WO2017169730A1 - 塩化ビニル樹脂用可塑剤、塩化ビニル樹脂組成物、ワイヤーハーネス及びダッシュボード - Google Patents

塩化ビニル樹脂用可塑剤、塩化ビニル樹脂組成物、ワイヤーハーネス及びダッシュボード Download PDF

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Abstract

塩化ビニル樹脂との相溶性が良好で、耐寒性と耐熱性とに優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られる塩化ビニル用可塑剤、塩化ビニル用樹脂組成物とこれを用いて得られるワーヤーハーネス及びダッシュボードを提供する。具体的には下記一般式(1)(式中、Rは炭素数6~18のアルキル基を表す。R11は水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物(A1)または下記一般式(2)(式中、Rは炭素数6~18のアルキル基を表す。R12は水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物(A2)と、下記一般式(3)(式中、Rは炭素数6~18のアルキル基を表す。R13は水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物(B)とを含有する塩化ビニル樹脂用可塑剤を提供する。

Description

塩化ビニル樹脂用可塑剤、塩化ビニル樹脂組成物、ワイヤーハーネス及びダッシュボード
 本発明は、塩化ビニル樹脂との相溶性が良好で、しかも、耐寒性と耐熱性とに優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られる塩化ビニル樹脂用可塑剤に関する。また、本発明は該塩化ビニル樹脂用可塑剤を含む塩化ビニル樹脂組成物とこれを用いて得られるワイヤーハーネス及び該塩化ビニル樹脂組成物を成形してなるダッシュボードに関する。
 塩化ビニル樹脂は、柔軟性をはじめとする種々の性能を付与するとともに、押出加工やカレンダー加工等の種々の成形加工における加工温度を低下させ、成形加工を容易にする目的で可塑剤が添加された塩化ビニル樹脂組成物として用いられることが多い。
 このような塩化ビニル樹脂組成物に用いられる可塑剤には、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れること、耐熱性と耐寒性に優れる塩化ビニル樹脂組成物の成形品が得られること等の性能を有することが求められている。
 塩化ビニル樹脂組成物に用いられる可塑剤としては、例えば、従来よりフタル酸ジエステル、アジピン酸ジエステル、トリメリット酸トリエステル等の多塩基酸の高級アルキルエステル等が知られている。従来、価格、耐熱性や耐寒性等の性能バランスを考慮して主にフタル酸ジエステルが使われるケースが多かった。このフタル酸ジエステルとしては、例えば、イソフタル酸のジエステルが挙げられ、具体的には、該ジエステルの構造が有するアルキル鎖が炭素原子数8~10の直鎖アルキル鎖であるジエステルが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
 また、近年、より高い耐熱性が要求される用途では、可塑剤としてトリメリット酸トリエステルが使用されてきた。例えば、トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル(以下、「TOTM」と略記する。)、トリメリット酸トリイソノニル(以下、「TINTM」と略記する。)、トリメリット酸トリイソデシルエステル(以下、「TIDTM」と略記する。)等のトリメリット酸トリエステルは塩化ビニル樹脂との相溶性が良好で、これを含む塩化ビニル樹脂組成物を用いて得られる成形品は、加熱環境下に曝されてもその質量の減少量が少ない(耐熱老化性に優れる)ことから使用温度105℃以上の耐熱電線や自動車のダッシュボード等に多用されている。
 しかしながら、近年、耐寒性や耐熱性への要求が益々厳しくなっており、上記TOTM、TINTM及びTIDTMでは成形品に十分な耐寒性や耐熱性を付与することが困難となってきた。
 耐熱性及び耐寒性に優れる成形品が得られる塩化ビニル樹脂組成物を得るための可塑剤として、例えば、トリメリット酸と炭素原子数9の脂肪族アルコールとのエステル化物であり、該脂肪族アルコールとして直鎖状の脂肪族アルコールと分岐状の脂肪族アルコールとを特定の比率で用いて得られる可塑剤が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、当該可塑剤は塩化ビニル樹脂との相溶性が悪い。その為、当該可塑剤と塩化ビニル樹脂とを含む組成物を用いて得られる成形品の表面には時間の経過とともに可塑剤が染み出し(ブリードし)、その結果、時間の経過に伴って成形品の耐熱性、耐寒性が低下してくる問題がある。
特開2014-098135号公報 特開2014-189688号公報
 本発明の課題は、塩化ビニル樹脂との相溶性が良好で、しかも、耐寒性と耐熱性とに優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られる塩化ビニル樹脂用可塑剤を提供することである。また、本発明の課題は、前記塩化ビニル樹脂組成物を用いてワイヤーハーネス及びダッシュボードを提供することでもある。
 本発明者らは、鋭意検討した結果、フタル酸ジエステル等の芳香族ジカルボン酸のジエステルまたはトリメリット酸トリエステル等の芳香族トリカルボン酸のトリエステルと、ピロメリット酸等の芳香族テトラカルボン酸のテトラエステルとを含有する混合物を塩化ビニル樹脂の可塑剤として用いて得られる成形品は耐熱性や耐寒性、具体的には、高温環境下や低温環境下に曝されても可塑性を維持できる性能を有すること、塩化ビニル樹脂との相溶性が良好で、長期に渡って高温環境下や低温環境下に曝されても可塑性を維持できること、前記組成物は電線被覆材として好ましく使用でき、特にワイヤーハーネスを得る際の被覆材として好ましく使用できること、また、前記組成物は自動車のダッシュボードを得る際の成形材としても好ましく使用できること等を見出し、本発明を完成するに至った。
 即ち、本発明は、下記一般式(1)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
(式中、Rは同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数6~18のアルキル基を表す。R11は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物(A1)または下記一般式(2)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
(式中、Rは同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数6~18のアルキル基を表す。R12は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物(A2)と、下記一般式(3)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
(式中、Rは同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数6~18のアルキル基を表す。R13は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物(B)とを含有することを特徴とする塩化ビニル樹脂用可塑剤を提供するものである。
 また、本発明は前記塩化ビニル樹脂用可塑剤(X)と塩化ビニル樹脂(Y)とを含有することを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物を提供するものである。
