JP2009096877A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形金型への粘着が抑制され、良好な外観を有する成形体を与え、動的熱安定性が優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】塩化ビニル系樹脂組成物を、(A)塩化ビニル系樹脂100質量部、(B)木粉5〜150質量部、(C)アミノ酸亜鉛化合物0.1〜5質量部、(D)脂肪酸亜鉛化合物0.1〜5質量部及び(E)エポキシ系可塑剤0.1〜5質量部が配合されているものとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、人体及び環境に対して有害な従来の鉛系安定剤に代わる非鉛系安定剤が配合された塩化ビニル系樹脂組成物であって、成形金型への粘着が抑制され、押出加工性及び動的熱安定性が優れた塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
木材は、光合成により繰り返し生産される資源であり、石油系樹脂とは異なる将来性を有する資源として見直されている。森林が成長の早い樹種で育成され、大気中の炭酸ガスが光合成により消費され、結果的に地球環境が健全に保たれ、一方で木材が計画的に伐採されて資源として人類の生活に役立てられるよう試みられている。このような状況の下で、木材から得られた木粉が、機械的強度が大きく成形加工が容易な汎用樹脂である塩化ビニル系樹脂に配合され、建築用資材に多用される塩化ビニル系樹脂組成物が、調和のとれた地球資源利用の観点から検討された(例えば、特許文献1〜3参照)。
樹脂成形体が樹脂組成物から押出成形される際、成形体の外観が損なわれず、長時間安定な押出成形が行われ、金型に付着した樹脂の除去作業が簡略化されるには、樹脂組成物の成形金型への粘着性が抑制される必要がある。ところが、上記塩化ビニル系樹脂組成物の成形金型への粘着性の抑制は検討されてきたが、有効な解決策は見出されていなかった。また、それとともに、動的熱安定性にも優れたものは見い出されていなかった。
特開2002−138179号公報 特開平10−273571号公報 特開平10−152593号公報
本発明が解決しようとする課題は、成形金型への粘着が抑制され、良好な外観を有する成形体を与え、動的熱安定性が優れた塩化ビニル系樹脂組成物の提供である。
本発明は、(A)塩化ビニル系樹脂100質量部、(B)木粉5〜150質量部、(C)アミノ酸亜鉛化合物0.1〜5質量部、(D)脂肪酸亜鉛化合物0.1〜5質量部及び(E)エポキシ系可塑剤0.1〜5質量部が配合されている塩化ビニル系樹脂組成物である。
本発明の好ましい実施態様では、上記塩化ビニル系樹脂組成物に含まれる(E)エポキシ系可塑剤が、エポキシ化大豆油及び/又はエポキシ化亜麻仁油である。
本発明の別の好ましい実施態様では、上記塩化ビニル系樹脂組成物にさらに(F)ハイドロタルサイト0.1〜3質量部が配合されている。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の金型への粘着性は低い。従って、長時間安定な押出成形が、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物により実施される。更に、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、金型に付着した樹脂の押出成形後の除去作業を大幅に簡略化する。本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の押出加工性及び動的熱安定性も優れている。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合される(A)塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルの単独重合体の他、塩化ビニル単位を好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上含有する共重合体を含む。塩化ビニル共重合体の共単量体の具体例は、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類;塩化アリル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化塩化エチレンなどのハロゲン化オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;イソブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アリル−3−クロロ−2−オキシプロピルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのアリルエーテル類;アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メチルメタクリレート、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、そのエステルまたはその酸無水物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアクリルアミド類;アリルアミン安息香酸塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどのアリルアミンおよびその誘導体類;などである。以上に例示される単量体は、塩化ビニルと共重合可能な単量体の一部に過ぎず、近畿化学協会ビニル部会編「ポリ塩化ビニル」日刊工業新聞社(1988年)第75〜104頁に例示されている各種単量体が使用され得る。これらの単量体の1種又は2種以上が使用され得る。本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合される(A)塩化ビニル系樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、塩素化ポリエチレンなどの樹脂に、(1)塩化ビニルまたは(2)塩化ビニルと前記される共重合可能な単量体がグラフト重合された樹脂も含む。