JP2007091967A - 粉体成形用材料 - Google Patents

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雄一郎 金子
Satoshi Iwabuchi
智 岩渕
Yoshitsugu Hirokawa
能嗣 広川
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Abstract

【課題】 意匠性に優れ、高硬度で表面が傷つきにくく、色むらが無い成形品を生産することのできる、塩化ビニル樹脂及び可塑剤を含有する粉体成形用材料を提供する。
【解決手段】 塩化ビニル樹脂及び可塑剤を含有し、該可塑剤由来のアウトガス含有量が30重量ppm以下である粉体成形用材料を提供する。
また、粉体成形用材料は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑剤を20〜200重量部含有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、意匠性に優れ、高硬度で表面が傷つきにくく、色むらが無い成形品を生産することのできる、粉体成形用材料に関する。
従来、クラッシュパッド、インスツルメントパネル、コンソールボックス等の自動車内装材は、塩化ビニル樹脂を粉体成形用材料として用い、粉体スラッシュ成形法により所定の形状に成形することにより生産されている(特許文献1)。
粉体スラッシュ成形法に用いられる塩化ビニル樹脂は、粉粒体状であり、成形時の流動性改善(流動性が悪いと成形品の表面が平坦で無くなったり、厚みムラ等が発生する。)、及び成形品の柔軟性改善のため、通常、可塑剤を含有している。
しかしながら、これら従来の粉体成形用材料を用いて粉体スラッシュ成形法によって自動車内装材等の成形品を成形すると、成形品の意匠性が悪く(成形品表面が平坦で無かったり、「てかり」が発生して外観不良が起こることを意味する。)、成形品の硬度が十分でないため傷がつき易く、色ムラが発生する問題があった。
特開平6−279640号公報
本発明の目的は、意匠性に優れ、高硬度で表面が傷つきにくく、色むらが無い成形品を生産することのできる、塩化ビニル樹脂及び可塑剤を含有する粉体成形用材料を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記粉体スラッシュ成形法によって得られる成形品の意匠性悪化、硬度低下及び色ムラの原因が、粉体成形用材料中の可塑剤由来のアウトガスにあることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)塩化ビニル樹脂及び可塑剤を含有し、該可塑剤由来のアウトガス含有量が30重量ppm以下である粉体成形用材料、
(2)塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑剤を20〜200重量部含有することを特徴とする上記に記載の粉体成形用材料、
(3)上記に記載の粉体成形用材料を成形してなる自動車内装材、
(4)上記に記載の粉体成形用材料を用いることを特徴とする粉体スラッシュ成形方法、
を提供するものである。
本発明の粉体成形用材料を用いることにより、意匠性に優れ、高硬度で表面が傷つきにくく、色むらが無い成形品を生産するができる。
本発明の粉体成形用材料は、塩化ビニル樹脂及び可塑剤を含有し、該可塑剤由来のアウトガス(以下、「可塑剤アウトガス」と略す。)含有量が30重量ppm以下であることを特徴とする。
ここで、「可塑剤アウトガス含有量」は、次のようにして測定した値を意味する。すなわち、試料200mgを、表面に吸着していた水分や有機物を完全に除去した内径4mmのガラスチューブ製の試料容器に入れ、ヘリウムを流量30mL/分で流しつつ、温度100℃で60分間加熱し、容器から流出する気体を連続的に捕集する。次いで、捕集した気体を熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計を用いて分析し、可塑剤の分子量に対して、95〜105%の分子量を示すピークのものを積算して「可塑剤アウトガス含有量」を求める。
なお、二種以上の可塑剤を用いる場合は、各可塑剤について上記同様の積算を行い、それらの合計量を求めれば良い。
可塑剤アウトガス含有量は、好ましくは25重量ppm以下、より好ましくは20重量ppm以下、特に好ましくは15重量ppm以下である。
可塑剤アウトガス含有量が多過ぎると、得られる成形品の意匠性が悪化し、硬度が低下し、色むらが発生し易くなる。
本発明の粉体成形用材料は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑剤を20〜200重量部含有することが好ましく、30〜150重量部含有することが特に好ましい。可塑剤の含有量が少な過ぎると、粉体スラッシュ法による成形時の流動性が低下して意匠性が悪くなったり、成形品の柔軟性が悪化する。可塑剤の含有量が多過ぎると、可塑剤のブリードにより意匠性が悪化する。
本発明の粉体成形用材料は粉粒体状であり、本発明の効果がより一層顕著なものとなることから、その平均粒子径(D50)は100〜300μmが好ましく、110〜250μmが特に好ましい。
