JP4059929B2 - ペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒およびその製造方法 - Google Patents

ペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒およびその製造方法 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、微細懸濁重合あるいは乳化重合で得られた塩化ビニル樹脂の水性分散液からペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒を製造する方法に関する。
本発明の製造法により得られる塩化ビニル樹脂顆粒は、高い嵩密度を有し、粉体流動性、開袋時の発塵防止性および可塑剤分散がよいという特徴を有する
【背景技術】
【0002】
従来、ペースト加工用塩化ビニル樹脂は、次のように製造されていた。すなわち、通常、塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体とする単量体混合物を界面活性剤の存在下に乳化重合または微細懸濁重合して得られる一次粒径0.1〜5μmの塩化ビニル系重合体の水性分散液に、必要に応じて、界面活性剤や同種の重合体の一次粒径0.2〜2μmの粒子を5〜30重量%添加した後、噴霧乾燥機により乾燥する。
【0003】
前記の噴霧乾燥後、噴霧乾燥機チャンバー底部から回収される、噴霧液滴の水分が揮散することによって液滴内の一次粒子が球状に集合して形成された樹脂顆粒の中の比較的大粒径の樹脂顆粒と、噴霧乾燥機からの排風の中からサイクロンまたはバグフィルターあるいはそれらを組み合わせたものなどにより捕集された嵩密度および粒径の小さい微粒(樹脂顆粒の中の比較的小粒径の樹脂顆粒や顆粒がほぐれた粒子)とが合体混合されて製品となる(例えば、K.Masters:Chemical and Engineering Series,“Spray Driing”,LEONARD HILL LONDON(1972),P1-8参照)。
【0004】
従来、ペースト加工に際しては、通常、前記の合体混合された粉粒体から樹脂顆粒の集合体や、乾燥機壁面焼付き物の断片などの粗粒を分級して除いた後、粉砕して得られるペースト加工用塩化ビニル樹脂を、可塑剤および必要に応じて熱安定剤、充填剤などの配合剤と共に混合してプラスチゾル(ペースト)としていた。
【0005】
前記ペースト加工用塩化ビニル樹脂の粉体特性は、その形状に支配されている。噴霧乾燥温度を従来より低くして樹脂顆粒の可塑剤分散性を改善することにより、前記の粉砕工程を省略可能とし、その結果、樹脂を梱包している袋の開袋時の粉塵の発生などによる作業環境の悪化を改善し、かつ、従来困難だった同樹脂の粉体の自動計量供給を可能ならしめる方法が特公平3−78413号公報、特公平6−55831号公報、特公平6−72169号公報などに提案されている。しかしながら、これらの方法でも、塩化ビニル樹脂の粉体には、前記のように噴霧乾燥方式において、サイクロンまたはバグフィルターあるいはそれらを組み合わせたものなどにより捕集された微粒が混在するため、依然開袋時に粉塵が発生し作業環境を悪化するなどの問題が残存している。しかも、この提案された製造法による塩化ビニル樹脂顆粒は可塑剤分倣性が不十分なため、一層の改善が望まれていた。
【0006】
調製されたペーストゾルは、ストレーナーなどの手段によって可塑剤に未分散の樹脂顆粒やその集合体を除去し、コーティングなどの工程を経て加熱ゲル化させて、壁紙や床材などに加工され製品とされる。樹脂顆粒は粉砕されたペースト加工用樹脂よりも可塑剤への分散性が悪いため、プラスチゾルを調製するときは粉砕品よりも混練強度を上げたり、混練時間を長くするなどの工夫が必要であった。また、未分散物によるストレーナーの詰まりの発生やコーティングゾル中への粗粒の混入などの危険もあった。
【0007】
特公平6−55831号公報や特公平6−72169号公報に提案されている低温で噴霧乾燥することにより分散性を向上させた顆粒品の製造方法によれば、分散性は改善されるものの乾燥に要するエネルギーの効率が粉砕品より非常に悪くなるという問題があった。
