JP2685597B2 - 塩化ビニル樹脂の重合装置および製造方法 - Google Patents

塩化ビニル樹脂の重合装置および製造方法

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JP2685597B2 JP1241585A JP24158589A JP2685597B2 JP 2685597 B2 JP2685597 B2 JP 2685597B2 JP 1241585 A JP1241585 A JP 1241585A JP 24158589 A JP24158589 A JP 24158589A JP 2685597 B2 JP2685597 B2 JP 2685597B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、塩化ビニル樹脂、特にペースト用塩化ビニ
ル樹脂の製造に適用できる重合装置および方法に関す
る。
[従来の技術] 塩化ビニル樹脂、特にペースト用塩化ビニル樹脂は、
ミクロ懸濁重合法または乳化重合法により製造されてい
る。
ミクロ懸濁重合法は、塩化ビニルまたは塩化ビニルを
主成分とする単量体、水、乳化剤、単量体に可溶な重合
開始剤およびその他の重合助剤とを重合装置以外の装置
で高剪断下で均質化した後、重合装置に移して撹拌下で
重合させ、樹脂の平均径が0.2〜3μm程度の微細な塩
化ビニル樹脂の粒子を生成する方法である。
均質化工程で分散された液滴は、乳化剤で保護されて
いるために比較的安定であるが、重合の後半になると粒
子が不安定となり、重合中の撹拌が強過ぎると、粒子同
志の衝突による合一が促進されて粗粒が増加したり、重
合装置壁や撹拌翼へのスケール付着量の増大を招き、極
端な場合はラテックスが凝集して壊れることがある。
また、粗粒の増加による粒子径分布の変化により、製
品のゾル粘度など流動特性の悪化を招くことがしばしば
ある。
従って、ミクロ懸濁重合法では、重合時の撹拌には一
般に低剪断型の撹拌翼が採用されており、激しく撹拌す
る懸濁重合法に比べると重合装置のジャケットの伝熱係
数は小さく、そのため、重合生産性を向上するためには
重合熱の除熱能力が律速となっていた。
一方、乳化重合法は、陰イオン界面活性剤および/ま
たは非イオン界面活性剤を乳化剤とし、水溶性過酸化
物、水溶性過酸化物と水溶性還元剤との組み合わせまた
は油溶性過酸化物と水溶性還元剤との組み合わせを重合
開始剤として、要すれば他の重合助剤の存在下、水性媒
体中で塩化ビニルモノマーを重合して平均粒子径が0.1
〜0.4μmの微小粒子を生成する乳化重合と、予め、種
粒子として調製された塩化ビニル樹脂の存在下に乳化重
合を行うことにより、種粒子を核として肥大させて0.4
〜2mの比較的大きな粒子を生成する播種乳化重合法があ
る。
乳化剤が過剰に存在すると、微細粒子が発生するの
で、乳化剤は析出したポリマーを被覆するに必要最小限
量を追加する方法が採用されており、重合中、粒子は極
めて不安定である。従って、乳化重合法においても、先
に説明したミクロ懸濁重合法と同様に、比較的穏やかな
撹拌が採用されており、重合過程における生産性を向上
させる上で重合熱の除熱能力の改善が重要である。
上述のようなミクロ懸濁重合法または乳化重合法によ
り回分式に重合する場合に使用される重合装置の構造と
しては、重合装置内の上下方向の充分な混合を考慮して
H/D(Hは重合装置の有効高さ、Dは重合装置の有効直
径)が1〜3程度の槽型の重合装置が一般に使用されて
いる。
このような重合装置において、先に説明した除熱に関
する問題点を解決するために種々の除熱方法が考えら
れ、例えば伝熱面積を増大させる方法、重合装置の材質
の変更、ジャケットの構造および撹拌翼の形状の工夫な
どによる総括伝熱係数を増大させる方法ならびに低温冷
媒の採用による温度差を増大させる方法がある。
伝熱面積を増大させる方法としては、従来、撹拌翼お
よびバッフルへ冷却水を通水する方法、リフラックスコ
