JP5386876B2 - ペースト加工用塩化ビニル系樹脂及びその製造方法 - Google Patents
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Description
ペースト加工用塩化ビニル系樹脂100重量部、ジオクチルフタレート45重量部(株式会社ジェイプラス製)、炭酸カルシウム(BF−600 備北粉化工業株式会社製)70重量部、酸化チタン粉末(R−650 堺化学工業株式会社製)15重量部、アゾジカルボンアミド4.5重量部(AZH−25 大塚化学株式会社製)、液状安定剤3.0重量部(FL100 株式会社ADEKA製)、希釈剤(エクソールD40 エクソンモービル有限会社製)15重量部からなるペースト塩ビゾルを、粘弾性測定装置を用いて定常流動測定した時のせん断速度12500sec−1における第一法線応力差を測定する。
以下に実施例より得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂の評価方法を示す。
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、商品名LA−920)を使用し、屈折率1.3の条件にて2回測定し、その平均値を平均粒子径とした。
200ml三角フラスコに塩化ビニル系樹脂固形分で1gとなるように油溶性開始剤含有種粒子ラテックスを秤量し、ベンゼン20ml、イソプロピルアルコール80ml、10%酢酸溶液20ml、10%ヨウ化カリウム水溶液20mlを添加した。該三角フラスコに五球コンデンサを付設し、スターラーで攪拌しながら15分間加熱し、冷却後、1/100Nチオ硫酸ナトリウムで滴定した。
(式中、Aは油溶性開始剤を含む種粒子ラテックス中の開始剤のモル数を示し、V1はサンプルの1/100Nチオ硫酸ナトリウムの滴定量(ml)を示し、V2はブランクの1/100Nチオ硫酸ナトリウムの滴定量(ml)を示し、Nは1/100Nチオ硫酸ナトリウムの規定度を示す。)
塩化ビニル系樹脂中の開始剤含有量(%)=A/W×398×100 式(2)
(式中、Aは油溶性開始剤を含む種粒子ラテックス中の開始剤のモル数を示し、Wは油溶性開始剤を含む種粒子ラテックスの固形分(g)を示す。)
<ゾルの調製>
ペースト加工用塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、ジオクチルフタレート45重量部(株式会社ジェイプラス製)、炭酸カルシウム(BF−600 備北粉化工業株式会社製)70重量部、酸化チタン粉末(R−650 堺化学工業株式会社製)15重量部、アゾジカルボンアミド4.5重量部(AZH−25 大塚化学株式会社製)、液状安定剤3.0重量部(FL100 株式会社ADEKA製)、希釈剤(エクソールD40 エクソンモービル有限会社製)15重量部を配合し、T.K.ホモディスパー(特殊機化工業製)を用い、2000rpmで3分間混練し、ゾルを調製した。
粘弾性測定装置(PhsycaMCR301 アントンパール社製)を用いて定常流動測定し、せん断速度12500sec−1における調製したゾルの第一法線応力差を測定した。
直径210mmのロールを有するテストコーター(平野金属製)を用い、ロールとナイフコーターの間隔が0.2mm、ロール表面とナイフコーターが垂直となるように配置し、ロール回転数が152rpmとなる条件で、調製したゾルを連続的に供給し、供給開始を0secとし、ナイフコーター裏面からゾル玉がコーティング面へ移行するまでの時間を測定した。
調製したゾルを、23℃で2時間放置した後、B8H型粘度計(ローターNo.5、20rpm、東京計器製)用い測定した。
調製したゾルを、23℃で2時間放置した後、キャピラリー粘度計(Rheosol−CR100 UBM社製)を用い、直径1.0mm、長さ24mmのノズルを用いて、せん断速度9600sec−1での粘度を測定した。
調製したゾルを、23℃で72時間放置した後、B8H型粘度計(ローターNo.5、20rpm、東京計器製)用い測定し、下記式(3)によって粘度経時安定性を求めた。
(式中、η72Hは、調製したゾルを23℃、72H放置後測定した粘度を示し、η2Hは、調製したゾルを23℃、2H放置後測定した粘度を示す。)
合成例1(油溶性開始剤を含む種粒子の製造例)
1m3オートクレーブ中に脱イオン水360kg、塩化ビニル単量体300kg、過酸化ラウロイル5.0kg及び15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液30kgを仕込み、この重合液を3時間ホモジナイザーを用いて循環し、均質化処理後、温度を45℃に上げて重合を進めた。圧力が低下した後、未反応の塩化ビニル単量体を回収し、平均粒子径0.55μm、かつポリマーを基準として2.0重量%の過酸化ラウロイルを含有するラテックス(以下、種粒子Aと略記する)を得た(表1に示す)。
1m3オートクレーブ中に脱イオン水360kg、塩化ビニル単量体300kg、過酸化ラウロイル10kg、15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液30kg及びドデシルメルカプタン1.5kgを仕込み、該重合液をホモジナイザーにより2時間循環し、均質化処理を行った後、温度を45℃に上げて重合反応を開始した。圧力が低下した後、未反応塩化ビニル単量体を回収し、平均粒子径0.60μm、かつポリマーを基準として3.3重量%の過酸化ラウロイルを含有するラテックス(以下、種粒子Bと略記する)を得た(表1に示す)。
1m3オートクレーブ中に脱イオン水400kg、塩化ビニル単量体350kg、16重量%ラウリン酸カリウム水溶液2kg及び16重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液5kgを仕込み、温度を54℃に上げて重合を進めた。そして、圧力が低下した後、未反応塩化ビニル単量体を回収し、平均粒子径0.15μm、かつ油溶性開始剤を含有しないラテックス(以下、種粒子Cと略記する)を得た(表1に示す)。
