JPH08269282A - 塩化ビニル樹脂プラスチゾル組成物及びペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒 - Google Patents

塩化ビニル樹脂プラスチゾル組成物及びペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒

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JPH08269282A
JPH08269282A JP10070395A JP10070395A JPH08269282A JP H08269282 A JPH08269282 A JP H08269282A JP 10070395 A JP10070395 A JP 10070395A JP 10070395 A JP10070395 A JP 10070395A JP H08269282 A JPH08269282 A JP H08269282A
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JP
Japan
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vinyl chloride
chloride resin
resin
plasticizer
organic liquid
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Application number
JP10070395A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Hori
登志彦 堀
Akikatsu Kanayama
昭勝 金山
Terunori Takeuchi
輝紀 竹内
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ペースト加工用塩化ビニル樹脂を集合せしめた
樹脂顆粒100重量部及び可塑剤20〜250重量部を
混練、分散してなるプラスチゾル組成物であって、該樹
脂顆粒が、該可塑剤中の25℃での拡がり速度が5mm/
分以上であり、水に難溶でかつ塩化ビニル樹脂を溶解又
は膨潤させない有機液体を、ペースト加工用塩化ビニル
樹脂100重量部当たり0.5〜10重量部吸着してな
る球状の樹脂顆粒であることを特徴とするプラスチゾル
組成物。 【効果】本発明のペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒
は、粉体取り扱い時の粉舞いが少なく、嵩比重が大き
く、安息角が小さいので自動計量に適し、さらに付着性
も小さいので空気輸送も容易である。また、可塑剤を配
合し混合撹拌することにより容易に分散してプラスチゾ
ル組成物が得られ、堅固な凝集体の断片が残ることがな
いので、美麗な表面外観を有する成形品を得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペースト加工に供する
塩化ビニル樹脂粒子の集合体である樹脂顆粒及びそれを
用いるプラスチゾル組成物に関する。さらに詳しくは、
本発明は、プラスチゾル調製に際し容易にほぐれて分散
性がよく、かつ堅固な凝集体断片に起因する未分散成分
の少ない塩化ビニル樹脂顆粒及びそれを用いた塩化ビニ
ル樹脂プラスチゾル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂の重要な加工法の一つに
ペースト加工がある。塩化ビニル樹脂のペースト加工
は、ペースト加工用に製造された塩化ビニル樹脂を、可
塑剤、安定剤のほか、必要に応じて顔料、充填剤などの
配合剤とともに混合して液状のプラスチゾルとし、この
液状のプラスチゾルを注型、コーティング、浸漬などの
手段で賦型し、加熱溶融ゲル化させることによって成形
品を得るものである。したがって、ペースト加工用塩化
ビニル樹脂には、粒径が非常に微細で可塑剤中に分散し
て自由にブラウン運動を行い沈降しないこと、低粘度化
のための適切な粒度分布を有すること、高粘度の要因に
ならぬよう表面は平滑で内部は緻密な球形粒子であるこ
と、可塑剤と混合するとき凝集することなく容易に分散
して安定なゾルを形成すること、常温では可塑剤に膨潤
されがたく熟成粘度変化が小さく、高温で溶融する際に
は容易に迅速に均一にゲル化することなど、さまざまな
性能が要求される。また、ペースト加工用塩化ビニル樹
脂は、通常単一粒子の他に、それらが多数凝集して樹脂
粒子粉体を形成したものが混在しているが、プラスチゾ
ル中において、この集合体が単一粒子にほぐれる必要が
あり、もしそのまま粗大粒子として残存していると、プ
ラスチゾルの流動性に影響を与えるばかりでなく、プラ
スチゾルを配管輸送する場合の目づまり、コーティング
加工製品の筋引き現象や、成形品表面の肌の荒れ及び光
沢低下、さらには成形品の強度低下などの不都合を引き
起こす。 このようなペースト加工上の問題点を防止するために、
これに用いる樹脂粉体は、古くから、例えばTyler
篩325メッシュ全通のような微細な粉体として供給さ
れている。このための樹脂の製造方法としては、塩化ビ
ニル又は塩化ビニルを主体とする単量体混合物をラジカ
ル発生型重合開始剤と乳化剤の存在下に、乳化重合ある
いは微細懸濁重合することによって粒径0.1〜5μm
の球形樹脂の水性分散液を得、この水性分散液をスプレ
ー乾燥し、続いて多くの場合噴霧液滴単位の凝集体をほ
ぐすための粉砕を行う方法が採られている。こうした方
法で得られた従来の樹脂は微細な粉体であるため、製品
の袋詰め時、並びにプラスチゾル製造に際しての開袋投
入及び混合時の粉体飛散など、作業環境の悪化を引き起
こすばかりでなく、粉体流動性が悪いため、自動計量、
