JPH06211909A - 塩化ビニル系重合体の製造方法およびその組成物 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法およびその組成物

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JPH06211909A
JPH06211909A JP745893A JP745893A JPH06211909A JP H06211909 A JPH06211909 A JP H06211909A JP 745893 A JP745893 A JP 745893A JP 745893 A JP745893 A JP 745893A JP H06211909 A JPH06211909 A JP H06211909A
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pva
polymer
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Daisaku Hashino
大作 橋野
Toshihiko Tanaka
利彦 田中
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Abstract

(57)【要約】 【構成】塩化ビニル又は塩化ビニルと共重合可能な単量
体との混合物(以下、塩化ビニル系単量体という)を油
溶性重合開始剤と分散剤の存在下に水性媒体中で懸濁重
合して塩化ビニル系重合体を製造する方法において、前
記分散剤として、(A)ケン化度が70〜90モル%か
つ平均重合度が1500〜3000の部分ケン化ポリビ
ニルアルコ−ル(以下、PVAという)、(B)ケン化
度が70〜90モル%かつ平均重合度が300〜100
0のPVA及び(C)水溶性セルロースエーテルとを併
用し、かつ上記PVA(B)を重合率5%を越えて重合
終了までの間に添加することを特徴とする塩化ビニル系
重合体の製造方法。 【効果】高い熱安定性、良好な可塑剤吸収性とフィッシ
ュアイ特性を有し、かさ比重の高いPVCが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系重合体の
製造方法および組成物に関し、特に熱安定性が優れ、し
かもフィッシュアイが少なく、かさ比重の高い塩化ビニ
ル系重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体(以下、PVCとい
う)は、優れた物理的、機械的性質などを有しているた
め、多方面の分野にわたり使用されている。
【0003】PVCは、成形加工時の分解を抑制する目
的で各種安定剤と配合して使用されるが、このうち代表
的な安定剤系である複合金属石けん安定剤は食品包装容
器、医療用器具、医薬包装容器等の毒性のないことが要
求される用途あるいは水道用パイプ、継手等の鉛溶出量
規制の厳しい実質的に無毒であることが要求される用途
で好適に使用される。その場合、さらに安定剤の効果を
助長するための化合物(以下、安定助剤)が併用される
ことがあり、そのような安定助剤としては、ポリオール
および/またはそのエステル、フォスファイト類、エポ
キシ化合物等が従来より知られており、PVCの製造時
あるいは加工に先立つ配合および混練工程で用いられ
る。
【0004】ところでPVCの懸濁重合の一般的な分散
安定剤として知られるPVAは、前述のポリオールに分
類され安定助剤としての効果を持つことも高分子論文
集,Vol.47,No.6,pp.509(Jun
e,1990)等により公知である。しかしながら、P
VCの熱安定性を改良する目的でPVAを用いる場合で
あって、混合および混練工程で用いる場合には、ケン化
度の高いPVA(特に、ケン化度70モル%以上のPV
A)では、PVCとの相溶性が劣り、その結果分散不良
を生じてフッシュアイを生成し、製品の外観を損なった
り、機械的強度を低下させる恐れがある。またケン化度
の低いPVAを用いる場合には、安定助剤としての能力
が劣るため多量に使用する結果、ケン化度の高いPVA
と同様の問題を引き起こす恐れがある。
【0005】一方、PVCの懸濁重合の開始時に分散剤
としてPVAを使用する場合には、PVAが均一に分散
して、あるいは塩化ビニル単量体がグラフト重合するこ
とによりPVCとの相溶性が向上して、分散不良による
フッシュアイの生成も認められなくなる。しかしなが
ら、より優れた熱安定性を求めて多量のPVAを使用す
る場合には、塩化ビニル単量体の分散安定性が低下して
PVCが得られないか、または得られたPVCの可塑剤
吸収性やフィッシュアイ、PVC中に残留する塩化ビニ
ルのレベルが低下した重合体となり、こういった重合体
からは満足な組成物や成形品が得られないという別の問
題が生じる。このような問題に対しては、塩化ビニル系
重合体の製造の際に、分散剤として(A)ケン化度が7
