JP2005154575A - ポリ塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
優れた帯電防止性を有し、しかも添加剤のブリードに起因する製品外観の低下がないポリ塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
ポリ塩化ビニル系樹脂、帯電防止剤及び可塑剤を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物において、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、帯電防止剤として、特定の第四級アンモニウム塩を0.5〜15重量部及び特定の非イオン界面活性剤を0.5〜15重量部の割合で含有させた。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリ塩化ビニル系樹脂組成物に関する。ポリ塩化ビニル系樹脂組成物はフィルム、シート、成型品等に加工され、農業資材、壁紙、床材等の建築資材、家庭用品、文具等(以下、これらを単に製品という)に広く使用されている。元来、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物は静電気を帯び易いため、その製造・加工工程での静電気トラブル、静電気による製品表面への埃付着という問題があることに加え、これに含有されている添加剤が製品表面にブリードし易いため、ブリードした添加剤によって製品表面に更に埃が付着し易くなり、結果として製品外観を損なうという問題がある。このためポリ塩化ビニル系樹脂組成物には高いレベルの帯電防止性と同時に添加剤のブリードによる製品外観の低下を生じないことが要求される。本発明はかかる要求に応えるポリ塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
一般にポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂の他に、帯電防止剤や可塑剤等の添加剤を含有している。そしてかかる帯電防止剤としては、1)第四級アンモニウム塩の過塩素酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば特許文献1及び2参照)、2)多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルのアルキレンオキサイド付加物、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドのアルキレンオキサイド付加物(例えば特許文献3参照)、3)アルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物(例えば特許文献4参照)、4)第四級アンモニウム塩とポリエチレングリコールとの混合物(例えば特許文献5参照)等が知られている。
ところが、前記のような帯電防止剤を含有する従来のポリ塩化ビニル系樹脂組成物には、その帯電防止性が不充分であったり、また該帯電防止剤等が製品表面にブリードして製品外観を著しく低下させるという問題がある。
特公昭40−7366号公報 特開平11−189672号公報 特公昭44−22616号公報 特開平9−95581号公報 特開昭60−179001号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた帯電防止性を有し、しかも添加剤のブリードに起因する製品外観の低下がないポリ塩化ビニル系樹脂組成物を提供する処にある。
しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、帯電防止剤として特定の第四級アンモニウム塩と特定の非イオン界面活性剤とを所定割合で含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物が正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、ポリ塩化ビニル系樹脂、帯電防止剤及び可塑剤を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物において、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、帯電防止剤として、下記の化1で示される第四級アンモニウム塩を0.5〜15重量部及び下記の非イオン界面活性剤を0.5〜15重量部の割合で含有することを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂組成物に係る。
Figure 2005154575
化1において、
:炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基又は下記の化2で示される有機基
,R:炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基
:1〜10個の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位で構成された(ポリ)オキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基
:塩素イオン基、塩素酸イオン基、過塩素酸イオン基又はアルキル基の炭素数が1〜4のアルキルスルホン酸イオン基
Figure 2005154575
化2において、
:炭素数7〜21の脂肪族炭化水素基
:炭素数1〜5のアルキレン基
非イオン界面活性剤:炭素数8〜22の脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物、アルキル基の炭素数が4〜18のアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物、炭素数8〜22の脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物及び3〜6価の多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル化物のアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一つ又は二つ以上