 更に、本発明は、導線を前記塩化ビニル樹脂組成物で被覆してなることを特徴とするワイヤーハーネスを提供するものである。
 更に、本発明は、前記塩化ビニル樹脂組成物を成形してなることを特徴とするダッシュボードを提供するものである。
 本発明の塩化ビニル樹脂用可塑剤は塩化ビニル樹脂との相溶性が良好で、高温環境下や低温環境下に曝されても可塑性を維持できる塩化ビニル樹脂組成物を提供することができる。また、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、電線被覆材料、自動車部品、レザー、ブーツ、ガスケット、ホース等の種々の用途に使用することができる。本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、電線被覆材料、特にワイヤーハーネスの製造に用いる被覆材料やダッシュボードの製造に用いる成形材料として特に好適に使用できる。
 本発明の塩化ビニル樹脂用可塑剤は、前記一般式(1)で表されるエステル化合物(A1)または一般式(2)で表されるエステル化合物(A2)と、前記一般式(3)で表されるエステル化合物(B)とを含有することを特徴とする。前記エステル化合物(A1)としては、例えば、下記一般式(1-1)~一般式(1-3)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
(式中、Rは同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数6~18のアルキル基を表す。R11は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物等が挙げられる。
 前記炭素原子数6~18のアルキル基としては例えば、直鎖状のアルキル基や分岐状のアルキル基が挙げられる。直鎖状のアルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。分岐状のアルキル基としては、例えば、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、イソドデシル基、イソトリデシル基、イソペンタデシル基、イソオクタデシル基等が挙げられる。中でも、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることから、炭素原子数7~15のアルキル基が好ましく、炭素原子数9~14のアルキル基がより好ましく、炭素原子数10、11、12及び13のアルキル基からなる群から選ばれる一種以上のアルキル基が更に好ましい。
 前記一般式(1)中のR11は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基である。前記アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t-ブチル基等が挙げられる。中でも、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となり、且つ価格も安価な塩化ビニル樹脂組成物が得られることから、水素原子が好ましい。尚、一般式(1)中のR11は4個であり、これを一般式(1)中に表現すると『-(R11』となる。
 一般式(1)で表されるエステル化合物(A1)の中でも、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品が得られることから一般式(1-1)または一般式(1-2)で表されるエステル化合物が好ましい。
 本発明で用いるエステル化合物(A1)は、例えば、下記一般式(11)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
(式中、R11は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるジカルボン酸と、炭素原子数6~18のアルキル基を有する飽和脂肪族モノアルコールとを反応させることにより製造することができる。
 前記一般式(11)で表されるジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、4-メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、これらのアルキルエステル、フタル酸の酸無水物及び4-メチルフタル酸の酸無水物等が挙げられる。中でも、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることからフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、これらのアルキルエステルおよびフタル酸無水物からなる群から選ばれる一種以上の化合物が好ましく、フタル酸、イソフタル酸がより好ましい。一般式(11)で表されるジカルボン酸は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
 前記炭素原子数6~18の飽和脂肪族モノアルコールとしては、例えば、直鎖状の飽和脂肪族モノアルコールや分岐状の飽和脂肪族モノアルコール等が挙げられる。前記直鎖状の飽和脂肪族モノアルコールとしては、例えば、ヘキサノール、ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール及びオクタデカノール等が挙げられる。分岐状の飽和脂肪族モノアルコールとしては、例えば、イソヘキサノール、イソオクタノール、イソノナノール、イソデカノール、2-メチルオクタノール、イソトリデカノール、1-テトラデカノール、イソドデカノール、イソステアリルアルコール、イソペンタデシルアルコール等が挙げられる。
 飽和脂肪族モノアルコールの中でも炭素原子数7~15の飽和脂肪族モノアルコールが、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることから好ましく、炭素原子数9~14の飽和脂肪族モノアルコールがより好ましく、炭素原子数10、11、12及び13の飽和脂肪族モノアルコールからなる群から選ばれる一種以上のアルコールが更に好ましい。前記炭素原子数6~18の飽和脂肪族モノアルコールは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
 エステル化合物(A1)は、具体的には、前記ジカルボン酸と飽和脂肪族モノアルコールとを、必要に応じてエステル化触媒の存在下で、例えば、100~250℃の温度範囲内で2~25時間、エステル化反応させることにより製造することができる。尚、エステル化反応の温度、時間などの条件は特に限定せず、適宜設定してよい。
 前記エステル化触媒としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン系触媒;ジブチル錫オキサイド等のスズ系触媒;p-トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸系触媒などが挙げられる。
 前記エステル化触媒の使用量は、適宜設定すればよいが、通常、原料の全量100質量部に対して、0.001~0.1質量部の範囲で使用することが好ましい。
 前記ジカルボン酸に対する飽和脂肪族モノアルコールの使用量は、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることからからジカルボン酸1モルに対して2~4モルが好ましく、2~2.5モルがより好ましい。
 本発明で用いるエステル化合物(A1)の酸価は相溶性が良好な塩化ビニル樹脂用可塑剤が得られることから0~3が好ましく0~1がより好ましい。また、エステル化合物(A1)の水酸基価も相溶が良好な塩化ビニル樹脂用可塑剤が得られることから0~3が好ましく0~1がより好ましい。更に、エステル化合物(A1)の粘度は加工性が良好な塩化ビニル樹脂組成物が得られることから25~150mPa・sが好ましく50~100mPa・sがより好ましい。
