JP5081366B2 - ペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒 - Google Patents

ペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、粉体流動特性及び飛散性に優れ、調整したゾル中に存在する未分散物の大きさが小さく、生産性に優れたペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂(以下、ペースト塩ビと略記する場合がある。)は、一般に可塑剤、充填剤、安定剤又はその他の配合剤などと共に混練することにより、ペースト塩ビゾルを調製し、該ゾルを使用し種々の成形加工法により壁紙、タイルカーペット、手袋、自動車用アンダーコートなどの様々な成形加工品に用いられている。これらの加工法においてはペースト塩ビが十分に分散したゾルが求められ、ゾル化していない大きな粒子(以下、未分散物と略記する。)が存在しないことが重要となる。例えば、壁紙はペースト塩ビゾルを基材上にコーティングして原反を作製し、原反を発泡・エンボスさせることで得られる。ゾル中に大きな未分散物が存在した場合、コーティングの際にコーティングナイフと基材の間に未分散物が引っかかり原反上にスジ引きを生じたり、コーティングナイフの裏にゾルが付着・生長し、そのゾル玉が原反上に付着する刃裏漏れなどのトラブルが生じてしまい壁紙として満足な品質の製品が得られない。従って、このような大きな未分散物をなくすため、一般的にペースト塩ビを製造する際には噴霧乾燥して得られた顆粒を粉砕している。しかし、ペースト塩ビ顆粒を粉砕した場合、ペースト塩ビゾル中の大きな未分散物はなくなるものの、得られた製品の粒子径が小さく付着性が強いために包装容器などへ付着しやすく、それらを除去する際に飛散してしまい作業環境が悪化したり、製品の粉体流動特性が悪いために自動計量化が困難となるなど作業性が低下してしまうという問題点を有する。一方、上記問題点を解決するために噴霧乾燥して得られた顆粒をそのまま使用した場合、付着した製品の飛散性及び粉体流動特性が改善し、作業環境及び作業性が向上されるものの、通常のペースト塩ビを得るための噴霧乾燥条件では、調整したペースト塩ビゾル中に大きな未分散物が存在するため上記のような加工上の問題が生じる。
【0003】
これらの問題点を解決する方法として、除湿された乾燥用空気を使用して低温で噴霧乾燥することで、粉体流動特性が良好で、調整したペースト塩ビゾル中に大きな未分散物がない球状塩化ビニル樹脂顆粒が提案されている(特許文献1、2参照)。
【0004】
しかしながら、これらの方法では低温で乾燥するために噴霧液滴の滞留時間を長くする必要があることから一般的なペースト塩ビの製造に使用されるよりも大型の噴霧乾燥機が必要であり、乾燥用空気を除湿する必要もあるため一般的なペースト塩ビの製造の際には必要とされない乾燥用空気の除湿設備が必要となることなどから設備投資が莫大になる上、乾燥温度が低いために乾燥速度が遅く生産性が著しく低くなるなどの問題点を有している。
【0005】
また、噴霧乾燥で得られた顆粒を篩で分級することで、大きな未分散物がなく、粉体流動特性が良好な塩化ビニル樹脂顆粒の製造方法が提案されている(特許文献3、4、5参照)。
【0006】
これらの方法では、低温での乾燥を必要としないため特許文献1、2に比較して乾燥速度が速く生産性に優れるものの、ふるいで分級した篩下成分だけを製品とするため、製品の回収率が低下し生産性が悪化する問題点を有している。製品の回収率を向上するために、篩目開きを大きくした場合にはゾル中の未分散物の大きさが大きくなり、噴霧液滴径を小さくした場合にはペースト塩化ビ顆粒の粉体流動特性が悪化してしまう。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−133410号公報
【特許文献2】
特開平2−225529号公報
【特許文献3】
特開平5−117404号公報
【特許文献4】
特開平11−116689号公報
【特許文献5】
特開平11−207262号公報
【0008】
【発明が解決するための課題】
以上から、粉体流動特性及び飛散性に優れ、調整したゾル中に存在する未分散物の大きさが小さく、生産性に優れたペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、噴霧乾燥して得られた顆粒を篩で分級し、篩下顆粒に顆粒を粉砕して得られた粒子を混合することで、粉体流動特性及び飛散性に優れ、調整したゾル中に存在する未分散物の大きさが小さく、生産性に優れたペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