1m3オートクレーブ中に脱イオン水350kg、塩化ビニル単量体400kg、20重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2kg、種粒子Aを塩化ビニル単量体に対して2.5重量%、種粒子Bを塩化ビニル単量体に対して1.3重量%、種粒子Cを塩化ビニル単量体に対して7.5重量%、仕込み、この反応混合物の温度を64℃に上げて重合を開始した。重合開始してから重合終了までの間、塩化ビニル単量体に対してドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.7重量部を重合開始してから終了までの間、連続的に添加した。重合圧が64℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.65MPa降下した時に重合を停止し、未反応の塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系樹脂ラテックスを得た。重合時間は400min、平均粒子径は1.37μmであった。そして、得られた塩化ビニル系樹脂ラテックスを回転円盤式噴霧乾燥機を用い乾燥入口温度110℃、乾燥出口温度50℃で乾燥することによりペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は9000Pa、刃裏もれ時間は380secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
種粒子Aを塩化ビニル単量体に対して3.0重量%、種粒子Bを塩化ビニル単量体に対して0.5重量%としたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は470min、平均粒子径は1.38μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は9100Pa、刃裏もれ時間は340secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
種粒子Aを塩化ビニル単量体に対して4.0重量%、種粒子Bを塩化ビニル単量体に対して0.5重量%としたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は400min、平均粒子径は1.30μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は8900Pa、刃裏もれ時間は450secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
種粒子Aを塩化ビニル単量体に対して1.0重量%、種粒子Bを塩化ビニル単量体に対して2.8重量%としたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は330min、平均粒子径は1.41μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は9100Pa、刃裏もれ時間は330secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
種粒子Cを塩化ビニル単量体に対して10.0重量%としたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は400min、平均粒子径は1.31μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は8700Pa、刃裏もれ時間は800secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
種粒子Cを塩化ビニル単量体に対して15.0重量%としたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は400min、平均粒子径は1.28μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は8600Pa、刃裏もれ時間は1200secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
種粒子Cを塩化ビニル単量体に対して20.0重量%としたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は400min、平均粒子径は1.25μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は8900Pa、刃裏もれ時間は600secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
乾燥入口温度160℃、乾燥出口温度55℃で乾燥し、得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を粉砕処理したこと以外は実施例3と同様に行い、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は9100Pa、刃裏もれ時間は310secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
種粒子Aを塩化ビニル単量体に対して2.6重量%、種粒子Bを用いなかったこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は600min、平均粒子径は1.46μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表3に示す。第一法線応力差は9300Pa、刃裏もれ時間は240secであり、刃裏もれが発生し易く、劣るものであった。