【発明の開示】
【0008】
本発明の目的は、嵩密度が大きく、粉体流動性、開袋時の発塵防止性および可塑剤分散性が改良されたペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒を製造する方法を提供することにある。
【0009】
【0010】
発明によれば、塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体とする単量体混合物を界面活性剤の存在下に乳化重合または微細懸濁重合して得られる塩化ビニル系重合体の水性分散液を噴霧乾燥し塩化ビニル樹脂顆粒を回収する塩化ビニル樹脂顆粒の製造法において、前記水性分散液を噴霧乾燥する際に、排風に同伴する塩化ビニル樹脂微粒を塩化ビニル樹脂顆粒と独立して分離除去することにより、粒径0.1〜5μmの一次粒子の集合体である球状顆粒であって、その安息角が30〜38度、直径20μm以上の球状顆粒の割合が60重量%以上、平均粒径が35〜200μm、嵩密度(ゆるめ)が0.59〜0.65g/ccであり、未分散粒子率が0.30重量%以下である塩化ビニル樹脂顆粒を回収することを特徴とするペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒の製造法が提供される。
【0011】
上記の製造法において、排風に同伴する塩化ビニル樹脂微粒を塩化ビニル樹脂顆粒と独立して分離除去するには、好ましくは、排風配管に設けられたダンパーと噴霧乾燥機チャンバー下の空搬配管に設けられたダンパーとを開度調整する手法が採られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1は、本発明のペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒の製造プロセスにおける塩化ビニル樹脂顆粒の乾燥工程を示すフローチャートである。
図2Aおよび2Bは、それぞれ、未分散粒子率の測定に用いられる攪拌装置の攪拌翼を示す側面図および正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の製造法により得られる塩化ビニル樹脂顆粒は、乳化重合、微細懸濁重合などにより得られる一次粒径0.1〜5μmの重合体粒子の集合体であって、概ね球状をなし、嵩密度が大きく、良好な粉体流動性を有する。この集合体は、直径20μm以上の球状顆粒の割合が60重量%以上、好ましくは85重量%以上であり、また、より好ましくは40μm以上の球状顆粒の割合が60重量%以上、特に好ましくは80重量%以上であり、また、平均粒径が35〜200μm、好ましくは50〜150μmのものである。
【0014】
ここで、「球状」とは、真球状のものに限られず、長軸/短軸の比が1:1〜1:0.8の範囲である回転楕円体や回転楕円体のある程度変形したものをも含む概念である。また、「直径」とは、円形等価径(ヘイウッド径)およびふるい分け径のことであり、レーザー光回折パーティクルサイザを用い、メタノール溶媒中で求めたり、JIS標準ふるいなどのふるいを用いるふるい分け法で測定されるものである。
【0015】
さらに、本発明の製造法により得られる塩化ビニル樹脂顆粒は、安息角が30〜38度、好ましくは32〜35度であり、嵩密度(ゆるめ)が0.59〜0.65g/cc、好ましくは0.60〜0.63g/ccのものである。また、この樹脂顆粒は、後記測定法に基づく未分散粒子率が0.3重量%以下、好ましくは0.2重量%以下のものである。
【0016】
本発明において、顆粒の「平均粒径」は、メタノール溶媒に分散させた液について、レーザー光回折パーティクルサイザ(マルバーン社、マスターサイザー)を用いて測定した累積粒径分布から求めた50重量%粒径(単位:μm)を指し、「直径20μm以上の球状顆粒の割合」は、そのような累積粒径分布から求めた値(重量%)を指す。
本発明において、「嵩密度(ゆるめ)」は、JIS−K6721(塩化ビニル樹脂試験法)に準拠して測定される値(g/cc)を指す。具体的には、(株)細川粉体工学研究所製パウダーテスターを使用して測定される。