即ち、本発明は、全質量中に占める10μm以下の粒子が3〜40重量%である顆粒であって、該顆粒のレーザー回折式粒度分布測定機により求めた粒子径分布が1〜3つの極大値を有すると共に、0.1〜300μmの範囲に連続する分布を示し、平均粒子径が30〜80μm、嵩比重が0.45〜0.60g/cc、圧縮度が20〜35%、安息角が35〜47度、分散度が40%以下の顆粒で、かつ該顆粒650gとジオクチルフタレート390gを5Lのホバートミキサーで自転180rpm、公転80rpmの速度で10分間攪拌して調整したときのゾル中の未分散物の大きさが170μm以下であることを特徴とするペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒及びその製造方法に関するものである。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明のペースト塩ビ顆粒は、全質量中に占める10μm以下の粒子が3〜40重量%、好ましくは3〜20重量%である顆粒であって、該顆粒のレーザー回折式粒度分布測定機により求めた粒子径分布が1〜3つの極大値を有すると共に、0.1〜300μmの範囲に連続する分布を示すものである。そして、その平均粒子径は30〜80μm、好ましくは35〜70μmである。また、嵩比重は0.45〜0.60g/cc、好ましくは0.45〜0.55g/ccであり、圧縮度は20〜35%、好ましくは20〜30%であり、安息角は35〜47度、好ましくは39〜45度であり、分散度は40%以下、好ましくは30%以下である。
【0013】
ここで、全質量中に占める10μm以下の粒子が40重量%を越えたり、該顆粒のレーザー回折式粒度分布測定機により求めた粒子径分布の極大値が4つ以上であったり、粒子径分布の連続する範囲が0.1μmを下回ったり、平均粒子径が30μm未満であったり、嵩比重が0.45g/cc未満であったり、圧縮度が35%を越えたり、安息角が47度を越えたり、分散度が40%を越えた場合には、製品として得られる顆粒の飛散性が高くなるために作業環境が悪化したり、顆粒の粉体流動特性が悪化するために顆粒のハンドリング性が低下してしまい本発明の目的を達することは出来ない。一方、全質量中に占める10μm以下の粒子が3%未満であったり、粒子径分布の連続する範囲が300μmを超えたり、平均粒子径が80μmを越えたり、嵩比重が0.60g/ccを越えたり、圧縮度が20%未満であったり、安息角が35度未満であった場合、噴霧液滴が大きくなるために一般的な噴霧乾燥条件で得られたペースト塩ビ顆粒を調整してゾルとした際に、ゾル中の未分散物の大きさが大きくなるため好ましくない。そこで、ゾル中の未分散物の大きさを小さくしようとすると、低温乾燥する必要が生じ、そのためには大型の噴霧乾燥機を用いなければならず、莫大な設備投資が必要であるため好ましくない。
【0014】
本発明のペースト塩ビ顆粒を調整して得られたゾル中の未分散物の大きさは、該顆粒650gとジオクチルフタレート390gを5Lのホバートミキサーで自転180rpm、公転80rpmの速度で10分間攪拌して調整した際、170μm以下、好ましくは150μm以下である。
【0015】
ここで、ゾル中の未分散物の大きさが170μmを越えた場合、ペースト塩ビゾルをコーティングした際に原反上にスジ引きが生じたり、コーティングナイフの裏にゾルが付着し、そのゾル玉が原反上に付着するいわゆる刃裏漏れなどの加工上の問題が生じるため本発明の目的を達することは出来ない。
【0016】
本発明のペースト塩ビ顆粒の製造方法としては、ポリ塩化ビニル系重合体ラテックスを噴霧乾燥機でペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒を製造するに際し、乾燥空気入口温度が100℃以上、乾燥空気出口温度が45℃以上、噴霧液滴の平均粒子径が30μm以上となるよう噴霧乾燥して得られた顆粒を、1つ以上の篩を使用して分級し、その内少なくとも1つは目開きが60〜300μmの篩で分級し、この篩の篩下顆粒に、顆粒を粉砕して得られた粒子を全質量の0.1〜40%となる量を混合する方法が挙げられる。
【0017】
本発明のペースト塩ビ顆粒の製造に用いるポリ塩化ビニル系重合体ラテックスには、特に制限はなく、塩化ビニル系単量体をミクロ懸濁重合又は乳化重合又はシードミクロ懸濁重合又はシード乳化重合することで得られる。以下にポリ塩化ビニル系重合体ラテックスの好ましい製造方法の一例としてシードミクロ懸濁重合法による製造方法を示す。
【0018】
ここでいうシードミクロ懸濁重合法とは、塩化ビニル系単量体、開始剤等を含有するシード粒子、単量体に可溶な開始剤等を含有しないシード粒子、界面活性剤、必要に応じて重合度調節剤、脂肪族高級アルコール、緩衝剤の存在下、水性媒体中において攪拌下40〜70℃で重合を行う方法であり、この方法自体は周知慣用のものである。
【0019】
ここで、塩化ビニル系単量体とは、塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニルを主体としこれと共重合し得る単量体との混合物を挙げることができ、混合物の場合、塩化ビニル単量体が80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましい。塩化ビニルと共重合し得る単量体としては、例えば、エチレン、プロピレンなどのオレフィン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−N,N−ヂメチルアミノエチルなどの不飽和モノカルボン酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和アミド;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル;マレイン酸、フマール酸などの不飽和ジカルボン酸;これらのエステル及びこれらの無水物、N−置換マレイミド類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル;更に塩化ビニリデンなどのビニリデン化合物などを挙げることができる。
【0020】