自動輸送が困難となっている。かかるペースト加工用樹
脂の現状の問題点を解決するために、ペースト加工用塩
化ビニル樹脂の水性分散液から塩化ビニル樹脂を、水に
難溶であって、かつ塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させ
ない有機液体を該水性分散液に添加することにより、塩
化ビニル樹脂を集合体として水相より分離せしめたのち
ろ過などの手段により分離し、これをそのままあるいは
造粒させたのち乾燥することによって塩化ビニル樹脂顆
粒を回収する方法が特公平1−42282号公報に提案
されている。また、別の方法として、ペースト加工用塩
化ビニル樹脂の水性分散液のスプレー乾燥の条件を選択
して、噴霧液滴単位の粒子集合体の凝集力を弱めること
により、粉砕工程を省いて樹脂顆粒を得る方法が特公平
3−78413号公報、特公平6−55831号公報に
開示されている。しかしながら、これらの方法によって
前記した種々の問題は一応は改善されているものの、な
おプラスチゾルを調製すると樹脂顆粒の一部分に堅固な
凝集体断片が点在していて、これがコーティング加工製
品の筋引き現象や、成形品表面のブツや肌荒れを起こす
問題がいまなお起きている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、プラスチゾル調製時に可塑剤によって容
易にほぐれるばかりでなく、従来点在した堅固な凝集体
の問題のない樹脂顆粒及びプラスチゾル組成物を提供す
ることを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、可塑剤に対
し拡散性の大きい有機液体を介在させた樹脂顆粒が、可
塑剤に容易にほぐれて著しく分散性が向上することを見
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)ペースト加工用塩化ビニル
樹脂を集合せしめた樹脂顆粒100重量部及び可塑剤2
0〜250重量部を混練、分散してなるプラスチゾル組
成物であって、該樹脂顆粒が、該可塑剤中の25℃での
拡がり速度が5mm/分以上であり、水に難溶でかつ塩化
ビニル樹脂を溶解又は膨潤させない有機液体を、ペース
ト加工用塩化ビニル樹脂100重量部当たり0.5〜1
0重量部吸着してなる球状の樹脂顆粒であることを特徴
とするプラスチゾル組成物、(2)可塑剤がフタル酸エ
ステル系可塑剤である第(1)項記載のプラスチゾル組成
物、及び、(3)ペースト加工用塩化ビニル樹脂に有機
液体を吸着して球状に集合せしめてなる樹脂顆粒であっ
て、該有機液体が水に難溶で塩化ビニル樹脂を溶解又は
膨潤させず、かつジ−2−エチルヘキシルフタレート中
の25℃での拡がり速度が5mm/分以上であるペースト
加工用塩化ビニル樹脂顆粒、を提供するものである。
【0005】ペースト加工用塩化ビニル樹脂は、通常乳
化重合又は微細懸濁重合により製造される。本発明にお
いては、塩化ビニルの単独重合体、又は塩化ビニルを主
体とした(通常は70重量%以上)共重合体、すなわ
ち、塩化ビニルと酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、アクリロニトリル、アクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル又はマレイン酸など
の単量体との共重合体であって、通常のペースト加工に
供しうるものであれば特に制限なく使用することができ
る。上記重合法により、単一粒子は平均径0.1〜5μ
mの球形の重合体粒子を30〜60重量%含有する水性
分散液が得られる。本発明の樹脂顆粒を得るには、この
重合終了後の水性分散液を、通常水分量の調整をし、ま
た、必要に応じて増量用塩化ビニル樹脂を添加して用い
る。
【0006】本発明のプラスチゾル組成物には、可塑剤
を使用する。可塑剤については特に制限はなく、従来塩
化ビニル樹脂プラスチゾルの可塑剤として慣用されてい
るもの、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレ
ート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、
ジヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレ
ート、ジ−n−オクチルフタレート、ジノニルフタレー
ト、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレー
ト、ジトリデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレ
ート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニルフタレー
ト、ジベンジルフタレートなどのフタル酸エステル系可
塑剤;ジメチルイソフタレート、ジ−2−エチルヘキシ
ルイソフタレート、ジイソオクチルイソフタレートなど
のイソフタル酸エステル系可塑剤;ジ−2−エチルヘキ
シルテトラヒドロフタレート、ジ−n−オクチルテトラ
ヒドロフタレート、ジイソデシルテトラヒドロフタレー
トなどのテトラヒドロフタル酸エステル系可塑剤;ジ−
n−ブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペ
ート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペー
トなどのアジピン酸エステル系可塑剤;ジ−n−ヘキシ
ルアゼレート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジ
イソオクチルアゼレートなどのアゼライン酸エステル系
可塑剤;ジ−n−ブチルセバケート、ジ−2−エチルヘ
