JP2006096918A - 塩化ビニル樹脂組成物及びそれを成形してなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 メヤニ発生が少なくかつブリードアウトを起こし難い塩化ビニル樹脂組成物及びそれを成形してなる成形品を提供する。
【解決手段】 塩化ビニル樹脂100質量部と、ポリエステル可塑剤15〜200質量部とを含有してなる塩化ビニル樹脂組成物であって、塩化ビニル樹脂組成物中のアジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)の含有量が0.5質量%以下である塩化ビニル樹脂組成物及びそれを成形してなる成形品。本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、押出成形の際に金型の樹脂出口周辺へ発生するメヤニが少なく、成形品表面へ可塑剤等がブリードアウトし難く、成形加工性が良好なものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塩化ビニル樹脂組成物及びそれを成形してなる成形品に関するものである。
建築、自動車、厨房器具等のパッキン、ガスケット等のシール材の材料としては、優れた外観と気密性とを併せ持つことから、塩化ビニル樹脂が多く使用されている。
塩化ビニル樹脂は、押出成形や射出成形、圧縮成形などの成形方法で所望する形状に成形する際に種々の可塑剤を添加して、成形加工を容易にしたり、柔軟性、弾性、耐寒性等の諸性質を付与させたりして用いられている。
この可塑剤としては、例えば、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)やアジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)(以下、DOAという)等のモノメリック可塑剤が一般的であり、特に耐油性や耐移行性等の耐久性が要求される用途にはポリエステル可塑剤が幅広く使用されている。
ポリエステル可塑剤を添加した塩化ビニル樹脂組成物で造られた成形品であっても、高温多湿(例えば、70℃、相対湿度(RH)90%)の場所に保管した場合に、ポリエステル可塑剤が成形品表面へ吹き出したり滲み出したりして(以下、ブリードアウトという)、べとつきや汚れの付着等を発生させ、その外観が損なわれることがあった。
また、これら塩化ビニル樹脂組成物は、押出成形によって成形する際に樹脂中の添加剤や低分子量の塩化ビニル樹脂が金型の樹脂出口周辺へ樹脂状付着物(以下、メヤニという)として析出し、このメヤニが押出成形中の塩化ビニル樹脂と接触して成形品の肌荒れや膜切れ、異物付着といった問題を発生させることがあった。
メヤニは、成形品の薄肉化、成形温度や成形圧力等の成形条件、充填剤の添加やその分散性、樹脂の溶融粘度等の材料特性が絡み合って発生すると推定されている。
塩化ビニル樹脂に多量の滑剤が存在する場合にメヤニの発生原因になることが言われており、このメヤニの発生を防止する対策として、組成物中の滑剤成分の減量等を実施する手法が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特開平2001−98413号公報
本発明の課題は、押出成形の際に金型の樹脂出口周辺へ発生するメヤニが少なく、成形加工性が良好であり、成形品表面へ可塑剤等がブリードアウトし難い塩化ビニル樹脂組成物及びそれを成形してなる成形品を提供することである。
本発明によれば、以下の1〜5の発明が提供される。
1.塩化ビニル樹脂100質量部と、ポリエステル可塑剤15〜200質量部とを含有してなる塩化ビニル樹脂組成物であって、該塩化ビニル樹脂組成物中のDOAの含有量が0.5質量%以下である塩化ビニル樹脂組成物。
2.DOAの含有量が、0.3質量%以下である上記1に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
3.塩化ビニル樹脂が、平均重合度800〜4000の塩化ビニル樹脂である上記1または2に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
4.上記1〜3のいずれか一に記載の塩化ビニル樹脂組成物を成形してなる成形品。
5.ガスケットである上記4に記載の成形品。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、成形加工時に金型の樹脂出口周辺へ発生するメヤニが少ないことから、成形品の肌荒れや膜切れ、異物付着といった問題の発生が少なく、かつ押出成形性等の成形加工性が良好であることから、外観の良好な成形品が安定して得られる。また、本発明の塩化ビニル樹脂組成物を成形してなる成形品は、ポリエステル可塑剤等が成形品表面にブリードアウトし難いことから、その表面がべたついたり汚れが付着する等して外観が損なわれることが少ない。
塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂100質量部に対してポリエステル可塑剤15〜200質量部を含有したものであり、DOAの含有量が0.5質量%以下、好ましくは0.3質量%以下のものである。DOAの含有量が0.5質量%を越えると、押出成形の際にメヤニの発生が急激に増大する。