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合される(A)塩化ビニル系樹脂は、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合など、従来から知られているいずれの製造法によっても製造されうる。JIS K 6721規定の測定法による塩化ビニル系樹脂の好ましい平均重合度は400〜1,500であり、より好ましい平均重合度は600〜1,100である。塩化ビニル系樹脂の平均重合度が400より小さいと、塩化ビニル系樹脂組成物の成形が困難となったり、成形体の機械的強度が低くなる恐れがある。塩化ビニル系樹脂の平均重合度が1,500より大きいと、配合成分の均一混練が困難になったり、木粉が塩化ビニル系樹脂組成物中に均一に分散され難くなる恐れがある。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合される(B)木粉の樹種は特に限定されない。(B)木粉の原料となる木材の具体例は、杉、ツガ、ラワンなどの針葉樹又は広葉樹の材木片、鉋屑、鋸屑などである。(B)木粉は、好ましくは、上記木材が粉砕機により平均粒径500μm以下の比較的丸味を帯びた木粉に粉砕されて得られる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合される(B)木粉は、特開平5−177610号公報および特開平5−261708号公報に開示されているような、硬い小粒子が表面に付着した木粉であり得る。硬い小粒子の硬度は木粉の硬度より高く、硬い小粒子の平均粒径は木粉の平均粒径より小さい。硬い小粒子の具体例は、金属、金属酸化物、金属塩、無機化合物、プラスチック粒子などである。好ましい硬い小粒子は、酸化チタン、ニッケル、炭酸カルシウム、シリカ、マイカなどの無機系または金属系粒子である。硬い小粒子が木粉表面に付着する態様は、(1)木粉への硬い小粒子の喰い込みを含む抱き込み結合、(2)喰い込み結合された複数の硬い小粒子の相互による狭み込み結合などの、硬い小粒子の木粉表面部に対する押しつけ外力による付着、(3)接着剤による木粉と硬い小粒子の付着であり得る。木粉は、木粉に対して1〜50質量%の硬い小粒子と共にボールミルなどの混練機に仕込まれ、窒素雰囲気下などの粉塵爆発が防止された条件下で処理される。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合される(B)木粉の平均粒径は好ましくは30〜500μmであり、(B)木粉のより好ましい平均粒径は50〜100μmである。平均粒径は、粉末が篩分析されて得られた目開きに対する累積重量%曲線の50重量%に該当する目開きの値の読みと定義される。(B)木粉の平均粒径が50μmより小さい場合、粉末状の塩化ビニル系樹脂組成物の嵩比重が小さくなり、塩化ビニル系樹脂組成物調製のための混合操作性が悪くなる傾向にある。(B)木粉の平均粒径が500μmより大きい場合、塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形体表面が荒れ、成形体の機械的強度が低下する恐れがある。
(B)木粉中の好ましい水分量は10質量%以下であり、より好ましい水分量は5質量%以下である。
(B)木粉の配合量は、(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して5〜150質量部である。(B)木粉の(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対する好ましい配合量は15〜120質量部であり、より好ましい配合量は25〜100質量部である。(B)木粉の配合量が(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して5質量部より少ない場合、塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形体の外観が良好な木質感を呈さなくなる。(B)木粉の配合量が(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して150質量部より多い場合、塩化ビニル系樹脂への木粉の分散が不均一となり、塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形体の機械的強度が低くなる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合される(C)アミノ酸亜鉛化合物は、アミノ酸と亜鉛との塩である。該アミノ酸の具体例は、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、プロニン、オキシプロニンなどである。(C)アミノ酸亜鉛化合物は1種又は2種以上を用いることができる。
(C)アミノ酸亜鉛化合物の配合量は、(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部である。(C)アミノ酸亜鉛化合物の(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対する好ましい配合量は1〜3質量部である。(C)アミノ酸亜鉛化合物の配合量が(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.1質量部より少ない場合、塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性が小さくなる。(C)アミノ酸亜鉛化合物の配合量が(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して5質量部より多い場合、塩化ビニル系樹脂組成物の押出加工性が悪く、塩化ビニル系樹脂組成物の成形時に金型汚れが起き易くなる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合される(D)脂肪酸亜鉛化合物は、脂肪酸と亜鉛との塩である。該脂肪酸は、通常、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸である。当該飽和脂肪酸の具体例は、オクチル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸である。当該不飽和脂肪酸の具体例は、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸である。好ましい脂肪酸は、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸などである。(D)脂肪酸亜鉛化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。
