JPH11246724A - ペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒およびその製造方法 - Google Patents

ペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒およびその製造方法

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JPH11246724A
JPH11246724A JP10064122A JP6412298A JPH11246724A JP H11246724 A JPH11246724 A JP H11246724A JP 10064122 A JP10064122 A JP 10064122A JP 6412298 A JP6412298 A JP 6412298A JP H11246724 A JPH11246724 A JP H11246724A
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学 牧野
Tomoyuki Ose
智之 小瀬
Yoshimitsu Nagatomo
義満 長友
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペースト加工に供される、粉体付着性が小さ
く、粉体流動性に優れ、かつ、プラスチゾル調製に際し
て可塑剤への分散性の良い塩化ビニル樹脂顆粒を提供す
ること。 【解決手段】 ペースト加工用塩化ビニル樹脂粒子の集
合体である樹脂顆粒であって、JIS149μm標準篩
での分級の篩上成分が0.5重量%未満で、直径10μ
m以下の成分が10重量%以下であり、嵩密度(ゆる
め)が0.45〜0.58g/ccであり、該樹脂顆粒
100gをジオクチルフタレート50gと内径85mm
の円筒容器に入れて、回転軸中心からの翼長35mm、
水平方向の翼幅20mm、厚さ0.7mmの花弁状平板
翼4枚を十字状に配列してなる攪拌翼を、翼の下面が容
器底面から5mmとなる位置で回転速度500rpmに
て5分間攪拌、混合して得られるプラスチゾルのJIS
62μm標準篩通過時の篩上成分が0.3重量%未満と
なるものであるペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は乳化重合または微細
懸濁重合で得られた塩化ビニル重合体の水性分散液から
製造したペースト加工に供される、粉体付着性が小さ
く、粉体流動性に優れ、かつ、プラスチゾル(ペース
ト)調製に際して可塑剤への分散性の良い塩化ビニル樹
脂顆粒に関する。
【0002】
【従来の技術】ペースト加工用の塩化ビニル樹脂を製造
するには、通常、塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体と
しこれと共重合し得る共単量体との混合物を界面活性剤
存在下、乳化重合または微細懸濁重合して得られる粒径
0.05〜5μmの一次粒子を主としその凝集体も含有
する塩化ビニル重合体の水性分散液に、必要に応じて、
界面活性剤や一次粒子径0.2〜2μmの塩化ビニル重
合体粒子を5〜30重量%添加してから先ず噴霧乾燥し
て、重合体粒子が噴霧液滴単位で集合した樹脂顆粒を主
としその凝集体も含有する粉粒体を得る。従来は、この
粉粒体を粉砕して、微細なペースト加工用塩化ビニル樹
脂としてペースト加工に用いていた。すなわち、前記ペ
ースト加工用塩化ビニル樹脂に可塑剤および必要に応じ
て熱安定剤、充填剤などの配合剤を配合して混練してペ
ースト(プラスチゾル、またはゾルとも言う。)を調製
した。
【0003】前記ペースト加工用塩化ビニル樹脂は、微
細なため幾つか欠点を有していた。例えば、ペースト調
製に先だつ同樹脂の梱包袋の開袋作業は、粉塵の発生等
により作業環境を悪化したし、同樹脂は粉体流動性が悪
いので自動計量や空搬には多大の工夫と大型の集塵設備
を必要とした。これらの問題の改善策として、特開平2
−133410号公報は球状の塩化ビニル樹脂顆粒を提
案しており、また、特開平2−225529号公報は、
噴霧乾燥における乾燥用の熱風の条件に特定の湿度と1
00℃以下の温度を採用することにより乾燥後に粉砕し
なくても可塑剤に分散する樹脂顆粒が得られることを教
えている。しかし、これらが教示する方法は、低温での
噴霧乾燥のため著しく乾燥設備の生産性が低いことや、
長期操業における乾燥機内壁等の付着樹脂層剥がれによ
り粗大凝集体が混在してゾル分散性を悪化する等の問題
を有している。
【0004】一方、特開平5−117404号公報に
は、噴霧乾燥を低温で行わなくても、噴霧乾燥後の粉粒
体を網面固定式風力篩で粗粒を除去することによりスム
ースに均一なペースト加工用塩化ビニル樹脂が得られる
ことが開示されている。この方法で得られる樹脂顆粒
は、可塑剤分散性は優れているものの、粉粒体が風力篩
に接触して研磨作用を受けて一次粒子レベルの微細粒子
が発生するため、粉体流動性や空搬配管内粉体付着など
の改善は不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうしたペ
ースト加工用塩化ビニル樹脂の取扱い上およびプラスチ
ゾル調製上の問題を解決することを目的としてなされた
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ペースト
加工用塩化ビニル樹脂水性分散液の噴霧乾燥後の粉粒体
からゾル分散性の悪い粗大な凝集体を分級して取り除
き、その際、微細粒子の派生を抑制する工夫を施すこと
により、粉体付着性が小さく、粉体流動性に優れ、か
つ、ゾル分散性の良い塩化ビニル樹脂顆粒が得られるこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。すなわち本発明は、ペースト加工用塩化ビニル樹
脂粒子の集合体である樹脂顆粒であって、JIS149
μm標準篩での分級の篩上成分が0.5重量%以下で、