 本発明において酸価、水酸基価及び粘度は以下の方法に従って測定した。
 <酸価>
 JIS K0070-1992に準じた方法により測定した。
 <水酸基価>
 JIS K0070-1992に準じた方法により測定した。
 <粘度>
 JIS K6901-1986に準じた方法により測定した。
 本発明で用いる前記エステル化合物(A2)としては、例えば、下記一般式(2-1)~一般式(2-3)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
(式中、Rは同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数6~18のアルキル基を表す。R12は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物等が挙げられる。
 前記炭素原子数6~18のアルキル基としては、例えば、前記Rとして例示したアルキル基等が挙げられる。中でも、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることから、炭素原子数7~15のアルキル基が好ましく、炭素原子数9~14のアルキル基がより好ましく、炭素原子数10、11、12及び13のアルキル基からなる群から選ばれる一種以上のアルキル基が更に好ましい。
 前記一般式(2)中のR12は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基である。前記アルキル基としては例えば、前記R11として例示したアルキル基等が挙げられる。中でも、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となり、且つ価格も安価な塩化ビニル樹脂組成物が得られることから、水素原子が好ましい。尚、一般式(1)中のR12は3個であり、これを一般式(2)中に表現すると『-(R12』となる。
 一般式(2)で表されるエステル化合物(A2)の中でも、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品が得られることから、一般式(2-1)で表されるエステル化合物が好ましい。
 本発明で用いるエステル化合物(A2)は、例えば、下記一般式(21)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
(式中、R12は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるトリカルボン酸と、炭素原子数6~18の飽和脂肪族モノアルコールとを反応させることにより製造することができる。
 前記一般式(21)で表されるトリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸(1,2,4-トリカルボキシベンゼン)、1,2,3-トリカルボキシベンゼン、1,3,5-トリカルボキシベンゼン等が挙げられる。中でも、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることからトリメリット酸が好ましい。一般式(21)で表されるトリカルボン酸は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
 前記炭素原子数6~18の飽和脂肪族モノアルコールとしては、例えば、前記エステル化合物(A1)の製造に用いることができる飽和脂肪族モノアルコールを例示することができる。前記飽和脂肪族モノアルコールの中でも炭素原子数7~15の飽和脂肪族モノアルコールが、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることから好ましく、炭素原子数9~14の飽和脂肪族モノアルコールがより好ましく、炭素原子数10、11、12及び13の飽和脂肪族モノアルコールからなる群から選ばれる一種以上のアルコールが更に好ましい。前記炭素原子数6~18の飽和脂肪族モノアルコールは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
 エステル化合物(A2)は、例えば、エステル化合物(A1)を製造する際の製造条件と同様の条件で製造することができる。エステル化合物(A2)を製造する際のトリカルボン酸に対する飽和脂肪族モノアルコールの使用量は、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることからからトリカルボン酸1モルに対して3~5モルが好ましく、3~3.5モルがより好ましい。
 本発明で用いるエステル化合物(A2)の酸価は相溶性が良好な塩化ビニル樹脂用可塑剤が得られることから0~3が好ましく0~1がより好ましい。また、エステル化合物(A2)の水酸基価も相溶が良好な塩化ビニル樹脂用可塑剤が得られることから0~3が好ましく0~1がより好ましい。更に、エステル化合物(A2)の粘度は加工性が良好な塩化ビニル樹脂組成物が得られることから60~700mPa・sが好ましく、70~500mPa・sがより好ましい。
 本発明で用いる一般式(3)で表されるエステル化合物(B)としては、例えば、下記一般式(3-1)~一般式(3-3)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
(式中、Rは同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数6~18のアルキル基を表す。R13は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物等が挙げられる。
 前記炭素原子数6~18のアルキル基としては、例えば、前記Rとして例示したアルキル基等が挙げられる。中でも、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることから、炭素原子数7~15のアルキル基が好ましく、炭素原子数7~13アルキル基がより好ましく、炭素原子数8、9及び10のアルキル基からなる群から選ばれる一種以上のアルキル基が更に好ましい。Rは同一であっても良いし、異なっていても良い。
 前記一般式(3)中のR13は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基である。前記アルキル基としては例えば、前記R11として例示したアルキル基等が挙げられる。中でも、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となり、且つ価格も安価な塩化ビニル樹脂組成物が得られることから、水素原子が好ましい。尚、一般式(1)中のR13は3個であり、これを一般式(3)中に表現すると『-(R13』となる。
 一般式(3)で表されるエステル化合物(B)の中でも、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品が得られることから、一般式(3-1)で表されるエステル化合物が好ましい。
 本発明で用いるエステル化合物(B)は、例えば、下記一般式(31)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
(R13は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるテトラカルボン酸と、炭素原子数6~18の飽和脂肪族モノアルコールとを反応させることにより製造することができる。