種粒子Bを塩化ビニル単量体に対して3.1重量%、種粒子Aを用いなかったこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は360min、平均粒子径は1.50μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表3に示す。第一法線応力差は9500Pa、刃裏もれ時間は200secであり、刃裏もれが発生し易く、劣るものであった。
種粒子Aを塩化ビニル単量体に対して1.3重量%、種粒子Bを塩化ビニル単量体に対して0.7重量%としたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は600min、平均粒子径は1.57μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表3に示す。第一法線応力差は9600Pa、刃裏もれ時間は150secであり、刃裏もれが発生し易く、劣るものであった。
種粒子Aを塩化ビニル単量体に対して3.9重量%、種粒子Bを塩化ビニル単量体に対して2.1重量%としたこと以外は実施例1と同様に行った、凝集によりラテックスは得られなかった。
種粒子Cを用いなかったこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は400min、平均粒子径は1.38μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表3に示す。第一法線応力差は22000Pa、刃裏もれ時間は10secであり、刃裏もれが極めて発生し易く、劣るものであった。
種粒子Cを塩化ビニル単量体に対して3.5重量%としたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は400min、平均粒子径は1.36μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表3に示す。第一法線応力差は11200Pa、刃裏もれ時間は60secであり、刃裏もれが極めて発生し易く、劣るものであった。
乾燥入口温度160℃、乾燥出口温度55℃で乾燥し、得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を粉砕処理したこと以外は比較例1と同様に行い、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表3に示す。第一法線応力差は9500Pa、刃裏もれ時間は90secであり、刃裏もれが極めて発生し易く、劣るものであった。
過酸化ラウロイルを4.7kgとした以外は、合成例1と同様に行い、平均粒子径0.55μm、かつポリマーを基準として1.7重量%の過酸化ラウロイルを含有するラテックス(以下、種粒子Dと略記する)を得た(表1に示す)。
種粒子Aの代わりに、種粒子Dを用いたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は410min、平均粒子径は1.37μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は9000Pa、刃裏もれ時間は370secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
種粒子Dを塩化ビニル単量体に対して1.3重量%、種粒子Bを塩化ビニル単量体に対して2.5重量%としたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は350min、平均粒子径は1.40μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は9100Pa、刃裏もれ時間は330secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
過酸化ラウロイルを6.0kgとした以外は、合成例1と同様に行い、平均粒子径0.55μm、かつポリマーを基準として2.1重量%の過酸化ラウロイルを含有するラテックス(以下、種粒子Eと略記する)を得た(表1に示す)。
種粒子Aの代わりに、種粒子Eを用いたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は380min、平均粒子径は1.37μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は9000Pa、刃裏もれ時間は390secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
種粒子Eを塩化ビニル単量体に対して1.3重量%、種粒子Bを塩化ビニル単量体に対して2.5重量%としたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は330min、平均粒子径は1.38μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は9100Pa、刃裏もれ時間は340secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
過酸化ラウロイルを10.7kgとした以外は、合成例2と同様に行い、平均粒子径0.60μm、かつポリマーを基準として3.5重量%の過酸化ラウロイルを含有するラテックス(以下、種粒子Fと略記する)を得た(表1に示す)。
