JPH11100414A - ペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスおよびその製造方法 - Google Patents

ペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスおよびその製造方法

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JPH11100414A JP28125697A JP28125697A JPH11100414A JP H11100414 A JPH11100414 A JP H11100414A JP 28125697 A JP28125697 A JP 28125697A JP 28125697 A JP28125697 A JP 28125697A JP H11100414 A JPH11100414 A JP H11100414A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目標ペースト粘度を実現できるペースト加工
用塩化ビニル系重合体ラテックスと、塩化ビニル系重合
体ラテックスの生産工程における品質設計値のペースト
粘度を実現するための簡便な工程管理手法を提供するこ
と。 【解決手段】 乳化重合、播種乳化重合、微細懸濁重
合、播種微細懸濁重合により得られた、クリーム化エネ
ルギーが1kW・H/m3 以上である機械的安定性を有
するペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペースト加工用塩
化ビニル系重合体ラテックスに関する。詳しくは、本発
明は機械的安定性の良いラテックスの得られる重合反応
条件を採用することにより低粘度のペーストを与えるこ
とのできるペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテック
スに関する。
【0002】
【従来の技術】ペースト加工用塩化ビニル重合体を得る
目的で、塩化ビニルの乳化重合が行われる。塩化ビニル
の乳化重合は、水を分散媒、アニオン性又はノニオン性
界面活性剤を乳化剤、水溶性の過酸化物を重合開始剤と
して用い、冷却ジャケット付き耐圧重合器中で比較的緩
徐な撹拌を行いつつ、界面活性剤の作用によって塩化ビ
ニル単量体を微細な液滴に乳化させ、単量体を包む界面
活性剤ミセル層内で重合を進め、微小球形重合体を含有
するラテックスを得るものである。乳化重合法よりも更
に大きい粒径を有する粒子のラテックスを得るために、
予め乳化重合で得られたラテックス粒子を種子として用
い、乳化剤量をポリマー粒子の全表面積をカバーするの
に必要な理論量の20〜60%に保ちつつ重合すること
により、新たな微小粒子の生成を防ぎつつ種子粒子のみ
を太らせるための被覆重合を行う播種乳化重合が行われ
ている。また、ペースト加工用重合体(ペーストレジ
ン)を得る別の方法としては、水を分散媒とし、単量
体、界面活性剤、油溶性の重合開始剤等の混合物を、ホ
モジナイザ等を用いて微細な液滴に乳化分散させたのち
重合する微細懸濁重合や、微細懸濁重合で得られた重合
体の懸濁液を種子粒子として更に被覆重合を行う播種微
細懸濁重合等も行われている。
【0003】ペーストレジンをこれらの乳化重合、播種
乳化重合、微細懸濁重合または播種微細懸濁重合により
製造するに当っては、生産性向上のためにしばしばモノ
マー/水比を上げたり、反応速度を上げたり、撹拌速度
を上昇することがなされている。また、重合器には仕込
まれた内容物を反応温度にまで昇温する時間を短縮する
ために仕込みの水やモノマーを予めある程度加温してお
く方法も採用されることがある。このような種々の反応
調節に際し、重合反応後乾燥して得られるペーストレジ
ンの最も基本的な特性である、一定部数の可塑剤との混
練により調製されるペースト(プラスチゾル)の粘度が
しばしば高くなるという問題が起こる。また、特定の目
的のもとで実験設備を用いて品質設計された新たな重合
処方を、スケール・アップして本生産設備の重合器で重
合したところ、得られたペーストレジンが期待値より高
いペースト粘度を示すことが時として起こる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうしたペ
ーストレジンの生産工程における様々な工程変動に際し
て、品質設計値のペースト粘度の実現を維持するための
簡便な管理手法を提供することを目的としてなされたも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、重合反応終了段
階のラテックスが一定の機械的安定性を有すれば一定の
低粘度のペーストを与える塩化ビニル系重合体が得られ