本発明に係るポリ塩化ビニル系樹脂組成物(以下、単に本発明の組成物という)は、ポリ塩化ビニル系樹脂、帯電防止剤及び可塑剤を含有して成るものである。
本発明の組成物に用いるポリ塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル単量体の単独重合体、塩化ビニル単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。かかる他の単量体としては、エチレン、プロピレン、ブテン、1−ペンテン、ブタジエン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、シアン化ビニリデン、アルキルビニルエーテル類、カルボン酸ビニルエステル類、アリールエーテル類、ジアルキルマレイン酸類、フマル酸エステル類、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルシラン類、アクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸アルキルエステル類等が挙げられる。更に、本発明の組成物に用いるポリ塩化ビニル系樹脂は、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフトポリマー、塩化ビニル−ウレタンコポリマー等のグラフト共重合体であってもよい。かかるポリ塩化ビニル系樹脂は、その平均重合度が通常は500〜8000のものが使用されるが、好ましくは600〜4000のものが使用される。
本発明の組成物に用いる帯電防止剤は、化1で示される第四級アンモニウム塩及び後述する非イオン界面活性剤である。
帯電防止剤として用いる化1で示される第四級アンモニウム塩は、第四級アンモニウムカチオン基と化1中のXで示されるアニオン基とから構成されている。一方の第四級アンモニウムカチオン基には、1)化1中のRが炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基であり、R及びRが炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基であって、Rが1〜10個の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位で構成された(ポリ)オキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基である場合の第四級アンモニウムカチオン基、2)化1中のRが化2で示される有機基であり、R及びRが炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基であって、Rが1〜10個の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位で構成された(ポリ)オキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基である場合の第四級アンモニウムカチオン基がある。化1中のRとしては、1)オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、イソデシル基、イソドデシル基、イソテトラデシル基、イソステアリル基等の炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基、2)オクタンアミドメチル基、デカンアミドメチル基、ドデカンアミドメチル基、テトラデカンアミドメチル基、ヘキサデカンアミドメチル基、オクタデカンアミドメチル基、エイコサンアミドメチル基、ドコサンアミドメチル基、2−オクタンアミドエチル基、2−デカンアミドエチル基、2−ドデカンアミドエチル基、2−テトラデカンアミドエチル基、2−ヘキサデカンアミドエチル基、2−オクタデカンアミドエチル基、2−エイコサンアミドエチル基、2−ドコサンアミドエチル基、3−オクタンアミドプロピル基、3−デカンアミドプロピル基、3−ドデカンアミドプロピル基、3−テトラデカンアミドプロピル基、3−ヘキサデカンアミドプロピル基、3−オクタデカンアミドプロピル基、3−エイコサンアミドプロピル基、3−ドコサンアミドプロピル基、4−オクタンアミドブチル基、4−デカンアミドブチル基、4−ドデカンアミドブチル基、4−テトラデカンアミドブチル基、4−ヘキサデカンアミドブチル基、4−オクタデカンアミドブチル基、4−エイコサンアミドブチル基、4−ドコサンアミドブチル基、5−オクタンアミドペンチル基、5−デカンアミドペンチル基、5−ドデカンアミドペンチル基、5−テトラデカンアミドペンチル基、5−ヘキサデカンアミドペンチル基、5−オクタデカンアミドペンチル基、5−エイコサンアミドペンチル基、5−ドコサンアミドペンチル基等の化2で示される有機基が挙げられるが、なかでも炭素数8〜14の脂肪族炭化水素基、Rが炭素数7〜13の脂肪族炭化水素基であり且つRがプロピル基である場合の化2で示される有機基が好ましい。また化1中のR及びRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基が挙げられるが、なかでもメチル基が好ましい。更に化1中のRとしては、1)エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール等の、分子中に1個の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位を有するアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基、2)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール等の分子中に2〜10個の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基が挙げられるが、なかでもエチレングリコールから全ての水酸基を除いた残基が好ましい。
他方、化1中のXで示されるアニオン基としては、1)塩素イオン基、2)塩素酸イオン基、3)過塩素酸イオン基、4)メチルスルホン酸イオン基、エチルスルホン酸イオン基、プロピルスルホン酸イオン基、イソプロピルスルホン酸イオン基、ブチルスルホン酸イオン基、イソブチルスルホン酸イオン基等のアルキル基の炭素数が1〜4のアルキルスルホン酸イオン基が挙げられるが、なかでも過塩素酸イオン基が好ましい。