(D)脂肪酸亜鉛化合物の配合量は、(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部である。(D)脂肪酸亜鉛化合物の(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対する好ましい配合量は1〜3質量部である。(D)脂肪酸亜鉛化合物の配合量が(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.1質量部より少ない場合、塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性が悪くなる。(D)脂肪酸亜鉛化合物の配合量が(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して5質量部より多い場合、塩化ビニル系樹脂組成物の押出安定性が悪くなり、塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形体の機械的強度が低くなる。
(C)アミノ酸亜鉛化合物及び(D)脂肪酸亜鉛化合物は、熱安定剤の1種である。後述される実施例と比較例との比較からわかるとおり、本発明は、熱安定剤の中からのアミノ酸亜鉛化合物及び脂肪酸亜鉛化合物の選択により有利な効果を発揮している。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合される(E)エポキシ系可塑剤の具体例は、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化パームオイル、エポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ひまし油などである。好ましいエポキシ化可塑剤の具体例は、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油である。上記エポキシ系可塑剤は1種又は2種以上を用いることができる。
(E)エポキシ化可塑剤の配合量は、(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部である。(E)エポキシ化可塑剤の(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対する好ましい配合量は1〜3質量部である。(E)エポキシ化可塑剤の配合量が(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.1質量部より少ない場合、塩化ビニル系樹脂組成物の押出加工性が悪くなる。(E)エポキシ化可塑剤の配合量が(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して5質量部より多い場合、塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形体の機械的強度が低くなり、エポキシ化可塑剤が成形体表面にブリードアウトする。
エポキシ化可塑剤は、安定剤の塩化ビニル系樹脂安定化効果を補助する安定化助剤であり、可塑剤の1種である。後述される実施例と比較例との比較からわかるとおり、本発明は、可塑剤の中からのエポキシ化可塑剤の選択により有利な効果を発揮している。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、(F)ハイドロタルサイトを含有し得る。(F)ハイドロタルサイトを含有させることにより、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の動的熱安定性を向上させることができる。ハイドロタルサイトは、一般式 [Mg1-xAlx(OH)2]x+ [(CO3)x/2・mH2O]x-で表される不定比化合物で、プラスに荷電した基本層 [Mg1-xAlx(OH)2]x+と、マイナスに荷電した中間層 [(CO3)x/2・mH2O]x-とからなる層状の結晶構造を有する無機物質である。ここで、xは0より大で0.33以下の範囲の数である。天然のハイドロタルサイトはMg6Al2(OH)16CO3・4H2Oである。合成されたハイドロタルサイトMg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2Oが市販されている。合成ハイドロタルサイトの合成方法は、特公昭61−174270号公報に記載されている。
(F)ハイドロタルサイトの好ましい配合量は、(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.1〜3質量部である。(F)ハイドロタルサイトの配合量が(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して3質量部より多い場合、塩化ビニル系樹脂組成物の押出加工性が悪くなる恐れがある。