本発明において、「安息角」は、(株)細川粉体工学研究所製パウダーテスターを使用して測定される。
【0017】
本発明において、「未分散粒子率」は、顆粒をジオクチルフタレートに分散せしめたプラスチゾルをミネラルスピリットで希釈した液をJIS62μm標準篩でろ過した際の篩上の残量の割合(重量%)を指す。より具体的には、未分散粒子率は、次の方法により測定される。試料粉体100gとジオクチルフタレート60gとを内径85mmの円筒容器に入れる。その平面中央に図2Aおよび2Bに示す、回転軸中心からの翼長aが35mm、水平方向の翼幅bが20mm、厚さcが0.7mmの花弁状の平板翼12を、径8mmの攪拌軸10の下端の固定環9(環の高さdが14mm、外形eが13mm)に十字状に4枚配列してなる攪拌翼11を、翼の下面が容器底面から5mmとなる位置に据え付ける。この攪拌翼11を回転速度500rpmにて5分間回転せしめることによって攪拌混合して得られるプラスチゾルを、ミネラルスピリット100gで希釈してJIS62μm標準篩(呼称250メッシュ)で濾過し、メタノールで重量既知のシャーレ上に洗い落とす。メタノールを揮散させてシャーレ上の重量を求め、試料粉体100gに対する%値で表示する。
【0018】
上記のような特性を有する塩化ビニル樹脂顆粒は、次のような利点を有する。
(イ)粉体流動性が良好で、空気による輸送やローリー輸送が容易に行なえ、また、使用時に自動計量や自動供給がなんの問題もなく容易に行うことができる。
(ロ)嵩密度が極めて高いのでマスメリットがある。すなわち、粉体の移動、保管時の体積を少なくすることができる。
(ハ)微粉が少ないので、計量操作時やバルク輸送作業時などに発塵が少ない。
(ニ)微粉が少ないためブロッキング性が改善される。従って、本発明の塩化ビニル樹脂顆粒はサイロ、ホッパー等の下部から抜き出される際に、ブリッジが形成されて排出されないと言う現象が起きにくい。
(ホ)さらに、未分散粒子率が前述のように小さいため、特に可塑剤分散性がよ、優れたペースト加工適合性を有する。
【0019】
以下、本発明の塩化ビニル樹脂顆粒の製造法について説明する。
化ビニル樹脂顆粒の製造に用いられる塩化ビニル系重合体は、塩化ビニルまたは塩化ビニルを主成分としこれと共重合可能な不飽和単量体とからなる単量体混合物を乳化重合(播種乳化重合を含む)または微細懸濁重合(播種微細懸濁重合を含む)を行うことにより得られる。
前記乳化重合または微細懸濁重合は周知の方法でよく、特に限定されない。これらの方法で塩化ビニル系重合体の水性分散液を得るが、その濃度も特に限定されない。通常20〜65重量%、好ましくは40〜60重量%の濃度の水性分散液が使用される。
【0020】
塩化ビニル系重合体の組成は格別限定されないが、共重合体の場合は、塩化ビニル単体50重量%以上と共重合し得るモノエチレン系不飽和単量体単位50重量%以下とからなるものが好ましい。塩化ビニルと共重合し得るモノエチレン系不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレンなどのオレフィン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−N、N−ジメチルアミノエチルなどの不飽和モノカルボン酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和アミド;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル;マレイン酸、フマール酸などの不飽和ジカルボン酸;これらのエステルおよびこれらの無水物;N−置換マレイミド類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル;および塩化ビニリデンなどのビニリデン化合物などを挙げることができる。
【0021】
乳化重合においては、水を媒体とし、アニオン性またはノニオン性界面活性剤である乳化剤、水溶性の重合開始剤を用い、単量体を可溶化した乳化剤ミセル層内で重合を進めることによって、粒径0.05〜0.5μmの範囲内のシャープな粒径分布の微小球形重合体ラテックスが得られる。