直径10μm以下の成分が10重量%以下であり、嵩密
度(ゆるめ)が0.45〜0.58g/ccであり、該
樹脂顆粒100gをジオクチルフタレート50gと内径
85mmの円筒容器に入れて、回転軸中心からの翼長3
5mm、水平方向の翼幅20mm、厚さ0.7mmの花
弁状平板翼4枚を十字状に配列してなる攪拌翼を、翼の
下面が容器底面から5mmとなる位置で回転速度500
rpmにて5分間攪拌、混合して得られるプラスチゾル
のJIS62μm標準篩通過時の篩上成分が0.3重量
%未満となるものであるペースト加工用塩化ビニル樹脂
顆粒を提供するものである。本発明の塩化ビニル樹脂顆
粒は、乳化重合、微細懸濁重合等で得られる一次粒径
0.1〜5μmの重合体粒子が球状に集合したものであ
るので、粉体流動性が良好である。
【0007】本発明の塩化ビニル樹脂顆粒は、直径10
μm以下の微細な成分の割合が10重量%以下と少ない
ので、包装袋の開袋作業時に粉塵の発生を少なくし得
る。また、嵩密度(ゆるめ)が0.45〜0.58g/
ccと大きくて粉体流動性が良いので、空送や自動計量
が可能である。また、JIS149μm標準篩での分級
による篩上となる粗大凝集体の割合が0.5重量%未満
と少ないので、可塑剤ジオクチルフタレートと下記条件
下で混合するとほぐれて分散しやすく、得られるプラス
チゾル中のJIS62μm標準篩上となる未分散の粗い
粒子成分の割合が0.3重量%未満と少ないレベルに安
定している。プラスチゾル中に粗粒が少ないので、薄い
コーティング用途に使用しても成形品にすじ引きや粒状
凸起を起こしにくい。ここで、上記未分散粒子成分の測
定のためのプラスチゾル調製条件は、該樹脂顆粒100
gをジオクチルフタレート50gと内径85mmの円筒
容器に入れて、回転軸中心からの翼長35mm、水平方
向の翼幅20mm、厚さ0.7mmの花弁状平板翼4枚
を十字状に配列してなる回転翼を、翼の下面が容器底面
から5mmとなる位置で回転速度500rpmにて5分
間攪拌、混合することである。
【0008】本発明の第2のは、塩化ビニルまたは塩化
ビニルを主体としこれと共重合し得る単量体との混合物
を、乳化重合または微細懸濁重合して得られる塩化ビニ
ル重合体の水性分散液を噴霧乾燥して塩化ビニル樹脂顆
粒を製造するに際し、噴霧乾燥して得られた粉粒体を目
開き149μm以下の篩網を備えた超音波振動篩にかけ
て篩上の成分を除去することにより、JIS149μm
標準篩での分級の篩上成分が0.5重量%未満で、直径
10μm以下の成分が10重量%以下であり、嵩密度
(ゆるめ)が0.45〜0.58g/ccであり、該樹
脂顆粒100gをジオクチルフタレート50gと内径8
5mmの円筒容器に入れて、回転軸中心からの翼長35
mm、水平方向の翼幅20mm、厚さ0.7mmの花弁
状平板翼4枚を十字状に配列してなる回転翼を、翼の下
面が容器底面から5mmとなる位置で回転速度500r
pmにて5分間攪拌、混合して得られるプラスチゾルの
JIS62μm標準篩通過時の篩上成分が0.3重量%
未満となるものであるペースト加工用塩化ビニル樹脂顆
粒を得ることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル樹
脂顆粒の製造方法を提供するものである。また、本発明
の第3は、噴霧乾燥に供される乾燥用加熱空気の温度が
100℃より高いことを特徴とする本発明の上記第2の
目的に記すペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒の製造方
法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のペースト加工用塩化ビニ
ル樹脂顆粒は、塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体とし
これと共重合し得る共重合体との混合物を、乳化重合ま
たは微細懸濁重合して得られる塩化ビニル重合体の球状
の集合体である。ただし前記球状とは、真球状のものに
限られず、長軸/短軸の比が1:1〜1:0.8程度の
回転楕円体や回転楕円体のある程度変形したものをも含
むものである。本発明の塩化ビニル樹脂顆粒を構成する
塩化ビニル重合体は、塩化ビニルまたは塩化ビニルとこ
れと共重合可能な不飽和単量体とからなる単量体混合物
を乳化重合(播種乳化重合を含む)または微細懸濁重合
(播種微細懸濁重合を含む)を行うことにより得られる
ものである。前記乳化重合または微細懸濁重合は周知の
方法で行われる重合でよく、特に限定されない。これら
の方法で得られる塩化ビニル重合体の水性分散液の濃度
等にも特に限定はないが、通常20〜75%であり、好
ましくは40〜70%程度の水性分散液が使用される。
【0010】本発明において、塩化ビニルと共重合し得
る不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレ
ン等のオレフィン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸
等の不飽和モノカルボン酸;アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2
−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチ
ル等の不飽和モノカルボン酸エステル;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド等の不飽和アミド;アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;マレイ
ン酸、フマール酸等の不飽和ジカルボン酸;これらのエ
ステルおよびこれらの無水物;N−置換マレイミド類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニ
ルエーテル;更に塩化ビニリデン等のビニリデン化合物
