JP3572371B2 - ペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒、その製造方法及びそれよりなるペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒(以下、ペースト塩ビ顆粒という。)に関するものである。更に詳しくは、粉体流動性に優れ、ペースト塩ビゾルを調整した際に、ゾル粘度が低く良好な発泡特性を有するペースト塩ビゾルとなるペースト塩ビ顆粒、その製造方法及びそれよりなるペースト塩ビ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ペースト加工用ポリ塩化ビニル樹脂(以下、ペースト塩ビという。)は、通常、可塑剤中に分散させたプラスチゾル又はこれに有機溶媒を添加したオルガノゾルとして加工に供される。その際、プラスチゾル又はオルガノゾル中に未分散のペースト塩ビが存在する場合、これらがゾル中において沈降したり、さらにコーティング加工を行う場合には、すじ引きを生じ表面外観を悪化させる等の問題が生じる。このため、ペースト塩ビは可塑剤と混合した際に速やかに分散することが必要である。
【0003】
そこで、現在、市場に提供されている一般的なペースト塩ビは、種々の方法、例えば乳化重合、ミクロ懸濁重合、シードミクロ懸濁重合のような各種方法で得られた水性分散液を噴霧乾燥した後、粉砕し、平均粒子径10μm以下の微粉末の形で提供される。このようなペースト塩ビは、粉体流動性の不良による包装の際の充填排出によるトラブル、低嵩比重による貯蔵や輸送に要する費用の増大、微粉末の飛散による作業環境の悪化等の多くの問題を有している。
【0004】
このような問題を解決する方法として、ペースト塩ビの顆粒化についての検討が行われている。特開昭60−120019号公報には、塩化ビニル系重合体の水性分散液に、水に難溶であって塩化ビニル系樹脂を溶解、膨潤させない有機溶媒を添加、混合することにより塩化ビニル系重合体を調整し、次いでこれを水相より分離し低温で乾燥する方法が提案され、特開平2−225529号公報にはペースト塩ビ樹脂の水性分散液をスプレー乾燥・造粒させる際に、乾燥空気を用い、低温で乾燥する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法により得られたペースト塩ビ顆粒は、粉体流動性は向上するものの、ただ単に一般的な粒子径及び粒子径分布を有するポリ塩化ビニル樹脂の水性分散液より顆粒化を行ったものであるために、加工時に必要な物性が得られず、満足すべき成型品を得ることが困難であった。
【0006】
特に、ペースト塩ビの主用途の1つである壁紙加工分野においては、ペースト塩ビの自動計量化に伴う作業性の向上、作業環境の改善、コスト削減のための高充填・高発泡化の強い要求がある。この要求を満足するためには、1)ペースト塩ビが顆粒状であり、2)ペースト塩ビゾルとした場合、ゾルが低粘度であり、高充填時においも良好な発泡セル構造を取ることが可能であるペースト塩ビであることが必要である。しかし、上記方法により得られたペースト塩ビ顆粒は、粉体流動性、加工特性を同時に満足するものではない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ペースト塩ビゾルとした場合、ゾルが低粘度であり、高充填時において良好な発泡セル構造を取ることが可能である粉体流動性が良好なペースト塩ビ顆粒、その製造方法及びそれよりなるペースト塩ビ組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、特定の粒子径及び割合を有するポリ塩化ビニル系樹脂粒子よりなり、特定の粒子径を有するペースト塩ビ顆粒が、粉体流動性が良好であり、ペースト塩ビゾルを調製した場合、ゾルが低粘度であり、ゾルを発泡させた際に高充填時においも良好な発泡セル構造を取ることが可能であるペースト塩ビ顆粒となることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち、本発明は、粒子径が0.01μm以上0.45μm未満であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子(A)が30〜50重量%、粒子径が0.45μm以上4.5μm未満であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子(B)が35〜55重量%、粒子径が4.5μm以上20μm以下であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子(C)が10〜30重量%よりなり、かつ、顆粒における平均粒子径が20〜130μmであることを特徴とするペースト塩ビ顆粒、その製造方法及びそれよりなるペースト塩ビ組成物に関するものである。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明におけるペースト塩ビ顆粒は、粒子径が0.01μm以上0.45μm未満であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子(A)が30〜50重量%、粒子径が0.45μm以上4.5μm未満であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子(B)が35〜55重量%、粒子径が4.5μm以上20μm以下であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子(C)が10〜30重量%よりなり、かつ、顆粒における平均粒子径20〜130μmを有するペースト塩ビ顆粒である。
