化方法 | |
CN107813439A (zh) | 一种塑料回收方法 | |
JP2002103329A (ja) | 農業用使用済み廃ビニールフィルムを電線シース材成形材料に再生させる方法 | |
JP4009571B2 (ja) | 塩化ビニル重合体組成物の回収方法 | |
CN116574304A (zh) | 一种聚丙烯废料的回收提纯方法、记录媒体及系统 | |
JP2671810B2 (ja) | 発泡スチロール廃材の処理法 | |
JPH06279614A (ja) | 廃電線の再資源化方法およびその再資源化装置 | |
JPS61176615A (ja) | 塩化ビニル樹脂の回収方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060217 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20070330 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070330 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070820 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070919 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080131 |