0〜90モル%かつ平均重合度が1500〜3000の
PVA、(B)ケン化度が70〜90モル%かつ平均重
合度が300〜1000のPVA及び(C)水溶性セル
ロースエーテルとを併用することが有効であるというこ
とが、知られているが、このようにして得られた重合体
では、かさ比重が低下するという別の問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
熱安定性、良好な可塑剤吸収性とフィッシュアイ特性を
有し、かさ比重の高いPVCの製造方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を行った結果、水性媒体中で、
ある特定のPVAとセルロースの組合せを分散安定剤に
用いる懸濁重合によって塩化ビニル重合体を製造する方
法において、必須成分である特定の分散剤を重合開始後
の特定の時期に添加して用いることにより良好な特性を
有するPVCを得るこことができることを見出し、また
得られた重合体に複合石ケン系安定剤を混合することで
良好な特性を有する組成物が得られることを見出して本
発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、塩化ビニル系単量体を油溶
性開始剤と分散安定剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合
してPVCを製造する方法において、前記分散安定剤と
して、(A)ケン化度が70〜90モル%かつ平均重合
度が1500〜3000のPVA、(B)ケン化度が7
0〜90モル%かつ平均重合度が300〜1000のP
VA及び(C)水溶性セルロースエーテルを併用し、か
つ上記PVA(B)を重合率5%を越えて重合終了まで
の間に添加することを特徴とするPVCの製造方法およ
びこの方法により得られたPVCに複合金属石ケン系安
定剤を配合してなる塩化ビニル系樹脂組成物である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の方法で使用される分散安定剤の使
用量は特に限定されないが、塩化ビニル系単量体100
重量部に対し、PVA(A)は0.01〜0.5重量
部、PVA(B)は0.05〜1.0重量部、水溶性セ
ルロ−スエ−テル(C)0.01〜0.5重量部用いる
ことが好ましい。また、分散安定剤の合計の使用量は塩
化ビニル系単量体100重量部に対して、0.1重量部
以上1.5重量部以下とすることが好ましく更に好適に
は0.1重量部以上0.3重量部以下の範囲である。こ
の合計の使用量が0.1重量部未満では充分な熱安定性
改良効果が得られない恐れがあり、1.5重量部より多
い場合には最終成形品の透明性が低下したり、フィッシ
ュアイ、残留モノマーレベルの劣った重合体しか得られ
ないことがある。
【0011】さらに、分散安定剤(A)、(B)、
(C)の使用量は、それぞれの使用量の重量比により、
その好ましい範囲が規定される。すなわち、(A):
(B)の重量比は1:2〜1:15であることが好まし
い。(B)が(A)の2倍量より少ない場合には、フィ
ッシュアイ、可塑剤吸収量、残留塩ビモノマーレベルが
劣り、15倍量より多い場合には塩化ビニル単量体の分
散安定性が劣り、重合体粒子が得られないか、または得
られる粒子が粗大なものとなる恐れがある。
【0012】分散安定剤(C)は、水溶性セルロースエ
ーテルであって、メチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース等、公知の水溶性セルロースエーテルのい
ずれでも用いることができるが、好適にはヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースが用いられ、さらにヒドロキシ
プロポキシル基置換度が0.15〜0.25かつ、メト
キシル基置換度が1.4〜1.9のヒドロキシプロピル
メチルセルロースを用いることが望ましい。
【0013】(C)水溶性セルロースエーテルの好まし
い使用量は、分散安定剤(A)との重量比で(A):
(C)が、1:1〜1:5である。(A)と等倍量より
多い場合には、得られる重合体粒子中に微細な粒子が多
くなり、粉体取扱いが難しくなる恐れがあり、5分の1
倍量より少ない場合には、塩化ビニル単量体の分散安定
性が劣り、重合体粒子が得られないか、もしくは得られ
た粒子が粗大なものとなる傾向にある。
【0014】以上の分散剤の内、(A)、(C)は使用
量の全量が重合開始前に重合系に添加されて使用される
が、分散剤(B)は、重合率が5%を越えて重合停止前
の時期に一括、分割あるいは連続して添加して使用さ
れ、(B)のより好ましい添加時期は重合率5%を越え
て30%までの時期である。
【0015】重合率が5%に達しない時点で(B)を添
加した場合には、熱安定性およびフッシュアイの点では