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、 1)乳化重合、播種乳化重合、微細懸濁重合または播種
微細懸濁重合により得られた、クリーム化エネルギーが
1kW・H/m3 以上である機械的安定性を有するペー
スト加工用塩化ビニル系重合体ラテックス、および、 2)乳化重合、播種乳化重合、微細懸濁重合または播種
微細懸濁重合により得られる塩化ビニル系重合体ラテッ
クスの機械的安定性がクリーム化エネルギー1kW・H
/m3 以上であるように、重合反応におけるモノマー濃
度、界面活性剤量または/及び攪拌所用動力を制御する
ことを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系重合体ラ
テックスの製造方法、を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、塩化ビニル又は塩化ビ
ニル及びこれと共重合し得るエチレン系不飽和単量体の
乳化重合、播種乳化重合、微細懸濁重合及び播種微細懸
濁重合により実施される。本発明を塩化ビニル及びこれ
と共重合し得るエチレン系不飽和単量体の共重合に適用
する場合には、単量体混合物中の塩化ビニルの量が50
重量%以上であることが好ましく、75重量%以上であ
ることがより好ましい。本発明において、塩化ビニルと
共重合し得るエチレン系不飽和単量体としては、例え
ば、エチレン、プロピレン等のオレフィン系化合物;酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ア
クリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸;ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−
ブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−N,
N−ジメチルアミノエチル等の不飽和モノカルボン酸エ
ステル;アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和
アミド;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不
飽和ニトリル;マレイン酸、フマール酸等の不飽和ジカ
ルボン酸;これらのエステル及びこれらの無水物;N−
置換マレイミド類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル等のビニルエーテル;更に塩化ビニリデン等
のビニリデン化合物等を挙げることができる。
【0007】乳化重合は、水を媒体とし、アニオン性又
はノニオン性界面活性剤の乳化剤、水溶性の重合開始剤
を用い、単量体を可溶化した乳化剤ミセル層内で重合を
進め、粒径0.2〜0.5μm程度の範囲の中でシャー
プな粒径分布の球形重合体をラテックスとして得るもの
である。播種乳化重合法は乳化重合により得られた重合
体を種子として、水媒体中でこれを単量体の重合により
肥大化させる重合法で、重合体粒子を安定化するための
アニオン性界面活性剤の乳化剤を、重合体粒子表面を覆
うに必要な量以上とならないように重合反応の進行に調
和させて添加しつつ水溶性の重合開始剤で重合するもの
である。通常平均粒径0.9〜1.3μmの肥大化され
た主たる粒子群と、0.1〜0.3μmの比較的少量の
副生粒子群とが混在する。
【0008】微細懸濁重合は、水媒体中で単量体を油溶
性重合開始剤の存在下、アニオン性界面活性剤の乳化剤
で二段式高圧ポンプ、コロイドミル、振動撹拌機などの
ホモジナイザ等により均質化し、これを比較的緩かな撹
拌下で重合するもので、通常一次粒子が0.05〜約2
μmにわたるプロードな粒径分布を持つ球形の重合体粒
子が得られる。播種微細懸濁重合は、微細懸濁重合によ
り得られた重合体を種子として種子中に含まれる油溶性
重合開始剤にて水媒体中でこれを単量体の重合により肥
大化させる重合法で、重合体粒子を安定化するためのア
ニオン性の乳化剤を、重合体粒子表面を覆うに必要な量
以上にならないように重合反応の進行に調和させて添加
しつつ重合するものである。通常一次粒子が0.2〜5
μmにわたるブロードな粒径分布を持つ球形の重合体粒
子が得られる。
【0009】本発明の実施に用いられるアニオン性の乳
化剤としては、特に制限はなく、例えば、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホ
ン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナ
トリウム等のアルキル硫酸塩;ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等
のスルホコハク酸塩;ラウリン酸ナトリウム、半硬化牛