キシルセバケートなどのセバシン酸エステル系可塑剤;
ジ−n−ブチルマレエート、ジメチルマレエート、ジエ
チルマレエート、ジ−2−エチルヘキシルマレエートな
どのマレイン酸エステル系可塑剤;ジ−n−ブチルフマ
レート、ジ−2−エチルヘキシルフマレートなどのフマ
ル酸エステル系可塑剤;トリ−n−ヘキシルトリメリテ
ート、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリ
−n−オクチルトリメリテート、トリイソオクチルトリ
メリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリイソ
デシルトリメリテートなどのトリメリット酸エステル系
可塑剤;テトラ−2−エチルヘキシルピロメリテート、
テトラ−n−オクチルピロメリテートなどのピロメリッ
ト酸エステル系可塑剤;トリエチルシトレート、トリ−
n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレー
ト、アセチルトリ−2−エチルヘキシルシトレートなど
のクエン酸エステル系可塑剤;モノメチルイタコネー
ト、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、
ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ−2
−エチルヘキシルイタコネートなどのイタコン酸エステ
ル系可塑剤;ブチルオレエート、グリセリルモノオレエ
ート、ジエチレングリコールモノオレエートなどのオレ
イン酸エステル系可塑剤;メチルアセチルリシノレー
ト、ブチルアセチルリシノレート、グリセリルモノリシ
ノレート、ジエチレングリコールモノリシノレートなど
のリシノール酸エステル系可塑剤;n−ブチルステアレ
ート、グリセリンモノステアレート、ジエチレングリコ
ールジステアレートなどのステアリン酸エステル系可塑
剤;ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレン
グリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトールの
各種脂肪酸エステルなどのその他の脂肪酸エステル系可
塑剤;トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブト
キシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、
クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフ
ェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(クロロ
エチル)ホスフェートなどのリン酸エステル系可塑剤;
ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレング
リコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベ
ンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブ
チレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキ
サノエート、ジブチルメチレンビスチオグリコレートな
どのグリコール系可塑剤;グリセロールモノアセテー
ト、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブ
チレートなどのグリセリン系可塑剤;エポキシ化大豆
油、エポキシブチルステアレート、エポキシヘキサヒド
ロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、エポキシヘキサヒ
ドロフタル酸ジイソデシル、エポキシトリグリセライ
ド、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイ
ン酸デシルなどのエポキシ系可塑剤;アジピン酸系ポリ
エステル、セバシン酸系ポリエステル、フタル酸系ポリ
エステルなどのポリエステル系可塑剤、あるいは部分水
添ターフェニル、接着性可塑剤、さらにはジアリルフタ
レート、アクリル系モノマーやオリゴマーなどの重合性
可塑剤などが挙げられる。本発明においては、これらの
中でフタル酸エステル系可塑剤を特に好適に使用するこ
とができる。これらの可塑剤は1種用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよく、また可塑剤にゴ
ム、樹脂などの高分子化合物を溶解させたものも任意に
使用することができる。可塑剤の配合量は、樹脂顆粒1
00重量部当たり、20〜250重量部、好ましくは3
0〜100重量部の範囲で選ばれる。可塑剤の配合量が
樹脂顆粒100重量部当たり20重量部未満であると、
均質なプラスチゾルが形成されないおそれがある。可塑
剤の配合量が樹脂顆粒100重量部当たり250重量部
を超えると、成形品が軟らかくなりすぎて十分な強度が
得られないおそれがある。
【0007】本発明のプラスチゾル組成物において使用
するペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒は、プラスチゾ
ル調製に使用する可塑剤中の25℃での拡がり速度が5
mm/分以上であり、水に難溶であり、かつ塩化ビニル樹
脂を溶解又は膨潤させない有機液体を吸着してなるもの
である。本発明において、拡がり速度とは下記の方法に
より測定される値である。すなわち、25℃において、
ジアミノアントラキノンを有機液体100g当たり1g
溶解して赤く染色した有機液体をメスピペットに採り、
内径300mmの円形容器中の可塑剤の液面中央部に0.