メチルメタクリレート単位とブチルアクリレート単位を65:35〜95:5の質量比で含み、重量平均分子量が60万〜600万のメチルメタクリレート系共重合体が、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合され得る。メチルメタクリレート系共重合体は、(A)塩化ビニル系樹脂の溶融粘度特性を改良し、(B)木粉を(A)塩化ビニル系樹脂に均一に分散させる効果がある。メチルメタクリレート系共重合体は、メチルメタクリレート及びブチルアクリレートと共重合可能な単量体の単位を含有し得る。当該単量体の具体例は、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合物;(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどの不飽和ニトリル類;2−ヒドロキシエチルフマレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、モノブチルマレエート、グリシジルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレートなどである。メチルメタクリレート系共重合体の粒子構造は、一段階の重合反応で得られる、粒子内がほぼ均一なポリマー組成であってもよいし、いわゆるコア−シェル構造のように断層毎に異なる重合体組成であってもよい。メチルメタクリレート系共重合体の粒子構造がコア−シェルである場合、コアとシェルの質量比は好ましくは1/1〜15/1である。なお、メチルメタクリレート系共重合体において、メチルメタクリレート単位及びブチルアクリレート単位が上記の範囲内にあることにより、メチルメタクリレート系共重合体のガラス転移点が下記に示す好ましい範囲に入り、その結果、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の押出加工性を向上させ、なおかつ、メチルメタクリレート系共重合体の粉末どうしの固着(ブロッキング)を防止することができる。
メチルメタクリレート系共重合体のガラス転移点は好ましくは50〜85℃であり、より好ましいガラス転移点は60〜83℃である。メチルメタクリレート系共重合体のガラス転移点が50℃未満である場合、夏期の保存中に粉末どうしが固着(ブロッキング)し易くなる傾向がある。メチルメタクリレート系共重合体のガラス転移点が85℃より高い場合、塩化ビニル系樹脂組成物の押出加工性が悪くなる恐れがある。本発明において、ガラス転移点の測定は示差熱分析計で行なわれる。
メチルメタクリレート系共重合体の重量平均分子量は60万〜600万であり、好ましい重量平均分子量は100万〜400万である。メチルメタクリレート系共重合体の重量平均分子量が60万未満である場合、塩化ビニル系樹脂組成物の可塑化が早くなり、押出加工性が悪くなる恐れがあり、かつ塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形体の機械的強度が低くなる恐れがある。メチルメタクリレート系共重合体の重量平均分子量が600万より大きい場合、塩化ビニル系樹脂組成物の可塑化は長時間を要する傾向にある。メチルメタクリレート系共重合体の重量平均分子量は、重合反応温度の選定;t−ドデシルメルカプタン、四塩化炭素などの連鎖移動剤の使用などの一般的な方法により調節される。メチルメタクリレート系共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により標準ポリスチレンに換算して求められる。
その他公知の添加剤が、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合され得る。当該添加剤の具体例は、エポキシ系可塑剤以外の可塑剤、脂肪酸亜鉛化合物以外の滑剤、顔料、発泡剤、耐衝撃性改良剤、酸化防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、塩化ビニル系樹脂と相溶可能な樹脂、安定化助剤、光安定剤などである。
エポキシ系可塑剤以外の可塑剤は、塩化ビニル系樹脂の加工に可塑剤として従来慣用されているものである。エポキシ系可塑剤以外の可塑剤の具体例は、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジフェニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジノニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレートなどのフタル酸誘導体;ジメチルイソフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレートなどのイソフタル酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート、ジ−n−オクチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシルテトラヒドロフタレートなどのテトラヒドロフタル酸誘導体、ジ−n−ブチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペートなどのアジピン酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジ−n−ヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸誘導体;ジ−n−ブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケートなどのセバシン酸誘導体;ジ−n−ブチルマレエート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジ−(2−エチルヘキシル)マレエートなどのマレイン酸誘導体;ジ−n−ブチルフマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレートなどのフマル酸誘導体;トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、トリ−n−ヘキシルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテートなどのトリメリット酸誘導体;テトラ−(2−エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラ−n−オクチルピロメリテートなどのピロメリット酸誘導体;トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