等を挙げることができる。これらの不飽和単量体を使用
する場合は、単量体全体の50重量%未満の量であるこ
とが好ましい。
【0011】乳化重合は、水を媒体とし、アニオン性ま
たはノニオン性界面活性剤の乳化剤、水溶性の重合開始
剤を用い、単量体を可溶化した乳化剤ミセル内で重合を
進め、粒径0.05〜0.5μmの範囲内のシャープな
モードの粒径分布を持つ微小球形重合体ラテックスとし
て得るものである。播種乳化重合法は乳化重合により得
られた重合体を種子として、水媒体中でこれに単量体を
被覆重合して肥大化させる重合法で、重合体粒子を安定
化するためのアニオン性の乳化剤を、重合体粒子表面を
覆うに必要な量以上とならないように重合反応の進行に
調和させて添加しつつ水溶性の重合開始剤で重合するも
のである。通常粒径0.9〜1.3μmの肥大化された
主たる粒子群と、粒径0.1〜0.3μmの比較的少量
の副生粒子群とが混在する。微細懸濁重合は、水媒体中
で単量体を油溶性重合開始剤の存在下、アニオン性の乳
化剤でホモジナイザ等により均質化し、これを比較的緩
かな攪拌下で重合するもので、通常一次粒子が0.05
〜約5μmのブロードな粒径分布を持つ球形の重合体粒
子が得られる。
【0012】本発明で用いられるアニオン性の乳化剤と
しては、特に制限はなく、例えば、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸
塩;ラウリル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリ
ウム等のアルキル硫酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナ
トリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等のス
ルホコハク酸塩;ラウリン酸ナトリウム、半硬化牛脂脂
肪酸カリウム等の脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテルサルフェートナトリウム、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテルサルフェートナトリウム等の
エトキシサルフェート塩;アルカンスルホン酸塩;アル
キルエーテル燐酸エステル塩等が挙げられる。使用量は
適用される重合法により異なるが、通常単量体100重
量部あたり0.2〜2.5重量部の範囲で選択される。
アニオン性の乳化剤の他にポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリ
ルエステル等のノニオン性界面活性剤を適宜併用しても
よい。また、乳化重合、微細懸濁重合等において高級ア
ルコール、ソルビタンステアリルエステル等の親油性の
補助乳化剤を添加することも可能である。
【0013】本発明において用いられる重合開始剤とし
ては、水溶性の重合開始剤では、過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム、過酸化水素等の水溶性化合物;これら
の開始剤または後述のヒドロパーオキシドに酸性亜硫酸
ナトリウム、第1鉄イオンのエチレンジアミン四酢酸ナ
トリウム錯塩、亜硫酸アンモニウム、アスコルビン酸、
ピロリン酸第1鉄等の還元剤を組み合わせたレドックス
系開始剤等が例示される。また、油溶性の重合開始剤で
は、アセチルパーオキシド、3,5,5−トリメチルヘ
キサノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベ
ンゾイルパーオキシド、ナフトイルパーオキシド等のジ
アシルパーオキシド;メチルエチルケトンパーオキシド
等のケトンパーオキシド;クメンヒドロパーオキシド、
p−シメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼ
ンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシ
ド、t−ペンチルヒドロパーオキシド、p−メンタンヒ
ドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド;t−ブチル
パーオキシピパレート等のパーオキシエステル;ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ジエチルヘキシル
パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネー
ト;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド等
のスルホニルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾ
ビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等のアゾ化合物等を例示することができる。
【0014】乳化重合または微細懸濁重合により塩化ビ
ニル重合体の水性分散液が得られた後、該水性分散液は
噴霧乾燥機により乾燥される。本発明に用いる噴霧乾燥
機は、ペースト加工用塩化ビニル樹脂に用いられている
公知の噴霧乾燥機でよく、例えば噴霧形式も回転円盤
型、二流体ノズル型、加圧ノズル型いずれの形式のアド
マイザでもよい。乾燥用空気は、大気から採取すればよ
く、特にことさらに湿度の調整の必要はない。また、乾
燥用空気の乾燥入口、出口の温度、風量等も塩化ビニル
重合体水性分散液の乾燥に通常採用されている条件で良
い。乾燥の程度は、乾燥された粉粒体に含有される水分
が0.05〜1.5重量%、好ましくは0.1〜1.0
重量%である。
【0015】例えば、乾燥用空気の入口温度80〜19
0℃、好ましくは100〜175℃とし、出口熱風温度
40〜70℃、好ましくは45〜55℃になるように、
かつ粉粒体の含有水分が上記範囲となるように、塩化ビ