 前記一般式(31)で表されるテトラカルボン酸としては、例えば、ピロメリット酸(1,2,4,5-テトラカルボキシベンゼン)、1,2,3,4-テトラカルボキシベンゼン、1,2,3,5-テトラカルボキシベンゼン等が挙げられる。中でも、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることからピロメリット酸が好ましい。一般式(31)で表されるテトラカルボン酸は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
 炭素原子数6~18の飽和脂肪族モノアルコールとしては、例えば、前記エステル化合物(A1)の製造に用いることができる飽和脂肪族モノアルコールを例示することができる。前記飽和脂肪族モノアルコールの中でも炭素原子数7~15の飽和脂肪族モノアルコールが、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることから好ましく、炭素原子数7~13の飽和脂肪族モノアルコールがより好ましく、炭素原子数8、9及び10の飽和脂肪族モノアルコールからなる群から選ばれる一種以上のアルコールが更に好ましい。前記炭素原子数6~18の飽和脂肪族モノアルコールは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
 エステル化合物(B)は、例えば、エステル化合物(A1)を製造する際の製造条件と同様の条件で製造することができる。エステル化合物(B)を製造する際のテトラカルボン酸に対する飽和脂肪族モノアルコールの使用量は、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることからテトラカルボン酸1モルに対して4~6モルが好ましく、4~4.5モルがより好ましい。
 本発明で用いるエステル化合物(B)の酸価は相溶性が良好な塩化ビニル樹脂用可塑剤が得られることから0~3が好ましく0~1がより好ましい。また、エステル化合物(B)の水酸基価も相溶が良好な塩化ビニル樹脂用可塑剤が得られることから0~3が好ましく0~1がより好ましい。更に、エステル化合物(B)の粘度は加工性が良好な塩化ビニル樹脂組成物が得られることから100~900mPa・sが好ましく300~700mPa・sがより好ましい。
 本発明の塩化ビニル樹脂用可塑剤の中でも、エステル化合物(A1)またはエステル化合物(A2)100質量部に対してエステル化合物(B)を10~500質量部含有する可塑剤が、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることから好ましく、エステル化合物(A1)またはエステル化合物(A2)100質量部に対してエステル化合物(B)を80~120質量部含有する可塑剤がより好ましい。
 本発明の塩化ビニル樹脂用可塑剤は例えば、エステル化合物(A1)またはエステル化合物(A2)と、エステル化合物(B)とを、スターラー、撹拌モーター等の種々の混合手段により混合する事により得ることができる。
 本発明の塩化ビニル樹脂用可塑剤は、エステル化合物(A1)又はエステル化合物(A2)と、エステル化合物(B)と共に塩化ビニル樹脂の可塑剤となるその他の化合物を、本発明の効果を損なわない範囲で含有していても良い。その他の化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート等の安息香酸エステル類;フタル酸ジブチル(DBP)等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル(DOS)、セバシン酸ジイソノニル(DINS)等の脂肪族二塩基酸エステル類;リン酸トリ-2-エチルヘキシル(TOP)、リン酸トリクレジル(TCP)等のリン酸エステル類;ペンタエリスリトール等の多価アルコールのアルキルエステル;アジピン酸等の2塩基酸とグリコールとのポリエステル化によって合成された分子量800~4,000のポリエステル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等のエポキシ化エステル類;ヘキサヒドロフタル酸ジイソノニルエステル等の脂環式二塩基酸類;ジカプリン酸1.4-ブタンジオール等の脂肪酸グリコールエステル類;アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)類;パラフィンワックスやn-パラフィンを塩素化した塩素化パラフィン類;塩素化ステアリン酸エステル等の塩素化脂肪酸エステル類;オレイン酸ブチル等の高級脂肪酸エステル類等が例示される。
 また、下記一般式(4)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
(式中、Lはそれぞれ、炭素原子数3~18の脂肪族オキシカルボン酸残基または炭素原子数3~18の環状エステル残基を表す。Rはそれぞれ炭素原子数6~18のアルキル基を表す。R14は水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。mとnは前記Lの繰り返し数を表し、それぞれ、0~8であり、且つ、mとnの合計が1~10である。)で表されるエステル化合物(C)も、本発明の塩化ビニル樹脂用可塑剤に含有させることができる。
 前記「炭素原子数3~18の脂肪族オキシカルボン酸残基」、「炭素原子数3~18の環状エステル残基」が有する炭素原子数には、カルボニル基の炭素原子も含める。
 前記「脂肪族オキシカルボン酸残基」、「環状エステル残基」とは、脂肪族オキシカルボン酸を下記一般式(α-1)で表し、環状エステルを下記一般式(α-2)で表した時に、一般式(α-3)で表される構造を言う。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
(式中、Xは炭素原子数2~17の脂肪族構造である。)
 本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、本発明の塩化ビニル樹脂用可塑剤(X)と塩化ビニル樹脂(Y)とを含有することを特徴とする。
 前記塩化ビニル樹脂(Y)としては、例えば、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニリデンの単独重合体、塩化ビニルを必須とした共重合体、塩化ビニリデンを必須とした共重合体等が挙げられる。塩化ビニル樹脂(Y)は種々の公知の製造方法で得ることができる。該製造方法としては、例えば、油溶性重合触媒の存在下に懸濁重合する方法や、水性媒体中で水溶性重合触媒の存在下に乳化重合する方法が挙げられる。塩化ビニル樹脂(Y)の重合度は、通常300~5,000であり、400~3,500が好ましく、700~3,000が、耐熱性が高い成形品が得られ、且つ、加工性に優れる塩化ビニル樹脂組成物となることから好ましい。
 前記塩化ビニル樹脂(Y)の中でも共重合体は、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン等の炭素数2~30のα-オレフィン類、アクリル酸およびそのエステル類、メタクリル酸およびそのエステル類、マレイン酸およびそのエステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルキルビニルエーテル等のビニル化合物、ジアリルフタレート等の多官能性モノマー及びこれらの混合物と塩化ビニルモノマーとの共重合体;エチレン-アクリル酸エチル共重合体等のエチレン-アクリル酸エステル共重合体;エチレン-メタクリル酸エステル共重合体;エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA);塩素化ポリエチレン、ブチルゴム、架橋アクリルゴム、ポリウレタン、ブタジエンースチレンーメチルメタクリレート共重合体(MBS)、ブタジエンーアクリロニトリルー(α-メチル)スチレン共重合体(ABS)、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート及びこれらの混合物へ塩化ビニルモノマーをグラフトしたグラフト共重合体等を例示できる。 