シトレートなどのクエン酸誘導体;モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ−(2−エチルヘキシル)イタコネートなどのイタコン酸誘導体;ブチルオレエート、グリセリルモノオレエート、ジエチレングリコールモノオレエートなどのオレイン酸誘導体;メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレートなどのリシノール酸誘導体;n−ブチルステアレート、ジエチレングリコールジステアレートなどのステアリン酸誘導体;ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどのその他の脂肪酸誘導体;トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェートなどのリン酸誘導体;ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−(2−エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキソエート)、ジブチルメチレンビスチオグリコレートなどのグリコール誘導体;グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブチレートなどのグリセリン誘導体;アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステルなどのポリエステル系可塑剤などのいわゆる一次可塑剤;ならびに塩素化パラフィン、トリエチレングリコールジカプリレートなどのグリコールの脂肪酸エステル、ブチルエポキシステアレート、フェニルオレエート、ジヒドロアビエチン酸メチルなどの二次可塑剤;などである。1種又は2種以上の可塑剤が使用できる。二次可塑剤が用いられる場合、それと等質量以上の一次可塑剤が好ましくは併用される。
脂肪酸亜鉛化合物以外の滑剤の具体例は、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、2−エチルヘキソイン酸バリウム、リシノール酸バリウムなどの金属せっけん類;n−ブチルステアレート、メチルヒドロキシステアレート、多価アルコール脂肪酸エステル、エステル系ワックスなどの脂肪酸エステル類;ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸類;ステアロアミド、オキシステアロアミド、オレイルアミド、ベヘンアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、N,N′−ジステアリルコハク酸アミドなどのアミド化合物;流動パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の炭化水素系化合物類;ステアリルアルコール等の脂肪族アルコール類;などである。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合される顔料の具体例は、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ポリアゾ縮合顔料、イソインドリノン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、チタンホワイト、カーボンブラックなどである。1種又は2種以上の顔料が使用できる。キナクリドン系顔料は、p−フェニレンジアントラニル酸類が濃硫酸で処理されて得られ、黄みの赤から赤みの紫の色相を示す。キナクリドン系顔料の具体例は、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンバイオレットである。ペリレン系顔料は、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸無水物と芳香族第一級アミンの縮合反応により得られ、赤から赤紫、茶色の色相を示す。ペリレン系顔料の具体例は、ペリレンレッド、ペリレンオレンジ、ペリレンマルーン、ペリレンバーミリオン、ペリレンボルドーである。ポリアゾ縮合顔料は、アゾ色素が溶剤中で縮合されて高分子量化されて得られ、黄、赤系顔料の色相を示す。ポリアゾ縮合顔料の具体例は、ポリアゾレッド、ポリアゾイエロー、クロモフタルオレンジ、クロモフタルレッド、クロモフタルスカーレットである。イソインドリノン系顔料は、4,5,6,7−テトラクロロイソインドリノンと芳香族第一級ジアミンの縮合反応により得られ、緑みの黄色から、赤、褐色の色相を示す。イソインドリノン系顔料の具体例は、イソインドリノンイエローである。銅フタロシアニン系顔料は、フタロシアニン類に銅を配位した顔料で、黄みの緑から鮮やかな青の色相を示す。銅フタロシアニン系顔料の具体例は、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルーである。チタンホワイトは、二酸化チタンからなる白色顔料で、隠蔽力が大きく、アナタース型とルチル型がある。カーボンブラックは、炭素を主成分とし、酸素、水素、窒素を含む黒色顔料である。カーボンブラックの具体例は、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、ボーンブラックである。
発泡剤は、好ましくは、熱分解型有機発泡剤又は/及び熱分解型無機発泡剤である。熱分解型有機発泡剤の具体例は、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、p,p′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド類;などである。熱分解型無機発泡剤の具体例は、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなどである。有機熱分解型発泡剤及び/又は無機熱分解型発泡剤の群から選択される1種または2種以上の発泡剤が用いることができる。