ニル重合体水性分散液の供給速度と乾燥用空気の温度と
風量とを制御することにより調整することができる。噴
霧液滴径は、塩化ビニル重合体水性分散液の供給速度や
固形分濃度と、アトマイザが回転円盤型では円盤回転数
により、二流体ノズル型ではアトマイズ空気圧と風量に
より、また加圧ノズル型では圧力を主たる因子として制
御することができる。この噴霧乾燥により、通常は平均
20〜100μmの粉粒体が得られる。
【0016】噴霧乾燥して得られた粉粒体には、大きな
凝集集合体や乾燥機内壁やダクト内壁などの付着粉体層
が剥がれて生じた断片など、プラスチゾルに用いるには
可塑剤にほぐれにくい粗大凝集体がしばしば含まれてい
る。本発明のペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒の製造
法においては、噴霧乾燥に続いてこれらの粗粒を除去す
るため超音波振動篩による分級工程を設ける。本発明に
用いる超音波振動篩は、篩網が超音波振動子に直接また
は伝導体を介して接続された構造を有するものであり、
網自体が超音波振動するものである。超音波振動する網
は、篩枠に1個以上固定されており、篩枠が従来の低速
の振動モーターや偏心重錘の回転などにより振動して、
粉体の移動を促すものである。網面の超音波振動は10
〜50kHzであることが好ましく、30〜40kHz
であることがより好ましい。また、篩枠の振動は20〜
2000Hzであって、網自体の振動数に比し十分に小
さいことが好ましい。このような超音波振動篩として
は、例えば、(株)徳寿工作所製「レゾナシーブ」、晃
栄産業(株)製「ウルトラソニック」、ラサ工業(株)
製「ソノスクリーン」、(株)ダルトン製「超音波振動
ふるい」、ラッセル社製「コンパクトシーブ」などを挙
げることができる。本発明方法に用いる超音波振動篩の
網の目開きは70〜250μmであり、より好ましくは
109〜149μmである。250μmを越える目開き
の網を有する篩は、超音波振動しない網でも篩い分け操
作を効率的に行うことができるので、超音波の与える効
果が相対的に小さくなる。一方、70μmより小さな目
開きの網を有する篩は超音波振動のような強制力伴わな
い自由分級は困難になる。篩網上に供給された粉粒体
は、超音波振動する網のため連続的篩い分けが可能であ
り、粉粒体と網面との摩擦が少なく、粉粒体どうしの研
磨も少ない。そのため樹脂顆粒の表面から微細な1次粒
子が削り出されることが少ない。従来の振動モータのみ
による低速の振動篩による分級では、このような微細な
目開きの網での篩い分けは網に微細な粉体が付着するの
で連続運転が不可能であった。本初明のペースト加工用
塩化ビニル樹脂顆粒は、微細粒子が少なく、JIS14
9μm標準篩での分級における篩上成分の量は0.5重
量%未満、好ましくは0.1重量%未満である。本発明
の樹脂顆粒は、微細粒子が少ないので粉体付着性が小さ
い特徴を有する。また、微細粒子が少ないので嵩密度
(ゆるめ)は大きく、0.45〜0.58g/cc、好
ましくは0.48〜0.58g/ccである。本発明の
樹脂顆粒は、嵩密度(ゆるめ)が大きいので粉体流動性
が良い特徴を有する。
【0017】超音波振動篩による分級を経て得られたペ
ースト加工用塩化ビニル樹脂を用いてプラスチゾルを調
製するには、従来塩化ビニル樹脂プラスチゾルの調整に
おいて慣用されている方法を採用することができる。例
えば、ペースト加工用塩化ビニル樹脂に、可塑剤および
所望により用いられる各種添加成分、具体的には熱安定
剤、充填剤、発泡剤、発泡促進剤、界面活性剤、粘度調
節剤、接着性付与剤、着色剤、希釈剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、補強剤、その他樹脂などを配合し、プラネ
タリーミキサー、ニーダー、ロール、播潰機などを用い
て、均質になるように十分に混練することにより、プラ
スチゾルを調製することができる。
【0018】このプラスチゾルの調製に用いられる可塑
剤については特に制限はなく、従来塩化ビニル樹脂プラ
スチゾルの可塑剤として慣用されているもの、例えば、
ジブチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタ
レート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソブチルフ
タレート、ジヘプチルフタレート、ジフェニルフタレー
ト、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレー
ト、ブチルベンジルフタレート、ジノニルフタレート、
ジシクロヘキシルフタレートなどのフタル酸誘導体;ジ
−(2−エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオク
チルイソフタレートなどのイソフタル酸誘導体;ジ−
(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート、ジ−
n−オクチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシルテ
トラヒドロフタレートなどのテトラヒドロフタル酸誘導
体;ジ−n−ブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキ
シル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソノ
ニルアジペートなどのアジピン酸誘導体;ジ−(2−エ
チルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレー
ト、ジ−n−ヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸誘
導体;ジ−n−ブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘ
キシル)セバケートなどのセバシン酸誘導体;ジ−n−