脂脂肪酸カリウム等の脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテルサルフェートナトリウム塩、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテルサルフェートナトリウ
ム塩等のエトキシサルフェート塩;アルカンスルホン酸
塩;アルキルエーテル燐酸エステルナトリウム塩等が挙
げられる。使用量は適用される重合法により異なるが、
通常単量体100重量部あたり0.2〜2.5重量部の
範囲で選択される。アニオン性の乳化剤の他にポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンソルビタンラウリルエステル等のノニオン性界面活性
剤を適宜併用してもよい。また、乳化重合、微細懸濁重
合等において高級アルコール、ソルビタンステアリルエ
ステル等の親油性の補助乳化剤を添加することも可能で
ある。
【0010】本発明の実施に用いられる重合開始剤とし
ては、水溶性の重合開始剤では、過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム、過酸化水素等の水溶性過酸化物;これ
らの開始剤又はクメンヒドロパーオキシド、t−ブチル
ヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシドに酸性亜硫
酸ナトリウム、第1鉄イオンのエチレンジアミン四酢酸
ナトリウム錯塩、亜硫酸アンモニウム、アスコルビン
酸、ピロリン酸第1鉄等の還元剤を組み合わせたレドッ
クス系開始剤等が例示される。また、油溶性の重合開始
剤では、アセチルパーオキシド、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノイルパーオキジト、ラウロイルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシド、ナフトイルパーオキシド
等のジアシルパーオキシド;メチルエチルケトンパーオ
キシド等のケトンパーオキシド;クメンヒドロパーオキ
シド、p−シメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピル
ベンゼンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオ
キシド、t−ペンチルヒドロパーオキシド、p−メンタ
ンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド;t−ブ
チルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル;ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジエチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボ
ネート;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシ
ド等のスルホニルパーオキシド等の有機過酸化物;これ
らの有機過酸化物とロンガリット等の還元剤を組み合わ
せた酸化還元型重合開始剤;2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロ
ニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等を
例示することができる。
【0011】重合反応温度は30〜80℃、好ましくは
40〜60℃である。本発明の実施において、重合反応
により得られるラテックスの機械的安定性をクリームエ
ネルギーの値により評価する。クリーム化エネルギーと
は、ラテックスを一定温度下(70℃)で強く攪拌し、
クリーム化するまでに要した、ラテックス単位容積当り
のエネルギーである。クリーム化エネルギー測定装置と
しては、攪拌効率の優れているマックスブレンド翼を使
用する測定方法が適している。すなわち、内径158m
m、高さ350mmの加温用ジャケット付円筒容器の内
壁4ケ所に等間隔に垂直に15mm×158mmのプレ
ートバフルを設置し、容器の中心に翼幅85mm、翼高
さ150mmのマックスプレンド翼を装着した攪拌装置
に、ラテックス5リットルを仕込み、毎秒10〜30回
転の緩慢な撹拌下でジャケットで加温して70℃に温度
調整した後、毎秒150〜275回転の高速撹拌を行
い、攪拌機にかかる実トルク(またはアンペア)を知
り、ラテックスがクリーム化するまでの時間を測る。こ
こで、実トルク(またはアンペア)は、ラテックスを入
れた状態での攪拌トルク(またはアンペア)からラテッ
クスを入れない状態での攪拌トルク(またはアンペア)