1ml滴下する。滴下直後の液面の赤い円の直径d0(m
m)及び1分経過後の液面の赤い円の直径d1(mm)を測
定し、(d1−d0)/2を拡がり速度(mm/分)とす
る。拡がり速度が極端に大きい有機液体の場合は測定時
間を短縮し、値をその短縮度で補正して求める。使用す
る有機液体の可塑剤中の25℃での拡がり速度が5mm/
分未満であると、樹脂顆粒の可塑剤によるほぐれを改善
する効果が小さい。可塑剤中の25℃での拡がり速度が
5mm/分以上である有機液体は、可塑剤への拡散が速く
てバインダー成分が失われるためなのか、樹脂顆粒がほ
ぐれて顆粒を構成するペースト加工用樹脂粒子の可塑剤
への分散性を向上する作用を有する。本発明に用いる有
機液体は、使用する可塑剤中の25℃での拡がり速度が
5mm/分以上であれば特に制限はなく、1種の有機液体
を単独で使用することができ、2種以上の有機液体を混
合して使用することができる。2種以上の有機液体を混
合して使用する場合、その1種として可塑剤を好適に使
用することができ、可塑剤を80重量%以上含有する有
機液体を特に好適に使用することができる。また、室温
で固体である有機化合物を、他の有機液体に溶解して得
られる有機液体も、本発明に使用することができる。多
くの可塑剤について、25℃での拡がり速度が5mm/分
以上である有機液体としては、例えば、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
[チッソ(株)、CS−12]、ブチルセロソルブ、n−
オクチルアルコールの5重量%ジイソノニルフタレート
溶液、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7
−ジオールの酸化エチレン付加体[日信化学工業(株)、
サーフィノール440]の5重量%ジイソノニルフタレ
ート溶液、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジ
オールモノイソブチレート[チッソ(株)、CS−12]
の10重量%ジイソノニルフタレート溶液、ブチルセロ
ソルブの10重量%ジイソノニルフタレート溶液、グリ
セリンの10重量%ジイソノニルフタレート溶液などを
挙げることができる。また、多くの可塑剤について、2
5℃での拡がり速度が5mm/分未満である有機液体とし
ては、例えば、ミネラルスピリットの10重量%ジイソ
ノニルフタレート溶液、ひまし油の10重量%ジイソノ
ニルフタレート溶液、HLBが7.8であるポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル[花王(株)、エマルゲ
ン903]の10重量%ジイソノニルフタレート溶液、
ソルビタントリオレエート[花王(株)、レオドールSP
−O30]の10重量%ジイソノニルフタレート溶液、
ジイソノニルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レートなどを挙げることができる。しかし、これらは単
なる目安であって、実際に使用する有機液体の選定にあ
たっては、あらかじめ上記の測定方法により使用する可
塑剤中の25℃での拡がり速度を測定し、5mm/分以上
であることを確認することが好ましい。本発明におい
て、可塑剤中の25℃での拡がり速度が5mm/分以上で
ある有機液体は、塩化ビニル樹脂100重量部当たり
0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部吸着せし
める。該有機液体の吸着量が塩化ビニル樹脂100重量
部当たり0.5重量部未満であると、塩化ビニル樹脂は
顆粒状の集合体を形成し難い。該有機液体の吸着量が塩
化ビニル樹脂100重量部当たり10重量部を超える
と、塩化ビニル樹脂顆粒がブロッキングを起こしやすく
なる。本発明に用いる上記の有機液体は、水に難溶のも
のである。本発明に用いる上記の有機液体は、塩化ビニ
ル樹脂に吸着せしめる処理温度において、塩化ビニル樹
脂を溶解又は膨潤させないものである。処理温度におい
て有機液体が塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させると、
塩化ビニル樹脂粒子の集合により形成された塩化ビニル
樹脂顆粒中で樹脂粒子が軟化し合体して、可塑剤を加え
て混合してもほぐすことができず、プラスチゾルとする
ことが不可能となる。
【0008】本発明に係るペースト加工用塩化ビニル樹
脂顆粒の製造方法は任意であり、種々の方法により本発
明に係るペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒を製造する
ことができる。ひとつの方法(方法1とする。)は、ペ
ースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液に、水に難溶
であって、かつ塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させない
有機液体を添加することにより塩化ビニル樹脂を集合体
化する方法として、特公平1−42282号公報に記載
されている方法に準拠し、有機液体として前記の本発明
に係る有機液体を塩化ビニル樹脂100重量部当たり
0.5〜10重量部を用いる方法である。有機液体は一
括添加して撹拌しても、撹拌しつつ分割して又は連続的
に添加してもよい。本発明において、ペースト加工用塩
化ビニル樹脂の水性分散液と有機液体の混合には、回分
式槽型混合機を好適に使用することができる。回分式槽
型混合機としては、撹拌機や邪魔板を有する公知の混合
機が用いられる。混合の程度は、塩化ビニル樹脂の有機
液体による集合能率に大きな影響を与えるため、好まし
くは混合機の単位容積当たりの混合動力が1kW/m
以上であって、混合時間との積が4kW・時/m以上
であることが望ましい。本発明においては、回分式槽型
混合機において、塩化ビニル樹脂の水性分散液と有機液
体との混合液を、通常20〜70℃で、かつ使用する有
機液体が塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させない温度で
撹拌するが、高温になるほど有機液体により塩化ビニル
樹脂が膨潤されやすくなるので、50℃以下で撹拌混合
することが有利である。この温度が70℃を超えると有
機液体の塩化ビニル樹脂への吸収が速まるばかりか、塩
化ビニル樹脂が軟化し合体化して最終製品がもはやペー
スト加工に適合しなくなるおそれがある。かかる操作に
より、粒子径50〜500μm、平均70〜300μm
の粒状の集合体を形成させることができる。なお、塩化
ビニル樹脂の水性分散液と有機液体とを、回分式槽型混
合機において撹拌混合することにより、塩化ビニル樹脂
が集合体となった水性分散液は、0〜20℃に冷却し
て、該集合体を0〜20℃で脱水機にかけて回収するこ
とが好ましい。上記温度範囲であれば、ろ過脱水操作が
目詰まりが少なくて円滑であり、湿潤ケーキもほぐれ易
いので乾燥後に堅固な凝集体として残ることが少ない。
【0009】本発明のペースト加工用塩化ビニル樹脂顆
粒の他の製造方法(方法2とする。)は、ペースト加工
用塩化ビニル樹脂の水性分散液をスプレー乾燥機にて噴
霧乾燥するに際し、強い熱凝集の起きない乾燥条件を採
ることにより、噴霧液滴中の水分の蒸発に伴って生ずる
平均35〜200μmの球状の集合体をペースト加工用
の樹脂顆粒として得る方法である。すなわち、特公平3
−78413号公報の教示する、恒率乾燥期間は樹脂温
度が40℃以下となるような、具体的には、入口空気の
湿球温度が40℃以下となるような入口熱風温度で、減
率乾燥期間は流動乾燥機など他の乾燥機を用いて樹脂温
度が50℃以下となるような条件で乾燥する方法でもよ
く、特公平6−55831号公報が開示している、絶対
湿度0.007〜0.014kg−水/kg−空気の60℃以
上100℃未満の空気を用い、乾燥機出口温度53℃以
下となるように乾燥する方法でもよい。この方法におい
ては、スプレー乾燥機に付す前の塩化ビニル樹脂の水性
分散液に上記の有機液体を塩化ビニル樹脂100重量部
当たり0.5〜10重量部添加する必要がある。この添
加に際しては、方法1の場合とは異なり、撹拌動力は1
kW/m3より小さく、好ましくは0.05〜0.3kW
/m3にて塩化ビニル樹脂水性分散液がクリーム化しな
いように有機液体を添加することが好ましい。前述した
ように、従来のペースト加工用樹脂顆粒を用いてプラス
チゾルを調製すると、全体としてはほぐれ易く、可塑剤
に分散し易いにもかかわらず、部分的に堅固な凝集体の
断片が点在して、それらが成形品の品質を阻害してい
た。この堅固な凝集体断片は、製造工程の加熱部分での
滞留、0.1〜0.3μmの小粒子主体の集合など成因は
種々あるが、本発明のプラスチゾル組成物においては、
可塑剤に拡散し易い、換言すれば可塑剤を浸透させ易い
有機液体が樹脂顆粒中に介在するので上記のような堅固
な凝集体の断片が少なくなったものと考えられる。
【0010】本発明のプラスチゾル組成物には、従来塩
化ビニル系樹脂プラスチゾルに慣用されている他の添加
剤成分、例えば、熱安定剤、滑剤、充填剤、発泡剤、発
泡促進剤、界面活性剤、増粘剤、接着性付与剤、顔料、
希釈剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、補強剤、帯電防止
剤、難燃剤、防黴剤、その他増量又はブレンド用樹脂な
どを含有させることができる。本発明のプラスチゾル組
成物の調製方法については特に制限はなく、従来プラス