また、開始剤等を含有するシード粒子は、例えば、以下のようなミクロ懸濁重合法で調整することが可能である。まず、塩化ビニル系単量体、塩化ビニル系単量体に可溶な重合開始剤、界面活性剤、純水、緩衝剤、高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、塩素化パラフィンなどの分散剤、必要に応じて重合度調節剤を加えてプレミックスし、ホモジナイザーにより均質化処理して油滴の調整を行う。この際のホモジナイザーとしては、例えばコロイドミル、振動攪拌機、二段式高圧ポンプなどを用いることができる。そして、均質化処理をした液を重合器に送り、緩やかに攪拌しながら重合器内の温度を上げて重合反応を開始し、所定の添加率に達するまで重合を行うことにより開始剤等を含有するシード粒子を調整することが可能である。この際の重合温度としては、30〜50℃であることが好ましい。塩化ビニル系単量体に可溶な重合開始剤としては、10時間半減期温度30〜70℃のジアシルパーオキサイドが好ましく、そのような重合開始剤としては、例えば、イソブチリルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイドなどが挙げられる。また、界面活性剤としては、後述する界面活性剤を単独又は2種類以上を混合しても用いることができ、必要に応じて用いられる重合度調節剤としては後述するものを用いることが出来る。
【0021】
また、開始剤等を含有しないシード粒子は、例えば、以下のような乳化重合法で調整することが可能である。純水、界面活性剤、水溶性重合開始剤などを仕込み、重合器内の脱気あるいは必要に応じて窒素などの不活性気体による置換を行い、塩化ビニル系単量体を仕込み、攪拌して塩化ビニル系単量体を可溶化した界面活性剤ミセル相を形成しつつ、重合器内の温度を上げて重合を進める。その際には反応速度や粒子径の制御のために開始剤、還元剤、界面活性剤、粒径制御剤などを重合反応前若しくは重合反応中に添加することも出来る。また、重合温度は40〜70℃の範囲が好ましい。水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などの水溶性過酸化物;これらの過酸化物又はクメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシドなどのヒドロパーオキシドに、酸性亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、アスコルビン酸、第一鉄イオンのエチレンヂアミン四酢酸ナトリウム錯塩、ピロリン酸第一鉄などの還元剤を組み合せたレドックス系開始剤;2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩などの水溶性アゾ化合物などを挙げることが出来る。界面活性剤としては、後述する界面活性剤を単独又は2種類以上を混合しても用いることができる。粒径制御剤としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなどのアルカリ金属硫酸塩などを後述する界面活性剤と組み合せたものが上げられる。
【0022】
界面活性剤としてはアニオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤が挙げられる。ここで、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジへキシルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩;ラウリン酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸カリウムなどの脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルサルフェートナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェートナトリウム塩などのエトキシサルフェート塩;アルカンスルホン酸塩;アルキルエーテル燐酸エステルナトリウム塩などを挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエステルなどを挙げることができる。
【0023】
また、必要に応じて用いられる重合度調節剤としては、例えば、トリクロルエチレン、四塩化炭素等のハロゲン系炭化水素、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、アセトン、n−ブチルアルデヒド等のアルデヒド類などがあげられ、重合度を調整できるものであればいかなるものを用いてもよい。
【0024】
必要に応じて用いられる脂肪族高級アルコールとしては、特に制限はないが通常、炭素数8〜18の脂肪族高級アルコールが使用される。これは、単独で使用しても、異なる炭素数の脂肪族高級アルコールを混合して使用しても差し支えない。
【0025】
必要に応じて用いられる緩衝剤としては、例えば、リン酸一もしくは二水素アルカリ金属塩、フタル酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどがあげられる。
【0026】