以上説明した化1で示される第四級アンモニウム塩の具体例としては、2−ヒドロキシエチルジメチルオクチルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジメチルノニルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジメチルデシルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジメチルドデシルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジメチルテトラデシルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジメチルオクタデシルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジメチルドコシルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジプロピルオクチルアンモニウム塩酸塩、2−ヒドロキシエチルジヘキシルデシルアンモニウム塩素酸塩、3−ヒドロキシプロピルジメチルドデシルアンモニウム過塩素酸塩、テトラエチレングリコールジメチルテトラデシルアンモニウムメチルスルホン酸塩、2−ヒドロキシエチルジメチル−3−オクタンアミドプロピルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジメチル−3−ノナンアミドプロピルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジメチル−3−デカンアミドプロピルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジメチル−3−ドテカンアミドプロピルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジメチル−3−テトラデカンアミドプロピルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジメチル−3−オクタデカンアミドプロピルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジメチル−3−ドコサンアミドプロピルアンモニウム過塩素酸塩、2−ヒドロキシエチルジプロピル−3−オクタンアミドプロピルアンモニウム塩酸塩、2−ヒドロキシエチルジヘキシル−3−デカンアミドプロピルアンモニウム塩素酸塩、3-ヒドロキシプロピルジメチル−3−ドデカンアミドプロピルアンモニウム過塩素酸塩、テトラエチレングリコールジメチル−3−テトラデカンアミドプロピルアンモニウムメチルスルホン酸塩等が挙げられる。
帯電防止剤として用いる非イオン界面活性剤には、1)炭素数8〜22の脂肪族1価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、2)アルキル基の炭素数が4〜18のアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物、3)炭素数8〜22の脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物、4)多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル化物のアルキレンオキサイド付加物、5)前記1)〜4)から選ばれる二つ以上の混合物が含まれる。
前記の炭素数8〜22の脂肪族1価アルコールのアルキレンオキサイド付加物には、1)炭素数8〜22の脂肪族1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの1種を付加したもの、2)炭素数8〜22の脂肪族1価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの2種以上を付加したものが含まれる。かかる炭素数8〜22の脂肪族1価アルコールとしては、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘキサデセニルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、オクタデセニルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、エイコセニルアルコール、ドコシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、3,5,5−トリメチルヘキシルアルコール等が挙げられるが、なかでも炭素数12〜18の脂肪族1価アルコールが好ましく、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、オクタデセニルアルコールがより好ましい。
以上のような炭素数8〜22の脂肪族1価アルコールに付加する炭素数2〜4のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。これらのアルキレンオキサイドの2種以上を用いる場合、その付加形態としては、ランダム付加、ブロック付加、ランダム・ブロック付加が挙げられる。
以上説明した炭素数8〜22の脂肪族1価アルコールのアルキレンオキサイド付加物は、その平均分子量が200〜1500のものが好ましく、300〜1000のものがより好ましい。
また前記のアルキル基の炭素数が4〜18のアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物には、1)アルキル基の炭素数が4〜18のアルキルフェノールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの1種を付加したもの、2)アルキル基の炭素数が4〜18のアルキルフェノールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの2種以上を付加したものが含まれる。かかるアルキル基の炭素数が4〜18のアルキルフェノールとしては、ブチルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デシルフェノール、ウンデシルフェノール、ドデシルフェノール、トリデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ペンタデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、ヘキサデセニルフェノール、ヘプタデシルフェノール、オクタデシルフェノール、オクタデセニルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、3,5,5−トリメチルヘキシルフェノール等が挙げられるが、なかでもアルキル基の炭素数が8〜12のアルキルフェノールが好ましく、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デシルフェノールがより好ましい。