【0012】
本発明のペースト塩ビ顆粒を構成するポリ塩化ビニル系樹脂粒子(A)は、粒子径が0.01μm以上0.45μm未満であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子であり、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子(B)は粒子径が0.45μm以上4.5μm未満であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子であり、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子(C)は粒子径が4.5μm以上20μm以下であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子である。
【0013】
ここで、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子(A)が50重量%を越えた場合、又は、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子(C)が10重量%未満である場合、得られたペースト塩ビ顆粒をゾル化した場合、可塑剤中でのペースト塩ビの分散性が悪く、コーティング加工時にすじ引き等の問題が発生したり、ゾル粘度が高くなるため加工性が低下する等の問題が生じ好ましくない。また、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子 (A)が30重量%未満である場合、又は、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子(C)が30重量%を越える場合、例えばCaCO3をペースト塩ビ顆粒100重量部に対し100〜200重量部添加するような高充填配合系とした場合、コーティング後発泡を行うと発泡体表面の荒れたり、発泡セル構造が緻密にならないために目標とする発泡倍率に至らない、またエンボス時の柄の再現性が悪くなるなどの問題が生じ好ましくない。そして、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子(B)が35重量%未満となる場合には、得られたペースト塩ビ顆粒をゾル化した場合、ゾルのコーティングの際に高ずり領域においてゾルが低粘度化を示さず好ましくない。また、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子(B)が55重量%を越える場合には、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子(A)又はポリ塩化ビニル系樹脂粒子(C)の割合が減少するため、上記と同様の問題が生じる。
【0014】
本発明のペースト塩ビ顆粒は、その平均粒子径が20〜130μmのものである。ここで、平均粒子径が20μm未満である場合、粉体流動性が悪化し好ましくない。一方、平均粒子径が130μmを越える場合、得られたペースト塩ビ顆粒をゾル化した場合、可塑剤中でのペースト塩ビの分散性が悪くなり好ましくない。
【0015】
本発明のペースト塩ビ顆粒を製造する方法としては、本発明のペースト塩ビ顆粒を得ることが可能であればいかなる方法もとることが可能であり、例えば異なった粒子径を有するポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液をポリ塩化ビニル系樹脂粒子(A)が30〜50重量%、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子(B)が35〜55重量%、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子(C)が10〜30重量%となるようにブレンドし、ブレンドされたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を直接噴霧乾燥し平均粒子径20〜130μmのペースト塩ビ顆粒を製造する方法、噴霧乾燥し粉砕し得られた粉体を造粒し平均粒子径20〜130μmのペースト塩ビ顆粒を製造する方法、又は、ブレンドしたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液に、水に難溶であってポリ塩化ビニル系樹脂を溶解、膨潤させない有機溶媒を添加、混合することによりポリ塩化ビニル系樹脂を調整し、次いでこれを水相より分離し低温で乾燥することにより平均粒子径20〜130μmのペースト塩ビ顆粒を製造する方法等が挙げられる。
【0016】
ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液のブレンド方法としては、ブレンドすることが可能であればいかなる方法もとることが可能であり、例えば水性分散液同士をブレンドする方法、水性分散液からポリ塩化ビニル系樹脂粒子をろ過又は遠心分離によりウェットケーキとしたのち、これを直接又は水で水性分散液に戻してブレンドする方法などいずれでも良い。ここで、粒子径が4.5μm以上20μm以下であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子(C)の水性分散液は、直接ブレンドすると場合によっては重合に使用している分散剤等がペースト塩ビ顆粒の物性を低下させることがあるため、ろ過又は遠心分離によりウェットケーキとしたのちこれを直接又は水で水性分散液に戻してブレンドすることが好ましい。
【0017】