ンデンサを使用する方法(特開昭54−153894号公報)、
外部冷却装置を使用する方法(特開昭55−157607号公
報)およびドラフトチューブ付き重合装置を使用する方
法(特開昭55−62908号公報)などが提案されている。
しかしながら、バッフルを使用する方法では、撹拌翼
とバッフルの近傍では撹拌により粒子の合一が促進され
て粗粒が増えたり、構造が複雑になりスケール付着量が
増えるなどの問題がある。リフラックスコンデンサを使
用する方法については、(乳化重合法では一般的に使用
されているが)ミクロ懸濁重合法では反応液混合物の発
泡によるスケール付着や還流塩化ビニルモノマーの巻き
込み不良による異常昇圧や塊状重合物の発生などの問題
点がある。また、外部冷却装置を使用する方法について
は、循環ポンプにおける大きな剪断によるラテックスの
壊れ、粗粒の増大および冷却器におけるスケール付着な
どの問題があり、実用化のためには種々の課題が残され
ている。
ドラフトチューブ付き重合装置は、ドラフトチューブ
により反応液混合物を乱れの少ない流動条件下でゆっく
り循環させながら重合する方法であり、スケールの発生
を抑制する上で有効である。しかしながら、スケール付
着を皆無にすることは不可能であり、一旦付着したスケ
ールの除去、特にドラフトチューブと重合装置壁との間
および循環用撹拌翼の下部などの清掃が困難で長期安定
運転上問題があった。
また、総括伝熱係数を大きくする方法には、スケール
の発生や混合条件などの装置上の制約と装置の製作コス
トが増えるなどの問題点があり、温度差を大きくする方
法には冷凍機のランニングコストが増加するという問題
点があった。
[発明が解決しようとする課題] 従って、上述のような問題点を解決して、除熱能力が
高く、スケール付着および粗粒発生が少なく、かつゾル
粘度が良好な塩化ビニル樹脂、特にペースト用塩化ビニ
ル樹脂を製造するミクロ懸濁重合法または乳化重合法に
適した生産性の高い重合装置および方法を提供すること
が本発明の課題である。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、重合装置の構造および重合条件とスケー
ル付着、粗粒量およびゾル粘度などの塩化ビニル樹脂の
品質特性、伝熱係数などの関係について鋭意詳細に検討
した結果、本発明を完成するに到った。
本発明は、撹拌機を有して成り、重合装置の有効内径
(D)に対する有効高さ(H)の比(H/D)が4以上、
好ましくは5〜15である塩化ビニルを含む単量体のミク
ロ懸濁重合法または乳化重合法に使用する重合装置を提
供する。
本発明におけるミクロ懸濁重合法および乳化重合法と
は、本明細書の従来の技術の箇所において説明した重合
方法を意味する。
本発明の特に好ましい態様では、上記重合装置の有効
内径(D)に対する撹拌翼外周部直径(d)の比(d/
D)が0.6以上、好ましくは0.7〜0.9である。
更に、本発明は、上述のH/D、好ましくはH/Dに加えて
上述のd/Dの条件を満足する重合装置を使用して塩化ビ
ニルをミクロ懸濁重合または乳化重合して塩化ビニル樹
脂、特にペースト用塩化ビニル樹脂を製造する方法を提
供する。
本発明の装置および方法を適用することにより、重合
系からの除熱能力が大きくなり、また、スケールの付着
および粗粒発生が少なくなり、ゾル粘度の良好なペース
ト用塩化ビニル樹脂を短時間で重合することが可能とな
った。
以下、本発明について詳細に説明する。
重合装置の構造はスケールの付着および除去の点から
できるだけ単純なものが好ましい。
従って、本発明で使用される重合装置の形状としては
重合のために実質的に使用される部分の少なくとも大部
分が直胴の円筒形(即ち、塔型)であるのが好ましく、
重合装置の有効内径(D)に対する有効高さ(H)の比
(H/D)が4以上、好ましくは5〜15が採用される。本
発明において、有効高さ(H)とは、通常、重合装置に
液を供給した場合の液深を意味するものとして使用して
