JP3645406B2 - ペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスに関する。詳しくは、本発明は機械的安定性の良いラテックスの得られる重合反応条件を採用することにより低粘度のペーストを与えることのできるペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
ペースト加工用塩化ビニル重合体を得る目的で、塩化ビニルの乳化重合が行われる。塩化ビニルの乳化重合は、水を分散媒、アニオン性又はノニオン性界面活性剤を乳化剤、水溶性の過酸化物を重合開始剤として用い、冷却ジャケット付き耐圧重合器中で比較的緩徐な撹拌を行いつつ、界面活性剤の作用によって塩化ビニル単量体を微細な液滴に乳化させ、単量体を包む界面活性剤ミセル層内で重合を進め、微小球形重合体を含有するラテックスを得るものである。
乳化重合法よりも更に大きい粒径を有する粒子のラテックスを得るために、予め乳化重合で得られたラテックス粒子を種子として用い、乳化剤量をポリマー粒子の全表面積をカバーするのに必要な理論量の20〜60%に保ちつつ重合することにより、新たな微小粒子の生成を防ぎつつ種子粒子のみを太らせるための被覆重合を行う播種乳化重合が行われている。
また、ペースト加工用重合体(ペーストレジン)を得る別の方法としては、水を分散媒とし、単量体、界面活性剤、油溶性の重合開始剤等の混合物を、ホモジナイザ等を用いて微細な液滴に乳化分散させたのち重合する微細懸濁重合や、微細懸濁重合で得られた重合体の懸濁液を種子粒子として更に被覆重合を行う播種微細懸濁重合等も行われている。
【0003】
ペーストレジンをこれらの乳化重合、播種乳化重合、微細懸濁重合または播種微細懸濁重合により製造するに当っては、生産性向上のためにしばしばモノマー/水比を上げたり、反応速度を上げたり、撹拌速度を上昇することがなされている。また、重合器には仕込まれた内容物を反応温度にまで昇温する時間を短縮するために仕込みの水やモノマーを予めある程度加温しておく方法も採用されることがある。このような種々の反応調節に際し、重合反応後乾燥して得られるペーストレジンの最も基本的な特性である、一定部数の可塑剤との混練により調製されるペースト(プラスチゾル)の粘度がしばしば高くなるという問題が起こる。また、特定の目的のもとで実験設備を用いて品質設計された新たな重合処方を、スケール・アップして本生産設備の重合器で重合したところ、得られたペーストレジンが期待値より高いペースト粘度を示すことが時として起こる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、こうしたペーストレジンの生産工程における様々な工程変動に際して、品質設計値のペースト粘度の実現を維持するための簡便な管理手法を提供することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、重合反応終了段階のラテックスが一定の機械的安定性を有すれば一定の低粘度のペーストを与える塩化ビニル系重合体が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
1)乳化重合、播種乳化重合、微細懸濁重合または播種微細懸濁重合によりペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスを製造する方法において、目標ペースト粘度のペーストレジンの供給が実現できるラテックスの指標として、重合終了時のラテックスの機械的安定性が1kW・H/m 3 以上という指標を用いることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法、および、
2)目標ペースト粘度が3,000cps以下である上記1記載のペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法、を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、塩化ビニル又は塩化ビニル及びこれと共重合し得るエチレン系不飽和単量体の乳化重合、播種乳化重合、微細懸濁重合及び播種微細懸濁重合により実施される。本発明を塩化ビニル及びこれと共重合し得るエチレン系不飽和単量体の共重合に適用する場合には、単量体混合物中の塩化ビニルの量が50重量%以上であることが好ましく、75重量%以上であることがより好ましい。
本発明において、塩化ビニルと共重合し得るエチレン系不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン等のオレフィン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル等の不飽和モノカルボン酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和アミド;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;マレイン酸、フマール酸等の不飽和ジカルボン酸;これらのエステル及びこれらの無水物;N−置換マレイミド類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;更に塩化ビニリデン等のビニリデン化合物等を挙げることができる。