本発明のペースト塩ビ顆粒を得るための顆粒化の方法は、例えばブレンドされたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液をノズル式、円盤型回転ディスク式等の噴霧乾燥機で顆粒化する方法;噴霧乾燥し粉砕した粉体に水又は塩化ビニル樹脂を溶解、膨潤させない有機溶媒を添加し、転動造粒、圧縮造粒法で顆粒状にしたのち低温で乾燥する方法;ブレンドした塩化ビニル重合体水性分散液に、水に難溶であって塩化ビニル系樹脂を溶解、膨潤させない有機溶媒を添加、混合することにより塩化ビニル重合体を調整し、次いでこれを水相より分離し低温で乾燥する等の方法等を挙げることができるが、工程の簡略化、ペースト塩ビ顆粒の粒子径のコントロールのしやすさから、噴霧乾燥による方法が好ましい。この際の乾燥機の種類に制限がなく、一般的に使用されているものでよく、例えば「SPRAY DAYING HANDBOOK」(K.Masters著、3版、1979年、George godwin Limitedより出版)の121頁第4.10図に記載されている各種のスプレー乾燥機があげられる。そして粒化の際の乾燥温度は、いずれの方法においてもペースト塩ビ樹脂温度が50℃を越えないような低温での乾燥であることが好ましい。
【0018】
本発明のペースト塩ビ顆粒を製造するためのポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液の製造方法としては、特に制限はなく一般にペースト塩ビの製造方法として知られている方法でよく、例えば塩化ビニル系単量体を脱イオン水、界面活性剤、水溶性重合開始剤と共に緩やかな撹拌下で重合を行う乳化重合法;乳化重合法で得られた粒子をシードとして用い乳化重合を行うシード乳化重合法;塩化ビニル系単量体を脱イオン水、界面活性剤、必要に応じて高級アルコール、水溶性高分子等の分散補助剤、油溶性重合開始剤をホモジナイザー等で混合分散した後、緩やかな撹拌下で重合を行うミクロ懸濁重合法;ミクロ懸濁重合法で得られた油溶性重合開始剤を含有するシードを用い重合を行うシードミクロ懸濁重合法;塩化ビニル系単量体を脱イオン水、水溶性高分子、必要に応じて界面活性剤等の分散補助剤、油溶性重合開始剤を激しい撹拌下で重合を行う懸濁重合法等があげられる。この際、いずれの方法においても30〜80℃の温度範囲において重合することが好ましい。
【0019】
本発明におけるペースト塩ビ顆粒は、塩化ビニル単独重合体若しくは塩化ビニル共重合体又はこれらの混合物のいずれよりなるものでも良い。そして、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液の製造に使用される塩化ビニル系単量体としては、塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体と塩化ビニル単量体との共重合可能なビニル単量体との混合物である。塩化ビニル単量体と共重合し得るビニル単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸又はその無水物類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類;マレイン酸エステル、フマル酸エステル、桂皮酸エステル等の不飽和カルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルアミルエーテル、ビニルフェニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のモノオレフィン類;塩化ビニリデン、スチレン及びその誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、これらは1種又は2種以上で用いることが可能である。また、該ビニル単量体の使用量は、塩化ビニル単量体に対し5重量%以下であることが良好な製品を得られることから好ましい。
【0020】
ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を製造する際に、界面活性剤を使用することも可能である。界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸エステルナトリウム,ミリスチル硫酸エステルナトリウムのようなアルキル硫酸エステル塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,ドデシルベンゼンスルホン酸カリウムのようなアルキルアリールスルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム,ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムのようなスルホコハク酸エステル塩類、ラウリン酸アンモニウム,ステアリン酸カリウムの如き脂肪酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;ソルビタンモノオレート,ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのようなソルビタンエステル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類などのノニオン界面活性剤類などの従来より知られているものを1種以上で用いることができ、これらの界面活性剤は、重合時に使用する以外に、改質を目的として重合後の水性分散液に添加することも可能である。
【0021】
ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液の製造する際に、必要に応じて分散補助剤を使用することも可能である。分散補助剤としては、例えばセチルアルコール,ラウリルアルコール等の高級アルコール、ラウリル酸,パルミチン酸,ステアリン酸等の高級脂肪酸又はそのエステル類、芳香族炭化水素、高級脂肪族炭化水素、塩素化パラフィン等のハロゲン化炭化水素、ポリビニルアルコール,ヒドロキシメチルセルロース,ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子などがあげられ、これらを1種以上で用いることができる。
【0022】
ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液の製造する際に、使用される重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の水溶性重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド,p−クロロベンゾイルパーオキサイド等の芳香族ジアシルパーオキサイド、カプロイルパーオキサイド,ラウロイルパーオキサイド等の脂肪族ジアシルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル,アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチルパーオキシピバレート等の有機酸のパーオキシジエステル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート,ジオクチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド等の油溶性開始剤があげらる。そして、これらは単独又は2種類以上の組合わせで用いることが可能である。また、重合温度が、重合開始剤の10時間半減期温度よりも低い場合は、重合温度をコントロールする目的で、例えばチオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸などの還元剤を単独で重合時に添加するか、硫酸鉄−アスコルビン酸、硫酸銅−アスコルビン酸のようなレドックス系開始剤との併用で重合を行ってもよい。
【0023】
本発明のペースト塩ビ顆粒は、ペースト塩ビ顆粒100重量部、可塑剤30〜200重量部、安定剤1〜10重量部、発泡剤1〜20重量部よりなる発泡成形加工に優れたペースト塩ビ組成物(ペースト塩ビゾル)として用いることが可能である。
【0024】
ペースト塩ビ組成物を調整する際に使用する可塑剤としては、塩化ビニル系樹脂加工に用いられるものであれば特に制限はなく、例えばフタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(以下、DOPという)、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等のフタル酸系可塑剤;アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪酸エステル系可塑剤;リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシルジフェニル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化トール油、脂肪酸−2−エチルヘキシル等のエポキシ系可塑剤等があげられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用してもよい。可塑剤の使用量は、加工時おけるゾル粘度、成型品硬度等により適宜選択され、成型加工性に優れたゾル粘度と適当な硬度を有する成型品が得られることからペースト塩ビ顆粒100重量部に対し30〜200重量部、好ましくは30〜100重量部であることが好ましい。
【0025】
ペースト塩ビ組成物を調整する際に使用する安定剤としては、例えば鉛白、塩基性ケイ酸鉛、三塩基性硫酸鉛、三塩基性亜リン酸鉛、三塩基性フタル酸鉛等の無機鉛塩系安定剤;ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、ナフテン酸、2−エチルヘキソイン酸等の脂肪酸;ナフテン酸カドミウム、ナフテン酸バリウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸スズ、ナフテン酸マグネシウム等の金属塩からなる金属石鹸;バリウム−カドミウム系、バリウム−亜鉛系、カドミウム−バリウム−亜鉛系、カルシウム−亜鉛系、マグネシウム−亜鉛系等の液状安定剤;ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズメルカプチドのような有機スズ安定剤;その他にエポキシ系安定剤、有機亜リン酸化合物などがあげられ、これら2種以上を混合して用いてもよい。安定剤の使用量としては、成型加工性に優れたペースト塩ビ組成物が得られることからペースト塩ビ顆粒100重量部に対し1〜10重量部、好ましくは2〜5重量部であることが好ましい。
【0026】
ペースト塩ビ組成物を調整する際に使用する発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、アミド化合物、ホウ水素化ナトリウム等の無機発泡剤;イソシアネート化合物、アゾ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、アジ化合物、ニトロソ化合物、トリアゾール化合物等の有機系発泡剤等があげられ、これら各種発泡剤を2種以上を混合して使用してもよい。また、必要に応じて、亜鉛華(酸化亜鉛)等の分解促進剤を併用することも可能である。発泡剤の使用量としては、優れた発泡性を有するペースト塩ビ組成物が得られることからペースト塩ビ顆粒100重量部に対し1〜20重量部、好ましくは2〜7重量部であることが好ましい。