いるが、重合装置の直胴部の長さと考えてもよい。これ
は、重合装置の発明には直胴部の長さ(H1)を使用し、
重合方法の発明には液深(H2)を使用すると好都合であ
ることを意味する。
従って、具体的な1つの態様において、本発明は、撹
拌機を有して成り、有効内径(D)および直胴部の長さ
(H1)を有する円筒形の、塩化ビニルを含む単量体のミ
クロ懸濁重合法または乳化重合法に使用する重合装置で
あって、有効内径(D)に対する直胴部の長さ(H1)の
比(H1/D)が4〜20である重合装置を提供する。
また、もう1つの具体的な態様において、本発明は、
撹拌機を有して成り、有効内径(D)の円筒形の重合装
置を使用して塩化ビニルを含む単量体をミクロ懸濁重合
または乳化重合により重合する方法であって、重合時の
重合装置の液深(H2)を、有効内径(D)に対する液深
(H2)の比(H2/D)が4〜20となるように、操作する重
合方法を提供する。
一般に、H1/Dの大きな長尺の重合装置は、上下方向の
混合が不充分であるので、連続反応では採用されること
はあっても、回分式反応ではほとんど使用されることは
ない。
その理由としては、 上下方向の混合が不十分であることにより反応系が不
均一となること、および 反応系の温度制御が困難であること が挙げられる。
しかしながら、塩化ビニルのミクロ懸濁重合では、予
め均質化された粒径1μm程度に分散された比較的安定
なラテックスを緩やかに撹拌しながら重合させるため、
H1/Dが4以上の重合装置を用いた場合でも、重合装置の
上下部分で粒子径の分布が変化することなく品質上は問
題が撫いことが発明者の検討により判った。
また、乳化重合法では塩化ビニルを重合装置の下部か
ら連続的に追加し、塩化ビニルモノマーの浮力を利用し
て重合装置の上下に均一に分散させかつ、開始剤や乳化
剤を重合装置の側面の上下の複数の追加口から供給する
ことにより、上下方向の混合不足に伴う問題点を解消で
きることが判った。従って、いずれの重合方法において
もH2/Dを大きくしても、上記の理由を解消できる。
次に、上記の理由について検討する。この問題点
は、H1/Dが4以上の長尺重合装置を用いる場合、従来の
制御方式では重合装置の上下方向で温度分布が生じ、重
合度分布幅の広い粒子ができることである。
特に重合装置を大型化すると、単位容積当たりの除熱
能力が小さくなり、重合装置の内温が制御のバランス点
からわずかに上昇すると、発熱量に対して除熱量が不足
して内温がますます上昇するという、いわゆる不安定領
域で重合が進行するため、一旦温度分布が生じて重合装
置上部の温度が上昇すると、上部の液の比重が小さくな
り装置内で液の比重差が大きくなるので、重合装置内で
上下方向の液の混合がますます困難となり、最終的には
暴走反応を引き起こす危険がある。
このような問題に対しては、重合装置のジャケットを
分割して重合装置の下部より上部をより冷却することに
よって自然対流による上下方向の混合流動を生じさせ、
均一な温度分布にすることが可能となることが判った。
具体的には、重合装置内の温度を上下方向の少なくと
も2点で検出し、対応するジャケットを上下方向に少な
くとも2以上に分割し、それぞれ独立のループで温度制
御することが望ましい。
同一容量の重合装置で比較するとH1/Dが大きい程、単
位容積当たりの伝熱面積は大きくなるが、H1/Dが20以上
になると、工業規模の重合装置ではレイアウト上の問題
やメンテナンス、重合装置の清掃が煩雑になるという問
題が生じるためH1/Dは20以下、好ましくは15以下であ
る。
本発明の重合装置で用いられる撹拌翼は、スケールの
発生が少なく、重合装置全体を均一に混合し、かつ伝熱
のよいものが好ましく、この条件を満足する翼形状とし
ては門型翼、くし型翼、パドル翼、らせん翼などを例示
でき、特に限定されるものではない。
特に好ましい態様としては、重合装置内径と撹拌翼外
周直径の比(d/D)が0.6以上であり、より好ましくは0.