以上のようなアルキル基の炭素数が4〜18のアルキルフェノールに付加する炭素数2〜4のアルキレンオキサイドについては、前記したことと同様である。
以上説明したアルキル基の炭素数が4〜18のアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物は、その平均分子量が300〜1600のものが好ましく、400〜1100のものがより好ましい。
更に前記の炭素数8〜22の脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物には、1)炭素数8〜22の脂肪酸に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの1種を付加したもの、2)炭素数8〜22の脂肪酸に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの2種以上を付加したものが含まれる。かかる炭素数8〜22の脂肪酸としては、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、デカン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、オクタデセン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、エイコセン酸、ドコサン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸等が挙げられるが、なかでも炭素数12〜18の脂肪酸が好ましく、ドデカン酸、テトラデカン酸、オクタデセン酸がより好ましい。
以上のような炭素数8〜22の脂肪酸に付加する炭素数2〜4のアルキレンオキサイドについては、前記したことと同様である。
以上説明した炭素数8〜22の脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物は、その平均分子量が200〜1500のものが好ましく、300〜1000のものがより好ましい。
更にまた前記の3〜6価の多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル化物のアルキレンオキサイド付加物には、1)3〜6価多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル化物に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの1種を付加したもの、2)3〜6価の多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル化物に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの2種以上を付加したものが含まれる。かかる3〜6価の多価アルコールとしては、1)グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価の多価アルコール、2)ペンタエリスリトール、グルコース、ソルビタン、ジグリセリン、エチレングリコールジグリセリルエーテル等の4価の多価アルコール、3)トリグリセリン、トリメチロールプロパンジグリセリルエーテル等の5価の多価アルコール、4)ソルビトール、テトラグリセリン、ジペンタエリスリトール等の6価の多価アルコール等が挙げられるが、なかでも3価又は4価の多価アルコールが好ましい。また炭素数8〜22の脂肪酸としては、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、デカン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、オクタデセン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、エイコセン酸、ドコサン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸等が挙げられるが、なかでも炭素数12〜18の脂肪酸が好ましく、ドデカン酸、テトラデカン酸、オクタデセン酸がより好ましい。
3〜6価の多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル化物は、前記した3〜6価の多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸との適宜の組み合わせから得られるものであるが、いずれの場合においても、得られるエステル化物は分子中に少なくとも1個の遊離の水酸基を有するものである。なかでも3価又は4価の多価アルコールと炭素数12〜18の脂肪酸とから得られる、分子中に遊離の水酸基を1個以上有し且つエステル結合を1個又は2個有するエステル化物が好ましい。かかるエステル化物としては、グリセリンモノドデカン酸エステル、ソルビタンモノドデカン酸エステル、ジグリセリンモノオクタデセン酸エステル等が挙げられる。
以上のような3〜6価の多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル化物に付加する炭素数2〜4のアルキレンオキサイドについては、前記したことと同様である。
以上説明した3〜6価の多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル化物のアルキレンオキサイド付加物は、その平均分子量が200〜1700のものが好ましく、300〜1200のものがより好ましい。