ブチルマレエート、ジメチルマレエート、ジエチルマレ
エート、ジ−(2−エチルヘキシル)マレエートなどの
マレイン酸誘導体;ジ−n−ブチルフマレート、ジ−
(2−エチルヘキシル)フマレートなどのフマル酸誘導
体;トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、ト
リ−n−オクチルトリメリテート、トリイソデシルトリ
メリテート、トリイソオクチルトリメリテート、トリ−
n−ヘキシルトリメリテート、トリイソノニルトリメリ
テートなどのトリメリット酸誘導体;テトラ−(2−エ
チルヘキシル)ピロメリテート、テトラ−n−オクチル
ピロメリテートなどのピロメリット酸誘導体;トリエチ
ルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチル
トリエチルシトレート、アセチルトリ−(2−エチルヘ
キシル)シトレートなどのクエン酸誘導体;モノメチル
イタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタ
コネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネー
ト、ジ−(2−エチルヘキシル)イタコネートなどのイ
タコン酸誘導体;ブチルオレエート、グリセリルモノオ
レエート、ジエチレングリコールモノオレエートなどの
オレイン酸誘導体;グリセリルモノリシノレート、ジエ
チレングリコールモノリシノレートなどのリシノール酸
誘導体;グリセリンモノステアレート、ジエチレングリ
コールジステアレートなどのステアリン酸誘導体;ジエ
チレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコー
ルジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エス
テルなどのその他の脂肪酸誘導体;トリエチルホスフェ
ート、トリブチルホスフェート、トリ−(2−エチルヘ
キシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、ク
レジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、トリス(クロロエチル)ホスフェートなどのリン
酸誘導体;ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプ
ロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリ
コールジベンゾエート、ジブチルメチレンビスチオグリ
コレートなどのグリコール誘導体;グリセロールモノア
セテート、グリセロールトリアセテート、グリセロール
トリブチレートなどのグリセリン誘導体;アジピン酸系
ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル、フタル酸系
ポリエステルなどのポリエステル系可塑剤;あるいは部
分水添ターフェニル、接着性可塑剤;さらにはジアリル
フタレート、アクリル系モノマーやオリゴマーなどの重
合性可塑剤などが挙げられるが、これらの中でフタル酸
エステル系のものが好適である。これらの可塑剤は1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。可塑剤の配合量は、塩化ビニル樹脂顆粒100重量
部当たり、通常40〜250重量部の範囲で選ばれる。
【0019】成形品を必要以上に柔軟にしないでプラス
チゾルの粘度を下げる場合には、可塑剤の一部を、ミネ
ラルスピリット、ターペン、ケロシン、ブチルセロソル
ブ、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ルモノイソブチレートなどの、加熱成型時に揮発する低
沸点有機液体で置換して使用する方法もある。成形品の
硬度向上や艶消しの目的で、平均粒径10〜60μmの
ブレンド用塩化ビニル樹脂(ブレンドレジン、希釈レジ
ンなどともいう)を常用の範囲で使用しても良い。本発
明のペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒は、超音波振動
篩により粗粒を取り除いているので可塑剤に対して容易
にほぐれて分散し易く、また、コーティング加工におい
ては成形品表面に粒状突起や筋引きを起こしにくい特徴
を有する。本発明のペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒
の可塑剤に対する分散性が良いことは、樹脂顆粒と可塑
剤とを剪断力やポンピング力の小さな攪拌翼を備えた混
合容器内での混合でも十分にほぐれる現象から理解され
る。即ち、本発明の樹脂顆粒100gとジオクチルフタ
レート50gとを内径85mmの円筒容器に入れて、そ
の平面中央に図1に示す、回転軸の中心からの翼長a3
5mm、水平方向の翼幅b20mm、厚さc0.7mm
の花弁状の平板翼2を、径8mmの攪拌軸4の下端の固
定環3(環の高さd14mm、外径e13mm)に十字
状に4枚配列してなる攪拌翼1を、翼の下面が容器底面
から5mmとなる位置に据え付けて、回転速度500r
pmにて5分間攪拌することにより混合して得られるプ
ラスチゾルの、JIS62μm標準篩通過時の篩上成分
が0.3重量%未満、好ましくは0.1重量%未満と、
非常に少ないのである。プラスチゾルの篩の通過を迅速
に行うために、プラスチゾルを試料の顆粒と略等重量の
ミネラルスピリットで希釈すること、また、篩上の未分
散粒子から可塑剤を速やかに滴下させるためにメタノー
ルで洗浄することは有効である。
【0020】本発明の実施の態様を以下に記す。 (1)ペースト加工用塩化ビニル樹脂粒子の集合体であ
る樹脂顆粒であって、JIS149μm標準篩での分級
の篩上成分が0.5重量%未満で、直径10μm以下の
成分が10重量%以下であり、嵩密度(ゆるめ)が0.