7〜0.9である。
d/Dが0.9以上では翼と重合装置壁との剪断によりスケ
ールが増大して回転数が上げられず、逆に、d/Dが0.6未
満では回転数を上げると翼付近の剪断によりスケールが
増大し、伝熱係数を大きくできないためである。
翼の断面形状としては平板、円筒形、楕円形などが用
いられ、翼の内部に冷媒が通液できるタイプが好まし
い。
バッフルは上下方向および半径方向の混合を改良し、
かつ伝熱面積を増大する目的でしばしば用いられるが、
ペースト用塩化ビニル樹脂の重合では、バッフル付近で
の局部的剪断によりスケールの発生が増加するため撹拌
回転数が上げられず、かえって伝熱効率が低下すること
があるため、バッフルの形状については撹拌翼の形状と
の関係で決定することが大切である。
本発明において用いられる単量体は塩化ビニルまたは
塩化ビニルを主体とした、これと共重合可能な単量体と
の混合物(混合物中塩化ビニルは通常70重量%以上)か
ら選択される。従って、本明細書において「塩化ビニル
樹脂」なる語は、塩化ビニル単量体のみを重合すること
により得られる樹脂または塩化ビニルを主体として含む
単量体を重合することにより得られる樹脂を意味するも
のとして使用している。塩化ビニルと共重合可能の単量
体としては、エチレン、プロピレンおよびn−ブテンの
ようなオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
アウリン酸ビニルおよびステアリン酸ビニルのようなビ
ニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸およびイタコ
ン酸のような不飽和酸およびそのエステル、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、オクチルビニルエ
ーテルおよびラウリルビニルエーテルのようなビニルエ
ーテル、マレイン酸およびフマール酸ならびにそれらの
無水物またはそれらのエステル、芳香族ビニル、不飽和
ニトリルなどが挙げられる。
本発明において使用される乳化剤としては、アルキル
スルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキル
アルコール硫酸エステル塩、脂肪酸塩またはジアルキル
スルホコハク酸塩のような通常の陰イオン系界面活性
剤、特にアルカリ金属塩、非イオン系界面活性剤として
例えば高級脂肪酸のグリセリンエステル、グリコールエ
ステルまたはソルビタンエステル;高級アルコール縮合
物、高級脂肪酸縮合物、ポリプロピレンオキサイド縮合
物などが挙げられる。
本発明のミクロ懸濁重合において使用される油溶性
(単量体に可溶な)重合開始剤としては、ベンゾイルパ
ーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイドお
よび2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどの芳
香族ジアルパーオキサイド、カプロイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイドおよび3,5,5−トリメチ
ルヘキサノルパーオキサイドなどの炭素数5〜17個のア
ルキル機を有する脂肪族ジアシルパーオキサイド、アゾ
ビスイソブチロニトリルおよびアゾビスバレロニトリル
などのアゾ化合物、t−ブチルパーオキシピバレートな
どの有機酸のパーオキシエステル、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネートおよびジオクチルパーオキシジカ
ーボネートなどのパーオキシジカーボネートならびにア
セチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイドなどの
公知の油溶性重合開始剤が挙げられる。これらは単独ま
たは二種類以上の組合せてこれらの溶剤または塩化ビニ
ル単量体に溶解させて用いられる。
本発明の乳化重合法において用いられる水溶性重合開
始剤としては過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過ホウ
酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムのよ
うな過酸化物を例示でき、油溶性重合開始剤としては、
t−ブチルハイドロパーオキサイド、イソペンタハイド
ロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t
−ブチルイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドの
ような有機ハイドロパーオキサイドを例示でき、更にこ
れらと例えば亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウ
ム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどの適当な
水溶性還元剤との併用系も使用できる。
本発明において使用されるその他の重合助剤として
は、セチルアルコールおよびラウリルアルコールなどの
高級アルコール、ラウリル酸、パルミチン酸およびステ
アリン酸などの高級脂肪酸またはそのエステル、芳香族
炭化水素、高級脂肪族炭化水素、塩素化パラフィンのよ
うなハロゲン化炭化水素、ポリビニルアルコール、ゼラ
チン、粒径調節剤(硫酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリ
ウムなど)、連鎖移動剤、重合禁止剤などが挙げられ
る。これらは単独または二種類以上を組合せて用いるこ
とができる。
また、均質化においては、一段または二段加圧式高圧
ポンプ、コロイドミル、遠心ポンプ、ホモミキサー、振
動式撹拌機、ノズルまたはオリフィスよりの高圧噴出お
よび超音波などの公知のホモジナイザーまたは方法を用
いることができる。
重合反応は通常の方法に従って行われ、例えば重合温
度は40〜75℃であり、また重合用水の量は、重量で全単
量体に対して0.6〜3倍の範囲であり、乳化剤、重合開
始剤、その他の重合助剤の使用量も通常の量でよい。な
お、乳化剤、重合開始剤、重合助剤等が供給ライン等に
残るので、重合に使用する水の一部をこれらの水洗除去
に使用し、この水洗水を反応器内に導入してもよい。
更に、スケール付着を防止するために、予め、重合装
置壁面にスケール防止剤を塗布しておくことが望まし
い。
[発明の効果] 本発明の効果は、従来の方法に比べて除熱能力が大き
く、安定な温度制御が得られるため重合時間が短縮さ
れ、かつスケール付着や粗粒を増加させることなく、ゾ
ル粘度の良好なペースト用塩化ビニル樹脂の重合におけ
る生産性向上が可能となることである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
除熱能力を比較するため、H1/Dの異なる有効容積1.1m
3の重合装置を用いた。実施例1〜6および比較例1〜
4はミクロ懸濁重合でジャケット最低温度を39〜40℃、
実施例7〜9ならびに比較例5および6は乳化重合でジ
ャケット最低温度を33〜34℃となるように予め重合開始
剤量を決めて重合した。
実施例1 1.2m3の撹拌機付き分散槽にイオン交換水390kgを仕込
み、次いで予めイオン交換水60kgにラウリル硫酸ナトリ
ウム2.7kgおよびのセチルアルコール2.7kgを80℃で溶解
して常温まで冷却した乳化剤水溶液およびα,α′−ア
ゾビスイソブチロバレロニトリル(ABVN)144gをトルエ
ン0.5に溶解した重合開始剤溶液を加えて10分間脱気
した後、塩化ビニル単量体450kgを仕込み、撹拌しなが
ら能力10m3/Hrの遠心ポンプで60分間、分散均質化し
た。
次に、この分散液を、予めスケール防止剤を塗布して
脱気した直径0.65m、直胴部の高さ3.25m(H1/D=5)、
ジャケット伝熱面積6.7m2、翼の外径52cm(d/D=0.8)
のパドル翼を付設したステンレス製重合装置に移液し、
その時の装置内圧力より1Kg/cm2だけ高くなるように窒
素で加圧し、撹拌しながら昇温して50℃で重合を行っ
た。撹拌回転数は20r.p.m.であった。
装置内圧力が7Kg/cm2Gまで低下した時点で未反応塩化
ビニル単量体を回収した。尚、装置内温度は上下2点で
検出し、ジャケットを2分割して各々独立に制御した。
得られたラテックスの重合転化率、粗粒量、スケール
量およびゾル粘度を測定した。
尚、粗粒量は、32メッシュ篩を通過し、100メッシュ
篩上に残留したラテックス中の樹脂量として測定した
(仕込んだ塩化ビニル単量体に対する重量パーセン
ト)。
スケール量は、重合装置内に残留または付着したスケ
ールおよびラテックス払い出しラインに設けた10メッシ
ュ金網で捕集したスケールの合計量として測定した(仕
込んだ塩化ビニル単量体に対するパーセント)。
ゾル粘度は、ラテックスをスプレイ乾燥機で52℃で乾
燥し、粉砕機で粉砕した樹脂100重量部に対し、ジオク
チルフタレート(DOP)65重量部を加えて、らいかい機
で混練したゾルを30℃の恒温槽で1時間保持した後、BM
粘度計で測定した粘度(センチポイズ)である。
実施例2〜5 実施例2、3、4および5において、ABVNの量をそれ
ぞれ135g、162g、194g、207gとした。
また、それぞれ撹拌翼として外径20.8cm(d/D=0.