耐衝撃性改良剤の具体例は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体への塩化ビニルグラフト共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、クロロスルホン化ポリエチレンなどである。1種又は2種以上の耐衝撃性改良剤が使用できる。耐衝撃性改良剤は、塩化ビニル系樹脂組成物中で微細な弾性粒子の不均一相となって分散する。当該弾性粒子にグラフト重合した鎖及び極性基が塩化ビニル系樹脂と相溶し、塩化ビニル系樹脂組成物の耐衝撃性が向上する。
酸化防止剤の具体例は、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などである。
防黴剤の具体例は、脂肪族エステル系防黴剤、炭化水素系防黴剤、有機窒素系防黴剤、有機窒素硫黄系防黴剤などである。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合される難燃剤の具体例は、塩素化パラフィン等のハロゲン系難燃剤;リン酸エステル等のリン系難燃剤;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機水酸化物などである。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に配合される帯電防止剤の具体例は、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル類、スルホン酸塩類等のアニオン系帯電防止剤;脂肪族アミン塩類、第四級アンモニウム塩類のカチオン系帯電防止剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類等のノニオン系帯電防止剤;などである。
充填剤の具体例は、シリカ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、クレーなどである。
光安定剤の具体例は、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ニッケルキレート系等の紫外線吸収剤;ヒンダートアミン系光安定剤;などである。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の調整方法は限定されない。当該調整方法の具体例は以下のとおりである。(A)〜(E)成分と必要に応じて配合されるその他の成分が、一括してヘンシェルミキサーなどの混合機に投入され、激しく撹拌混合されつつ120〜160℃に昇温される。木粉に吸収されている水分が、混合過程で揮散される。全成分の混合機への一括投入及び混合により、嵩比重が大きく、添加剤が均一分散された混合物が得られる。上記温度に到達したのち、混合物はクーリングミキサーに移され、要すれば100℃程度以下まで冷却された後、熱分解型発泡剤が添加され、さらに50〜60℃に冷却される。クーリングミキサー中の混合物の温度が十分に低下したのち、粉末状の混合物がクーリングミキサーから取り出される。取り出された粉末状の混合物は、そのまま成形用のコンパウンドとされ得るが、さらにペレット化してもよい。ペレット化方法の具体例は、シリンダー温度及びダイス温度が150〜200℃にされたベント付き一軸押出機又は二軸押出機のベント孔から木粉中の残留水分が排出されつつペレット化される方法である。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の成形方法は制限されない。当該成形方法の具体例は、押出成形法、カレンダーロール成形法、射出成形法、真空成形法などである。天然木材に似た成形体が、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物から成形される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。塩化ビニル系樹脂組成物の成形金型への粘着性、成形体外観及び動的熱安定性は、下記のとおりに評価された。
(1)成形金型への粘着性
後述される塩化ビニル系樹脂組成物のペレットが、吐出口(間隙1mm、幅20mm、ランド長さ25mm)を備えた炭素鋼製金型(上下分割型)が先端に取り付けられた、シリンダー内径20mmの、スクリューが内蔵される単軸押出機に投入され、以下の条件で、短冊状の成形体が1時間連続して押出成形された。
スクリューL/D=24、スクリュー圧縮比=3.5、スクリュー回転数=30rpm
設定温度(℃);シリンダー1(ホッパー下)/シリンダー2/シリンダー3/ヘッド/ダイス(炭素鋼製金型)=加熱なし/170/180/170/170
1時間の連続押出成形後、金型が解体され、以下の式で示される粘着物面積比が算出された。
粘着物面積比=[粘着物面積/金型面積(20mm×25mm)]×100(%)
(2)成形体外観
上記されるようにして得られた成形体の外観(波打ち及び肌荒れ)が目視により判定された。判定基準は以下のとおりである。
◎;波打ち及び/又は肌荒れがない。
○;わずかの波打ち及び/又は肌荒れが発生。
△;波打ち及び/又は肌荒れが時々発生。
×;多数の波打ち及び/又は肌荒れが発生。
(3)動的熱安定性
後述される塩化ビニル系樹脂組成物のペレット65gが、190℃に加熱されたバッチ式混練機((株)東洋精機製作所製ラボプラストミル、100C125型、ロータータイプR60)に投入された。ローターが回転されずに3分間加熱された後、45rpmの速度で回転された。ローターにかかるトルクが安定化された後、塩化ビニル系樹脂組成物の熱分解に伴うトルク上昇が始まるまでに要する時間(トルク上昇開始時間)が測定された。
実施例1〜9、比較例1〜11
表1又は表2に示される組成を有する塩化ビニル系樹脂組成物の各成分がヘンシェルミキサーに投入され、3分間混合された。次いで、得られた混合物が、外径8インチの電気ヒーターを備える樹脂混練用ロールに投入され、185℃で3分間混練された。混練物は厚み2〜3mmのシートにされて冷却され、当該シートが5mm角に裁断され、ペレットが得られた。
上述される成形金型への粘着性、成形体外観及び動的熱安定性が、得られたペレットが用いられて評価された。結果が表1及び表2に示されている。
Figure 2009096877
Figure 2009096877