45〜0.58g/ccであり、該樹脂顆粒100gを
ジオクチルフタレート50gと内径85mmの円筒容器
に入れて、回転軸中心からの翼長35mm、水平方向の
翼幅20mm、厚さ0.7mmの花弁状平板翼4枚を十
字状に配列してなる攪拌翼を、翼の下面が容器底面から
5mmとなる位置で回転速度500rpmにて5分間攪
拌、混合して得られるプラスチゾルのJIS62μm標
準篩通過時の篩上成分が0.3重量%未満となるもので
あるペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒。 (2) JIS149μm標準篩での分級の篩上成分が
0.1重量%未満である上記(1)記載のペースト加工
用塩化ビニル樹脂顆粒。 (3)嵩密度(ゆるめ)が0.48〜0.58g/cc
である上記(1)または(2)記載のペースト加工用塩
化ビニル樹脂顆粒。 (4)プラスチゾルのJIS62μm標準篩通過時の篩
上成分が0.1重量%未満となるものである上記(1)
〜(3)のいずれかに記載のペースト加工用塩化ビニル
樹脂顆粒。
【0021】(5)塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体
としこれと共重合し得る単量体との混合物を、乳化重合
または微細懸濁重合して得られる塩化ビニル重合体の水
性分散液を噴霧乾燥して塩化ビニル樹脂顆粒を製造する
に際し、噴霧乾燥して得られた粉粒体を目開き149μ
m以下の篩網を備えた超音波振動篩にかけて篩上の成分
を除去することにより、JIS149μm標準篩での分
級の篩上成分が0.5重量%未満で、直径10μm以下
の成分が10重量%以下であり、嵩密度(ゆるめ)が
0.45〜0.58g/ccであり、該樹脂顆粒100
gをジオクチルフタレート50gと内径85mmの円筒
容器に入れて、回転軸中心からの翼長35mm、水平方
向の翼幅20mm、厚さ0.7mmの花弁状平板翼4枚
を十字状に配列してなる攪拌翼を、翼の下面が容器底面
から5mmとなる位置で回転速度500rpmにて5分
間攪拌、混合して得られるプラスチゾルのJIS62μ
m標準篩通過時の篩上成分が0.3重量%未満となるも
のであるペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒を得ること
を特徴とするペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒の製造
方法。 (6) JIS149μm標準篩での分級の篩上成分が
0.1重量%未満である上記(5)記載のペースト加工
用塩化ビニル樹脂顆粒の製造方法。 (7)嵩密度(ゆるめ)が0.48〜0.58g/cc
である上記(5)または(6)記載のペースト加工用塩
化ビニル樹脂顆粒の製造方法。 (8)プラスチゾルのJIS62μm標準篩通過時の篩
上成分が0.1重量%未満となるものである上記(5)
〜(7)のいずれかに記載のペースト加工用塩化ビニル
樹脂顆粒の製造方法。 (9)噴霧乾燥に供される乾燥用加熱空気の温度が10
0℃より高いことを特徴とする上記(5)〜(8)のい
ずれかに記載のペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒の製
造方法。
【0022】
【実施例】以下に、本発明を具体的に説明するために実
施例および比較例を示し、その結果を表1に示す。但し
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。ま
た、実施例中の評価項目は以下の方法により試験する。
なお、部数および%は特に説明がない限り重量基準であ
る。 (1)平均粒径(μm):レーザ光回折パーティクルサ
イザ(マルパーン社、マスターサイザー)を用い、試料
粉体につきメタノール溶媒中で累積粒径分布を測定し、
50重量%に相当する粒径を平均粒径とした。 (2)粒径149μm以上粒子量(%):試料粉体25
gをカーボンブラック0.15gと共に、目開き149
μmのJIS標準篩にのせ、振とう機にかけて15分間
タップした後の篩上に残留した粗粒の重量割合を求め
る。 (3)粒径10μm以下粒子量(%):上記平均粒径の
測定と同時にレーザー光回折パーティクルサイザによ
り、10μm以下の粒径の微粒成分の重量割合を求め
る。
【0023】(4)嵩密度(ゆるめ)(g/cc):
(株)細川粉体工学研究所製パウダーテスターを使用し
てJISK−6271に準じて測定した。 (5)安息角(度):(株)細川粉体工学研究所製パウ
ダーテスターを使用して測定した。値が小さいほど粉体
流動性が良いことを意味する。 (6)粉体付着性:内面をバフ200番研磨した呼び径
25AのSUS304管で水平距離23m走らせ、次い