塩化ビニル樹脂組成物中のDOAの含有量は、ポリエステル可塑剤中に含まれるDOAの含有量やその配合量を調整することで任意に変更することができる。例えば、塩化ビニル100質量部に、DOAを0.8質量%含有するポリエステル可塑剤を100質量部配合することにより、DOAの含有量0.4質量%の塩化ビニル樹脂組成物を得ることができる。
塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニルの単独重合体又は塩化ビニルとそれに共重合可能なビニル化合物との共重合体及びこれらの混合物を挙げることができる。塩化ビニル樹脂は、懸濁重合法、塊状重合法、微細懸濁重合法ならびに乳化重合法等、通常の重合方法で製造したもので良い。塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニルに、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体ならびに塩素化ポリエチレン等をグラフト共重合した樹脂も挙げることができる。塩化ビニル樹脂として、上述のようにして製造した塩化ビニル樹脂を後塩素化した塩素化塩化ビニル樹脂を用いても良い。
塩化ビニルに共重合可能なビニル化合物としては、例えば、エチレン、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、メチルアクリレートやブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、ブチルマレートやジエチルマレート等のマレイン酸エステル類、ジブチルフマレートやジエチルフマレート等のフマル酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル及びビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、エチレン、プロピレンやスチレン等のα−オレフィン類、塩化ビニリデンや臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニリデンやハロゲン化ビニル類、並びに、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類を挙げることができる。これらのビニル化合物は、塩化ビニル樹脂の構成成分中30質量%以下であるのが好ましく、20質量%以下であるのがより好ましい。
塩化ビニル樹脂の平均重合度は、JIS K 6721により測定する平均重合度が800〜4000の範囲であるものが好ましく、1300〜2500の範囲であるものがより好ましく、1700〜2500の範囲であるものが最も好ましい。塩化ビニル樹脂の平均重合度が800未満だと、塩化ビニル樹脂組成物を成形する際に、塩化ビニル樹脂組成物の溶融粘度が低下し、高温下での充分な形状保持性に劣る恐れがある。他方、塩化ビニル樹脂の平均重合度が4000を越えると、得られた塩化ビニル樹脂組成物を成形する際に、塩化ビニル樹脂組成物の溶融粘度が著しく高くなり、成形加工性が悪くなる恐れがある。
ポリエステル可塑剤は、多塩基酸と多価アルコールとを重縮合させ、必要に応じて一塩基酸又は一価アルコール等で末端処理することにより得られる。ポリエステル可塑剤は、多塩基酸のメチルエステル、エチルエステル等の低級アルキルエステルと多価アルコールとのエステル交換反応によっても得られる。
多塩基酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族二塩基酸を単独であるいは混合して用いることができ、中でもアジピン酸が好適である。多塩基酸としては、これらの脂肪族二塩基酸に加えて、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多塩基酸あるいはブタントリカルボン酸、トリカルバリル酸、クエン酸等の脂肪族多塩基酸などを併用しても良い。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等の脂肪族グリコールを単独であるいは混合して用いることができる。多価アルコールとしては、これらの脂肪族グリコールに加えて、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールを併用しても良い。
一塩基酸としては、例えば、酢酸、乳酸、ステアリル乳酸、カプロン酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、2−エチルヘキシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ウンデシレン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、ネオデカン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソデカン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ケトステアリン酸、クロロステアリン酸、フェニルステアリン酸、アラキン酸、ベへニン酸、エルカ酸、ブラシジン酸および類似酸ならびに獣脂脂肪酸、やし油脂肪酸、キリ油脂肪酸、大豆油脂肪酸および綿実油脂肪酸のような天然に産出する上記の酸の混合物、安息香酸、クロル安息香酸、トルイル酸、サリチル酸、p−第三ブチル安息香酸、5−第三オクチルサリチル酸、ナフテン酸、キシリル酸、エチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、ジ第三ブチル安息香酸、ブロモ安息香酸等を挙げることができる。