[1]新第一塩ビ(株)製ZEST 700L、平均重合度680
[2]三菱レイヨン(株)製メタブレン P−530A(メチルメタクリレート単位/ブチルアクリレート単位=83/17(重量比)、ガラス転移点=+62℃、重量平均分子量(Mw)=310万)
[3]グリシンと酸化亜鉛が、グリシン:酸化亜鉛=2:1のモル比で沸騰水中に溶解され、そして反応させられた。次いで、グリシン亜鉛が反応液から再結晶され、得られた結晶が微粉砕機により平均粒径10μm以下に微粉砕された。
[4]水澤化学工業(株)製スタビネックス NT−Z1(ステアリン酸亜鉛)
[5](株)ADEKA製アデカスタブ RX−224
[6]堺化学工業(株)製CS−100(ステアリン酸カルシウム)
[7]協和化学工業(株)製アルカマイザー1(ハイドロタルサイト)
[8](株)ADEKA製アデカサイザー 0−130P(エポキシ化大豆油)
[9](株)ADEKA製アデカサイザー 0−180A(エポキシ化亜麻仁油)
[10](株)ジェイ・プラス製フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)
[11]コグニス・オレオケミカルズ・ジャパン(株)製ロキシオール VPN963、多価アルコール系エステル
[12]ロームアンドハース社製ADVALUBE F−1020、2塩基酸系エステル
[13]ミサワテクノ(株)製MTP E60−T5−3、5質量%の酸化チタン粒子が付着、平均粒径60μm、含水率5質量%
[14]清水工業(株)製KK600、平均粒径4μm
[15]石原産業(株)製TIPAQUE CR90、ルチル型未処理品
本発明の具体例である実施例1〜9の塩化ビニル系樹脂組成物の成形金型への粘着性は低く、当該塩化ビニル系樹脂組成物の動的熱安定性は高かった。更に、当該塩化ビニル系樹脂組成物から得られた成形体外観は優れていた。
比較例1及び4の塩化ビニル系樹脂組成物はグリシン亜鉛及び脂肪酸亜鉛を含有していない。比較例2及び8の塩化ビニル系樹脂組成物は脂肪酸亜鉛を含有していない。比較例3の塩化ビニル系樹脂組成物はグリシン亜鉛及びエポキシ系可塑剤を含有していない。比較例5〜7の塩化ビニル系樹脂組成物はエポキシ系可塑剤を含有していない。比較例9の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して5質量部を超えるグリシン亜鉛を含有している。比較例10の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して5質量部を超える脂肪酸亜鉛を含有している。比較例11の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して5質量部を超えるエポキシ系可塑剤を含有している。比較例1〜11の塩化ビニル系樹脂組成物の成形金型への粘着性は、実施例1〜9の塩化ビニル系樹脂組成物の成形金型への粘着性より高い。比較例1〜11の塩化ビニル系樹脂組成物から得られた成形品の外観は、実施例1〜9の塩化ビニル系樹脂組成物から得られた成形品の外観より劣っていた。比較例1〜11の塩化ビニル系樹脂組成物の動的熱安定性は、実施例1〜9の塩化ビニル系樹脂組成物の動的熱安定性よりも低かった。
比較例4の塩化ビニル系樹脂組成物は、実施例3の塩化ビニル系樹脂組成物に含まれるグリシン亜鉛1.5質量部及び脂肪酸亜鉛1.5質量部に代えて、カルシウム/亜鉛系複合安定剤3質量部を含有している。実施例3と比較例4の対比により、本発明は、熱安定剤の中からのアミノ酸亜鉛化合物及び脂肪酸亜鉛化合物の選択により有利な効果を発揮していると言える。
比較例7の塩化ビニル系樹脂組成物は、実施例4の塩化ビニル系樹脂組成物に含まれるエポキシ化大豆油に代えて、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)を含有している。実施例4と比較例7の対比により、本発明は、可塑剤の中からのエポキシ化可塑剤の選択により有利な効果を発揮していると言える。
比較例8の塩化ビニル系樹脂組成物は、実施例4の塩化ビニル系樹脂組成物に含まれる脂肪酸亜鉛に代えて、脂肪酸カルシウムを含有している。実施例4と比較例8の対比により、本発明は、熱安定剤の中からのアミノ酸亜鉛化合物及び脂肪酸亜鉛化合物の選択により有利な効果を発揮していると言える。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、自然な木質感が豊かな成形体を与える。本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、デッキ材、窓枠、戸枠、腰板、幅木、手摺り材などの建材;テーブルの天板、戸当たりなどの家具材の成形に好適である。

Claims (3)

  1. (A)塩化ビニル系樹脂100質量部、(B)木粉5〜150質量部、(C)アミノ酸亜鉛化合物0.1〜5質量部、(D)脂肪酸亜鉛化合物0.1〜5質量部及び(E)エポキシ系可塑剤0.1〜5質量部が配合されている塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. (E)エポキシ系可塑剤が、エポキシ化大豆油及び/又はエポキシ化亜麻仁油である、請求項1に記載された塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. さらに(F)ハイドロタルサイト0.1〜3質量部が配合されている、請求項1又は2に記載された塩化ビニル系樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103396633A (zh) * 2013-07-31 2013-11-20 广东晨宝复合材料有限公司 一种带有木纹的木塑板材及其制备方法
CN105237904A (zh) * 2015-09-30 2016-01-13 吉林省林业科学研究院 一种枝丫材矿质塑合材料、其制备方法及其应用
CN105670164A (zh) * 2016-01-22 2016-06-15 南京施瓦乐新材料科技有限公司 一种新型复合生物基建筑模板材料及系统

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