JP2016069599A - 熱可塑性エラストマー組成物及びタッチペン - Google Patents
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Description
成分(A):ポリテトラメチレングリコール単位(PTMG単位)とポリブチレンテレフタレート単位(PBT単位)とを有し、PTMG単位とPBT単位の合計量に対してPTMG単位の含量が55〜70重量%であるブロック共重合体
成分(B):数平均分子量が500〜5,000であるポリエチレンワックス
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、下記成分(A)及び成分(B)を含み、かつ成分(A)100重量部に対し成分(B)を0.1〜1.5重量部含有するものである。成分(A):ポリテトラメチレングリコール単位(PTMG単位)とポリブチレンテレフタレート単位(PBT単位)とを有し、PTMG単位とPBT単位の合計量に対してPTMG単位の含量が55〜70重量%であるブロック共重合体
成分(B):数平均分子量が500〜5,000であるポリエチレンワックス
本発明に用いる成分(A)のブロック共重合体は、PTMG単位とPBT単位とを有し、PTMG単位とPBT単位の合計量に対しPTMG単位の含量が55〜70重量%であるブロック共重合体である。このブロック共重合体は、結晶性を有するPBT単位に基づくハードセグメントと、柔軟性を有するPTMG単位に基づくソフトセグメントとを有する。本発明の熱可塑性エラストマー組成物は成分(A)を所定量含むことにより、ポリカーボネート樹脂やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等との熱融着性、柔軟性等が良好となる。
21Nのメルトフローレート(以下、MFRと略記する。)が、100g/10分以下であることが好ましく、60g/10分以下であることがより好ましく、40g/10分以下であることが更に好ましい。また、成分(A)のブロック共重合体のMFRは通常、0.1g/10分以上である。ここで、上記のMFRはJIS K7210(1999年)による測定温度230℃、荷重21.1Nの条件により測定された値である。
本発明で用いる成分(B)のポリエチレンワックスは、数平均分子量(Mn)が500〜5,000のものである。本発明の熱可塑性エラストマー組成物は成分(B)を所定量含むことにより、離型性、耐摩耗性等が良好となる。
カラム :東ソー株式会社製TSKgel GMH6−HT (7.8mm×30cm×4本直列接続)
検出器 :示差屈折率検出器(RI/内臓)
溶媒 :ODCB特級
温度 :135℃
流速 :1.0mL/分
注入量 :500μL
濃度 :0.1重量%
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法 :ポリエチレン換算(汎用較正曲線法)
ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、前述した成分(A)、成分(B)以外の他の成分(本明細書において、単に「その他の成分」と称することがある。)を含有していてもよい。その他の成分としては、成分(A)、(B)以外の樹脂(本明細書においては単に「その他の樹脂」と称することがある。)や各種添加剤等が挙げられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、常法に従って、成分(A)、成分(B)、及び必要に応じて配合されるその他の成分等をドライブレンドした後、溶融混練することにより製造することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を成形することにより、種々の成形体として用いることができる。成形体の具体例としては、射出成形体、押出成形体、プレス成形体等が挙げられる。本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、通常の射出成形、押出成形、プレス成形等の各種成形方法を用いることができ、必要に応じて、ガスインジェクション成形、射出圧縮成形、ショートショット発泡成形等の各種成形方法を用いることにより、成形体とすることができる。本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、以上に挙げた成形方法の中でも射出成形に好適である。
別々に成形した成形体を熱融着して一体化することもできる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、その成形シートについて、ISO7619−1に準拠して測定されたデュロ硬度Dが36以下であることが柔軟性の観点から好ましい。デュロ硬度Dの下限については、耐摩耗性の点から26以上であることが好ましい。
以下の実施例及び比較例で使用した各原料成分は以下の通りである。
(実施例用)
A−1:ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体
PTMG単位の数平均分子量:1,000
PTMG単位の含量:60重量%
結晶化ピーク温度:89℃
デュロ硬度D:32
MFR(測定温度:230℃、荷重:21N):25g/10分
(比較例用)
a−1:ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体
PTMG単位の数平均分子量:2,000
PTMG単位の含量:72重量%
結晶化ピーク温度:77℃
デュロ硬度D:24
MFR(測定温度:230℃、荷重:21N):25g/10分
a−2:ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体
PTMG単位の数平均分子量:1,000
PTMG単位の含量:52重量%
結晶化ピーク温度:113℃
デュロ硬度D:38
MFR(測定温度:230℃、荷重:21N):25g/10分
(実施例用)
B−1:ポリエチレンワックス
三井化学株式会社製 ハイワックス(登録商標)100P
重合型高密度タイプ
数平均分子量:690
B−2:ポリエチレンワックス
三井化学株式会社製 ハイワックス(登録商標)220P
重合型低密度タイプ
数平均分子量:1,300
B−3:ポリエチレンワックス
三井化学株式会社製 ハイワックス(登録商標)400P
重合型高密度タイプ
数平均分子量:2,300
B−4:ポリエチレンワックス
三井化学株式会社製 ハイワックス(登録商標)NL800
分解型低密度タイプ
数平均分子量:2,200
(比較例用)
b−1:ポリエチレンワックス
三井化学株式会社製 ハイワックス(登録商標)800P
重合型高密度タイプ
数平均分子量:5,200