一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、第二ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、ヘプタノール、イソヘプタノール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、デカノール、イソデカノール、ウンデカノール、イソウンデカノール、ドデカノール、2−ブチルオクタノール、トリデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、2−ブチルデカノール、2−ヘキシルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルデカノール、2−ヘキシルドデカノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、ベンジルアルコール等を単独であるいは混合して用いることができる。
ポリエステル可塑剤を製造するには、従来から知られているポリエステル可塑剤の製造法を採用することができる。ポリエステル可塑剤を製造する際の条件や触媒等に関しては、例えば特開平8−120063号公報に記載されている。
ポリエステル可塑剤の配合量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、15〜200質量部の範囲がよい。ポリエステル可塑剤の配合量が15質量部よりも少ないと、成形加工性が悪くなるばかりか、得られる塩化ビニル樹脂組成物の柔軟性が不足し得られる成形品、例えばガスケットは、そのシール部分が硬くなり気密性が得られないおそれがある。他方、ポリエステル可塑剤の配合量が200質量部を越えると、樹脂組成物中で、可塑剤が過剰状態になってしまい、可塑剤が成形品の表面へブリードアウトして、その外観が損なわれるおそれがある。
ポリエステル可塑剤のDOAの含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析計によって測定できるものである。具体的には、DOAの含有量が公知である標準資料をアセトン溶媒で1質量%に希釈し、ガスクロマトグラフ質量分析計で測定して相対検量線を作成する。次いで、DOAが未知のポリエステル可塑剤を標準資料と同様に調整してガスクロマトグラフ質量分析計で測定し、作成した相対検量線に照らし合わせてその含有量を算出する。
塩化ビニル樹脂組成物は、成形品に要求される硬さ、可撓性、物性及び成形加工性を満たす点で、充填剤を配合しても良い。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、水酸化アルミニウム、酸化アンチモン等があり、これらを併用しても良い。これらの中では、塩化ビニル樹脂組成物の成形加工時の賦形性を大幅に改善する点で、炭酸カルシウムやタルクが好ましい。炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムおよびそれらの混合物であっても良い。
充填剤の配合量は、塩化ビニル樹脂組成物中に組成物の質量を基準にして1〜40質量%の範囲が好ましい。充填剤の配合量が1質量%未満だと、充填剤を用いる効果が得らない恐れがある。他方、充填剤の配合量が40質量%を越えると、成形品における細部形状の成形加工性が悪くなり、その表面が平滑にならない場合がある。
塩化ビニル樹脂組成物は、必要に応じて安定剤、加工助剤、強化剤、滑剤、顔料等一般の塩化ビニル樹脂に使用するものを添加しても良い。
塩化ビニル樹脂やポリエステル可塑剤、その他の各使用原材料の添加、混合の順序等に制限はなく、混合及びペレット化は通常の塩化ビニル樹脂の場合と同様な方法で行えばよい。塩化ビニル樹脂組成物の混合には、例えば、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサーのような高速ミキサー、リボンブレンダー等の混合機を使用する。混合方式は、上記混合機に各成分を投入し、例えば150℃以下の温度でそれぞれの混合機に見合った時間、均一にブレンドするのが好ましい。
ペレット化は、上記混合物をバンバリーミキサー、ミキシングロール、押出機等を使用し、通常の塩化ビニル樹脂の製造に使用される方法に従って行えばよい。
塩化ビニル樹脂組成物を成形して得られる成形品においては、その表面意匠性等を付与する目的で、他の塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂等を積層させても良い。押出成形品の強度等を向上させるために、必要に応じて金属等を共押出しても良い。
以下に実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[実施例1〜7]
