JP3469377B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JP3469377B2 JP30058795A JP30058795A JP3469377B2 JP 3469377 B2 JP3469377 B2 JP 3469377B2 JP 30058795 A JP30058795 A JP 30058795A JP 30058795 A JP30058795 A JP 30058795A JP 3469377 B2 JP3469377 B2 JP 3469377B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペースト加工用の
塩化ビニル系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系重合体のペーストと
しては、塩化ビニル系重合体の粒子を可塑剤中に分散
し、安定剤、充填剤等を添加したプラスチゾルや、前記
可塑剤以外に希釈剤等を含むオルガノゾル等が知られて
いる。これらのペーストに用いる所謂ペースト樹脂に要
求される重要な性質としては、ペーストに調製する際に
低せん断速度でかつ短時間のうちに重合体の粉末が単位
粒子となって分散すること;ペースト加工の方法を問わ
ずいかなるせん弾力の範囲においてもペーストの流動性
が優れ、容易に加工できること、具体的には、スラッシ
ュ成形法、回転成形法、浸漬法、キャスティング法、ス
ポンジ成形法等を採用した場合における低せん断力か
ら、スプレッド(展延)法、噴霧塗装法等を採用した場
合における高せん断力に至るまでの広い範囲で、たとえ
可塑剤や希釈剤の使用量が少なくても十分にペーストの
流動性が良いこと;ペーストの粘度の経時変化が小さい
ことなどが挙げられる。即ち、ペーストは、その初期粘
度が低く、かつ長期保存しても粘度の経時変化が小さい
ものが望まれ、また熱安定性にも優れている必要があ
る。
【0003】従来、ペーストの粘度の安定性を向上する
ことを目的とした塩化ビニル系重合体の製造方法として
は、例えば、重合終了後にアルキルアリールスルホネー
ト、アルキルエーテルサルフェート、スルホサクシネー
ト等のアニオン界面活性剤を得られた重合体ラテックス
に添加する方法(特公昭58-38442号公報参照)、重合中
にアルキルアリールスルホネート等のアニオン界面活性
剤を重合系に逐次的に添加する方法(特公平3-4562号公
報参照)、重合中にポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル等のノニオン活性剤を逐次的に重合系に添加
する方法(特公昭59-50161号公報参照)等が知られてい
る。しかし、これらの方法は、界面活性剤を多量に加え
なければペーストの粘度の安定性は向上しないという問
題がある。また、ペースト樹脂の代表的な製造方法であ
る乳化重合法や微細懸濁重合法では、通常、重合系に多
量の界面活性剤を含んでいるが、前記の方法では重合系
に更に界面活性剤を添加しなければならない。従って、
このようにして得られたペースト樹脂で調製したペース
トは、熱安定性及び脱泡性が悪くなるという欠点があ
る。
【0004】また、ペーストの粘度の安定性を向上する
ことを目的として、ペースト樹脂を可塑剤と混合する際
に、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の
ノニオン系界面活性剤やアルキルスルホン酸等のアニオ
ン系界面活性剤をペースト樹脂(塩化ビニル樹脂)100
重量部当たり、0.5 〜4重量部、好ましくは1重量部添
加する方法が知られている(「プラスチック加工技術便
覧−新版」、日刊工業新聞社刊、II-10.ペースト加工参
照)。しかし、この方法でもペーストの熱安定性及び脱
泡性が悪くなるという欠点がある。
【0005】そこで、ペーストの熱安定性及び脱泡性を
改良することを目的に、ペースト樹脂を可塑剤と混合す
る際に、ペースト樹脂(塩化ビニル樹脂)100 重量部当
たり、更にアルキンジオールを2重量部添加する方法が
知られている(エア・ブラウン・マクファレン(株)技
術資料)。しかし、この方法は、ペースト樹脂を可塑剤
に分散するのが困難であり、また得られるペーストの脱
泡性が悪いという欠点がある。また、高価なアルキンジ
オールを多量に使用するため、生産コストの面でも問題
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粘度
の経時変化が小さく、熱安定性に優れたペーストを得る
ことができ、また脱泡性の良好なペーストを得ることが
できる塩化ビニル系重合体の製造方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル単
量体又は塩化ビニル単量体を含む単量体混合物を水性媒
体中で乳化剤の存在下に重合を行う塩化ビニル系重合体
の製造方法において、重合終了後、得られた重合体ラテ
ックスに、 (A)アルキンジオール、 (B)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
及び (C)重合体ラテックスのpHが7.0 〜10.0 となる量
pH調整剤を添加することを特徴とする塩化ビニル系