本発明の組成物に用いる可塑剤としては、公知のポリ塩化ビニル系樹脂用可塑剤が適用できる。これには例えば、1)フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジベンジル等のフタル酸エステル系可塑剤、2)トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル等のトリメリット酸エステル系可塑剤、3)アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、アゼライン酸ジオクチル、マレイン酸ジ−n−ブチル等の脂肪族ジカルボン酸エステル系可塑剤、4)オレイン酸ブチル、リシノール酸グリセリンエステル等の脂肪族モノカルボン酸エステル系可塑剤、5)トリクレジルホスフェート、トリキシリルホスフェート等の有機リン酸エステル系可塑剤、6)エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等のエポキシ系可塑剤等が挙げられるが、なかでもフタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤が好ましい。これらの可塑剤は単独又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の組成物は、以上説明したようなポリ塩化ビニル系樹脂、帯電防止剤及び可塑剤を含有して成るものであるが、更に安定剤、フィラー及び/又は合目的的に用いる場合の他の剤を含有することができる。かかる安定剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、リシノール酸バリウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム等の金属石鹸、エポキシ化大豆油等のエポキシ化合物、ジフェニルデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト等の有機ホスファイト系安定剤、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫マレート、有機錫メルカプチド、有機錫スルホンアミド等の錫系安定剤、ジブチル錫ビス(エチルマレート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレート)、ジブチル錫ビス(トリデシルエチルマレート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレート)等の有機錫エステルマレート系安定剤等が挙げられ、これらの安定剤は単独又は2種以上を混合して用いることができる。安定剤を用いる場合、その使用量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、0.5〜10重量部の割合とするのが好ましく、1〜5重量部の割合とするのがより好ましい。
またフィラーとしては、それ自体は公知の各種が挙げられるが、無機フィラーが好ましい。かかる無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、シリカ、タルク、クレー、カオリン、マイカ、焼成アルミナ、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。これらの無機フィラーは単独又は2種以上を混合して用いることができ、またそのままの形のものだけではなく、界面活性剤やシランカップリング剤等で表面処理したものも使用できる。無機フィラーを用いる場合、その使用量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、30〜500重量部の割合とするのが好ましく、50〜300重量部の割合とするのがより好ましい。
更に合目的的に用いる場合の他の剤としては、紫外線防止剤、酸化防止剤、老化防止剤、加工助剤、充填剤、滑剤、耐候剤等が挙げられるが、これらの他の剤の使用量は可及的に少量とするのが好ましい。
以上説明した通り、本発明の組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂、帯電防止剤及び可塑剤を含有し、更に必要に応じて安定剤、フィラー及び/又は合目的的に用いる場合の他の剤を含有して成るものであるが、通常はポリ塩化ビニル系樹脂、帯電防止剤及び可塑剤を、これらの合計量として、フィラーを除く全体の90重量以上含有して成るものである。また本発明の組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、帯電防止剤として、化1で示される第四級アンモニウム塩を0.5〜15重量部及び前記の非イオン界面活性剤を0.5〜15重量部の割合で含有するものとするが、化1で示される第四級アンモニウム塩を1〜10重量部及び前記の非イオン界面活性剤を1〜10重量部の割合で含有するものとするのが好ましく、化1で示される第四級アンモニウム塩/前記の非イオン界面活性剤=90/10〜20/80(重量比)の割合で含有するものとするのがより好ましい。更に本発明の組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、可塑剤を10〜50重量部の割合で含有するものとするのが好ましく、帯電防止剤/可塑剤=5/95〜50/50(重量比)の割合で含有するものとするのがより好ましい。
本発明の組成物は、以上説明したポリ塩化ビニル系樹脂、帯電防止剤及び可塑剤等を、カレンダーロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等の混練機を用いて混練することにより調製できる。調製した本発明の組成物は、押出し成形、射出成形、中空成形、圧縮成形等の加熱成形手段によりフィルム、シート、成型品等に成形され、建築資材用、農業資材用、自動車用、医療用、雑貨用等の製品として使用される。
本発明の組成物は優れた帯電防止性を有し、しかも添加剤のブリードに起因する製品外観の低下がない。
本発明の組成物の実施形態としては、次の1)〜12)が挙げられる。
1)ポリ塩化ビニル系樹脂として平均重合度1300の塩化ビニル単独重合体(V−1)、帯電防止剤として2−ヒドロキシエチルジメチルオクチルアンモニウム過塩素酸塩(A−1)と平均分子量350のドデシルアルコールのエチレンオキサイド付加物(B−1)、可塑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(K−1)を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記のV−1が100重量部当たり、前記のA−1を8重量部、前記のB−1を8重量部、前記のK−1を40重量部の割合で含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