播種乳化重合法は、乳化重合により得られた重合体を種子として用い、水媒体中でこれを単量体の重合により肥大化させる重合法である。この重合法においては、重合体粒子を安定化するためのアニオン性界面活性剤を、重合体粒子表面を覆うに必要な量以上とならないように重合反応の進行に調和させて添加しつつ水溶性の重合開始剤で重合する。生成する重合系には、通常平均粒径0.9〜1.3μmの肥大化された主たる重合体粒子群の他に、しばしば平均粒径0.1〜0.3μmの比較的少量の副生重合体粒子群が混在する。
【0022】
微細懸濁重合法は、水媒体中で単量体を油溶性重合開始剤の存在下にアニオン性界面活性剤でホモジナイザなどにより均質化し、これを比較的緩かな攪拌下で重合する方法である。この方法によれば、通常一次粒子が0.05〜約2μmのブロードな正規分布様粒径分布を持つ球形の重合体粒子が得られる。
【0023】
重合に用いられるアニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩;ラウリン酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸カリウムなどの脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルサルフェートナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェートナトリウムなどのエトキシサルフェート塩;アルカンスルホン酸塩;およびアルキルエーテル燐酸エステル塩などが挙げられる。
【0024】
アニオン性界面活性剤の使用量は適用される重合法により異なるが、通常単量体100重量部あったり0.2〜2.5重量部の範囲で選択される。アニオン性界面活性剤の他にポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエステルなどのノニオン性界面活性剤を適宜併用してもよい。また、乳化重合、微細懸濁重合などにおいて高級アルコール、ソルビタンステアリルエステルなどの親油性の補助乳化剤を添加することも可能である。
【0025】
重合開始剤は、水溶性および油溶性のいずれであってもよい。水溶性の重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などの水溶性化合物;これらの開始剤または後述のヒドロパーオキシドに酸性亜硫酸ナトリウム、第1鉄イオンのエチレンジアミン四酢酸ナトリウム錯塩、亜硫酸アンモニウム、アスコルビン酸、ピロリン酸第1鉄などの還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤などが例示される。また、油溶性の重合開始剤としては、アセチルパーオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーキオシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ナフトイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド;メチルエチルケトンパーオキシドなどのケトンパーオキシド;クメンヒドロパーオキシド、p−シメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ペンチルヒドロパーオキシド、p−メンタンヒドロパーオキシドなどのヒドロパーオキシド;t−ブチルパーオキシビバレートなどのパーオキシエステル;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシドなどのスルホニルパーオキシドなどの有機過酸化物;これらの有機過酸化物とロンガリットなどの還元剤を組み合わせた酸化還元型重合開始剤;および2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物などを例示することができる。
【0026】
重合により得られる水性分散液を噴霧乾燥機で噴霧乾燥するに際し、排風に同伴する塩化ビニル樹脂微粒を塩化ビニル樹脂顆粒と独立して分離除去することにより、目的とする塩化ビニル樹脂球状顆粒を回収する。以下、噴霧乾燥により塩化ビニル樹脂球状顆粒を回収するプロセスを図1に基づいて説明する。
