JP2613808B2 - ペースト用塩化ビニル共重合体の製造方法 - Google Patents

ペースト用塩化ビニル共重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はペースト用塩化ビニル共重合体の製造方法の
改良に関するものである。さらに詳しくいえば、本発明
は、塊状物の生成を抑制するとともに、分子量分布が狭
く、接着性能に優れたペースト用塩化ビニル共重合体を
効率よく製造する方法に関するものである。
[従来の技術] 近年、ペースト用塩化ビニル樹脂粉体は、そのペース
ト加工法が多様な用途への高い適合性を有することか
ら、世界的に需要が増加の傾向にある。
このペースト用塩化ビニル樹脂粉体は、平均粒子径0.
2〜3μm程度の真球に近い一次粒子が、二次的に数十
μmの粒子径に集合したものであって、通常は粉体状で
加工に供される。例えば可塑剤中に該ペースト用塩化ビ
ニル樹脂粉体を熱安定剤、充填剤、顔料その他の配合剤
と共に混合分散して、樹脂組成物、いわゆるプラスチゾ
ルを調製し、注型成形、スラッシュ成形、回転成形など
の型成形、ナイフコートやロールコートなどのスプレッ
ドコート成形、あるいはスクリーン塗布成形などの成形
法によって、最終成形品に加工される。
このようなペースト用塩化ビニル樹脂粉体に要求され
る重要な性質としては、(1)前記のプラスチゾル調製
に際し、樹脂粒子が低剪断速度で短時間に単位粒子に分
散すること、(2)加工時プラスチゾルなどのペースト
分散液が受ける広い範囲の剪断力、例えばスラッシュ、
回転、浸漬、キャスティング、スポンジ成形などにおけ
る低剪断力から、スプレッド(展延)、噴霧塗装などに
おける高剪断力の条件下において、流動性に優れ、容易
に加工成形ができること、(3)可塑性、希釈剤の量が
少なくても十分に流動性がよいこと、(4)ペースト分
散液粘度の経時変化が小さいこと、などを挙げることが
できる。
前記ペースト用塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル単独、
又は塩化ビニル及びこれと共重合可能な単量体とを、通
常微細懸濁重合法又は播種乳化重合法により重合又は共
重合させることにより、得られるが、一般に微細懸濁重
合法の方が多く用いられている。この微細懸濁重合法
は、触媒として油溶性触媒を用い、重合開始前に単量体
油滴の粒径を均質化処理によって予め調節し、均質分散
重合させる方法である。
ところで、単量体として、塩化ビニル及びカルボキシ
ル基含有単量体を用い、これらを微細懸濁重合法によ
り、共重合させて、ペースト用塩化ビニル共重合体を製
造する場合、触媒と前記単量体を一括に仕込んで反応を
行うと、該カルボキシル基含有単量体の使用量が増える
に伴い、触媒量を多くする必要があり、通常塩化ビニル
単独重合の場合に比べて10〜20倍程度の触媒が必要とな
る。しかし、触媒量が多いと、プレミックス段階の重合
反応が起こりやすくなるので望ましくない。したがっ
て、触媒量を減らすために、まず水性媒体中に、界面活
性剤と、油溶性触媒と塩化ビニルとを仕込んで、プレミ
ックスし、ポモジナイザーで均質化処理して、油滴の粒
径を調節したのち、これを所定の温度まで昇温し、次い
でこれに該カルボキシル基含有単量体を連続的又は断続
的に添加する方法を用いることができるが、この場合で
も触媒量は塩化ビニル単独重合の場合に比べて5〜10倍
程度必要である。そのため、ホモジナイザーで均質化す
る前のプレミックスの段階で一部重合反応が起こり、そ
の結果均質化処理が不十分となり、反応初期に塊状物が
生成したり、得られる共重合体の粒径分布が広くなって
ペースト粘度が高くなるなど、好ましくない事態を招来
する。また、得られる共重合体の分子量分布が広くなり
接着性能に劣るなどの問題が生じる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、塩化ビニル及びこれと共重合可能なカルボ
キシル基含有単量体を微細懸濁重合法により、共重合さ
せてペースト用塩化ビニル共重合体を製造するに際し、
塊状物の生成を抑制するとともに、分子量分布が狭く、
接着性能に優れたペースト用塩化ビニル共重合体を効率
よく製造する方法を提供することを目的としてなされた
ものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を
重ねた結果、油溶性触媒と単量体とをプレミックスする
際に、重合禁止剤を所定を割合で添加することにより、
その目的を達成しうることを見い出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、塩化ビニル及びこれと共重合可
能なカルボキシル基含有単量体を必須原料として用い、
微細懸濁重合法により共重合させてペースト用塩化ビニ
ル共重合体を製造するに当たり、プレミックス時に単量
体全重量に対し、重合禁止剤を10〜200ppmの割合で添加
することを特徴とするペースト用塩化ビニル共重合体の
製造方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法においては、必須原料単量体として塩化ビ
ニル及びこれと共重合可能なカルボキシル基含有単量体