表1に示す各材料を表1に示す質量割合で75リットルのヘンシェルミキサーに入れ、攪拌・混合した後に、90m/m単軸押出機(池貝鉄工株式会社製)にて混練ペレット化を行い、塩化ビニル樹脂組成物のペレット15kgを得た。これを、40m/m竪型単軸押出機(株式会社プラスチック工学研究所製)にて押出成形を行った。押出成形の金型は、得られる成形品がガスケット形状となるよう設計されたものを使用した。
使用材料
使用した使用材料を以下に示した。
塩化ビニル樹脂
塩化ビニル樹脂−1:太洋塩ビ株式会社製 TH1300(平均重合度1300)
塩化ビニル樹脂−2:太洋塩ビ株式会社製 TH1700(平均重合度1700)
塩化ビニル樹脂−3:太洋塩ビ株式会社製 TH2500(平均重合度2500)
ポリエステル可塑剤
ポリエステル可塑剤−1:旭電化工業株式会社製 PN7550(25℃における粘度=4850mPa・s;数平均分子量1900;可塑剤中のDOA含有量0%)
ポリエステル可塑剤−2:大日本インキ化学工業株式会社製 W2650S(25℃における粘度=5500mPa・s;数平均分子量=2600;可塑剤中のDOA含有量0%)
ポリエステル可塑剤−3:旭電化工業株式会社製 PN320L(25℃における粘度=4900mPa・s;数平均分子量1950;可塑剤中のDOA含有量1.7質量%)
ポリエステル可塑剤−4:大日本インキ化学工業株式会社製 W2610(25℃における粘度=5500mPa・s;数平均分子量2550;可塑剤中のDOA含有量1.0質量%)
充填剤:日東粉化工業株式会社製 炭酸カルシウム NS400
得られた組成物について、押出成形性、メヤニ量、ブリードアウトの評価をおこなった。
押出成形性は、得られた成形品の外観表面の平滑性を目視にて確認した。平滑なものを○、そうでないものを×とした。
メヤニ量は、5000gのサンプルを押出成形した直後の、金型および成形品表面に付着したメヤニを採取し、一般式(数1)にて算出した。
Figure 2006096918
ブリードアウトは、180℃でプレスして得られたシートを70℃×95%RHに保たれる恒温恒湿機内に吊して、10日間処理した後のプレスシートの外観表面状態を目視にて観察した。ブリードアウトが見られなかったものを○、ブリードアウトが見られたものを×とした。
各実施例の評価結果を表1に示した。
[比較例1〜5]
表1に示す各材料を表1に示す質量割合で実施例1に示したのと同一の方法で攪拌・混練、ペレット化を行って塩化ビニル樹脂組成物のペレットを得、実施例1と同一の方法で評価を行った。結果を表1に示した。
Figure 2006096918
実施例及び比較例で得られたデータを基に、DOA含有量に対するメヤニの発生量の関係を図1にプロットして示す。図1から明らかな通りに、塩化ビニル樹脂組成物中のDOA含有量が0〜0.3質量%の間では、メヤニの発生量に増大は見られなかった。しかし、DOAの含有量が0.5質量%を越えると、押出成形の際に発生するメヤニ量が急激に多くなることが分かる。
表1中の比較例1から分かるように、ポリエステル可塑剤が、塩化ビニル樹脂100質量部に対して200質量部より多いと、ブリードアウトが見られた。
比較例2から分かるように、ポリエステル可塑剤が、塩化ビニル樹脂100質量部に対して15質量部より少ないと、押出成形性が不良であった。
比較例3〜5から分かるように、塩化ビニル樹脂組成物中のDOAの含有量が0.5質量%を越えると、押出成形の際にメヤニの発生量の急激な増大が見られかつブリードアウトによるべとつきや汚れの付着等の発生も見られた。
これに対し、実施例1〜7では、本発明の塩化ビニル樹脂組成物から得られたは成形品は、押出成形性が良好であり、メヤニの発生量や可塑剤のブリードアウトも少なかった。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、成形加工時に金型出口のメヤニ発生が少なくかつ成形品表面へのブリードアウトを起こし難く、成形性が良好であることから、様々な用途に有用である。特に、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、優れた外観と気密性とを併せ持つ成形品が得られることから、建築、自動車、厨房器具等のパッキン、ガスケット等のシール材等として好適である。
塩化ビニル樹脂組成物中のDOA含有量に対するメヤニの発生量の関係を示す。

Claims (5)

  1. 塩化ビニル樹脂100質量部と、ポリエステル可塑剤15〜200質量部とを含有してなる塩化ビニル樹脂組成物であって、該塩化ビニル樹脂組成物中のアジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)の含有量が0.5質量%以下である塩化ビニル樹脂組成物。
  2. アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)の含有量が0.3質量%以下である請求項1に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
  3. 塩化ビニル樹脂が、平均重合度800〜4000の塩化ビニル樹脂である請求項1または請求項2に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の塩化ビニル樹脂組成物を成形してなる成形品。
  5. ガスケットである請求項4に記載の成形品。
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