十分な重合体が得られるものの、かさ比重の低下した重
合体となる。一方重合終了後に重合体スラリー中に
(B)を添加する場合には、添加量に見合う熱安定性が
期待されないばかりでなく、フッシュアイに対する効果
も不十分であり、さらには、未反応モノマーの回収時に
発泡して、製造上の障害となることがある。
【0016】(B)を添加する際の性状としては、水、
アルコール、水/アルコール等の溶媒に溶解して添加す
る方法、粉体のまま添加する方法が例示され、いづれの
方法によっても本発明の効果に差は見られないが、作業
性、製造設備の容易さ、コストを考慮して、好ましくは
水溶液として使用する。
【0017】また、(B)の添加は、一括、分割又は連
続して行うことができるが、やはりプロセスの容易さを
考慮して、好ましくは一括で添加する。
【0018】本発明において、より高い熱安定性を望む
場合は、メルカプト基とヒドロキシル基および/または
カルボキシル基を有する分子量調節剤を併用することが
好ましく、そのような化合物としては2−メルカプトエ
タノール、3−メルカプトプロパノール、4−メルカプ
トブタノール、チオグリセリン、チオプロピレングリコ
ール、チオ酢酸等が例示されるが、好適には2−メルカ
プトエタノールが使用される。
【0019】本発明の方法で重合される塩化ビニル系単
量体としては、塩化ビニル単独のほか、塩化ビニルを主
体とする単量体混合物(塩化ビニル50重量%以上)が
包含され、この混合物に供される塩化ビニルと共重合可
能な単量体としては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等
のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル等のアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステ
ル、エチレン、プロピレン等のオレフィン、無水マレイ
ン酸、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン等
が例示される。
【0020】本発明において用いる油溶性の重合開始剤
としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ
エトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカー
ボネイト化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネー
ト、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチル
パーオキシネオデカネート等のパーエステル化合物;ア
セチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド等の過酸
化物;アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ア
ゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
ト)等のアゾ化合物;さらには、過酸化水素等があり、
これらは一種単独でまたは二種以上組み合わせて使用す
ることも可能である。
【0021】本発明のPVCの製造方法は特に限定はな
く公知の懸濁重合の条件で行われる。例えば、単量体当
りに対して使用する水性媒体の量、重合開始剤の量、重
合温度等は、従来から採用されている範囲でよい。ま
た、必要に応じて、公知の水溶性保護コロイド、油溶性
分散剤、界面活性剤、スケール付着剤、pH調整剤等
は、本発明の効果に影響しない範囲内であれば使用して
差し支えない。
【0022】以上の方法により得られるPVCと複合金
属石ケン系安定剤とを混合してなる本発明の組成物にお
いて用いられる複合金属石ケン系安定剤としては、亜鉛
の有機酸塩と、アルカリ金属および/またはアルカリ土
類金属の有機酸塩との組合せでよく、金属の種類として
は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、
カルシウムなどが例示でき、中でもカルシウムと亜鉛の
組合せまたはバリウムと亜鉛の組合わせが好ましい。有
機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、カ
プリル酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸な
どのカルボン酸が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0023】また、これら複合金属石ケン系安定剤の添
加量は得られたPVC100重量部あたり0.1〜5重
量部とすることが好ましく、更に好ましくは1〜3重量
部である。
【0024】なお、本発明の組成物にフォスファイト