2)ポリ塩化ビニル系樹脂として前記のV−1、帯電防止剤として2−ヒドロキシエチルジメチルデシルアンモニウム過塩素酸塩(A−2)と平均分子量400のテトラデシルアルコールのエチレンオキサイド付加物(B−2)、可塑剤として前記のK−1を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記のV−1が100重量部当たり、前記野A−2を9重量部、前記のB−2を2重量部、前記のK−1を20重量部の割合で含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
3)ポリ塩化ビニル系樹脂として平均重合度3800の塩化ビニル単独重合体(V−2)、帯電防止剤として2−ヒドロキシエチルジメチルドデシルアンモニウム過塩素酸塩(A−3)と平均分子量900のオクタデセニルアルコールのエチレンオキサイド付加物(B−3)、可塑剤としてフタル酸ジイソノニル(K−2)を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記のV−2が100重量部当たり、前記のA−3を5重量部、前記のB−3を5重量部、前記のK−2を40重量部の割合で含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
4)ポリ塩化ビニル系樹脂として平均重合度650の塩化ビニル−エチレン共重合体(V−3)、帯電防止剤として2−ヒドロキシエチルジメチル−3−ドデカンアミドプロピルアンモニウム過塩素酸塩(A−4)と平均分子量400のテトラデシルアルコールのエチレンオキサイド付加物/平均分子量850のオクタデセン酸のエチレンオキサイド付加物=50/50(重量比)の混合物(B−4)、可塑剤としてフタル酸ジイソデシル(K−3)を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記のV−3が100重量部当たり、前記のA−4を3重量部、前記のB−4を9重量部、前記のK−3を40重量部の割合で含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
5)ポリ塩化ビニル系樹脂として平均重合度1050の塩化ビニル−エチレン共重合体(V−4)、帯電防止剤として前記のA−1/前記のA−3=50/50(重量比)の混合物(A−11)と平均分子量350のドデカン酸のエチレンオキサイド付加物(B−5)、可塑剤としてトリメリット酸トリオクチル(K−4)を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記のV−4が100重量部当たり、前記のA−11を2重量部、前記のB−5を3重量部、前記のK−4を40重量部の割合で含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
6)ポリ塩化ビニル系樹脂として平均重合度2800の塩化ビニル−エチレン共重合体(V−5)、帯電防止剤として前記のA−3/前記のA−4=50/50(重量比)の混合物(A−12)と平均分子量850のオクタデセン酸のエチレンオキサイド付加物(B−6)、可塑剤として前記のK−4を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記のV−5が100重量部当たり、前記のA−12を3重量部、前記のB−6を6重量部、前記のK−4を20重量部の割合で含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
7)ポリ塩化ビニル系樹脂として前記のV−1、帯電防止剤として前記のA−1と前記のB−1、可塑剤として前記のK−1、無機フィラーとして炭酸カルシウム(F−1)を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記のV−1が100重量部当たり、前記のA−1を8重量部、前記のB−1を8重量部、前記のK−1を40重量部、前記のF−1を200重量部の割合で含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
8)ポリ塩化ビニル系樹脂として前記のV−1、帯電防止剤として前記のA−2と前記のB−2、可塑剤として前記のK−1、無機フィラーとして前記のF−1を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記のV−1が100重量部当たり、前記のA−2を9重量部、前記のB−2を2重量部、前記のK−1を20重量部、前記のF−1を100重量部の割合で含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
9)ポリ塩化ビニル系樹脂として前記のV−2、帯電防止剤として前記のA−3と前記のB−3、可塑剤として前記のK−2、無機フィラーとして表面処理炭酸カルシウム(F−2)を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記のV−2が100重量部当たり、前記のA−3を5重量部、前記のB−3を5重量部、前記のK−2を40重量部、前記のF−2を200重量部の割合で含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
10)ポリ塩化ビニル系樹脂として前記のV−3、帯電防止剤として前記のA−4と前記のB−4、可塑剤として前記のK−3、無機フィラーとして前記のF−2を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記のV−3が100重量部当たり、前記のA−4を3重量部、前記のB−4を9重量部、前記のK−3を40重量部、前記のF−2を200重量部の割合で含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
11)ポリ塩化ビニル系樹脂として前記のV−4、帯電防止剤として前記のA−11と前記のB−5、可塑剤として前記のK−4、無機フィラーとしてタルク(F−3)を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記のV−4が100重量部当たり、前記のA−11を2重量部、前記のB−5を3重量部、前記のK−4を40重量部、前記のF−3を200重量部の割合で含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