チゾルの調製に慣用されている方法を用いることができ
る。例えば、樹脂粒子、可塑剤及び所望に応じて用いら
れる他の添加成分を、プラネタリーミキサー、ニーダ
ー、ロールなどの公知の混合機を用いて、十分に混合撹
拌することにより、本発明のプラスチゾル組成物を調製
することができる。本発明のペースト加工用塩化ビニル
樹脂顆粒は、従来の粉砕によるペースト加工用塩化ビニ
ル樹脂に比べて平均粒径が大きいので、粉粒体取り扱い
時の粉舞いが少なく、良好な作業環境を保つことができ
る。また、安息角が30〜42度と小さく、嵩比重が
0.48〜0.58と大きいので、取り扱いが容易であ
り、輸送と貯蔵に必要なスペースが小さく、また、自動
計量を容易に行うことができる。さらに、付着性が小さ
いので、粉体空気輸送に際しても付着によるトラブルを
生ずることがない。本発明のペースト加工用塩化ビニル
樹脂顆粒は、可塑剤を配合し混合撹拌することにより容
易に分散し、堅固な凝集体の断片が残ることがないの
で、美麗な表面外観を有する成形品を得ることができ
る。
【0011】本発明の態様を以下に列挙する。 (1)ペースト加工用塩化ビニル樹脂を集合せしめた樹
脂顆粒100重量部及び可塑剤20〜250重量部を混
練、分散してなるプラスチゾル組成物であって、該樹脂
顆粒が、該可塑剤中の25℃での拡がり速度が5mm/分
以上であり、水に難溶でかつ塩化ビニル樹脂を溶解又は
膨潤させない有機液体を、ペースト加工用塩化ビニル樹
脂100重量部当たり0.5〜10重量部吸着してなる
球状の樹脂顆粒であることを特徴とするプラスチゾル組
成物。 (2)可塑剤がフタル酸エステル系可塑剤である上記
(1)記載のプラスチゾル組成物。 (3)ペースト加工用塩化ビニル樹脂に有機液体を吸着
して球状に集合せしめてなる樹脂顆粒であって、該有機
液体が水に難溶で塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させ
ず、かつジ−2−エチルヘキシルフタレート中の25℃
での拡がり速度が5mm/分以上であるペースト加工用塩
化ビニル樹脂顆粒。 (4)塩化ビニル樹脂が、塩化ビニルの単独重合体又は
塩化ビニル単位を70重量%以上有する共重合体である
上記(1)又は(2)記載のプラスチゾル組成物。 (5)塩化ビニル樹脂が、塩化ビニルの単独重合体又は
塩化ビニル単位を70重量%以上有する共重合体である
上記(3)記載のペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒。 (6)有機液体がフタル酸エステル系可塑剤を80重量
%以上含むものである上記(1)、(2)又は(4)記載のプ
ラスチゾル組成物。 (7)有機液体がフタル酸エステル系可塑剤を80重量
%以上含むものである上記(3)又は(5)記載のペースト
加工用塩化ビニル樹脂顆粒。 (8)平均粒径が35〜300μm、安息角が30〜4
2度、嵩比重が0.48〜0.58である上記(3)、(5)
又は(7)記載のペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒。
【0012】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。また、実施例及び比較例におい
て、塩化ビニル樹脂顆粒の特性は下記の方法により測定
した。 (1)平均粒径 JIS標準ふるいを用いて粒径分布を測定し、50重量
%通過時に相当する目開きを平均粒径とする。 (2)安息角及び嵩比重 (株)細川粉体研究所製パウダーテスターにより測定す
る。 (3)付着性 樹脂5gを20×20cmの黒色上質紙の上に置き、振幅
3cmで2分間で水平に60回振動させた後、試料を捨て
て紙上に付着した樹脂量の多少を観察する。付着量が少
ないほど、プラスチゾル用樹脂として良好である。 (4)ノースファインネス 樹脂50gとジ−2−エチルヘキシルフタレート30g
とを擂潰機で混合して得られたゾル0.5gを、深さテ
ーパーを持たせた溝を有するステンレス製ゲージの最大
深にある基線に置き、コーターで浅い方に延ばし、表面
から突出する粗大な未分散粒子の位置のゲージの読みの
値から粒子の分散の度合いを知る。数値が3.0より大
きければ分散性が良好であるとされ、また、数値が大き
いほど、より分散性が良好であることを示す。 参考例1 ブチルセロソルブのジ−2−エチルヘキシルフタレート
中の25℃での拡がり速度を測定した。25℃におい
て、ブチルセロソルブ100gにジアミノアントラキノ
ン1gを溶解し、この液体をメスピペットに採り、内径
500mmの円形容器中のジ−2−エチルヘキシルフタレ
ートの液面中央部に0.1ml滴下した。滴下直後の液面
の赤い円の直径は6mmであった。また、1分経過後に
は、液面の赤い円は直径246mmまで拡がった。したが