の差として求まる。実トルク(またはアンペア)をkW
Hに換算し、これをラテックス容量m3 で除してクリー
ム化エネルギー(kWH/m3 )を求める。尚、マック
スブレンド翼は、住友重機械技報、第35巻、104
号、8月号、第74〜78頁(1987)に解説されて
いる。
【0012】重合反応終了直後のラテックスのクリーム
化エネルギーが1kW・H/m3 以上、好ましくは2k
W・H/m3 以上であれば、そのラテックスを噴霧乾燥
して得られるペースト加工用塩化ビニル系重合体は可塑
剤と混練して十分低い粘度のペーストを与える。ラテッ
クスのクリーム化エネルギーが1kW・H/m3 より小
さいと、そのラテックスを噴霧乾燥して得られる重合体
を可塑剤と混練して調製されるペーストは高い粘度にな
る。ペースト粘度の絶対値は、重合反応に用いられる界
面活性剤の種類や粒径分布によっても大きく影響を受け
るが、界面活性剤の種類や粒径分布がほぼ同じであれ
ば、ラテックスのクリーム化エネルギーの大、小とペー
スト粘度の低い、高いとに相対関係があることが見出さ
れたのである。
【0013】ペーストレジンの生産工程において、操作
上の小変更やプロセス上の小改造等があっても重合反応
後のラテックスのクリーム化エネルギーが1kW・H/
3以上に制御すれば、ペーストレジンのペースト粘度
の上昇は避けられるのである。もし、ペーストレジンが
従来のペースト粘度に比して高い粘度を与える状況にな
った場合、ラテックスの機械的安定性が向上する方向に
重合条件を微調整すればペースト粘度を低減できるので
ある。また、新規なスケール・アップにより生産工場で
試作されたペーストレジンが実験装置におけるレジン特
性として示していたペースト粘度より高い粘度を与える
状況においても、同様な処置により、目標とするより低
い粘度のペーストを与えるペーストレジンの製造条件を
見い出すことが可能である。
【0014】ラテックスの機械的安定性を向上させるた
めに重合条件を微調整する手法としては、(1)生産上
許容される範囲で仕込み単量体濃度を低下する、(2)
重合器の撹拌速度を低下する、(3)品質上許容される
範囲で重合反応に使用する界面活性剤を増量するかもし
くは新規に添加する、等である。これらの制御手法をペ
ースト加工用塩化ビニル系重合体の生産工場の工程管理
に用いることができる。すなわち、重合反応後のラテッ
クスの機械的安定性を定期的に測定し、もしクリーム化
エネルギーが1kW・H/m3 より小さいときは上記の
制御手法のいずれかを重合反応に適用することにより、
製造されるペーストレジンのペースト粘度を安定に維持
することができる。
【0015】重合反応終了後のラテックスのクリーム化
エネルギーが1.0kW・H/m3より小さい場合に、
そのラテックスに対して水またはアニオン性界面活性剤
を添加してクリーム化エネルギーが1.0kW・H/m
3 以上となるよう機械的安定性を向上せしめても、それ
を噴霧乾燥して得たペーストレジンは粘度の高いペース
トを与える。即ち、クリーム化エネルギー1.0kW・
H/m3 以上という機械的安定性要件は、重合反応で得
られたラテックスを対象とするものなのである。
【0016】重合反応終了後、必要に応じてプラスチゾ
ルでの顔料等の分散性向上のための界面活性剤等を添加
したラテックスを乾燥工程に送る。乾燥方式は噴霧乾燥
であれば、回転円盤型、一流体ノズル型、二流体ノズル
型または加圧ノズル型のいずれでもよい。熱風の温度条
件は、限定されない。一般的なペースト加圧用塩化ビニ
ル系樹脂の乾燥におけると同様入口温度は100〜20
0℃、出口温度50〜60℃が好ましい。
【0017】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、塩化ビニル系重合体ラテックスの評価は下記の方法
により行った。 (1)粒径 重合反応終了後のラテックスを水で希釈して固形分が
0.5重量%となる分散液を調製し、レーザー散乱式粒
径分布測定装置、マルバーン社製「マスターサイザーM
S20」にかけて粒径分布を測定し、累積粒径分布の5
0重量%に相当する粒径D50を求めた。
【0018】ペースト粘度 重合反応を経て製造された塩化ビニル系重合体ラテック
スをスプレー乾燥して得られた樹脂粉100重量部と可
塑剤ジー2−エチルヘキシルフタレート60重量部と
を、温度25℃、相対湿度55%の恒温恒湿室中でらい
かい機で混練してプラスチゾルを調製し、4時間静置後
のゾルの粘度をブルックフィールド型粘度計〔(株)ト
キメック製、BL型〕、ローター4を用いて6rpmで
測定する。
【0019】実施例1 塩化ビニル100重量部に対してドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0.5重量部、ステアリルアルコール
0.67重量部、ラウロイルパーオキサイド0.5重量