重合体の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の製造方法は、前記単量体の重合を終了した
後、得られた重合体ラテックスに、下記(A)成分、
(B)成分及び(C)成分を添加する。
【0009】(A)成分 本発明に用いるアルキンジオールは、分子中に少なくと
も1つの三重結合を有するグリコール類であり、具体的
には、例えば2−ブチン−1,4−ジオール、3−ヘキ
シン−2,5−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキ
シン−2,5−ジオール、2,4−ヘキサジイン−1,
6−ジオール、3,5−オクタジイン−1,8−ジオー
ル、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオー
ル、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,
7−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デ
シン−4,7−ジオール等が挙げられる。アルキンジオ
ールの使用量は、前記単量体100 重量部当たり、0.05〜
0.2 重量部、好ましくは0.1 〜0.2 重量部である。この
使用量が少なすぎると得られるペーストの粘度が高くな
り、ペースト樹脂の成形加工性が悪くなる場合がある。
これとは逆に多すぎると得られたペーストの脱泡性が悪
くなる場合があるとともに生産コストの面で経済的でな
い。
【0010】(B)成分 本発明に用いる(B)成分のポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテルはノニオン系界面活性剤であり、
えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンデシルフェニルエーテル等が挙げられ、特に
好ましいものはポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルである。また、水に対する分散性を考慮すると、親
水親油バランス(HLB )が 11.0〜14.0、好ましくは 1
2.0〜13.0のものが好ましい。
【0011】ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テルの使用量は、前記単量体100 重量部当たり、0.1 重
量部以下、好ましくは0.05〜0.1 重量部である。この使
用量が少なすぎると得られるペーストの粘度がが高くな
り、ペースト樹脂の成形加工性が悪くなる場合がある。
これとは逆に多すぎると得られたペーストの脱泡性及び
熱安定性が悪くなる場合があるとともに生産コストの面
で経済的でない。
【0012】アルキンジオールの使用量は、前記単量体
100 重量部当たり、0.05〜0.2 重量部、好ましくは0.1
〜0.2 重量部である。この使用量が少なすぎると得られ
るペーストの粘度が高くなり、ペースト樹脂の成形加工
性が悪くなる場合がある。これとは逆に多すぎると得ら
れたペーストの脱泡性が悪くなる場合があるとともに生
産コストの面で経済的でない。
【0013】(C)成分 本発明に用いるpH調整剤としては、例えば、水酸化ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化
カルシウム、炭酸カルシウム、アンモニア水等の塩基性
物質が挙げられる。pH調整剤の使用量は、これを添加
した重合体ラテックスのpHが7.0 〜10.0、好ましくは7.
5 〜9.5 となる量である。なお、pH調整剤を添加した
重合体ラテックスのpHが低すぎると、得られるペースト
の熱安定性が悪くなる場合がある。これとは逆に高過ぎ
るとペーストの粘度が増大するため好ましくない場合が
ある。
【0014】このような(A)成分、(B)成分及び
(C)成分は、前記の各使用量の範囲であって、これら
の成分の合計量が、前記単量体100 重量部当たり、0.25
重量部以下となるように使用するのが好ましい。
【0015】(A)成分、(B)成分及び(C)成分の
添加時期としては、前記単量体の重合終了後であるが、
重合終了後から乾燥工程前まで(乾燥工程の間は含まな
い)であればよく、具体的には、例えば、重合終了後に
重合器からガスを排気する直前(未反応単量体ガスの回
収直前)、或いは排気完了後(未反応単量体ガスの回収
後)である。重合器内の重合体ラテックスが排気により
発泡しない点で、ガスを排気する直前に添加するのが好
ましい。
【0016】添加方法としては、特に制限はないが、
(A)成分のアルキンジオールは、水に溶解しないの
で、例えば(C)成分のpH調整剤、(B)成分のポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル及び水を混合し
た後、該混合液に(A)成分のアルキンジオールを分散
した分散液を重合体ラテックスに添加するのが好まし
い。また、アルキンジオールを分散するときに、エチレ
ングリコールを分散媒として、前記水に代えて使用し、
或いは水と併用してもよい。(A)成分、(B)成分及
び(C)成分は、重合体ラテックスに添加すると共に、
得られたペースト樹脂(塩化ビニル系重合体)と可塑剤
との混合時に添加することもできるが、これらの成分を
ペースト中に均一に混在させることは困難であり、また