で垂直に2m立ち上がるように構成した輸送管(ただし
直角部にはエルボウ継手使用)の下端から上端に向けて
ブロアにより空気を20m/秒で供給し、サイロに貯蔵
された試料粉体をサイロ下端のロータリーバルブを経て
上記輸送管の下端に落下、供給し、上記輸送管の上端の
受け器における輸送圧力0.2〜0.3kg/cm2
にて試料粉体を連続的に100kg輸送した後の水平直
管部を外して23m部分に付着した粉体の重量を測定
し、粉体付着性の指標とした。
【0024】(7)ゾル分散性(250メッシュ篩上
量):試料粉体100gとジオクチルフタレート50g
とを内径85mmの円筒容器に入れて、その平面中央に
図1に示す、回転軸中心からの翼長aが35mm、水平
方向の翼幅bが20mm、厚さcが0.7mmの花弁状
の平板翼2を、径8mmの攪拌軸4の下端の固定環3
(環の高さdが14mm、外径eが13mm)に十字状
に4枚配列してなる攪拌翼1を、翼の下面が容器底面か
ら5mmとなる位置に据え付けて、回転速度500rp
mにて5分間攪拌混合して得られるプラスチゾルを、ミ
ネラルスピリット100gで希釈してJIS62μm標
準篩(呼称250メッシュ)で濾過し、メタノールで重
量既知のシャーレ上に洗い落し、メタノールを揮散させ
てシャーレ上の樹脂の重量を求め、試料粉体100gに
対する%値で表示する。上記%値が小さいほどゾル分散
性が良いことを意味する。 (8)ゾル分散性(ブツ数):前記(7)と同様にして
調製したプラスチゾル(ミネラルスピリットで希釈せず
に)をクリアランスが100μmのバーコーターで離型
紙上に塗布してからギアオーブンで150℃、30秒間
加熱してシートを作成する。得られたシートの20cm
×10cmの面積における突起物の数を目視で数える。 (9)ペースト粘度:温度25℃、相対湿度60%の雰
囲気下で、ペースト加工用塩化ビニル樹脂100部およ
びジオクチルフタレート60部を擂潰機で混練して得ら
れたプラスチゾルを真空下で脱泡してから温度25℃に
て1時間放置した後、ブルックフィールドBM型粘度計
(株式会社トキメック製)でローター番号3,回転数6
rpmで測定した。
【0025】実施例1 モード粒径1.2μmの粒子成分92重量%とモード粒
径0.2μmの粒子成分8重量%からなる塩化ビニル樹
脂100部(重量部、以下同様)に対しドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムを1.0部含有する播種乳化重
合法による固形分濃度46%の塩化ビニル樹脂水性分散
液を、回転円盤型アトマイザ(直径210mm、回転数
15,000rpm)を備えた噴霧乾燥機により、熱風
条件として絶対湿度0.01kg水/kg空気の空気を
用いて入口温度130℃、出口温度55℃にて乾燥し
た。噴霧乾燥により得られた粉粒体を、目開き109μ
mである直径700mmの篩網を張った篩枠を備えた低
速の振動モーター〔出力0.75kW、振動数1400
Hz〕を併設した周波数36kHzの超音波振動篩
〔(株)徳寿製作所製、レゾナシーブTMR−70−1
S、超音波出力70%(最大200W)〕にかけて粗粒
を除去した。低速振動の位相角は70度、超音波加振は
高速パルスとした。。得られたペースト加工用塩化ビニ
ル樹脂顆粒の評価結果を表1に記す。嵩密度が大で安息
角が小さく粉体流動性が良く、かつ粉体付着性のない樹
脂顆粒である。また、ゾル分散性の良いペーストを与え
るものである。
【0026】実施例2 実施例1と同様に重合、乾燥して得られた粉粒体を、低
速振動モーターを停止した以外は実施例1と同様の超音
波振動篩で分級した。低速振動停止により篩網通過粉体
が篩下に滞留して分級の時間は実施例1のほぼ20倍か
かったが、得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒
の評価結果は表1に記す通り実施例1に遜色ないもので
あった。 比較例1 実施例1と同様に重合、乾燥して得られた粉粒体を、直
径30cm、目開き104μm、開孔率37.4%の篩
網を設置した鏡面固定式風力篩(ハイボルターNR−3
00型、新東京機械(株)製)を用いて粗粒を除去し
た。得られたペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒の評価
結果を表1に記す。粒径10μm以下の微細粒子量が多
いため付着性の比較的大きな粉体である。
【0027】比較例2 実施例1と同様に重合、乾燥して得られた粉粒体そのも
のの評価結果を表1に記す。粒径149μm以上の粒子
量が多いのでブツの多い、分散性の悪いゾルを与えた。 比較例3 実施例1と同様に重合して得られた塩化ビニル樹脂水性
分散液につき、熱風条件として絶対湿度0.01kg水
/kg空気を用いて入口温度80℃、出口温度45℃と