【0027】
また、ペースト塩ビ組成物を調整する際に充填剤として、例えば炭酸カルシウム、ケイソウ土、炭酸マグネシウムを併用することも可能である。これら充填剤を使用する場合の使用量としては、本発明のペースト塩ビ顆粒の性能が良く発揮されることからペースト塩ビ顆粒100重量部に対して、30〜300重量部、好ましくは50〜150重量部であることが好ましい。
【0028】
また、ペースト塩ビ組成物を調整する際には、必要に応じて酸化チタン等の顔料、難燃剤、希釈剤等の有機溶媒等を添加しても差し支えない。
【0029】
本発明のペースト塩ビ顆粒及びそれよりなるペースト塩ビ組成物は、各種用途に用いることができ、特に充填剤を高充填して用いられるシーラント、壁紙、床材等の分野において適したものである。
【0030】
【実施例】
以下に、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0031】
合成例1(ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液aの製造例)
1000リットルオートクレーブ中に脱イオン水400リットル、塩化ビニル単量体350Kg、16重量%ラウリン酸カリウム水溶液2Kg、16重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液5Kgを仕込んだ後、温度を60℃に昇温し重合を開始した。その後、重合圧力が60℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から3.3Kg/cm2降下した時点で重合を停止した。そして、未反応の塩化ビニル単量体を回収し、固形分含有量40重量%、平均粒子径が0.14μmであるポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液aを得た。
【0032】
得られたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液aに含有されているポリ塩化ビニル系樹脂粒子は、0.15μmにピークを持ち、最小粒子径0.05μm、最大粒子径0.39μmであり、0.45μmを越えるポリ塩化ビニル系樹脂粒子を含まないものであった。。
【0033】
合成例2(ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液bの製造例)
1000リットルオートクレーブ中に脱イオン水360Kg、塩化ビニル単量体300Kg、重合開始剤として3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド3Kg、15重量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液5.0Kgを仕込んだ後、3時間ホモジナイザーを用い循環し、均質化処理後、系内の温度を40℃にあげて重合を進めた。そして、重合圧力が低下した後、未反応の塩化ビニル単量体を回収し、平均粒子径が0.5μmであるシード粒子を含有する固形分含有量35重量%のシード粒子ラテックスを得た。
【0034】
1000リットルオートクレーブ中に脱イオン水350リットル、塩化ビニル単量体400Kg、20重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液2Kg、上記のシード粒子を含有するシード粒子ラテックス44Kgを仕込んだ後、温度を64℃に昇温し重合を開始した。そして、重合開始から重合終了までの間、20重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液1.4Kgを連続的に添加した。重合圧力が64℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から6Kg/cm2降下した時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニル単量体を回収し、固形分含有量45重量%、平均粒子径が1.1μmであるポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液bを得た。
【0035】
得られたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液bに含有されているポリ塩化ビニル系樹脂粒子は、1.51μmに粒子径ピークを持ち、最小粒子径0.07μm、最大粒子径4.4μmであり、粒子径0.01μm以上0.45μm未満の粒子の割合が17.3%、粒子径0.45μm以上4.5μm未満の粒子の割合が82.7%であった。
【0036】
合成例3(ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液cの製造例)
1000リットルオートクレーブ中に1重量%ポリビニルアルコール水溶性450Kg、ラウロイルパーオキサイド240g、リン酸緩衝液を300ppm、塩化ビニル単量体300Kgを仕込み、循環型ホモジナイザーにより3時間均質化処理を施した。均質化処理後、この反応混合物の温度を64℃に昇温し重合を開始した。そして、重合圧力が64℃における塩化ビニルの飽和蒸気圧から4.8Kg/cm2降下した時点で重合を停止した。その後、未反応の塩化ビニル単量体を回収し、固形分含有量40重量%、平均粒子径が6.8μmであるポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液cを得た。