また、篩分け法により得られる重量分率より算出される粒子径分布(以下、単に「粒子径分布」と略す。)は、本発明の効果がより一層顕著なものとなることから0.2〜0.7が好ましく、0.3〜0.5が特に好ましい。なお、上記粒子径分布とは、重量分率85%に当たる粒径から重量分率15%に当たる粒径を減じ、この値を重量分率50%に当たる粒径で除して得られる値をいう。
また、上記平均粒子径及び粒子径分布は、後述の「分布測定法A」で求められる。
可塑剤としては、塩化ビニル樹脂の可塑剤として一般的に用いられるものであれば特に限定されないが、エステル結合を有する可塑剤が好ましい。
エステル結合を有する可塑剤の具体例としては、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、トリ−n−ヘキシルトリメリテートなどのトリメリット酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペートなどのアジピン酸誘導体;ジブチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジフェニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレートなどのイソフタル酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジ−n−ヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸誘導体;ジ−n−ブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケートなどのセバシン酸誘導体;ジ−n−ブチルマレエート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジ−(2−エチルヘキシル)マレエートなどのマレイン酸誘導体;ジ−n−ブチルフマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレートなどのフマル酸誘導体;テトラ−(2−エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラ−n−オクチルピロメリテートなどのピロメリット酸誘導体;トリエチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シトレートなどのクエン酸誘導体;モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネートなどのイタコン酸誘導体;ブチルオレエート、グリセリルモノオレエート、ジエチレングリコールモノオレエートなどのオレイン酸誘導体;グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレートなどのリシノール酸誘導体;グリセリンモノステアレート、ジエチレングリコールジステアレートなどのステアリン酸誘導体;ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどのその他の脂肪酸誘導体;トリブチルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどのリン酸誘導体;ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジブチルメチレンビスチオグリコレートなどのグリコール誘導体;グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブチレートなどのグリセリン誘導体;などが挙げられるが、これらの中でトリメリット酸誘導体が好ましく、トリ−n−オクチルトリメリテートが特に好ましい。これらの可塑剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル単独重合体のほか、塩化ビニルを主とし、これと共重合可能な単量体との共重合体である。塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、酢酸ビニル、カプロン酸ビニルなどの炭素数2〜18のビニルエステル類;アクリル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸類;メタアクリル酸メチル、マレイン酸モノメチルなどの不飽和カルボン酸エステル類;エチレン、1−ペンテンなどのオレフィン類;アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタアクリレートなどのエポキシ基含有不飽和化合物;イソブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリルニトリル;塩化ビニリデンなどが挙げられる。共重合体にあっては、塩化ビニル単量体単位は50重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上が特に好ましい。