【0027】
塩化ビニル系重合体の分散液はポンプ4により噴霧乾燥機のチャンバー1に供給され、噴霧乾燥される。噴霧乾燥機は、ペースト用塩化ビニル樹脂に用いられている公知の噴霧乾燥機でよく、例えば、噴霧形成も回転円盤型アトマイザー、二流体ノズル型、加圧ノズル型などのいずれの形式のものでもよい。乾燥用空気は、大気から採取すればよく、特にことさらに湿度の調整の必要はない。また、送風機7により乾燥機のチャンバー1に導入される乾燥用空気の入口および出口の湿度、風量なども塩化ビニル系重合体水性分散液の乾燥に通常採用されている条件でよい。乾燥の程度は、乾燥された粉粒体に含有される水分が0.05〜1.5重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%である。
例えば、回転円盤型アトマイザーで噴霧するタイプにおいては、乾燥入口温度100〜190℃とし、出口熱風温度50〜70℃になるように、塩化ビニル系重合体水性分散液の供給を調整すればよい。この乾燥により、通常は平均粒径20〜100μmの粉粒体が得られる。
【0028】
粒径が大きい樹脂顆粒は噴霧乾燥機のチャンバー1の下部の円錐部に落下し、送風機8によりチャンバー底部から空搬配管Aを経てバグフィルター3またはサイクロン(図示せず)に導かれ、落下して下部の排出配管Dへ採集される。噴霧乾燥機からの排風に同伴する樹脂微粒は排風配管Bを経てバグフィルター2またはサイクロン(図示せず)に導かれ、落下して下部の排出配管Cへ集められる。
本発明においては、排出配管Dから回収される粒径が大きい樹脂顆粒および排出配管Cから回収される樹脂微粒は、合体されることなく、それぞれ独立して製品化される。
【0029】
本発明においては、排出配管Dから回収される塩化ビニル樹脂顆粒として、その安息角が30〜38度、全質量中にしめる直径20μm以上の球状顆粒の割合が60重量%以上、平均粒径が35〜120μm、嵩密度(ゆるめ)が0.59〜0.65g/cc、未分散粒子率が0.30重量%以下である球状顆粒を得る。バグフィルター3の下部の排出配管Dから回収される球状顆粒の嵩密度(ゆるめ)その他の特性は、噴霧乾燥機の内圧を一定に保持しつつ、排風配管Bに設けられたダンパー5と、噴霧乾燥機のチャンバー下の空搬配管Aに設けられたダンパー6の開度をそれぞれ調整し、空搬配管Aおよび排風配管Bの風量を調節することによって調整することができる。例えば、排出配管Dで回収する塩化ビニル樹脂顆粒の嵩密度(ゆるめ)を上げるためには、排風配管Bの風量を増加するようにダンパー5を開くことにより、嵩密度(ゆるめ)の小さい塩化ビニル樹脂微粒をより多く排風配管B側で回収されるようにする。
【0030】
また、塩化ビニル樹脂顆粒の嵩密度調整は、噴霧乾燥機本体の他の運転条件を変更することによっても可能である。例えば、樹脂顆粒の嵩密度(ゆるめ)を上げるためには、回転円盤型アトマイザーの場合、噴霧乾燥機のチャンバーに吹込む熱風の入口温度を上げる、塩化ビニル系重合体水性分散液のフィードレートを上げる、アトマイザーの回転速度を下げるなどの手法を採ることができる。加圧ノズル型の場合は、噴霧圧力を上げるなどの手法を採ることができる。このように噴霧液滴径を大きくする方向で運転条件を変更することによっても顆粒の嵩密度(ゆるめ)を上げることができる。もっとも、噴霧液滴が大きすぎて乾燥されずに落下するような条件は、回避しなければならない。
【0031】
前記噴霧乾燥工程において、塩化ビニル樹脂顆粒と独立して分離除去される樹脂微粒としては、一方で噴霧乾燥機のチャンバー下部から前記の所望特性を有する塩化ビニル樹脂顆粒が回収できる限り、樹脂微粒の直径および平均粒径には限定はないが、直径50μm以下程度の直径および10〜30μm程度の平均粒径のものが典型的である。この樹脂微粒は本発明の塩化ビニル樹脂顆粒とは別の用法に供することができる。例えば、そのまま、または粉砕されて、低粘度のペーストゾルに添加する増粘調整用としたり、小口のユーザー向けに出荷することができる。
【0032】
