JP3423062B2 - カレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物 - Google Patents

カレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物

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JP3423062B2
JP3423062B2 JP7065194A JP7065194A JP3423062B2 JP 3423062 B2 JP3423062 B2 JP 3423062B2 JP 7065194 A JP7065194 A JP 7065194A JP 7065194 A JP7065194 A JP 7065194A JP 3423062 B2 JP3423062 B2 JP 3423062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカレンダー加工性が良好
で、しかも、表面外観、機械的物性に優れたシートまた
はフィルムを形成し得るポリエステルエラストマ組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】結晶性芳香族ポリエステル単位をハード
セグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコー
ルのような脂肪族ポリエーテル単位またはポリラクトン
のような脂肪族ポリエステル単位をソフトセグメントと
するポリエステルブロック共重合体は耐衝撃性、弾性回
復性、柔軟性などの機械的性質をはじめ高温特性、接着
性等多くの点が優れているため、その用途は、シート、
フィルム、繊維などの産業資材や自動車および電気・電
子部品に拡大し、成形加工方法についても、多くのプラ
スチック成形加工方法が適用できる様になってきてい
る。しかし、シート、フィルムの成形加工法として塩化
ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EV
A)、ゴムに多用されるカレンダー加工法についての実
績はごく限られたものである。
【0003】カレンダー加工法は、高温のカレンダーロ
ール間の谷間で樹脂を滞留させて可塑化、脱泡および混
練を行い、ロール間隙で所定の厚みに圧延する方法であ
る。ポリエステルエラストマはホットメルト接着剤とし
て多用される様に本来、粘着性が大きく、カレンダー加
工を実施しようとするとロールへの粘着性、付着性が大
きすぎるという問題がある。可塑化、脱泡を容易にする
ためにロール温度を上げると粘着性は一層大きくなる傾
向にあり、ロール温度を下げると粘着性は少し低下する
が、ポリエステルエラストマが明確な融点をもつ結晶性
樹脂であるがゆえにロール温度を融点付近の最適温度か
ら下げてゆくと急激に可塑化しなくなるためロールから
安定した形態のフィルムを剥離し、取り出す事が極めて
困難である。したがって、ポリエステルエラストマはカ
レンダー加工が事実上できないのが現状である。
【0004】したがってポリエステルエラストマのカレ
ンダー加工性を改良する技術としては、塩化ビニル系グ
ラフトポリマをブレンドすることが特公昭58−565
45号に提案されている程度であり、従来例の紹介も極
めて少ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステルエラスト
マのカレンダー加工性を改良するため特公昭58−56
545号に示されるポリマブレンド組成物を用いた場合
はポリエステルエラストマにブレンドする塩化ビニル系
グラフトポリマの耐油性や耐熱性がポリエステルエラス
トマより劣るため、ポリエステルエラストマ本来の優れ
た耐油性、耐熱変形性、機械物性等の特性をそのまま保
持することが困難となり、満足のいくものではなかっ
た。また、カレンダー加工で実績のある樹脂に多用され
るカレンダー加工性改質剤(金属石鹸類、脂肪族アミド
類)をポリエステルエラストマに適用した場合、カレン
ダー加工性が全く改良されなかったり、著しいブルーミ
ングを生じる。さらに、ロールとの剥離性を改良する目
的で、ポリエステルエラストマの摺動性改良剤として特
開昭61−195154号報に開示されるシリコーンオ
イルや特開昭58−129046号報に開示されている
タルク等の無機硬質微粉末、ポリエステルエラストマの
押し出し成形性改良剤として特開昭57−8238号報
に開示されているモンタン酸エステルワックスを添加し
てもカレンダー加工はほとんど改良されない。
【0006】従って、ポリエステルエラストマのカレン
ダー加工によるシート、フィルム化技術として実用化さ
れているものはポリエステルエラストマと塩化ビニル系
グラフトポリマのブレンドを用いる方法のみが知られて
いるのが実状である。本発明の目的は、ポリエステルエ
ラストマのカレンダー加工を実施する場合におけるロー
への粘着性、付着性を抜本的に改良し、さらにポリエ
ステルエラストマ自体の特性を保持したシートまたはフ
ィルムを得ることができるカレンダー加工用ポリエステ