を用いるが、所望に応じ、さらに他の単量体を用いても
よい。
前記カルボキシル基含有単量体としては、例えばアク
リル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、ケ
イ皮酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、無
水イタコン酸などの不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカ
ルボン酸及びその酸無水物、さらにはマレイン酸モノア
ルキルエステル、フマール酸モノアルキルエステル、イ
タコン酸モノアルエキルエステルなどの不飽和ジカルボ
ン酸モノアルキルエステルなどが挙げられる。該不飽和
ジカルボン酸モノアルキルエステルにおけるアルキル基
としては、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘ
キシル基などが挙げられる。これらのカルボキシル基含
有単量体は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
また、所望に応じて用いられる単量体としては、例え
ば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ミリスチン酸ビニ
ル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエ
ステル類、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、オクチル、シクロヘキシル、ベンジルエ
ステルなどの不飽和モノカルボン酸エステル類、マレイ
ン酸やフマール酸のジメチル、ジエチル、ジプロピル、
ジブチル、ジオクチル、ジシクロヘキシル、ジベンジル
エステルなどの不飽和ジカルボンジエステル類、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニ
ルエーテルなどのビニルエーテル類、エチレン、プロピ
レン、ブテン−1、ペンテン−1などのオレフィン類、
スチレンやα−メチルスチレンなどの芳香族モノビニル
化合物、アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどの
シアン化ビニル化合物、さらには塩化ビニリデンなどが
挙げられる。これらの所望に応じて用いられる単量体は
1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。
本発明方法においては、重合形式として微細懸濁重合
法が用いられる。この微細懸濁重合法においては、触媒
として油溶性のラジカル開始剤が使用され、この油溶性
のラジカル開始剤としては、例えばジベンゾイルペルオ
キシド、ジ−3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキ
シド、ジラウロイルペルオキシドなどのジアシルペルオ
キシド類、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、
ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−
エチルヘキシルペルオキシジカーボネートなどのペルオ
キシジカーボネート類、t−ブチルペルオキシピバレー
ト、t−ブチルペルオキシネオデカノエートなどのペル
オキシエステル類、あるいはアセチルシクロヘキシルス
ルホニルペルオキシド、ジサクシニックアシッドペルオ
キシドなどの有機過酸化物、さらには、2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチル
ブチロニトリル、2,2′−アゾビスジメチルバレロニト
リルなどのアゾ化合物などが挙げられる。これらの触媒
は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよく、その使用量は、単量体の種類、量及び仕込み方
式などによって適宜選ばれるが、通常使用単量体100重
量部当たり、0.001〜5.0重量部の範囲で選ばれる。
また、微細懸濁重合法においては、通常界面活性剤が
用いられる。この界面活性剤としては、例えばラウリル
硫酸エステルナトリウム、ミリスチル硫酸エステルナト
リウムなどのアルキル硫酸エステル塩類、ドデシルベン
ゼンスルコン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン
酸カリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホ
コハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸エステル塩
類、ラウリン酸アンモニウム、ステアリン酸カリウムな
どの脂肪酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エ
ステル塩類などのアニオン性界面活性剤類、ソルビタン
モノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステ
アレートなどのソルビタンエステル類、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエス
テル類などのノニオン性界面活性剤類、セチルピリジニ
ウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド
などのカチオン性界面活性剤などが挙げられ、これらは
1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よく、その使用量は、通常使用単量体100重量部当た
り、0.05〜5重量部、好ましくは0.2〜4.0重量部の範囲
で選ばれる。
本発明における微細懸濁重合法においては、まず、水
性媒体中に、前記油溶性触媒、単量体全量又はカルボキ
シル基含有単量体以外の単量体全量、前記界面活性剤及
び所望に応じて用いられる高級脂肪酸類や高級アルコー
ル類などの重合助剤、その他の添加剤を加え、ホモジナ
イザーにより均質化処理してプレミックスし、油滴の粒
径調節を行うが、この際、重合禁止剤を単量体全重量に
対し、10〜200ppmの割合で添加することが必要である。
この量が10ppm未満では塊状物が生成したり、得られる
共重合体の分子量分布が広くなり、本発明の目的が十分
に達せられないし、200ppmを超えると量の割には効果の
向上が認められず、むしろ重合に悪影響を及ぼす傾向が
みられる。
前記重合禁止剤としては、水溶性ラジカル重合禁止剤
が好ましく、例えばフェノール、カテコール、ヒドロキ
ノン、ピロガロール、アミノフェノール、N−ニトロソ
フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩(クペロ
ン)、ジチオジカルバミン酸ナトリウムなどを用いるこ
とができる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
また、前記均質化処理に用いられるホモジナイザーと
しては、例えばコロイドミル、振動攪拌機、二段式高圧
ポンプ、ノズルやオリフィスからの高圧噴出、超音波攪
拌などが挙げられる。さらに、油滴の粒径の調節は、均
質化処理時の剪断力の制御、重合中の攪拌条件、反応装
置の形式、界面活性剤や添加剤の量などにより影響され
るが、これらは簡単な予備実験により、適当な条件を選
択することができる。
次に、このようにして均質化処理された液は重合缶に
送られ、ゆっくりと攪拌しながら昇温し、通常30〜80℃
の範囲の温度において重合が行われる。この際、前記プ
レミックス時にカルボキシル基含有単量体を除外した場
合には、この単量体を重合缶に連続的又は断続的に滴下
して重合を行う。
このようにして、塊状物の生成がほとんどなく、平均
粒子径が0.2〜3μm程度の塩化ビニル共重合体微粒子
が均質に分散したラテックスが得られる。このラテック
スは用途によってはそのまま使用することも可能である
が、通常塩析又は噴霧乾燥などの公知の処理を行い、重
合体は固形物として取り出される。該重合体の分子量
は、目的に応じて反応温度や分子量調節剤により適宜調
節される。
このようにして得られたペースト用塩化ビニル共重合
体は分子量分布が狭く、ペースト分散液(プラスチゾル
やオルガノゾルなど)にした場合、接着性能が極めてよ
い。
[実施例] 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
実施例1 10のステンレス製オートクレーブに脱イオン水6000
g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6g、ラウリ
ルアルコール6g、ジイソプロピルペルオキシジカーボネ
ート2g、クペロン0.015g(50ppm)を仕込んで減圧脱気
したのち、塩化ビニル2400gを仕込み攪拌後エマルジョ
ンとした。この混合物をホモジナイザーで均質化したの
ち、別の脱気された10のオートクレーブに移し、40℃
に昇温して重合を開始した。重合開始後、モノメチルマ
レート600gを15時間にわたって一定速度で連続的に重合
中のオートクレーブに注入して重合を終了させた。未反
応の単量体を減圧回収したのち、反応液をスプレー乾燥
機により乾燥し、粉砕して樹脂を得た。
反応後にラテックス中に存在する重合体の塊状物の量
は0.10%(対仕込み単量体)、オートクレーブ缶壁の重
合体付着量は0.04%(対仕込み単量体)であった。
また、GPC法にて重合体の分子量分布を調べたとこ
ろ、Mw/Mnが1.92であった。
この重合体10重量部にジオクチルフタレート100重量
部、炭酸カルシウム1.50重量部を石川式らい潰機により
混合したのち、減圧脱泡処理を行ってプラスチゾルを得
た。このプラスチゾルを脱脂処理した亜鉛板に接着面積
20×25mm、厚み1.5mmとして塗布し、140℃で20分間加熱
し、接着強度測定用試験片を作成した。この試験片をTC
M500万能引張圧縮試験機を用いて、引張り速度200mm/mi
nの条件下で剪断剥離試験を行い、接着強度を測定する
とともに、試験片の破壊か所が層間剥離か凝集破壊かを
観察した。その結果、接着強度は36.3kgf/cm2で、70%
が凝集破壊であった。
実施例2 実施例1において、クペロンの量を150ppmに変えた以