本発明で用いられる噴霧乾燥機は、そのチャンバー下部から空搬配管Aを経てバグフィルター3またはサイクロン排出配管口により捕集された塩化ビニル樹脂顆粒を安息角が30〜38度、直径20μm以上の球状顆粒の割合が60重量%以上、平均粒径が35〜200μm、かつ嵩密度(ゆるめ)が0.59〜0.65g/cc、好ましくは未分散粒子率0.30重量%以下である顆粒として独立して製品化できる構成になっていればよい。上述の空搬配管Aのダンパー、排風配管Bのダンパーなど以外の装置構成、例えば前記排出配管の設定位置、該配管から樹脂微粒捕集装置までの配管および微粒捕集装置の構成などについては特に制限はない。
【0033】
上述のように、本発明においては、噴霧乾燥機からの排風に同伴する樹脂微粒を独立して分離除去することにより、前記の所望特性を有する塩化ビニル樹脂顆粒を得ることを特徴としている。
従来は、排出配管Dから回収される粒径の大きい樹脂顆粒と排出配管Cから回収される樹脂微粒は合体されて最終製品とされていた。このような従来の製品は、本発明の樹脂顆粒と比較して、安息角が小さく、直径20μm以上の球状顆粒の割合が少なく、平均粒径が小さく、嵩密度が低い。
【0034】
加えて、上記の従来品は本発明の樹脂顆粒と比較して未分散粒子率が大きく、可塑剤分散性に劣っている。これは、排風に同伴する樹脂微粒(一般に平均粒径5〜15μm)は高温のチャンバー内で循環して長く滞留するので粒子表面が熱で融着して硬くなり、従って、粒径の大きい樹脂顆粒と合体すると硬い樹脂微粒が顆粒の表面に分布してスキン層を形成するためと考えられる。これとは対照的に、本発明においては、噴霧液滴中の粒子同士のパッキングがよく、嵩密度が高い粒径が大きい樹脂顆粒のみが、上記の樹脂微粒とは独立して回収されるためである。
【0035】
以下に、本発明を具体的に説明するために実施例および比較例を示す。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
また、実施例において樹脂粒子特性は以下の評価方法によった。なお、部数および%は特に説明がない限り重量基準である。
【0036】
(1)顆粒平均粒径:レーザー光回折パーティクルサイザ(マルバーン社、マスターサイザー)を用い、メタノール溶媒中で累積粒径分布を測定し、50重量%に相当する粒径を平均粒径(単位:μm)とした。
(2)嵩密度(ゆるめ):(株)細川粉体工学研究所製パウダーテスターを使用してJISK−6721に準じて測定した。単位:g/cc。
(3)嵩密度(かため):(株)細川粉体工学研究所製パウダーテスターを使用してタッピング180秒(60サイクル)かけて測定。単位:g/cc。
(4)安息角:(株)細川粉体工学研究所製パウダーテスターを使用して測定した。安息角(度)の値が小さいほど粉体流動性が良いことを意味する。
【0037】
(5)分散度:(株)細川粉体工学研究所製パウダーテスターを使用して測定した。分散度(%)の値が大きい程粉塵の飛散が多いことを示す。
(6)粉舞い時間:試料粉粒体20gを100ccのガラス製栓つきサンプル管に入れ、軸方向(鉛直)に振輻20cmで5秒間に10回振とうしてから静置し、中を観察して発塵が収まるまでの時間(単位:秒)を測定した。発塵量が多いほど粉舞い時間は長い。
(7)圧縮度:次式により算出する。圧縮度(%)の値が大きい程ブロッキング性が大きいことを意味する。
圧縮度(%)=〔嵩密度(かため)−嵩密度(ゆるめ)〕÷嵩密度(ゆるめ)×100
【0038】
(8)未分散粒子率:250メッシュ篩上の残量(%)で示した。試料粉体100gとジオクチルフタレート60gとを内径85mmの円筒容器に入れる。その平面中央に図2Aおよび2Bに示す、回転軸中心からの翼長aが35mm、水平方向の翼幅bが20mm、厚さcが0.7mmの花弁状の平板翼12を、径8mmの攪拌軸10の下端の固定環9(環の高さdが14mm、外形eが13mm)に十字状に4枚配列してなる攪拌翼11を、翼の下面が容器底面から5mmとなる位置に据え付ける。この攪拌翼11を回転速度500rpmにて5分間回転せしめることによって攪拌混合して得られるプラスチゾルを、ミネラルスピリット100gで希釈してJIS62μm標準篩(呼称250メッシュ)で濾過し、メタノールで重量既知のシャーレ上に洗い落とす。メタノールを揮散させてシャーレ上の重量を求め、試料粉体100gに対する%値で表示する。未分散粒子(%)の値が小さいほどゾル分散性がよいことを意味する。