種粒子Bの代わりに、種粒子Fを用いたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は390min、平均粒子径は1.37μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は9000Pa、刃裏もれ時間は390secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
種粒子Aを塩化ビニル単量体に対して1.3重量%、種粒子Fを塩化ビニル単量体に対して2.5重量%としたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は330min、平均粒子径は1.38μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表2に示す。第一法線応力差は9100Pa、刃裏もれ時間は350secであり、刃裏もれが発生しにくく優れるものであった。
過酸化ラウロイルを7.4kgとした以外は、合成例1と同様に行い、平均粒子径0.55μm、かつポリマーを基準として2.5重量%の過酸化ラウロイルを含有するラテックス(以下、種粒子Gと略記する)を得た(表1に示す)。
種粒子Aの代わりに、種粒子Gを塩化ビニル単量体に対して1.3重量%、種粒子Bを塩化ビニル単量体に対して1.7重量%用いたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は400min、平均粒子径は1.47μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表3に示す。第一法線応力差は9400Pa、刃裏もれ時間は230secであり、刃裏もれが発生し易く、劣るものであった。
過酸化ラウロイルを12.5kgとした以外は、合成例2と同様に行い、平均粒子径0.60μm、かつポリマーを基準として4.2重量%の過酸化ラウロイルを含有するラテックス(以下、種粒子Hと略記する)を得た(表1に示す)。
種粒子Aを塩化ビニル単量体に対して1.3重量%、種粒子Bの代わりに種粒子Hを塩化ビニル単量体に対して1.7重量%用いたこと以外は実施例1と同様に行い、塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂を得た。重合時間は390min、平均粒子径は1.47μmであった。得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂を用いてゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表3に示す。第一法線応力差は9400Pa、刃裏もれ時間は220secであり、刃裏もれが発生し易く、劣るものであった。
ペースト加工用塩ビニル樹脂:PQ−B83(新第一塩ビ製)を用い、ゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表3に示す。第一法線応力差は9300Pa、刃裏もれ時間は220secであり、刃裏もれが発生し易く、劣るものであった。
ペースト加工用塩ビニル樹脂:PSL675(カネカ製)を用い、ゾルを作製し、ゾル特性の評価を行った。その結果を表3に示す。第一法線応力差は10300Pa、刃裏もれ時間は90secであり、刃裏もれが極めて発生し易く、劣るものであった。
Claims (2)
- 塩化ビニル単量体単独または塩化ビニルを主体とする単量体混合物(以下本項において塩化ビニル系単量体と略記する)を、油溶性開始剤含有量が異なる2種類の種粒子で、その油溶性開始剤含有量の比(多い方の油溶性開始剤含有量/少ない方の油溶性開始剤含有量)=1.5〜2.0である油溶性開始剤を含む2種類の種粒子の混合物を塩化ビニル系単量体100重量部に対して3.0〜4.5重量部使用し、かつ、油溶性開始剤を含まない種粒子を塩化ビニル系単量体100重量部に対して5.0重量部以上使用して、界面活性剤の存在下、水性媒体中において播種微細懸濁重合することにより得られたペースト加工用塩化ビニル系樹脂であって、以下の第一法線応力差の測定方法で測定した第一法線応力差が9200Pa以下となることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系樹脂。
<第一法線応力差の測定方法>
ペースト加工用塩化ビニル系樹脂100重量部、ジオクチルフタレート45重量部(株式会社ジェイプラス製)、炭酸カルシウム(BF−600 備北粉化工業株式会社製)70重量部、酸化チタン粉末(R−650 堺化学工業株式会社製)15重量部、アゾジカルボンアミド4.5重量部(AZH−25 大塚化学株式会社製)、液状安定剤3.0重量部(FL100 株式会社ADEKA製)、希釈剤(エクソールD40 エクソンモービル有限会社製)15重量部からなるペースト塩ビゾルを、粘弾性測定装置を用いて定常流動測定した時のせん断速度12500sec−1における第一法線応力差を測定する。 - 塩化ビニル単量体単独または塩化ビニルを主体とする単量体混合物(以下本項において塩化ビニル系単量体と略記する)を、油溶性開始剤含有量が異なる2種類の種粒子で、その油溶性開始剤含有量の比(多い方の油溶性開始剤含有量/少ない方の油溶性開始剤含有量)=1.5〜2.0である油溶性開始剤を含む2種類の種粒子の混合物を塩化ビニル系単量体100重量部に対して3.0〜4.5重量部使用し、かつ、油溶性開始剤を含まない種粒子を塩化ビニル系単量体100重量部に対して5.0重量部以上使用して、界面活性剤の存在下、水性媒体中において播種微細懸濁重合することを特徴とする請求項1記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂の製造方法。
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