以下の実施例・比較例における熱可塑性エラストマー組成物の評価方法は以下の通りである。
成形シートを用いてJIS K7204に準拠してテーバー摩耗試験を実施した。摩耗輪H−18、荷重9.8N、回転数1000回転とし、試験前後の重量変化を測定して以下の基準で判定した。
○:重量変化が35mg未満のもの
△:重量変化が35mg以上40mg未満のもの
×:重量変化が40mg以上のもの
一次樹脂をポリカーボネート樹脂又はABS樹脂、二次樹脂を熱可塑性エラストマー組成物としてインサート成形にて積層体を取得した。ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製「ユーピロン(登録商標)H‐3000」)又はABS樹脂(テクノポリマー社製「テクノABS150」)は他の評価に使用した成形シートと同様に作製し、厚み2mmのポリカーボネート樹脂シート又はABS樹脂シートを取得した。そのポリカーボネート樹脂シート又はABS樹脂シートに端面から20mmの幅で銀粉入りのラッカースプレーを塗布して乾燥させた。このポリカーボネート樹脂シート又はABS樹脂シートをスプレー塗布部が流動末端になるように厚み3mmの金型にインサートし、シリンダー温度230℃、金型温度60℃で熱可塑性エラストマー組成物を射出成形して
、熱可塑性エラストマー組成物が厚み1mmで融着した積層体を取得した。この積層体を流動方向に平行に25mm幅の切込みを入れ、引張試験機を用いて90度剥離試験(テストスピード200mm/分)を実施し、剥離強度を測定し、以下の基準で判定した。
○:PC樹脂積層体の融着強度が200N/25mm以上かつABS樹脂積層体の融着強度が100N/25mm以上であるもの
△:PC樹脂積層体の融着強度が200N/25mm以上かつABS樹脂積層体の融着強度が100N/25mm未満であるもの又はPC樹脂積層体の融着強度が200N/25mm未満かつABS樹脂積層体の融着強度が100N/25mm以上であるもの
×:PC樹脂積層体の融着強度が200N/25mm未満かつABS樹脂積層体の融着強度が100N/25mm未満であるもの
インラインスクリュ式射出成形機にてシリンダー温度180〜210℃、金型温度30℃で120mm×120mm×2mmの成形シートを作製した際、以下の判定基準で離型性を判定した。
○:金型を開いた際に、成形シートが金型の可動側に残ったもの
×:金型を開いた際に、成形シートが金型の固定側に残ったもの
成形シート及び融着強度試験用の積層体の外観について以下の基準で判定した。
○:成形シート及び融着強度試験用の積層体の表面に添加剤のブリードや表層剥離がないもの
×:成形シート及び融着強度試験用の積層体のいずれかの表面に添加剤のブリードや表層剥離があるもの
得られた成形シートを使用し、ISO7619−1に準拠して、デュロ硬度Dを測定した。タッチペンとして用いるためには柔軟性、耐摩耗性のバランスが良いことが好ましく、以下の基準で判定した。
○:デュロ硬度Dが26以上36以下であるもの
×:デュロ硬度Dが26未満又は36超過であるもの
表−1に示す配合で原料を混合し、得られた混合物を二軸混練機によりシリンダー温度130〜240℃で溶融混練し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。得られたペレットを用いて前記の方法により融着強度及び融着強度試験用の積層体の外観を評価し、その結果を表−1に示した。また、得られたペレットをインラインスクリュ式射出成形機にて、シリンダー温度210℃、金型温度30℃で射出成形し、縦120mm、横120mm、厚み2mmのシートを取得した。その際に離型性の評価を行い、また、このシートを用いて耐摩耗性、外観及び柔軟性を評価し、これらの結果を表−1に示した。
表−1より、成分(A)として「A−1」及び成分(B)として「B−1」〜「B−4」のいずれかを用い、これらを所定量配合した実施例1〜7では、耐摩耗性、熱融着性、離型性、外観及び柔軟性に優れることがわかる。
Claims (6)
- 下記成分(A)及び成分(B)を含み、かつ成分(A)100重量部に対し成分(B)を0.1〜1.5重量部含有する熱可塑性エラストマー組成物。
成分(A):ポリテトラメチレングリコール単位(PTMG単位)とポリブチレンテレフタレート単位(PBT単位)とを有し、PTMG単位とPBT単位の合計量に対してPTMG単位の含量が55〜70重量%であるブロック共重合体
成分(B):数平均分子量が500〜5,000であるポリエチレンワックス - 成分(A)の結晶化ピーク温度が80〜110℃である、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 成分(A)におけるPTMG単位の数平均分子量(Mn)が500〜1,500である、請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 成分(A)のデュロ硬度Dが26〜36である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる成形体。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物をペン先に用いてなるタッチペン。
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JP2014203245A JP2016069599A (ja) | 2014-10-01 | 2014-10-01 | 熱可塑性エラストマー組成物及びタッチペン |
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---|---|---|---|---|
JPH03229752A (ja) * | 1990-02-02 | 1991-10-11 | Du Pont Toray Co Ltd | ポリエステルエラストマ組成物 |
JPH07278418A (ja) * | 1994-04-08 | 1995-10-24 | Maruyama Kogyo Kk | カレンダー加工用ポリエステルエラストマ組成物 |
JP2013222375A (ja) * | 2012-04-18 | 2013-10-28 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 情報入力用ペン |
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2014
- 2014-10-01 JP JP2014203245A patent/JP2016069599A/ja active Pending
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