 本発明の塩化ビニル樹脂組成物中の塩化ビニル樹脂用可塑剤(X)の含有量は、塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、且つ、耐熱性、耐寒性にも優れる成形品となる塩化ビニル樹脂組成物が得られることから塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対して10~100質量部が好ましく、40~80質量部がより好ましい。
 本発明の塩化ビニル樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で塩化ビニル樹脂用可塑剤(X)以外の種々の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、難燃剤、安定剤、安定化助剤、着色剤、加工助剤、充填剤、酸化防止剤(老化防止剤)、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、架橋助剤等を例示することができる。
 前記難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛等の無機系化合物;クレジルジフェニルホスフェート、トリスクロロエチルフォスフェート、トリスクロロプロピルフォスフェート、トリスジクロロプロピルフォスフェート等のリン系化合物;塩素化パラフィン等のハロゲン系化合物等が例示される。難燃材を塩化ビニル樹脂組成物に配合する場合、その配合量は通常塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対して0.1~20質量部である。 
 前記安定剤としては、例えば、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、リシノール酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸バリウム、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸化合物;ジメチルスズビス-2-エチルヘキシルチオグリコレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズビスブチルマレエート、ジブチルスズジラウレート等の有機錫系化合物;アンチモンメルカプタイド化合物等が例示される。安定剤を塩化ビニル樹脂組成物に配合する場合、その配合量は通常塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対して0.1~20質量部である。 
 前記安定化助剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリデシルフォスファイト等のホスファイト系化合物;アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン等のベータジケトン化合物;グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール等のポリオール化合物;過塩素酸バリウム塩、過塩素酸ナトリウム塩等の過塩素酸塩化合物;ハイドロタルサイト化合物;ゼオライト等が例示される。安定化助剤を塩化ビニル樹脂組成物に配合する場合、その配合量は通常塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対して0.1~20質量部である。 
 前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、硫化鉛、ホワイトカーボン、チタン白、リトポン、べにがら、硫化アンチモン、クロム黄、クロム緑、コバルト青、モリブデン橙等が例示される。着色剤を塩化ビニル樹脂組成物に配合する場合、その配合量は通常塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対して1~100質量部である。 
 前記加工助剤としては、例えば、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ステアリン酸、ステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、ブチルステアエレート、ステアリン酸カルシウム等が例示される。加工助剤を塩化ビニル樹脂組成物に配合する場合、その配合量は通常塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対して0.1~20質量部である。 
 前記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、珪藻土、フェライト等の金属酸化物;ガラス、炭素、金属等の繊維及び粉末;ガラス球、グラファイト、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウムなどが例示される。充填剤を塩化ビニル樹脂組成物に配合する場合、その配合量は通常塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対して1~100質量部である。 
 前記酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、テトラキス[メチレン-3-(3,5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノール)プロピオネート]メタン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等のフェノール系化合物;アルキルジスルフィド、チオジプロピオン酸エステル、ベンゾチアゾール等の硫黄系化合物;トリスノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等のリン酸系化合物;ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアリールジチオリン酸亜鉛等の有機金属系化合物等が例示される。酸化防止剤を塩化ビニル樹脂組成物に配合する場合、その配合量は通常塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対して0.2~20質量部である。 
 前記紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p-tert-ブチルフェニルサリシレート等のサリシレート系化合物;2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、1-ジオクチルアミノメチルベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物の他、シアノアクリレート系化合物等が例示される。紫外線吸収剤を塩化ビニル樹脂組成物に配合する場合、その配合量は通常塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対して0.1~10質量部である。