【0007】
乳化重合は、水を媒体とし、アニオン性又はノニオン性界面活性剤の乳化剤、水溶性の重合開始剤を用い、単量体を可溶化した乳化剤ミセル層内で重合を進め、粒径0.2〜0.5μm程度の範囲の中でシャープな粒径分布の球形重合体をラテックスとして得るものである。
播種乳化重合法は乳化重合により得られた重合体を種子として、水媒体中でこれを単量体の重合により肥大化させる重合法で、重合体粒子を安定化するためのアニオン性界面活性剤の乳化剤を、重合体粒子表面を覆うに必要な量以上とならないように重合反応の進行に調和させて添加しつつ水溶性の重合開始剤で重合するものである。通常平均粒径0.9〜1.3μmの肥大化された主たる粒子群と、0.1〜0.3μmの比較的少量の副生粒子群とが混在する。
【0008】
微細懸濁重合は、水媒体中で単量体を油溶性重合開始剤の存在下、アニオン性界面活性剤の乳化剤で二段式高圧ポンプ、コロイドミル、振動撹拌機などのホモジナイザ等により均質化し、これを比較的緩かな撹拌下で重合するもので、通常一次粒子が0.05〜約2μmにわたるプロードな粒径分布を持つ球形の重合体粒子が得られる。
播種微細懸濁重合は、微細懸濁重合により得られた重合体を種子として種子中に含まれる油溶性重合開始剤にて水媒体中でこれを単量体の重合により肥大化させる重合法で、重合体粒子を安定化するためのアニオン性の乳化剤を、重合体粒子表面を覆うに必要な量以上にならないように重合反応の進行に調和させて添加しつつ重合するものである。通常一次粒子が0.2〜5μmにわたるブロードな粒径分布を持つ球形の重合体粒子が得られる。
【0009】
本発明の実施に用いられるアニオン性の乳化剤としては、特に制限はなく、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩;ラウリン酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸カリウム等の脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルサルフェートナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェートナトリウム塩等のエトキシサルフェート塩;アルカンスルホン酸塩;アルキルエーテル燐酸エステルナトリウム塩等が挙げられる。使用量は適用される重合法により異なるが、通常単量体100重量部あたり0.2〜2.5重量部の範囲で選択される。アニオン性の乳化剤の他にポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエステル等のノニオン性界面活性剤を適宜併用してもよい。また、乳化重合、微細懸濁重合等において高級アルコール、ソルビタンステアリルエステル等の親油性の補助乳化剤を添加することも可能である。
【0010】
本発明の実施に用いられる重合開始剤としては、水溶性の重合開始剤では、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の水溶性過酸化物;これらの開始剤又はクメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシドに酸性亜硫酸ナトリウム、第1鉄イオンのエチレンジアミン四酢酸ナトリウム錯塩、亜硫酸アンモニウム、アスコルビン酸、ピロリン酸第1鉄等の還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤等が例示される。また、油溶性の重合開始剤では、アセチルパーオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキジト、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ナフトイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド;メチルエチルケトンパーオキシド等のケトンパーオキシド;クメンヒドロパーオキシド、p−シメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ペンチルヒドロパーオキシド、p−メンタンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド;t−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド等のスルホニルパーオキシド等の有機過酸化物;これらの有機過酸化物とロンガリット等の還元剤を組み合わせた酸化還元型重合開始剤;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等を例示することができる。