外は、実施例1と同様にして実施した。
その結果、反応後にラテックス中に存在する塊状物の
量は0.04%(対仕込み単量体)、オートクレーブの缶壁
の付着物量は0.02%(対仕込み単量体)であり、分子量
分布Mw/Mnは1.91、接着強度は40.6kgf/cm2、凝集破壊は
80%であった。
実施例3 実施例1において、クペロンの量を20ppmに変えた以
外は、実施例1と同様にして実施した。
その結果、反応後にラテックス中に存在する塊状物の
量は0.13%(対仕込み単量体)、オートクレーブの缶壁
の付着物量は0.07%(対仕込み単量体)であり、分子量
分布Mw/Mnは2.13、接着強度は34kgf/cm2で、65%が凝集
破壊であった。
実施例4 実施例1において、クペロンの代わりにジチオジカル
バミン酸ナトリウムを200ppm用いた以外は、実施例1と
同様にして実施した。
その結果、反応後にラテックス中に存在する塊状物の
量は0.11%(対仕込み単量体)、オートクレーブの缶壁
の付着物量は0.06%(対仕込み単量体)であり、分子量
分布Mw/Mnは2.05、接着強度は35kgf/cm2で、70%が凝集
破壊であった。
実施例5〜8 実施例1〜4における塩化ビニルの使用量を2600gに
変え、かつモノメチルマレートの使用量を400gに変えた
以外は、それぞれ実施例1〜4と同様にして実施した。
その結果を第1表に示す。
なお、実施例5は実施例1、実施例6は実施例2、実
施例7は実施例3、実施例8は実施例4に対応する。
比較例1 実施例1において、クペロンを用いなかったこと以外
は、実施例1と同様にして実施した。
その結果、反応後にラテックス中に存在する塊状物の
量は1.36%(対仕込み単量体)、オートクレーブの缶壁
の付着物量は1.23%(対仕込み単量体)であり、実施例
1の10倍以上の量であった。
また、GPC法による分子量分布の測定ではMw/Mnは2.66
であり、実施例1に比べ分布がかなり拡がっていた。
さらに、接着強度は26kgf/cm2と小さく、かつ100%層
間剥離を起こしていた。
比較例2 実施例1において、クペロンを用いず、ジイソプロピ
ルペルオキシジカーボネートの量を0.12gに減らし、か
つモノメチルマレートの代わりに塩化ビニルを用いた以
外は、実施例1と同様にして実施した。
その結果、反応後にラテックス中に存在する塊状物の
量は0.10%(対仕込み単量体)、オートクレーブの缶壁
の付着物量は0.03%(対仕込み単量体)であり、実施例
1と同様の結果であった。
また、分子量分布Mw/Mnは2.02であり、これも実施例
1と同様であった。
なお、接着強度についてははるかに弱く、層間剥離を
起こし、接着性はない。
比較例3 比較例1において、塩化ビニルの使用量を2600gに変
え、かつモノメチルマレートの使用量を400gに変えた以
外は、比較例1と同様にして実施した。
その結果、反応後にラテックス中に存在する塊状物の
量は1.13%(対仕込み単量体)、オートクレーブの缶壁
の付着物量は1.19%(対仕込み単量体)であり、分子量
分布Mw/Mnは2.78、接着強度は19.8kgf/cm2で、凝集破壊
量は0%であった。
実施例9 実施例1において、塩化ビニル2400gを塩化ビニル200
0g及びプロピオン酸ビニル400gとした以外は、実施例1
と同様にして実施した。
その結果、反応後にラテックス中に存在する塊状物の
量は0.05%(対仕込み単量体)、オートクレーブの缶壁
の付着物量は0.03%(対仕込み単量体)であり、分子量
分布Mw/Mnは2.10、接着強度は40.5kgf/cm2で、90%が凝
集破壊であった。
実施例10 実施例1において、塩化ビニル2400gを塩化ビニル210
0g及び酢酸ビニル300gとした以外は、実施例1と同様に
して実施した。
その結果、反応後にラテックス中に存在する塊状物の
量は0.06%(対仕込み単量体)、オートクレーブの缶壁
の付着物量は0.03%(対仕込み単量体)であり、分子量
分布Mw/Mnは2.02、接着強度は38.3kgf/cm2で、90%が凝
集破壊であった。
[発明の効果] 本発明によると、ラテックス中に塊状物の生成がほと
んどなく、かつオートクレーブ缶壁に付着物がほとんど
生成しない上、分子量分布が狭く、接着性能に優れたペ
ースト用塩化ビニル共重合体を効率よく製造することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−64805(JP,A) 特開 平2−91102(JP,A) 特開 昭64−66206(JP,A) 特開 昭48−89990(JP,A) 特公 昭60−50366(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル及びこれと共重合可能なカルボ
    キシル基含有単量体を必須原料として用い、微細懸濁重
    合法により共重合させてペースト用塩化ビニル共重合体
    を製造するに当たり、プレミックス時に単量体全重量に
    対し、重合禁止剤を10〜200ppmの割合で添加することを
    特徴とするペースト用塩化ビニル共重合体の製造方法。
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