ル組成物を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリエス
テルエラストマのカレンダー加工性、特にロールへの
着性、付着性を改良し、さらにポリエステルエラストマ
自体の特性を保持したシートまたはフィルムを得るため
に鋭意検討した結果、ポリエステルエラストマに特定の
添加物を配合した樹脂組成物が著しくカレンダー加
性、特にロールへの粘着性、付着性を改良する事を見い
だし本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、(A)主として高融点
結晶性重合体セグメント、(B)主として脂肪族ポリエ
ーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位から
なる低融点重合体セグメントを主たる構成成分とするポ
リエステルブロック共重合体100重量部に対し、ポリ
オレフィンワックス、フッ素樹脂粉体、芳香族アミン系
化合物およびシリコーン樹脂粉体から選ばれる少なくと
も1種の化合物0.001〜10重量部を溶融混合して
なるカレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物を
提供するものである。
【0009】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体の高融点結晶性重合体セグメント(A)は、
(a)ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体、
(b)ジオールおよびそのエステル形成性誘導体から形
成されるポリエステルであり、(a)ジカルボン酸とし
てはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレ
ン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカ
ルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ジフェニル−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5
−スルホイソフタル酸、3−スルホイソフタル酸ナトリ
ウム等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、4,4’
−ジシクロヘキシルジカルボン酸等の脂環族ジカルボン
酸、アジピン酸、コハク酸、シュウ酸、セバシン酸、ド
デカンジオン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸が
好ましく、これらジカルボン酸のエステル形成性誘導
体、例えば低級アルキルエステル、アリールエステル、
炭酸エステル、酸ハロゲン化物等も同等に用い得る。
(b)ジオールとしては、分子量400以下のジオー
ル、例えば1,4−ブタンジオール、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、
1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ジシク
ロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノー
ルなどの脂環族ジオール、キシリレングリコール、ビス
(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−
ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサ
ン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,
4’−ジヒドロキシ−p−クオーターフェニルなどの芳
香族ジオールが好ましく、かかるジオールもエステル形
成性誘導体、例えばアセチル体、アルカリ金属塩等の形
でも用い得る。
【0010】これらのジカルボン酸およびその誘導体ま
たはジオール成分を2種以上併用してもよい。そして、
最も好ましいセグメント(A)の例はテレフタル酸また
はジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールか
ら誘導されるポリブチレンテレフタレートである。
【0011】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体の低融点重合体セグメント(B)は、脂肪族ポ
リエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルであり、
脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ
(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキ
シドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレ
ンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合
体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体
などが挙げられる。また、脂肪族ポリエステルとして
は、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクト
ン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペートな
どが挙げられる。これらの脂肪族ポリエーテルおよび/
または脂肪族ポリエステルのなかで、得られるポリエス
テルブロック共重合体の弾性特性を考慮すると、ポリ
(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピ
レンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、
ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート
などが好ましい。
【0012】本発明に用いられるポリエステルブロック
共重合体の低融点重合体セグメント(B)の共重合量
は、好ましくは10〜90重量%、更に好ましくは15
〜75重量%の範囲である。特に10重量%未満では柔
軟性やゴム弾性が不足し、90重量%を越えると、結晶
性が低く成形性が悪くなる傾向にあるので好ましくな
い。
【0013】本発明で使用する前記ポリオレフィンワッ
クスは、数平均分子量50,000以下のポリオレフィ
ンが好ましく、製造法としてはα−オレフィンを原料と
して高圧法あるいは低圧法で重合したもの、一度高分子
量に重合したポリオレフィンを分解することによって低
分子量化されたものなどが挙げられる。さらに酸化など
の方法で分子中にカルボン酸基、水酸基を導入したり、
マレイン酸やエポキシ基含有化合物を反応させたり、不
飽和基を含有させたりしたいわゆる変性ポリオレフィン
ワックスも好ましい。ポリオレフィンワックスの原料で
あるα−オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、1
−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン等が挙げ
られ、2種以上のα−オレフィンを原料としてもよい
し、2種類以上併用してもよい。なかでも分子量30,
000以下のポリエチレンワックス、ポリプロピレンワ
ックス、ポリブチレンワックスが好ましく、特に好まし
くは分子量10,000以下、JISK5902測定法
による酸価(もしくは水酸基価)10以上である変性ポ
リエチレンワックスである。前記ポリオレフィンワック
スの分子量が50,000以上になるとポリエステルエ
ラストマとの相溶性に難があり成形品表面外観に悪影響
をもたらす傾向があるため好ましくない。
【0014】本発明で使用する前記フッ素樹脂粉体とし
ては、平均粒径が100μm以下のものが好ましく、更
に好ましくは50μm以下であり、見かけの凝集粒径、
分子量、分子構造などに特に制限はない。具体例として
ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、テト
ラフルオロエチレン−エチレン共重合体の粉砕微粉体や
重合時に微粉体を形成するものなどがあげられる。本発
明で使用する芳香族アミン系化合物としては次の化学構
造を持つ2級または3級アミンが好ましい。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】 (上記(I)式において、R1 ,R2 は少なくとも1つ
が芳香族炭化水素残基であり、残りは脂肪族炭化水素残
基である。 (II)式において、R3,R4,R5は少なく
とも1つが芳香族炭化水素残基であり、残りは脂肪族炭
化水素残基である。) 上記(I),(II)式で示される化合物の例としては、エ
チルアニリン、ジエチルアニリン、トリフェニルアミ
ン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、フェニ
ル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミ
ン、P, P' −ジオクチルジフェニルアミン、N, N'
−ジフェニル−P−フェニレンジアミン、4・4' −ビ
ス(4−α, α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン、4・4'−ビス(α−メチルベンジル)ジフェニル
アミン、4・4' −ビス(α−メチル−α−エチルベン
ジル)ジフェニルアミン、4−(α−メチルベンジル)
−4'−(α' −エチルベンジル)ジフェニルアミン等
が挙げられる。
【0017】本発明で使用するシリコーン樹脂粉体とし
ては、平均粒径が100μm以下のものが好ましく、更
に好ましくは50μm以下であり、見かけの凝集粒径、
分子量、分子構造、機械物性などに特に制限はない。具
体例としてジメチルポリシロキサンを主成分として三次