した以外は実施例1と同様の噴霧乾燥を行った。乾燥時
間は実施例1および2の2倍を要した。得られた粉粒体
そのものの評価結果を表1に記す。粒径149μm以上
の粒子の中には乾燥機本体や捕集器の内壁の付着樹脂層
が剥がれて混入したと思われる薄赤色のものも見られ、
ブツの多い、分散性の悪いゾルを与えた。
【0028】比較例4 超音波振動篩の超音波発振を停止させたほかは実施例1
と同様に実施したが、篩い分け開始20秒後に篩網が粉
体の付着により閉塞し、分級不能となった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明のペースト加工用塩化ビニル樹脂
顆粒は、粉体付着性が小さく、粉体流動性に優れ、か
つ、プラスチゾル調製に際して可塑剤分散性の良いもの
である。従って、バルク輸送や自動計量に適し、粒状突
起や筋引きの少ないコーティング加工製品を与えること
ができる。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のペースト加工用樹脂顆粒のジオ
クチルフタレ−トに対する分散性を試験するための攪拌
機の要部概略図で、(A)は正面図、(B)は上面図で
ある。
【符号の説明】
1 攪拌翼 2 花弁状平板翼 4 攪拌軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 14/06 C08F 14/06 C08J 3/03 CEV C08J 3/12 101 3/075 CEV 3/18 CEV 3/12 101 C08K 5/12 3/18 CEV C08J 3/03 CEV C08K 5/12 // B29K 27:06 105:16 C08L 27:06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペースト加工用塩化ビニル樹脂粒子の集
    合体である樹脂顆粒であって、JIS149μm標準篩
    での分級の篩上成分が0.5重量%未満で、直径10μ
    m以下の成分が10重量%以下であり、嵩密度(ゆる
    め)が0.45〜0.58g/ccであり、該樹脂顆粒
    100gをジオクチルフタレート50gと内径85mm
    の円筒容器に入れて、回転軸中心からの翼長35mm、
    水平方向の翼幅20mm、厚さ0.7mmの花弁状平板
    翼4枚を十字状に配列してなる攪拌翼を、翼の下面が容
    器底面から5mmとなる位置で回転速度500rpmに
    て5分間攪拌、混合して得られるプラスチゾルのJIS
    62μm標準篩通過時の篩上成分が0.3重量%未満と
    なるものであるペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒。
  2. 【請求項2】 塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体とし
    これと共重合し得る単量体との混合物を、乳化重合また
    は微細懸濁重合して得られる塩化ビニル重合体の水性分
    散液を噴霧乾燥して塩化ビニル樹脂顆粒を製造するに際
    し、噴霧乾燥して得られた粉粒体を目開き149μm以
    下の篩網を備えた超音波振動篩にかけて篩上の成分を除
    去することにより、JIS149μm標準篩での分級の
    篩上成分が0.5重量%未満で、直径10μm以下の成
    分が10重量%以下であり、嵩密度(ゆるめ)が0.4
    5〜0.58g/ccであり、該樹脂顆粒100gをジ
    オクチルフタレート50gと内径85mmの円筒容器に
    入れて、回転軸中心からの翼長35mm、水平方向の翼
    幅20mm、厚さ0.7mmの花弁状平板翼4枚を十字
    状に配列してなる攪拌翼を、翼の下面が容器底面から5
    mmとなる位置で回転速度500rpmにて5分間攪
    拌、混合して得られるプラスチゾルのJIS62μm標
    準篩通過時の篩上成分が0.3重量%未満となるもので
    あるペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒を得ることを特
    徴とするペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 噴霧乾燥に供される乾燥用加熱空気の温
    度が100℃より高いことを特徴とする請求項2記載の
    ペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒の製造方法。 【0001】
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