【0011】
重合反応温度は30〜80℃、好ましくは40〜60℃である。
本発明の実施において、重合反応により得られるラテックスの機械的安定性により評価する。機械的安定性とは、ラテックスを一定温度下(70℃)で強く攪拌し、クリーム化するまでに要した、ラテックス単位容積当りのエネルギーである。機械的安定性測定装置としては、攪拌効率の優れているマックスブレンド翼を使用する測定方法が適している。
すなわち、内径158mm、高さ350mmの加温用ジャケット付円筒容器の内壁4ヶ所に等間隔に垂直に15mm×158mmのプレートバフルを設置し、容器の中心に翼幅85mm、翼高さ150mmのマックスブレンド翼を装着した攪拌装置に、ラテックス5リットルを仕込み、毎分10〜30回転の緩慢な攪拌下でジャケットで加温して70℃に温度調整した後、毎分150〜275回転の高速撹拌を行い、攪拌機にかかる実トルク(またはアンペア)を知り、ラテックスがクリーム化するまでの時間を測る。ここで、実トルク(またはアンペア)は、ラテックスを入れた状態での攪拌トルク(またはアンペア)からラテックスを入れない状態での攪拌トルク(またはアンペア)の差として求まる。実トルク(またはアンペア)をkWHに換算し、こらをラテックス容量m3で除して機械的安定性(kWH/m3)を求める。
尚、マックスブレンド翼は、住友重機械技報、第35巻、104号、8月号、第74〜78頁(1987)に解説されている。
【0012】
重合反応終了直後のラテックスの機械的安定性が1kW・H/m3 以上、好ましくは2kW・H/m3 以上であれば、そのラテックスを噴霧乾燥して得られるペースト加工用塩化ビニル系重合体は可塑剤と混練して十分低い粘度のペーストを与える。ラテックスの機械的安定性が1kW・H/m3 より小さいと、そのラテックスを噴霧乾燥して得られる重合体を可塑剤と混練して調製されるペーストは高い粘度になる。ペースト粘度の絶対値は、重合反応に用いられる界面活性剤の種類や粒径分布によっても大きく影響を受けるが、界面活性剤の種類や粒径分布がほぼ同じであれば、ラテックスの機械的安定性の大、小とペースト粘度の低い、高いとに相対関係があることが見出されたのである。
【0013】
ペーストレジンの生産工程において、操作上の小変更やプロセス上の小改造等があっても重合反応後のラテックスの機械的安定性が1kW・H/m3以上に制御すれば、ペーストレジンのペースト粘度の上昇は避けられるのである。もし、ペーストレジンが従来のペースト粘度に比して高い粘度を与える状況になった場合、ラテックスの機械的安定性が向上する方向に重合条件を微調整すればペースト粘度を低減できるのである。また、新規なスケール・アップにより生産工場で試作されたペーストレジンが実験装置におけるレジン特性として示していたペースト粘度より高い粘度を与える状況においても、同様な処置により、目標とするより低い粘度のペーストを与えるペーストレジンの製造条件を見い出すことが可能である。
【0014】
ラテックスの機械的安定性を向上させるために重合条件を微調整する手法としては、(1)生産上許容される範囲で仕込み単量体濃度を低下する、(2)重合器の撹拌速度を低下する、(3)品質上許容される範囲で重合反応に使用する界面活性剤を増量するかもしくは新規に添加する、等である。これらの制御手法をペースト加工用塩化ビニル系重合体の生産工場の工程管理に用いることができる。すなわち、重合反応後のラテックスの機械的安定性を定期的に測定し、もし機械的安定性が1kW・H/m3 より小さいときは上記の制御手法のいずれかを重合反応に適用することにより、製造されるペーストレジンのペースト粘度を安定に維持することができる。
【0015】
重合反応終了後のラテックスの機械的安定性が1.0kW・H/m3より小さい場合に、そのラテックスに対して水またはアニオン性界面活性剤を添加して機械的安定性が1.0kW・H/m3 以上となるよう機械的安定性を向上せしめても、それを噴霧乾燥して得たペーストレジンは粘度の高いペーストを与える。即ち、機械的安定性1.0kW・H/m3 以上という機械的安定性要件は、重合反応で得られたラテックスを対象とするものなのである。
【0016】
重合反応終了後、必要に応じてプラスチゾルでの顔料等の分散性向上のための界面活性剤等を添加したラテックスを乾燥工程に送る。乾燥方式は噴霧乾燥であれば、回転円盤型、一流体ノズル型、二流体ノズル型または加圧ノズル型のいずれでもよい。熱風の温度条件は、限定されない。一般的なペースト加圧用塩化ビニル系樹脂の乾燥におけると同様入口温度は100〜200℃、出口温度50〜60℃が好ましい。