部を用いて反応温度48℃で微細懸濁重合を行って得た
500.55μmの重合体粒子を固形分濃度27重量%
含有するラテックス10kgを翼径260mm、翼幅7
5mmのファウドラー翼を備えた槽径500mm、槽長
470mm、内容積100リットルのグラスライニング
重合部に入れ、更に脱イオン水30kg及びドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム200grを添加し真空脱
気後塩化ビニル36kgを仕込んで撹拌翼を100rp
mで回転しつつ内容物を62℃に昇温して播種微細懸濁
重合を開始した。重合開始後8HRで重合率87%、重
合器圧力が重合開始時の圧力を基準とし1.5kg/c
2 ・G低下した時点で重合終了させ、撹拌停止し内容
物を70℃に上げて未反応単量体を回収した。その後ラ
テックスを噴霧乾燥してペーストレジンを得た。播種微
細懸濁重合終了時のラテックスのクリーム化エネルギー
は5.8kW・H/m3 、得られたペーストレジンのペ
ースト粘度は3,000cpsで従来の結果と同様であ
った。
【0020】実施例2 重合器に添加する脱イオン水を30kgから27kgに
減少させた他は実施例1と同様に行った。重合反応終了
時のラテックスのクリーム化エネルギーは3.0kW・
H/m3、ペースト粘度は3,000cpsであった。 実施例3 重合器に添加する脱イオン水を30kgから26kgに
減少させた他は実施例1と同様に行った。重合反応終了
時のラテックスのクリーム化エネルギーは1.0kW・
H/m3、ペースト粘度は3,000cpsであった。
【0021】比較例1 重合器に添加する脱イオン水を30kgから25kgに
減少させた他は実施例1と同様に行った。重合反応終了
時のラテックスのクリーム化エネルギーは0.5kW・
H/m3、ペースト粘度は4,500cpsであった。 実施例4 重合器に添加するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムを200grから210gr(5%増)に増加させた
他は比較例1と同様に行った。重合反応終了時のラテッ
クスのクリーム化エネルギーは1.0kW・H/m3
ペースト粘度は3,000cpsであった。 比較例2 比較例1の播種微細懸濁重合で得られたラテックス5k
gにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.7g
添加した(5%増)。重合反応終了時のラテックスのク
リーム化エネルギーは1.2kW・H/m3 に向上した
が、ペースト粘度は4,200cpsで設計値の3,0
00cpsにまで低下しなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明により、目標ペースト粘度を実現
できるペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックスと
塩化ビニル系系重合体ラテックスのの生産工程におけ
る、品質設計値のペースト粘度を実現するための簡便な
工程管理手法が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化重合、播種乳化重合、微細懸濁重合
    または播種微細懸濁重合により得られた、クリーム化エ
    ネルギーが1kW・H/m3 以上である機械的安定性を
    有するペースト加工用塩化ビニル系重合体ラテックス。
  2. 【請求項2】 乳化重合、播種乳化重合、微細懸濁重合
    または播種微細懸濁重合により得られる塩化ビニル系重
    合体ラテックスの機械的安定性がクリーム化エネルギー
    1kW・H/m3 以上であるように、重合反応における
    モノマー濃度、界面活性剤量または/及び攪拌所用動力
    を制御することを特徴とするペースト加工用塩化ビニル
    系重合体ラテックスの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011065311A1 (ja) 2009-11-25 2011-06-03 株式会社オートネットワーク技術研究所 ワイヤーハーネスの製造方法、及びワイヤーハーネス
WO2011065310A1 (ja) 2009-11-25 2011-06-03 株式会社オートネットワーク技術研究所 ワイヤーハーネスの製造方法、及びワイヤーハーネス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011065311A1 (ja) 2009-11-25 2011-06-03 株式会社オートネットワーク技術研究所 ワイヤーハーネスの製造方法、及びワイヤーハーネス
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