また、シードミクロ懸濁重合法で得られたラテックスを噴霧乾燥する前に液状粘結剤を添加することもできる。ここで、液状粘結剤とは得られる顆粒の可塑剤への分散性を向上させるもので、多価アルコール及び/又は多価アルコールのエーテル化合物が挙げられる。例えば、エチレングリコール、エチレングリコールジベンジルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエチレングリコールジエーテル系化合物、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等のモノエーテル系化合物などが挙げられる。
【0027】
本発明のペースト塩ビ顆粒の製造に用いる噴霧乾燥機は一般的に使用されているものでよく、例えば、「SPRAY DAYING HANDBOOK」(K.Masters著、3版、1979年、George godwin Limitedより出版)の121頁第4.10図に記載されている各種のスプレー乾燥機などが挙げられる。乾燥用空気は特に除湿する必要はなく、一般的なペースト塩ビを噴霧乾燥する場合と同様に、外気の温度を上昇させてそのまま使用すれば良い。乾燥用空気入口温度は100℃以上、好ましくは100〜200℃、更に好ましくは100〜150℃である。また、乾燥用空気出口温度は45℃以上、好ましくは45℃〜65℃、更に好ましくは45〜55℃である。乾燥用空気入口温度が100℃未満であったり、乾燥用空気出口温度が45℃未満であった場合には、乾燥速度が遅く生産性が著しく悪い上、滞在時間を長くするために大型の噴霧乾燥機及び乾燥用空気の除湿設備が必要となることから莫大な設備投資が必要であり好ましくない。また、噴霧液滴の平均粒子径は30μm以上である。30μm未満の場合、得られるペースト塩ビ顆粒の粉体流動特性及び飛散性が悪化するため本発明の目的を達することが出来ない。
【0028】
本発明のペースト塩ビ顆粒を製造する際には、大きな顆粒が製品内に混入することによりゾル中の未分散物の大きさが大きくなることを防止するために、噴霧乾燥の後に篩を使用して大きな顆粒を除去してもよい。使用される篩は単独で、又は目開きの異なる複数を組み合せて使用しても良い。これらの篩のうち、少なくとも1つは目開き60〜300μmであり、好ましくは60〜250μm、更に好ましくは60〜200μmである。60μm未満では分級自体が困難であるばかりでなく分級速度が遅く生産性が悪化する上、篩上成分が多くなり混合する粉砕品の量が多くなるために、得られる顆粒の粉体流動特性が悪化するため好ましくない。一方、300μmを越えた場合、大きな顆粒が篩下顆粒に混入し、調整したペースト塩ビゾル中に大きな未分散物が存在してしまい加工上問題が生じるため好ましくない。
【0029】
本発明のペースト塩ビ顆粒を製造する際に、噴霧された液滴が未乾燥のまま乾燥機内部に付着乾燥し成長して大きくなった乾燥後粗大粒子、これら付着物が噴霧乾燥機内部で長期間乾燥熱風により熱履歴を受けることで変質したレジンが剥げ落ち製品内に混入することによりゾル中の未分散物が大きくなることを防止するため、目開きが60〜300μmの篩で分級する前に、予め、目開き350〜3000μm、好ましくは500〜2000μm、更に好ましくは800〜1500μmの篩で分級しておくことも可能である。
【0030】
本発明のペースト塩ビ顆粒の製造に用いる篩としては一般的に使用されているものでよく、振動篩、超音波振動篩、三次元振動篩、網面固定式風力分級機などが挙げられ、これらを単独で、又は目開きの異なる複数を組み合せて使用することができる。目開きが60〜300μmの篩としては上記のいずれでも良いが、処理速度の点で三次元振動篩が好ましい。目開きが350〜3000μmの篩としては上記のいずれでも良いが、処理速度、設備投資額の点で振動篩、三次元振動篩が好ましい。
【0031】
本発明のペースト塩ビ顆粒の製造において、目開きが60〜300μmの篩などの篩下顆粒に混合される粉砕された粒子としては、本発明の方法で製造されたペースト塩ビ顆粒などを粉砕して得られたものが挙げられ、例えば、目開きが60〜300μmの篩の篩上顆粒又はその他の篩で分級した篩上顆粒を粉砕して得られた粒子、目開きが60〜300μmの篩の篩下顆粒又はその他の篩で分級した篩下顆粒を粉砕して得られた粒子、篩で分級される前の顆粒を粉砕して得られた粒子、別途乾燥及び粉砕して得られた粒子などが挙げられ、これらを単独で又は複数を組み合せて、目開きが60〜300μmの篩などの篩下顆粒に混合することができる。製品の回収率の向上及び粉砕した粒子の混合量を一定とする点から、目開きが60〜300μmの篩の篩上顆粒又はその他の篩で分級した篩上顆粒を粉砕して得られた粒子、乾式篩で分級される前の顆粒を粉砕して得られた粒子を単独で又はそれらを組み合せて、目開きが60〜300μmの篩などの篩下顆粒に混合することが好ましい。ここで篩下顆粒とは、顆粒を篩で分級した際に得られる篩下成分のことである。粉砕された粒子を作製するための粉砕機には特に制限はなく、一般的なペースト塩ビを製造する際に使用されるものでよく、例えば「粉体工学便覧」(粉体工学会編、初版、1986年、日刊工業新聞社より出版)の503〜505頁第1.10表に記載されている各種の粉砕機が挙げられる。この中でも、粉砕効率、処理量、顆粒の品質の点から高速回転式粉砕機が好ましい。
【0032】
本発明のペースト塩ビ顆粒の製造において、目開きが60〜300μmの篩などの篩下顆粒に混合する粉砕された粒子の量は、全質量の0.1〜40%であり、好ましくは0.1〜20%である。40%を越えた場合、得られたペースト塩ビ顆粒の粉体流動特性が悪化するため好ましくない。
【0033】