【0037】
得られたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液cに含有されているポリ塩化ビニル系樹脂粒子は、7.7μmに粒子径ピークを持ち、最小粒子径1.0μm、最大粒子径19.9μmのものであり、粒子径0.45μm以上4.5μm未満の粒子の割合が17.2%、粒子径4.5μm以上20μm以下の粒子の割合が82.8%のものであった。
【0038】
実施例1
合成例1,2,3により得られたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液a、b、cを固形分重量比でa/b/c=35/50/15となるように混合し、粒子径0.01μm以上0.45μm未満の粒子が44重量%、粒子径0.45μm以上4.5μm未満の粒子が44重量%、粒子径4.5μm以上20μm以下の粒子が12重量%であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を調整した。
【0039】
該ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を回転円盤型噴霧乾燥機(塔径2.6m,塔長4.5m,噴霧円盤径12cm)により、乾燥条件として熱風入口温度120℃、乾燥出口温度50℃、噴霧円盤回転数18000rpmで乾燥することによりペースト塩ビ顆粒を得た。
【0040】
得られたペースト塩ビ顆粒を以下に示す方法により評価した。
【0041】
〜平均粒径〜
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、商品名LA−700)を使用し、屈折率1.3の条件にて2回測定を行い、その平均値を平均粒径として測定した。
【0042】
〜安息角〜
パウダーテスタ(粉体特性総合測定装置)(細川粉体工業研究所製、商品名TypePT−E)を使用し測定を行った。3回測定を行いその平均値を安息角として測定した。
【0043】
〜ペースト塩ビゾル中の未分散物の大きさ〜
得られたペースト塩ビ顆粒150g、DOP90gをT.K.ホモディスパー(特殊機化工業製)を用いて、1000rpmで3分間撹拌し、ペースト塩ビゾルを調整した。該ペースト塩ビゾルを深さが0〜300μmまでの均一テーパーの溝を有するグラインドメーターに流し込み、スクレーパーでしごいて、未分散物によるすじ引きの始まる大きさを未分散物の大きさとした。この操作により5回測定を行い、その平均値を測定結果とした。
【0044】
〜ペースト塩ビゾルのゾル粘度〜
上記のペースト塩ビゾル中の未分散物の大きさの項と同等の方法によりペースト塩ビゾルを調整し、25℃で2時間放置後のペースト塩ビゾルをBurrelSevers extrusion Rheometer(Burrel社製、商品名modelA−120)を使用し、圧力60psiでの単位時間当たりのペースト塩ビゾル流出量の測定を行った。
【0045】
ペースト塩ビゾル流出量が多いほどゾル粘度は低いことを表わす。
【0046】
〜発泡性〜
得られたペースト塩ビ顆粒100重量部、DOP50重量部、炭酸カルシウム55重量部、安定剤(共同薬品製,商品名KF65−J2)3重量部、発泡剤 (永和化成製,商品名AC1C)5重量部、顔料15重量部、希釈剤5重量部を配合して、T.K.ホモディスパー(特殊機化工業製)を用い3000rpmで2分間撹拌し、ペースト塩ビゾルを調整した。
【0047】
得られたペースト塩ビゾルを難燃紙上に、0.25mmの厚みでコーティングし、140℃に加熱されたオーブン中で40秒間加熱することにより、半ゲル状のシートを作製し、該シートを室温まで冷却した後、210℃に加熱したオーブン中で60秒間加熱することによりにより発泡させ得られた発泡体の発泡セル構造を観察することにより発泡性を評価した。
【0048】
(○):セルが緻密
(×):セルが粗い
得られた結果を表1に示す。
【0049】
得られたペースト塩ビ顆粒は、安息角が小さいことから粉体流動性に優れるものであり、該ペースト塩ビ顆粒より調整されたペースト塩ビゾルは、未分散物の粒子径は小さいのもであり、ゾル粘度は低く、発泡性に優れるものであった。
【0050】
実施例2
合成例1,2,3により得られたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液a,b,cを固形分重量比でa/b/c=26/39/35となるように混合し、粒子径0.01μm以上0.45μm未満の粒子が33重量%、粒子径0.45μm以上4.5μm未満の粒子が38重量%、粒子径4.5μm以上20μm以下の粒子が29重量%であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を調整し、該ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を用いた以外は実施例1と同様の方法を行いペースト塩ビ顆粒を得た。
【0051】
得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径32μmのものであった。
【0052】
評価結果を表1に示す。
【0053】
得られたペースト塩ビ顆粒は、安息角が小さいことから粉体流動性に優れるものであり、該ペースト塩ビ顆粒より調整されたペースト塩ビゾルは、未分散物の粒子径は小さいのもであり、ゾル粘度は低く、発泡性に優れるものであった。