4)、31.2cm(d/D=0.6)、41.6cm(d/D=0.8)、46.8c
m(d/D=0.9)の門型備を付設した直径0.52m、直胴部の
高さ5.2m(H1/D=10)、ジャケット伝熱面積8.3m2のス
テンレス製重合装置を用いた以外は実施例1と同様の方
法で分散均質化および重合を行った。撹拌回転数はそれ
ぞれ40r.p.m.、30r.p.m.、23r.p.m.、21r.p.m.であっ
た。
実施例6 ABVNの量を207g、外径36cmのらせん翼を撹拌機として
付設した直径0.45cm(d/D=0.8)、直胴部の高さ6.75m
(H1/D=15)、ジャケット伝熱面積9.2m2のステンレス
製重合装置を用いた以外は実施例1と同様の方法で分散
均質化および重合を行った。
比較例1 重合開始剤としてABVN81g、撹拌翼の外径32cmの門型
翼を付設した直径0.8m(d/D=0.4)、直胴部の高さ2m
(H1/D=2.5)、伝熱面積5.3m2のステンレス製重合装置
を用いた以外は実施例1と同様の方法で分散均質化およ
び重合を行った。但し、装置内温度は1点で制御した。
撹拌回転数は30r.p.m.であった。
比較例2 重合開始剤としてABVN113g、比較例1で用いた重合装
置に外径64cm(d/D=0.8)の門型翼を撹拌翼として取り
付けた以外は実施例1と同様の方法で分散均質化および
重合を行った。撹拌回転数は17r.p.m.であった。
比較例3 重合開始剤としてABVN122g、比較例1で用いた重合装
置に外径6.5cmの円筒バッフル4本を付設し、ジャケッ
トおよびバッフルで冷却しながら重合する以外は実施例
1と同様の方法で分散均質化および重合を行った。撹拌
回転数は30r.p.m.であった。
比較例4 ABVNの量は194gとし、比較例1で用いた重合装置を用
いて実施例1と同様の方法で重合を開始した。撹拌回転
数は30r.p.m.であった。
但し、重合開始後、2時間目から回収前まで重合装置
のラテックスを抜出してダイヤフラムポンプを経由して
伝熱面積1.5m2の二重管式熱交換器(外部クーラ)で、
約15000kcal/Hrの熱量を除去して重合装置へ戻しなが
ら、重合温度をジャケットで温度コントロールして重合
を行った。
重合終了後に装置などを点検した結果、ポンプ、熱交
換器およびラテックス配管内に多量のスケールが認めら
れた。
実施例1〜6および比較例1〜4の結果を第1表に示
す。
実施例7 実施例1で用いた重合装置にイオン交換水390kg、0.3
μ種子ラテックス11kg(固形分として)、ラウリル硫酸
ナトリウム120g、ロンガリット76.5g、FeSO4・7H2O0.02
2gを仕込み、内圧が25mmHgになるまで真空ポンプで減圧
した後、塩化ビニル単量体22.5kgを初期に仕込み、60r.