って、ブチルセロソルブのジ−2−エチルヘキシルフタ
レート中の25℃での拡がり速度は、(246−6)/
2=120(mm/分)である。同様にして、第1表に示
す有機液体の、ジ−2−エチルヘキシルフタレート中及
びジイソノニルフタレート中の25℃での拡がり速度を
測定した。結果を第1表に示す。
【0013】
【表1】
【0014】[注] 1)CS−12:商品名、チッソ(株)、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレー
ト。 2)サーフィノール440:商品名、日信化学工業
(株)、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7
−ジオールの酸化エチレン付加体。 3)エマルゲン903:商品名、花王(株)、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル、HLB7.8。 4)レオドールSP−O30:商品名、花王(株)、ソル
ビタントリオレエート、HLB1.8。 実施例1 有機液体として、n−デカノールの5重量%ジイソノニ
ルフタレート溶液(有機液体Aとする。)を用いて方法
1により塩化ビニル樹脂顆粒及びプラスチゾル組成物を
調製した。有機液体Aの、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート中の25℃での拡がり速度は、50mm/分であ
る。ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液を、あ
らかじめ目開き250μmの金網を張ったスクリーンに
通し、通過した水性分散液に水を加えて固形分含有量3
5重量%に調整した。次に、調整した水性分散液250
kgを直径63cm、容量300リットルの槽型混合装置に
入れ、40℃において800rpmで撹拌を10分間行
い、35℃まで冷却した。35℃になったところで撹拌
速度を500rpmに落とし、混合装置底部よりに有機液
体Aを毎分45gの速度で45分間注入した。その後、
更に撹拌混合を30分継続し、最後に再度混合装置底部
よりに有機液体Aを毎分45gの速度で15分間注入し
た。その後、撹拌混合を30分継続して粒状樹脂の水分
散液を得た。この分散液10kgをとって15℃に冷却
し、通気量80cc/秒・cm2のろ布を用いて真空ろ過し、
粒状樹脂を分離して5,080gの湿潤粒状樹脂を得
た。この湿潤粒状樹脂を、塔径200mm、塔長500mm
の小型流動乾燥機で乾燥したところ、3,540gの塩
化ビニル樹脂顆粒が得られた。この塩化ビニル樹脂顆粒
の平均粒径は200μm、安息角は37度、嵩比重は
0.52g/cm3であり、付着性試験においては紙上への
樹脂の付着は認められなかった。また、ノースファイン
ネスは7.0であった。この塩化ビニル樹脂顆粒600
gとジ−2−エチルヘキシルフタレート270gを10
リットルのホバートミキサーで30分間混練してプラス
チゾルを調製した。このプラスチゾル50gを、目開き
60Mのふるいを通し、アルコールで洗浄し、室温で一
昼夜乾燥させ、ふるいの上に残った凝集体を計量したと
ころ0.03gであった。ゾルふるい上分は、0.03/
[50×{600/(600+270)}]=0.00
087(重量%)=870(ppm)となる。 実施例2 有機液体Aの代わりに、トリメチル−1,3−ペンタン
ジオールモノイソブチレート[チッソ(株)、CS−1
2]の10重量%ジイソノニルフタレート溶液(有機液
体Bとする。)を用いた以外は、実施例1と同様な操作
を繰り返した。有機液体Bの、ジ−2−エチルヘキシル
フタレート中の25℃での拡がり速度は、20mm/分で
ある。得られた湿潤粒状樹脂は4,970g、乾燥塩化
ビニル樹脂顆粒は3,530gであった。この塩化ビニ
ル樹脂顆粒の平均粒径は200μm、安息角は37度、
嵩比重は0.52g/cm3であり、付着性試験においては
紙上への樹脂の付着は認められなかった。ノースファイ
ンネスは、7.0であった。また、ふるいの上に残った
凝集体は0.021gであり、ゾルふるい上分は610p
pmとなった。 比較例1 有機液体Aの代わりにジイソノニルフタレートを用いた
以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。ジイソノ
ニルフタレートのジ−2−エチルヘキシルフタレート中
の25℃での拡がり速度は2mm/分である。得られた湿
潤粒状樹脂は5,020g、乾燥塩化ビニル樹脂顆粒は
3,540gであった。この塩化ビニル樹脂顆粒の平均
粒径は200μm、安息角は37度、嵩比重は0.52
g/cm3であり、付着性試験においては紙上への樹脂の
付着は認められなかった。ノースファインネスは、7.