 前記光安定剤としては、ヒンダードアミン系の光安定剤が例示できる。具体的には、例えば、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート(混合物)、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1(オクチルオキシ)-4-ピペリジル)エステル及び1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノールと高級脂肪酸のエステル混合物、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールの重縮合物、ポリ[{(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル){(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}}、ジブチルアミン・1,3,5-トリアジン・N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-1,6-ヘキサメチレンジアミンとN-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、N,N',N'',N'''-テトラキス-(4,6-ビス-(ブチル-(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)-トリアジン-2-イル)-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン等が例示される。光安定剤を塩化ビニル樹脂組成物に配合する場合、その配合量は通常塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対して0.1~10質量部である。
 前記滑剤としては、例えば、シリコーン、流動パラフィン、バラフィンワックス、ステアリン酸金属やラウリン酸金属塩などの脂肪酸金属塩;脂肪酸アミド類、脂肪酸ワックス、高級脂肪酸ワックス等が例示される。滑剤を塩化ビニル樹脂組成物に配合する場合、その配合量は通常塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対して0.1~10質量部である。
 前記帯電防止剤としては、例えば、アルキルスルホネート型、アルキルエーテルカルボン酸型又はジアルキルスルホサクシネート型のアニオン性帯電防止剤;ポリエチレングリコール誘導体、ソルビタン誘導体、ジエタノールアミン誘導体などのノニオン性帯電防止剤;アルキルアミドアミン型、アルキルジメチルベンジル型などの第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム型の有機酸塩又は塩酸塩などのカチオン性帯電防止剤;アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型などの両性帯電防止剤等が例示される。帯電防止剤を塩化ビニル樹脂組成物に配合する場合、その配合量は通常塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対して0.1~10質量部である。
 前記架橋助剤としては、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、ジビニルベンゼンジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、トリメトキシエトキシビニルシラン等の多官能モノマーがあげられ、これらは塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対し、0.5~30質量部の範囲で用いられる。なかでも、3~20質量部が最も効果的である。
 本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、本発明の塩化ビニル樹脂用可塑剤(X)、塩化ビニル樹脂(Y)及び必要に応じて各種添加剤を、例えばモルタルミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、リボンブレンダー等の攪拌機により攪拌混合を行い、塩化ビニル系樹脂組成物の混合粉とすることができる。また、塩化ビニル樹脂用可塑剤(X)、塩化ビニル樹脂(Y)及び必要に応じて各種添加剤を、例えばコニカル二軸押出機、パラレル二軸押出機、単軸押出機、コニーダー型混練機、ロール混練機等の混練機により溶融成形することによりペレット状の塩化ビニル系樹脂組成物を得ることもできる。 更に、エステル化合物(A)を含む塩化ビニル樹脂用可塑剤(X)、塩化ビニル樹脂(Y)の中でもペースト状の塩化ビニル樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を、例えばポニーミキサ、バタフライミキサ、プラネタリミキサ、リボンブレンダー、ニーダ、ディゾルバ、二軸ミキサ、高速ミキサ、三本ロールミル等の混練機により混合・混練りすることによりペースト状の塩化ビニル樹脂組成物を得ることもできる。 
 本発明の塩化ビニル樹脂組成物の中でも、配合粉状の塩化ビニル樹脂組成物やペレット状の塩化ビニル樹脂組成物を用いた場合、真空成型、圧縮成形、押出成形、射出成形、カレンダー成形、プレス成形、ブロー成形、粉体成形等の従来公知の方法を用いて溶融成形加工することにより、所望の形状の成形品を得ることができる。
 一方、本発明の塩化ビニル樹脂組成物の中でも、ペースト状の塩化ビニル樹脂組成物を用いた場合、スプレッド成形、ディッピング成形、グラビア成形、スラッシュ成形、スクリーン加工等の従来公知の方法を用いて成形加工することにより、所望の形状の成形品を得ることができる。
 前記成形体の形状としては、特に限定されないが、例えば、ロッド状、シート状、フィルム状、板状、円筒状、円形、楕円形等あるいは玩具、装飾品等特殊な形状のもの、例えば星形、多角形形状が例示される。 
 かくして得られた成形体は、水道管などのパイプ類、パイプ用の継手類、雨樋などの樋類、窓枠サイディング、平板、波板、自動車アンダーボディコート、ダッシュボード、インストルメントパネル、コンソール、ドアシート、アンダーカーペット、トランクシート、ドアトリム類などの自動車装材、各種レザー類、装飾シート、農業用フィルム、食品包装用フィルム、導線被覆、各種発泡製品、ホース、医療用チューブ、食品用チューブ、冷蔵庫用ガスケット、パッキン類、壁紙、床材、ブーツ、カーテン、靴底、手袋、止水板、玩具、化粧板、血液バック、輸液バック、ターポリン、マット類、遮水シート、土木シート、ルーフィング、防水シート、絶縁シート、工業用テープ、ガラスフィルム、字消し等に有用である。 
 本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、成形体の中でも、導線被覆を製造するために好ましく使用することができる。そして、本発明の塩化ビニル樹脂組成物を導線被覆して得られる電線の中でも、本発明の塩化ビニル樹脂組成物を用いて導線を被覆してなるワイヤーハーネスを好ましく得ることができる。
 また、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、成形体の中でも自動車装材を製造するために好ましく使用することができる。自動車装材の中でも、本発明の塩化ビニル樹脂組成物を成形することによりダッシュボードを好ましく得ることができる。
 以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。例中、断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。また、酸価、水酸基価、粘度は下記の方法に従って測定した。
 <酸価の測定方法>
 JIS K0070-1992に準じた方法により測定した。
 <水酸基価の測定方法>
 JIS K0070-1992に準じた方法により測定した。
 <粘度の測定方法>
 JIS K6901-1986に準じた方法により測定した。
 合成例1〔エステル化合物(A1)の合成〕