p.m.で撹拌しながら昇温した。
装置温度が40℃に達した時点で過酸化水素0.05%水溶
液を最初の3時間は5.4/Hr、4時間目までは2.7/H
r、5時間目までは1.54/Hr、5時間目以降は1.34/H
rとなるように、液面の変化に合わせ重合装置の上下方
向に設けられた3点の追加口から液相部に均等に追加し
た。
同時に残りの塩化ビニル単量体427.5kgを重合装置の
下部から内径4mmのノズルを通し、予め予測した重合転
化率曲線から求めた塩化ビニル単量体追加速度に従って
塩化ビニル追加しながら40℃で重合した。
重合中、1時間毎にラテックスをサンプリングし、塩
化ビニル単量体の仕込総量が重合転化率より15%以上、
20%以下となるように追加速度を修正した。
更に、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウムの5%水溶液
40.5を重合開始後2時間目から8時間目まで6.75/H
rで等速追加した。重合時間10.5時間目で過酸化水素の
供給を停止し、未反応塩化ビニル単量体を回収した。
実施例8 実施例5で用いた重合器装置用い実施例7と同じ方法
で重合を行った。
但し、過酸化水素は0.1%水溶液を最初の2時間は4.5
/Hr、3時間目までは2.25/Hr、4時間目までは1.29
/Hr、4時間目以降は1.12/Hrで追加し、ドデシルベ
ンゼン硫酸ナトリウムの5%水溶液を1.5時間目から6
時間目まで9/Hrで等速追加した(総量40.5)。
重合開始後8時間目で過酸化水素の供給を停止し、未
反応塩化ビニル単量体を回収した。撹拌回転数は63r.p.
m.であった。
実施例9 実施例6で用いた重合装置を用い、実施例8と同じ方
法で重合を行った。撹拌回転数は75r.p.m.であった。
比較例5 比較例1で用いた重合装置を用い、実施例7と同じ方
法で重合を行った。
但し、過酸化水素は、0.05%水溶液を最初の4時間は
1.8/Hr、7時間目までは0.9/Hr、9時間目までは0.
52/Hr、9時間目以降は0.44/Hrで追加し、ドデシル
ベンゼン硫酸ナトリウムの5%水溶液を重合開始後2.5
時間目から13時間目まで3.86/Hrで等速追加した(総
量40.5)。
重合開始後18時間目で過酸化水素の供給を停止し未反
応塩化ビニル単量体を回収した。撹拌回転数は90r.p.m.
であった。
比較例6 比較例1で用いた重合装置を用い、実施例8と同じ重
合処方で重合を行った。
但し、重合装置の頂部に付設した伝熱面積3m2のリフ
ラックスコンデンサにより、重合開始後1時間目から8
時間目まで除去熱量を10,000〜15,000kcal/Hrに調節し
て重合した。
重合開始後8時間目で過酸化水素の供給を停止し未反
応塩化ビニル単量体を回収した。撹拌回転数は90r.p.m.
であった。
実施例7〜9ならびに比較例5および6の結果を第2
表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 敬蔵 兵庫県高砂市西畑1丁目14番18号 (72)発明者 辻中 正博 兵庫県高砂市高砂町沖浜町2―63 (56)参考文献 特開 昭55−89301(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撹拌機を有して成り、有効内径(D)およ
    び直胴部の長さ(H1)を有する円筒形の、塩化ビニルを
    含む単量体のミクロ懸濁重合法または乳化重合法に使用
    する重合装置であって、有効内径(D)に対する直胴部
    の長さ(H1)の比(H1/D)が4〜20である、塔型の重合
    装置。
  2. 【請求項2】有効内径(D)に対する撹拌翼外周部直径
    (d)の比(d/D)が0.6以上である請求項1記載の重合
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の重合装置を使用し
    て塩化ビニルを含む単量体をミクロ懸濁重合または乳化
    重合により重合する方法。
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