【0017】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、塩化ビニル系重合体ラテックスの評価は下記の方法により行った。
(1)粒径
重合反応終了後のラテックスを水で希釈して固形分が0.5重量%となる分散液を調製し、レーザー散乱式粒径分布測定装置、マルバーン社製「マスターサイザーMS20」にかけて粒径分布を測定し、累積粒径分布の50重量%に相当する粒径D50を求めた。
【0018】
ペースト粘度
重合反応を経て製造された塩化ビニル系重合体ラテックスをスプレー乾燥して得られた樹脂粉100重量部と可塑剤ジー2−エチルヘキシルフタレート60重量部とを、温度25℃、相対湿度55%の恒温恒湿室中でらいかい機で混練してプラスチゾルを調製し、4時間静置後のゾルの粘度をブルックフィールド型粘度計〔(株)トキメック製、BL型〕、ローター4を用いて6rpmで測定する。
【0019】
実施例1
塩化ビニル100重量部に対してドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部、ステアリルアルコール0.67重量部、ラウロイルパーオキサイド0.5重量部を用いて反応温度48℃で微細懸濁重合を行って得たD500.55μmの重合体粒子を固形分濃度27重量%含有するラテックス10kgを翼径260mm、翼幅75mmのファウドラー翼を備えた槽径500mm、槽長470mm、内容積100リットルのグラスライニング重合部に入れ、更に脱イオン水30kg及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム200grを添加し真空脱気後塩化ビニル36kgを仕込んで撹拌翼を100rpmで回転しつつ内容物を62℃に昇温して播種微細懸濁重合を開始した。重合開始後8HRで重合率87%、重合器圧力が重合開始時の圧力を基準とし1.5kg/cm2 ・G低下した時点で重合終了させ、撹拌停止し内容物を70℃に上げて未反応単量体を回収した。その後ラテックスを噴霧乾燥してペーストレジンを得た。播種微細懸濁重合終了時のラテックスの機械的安定性は5.8kW・H/m3 、得られたペーストレジンのペースト粘度は3,000cpsで従来の結果と同様であった。
【0020】
実施例2
重合器に添加する脱イオン水を30kgから27kgに減少させた他は実施例1と同様に行った。重合反応終了時のラテックスの機械的安定性は3.0kW・H/m3、ペースト粘度は3,000cpsであった。
実施例3
重合器に添加する脱イオン水を30kgから26kgに減少させた他は実施例1と同様に行った。重合反応終了時のラテックスの機械的安定性は1.0kW・H/m3、ペースト粘度は3,000cpsであった。
【0021】
比較例1
重合器に添加する脱イオン水を30kgから25kgに減少させた他は実施例1と同様に行った。重合反応終了時のラテックスの機械的安定性は0.5kW・H/m3、ペースト粘度は4,500cpsであった。
実施例4
重合器に添加するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを200grから210gr(5%増)に増加させた他は比較例1と同様に行った。重合反応終了時のラテックスの機械的安定性は1.0kW・H/m3、ペースト粘度は3,000cpsであった。
比較例2
比較例1の播種微細懸濁重合で得られたラテックス5kgにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.7g添加した(5%増)。添加操作終了時のラテックスの機械的安定性は1.2kW・H/m3 に向上したが、ペースト粘度は4,200cpsで設計値の3,000cpsにまで低下しなかった。
【0022】
【発明の効果】
本発明により、目標ペースト粘度を実現できるペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスと塩化ビニル系系重合体ラテックスのの生産工程における、品質設計値のペースト粘度を実現するための簡便な工程管理手法が得られる。
Claims (2)
- 乳化重合、播種乳化重合、微細懸濁重合または播種微細懸濁重合によりペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスを製造する方法において、目標ペースト粘度のペーストレジンの供給が実現できるラテックスの指標として、重合終了時のラテックスの機械的安定性が1kW・H/m3 以上という指標を用いることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法。
- 目標ペースト粘度が3,000cps以下である請求項1記載のペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法。
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