【0054】
実施例3
合成例1,2,3により得られたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液a,b,cを固形分重量比でa/b/c=28/52/20となるように混合し、粒子径0.01μm以上0.45μm未満の粒子が37重量%、粒子径0.45μm以上4.5μm未満の粒子が46重量%、粒子径4.5μm以上20μm以下の粒子が17重量%であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を調整し、該ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を用いた以外は実施例1と同様の方法を行いペースト塩ビ顆粒を得た。
【0055】
得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径32μmのものであった。
【0056】
評価結果を表1に示す。
【0057】
得られたペースト塩ビ顆粒は、安息角が小さいことから粉体流動性に優れるものであり、該ペースト塩ビ顆粒より調整されたペースト塩ビゾルは、未分散物の粒子径は小さいのもであり、ゾル粘度は低く、発泡性に優れるものであった。
【0058】
実施例4
噴霧円盤回転数13000rpmにした以外は、実施例1と同様な方法を行いペースト塩ビ顆粒を得た。
【0059】
得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径45μmのものであった。
【0060】
評価結果を表1に示す。
【0061】
得られたペースト塩ビ顆粒は、安息角が小さいことから粉体流動性に優れるものであり、該ペースト塩ビ顆粒より調整されたペースト塩ビゾルは、未分散物の粒子径は小さいのもであり、ゾル粘度は低く、発泡性に優れるものであった。
【0062】
実施例5
噴霧円盤回転数8000rpmにした以外は、実施例1と同様な方法を行いペースト塩ビ顆粒を得た。
【0063】
得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径66μmのものであった。
【0064】
評価結果を表1に示す。
【0065】
得られたペースト塩ビ顆粒は、安息角が小さいことから粉体流動性に優れるものであり、該ペースト塩ビ顆粒より調整されたペースト塩ビゾルは、未分散物の粒子径は小さいのもであり、ゾル粘度は低く、発泡性に優れるものであった。
【0066】
比較例1
合成例1,2,3により得られたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液a,b,cを固形分重量比でa/b/c=60/35/5となるように混合し、粒子径0.01μm以上0.45μm未満の粒子が66重量%、粒子径0.45μm以上4.5μm未満の粒子が30重量%、粒子径4.5μm以上20μm以下の粒子が4重量%であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を調整し、該ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を用いた以外は実施例1と同様の方法を行いペースト塩ビ顆粒を得た。
【0067】
得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径32μmのものであった。
【0068】
評価結果を表2に示す。
【0069】
得られたペースト塩ビ顆粒より調整されたペースト塩ビゾルは、大きな未分散物を有するものであった。
【0070】
比較例2
合成例1,2,3により得られたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液a,b,cを固形分重量比でa/b/c=5/35/60となるように混合し、粒子径0.01μm以上0.45μm未満の粒子が11重量%、粒子径0.45μm以上4.5μm未満の粒子が39重量%、粒子径4.5μm以上20μm以下の粒子が50重量%であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を調整し、該ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を用いた以外は実施例1と同様の方法を行いペースト塩ビ顆粒を得た。
【0071】
得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径32μmのものであった。
【0072】
評価結果を表2に示す。
【0073】
得られたペースト塩ビ顆粒より調整されたペースト塩ビゾルは、ゾル粘度が高く、発泡性に劣るものであった。
【0074】
比較例3
噴霧円盤回転数35000rpmにした以外は、実施例1と同様な方法を行いペースト塩ビ顆粒を得た。
【0075】
得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径16μmのものであった。
【0076】
評価結果を表2に示す。
【0077】
得られたペースト塩ビ顆粒は、安息角が大きく粉体流動性に劣るものであった。
【0078】
比較例4
合成例1,2により得られたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液a,bを固形分重量比でa/b=40/60となるように混合し、粒子径0.01μm以上0.45μm未満の粒子が50重量%、粒子径0.45μm以上4.5μm未満の粒子が50重量%であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を調整し、該ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を用いた以外は実施例1と同様の方法を行いペースト塩ビ顆粒を得た。