12)ポリ塩化ビニル系樹脂として前記のV−5、帯電防止剤として前記のA−12と前記のB−6、可塑剤として前記のK−4、無機フィラーとして前記のF−3を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物であって、前記のV−5が100重量部当たり、前記のA−12を3重量部、前記のB−6を6重量部、前記のK−4を20重量部、前記のF−3を100重量部の割合で含有するポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は重量部を、また%は重量%を意味する。
試験区分1(ポリ塩化ビニル系樹脂組成物の調製)
・実施例1
ポリ塩化ビニル系樹脂として塩化ビニル単独重合体(平均重合度1300)100部、第四級アンモニウム塩として2−ヒドロキシエチルジメチルオクチルアンモニウム過塩素酸塩8部、非イオン界面活性剤としてドデシルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均分子量350)8部、可塑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシル40部をミキサーに投入した後、更に安定剤としてステアリン酸バリウム2部、ステアリン酸亜鉛1部を加えて混合し、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を調製した。
・実施例2〜12及び比較例1〜4
実施例1と同様にして、実施例2〜12及び比較例1〜4のポリ塩化ビニル系樹脂組成物を調製した。実施例1も含め、これらの内容を表1にまとめて示した。








Figure 2005154575
表1において、
割合:ポリ塩化ビニル系樹脂100部に対する割合(部)
V−1:塩化ビニル単独重合体(平均重合度1300)
V−2:塩化ビニル単独重合体(平均重合度3800)
V−3:塩化ビニル−エチレン共重合体(平均重合度650)
V−4:塩化ビニル−エチレン共重合体(平均重合度1050)
V−5:塩化ビニル−エチレン共重合体(平均重合度2800)
V−6:塩化ビニル単独重合体(平均重合度550)
V−7:塩化ビニル−エチレン共重合体(平均重合度4500)
A−1〜A−10及びa−1:表2にまとめて示した第四級アンモニウム塩
A−11:第四級アンモニウム塩(A−1)/第四級アンモニウム塩(A−3)=50/50(重量比)の混合物
A−12:第四級アンモニウム塩(A−3)/第四級アンモニウム塩(A−4)=50/50(重量比)の混合物
B−1:ドデシルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均分子量350)
B−2:テトラデシルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均分子量400)
B−3:オクタデセニルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均分子量900)
B−4:テトラデシルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均分子量400)/オクタデセン酸のエチレンオキサイド付加物(平均分子量850)=50/50(重量比)の混合物
B−5:ドデカン酸のエチレンオキサイド付加物(平均分子量350)
B−6: オクタデセン酸のエチレンオキサイド付加物(平均分子量850)
B−7:オクチルアルコールのプロピレンオキサイド付加物(平均分子量1000)
B−8:ドデシルフェノールのエチレンオキサイド付加物(平均分子量280)
B−9:ソルビタンモノオクタデセン酸エステルのエチレンオキサイド付加物(平均分子量950)
B−10:グリセリンモノドコサン酸エステルのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=8/2(モル比)の割合の付加物(平均分子量1200)
b−1:ジエタノールドデシルアミン
K−1:フタル酸ジ−2−エチルヘキシル
K−2:フタル酸ジイソノニル
K−3:フタル酸ジイソデシル
K−4:トリメリット酸トリオクチル
K−5:アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル
K−6:アジピン酸ジイソデシル
これらは以下同じ
Figure 2005154575
表2において、
C−1:エチレングリコールから全ての水酸基を除いた残基
C−2:3個のオキシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を有するポリエチレングリコールから全ての水酸基を除いた残基
C−3:ランダム状に結合した3個のオキシエチレン単位と3個のオキシプロピレン単位とで構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基
試験区分2(シートの製造と評価)
試験区分1で調製したポリ塩化ビニル系樹脂組成物を二軸押出し機により溶融混練し、Tダイ法により押出して厚さ2mmのシートを製造した。製造したシートについて、帯電防止性、外観を下記の方法で評価した。結果を表3にまとめて示した。
・帯電防止性
製造したシートを、20℃で相対湿度65%の条件下に24時間調湿した後、同条件下で表面抵抗値(Ω)及び体積抵抗値(Ω)を電気抵抗値測定装置(東亜電波工業社製の商品名SM−8210)を用いて測定し、下記の基準で評価した。40℃で相対湿度50%の条件下に4週間保管したものについても同様の測定及び評価を行なった。
表面抵抗値評価基準
◎:1×10Ω未満(帯電防止性が優れている)
○:1×10Ω以上1×1010Ω未満(帯電防止性が良好である)
△:1×1010Ω以上1×1012Ω未満(帯電防止性が劣っている)
×:1×1012Ω以上(帯電防止性が著しく劣っている)
体積抵抗値評価基準
◎:1×10Ω未満(帯電防止性が優れている)
○:1×10Ω以上1×10Ω未満(帯電防止性が良好である)
△:1×10Ω以上1×1011Ω未満(帯電防止性が劣っている)
×:1×1011Ω以上(帯電防止性が著しく劣っている)
・外観
製造したシートを20℃で相対湿度65%の条件下に24時間調湿した後、外観を観察し、下記の基準で評価した。40℃で相対湿度50%の条件下に4週間保管したものについても同様の測定及び評価を行なった。