類、エポキシ化合物、ジペンタエリスリトール等のポリ
オールおよびその誘導体、抗酸化剤、ゼオライト、過塩
素酸塩等の安定助剤や、加工助剤、可塑剤、滑剤、顔
料、充填剤、有機錫系安定剤等、通常の添加剤、さらに
は塩化ビニル系以外の樹脂を添加しても何ら差し支えな
い。
【0025】
【実施例】以下、本発明の製造方法及び組成物を実施例
および比較例にもとづき説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。なお、実施例中の物性は下記
の方法により測定した。
【0026】(重合体の可塑剤吸収量)ドイツ工業規格
(DIN)53417/1号による。
【0027】(重合体のフィッシュアイ)塩化ビニル系
重合体100重量部、ジ−2エチルヘキシルフタレート
40重量部及びCa−Zn複合金属石ケン安定剤3重量
部、少量の群青を混合した後、160℃のロールで3分
間、5分間、7分間混練して得られるシートの50cm
2中に認められるFE数をカウントした。
【0028】(重合体スラリーの発泡性)重合終了、未
反応モノマーの回収後、重合体スラリー40Lを50L
ステンレス容器に移液、熱処理して、重合体中の残留モ
ノマーを除去する際のスラリーの発泡性を目視により判
定した。脱モノマーは、スチームを吹き込み90℃、1
5分の熱処理によって行い、判定は次の3段階で行っ
た。A:著しく発泡して処理の障害となる、B:僅かに
発泡するが処理の障害とはならない、C:発泡は見られ
ない。
【0029】 (組成物の調整) 塩化ビニル系樹脂 100 重量部 ジオクチルフタレート 3 重量部 エポキシ化大豆油 3 重量部 ステアリン酸 0.2重量部 Ca−Zn複合金属石ケン系安定剤 2 重量部 以上を計量した後、石川式撹拌擂潰機を用いて120℃
で10分間混合して組成物を得た。
【0030】(組成物の熱安定性)上記組成物を、桜井
ロール社製6インチ蒸気ロールを用いて、150℃で5
分間混練した後、厚さ1mmのシートを得る。シートか
ら切り出した所定枚数のサンプルを、165℃のギヤー
オーブン中で加熱しながら、10分間隔で取り出し、熱
分解によりサンプルが黒く着色するまでの時間をもって
熱安定性時間とした。
【0031】実施例1 内容積1立方メートルのステンレス製重合容器に、脱イ
オン水500kg、塩化ビニル単量体450kg、表
1、表2に示す種類および量の分散剤を水溶液として仕
込み、開始剤として、t−ブチルパーオキシピバレート
を0.04重量部用いて、温度65℃で、連鎖移動剤と
して2−メルカプトエタノールを用いて、重合を開始
し、重合率が15%に達した時点で表1、表2に示す種
類および量のPVA(B)を添加して、転換率85%ま
で反応継続した後重合を停止した。なお、水溶性セルロ
ースエーテルには、1セルロース単位当りのヒドロキシ
プロポキシル基の置換度が0.25かつ、メトキシル基
の置換度が1.9であって2重量%水溶液の20℃にお
ける粘度が50cpsであるヒドロキシプロピルメチル
セルロース(HPMC)を用いた。
【0032】重合後、未反応の塩化ビニル単量体を回収
し、系内を真空及び窒素置換した後、塩化ビニル重合体
スラリーを取り出し、脱水乾燥して重合体を得て、一部
は前述の方法に従って分析を実施し、一部は前述の方法
に従って組成物を調整して評価した。
【0033】実施例2 PVA2の添加時期を重合率30%の時点に変更したほ
かは実施例1と同様に行い重合体および組成物を得た。
【0034】実施例3 PVA2の使用量を0.1重量部に変更したほかは、実
施例2と同様に行い重合体および組成物を得た。
【0035】比較例1 PVA2の添加時期を重合開始前としたほかは、実施例
1と同様に行い重合体および組成物を得た。
【0036】比較例2 PVA2の添加時期を重合終了後としたほかは、実施例
1と同様に行い重合体および組成物を得た。
【0037】実施例4 PVA2に変えてPVA3を使用したほかは、実施例2
と同様に行い重合体および組成物を得た。
【0038】比較例3 PVA3の添加時期を重合開始前としたほかは、実施例
4と同様に行い重合体および組成物を得た。
【0039】実施例5 PVA2に変えてPVA4を使用したほかは、実施例2
と同様に行い重合体および組成物を得た。
【0040】比較例4 PVA4の添加時期を重合開始前としたほかは、実施例
5と同様に行い重合体および組成物を得た。
【0041】比較例5 PVA(B)を使用しない変わりに、ケン化度の低い油
溶性PVAであるPVA5を用いたほかは、実施例5と
同様に行い重合体及び組成物を得た。
【0042】比較例6 PVA(B)の用いないほかは、実施例1と同様に行い
重合体および組成物を得た。
【0043】実施例6 内容積1立方メートルのステンレス製重合容器に、脱イ
オン水550kg、塩化ビニル単量体450kg、表
1、表2に示す種類および量の分散剤を水溶液として仕
込み、開始剤として、t−ブチルネオデカネートを0.