元的架橋が成された樹脂の粉砕微粉体や重合時に微粉体
を形成するものなどがあげられる。
【0018】上記の本発明で使用する化合物の添加量は
ポリエステルエラストマ100重量部に対し、0.00
1〜10重量部が必要であり、好ましくは0.01〜5
重量部である。0.001重量部未満ではカレンダーロ
ール粘着性、付着性の改良が充分でなく、10重量部を
越えるとポリエステルエラストマの機械的性質が損なわ
れる。
【0019】上記の化合物をポリエステルブロック共重
合体に添加する方法は特に限定されるものではなく、ポ
リエステルブロック共重合体に反応直後の溶融状態で混
合する方法、生成したポリエステルブロック共重合体チ
ップに添加し、加熱溶融混合する方法、カレンダー成形
加工直前にポリエステルブロック共重合体チップにドラ
イブレンドし、カレンダー成形加工プロセスに導入する
方法、カレンダー成形加工中の溶融または半溶融のシー
ト状態のポリエステルブロック共重合体に添加する方法
等が挙げられる。生成したポリエステルブロック共重合
体に溶融添加する場合その温度は、該ポリエステルブロ
ック共重合体の融点より10℃低い温度から280℃ま
でが望ましい。またその場合混合時間は、数秒から12
0分で、混合する温度や混合に使用する方法によって異
なる。
【0020】また本発明組成物は、本発明の目的を損な
わない範囲で、公知のヒンダードフェノール系、ホスフ
ァイト系、チオエーテル系などの酸化防止剤、ベンゾフ
ェノン系、ヒンダードアミン系などの耐候剤、エポキシ
化合物やイソシアネート化合物などの増粘剤、シリコー
ンオイル、ステアリン酸金属塩、モンタン酸金属塩、モ
ンタン酸エステルワックスなどの成形離型剤、染料や顔
料などの着色剤、酸化チタン、カーボンブラックなどの
紫外線遮断剤、ガラス繊維やカーボンファイバー、チタ
ン酸カリファイバーなどの強化剤、シリカ、クレー、炭
酸カルシウム、硫酸カルシウム、ガラスビーズなどの充
填剤、タルクなどの核剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、蛍
光剤、防黴殺菌剤、架橋剤、界面活性剤などを任意に含
有せしめることができる。
【0021】これらの添加剤や充填剤は、あらかじめポ
リエステルブロック共重合体に配合していても良い
し、本発明組成物形成時に共にポリエステルブロック共
重合体に配合しても良いし、あるいは本発明組成物形成
後に添加してもよい。
【0022】
【作用】本発明組成物を用いてカレンダー成形加工を実
施した場合、ロールとの粘着防止性、付着防止性が良好
で、さらに、成形品の表面外観に優れているほか、機械
的性質が良好である。
【0023】
【実施例】以下に実施例によって本発明の効果を説明す
る。なお、実施例中の%および部とは、ことわりのない
場合すべて重量基準である。実施例、比較例中に示され
る物性は次のように測定した。 融点:DSC法で測定した。
【0024】硬度(ショアDスケール):ASTM K
−7215に従って測定した。 溶融粘度指数(MFR値):ASTM D−1238に
従って、温度200℃、荷重2160gで測定した。 カレンダー加工試験:日本ロール(株)製8インチ、2
本ロールを用いポリエステルブロック共重合体ペレット
と所定のカレンダー加工性改良剤をドライブレンドする
か、場合によってはあらかじめ溶融混合し、ペレット化
した原料をロール間に投入し、ロールに粘着するまでの
時間(ロール滑性保持時間)を測定した。
【0025】また20分後のロールからの剥離性を5段
階で評価した。剥離性“5”はほとんど抵抗なく剥離可
能で、一般の塩化ビニルと全く遜色ないレベルを意味す
る。“4”は“5”よりやや劣る。3は量産には困難と
思われる。“2”はカレンダー加工困難と思われる剥離
不良。“1”は剥離できないことを意味する。成形品の
外観:上記カレンダー加工試験500μm厚シートの表
面状態を目視で判定した。
【0026】引張破断強伸度:上記カレンダー成形試験
500μm厚シートのJIS−2号45%打ち抜き片を
用い歪率400%で測定した。 耐油性:上記引張試験と同サンプルでJIS−3号オイ
ルに120℃、300時間浸漬し、同測定法で破断伸度
保持率で示した。 参考例 ポリエステルエラストマ(A−1)の重合 ジメチルテレフタレート194部、数平均分子量約10
00のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール26
5.4部およびテトラメチレングリコール69.6部を
チタンテトラブトキシド0.10部と共にヘリカルリボ
ン攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃
で2時間加熱して、理論メタノール量の95%のメタノ
ールを系外に留出した。反応混合物に“イルガノック
ス”1010(ヒンダードフェノール系耐熱剤CIBA
−GEIGY社製)0.5部を添加した後、245℃に
昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの
減圧とし、その条件下で2時間重合を行なった。得られ
たポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティング
を行なってペレットとした。このポリマをA−1とす
る。
【0027】ポリエステルエラストマ(A−2)の重合 ジメチルテレフタレート155.2部、ジメチルイソフ
タレート38.8部、エチレンオキサイドで末端をキャ
ッピングしたポリ(プロピレンオキサイド)グリコール
(数平均分子量約2200,EO含量26.8%)29
0部およびテトラメチレングリコール82.2部をチタ
ンテトラブトキシド0.10部およびトリメリット酸無
水物2部と共にヘリカルリボン攪拌翼を備えた反応容器
に仕込み、210℃で2時間加熱して、理論メタノール
量の95%のメタノールを系外に留出した。反応混合物
に“イルガノックス”1010 0.5部を添加した後、
245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を
0.2mmHgの減圧とし、その条件下で2時間重合を行な
った。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、
カッティングを行なってペレットとした。このポリマを
A−2とする。
【0028】ポリエステルエラストマ(A−3)の重合 テレフタル酸100部、1,4−ブタンジオール110
部、テトラブチルチタネート0.1部を精留塔およびヘ
リカルリボン攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、攪拌し
ながら反応水を留出させ、窒素雰囲気下常圧、2時間エ
ステル化反応させた後、反応物を重合缶に移液し、25
0℃、系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下
で2時間重合を行なわせた。得られたポリマを水中にス
トランド状で吐出し、カッティッグを行なって相対粘度
1.47、融点225℃のポリブチレンテレフタレート
を得た。該ポリブチレンテレフタレートとε−カプロラ
クトンをそれぞれ900g/hr、1700g/hrで、内
径30mmφ、L/D=40、中間部と先端部に長さ20
0mmの混練ユニットを有するスクリューを備えた単軸押
し出し機の最後部供給口に供給し、シリンダー中間部の
機設定温度を240℃、スクリュー回転数30rpm で付
加重合反応を行なった。次に、ダイスからポリマをスト
ランド状で吐出し、カッティッグを行なってペレットと
した。該ペレット100部、トリフェニルホスフィン
0.1部を内径30mmφ、L/D=40でフルフライト
スクリューを備えたベント付き単軸押し出し機を使用し
て、ベント口の真空度10mmHg、押し出し温度200
℃、スクリュー回転数60rpm で混練し、脱ε−カプロ
ラクトンと触媒失活を行ない、ダイスからポリマをスト
ランド状で吐出し、カッティッグを行なってペレットと
した。このポリマーをA−3とする。
【0029】表1にA−1、A−2、A−3の組成と物
性を示す。
【表1】 実施例1〜9 参考例で得られたポリエステルエラストマA−1に、ポ
リオレフィンワックスの例として表2に示す(B−1−
1)〜(B−1−3)、フッ素樹脂粉体として(B−2
−1)、(B−2−2)、芳香族アミン系化合物として
(B−3−1)、(B−3−2)、シリコーン樹脂粉体
として(B−4−1)、(B−4−2)を表3に示す割
合でドライブレンドし、前記カレンダー加工試験をロー
ル温度165℃で実施した。使用した化合物を表2に、
実施例1〜9の各評価結果を表3に示す。 比較例1〜7 参考例A−1のポリマ、およびA−1のポリマに表2に
示す公知の化合物(C−1)〜(C−6)を表3に示す
割合でドライブレンドしたものを実施例1と同様の方法
で評価した。
【0030】さらに表2の(E)(塩化ビニル樹脂)に
(C−2)1%をドライブレンドしたものをロール温度
160℃で実施した。比較例1〜7の各評価結果を表3
に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】 実施例10〜13 参考例で得られたポリエステルエラストマA−1に、実
施例1〜9で使用した添加剤のうち(B−1−2)、
(B−2−1)、(B−3−1)、(B−4−1)を
3.0重量部以上の割合であらかじめV−ブレンダーで
混合し、45mmφのスクリューを有する二軸押出機を用
い190℃で溶融混練しペレット化し、同様の評価を行
なった。
【0033】実施例10〜13の各評価結果を表4に示
す。 比較例8,9 参考例A−1のポリマ、およびA−1のポリマに表2に
示す公知の(C−1)〜(C−5)を実施例10〜13
と同様の方法で評価した。各評価結果を表4に示す。
【0034】
【表4】 実施例14〜18 参考例で得られたポリエステルエラストマA−1に、表
2に示す異なる化合物類を表5に示す組み合わせで2種
類以上を併用して実施例1〜9と同様の評価を行なっ
た。
【0035】実施例14〜18の各評価結果を表5に示
す。 比較例9、10 参考例A−1のポリマに表2に示す公知の化合物(C−