0であった。また、ふるいの上に残った凝集体は0.3
45gであり、ゾルふるい上分は10,000ppmとなっ
た。実施例1、2及び比較例1の結果をまとめて第2表
に示す。
【0015】
【表2】
【0016】これら3種の塩化ビニル樹脂顆粒は、平均
粒度、安息角、嵩比重、付着性及びノースファインネス
はすべて同じであるが、ゾルふるい上分は極端に異な
り、本発明のジ−2−エチルヘキシルフタレート中の拡
がり速度が大きい有機液体を使用した実施例1及び2の
塩化ビニル樹脂顆粒では、ふるい上にほとんど凝集体が
残らないのに対して、有機液体としてジイソノニルフタ
レートを用いた比較例1の塩化ビニル樹脂顆粒では、ふ
るい上に多量の凝集体が残り、堅固な凝集体が生成して
いることが分かる。 実施例3 ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液(固形分含
有量60重量%)100kgを目開き250μmのスクリ
ーンを通し、実施例2で用いた有機液体Bを1.8kg添
加し、0.25kW/m3の撹拌動力で30分混合した。
この混合物を、回転円盤式のスプレー装置を有する並流
型スプレー乾燥機(塔径2,000mm、塔長3,500m
m)で、回転円盤の回転速度9,000rpmにて、絶対湿
度0.01kg−水/kg−空気の空気(湿球温度が40℃
となる入口空気温度は130℃)を用いて、入口熱風温
度80℃で乾燥した。次いで、この乾燥樹脂粒子1,0
00gを、塔径200mm、塔長500mmの小型流動床乾
燥機により、絶対湿度0.01kg−水/kg−空気の空気
を用いて、熱風温度40℃、空塔速度0.1m/秒の条
件で乾燥した。得られた塩化ビニル樹脂顆粒の平均粒径
は90μm、安息角は32度、嵩比重は0.55g/cm3
であり、付着性試験においては紙上へ少量の樹脂が付着
した。ノースファインネスは、7.0であった。また、
ふるいの上に残った凝集体は0.017gであり、ゾル
ふるい上分は490ppmとなった。 比較例2 実施例3で有機液体Bを添加しなかった以外は、実施例
3と全く同じ操作を繰り返した。得られた塩化ビニル樹
脂顆粒の平均粒径は90μm、安息角は32度、嵩比重
は0.55g/cm3であり、付着性試験においては紙上へ
少量の樹脂が付着した。ノースファインネスは、4.5
であった。また、ふるいの上に残った凝集体は0.03
5gであり、ゾルふるい上分は1,020ppmとなった。 比較例3 従来の、本発明に係る有機液体の含まれていないペース
ト加工用塩化ビニル樹脂[日本ゼオン(株)、131C]
について、実施例3と同じ測定を行った。平均粒径は
2.5μm、安息角は50度、嵩比重は0.32g/cm3
であり、付着性試験においては紙上へ多量の樹脂が付着
した。ノースファインネスは、5.0であった。また、
ふるいの上に残った凝集体は0.0034gであり、ゾ
ルふるい上分は100ppmとなった。実施例3及び比較
例2、3の結果をまとめて第3表に示す。
【0017】
【表3】
【0018】本発明のジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト中の拡がり速度が大きい有機液体を使用した実施例3
の塩化ビニル樹脂顆粒と、有機液体を使用しない比較例
2の塩化ビニル樹脂顆粒は、平均粒径、安息角、嵩比重
及び付着性は同じであるが、ノースファインネス及び凝
集体の生成において本発明の塩化ビニル樹脂顆粒の方が
優れている。また、従来の粉砕により得られたペースト
加工用塩化ビニル樹脂である比較例3では、平均粒径が
極めて小さく、安息角が大きく、嵩比重が小さく、付着
性試験において紙上への付着が多く、取り扱いにくい樹
脂であることが分かる。
【0019】
【発明の効果】本発明のペースト加工用塩化ビニル樹脂
顆粒は、粉体取り扱い時の粉舞いが少なく、嵩比重が大
きく、安息角が小さいので自動計量に適し、さらに付着
性も小さいので空気輸送も容易である。また、可塑剤を
配合し混合撹拌することにより容易に分散してプラスチ
ゾル組成物が得られ、堅固な凝集体の断片が残ることが
ないので、美麗な表面外観を有する成形品を得ることが
できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペースト加工用塩化ビニル樹脂を集合せし
    めた樹脂顆粒100重量部及び可塑剤20〜250重量
    部を混練、分散してなるプラスチゾル組成物であって、
    該樹脂顆粒が、該可塑剤中の25℃での拡がり速度が5
    mm/分以上であり、水に難溶でかつ塩化ビニル樹脂を溶
    解又は膨潤させない有機液体を、ペースト加工用塩化ビ
    ニル樹脂100重量部当たり0.5〜10重量部吸着し
    てなる球状の樹脂顆粒であることを特徴とするプラスチ
    ゾル組成物。
  2. 【請求項2】可塑剤がフタル酸エステル系可塑剤である
    請求項1記載のプラスチゾル組成物。
  3. 【請求項3】ペースト加工用塩化ビニル樹脂に有機液体
    を吸着して球状に集合せしめてなる樹脂顆粒であって、
    該有機液体が水に難溶で塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤
    させず、かつジ−2−エチルヘキシルフタレート中の2
    5℃での拡がり速度が5mm/分以上であるペースト加工
    用塩化ビニル樹脂顆粒。
JP10070395A 1995-03-31 1995-03-31 塩化ビニル樹脂プラスチゾル組成物及びペースト加工用塩化ビニル樹脂顆粒 Pending JPH08269282A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001342316A (ja) * 2000-06-02 2001-12-14 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 塩化ビニル系ペースト樹脂組成物およびディスポーザブル手袋
JP2004002695A (ja) * 2002-03-26 2004-01-08 Dainippon Ink & Chem Inc スラッシュ成形用塩化ビニル系樹脂ペースト、それを用いてなる成形物
JP2004290158A (ja) * 2003-03-28 2004-10-21 Unitika Ltd ハナビラタケ顆粒およびその製造方法

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