045重量部用いて、温度57.5℃で、重合を開始
し、重合率が30%に達した時点で表1に示す種類およ
び量のPVA(B)を添加して、転換率85%まで反応
継続した後重合を停止した。なお、水溶性セルロースエ
ーテルには、1セルロース単位当りのヒドロキシプロポ
キシル基の置換度が0.25かつ、メトキシル基の置換
度が1.9であって2重量%水溶液の20℃における粘
度が50cpsであるヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース(HPMC)を用いた。
【0044】重合後、未反応の塩化ビニル単量体を回収
し、系内を真空及び窒素置換した後、塩化ビニル重合体
スラリーを取り出し、脱水乾燥して重合体を得て、一部
は前述の方法に従って分析を実施し、一部は前述の方法
に従って組成物を調整して評価した。
【0045】比較例7 PVA(B)の添加時期を重合開始前としたほかは、実
施例5と同様に行い重合体および組成物を得た。
【0046】以上の実施例および比較例の分散剤処方を
表1、表2、表3に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】実施例および比較例の測定結果を表4に示
す。
【0051】
【表4】
【0052】比較例1、3、4、7は、かさ比重が低下
し、比較例2は、かさ比重は高いものの、フィッシュア
イおよびスラリーの発泡性の劣るものであった。また、
比較例5は、かさ比重が低下し、スラリーの発泡も著し
く、熱安定性も劣るものであり、比較例6は、熱安定性
およびフィッシュアイの劣るものであった。
【0053】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明の方法により
高い熱安定性、良好な可塑剤吸収性とフィッシュアイ特
性を有し、かさ比重の高いPVCが得られる。
【0054】また、本発明の組成物は本発明の製造方法
により得られたPVCに複合金属石ケン系安定剤を配合
してなるものであり、このことにより熱安定性等の点で
優れた特性を有するものとなる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル又は塩化ビニルと共重合可能な
    単量体との混合物(以下、塩化ビニル系単量体という)
    を油溶性重合開始剤と分散剤の存在下に水性媒体中で懸
    濁重合して塩化ビニル系重合体を製造する方法におい
    て、前記分散剤として、(A)ケン化度が70〜90モ
    ル%かつ平均重合度が1500〜3000の部分ケン化
    ポリビニルアルコ−ル(以下、PVAという)、(B)
    ケン化度が70〜90モル%かつ平均重合度が300〜
    1000のPVA及び(C)水溶性セルロースエーテル
    とを併用し、かつ上記PVA(B)を重合率5%を越え
    て重合終了までの間に添加することを特徴とする塩化ビ
    ニル系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】水溶性セルロースエーテルが、1グルコー
    ス単位当り0.15〜0.25のヒドロキシプロポキシ
    ル基置換度を有しかつ、1.4〜1.9のメトキシル基
    置換度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースで
    ある請求項1に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】分子量調整剤としてメルカプト基とヒドロ
    キシル基を有する化合物を使用することを特徴とする請
    求項1又は2に記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかの方法により製造
    される塩化ビニル系重合体に複合金属石ケン系安定剤を
    配合してなる塩化ビニル系樹脂組成物。
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