 反応容器に、無水フタル酸296g(2.0モル)、ドデカノール(新日本理化製;コノール20P、直鎖率100モル%)893g(4.8モル)、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.201gを、温度計、攪拌器及び還流冷却器を付した内容積2リットルの四ツ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら230℃まで段階的に昇温し、酸価が2以下になるまで230℃で加熱を続け、生成する水を連続的に除去した。反応後、230~200℃で未反応のドデカノールを減圧留去し、エステル化合物(A1-1)963gを得た。エステル化合物(A1-1)の酸価は0.03で、水酸基価は0.03、25℃における粘度は58mPa・sであった。
 合成例2(同上)
 反応容器に、イソフタル酸ジメチル388g(2.0モル)、ドデカノール(新日本理化製;コノール20P、直鎖率100モル%)893g(4.8モル)、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.201gを、温度計、攪拌器及び還流冷却器を付した内容積2リットルの四ツ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら230℃まで段階的に昇温し、酸価が2以下になるまで230℃で加熱を続け、生成するメタノールを連続的に除去した。反応後、230℃で未反応のドデカノールを減圧留去し、エステル化合物(A1-2)953gを得たエステル化合物(A1-2)の酸価は0.09で、水酸基価は0.09で、25℃における粘度は79mPa・sであった。
 合成例3〔エステル化合物(A2)の合成〕
 反応容器に、無水トリメリット酸384g(2.0モル)、デカノール(新日本理化製;コノール1098、直鎖率100モル%)1005g(6.36モル)、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.252gを、温度計、攪拌器及び還流冷却器を付した内容積2リットルの四ツ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら230℃まで段階的に昇温し、酸価が2以下になるまで230℃で加熱を続け、生成する水を連続的に除去した。反応後、230℃で未反応のデカノールを減圧留去し、エステル化合物(A2-1)1184gを得た。エステル化合物(A2-1)の酸価は0.02で、水酸基価は0.05で、25℃における粘度は140mPa・sであった。
 実施例1
 エステル化合物(A1-1)25部、テトラ2エチルヘキシルピロメリテート〔酸価0.1、水酸基価0.1、25℃における粘度430mPa・s 以下、エステル化合物(B-1)と略記する。〕25部をビーカー内でスターラーにより撹拌混合し、本発明の塩化ビニル樹脂用可塑剤(1)を得た。
 塩化ビニル樹脂用可塑剤(1)50部、塩化ビニル樹脂〔新第一塩ビ株式会社製のZEST1300.重合度1300〕100部及び充填剤(日辰貿易株式会社製のカルシウム/亜鉛系複合安定剤 商品名グレックMP-677D)4部を混合し、本発明の塩化ビニル樹脂組成物(1)を得た。塩化ビニル樹脂組成物(1)を用いて成形品を作成し、塩化ビニル樹脂用可塑剤(1)の塩化ビニル樹脂に対する可塑化効果、耐熱性、耐寒性の評価を行った。また、塩化ビニル樹脂用可塑剤(1)と塩化ビニル樹脂との相溶性の評価も行った。各評価に用いる成形品の作成方法と評価方法を下記に示す。また評価結果を第1表に示す。
 ・塩化ビニル樹脂用可塑剤(1)の塩化ビニル樹脂に対する可塑化効果の評価
 <成形品の作成条件>
 170℃に加熱した2本ロールで塩化ビニル樹脂組成物(1)を10分混練した後、混練後の塩化ビニル樹脂組成物(1)を0.5mm厚の成形品が得られる金型(0.5mm厚金型)と170℃に熱したプレス機とを用いて成形し、0.5mm厚のシートを作製した。
 <評価方法>
 可塑化効果はJISK6251に従い、100%モジュラス(伸び100%時の引張応力)及び引張伸び率を測定する事で評価した。具体的には、前記0.5mmシートを用いて、下記条件にて引張試験を実施し、100%モジュラス及び引張伸び率を測定した。引張伸び率は、0.5mmシートが引張破断した時のチャック間距離から初期のチャック間距離20mmを引いた値をチャック間距離20mmで除して百分率で表したものである。
 測定機器:株式会社オリエンテック社製「テンシロン万能材料試験機」
 サンプル形状:ダンベル状3号形
 チャック間距離:20mm
 引張速度:200mm/分
 測定雰囲気:温度23℃、湿度50%
 100%モジュラスの値が低い程、塩化ビニル樹脂を可塑化させる効果が高いことを表す。また、引張伸び率が高い程、塩化ビニル樹脂を可塑化させる効果が高いことを表す。
 ・塩化ビニル樹脂組成物の成形品の耐熱性の評価
 <成形品の作成条件>
 170℃に加熱した2本ロールで塩化ビニル樹脂組成物(1)を10分混練した後、混練後の塩化ビニル樹脂組成物(1)を0.5mm厚の成形品が得られる金型(0.5mm厚金型)と170℃に熱したプレス機とを用いて成形し、0.5mm厚のシートを作製した。作成した0.5mm厚のシートから、JISK6251に従い、ダンベル状3号形を作成した。
 <評価方法>
 JISK6257に従い155℃×96時間の熱老化試験を行った。熱老化試験前後のダンベル片の質量を測定し、熱老化試験前の質量と熱老化試前後の質量との差(減量)を、熱老化試験前の質量を基準として100分率で求めた、この値が小さい程、熱老化試験後においても塩化ビニル樹脂用可塑剤(1)が成形品内に留まり、塩化ビニル樹脂用可塑剤(1)による耐熱性の効果が期待でき、耐熱性に優れる塩化ビニル樹脂組成物である。
 また、前記熱老化試験の前後にJISK6251の条件に従い、引っ張り試験を実施し、熱老化試験前後の3号ダンベル片の伸び率を求めた。そして、熱老化試験前の伸び率を基準とした(100%とした)ときの熱老化試験後の3号ダンベル片の伸び率(伸び残率)を求めた。この伸び残率が高い程、熱老化試験後も可塑化効果を保持でき、耐熱性に優れる塩化ビニル樹脂組成物である。
 ・塩化ビニル樹脂組成物の成形品の耐寒性の評価
 <成形品の作成条件>
 170℃に加熱した2本ロールで塩化ビニル樹脂組成物(1)を10分混練した後、混練後の塩化ビニル樹脂組成物(1)を1.0mm厚の成形品が得られる金型(1.0mm厚金型)と170℃に熱したプレス機とを用いて成形し、1.0mm厚のシートを作製した。作成した1.0mm厚のシートから、JISK6745に従い、試験片を作成した。
 <評価方法>
 耐寒性はJISK6745に従い、クラッシュバーグ柔軟温度測定試験機で評価した。温度が低い程、耐寒性に優れることを表す。
 ・相溶性の評価
 <成形品の作成条件>
 170℃に加熱した2本ロールで塩化ビニル樹脂組成物(1)を10分混練した後、混練後の塩化ビニル樹脂組成物(1)を1.0mm厚の成形品が得られる金型(1.0mm厚金型)と170℃に熱したプレス機とを用いて成形し、1.0mm厚のシートを作製した。このシートから5cm×5cmの大きさに切断した1.0mm厚のシートを2枚作成した。
 <評価方法>
 前記シートを2枚重ね、70℃で相対湿度95%の条件下で7日間放置した。その後、シートの表面及びシート同士が重なっている面の状態を下記の評価基準に従い評価した。
 ○:シートの表面及びシート同士が重なっている面を目視で確認し粉状や粘性状等の異物(ブリード)が確認できず、且つ、シートの表面及びシート同士が重なっている面を指で触れてもブリードが確認できない。
 ×:シートの表面及びシート同士が重なっている面を目視で確認しブリードが確認できる、または、シートの表面及びシート同士が重なっている面を指で触れてブリードが確認できる。
 実施例2