【0039】
実施例1
常法に従って塩化ビニルの播種乳化重合を行い、モード粒径1.2μmの粒子成分92%とモード粒径0.2μmの粒子成分8%からなる塩化ビニル樹脂100部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを1.0部含有する固形分濃度46%水性分散液を調整した。円柱部と円錐部からなるチャンバーを有する噴霧乾燥機1の頂部内に回転円盤式のアトマイザー(直径12cm)(図示せず)、排風を排出するために円柱部に取り付けた挿入管である80Aの排風配管B、チャンバーの下には排風に同伴されない粒径が大きい粒子を捕集するための空搬配管Aをそれぞれ有する噴霧乾燥機1を用い、入口熱風温度130℃、出口熱風温度55℃、アトマイザーの回転数18000rpmにて上記の水性分散液を乾燥した。
排風配管Bのダンパー5および空搬配管Aのダンパー6の開度をそれぞれ70%開および80%開とした。採集配管Dより得られた塩化ビニル樹脂顆粒の平均粒径は72μm、嵩密度(ゆるめ)は0.61g/cc、安息角は34度、分散度は18.5%、未分散粒子率は0.15%であった。
【0040】
実施例2
実施例1と同様の水性分散液噴霧乾燥装置を用い、乾燥温度条件は同じで、回転数のみを12000rpmに下げて同じ塩化ビニル樹脂水性分散液の乾燥を行い、配管Bのダンパー5および配管Aのダンパー6の開度をそれぞれ70%開および80%開とした。採集配管Dより得られた樹脂顆粒の平均粒径は85μm、嵩密度(ゆるめ)は0.63g/cc、安息角は33度、分散度は20.3%、未分散粒子率は0.19%であった。
【0041】
比較例1
実施例1と同様に塩化ビニル樹脂水性分散液の乾燥を行ったが、バグフィルター2で捕集され、採集配管Cより得られた塩化ビニル樹脂顆粒の平均粒径は32μm、嵩密度(ゆるめ)は0.41g/cc、安息角は42度、分散度は55.6%、未分散粒子率は0.53%であった。
【0042】
比較例2
実施例2と同様に塩化ビニル樹脂水性分散液の乾燥を行ったが、バグフィルター2で捕集され、採集配管Cより得られた塩化ビニル樹脂顆粒の平均粒径は36μm、嵩密度(ゆるめ)は0.46g/cc、安息角は46度、分散度は48.5%、未分散粒子率は0.62%であった。
【0043】
比較例3
実施例1および比較例1の採集配管CおよびDでそれぞれ捕集した顆粒を全量混合し、平均粒径40μm、嵩密度(ゆるめ)0.48g/cc、安息角43度、分散度50.4%、未分散粒子率0.44%の塩化ビニル樹脂顆粒を得た。
【0044】
比較例4
実施例2および比較例2の採集配管CおよびDでそれぞれ捕集した顆粒を全量混合し、平均粒径45μm、嵩密度(ゆるめ)0.49g/cc、安息角43度、分散度31.5%、未分散粒子率0.53%の塩化ビニル樹脂顆粒を得た。
【0045】
比較例5
乾燥条件として、湿度0.01kg水/kg空気の空気を用いて熱風入口温度80℃、出口熱風温度45℃とし、配管Bのダンパー5および配管Aのダンパー6の開度をそれぞれ90%開および60%開とした他は実施例1と同様に塩化ビニル樹脂水性分散液の噴霧乾燥を行い、採集配管CおよびDでそれぞれ捕集した顆粒を全量混合した。得られた塩化ビニル樹脂顆粒は平均粒径45μm、嵩密度(ゆるめ)0.55g/cc、安息角34度、分散度40.2%、未分散粒子率0.35%であった。
【0046】
上記実施例1,2および比較例1〜5で得られた結果をまとめて表1に示す。
【0047】
Figure 0004059929
【0048】
表1に示されるように、本発明に従って、乳化重合または微細懸濁重合による塩化ビニル樹脂水性分散液を噴霧乾燥し、所望により排風配管のダンパーと顆粒空搬配管のダンパーの開度を調節したうえ、乾燥機チャンバー下部より回収し、空搬配管Aを経てバグフィルター3で捕捉され、回収された塩化ビニル樹脂顆粒は、安息角30〜38度、直径20μm以上の顆粒の割合60重量%以上、平均粒径35〜120μm、嵩密度(ゆるめ)0.59〜0.65g/cc、未分散粒子率0.30重量%以下の性質を有するもので、粉体流動性が良いことに加え、分散度が小さく、かつ、粉舞い時間が非常に短い。従って発塵性が極めて小さく、かつゾル分散性に優れた粉体である(実施例1および2)。