本発明により得られるペースト塩ビ顆粒は、粉体流動特性及び飛散性に優れ、調整したゾル中の未分散物の大きさが小さく、その製造にあたっては生産性に優れたものである。
【0034】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、それらの内容は本発明の範囲を特に制限するものではない。
【0035】
以下に実施例より得られたペースト塩ビ顆粒の評価方法を示す。なお、ペースト塩ビ顆粒の流動特性は嵩比重、圧縮度、安息角で、飛散性は分散度で、ゾル中の未分散物の大きさはゾル分散性で評価した。
【0036】
<平均粒子径及び粒径分布>
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、商品名LA−700)を使用し、屈折率1.3の条件にて2回測定し、その平均値を平均粒子径とした。
【0037】
<全質量中に占める10μm以下の粒子の割合>
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、商品名LA−700)を使用し、屈折率1.3の条件にて2回測定し、10μm以下の粒子の割合を平均して求めた。
【0038】
<嵩比重>
粉体特性総合測定装置(細川粉体工学研究所製、商品名パウダーテスタTYPE PT−E)を使用して測定した。粉体の流動特性と相関し、高い値ほど粉体の流動特性が良好であることを示す。
【0039】
<圧縮度>
粉体特性総合測定装置(細川粉体工学研究所製、商品名パウダーテスタTYPE PT−E)を使用し、180回タッピングすることで固目見掛け比重を測定し、次式(1)により算出した。粉体の流動特性と相関し、低い値ほど粉体の流動特性が良好であることを示す。
圧縮度(%)=100×(P−A)/P (1)
(ここで、Pは固目見掛け比重を示し、Aは嵩比重を示す。)
<安息角>
粉体特性総合測定装置(細川粉体工学研究所製、商品名パウダーテスタTYPE PT−E)を使用し、振動する目開き710μmの篩面上に試料を供給し、シュート上に堆積した粉体の裾の角度を4ヶ所測定し、その平均値を安息角とした。粉体の流動特性と相関し、低い値ほど粉体の流動特性が良好であることを示す。
【0040】
<分散度>
粉体特性総合測定装置(細川粉体工学研究所製、商品名パウダーテスタTYPE PT−E)を使用し、一定高さから約10gの試料を落下させ、下に置いた時計皿に残存する試料の量から次式(2)により算出した。5回測定して得た値を平均して分散度とした。粉体の飛散性と相関し、低い値ほど粉体が飛散しにくいことを示す。
分散度(%)=100×(S−B)/S (2)
(ここで、Sは試料の量を示し、Bはウォッチグラスに残存した試料の量を示す。)
<ゾル分散性>
ペースト塩ビ650gとジオクチルフタレート390gを5Lのホバートミキサーで自転180rpm、公転80rpmの速度で10分間攪拌して調整したペースト塩ビゾルを用い、グラインドメーターを使用した分散試験で10mm以上の連続した線が発現した時の溝の深さ測定し、これを5回測定して最も大きな値を未分散物の大きさとした。
【0041】
【実施例1】
シードミクロ懸濁重合法で得られた、レーザー回折式粒度分布測定機による平均粒子径が1.4μmであって、固形分濃度が48%のポリ塩化ビニル系樹脂重合体ラテックスを、直径12cmの回転円盤を有する噴霧乾燥を用い乾燥用空気入口温度110℃、乾燥用空気出口温度50℃、回転数12000rpmで噴霧乾燥した。得られた顆粒を、目開き150μmの三次元振動篩で分級し、三次元振動篩の篩上成分を粉砕して篩下顆粒に混合してペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表1に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0042】
【表1】
Figure 0005081366
【実施例2】
噴霧回転数を18000rpmとした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表1に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0043】
【実施例3】
噴霧回転数を15000rpmとした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表1に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0044】
【実施例4】
噴霧回転数を8000rpmとした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表1に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0045】
【実施例5】
噴霧回転数を6500rpmとした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表1に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0046】
【実施例6】
篩の目開きを125μmとした以外は実施例3と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表1に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0047】
【実施例7】