 エステル化合物(A1-1)を25部用いるかわりにエステル化合物(A1-2)を25部用いた以外は実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂用可塑剤(2)を得た。塩化ビニル樹脂用改質剤(2)を用いる以外は実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂組成物(2)を得て、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を第1表に示す。
 実施例3
 エステル化合物(A1-1)を25部用いるかわりにエステル化合物(A2-1)を25部用いた以外は実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂用可塑剤(3)を得た。塩化ビニル樹脂用改質剤(3)を用いる以外は実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂組成物(3)を得て、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を第1表に示す。
 比較例1
 エステル化合物(A1-1)25部及びエステル化合物(B-1)25部を用いるかわりにエステル化合物(A1-1)を50部用いた以外は実施例1と同様にして比較対照用塩化ビニル樹脂組成物(1´)を得て、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を第2表に示す。
 比較例2
 エステル化合物(A1-1)25部及びエステル化合物(B-1)25部を用いるかわりにエステル化合物(A1-2)を50部用いた以外は実施例1と同様にして比較対照用塩化ビニル樹脂組成物(2´)を得て、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を第2表に示す。
 比較例3
 エステル化合物(A1-1)25部及びエステル化合物(B-1)25部を用いるかわりに、トリ2エチルヘキシルトリメリテート(酸価0.1、水酸基価0.6、25℃における粘度210mPa・s)を50部用いた以外は実施例1と同様にして比較対照用塩化ビニル樹脂組成物(3´)を得て、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を第2表に示す。
 比較例4
 エステル化合物(A1-1)25部及びエステル化合物(B-1)25部を用いるかわりに、エステル化合物(A2-1)を50部用いた以外は実施例1と同様にして比較対照用塩化ビニル樹脂組成物(4´)を得て、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を第2表に示す。
 比較例5
 エステル化合物(A1-1)25部及びエステル化合物(B-1)25部を用いるかわりに、エステル化合物(B-1)を50部用いた以外は実施例1と同様にして比較対照用塩化ビニル樹脂組成物(5´)を得て、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を第2表に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000018
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000019
 第2表の脚注
 -:測定の際に試験片として用いた0.5mmシートが破断し測定不能。

Claims (9)

  1.  下記一般式(1)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (式中、Rは同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数6~18のアルキル基を表す。R11は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物(A1)または下記一般式(2)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    (式中、Rは同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数6~18のアルキル基を表す。R12は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物(A2)と、下記一般式(3)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
    (式中、Rは同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数6~18のアルキル基を表す。R13は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物(B)とを含有することを特徴とする塩化ビニル樹脂用可塑剤。
  2.  前記エステル化合物(A1)中のR11、エステル化合物(A2)中のR12、エステル化合物(B)中のR13が、それぞれ水素原子である請求項1記載の塩化ビニル樹脂用可塑剤。
  3.  前記エステル化合物(A1)が下記一般式(1-1)または(1-2)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
    (式中、Rは同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数6~18のアルキル基を表す。R11は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物で、エステル化合物(A2)が下記一般式(2-1)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
    (式中、Rは同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数6~18のアルキル基を表す。R12は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物で、エステル化合物(B)が下記一般式(3-1)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006

    (式中、Rは同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数6~18のアルキル基を表す。R13は同一でも異なっていても良く、それぞれ水素原子または炭素原子数1~6のアルキル基を表す。)で表されるエステル化合物である請求項1記載の塩化ビニル樹脂用可塑剤。
  4.  前記R、Rが同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数9~14のアルキル基で、Rが同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素原子数7~13のアルキル基である請求項1記載の塩化ビニル樹脂用可塑剤。
  5.  前記エステル化合物(A1)またはエステル化合物(A2)100質量部に対して、エステル化合物(B)を10~500質量部含有する請求項1記載の塩化ビニル樹脂用可塑剤。
  6.  請求項1~5のいずれか1項記載の塩化ビニル樹脂用可塑剤(X)と塩化ビニル樹脂(Y)とを含有することを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物。
  7.  前記塩化ビニル樹脂用可塑剤(X)の含有量が、塩化ビニル樹脂(Y)100質量部に対して10~100質量部である請求項6記載の塩化ビニル樹脂組成物。
  8.  導線を請求項6または7に記載の塩化ビニル樹脂組成物で被覆してなることを特徴とするワイヤーハーネス。
  9.  請求項6または7に記載の塩化ビニル樹脂組成物を成形してなることを特徴とするダッシュボード。
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