1)と(C−2)を併用したもの、(C−1)と(C−
3)を併用したものを実施例14〜18と同様の方法で
評価した。評価結果を表5に示す。
【0036】
【表5】 実施例19〜26 参考例で得られたポリエステルエラストマA−1の代わ
りにA−2およびA−3を用いた以外は実施例1〜9と
同様の実験を行い、評価を行なった。
【0037】但し、カレンダー加工試験はA−2はロー
ル温度152℃、A−3は170℃で実施した。結果を
表6に示す。 比較例11,12 参考例A−2のポリマ、および同A−3のポリマを実施
例19〜26と同様の方法で評価した。
【0038】評価結果を表6に示す。
【表6】 表3の結果から、本発明組成物が少割合の化合物の添加
により著しくカレンダー成形加工性、特にロールによる
粘着性、付着性を改良する効果がみられ、しかも機械的
性質、表面外観のバランスが優れていることが明白であ
る。また表4の結果に示す様に、本発明組成物が化合物
の添加量を増やしても同様の結果が得られる。
【0039】表5の結果から、異なる化合物類を2種類
以上併用しても同様に良好な結果が得られる。さらに、
表6の結果からA−1のポリエステルエラストマと異な
るソフトセグメントを持つA−2、A−3においても前
記化合物を配合することによりロール粘着防止性を改良
する良好な効果が得られており、ポリエステルエラスト
マのソフトセグメント種によらず当該ポリエステルエラ
ストマのロール粘着防止性が大幅に改良されることが明
白である。
【0040】
【発明の効果】本発明はポリエステルブロック共重合体
に特定の化合物を溶融混合する事で塩化ビニル樹脂やE
VAと遜色のない良好なカレンダー加工性を有するポリ
エステルエラストマを得る事ができる。特にロールによ
る粘着性、付着性を著しく低減でき、さらに良好な表面
外観、機械的物性に優れたポリエステルエラストマシー
トまたはフィルムを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小澤 一雄 埼玉県草加市瀬崎町1150番地 勝田化工 株式会社内 (72)発明者 田中 利宏 愛知県名古屋市本星崎町字北3804−19 東レ・デュポン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−140261(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 C08L 67/00 - 67/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)主として高融点結晶性重合体セグ
    メント、(B)主として脂肪族ポリエーテル単位および
    /または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体
    セグメントを主たる構成成分とするポリエステルブロッ
    ク共重合体100重量部に対し、ポリオレフィンワック
    ス、フッ素樹脂粉体、芳香族アミン系化合物およびシリ
    コーン樹脂粉体から選ばれる少なくとも1種の化合物
    0.001〜10重量部を溶融混合してなるカレンダー
    加工用ポリエステルエラストマ組成物。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンワックスの数平均分子量
    が50,000以下である請求項1記載のカレンダー加
    工用ポリエステルエラストマ組成物。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィンワックスが変性ポリオレ
    フィンワックスである請求項2記載のカレンダー加工用
    ポリエステルエラストマ組成物。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィンワックスがJIS K5
    902測定法による酸価10以上である変性ポリオレフ
    ィンワックスである請求項3記載のカレンダー加工用ポ
    リエステルエラストマ組成物。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィンワックスが変性ポリエチ
    レンワックスである請求項1〜4のいずれかに記載のカ
    レンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物。
  6. 【請求項6】 フッ素樹脂粉体の平均粒径が100μm
    以下である請求項1記載のカレンダー加工用ポリエステ
    ルエラストマ組成物。
  7. 【請求項7】 芳香族アミン系化合物が芳香族2級また
    は3級アミン系化合物である請求項1記載のカレンダー
    加工用ポリエステルエラストマ組成物。
  8. 【請求項8】 シリコーン樹脂粉体の平均粒径が100
    μm以下である請求項1記載のカレンダー加工用ポリエ
    ステルエラストマ組成物。
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