篩の目開きを75μmとした以外は実施例3と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表1に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0048】
【実施例8】
篩の目開きを250μmとした以外は実施例4と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表1に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0049】
【実施例9】
篩の目開きを180μmとした以外は実施例4と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表2に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0050】
【表2】
Figure 0005081366
【実施例10】
篩の目開きを90μmとした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表2に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0051】
【実施例11】
篩の目開きを75μmとした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表2に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0052】
【実施例12】
篩上成分を粉砕して得た粒子に加え、分級前の顆粒を粉砕して得た粒子を全質量の9.5%となる量、篩下顆粒に混合した以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表2に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0053】
【実施例13】
分級前の顆粒を粉砕して得た粒子を全質量の20.5%となる量、篩下顆粒に混合した以外は実施例12と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表2に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0054】
【実施例14】
乾燥用空気の出口温度を55℃とした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表2に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0055】
【実施例15】
乾燥用空気の出口温度を60℃とした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表2に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0056】
【実施例16】
乾燥用空気の出口温度を65℃とした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表2に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0057】
【実施例17】
乾燥用空気の入口温度を130℃とした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表3に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0058】
【表3】
Figure 0005081366
【実施例18】
乾燥用空気の入口温度を150℃とした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表3に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0059】
【実施例19】
乾燥用空気の入口温度を170℃とした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表3に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0060】
【実施例20】
予め目開き500μmの振動篩で分級して得られた篩下顆粒を、目開き150μmの三次元振動篩で分級したこと以外は、実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表3に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0061】
【実施例21】
予め目開き1000μmの振動篩で分級して得られた篩下顆粒を、目開き150μmの三次元振動篩で分級したこと以外は、実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表3に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0062】
【実施例22】
予め目開き2800μmの振動篩で分級して得られた篩下顆粒を、目開き150μmの三次元振動篩で分級したこと以外は、実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表3に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0063】