本発明で用いられる塩化ビニル樹脂(粉粒体状)は、塩化ビニル、または、塩化ビニル及びこれと共重合可能な不飽和単量体とからなる単量体混合物を、例えば従来公知の方法で懸濁重合または乳化重合して、脱水、乾燥、必要に応じて粉砕することによって得ることができる。
本発明の粉体成形用材料は、塩化ビニル樹脂及び可塑剤に加えて、各種添加剤を含有していても良い。各種添加剤としては、高級脂肪酸、高級アルコール、金属石ケン、高級脂肪酸エステルなどの離型剤、過塩素酸化合物、流動性改良剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、顔料などが挙げられる。
本発明の粉体成形用材料は、(a)塩化ビニル樹脂及び可塑剤、必要に応じて各種添加剤を加え、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーあるいはリボンブレンダーなどの混合機で加熱しながら均一に分散させて粉体分散物(以下、「粉体分散物A」と略す。)を得る分散工程、次いで(b)得られた粉体分散物Aを攪拌機能を有する乾燥機に入れ、減圧下にガスを吹き込みつつ加熱して可塑剤アウトガス含有量を30重量ppm以下にするアウトガス低減工程、を経ることにより得ることができる。
上記(a)工程は従来公知の方法で行なうことができる。
上記(b)工程においては、「粉体分散物Aを攪拌機能を有する乾燥機に入れ、減圧下にガスを吹き込みつつ加熱する」ことが重要であり、この構成を採らない場合には、粉体分散物Aの融着や熱劣化を生じさせずに、可塑剤アウトガス含有量を30重量ppm以下にすることは容易ではない。
撹拌機能を有する乾燥機としては、コニカル乾燥機が好ましい。コニカル乾燥機は撹拌翼を有しないので、撹拌翼への樹脂の付着や、撹拌翼の剪断力による樹脂の凝集などがなく、脱揮効率が高く、クリーニング作業の頻度が少なく、効率的に可塑剤アウトガス含有量が少ない成形用材料を得ることができる。
コニカル乾燥機を用いる場合、その回転数は3〜30rpmであることが好ましく、6〜20rpmであることがより好ましい。回転数が3rpm未満であると、可塑剤アウトガス含有量を低減する効果が十分に発現しないおそれがある。
加熱温度は、40〜300℃であることが好ましく、50〜140℃であることがより好ましく、60〜120℃であることが特に好ましい。加熱温度が上記範囲未満であると、可塑剤アウトガス含有量が十分に減少しないおそれがある。加熱温度が上記範囲を超えると、粉体成形用材料(特に塩化ビニル樹脂)が互いに融着して塊りを生ずるおそれがある。なお、加熱温度は、塩化ビニル樹脂の融点より5〜10℃低い温度にすることが好ましい。
撹拌機能を有する乾燥機の容器内の圧力は、絶対圧で1〜101kPaであることが好ましく、3〜20kPaであることがより好ましい。圧力が高過ぎると可塑剤アウトガス含有量が十分に減少しないおそれがあり、圧力が低過ぎるとガスを吹き込みながら低圧を維持するために大能力の真空ポンプが必要となって設備が大掛りになる。
本発明方法に用いるガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス、空気などを挙げることができる。これらの中で、窒素は、加熱される粉体分散物Aの劣化を防ぐ効果を有し、不活性ガスの中では比較的安価であるので、好適に用いることができる。
本発明方法においては、ガスの吹き込み量が、粉体分散物A1kgあたり0.7〜16L(標準状態)/分であることが好ましく、1〜8L(標準状態)/分であることがより好ましい。ガスの吹き込み量が少な過ぎると、可塑剤アウトガス含有量が十分に減少しないおそれがある。ガスの吹き込み量が多すぎると、ガスの消費量が過大になり、あるいは、粉体分散物Aのガス流への同伴が生ずるおそれがある。
本発明方法において、乾燥機に仕込まれた粉体分散物Aにガスを吹き込む手段に特に制限はなく、例えば、粉体分散物Aを仕込んだ容器内にガス吹き込みノズルを設けることができる。真空ラインに接続された吸引配管の中に、ガス吹き込み配管が設置された二重管構造を好適に用いることができる。本発明方法において、粉体分散物Aを仕込んだ容器内(乾燥機内)で、ガスを吹き込む位置に特に制限はなく、例えば、粉体分散物Aの層中にガスを吹き込むことができ、あるいは、気相中にガスを吹き込むこともできる。これらのガス吹き込み位置の中で、粉体分散物Aの層中にガスを吹き込むことが好ましい。粉体分散物Aの層中にガスを吹き込むことにより、可塑剤アウトガス除去効率を高めることができる。粉体分散物Aの層中へのガス吹き込みは、連続的に行うことができ、あるいは、断続的に行うこともできる。例えば、コニカル乾燥機を用いた場合、容器の回転に従って粉体分散物Aの層が移動し、粉体分散物Aの層中へガスを吹き込む状態と、気相中へガスを吹き込む状態が交互に現われる場合もあるが、粉体分散物Aの層中へガスを吹き込む状態が断続的にせよ確保できれば効率的な可塑剤アウトガス除去を行うことができる。