◎:帯電防止剤のブリードが無く、ベタツキもない(外観が優れている)
○:帯電防止剤のブリードが僅かにあるが、ベタツキはない(外観が良好である)
△:帯電防止剤のブリードがあり、ベタツキがある(外観が劣っている)
×:帯電防止剤のブリードが激しく、著しいベタツキがある(外観が著しく劣っている)
Figure 2005154575
試験区分3(ポリ塩化ビニル系樹脂組成物の調製)
・実施例13
ポリ塩化ビニル系樹脂として塩化ビニル単独重合体(平均重合度1300)100部、第四級アンモニウム塩として2−ヒドロキシエチルジメチルオクチルアンモニウム過塩素酸塩8部、非イオン界面活性剤としてドデシルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均分子量350)8部、可塑剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシル40部、無機フィラーとして炭酸カルシウム(備北粉化工業社製の商品名BF100)200部をミキサーに投入した後、更に安定剤としてステアリン酸バリウム2部、ステアリン酸亜鉛1部を加えて混合し、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を調製した。
・実施例14〜24及び比較例5〜8
実施例13と同様にして、実施例14〜24及び比較例5〜8のポリ塩化ビニル系樹脂組成物を調製した。実施例13も含め、これらの内容を表4にまとめて示した。
Figure 2005154575
表4において、
F−1:炭酸カルシウム(備北粉化工業社製の商品名BF100)
F−2:表面処理炭酸カルシウム(備北粉化工業社製の商品名ライトンA)
F−3:タルク(富士タルク工業社製の商品名LMR)
試験区分4(シートの製造と評価)
試験区分3で調製したポリ塩化ビニル系樹脂組成物を二軸押出し機により溶融混練し、Tダイ法により押出して厚さ2mmのシートを製造した。製造したシートについて、試験区分2と同様に帯電防止性、外観を評価した。結果を表5にまとめて示した。













Figure 2005154575

Claims (7)

  1. ポリ塩化ビニル系樹脂、帯電防止剤及び可塑剤を含有して成るポリ塩化ビニル系樹脂組成物において、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、帯電防止剤として、下記の化1で示される第四級アンモニウム塩を0.5〜15重量部及び下記の非イオン界面活性剤を0.5〜15重量部の割合で含有することを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
    Figure 2005154575
    (化1において、
    :炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基又は下記の化2で示される有機基
    ,R:炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基
    :1〜10個の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位で構成された(ポリ)オキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基
    :塩素イオン基、塩素酸イオン基、過塩素酸イオン基又はアルキル基の炭素数が1〜4のアルキルスルホン酸イオン基)
    Figure 2005154575
    (化2において、
    :炭素数7〜21の脂肪族炭化水素基
    :炭素数1〜5のアルキレン基)
    非イオン界面活性剤:炭素数8〜22の脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物、アルキル基の炭素数が4〜18のアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物、炭素数8〜22の脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物及び3〜6価の多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル化物のアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一つ又は二つ以上
  2. ポリ塩化ビニル系樹脂、帯電防止剤及び可塑剤を、これらの合計量として、フィラーを除く全体の90重量%以上含有する請求項1記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 化1で示される第四級アンモニウム塩/非イオン界面活性剤=90/10〜20/80(重量比)の割合で含有する請求項1又は2記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、可塑剤を10〜50重量部の割合で含有する請求項1〜3のいずれか一つの項記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 帯電防止剤/可塑剤=5/95〜50/50(重量比)の割合で含有する請求項1〜4のいずれか一つの項記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
  6. 化1で示される第四級アンモニウム塩が、化1中のXが過塩素酸イオン基である場合のものである請求項1〜5のいずれか一つの項記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
  7. 非イオン界面活性剤が炭素数12〜18の脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物及び炭素数12〜18の脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一つ又は二つ以上である請求項1〜6のいずれか一つの項記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
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