【0049】
乾燥機チャンバーの中間部に設置した配管Bで排出される排風に同伴する微粒をバグフィルター2で捕集したものは、安息角42度および46度、直径20μm以上の顆粒の割合75重量%および78重量%、平均粒径32μmおよび36μm、かつ嵩密度(ゆるめ)0.41g/ccおよび0.46g/cc、未分散粒子率0.53重量%および0.62重量%であり、粉体流動性が極めて悪く、分散度が極めて大きく、粉舞い時間が長く従って発塵性が非常に大きく、かつ、ゾル分散性に劣るものである(比較例1および2)。
【0050】
従来のペースト加工用塩化ビニル樹脂の噴霧乾燥による粉粒体の一般的製法による、乾燥機チャンバーの下部配管Aに集めた顆粒とチャンバー中間部の配管Bからの排風中の微粉とを混合して得られる粉体の特性も、安息角43度、直径20μm以上の顆粒の割合84重量%および85重量%、平均粒径40μmおよび45μm、かつ嵩密度(ゆるめ)0.48g/ccおよび0.49g/cc、未分散粒子率0.44重量%および0.53重量%であり、やはり粉体流動性が悪く、分散度が大きく、粉舞い時間が相当長く従って発塵性が大きく、かつゾル分散性に劣るものであることが判る(比較例3および4)。
【0051】
また、従来の噴霧乾燥機による樹脂顆粒の一般的製法の範囲でダンパー5および6の開度を調整し、配管Cおよび配管Dで捕集した顆粒の統合品の嵩密度をより高いものになるようにして得た比較例5の結果は、安息角34度、直径20μm以上の顆粒の割合82重量%、平均粒径45μm、嵩密度(ゆるめ)0.55g/cc、未分散粒子率0.35重量%で、粉体流動性およびゾル分散性は本発明に劣るものであり、また、分散度と粉舞い時間から、発塵性は従来のペースト加工用塩化ビニル樹脂の噴霧乾燥の場合(比較例3および4)とあまり変わらないものであった。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の製造法により得られる塩化ビニル樹脂顆粒は、従来の手法により調製された塩化ビニル樹脂顆粒と比較して、安息角が小さく、直径20μm以上の球状顆粒の割合が多く、平均粒径が大きく、嵩密度(ゆるめ)が大きく、かつ未分散粒子率が小さい。従って、この塩化ビニル樹脂顆粒は、流動特性がよく、発塵性が小さく、ブロッキング性がよく、かつ可塑剤分散性に優れている。
よって、本発明の製造法により得られる塩化ビニル樹脂顆粒は、特にペースト加工用として優れている。

Claims (2)

  1. 塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体とする単量体混合物を界面活性剤存在下に乳化重合または微細懸濁重合して得られる塩化ビニル系重合体の水性分散液を噴霧乾燥し塩化ビニル樹脂顆粒を回収する塩化ビニル樹脂顆粒の製造法において、前記水性分散液を噴霧乾燥する際に、排風に同伴する塩化ビニル樹脂微粒を塩化ビニル樹脂顆粒と独立して分離除去することにより、粒径0.1〜5μmの一次粒子の集合体である球状顆粒であって、その安息角が30〜38度、直径20μm以上の球状顆粒の割合が60重量%以上、平均粒径が35〜200μm、嵩密度(ゆるめ)が0.59〜0.65g/ccであり、未分散粒子率が0.30重量%以下である塩化ビニル樹脂顆粒を回収することを特徴とするペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒の製造法。
  2. 排風配管に設けられたダンパーと、噴霧乾燥機のチャンバー下の空搬配管に設けられたダンパーの開度を調整することにより、排風に同伴する微粒を塩化ビニル樹脂顆粒と独立して分離除去することを特徴とする請求項記載のペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒の製造法。
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