図1は、本発明の粉体成形用材料の製造方法に用いる装置の一態様の系統図である。粉体分散物Aがコニカル容器8に仕込まれる。コニカル容器は、スチーム導入部3からスチームがジャケットに導入されることにより加熱される。スチームの凝縮により発生したドレインは、ドレイン排出管4から排出される。窒素導入部1からコニカル容器に窒素ガスが送られ、気相中に設けられた吹き込みノズル5又は樹脂の層中に設けられた吹き込みノズル6から、窒素ガスが吹き込まれる。コニカル容器内の窒素ガスは、吸引口7から吸引され、真空ライン2を経由して系外に排出される。所定の時間窒素ガスを吹き込みつつ加熱することにより可塑剤アウトガスを除去したのち、コニカル容器のジャケットへ冷水を送って冷却し、コニカル容器から粉体成形用材料を取り出す。
本発明の粉体成形用材料は、意匠性に優れ、高硬度で表面が傷つきにくく、色むらが無い成形品を生産することのできることから、粉体スラッシュ成形、流動浸漬成形あるいは粉体回転成形などの種々の粉体成形に使用することができ、特に自動車内装用材の成形に用いられている粉体スラッシュ成形に好適に使用することができる。また、上記以外にも、押出成形、射出成形及びカレンダー成形等の塩化ビニル樹脂の一般的な成形加工による成形品の成形用材料としても使用することができ、シート、フィルム、ホース、壁紙、床材及び電線被覆材などの工業用資材や、文具及び玩具等の成形品を与える。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、評価は下記の方法により行った。
また、部数及び%は特記のない限り重量基準である。
(1)可塑剤由来のアウトガス量
試料200mgを、表面に吸着していた水分や有機物を完全に除去した内径4mmのガラスチューブ製の試料容器に入れ、ヘリウムを流量30mL/分で流しつつ、温度100℃で60分間加熱し、容器から流出する気体を連続的に捕集する。次いで、捕集した気体を熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計[横河アナリティカルシステムズ(株)製]を用いて分析し、可塑剤の分子量に対して、95〜105%の分子量を示すピークのものを積算して「可塑剤アウトガス含有量」とした。
(2)硬度
JIS K7215に従って、圧子を試料に押し付けた直後の数値を計測した。なお、「硬度」の値が大きいほど、成形品表面に傷がつきにくい。
(3)引張強度
JIS K6251に従って、ダンベル状1号型を用い、試験速度200mm/minで測定した。
(4)伸び
JIS K6251に従って、ダンベル状1号型を用い、試験速度200mm/minで測定した。
(5)安息角
JIS K6721に従い、かさ比重測定装置のホッパーに試料100mlを投入し、ホッパー下のダンパーを開とし、試料を試料台上に落下させた。試料の全量を排出後、ホッパー下の山状に積もった粉の傾斜角(安息角)を分度器にて測定した。なお、安息角が小さいほど粉体流動性が良好となる。
(6)グロス
サンプルを130℃のギアオーブンに入れ、100時間加熱し、加熱前後のグロス値をグロスメーターにて測定し、変化率を算出する。なお、グロスの値が小さいほど、「てかり」が少なく意匠性に優れる。
(7)色むら
成形シートを目視にて5段階の標準試料と目視にて比較評価する。
この値が大きいほど、色むらが少ないことを意味する。
(8)平均粒子径及び粒子径分布(分布測定法A)
JIS Z8801に従い、試験用ふるいを用いて試料200gをロータップ型ふるい振盪器にて10分間篩い分けし、各ふるい上の試料量を秤量し、重量分率85%、50%及び15%に当たる粒径を算出し、それぞれD85、D50及びD15とした。
平均粒子径は、D50の値とした。
また下記式に従って、粒子径分布を求めた。
「粒子径分布」=(D85−D15)/D50
また、乾燥機能を有する乾燥機として、図1示す系統に組み込まれたコニカル乾燥機[(株)楠木機械製作所、バキューム・タンブル・ドライヤー、内容積250L]を用いた。コニカル本体中心を軸に、コニカル容器8を回転させることによってを粉体分散物Aを流動させ、真空ライン2に接続した真空ポンプで減圧とし、コニカル本体のジャケットに温水又はスチームを通じて加温し、粉体分散物A中の可塑剤アウトガスを除去する。ガス吹き込みラインは吸引配管との二重管構造になっており、コニカル容器8を回転させても吸引口7とガス吹き込みノズルの先端位置5又は6は変化しない。粉体分散物Aの層中にガスを吹き込む場合は、6位置に吹き込みノズル先端を設け、気相中に吹き込む場合は、5位置に吹き込みノズル先端を設ければ良い。
(製造例1 粉体分散物Aの調整)
塩化ビニル樹脂(塩化ビニル単独重合体、新第一塩ビ(株)製)100部、ハイドロタルサイト1部、過塩素酸ナトリウム0.5部、紫外線吸収剤0.2部、ステアリン酸亜鉛0.2部及び顔料2部をヘンシェルミキサーに入れて加温・混合し、温度が80℃に上昇した時点で、トリ−n−オクチルトリメリテート100部を添加した。ドライアップ(可塑剤が塩化ビニル樹脂に吸収されて、上記混合物がさらさらになった状態をいう。)後、50℃まで冷却した段階で微細塩化ビニル樹脂(ダスティング剤、新第一塩ビ(株)製)15部を添加、混合して粉体成形用の塩化ビニル樹脂組成物(粉体分散物A)を調製した。
(実施例1)