【実施例23】
予め目開き1000μmの振動篩で分級して得られた篩下顆粒を、目開き150μmの三次元振動篩で分級したこと以外は、実施例4と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表3に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さいものであった。
【0064】
【比較例1】
三次元振動篩を使用しなかったこと以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表4に示す。得られたペースト塩ビ顆粒から調整したゾルの分散性に劣り、大きな未分散物を含むものとなった。
【0065】
【表4】
Figure 0005081366
【比較例2】
三次元振動篩を使用しなかったこと以外は実施例3と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表4に示す。得られたペースト塩ビ顆粒から調整したゾルの分散性に劣り、大きな未分散物を含むものとなった。
【0066】
【比較例3】
三次元振動篩を使用しなかったこと以外は実施例4と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表4に示す。得られたペースト塩ビ顆粒から調整したゾルの分散性に劣り、大きな未分散物を含むものとなった。
【0067】
【比較例4】
三次元振動篩を使用しなかったこと以外は実施例12と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表4に示す。得られたペースト塩ビ顆粒から調整したゾルの分散性に劣り、大きな未分散物を含むものとなった。
【0068】
【比較例5】
篩の目開きを45μmとした以外は実施例1と同様な方法で分級を行った。篩の目詰りのため分級ができず、ペースト塩ビ顆粒が得られなかった。
【0069】
【比較例6】
篩の目開きを500μmとした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表4に示す。得られたペースト塩ビ顆粒から調整したゾルの分散性に劣り、大きな未分散物を含むものとなった。
【0070】
【比較例7】
分級前の顆粒を粉砕して得た粒子を全質量の50%となる量、篩下顆粒に混合した以外は実施例12と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表4に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に劣るものであった。
【0071】
【比較例8】
乾燥用空気の入口温度を80℃、乾燥用空気の出口温度を40℃とした以外は実施例1と同様な方法で噴霧乾燥した。乾燥温度が低いため、今回使用した設備では噴霧液滴が湿ったまま噴霧乾燥機内部に付着してしまいペースト塩ビ顆粒は得られなかった。
【0072】
【比較例9】
乾燥用空気の入口温度を80℃とし、噴霧回転数を20000rpmとした以外は実施例1と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表5に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に劣るものであった。
【0073】
【表5】
Figure 0005081366
【比較例10】
篩の目開きを63μmとした以外は、比較例9と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表5に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に劣るものであった。
【0074】
【比較例11】
篩の目開きを53μmとした以外は、比較例9と同様な方法でペースト塩ビ顆粒を得た。得られたペースト塩ビ顆粒は、前記方法にて評価した。評価結果を表5に示す。得られたペースト塩ビ顆粒は粉体流動性に劣るものであった。
【0075】
【発明の効果】
本発明により得られたペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒は粉体流動特性及び飛散性に優れ、調整したゾル中での未分散物の大きさが小さい、生産性が優れるという特性を有することから、その工業的価値は極めて高いものである。

Claims (1)

  1. 全質量中に占める10μm以下の粒子が3〜40重量%である顆粒であって、該顆粒のレーザー回折式粒度分布測定機により求めた粒子径分布が3つの極大値を有すると共に、0.1〜300μmの範囲に連続する分布を示し、平均粒子径が30〜80μm、嵩比重が0.45〜0.60g/cc、圧縮度が20〜35%、安息角が35〜47度、分散度が40%以下の顆粒で、かつ該顆粒650gとジオクチルフタレート390gを5Lのホバートミキサーで自転180rpm、公転80rpmの速度で10分間攪拌して調整したときのゾル中の未分散物の大きさが170μm以下であることを特徴とするペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒。
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