【0079】
得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径32μmのものであった。
【0080】
評価結果を表2に示す。
【0081】
得られたペースト塩ビ顆粒より調整されたペースト塩ビゾルは、大きな未分散物を有し、ゾル粘度が高いものであった。
【0082】
比較例5
合成例2,3により得られたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液b,cを固形分重量比でb/c=60/40となるように混合し、粒子径0.01μm以上0.45μm未満の粒子が10重量%、粒子径0.45μm以上4.5μm未満の粒子が57重量%、粒子径4.5μm以上20μm以下の粒子が33重量%であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を調整し、該ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を用いた以外は実施例1と同様の方法を行いペースト塩ビ顆粒を得た。
【0083】
得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径32μmのものであった。
【0084】
評価結果を表2に示す。
【0085】
得られたペースト塩ビ顆粒より調整されたペースト塩ビゾルは、ゾル粘度が高く、発泡性に劣るものであった。
【0086】
比較例6
合成例1,2により得られたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液a,b及び市販のブレンディングレジン(旧日本ゼオン製、商品名103ZX;平均粒径35μm)を固形分重量比でa/b/市販品=35/50/15となるように混合し、粒子径0.01μm以上0.45μm未満の粒子が44重量%、粒子径0.45μm以上4.5μm未満の粒子が41重量%、市販品粒子が15重量%であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を調整し、該ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を用いた以外は実施例1と同様の方法を行いペースト塩ビ顆粒を得た。
【0087】
得られたペースト塩ビ顆粒は、平均粒径38μmのものであった。
【0088】
評価結果を表2に示す。
【0089】
得られたペースト塩ビ顆粒より調整されたペースト塩ビゾルは、大きな未分散物を有し、発泡性に劣るものであった。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【発明の効果】
本発明のペースト塩ビ顆粒は、粉体流動性に優れ、該ペースト塩ビ顆粒より調整されたペースト塩ビゾルは、未分散物の粒子が少なく、その粒子径は小さいのもであり、ゾル粘度は低く、発泡性に優れるものとなることからその工業的価値は非常に高いものである。
Claims (3)
- 粒子径が0.01μm以上0.45μm未満であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子(A)が30〜50重量%、粒子径が0.45μm以上4.5μm未満であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子(B)が35〜55重量%、粒子径が4.5μm以上20μm以下であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子(C)が10〜30重量%よりなり、かつ、顆粒における平均粒子径が20〜130μmであることを特徴とするペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒。
- ペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂の製造方法において、ポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を粒子径が0.01μm以上0.45μm未満であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子(A)が30〜50重量%、粒子径が0.45μm以上4.5μm未満であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子(B)が35〜55重量%、粒子径が4.5μm以上20μm以下であるポリ塩化ビニル系樹脂粒子(C)が10〜30重量%となるようにブレンド調製し、調製されたポリ塩化ビニル系樹脂粒子の水性分散液を直接噴霧乾燥することを特徴とする請求項1に記載のペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒の製造方法。
- 請求項1に記載のペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂顆粒100重量部、可塑剤30〜200重量部、安定剤1〜10重量部、発泡剤1〜20重量部よりなることを特徴とするペースト加工用ポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
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