コニカル乾燥機の容器内(以下、「容器A」と略す。)に粉体分散物A50部を投入し、ガス吹き込みノズル先端を粉体分散物Aの層中(図1の6位置)に設けた。工業用窒素を流量120L(標準状態)/分(1kgの粉体分散物Aに対し、2.4L/分に相当)で吹き込み、容器Aを12rpmで回転させ、容器A内部を減圧にし、ジャケットに温水を流した。30分経過後に定常状態に達したが、ジャケット温度は95℃、粉体分散物Aの温度は78℃であった。また、容器A内の絶対圧力は5.3kPaであった。この状態を24時間保ったのち、ジャケットに約30分間冷却水を流して粉体分散物Aを30℃以下まで冷却した後、容器Aから粉体分散物Aを取り出し、本発明の粉体成形用材料を得た。該粉体成形用材料を分析したところ、可塑剤由来のアウトガスとしては、トリ−n−オクチルトリメリテート由来の高沸点物14重量ppmが検出されたのみであった。
次に、この粉体成形用材料100gを、250℃に加熱した100×120mmの金型全体にまんべんなく覆うように敷き粉体スラッシュ成形を開始し、10秒後に未溶融材料を除去した。溶融樹脂の付着した金型を400℃のオーブンに入れ10秒間加熱後、オーブンより取り出し、常温で30秒放置後、金型を水冷した。金型より樹脂を剥がし、各種物性評価用の成形品とした。
結果を表1に示す。
(実施例2)
工業用窒素を流量60L(標準状態)/分(1kgの粉体分散物Aに対し、1.2L/分に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして実験を行った。このときのジャケット温度は95℃、粉体分散物Aの温度は70℃であった。また、容器A内の絶対圧力は4.6kPaであった。この状態を24時間保ったのち、ジャケットに約30分間冷却水を流して粉体分散物Aを30℃以下まで冷却した後、容器Aから粉体分散物Aを取り出し、本発明の粉体成形用材料を得た。該粉体成形用材料を分析したところ、可塑剤由来のアウトガスとしては、トリ−n−オクチルトリメリテート由来の高沸点物25重量ppmが検出されたのみであった。
次に、この粉体成形用材料を用いて、実施例1と同様にして各種物性評価用の成形品とした。
結果を表1に示す。
(比較例1)
製造例1で得られた粉体分散物Aを、コニカル乾燥機による処理をせずにそのまま粉体成形用材料とした。該粉体成形用材料を分析したところ、可塑剤由来のアウトガスとして、トリ−n−オクチルトリメリテート由来の高沸点物50重量ppmが検出された。
次に、この粉体成形用材料を用いて、実施例1と同様にして各種物性評価用の成形品とした。
結果を表1に示す。
(比較例2)
工業用窒素を流量30L(標準状態)/分(1kgの粉体分散物Aに対し、0.6L/分に相当)に変更し、かつ、容器A内の絶対圧力を56kPaとした以外は実施例1と同様に実験を行なったところ。ジャケット温度は95℃、粉体分散物の温度は80℃となった。この状態を24時間保ったのち、ジャケットに約30分間冷却水を流して粉体分散物Aを30℃以下まで冷却し、容器Aから粉体分散物Aを取り出し、粉体成形用材料を得た。該粉体成形用材料を分析したところ、可塑剤由来のアウトガスとしては、トリ−n−オクチルトリメリテート由来の高沸点物46重量ppmが検出された。
次に、この粉体成形用材料を用いて、実施例1と同様にして各種物性評価用の成形品とした。
結果を表1に示す。
Figure 2007091967
可塑剤由来のアウトガス含有量が多い粉体成形用材料は安息角が大きいために粉体流動性が悪く、それを用いて得られた成形品は、引張強度は良好であったが硬度が低いために傷つき易く、グロス値(「てかり」)が大きくて意匠性が悪く、色むらも発生した(比較例1及び2)。
一方、本願発明の粉体成形用材料は安息角が小さいために粉体流動性が良く、それを用いて得られた成形品は、引張強度及び硬度に優れるとともに、グロス値(「てかり」)が小さく、意匠性に優れ、色むらが少ないため、自動車内装材として必要な特性を満足していた(実施例1及び2)。
本発明方法に用いる装置の一態様の系統図である。
符号の説明
1 窒素導入部
2 真空ライン
3 スチーム導入部
4 ドレイン排出管
5 吹き込みノズル
6 吹き込みノズル
7 吸引口
8 コニカル容器(コニカル乾燥機)

Claims (4)

  1. 塩化ビニル樹脂及び可塑剤を含有し、該可塑剤由来のアウトガス含有量が30重量ppm以下である粉体成形用材料。
  2. 塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑剤を20〜200重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の粉体成形用材料。
  3. 請求項1又は2に記載の粉体成形用材料を成形してなる自動車内装材。
  4. 請求項1又は2に記載の粉体成形用材料を用いることを特徴とする粉体スラッシュ成形方法。


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JPWO2016139959A1 (ja) * 2015-03-05 2017-12-14 日本ゼオン株式会社 粉体成形用塩化ビニル樹脂組成物、塩化ビニル樹脂成形体及び積層体

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