添加量が少量では効果が期待できないので好ましくな
い。
【0017】 本発明の製造方法は、このように重合
終了後に前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を
得られた重合体ラテックスに添加するものであり、これ
以外の重合終了に至るまでの単量体の重合に関しては、
公知のペースト樹脂を重合する方法でよい。このような
重合方法としては、例えば、乳化重合法、播種乳化重合
法、微細懸濁重合法等が挙げられる。
【0018】(i) 乳化重合法 本発明に使用する乳化重合法は、通常行われている乳化
重合法と同様の条件でよく、単量体、水溶性重合開始
剤、水性媒体及び乳化剤等の重合器への仕込みや、重合
温度、攪拌条件等の重合条件は従来と同様にして行えば
よい。
【0019】単量体 重合する単量体としては、前記の通り、塩化ビニル単量
体のほか、塩化ビニル単量体を主体とするこれと共重合
可能なビニル系単量体(コモノマー)との混合物(塩化
ビニルが50重量%以上)であってもよい。上記コモノマ
ーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル等のアクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステ
ル;エチレン、プロピレン等のオレフィン;ラウリルビ
ニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエ
ーテル;無水マレイン酸;アクリロニトリル;スチレ
ン;塩化ビニリデン;その他塩化ビニルと共重合可能な
単量体などが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以
上の組合せで用いられる。
【0020】水溶性重合開始剤 前記の水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等が挙げられ、
これらは一種単独で又は2種以上組み合せて使用するこ
とも可能である。水溶性重合開始剤の使用量は、前記単
量体100 重量部当り、好ましくは0.01〜1重量部、さら
に好ましくは0.05〜0.5 重量部である。
【0021】水性媒体 前記の水性媒体としては、例えば脱イオン水を挙げるこ
とができ、水性媒体の使用量は、前記単量体100 重量部
当り100 〜250 重量部程度でよく、重合の途中で該水性
媒体を追加してもよい。
【0022】乳化剤 前記の乳化剤としては、例えば、アルキルスルホン酸
塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルアルコール
硫酸エステル塩、脂肪酸塩、モノアルキルスルホコハク
酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等の通常の陰イオン
系界面活性剤;高級脂肪酸のグリセリンエステル、高級
脂肪酸のグリコールエステル、高級脂肪酸のソルビタン
エステル、高級アルコール縮合物、高級脂肪酸縮合物、
ポリプロピレンオキサイド縮合物等の通常の非イオン系
界面活性剤;高級アルコール等が挙げられる。乳化剤の
使用量は、前記単量体100 重量部当り、好ましくは0.1
〜5.0 重量部、さらに好ましくは0.5 〜2.0 重量部であ
る。
【0023】その他の添加剤 本発明の製造方法に採用する乳化重合法においては、さ
らに必要に応じて、公知の乳化重合に適宜使用される重
合度調整剤、連鎖移動剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤、
架橋剤、酸化防止剤、緩衝剤、スケール防止剤等を添加
することもできる。
【0024】(ii)播種乳化重合法 本発明に使用する播種乳化重合法は、通常行われている
播種乳化重合法と同様の条件でよく、単量体、種となる
塩化ビニル樹脂、重合開始剤、水性媒体及び乳化剤等の
重合器への仕込みや、重合温度、攪拌条件等の重合条件
は、従来と同様にして行えばよい。
【0025】重合開始剤としては、例えば、水溶性重合
開始剤、油溶性重合開始剤、及び過酸化物と還元剤との
併用系の重合開始剤等が挙げられる。これらは1種類又
は2種類以上の組合せで使用することも可能である。
【0026】単量体、水溶性重合開始剤、水性媒体、乳
化剤及びその他の添加剤としては、前記(i) の乳化重合
法に例示したものと同様のものを使用することができ、
これらの使用量も同様でよい。
【0027】種となる塩化ビニル樹脂としては、公知の
ものでよく、例えば平均粒径0.03〜0.7 μm程度のもの
でよい。この樹脂の使用量は、単量体100 重量部当た
り、1〜50重量部程度でよい。
【0028】前記の油溶性重合開始剤としては、例え
ば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2
−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキ
シエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネー
ト化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−
クミルパーオキシネオデカネート、3-ヒドロキシ-1,1-
ジメチルブチルパーオキシネオデカネート、(α,α’
−ビスネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベン
ゼン、1-シクロヘキシル-1- メチルエチルパーオキシネ
オデカネート、2,4,4-トリメチルペンチル-2- パーオキ
シネオデカネート等のパーエステル化合物;アセチルシ
クロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4 −トリメ
チルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート等
のパーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホ
ニルパーオキシド、2,4,4-トリメチルペンチル-2- パー
オキシフェノキシアセテート等の過酸化物;アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス−(4−メト
キシ−2,4 −ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物
などが挙げられる。
【0029】油溶性重合開始剤の使用量は、前記単量体
100 重量部当り、好ましくは0.01〜0.7 重量部、さらに
好ましくは0.05〜0.5 重量部である。
【0030】前記の還元剤としては、例えば亜硫酸塩、
酸性亜硫酸塩、第1鉄塩等が挙げられる。還元剤の使用
量は、単量体100 重量部当り、好ましくは0.00001 〜5
重量部である。
【0031】(iii)微細懸濁重合法 本発明に使用する微細懸濁重合法は、通常行われている
微細懸濁重合法と同様の条件でよく、単量体、油溶性重
合開始剤、水性媒体及び乳化剤の重合器への仕込みや、
重合温度、攪拌条件等の重合条件は、従来と同様にして
行えばよい。
【0032】単量体、油溶性重合開始剤、水性媒体、乳
化剤及びその他の添加剤としては、前記(i) の乳化重合
法及び前記(ii)の播種乳化重合法に例示したものと同様
のものを使用することができ、これらの使用量も同様で
よい。
【0033】本発明の製造方法で得られた塩化ビニル系
重合体は、ペースト樹脂として有用であり、例えば、ジ
−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジイソノ
ニルフタレート(DiNP)、ジブチルフタレート(D
BP)、ベンジルフタレート系可塑剤、アジペート系可
塑剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、燐酸
エステル系可塑剤等の可塑剤に分散してペーストとする
ことができる。また、このペーストには、ミネラルスピ
リッツ、ケロシン等の沸点120〜200℃の脂肪族炭
化水素或いは芳香族炭化水素等の希釈剤;スズ系、バリ
ウム−亜鉛系、カルシウム−亜鉛系の安定剤;二次可塑
剤;充填剤;発泡剤;顔料等を添加することができる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定され
るものではない。なお、本例中の「部」及び「%」はす
べて「重合部」及び「重量%」を意味する。また本例で
得られた塩化ビニル重合体で調製したペーストについて
下記の脱泡性、粘度及び熱安定性を評価した。
【0035】(1)脱泡性 得られた塩化ビニル重合体100 部、DOP80部、及びジ
ブチル錫マレートラウレート2部を石川式攪拌らい潰機
で30分間混練し、ペーストを調製した。このペースト25
0gを1Lビーカーに入れ、これをベルジャー内に配置
し、そして真空中で30分間脱泡操作を行った。その後、
一旦大気圧に戻した後、再び真空ポンプで減圧し、ぺー
ストが膨脹してビーカーの最上端(開口部)まで達した
ときに大気圧に戻した。このような真空ポンプによる減
圧操作と大気圧に戻す操作を繰り返して行い、ぺースト
がビーカーの最上端の位置まで膨脹しなくなるまでに要
した減圧操作回数を測定した。ペーストの脱泡性はこの
回数により評価した。
【0036】(2)ペーストの粘度 前記(1)脱泡性の項で示したように30分間の脱泡操作
を行った後、ペースト250gが入った1Lビーカーを30℃
の恒温槽に浸漬し、1時間経過後のペーストの粘度をB
型粘度計を使用して測定した(表1中、ペースト初期粘
度として記す)。そして、30℃の恒温槽に7日間浸漬し
た後のペーストの粘度についても同様に測定した(表1
中、ペースト7日後粘度として記す)。なお、これらの
粘度は下記式により算出した補正粘度(V9 )である。 V9 =V12’×2−V6 ’ (式中、V6 ’はB型粘度計のローター回転数が6rpm
のときにおける粘度であり、V12’はB型粘度計のロー
ター回転数が12rpm のときにおける粘度である)
【0037】(3)熱安定性 得られた塩化ビニル重合体100 部、DOP80部、及びジ
ブチル錫マレートラウレート2部を石川式攪拌らい潰機
で30分間混練し、ペーストを調製した。このペーストを
真空中で30分間脱泡操作を行った後、1mm厚の鉄板上に
展延し、これを180 ℃で8分間加熱することにより厚さ
約0.6 mmのシートを作製した。このシートを180 ℃のギ
アオーブンで加熱し完全に着色するまでの時間(分)を
測定して熱安定性を評価した。
【0038】実施例1 水200 部、アゾビスバレロニトリル(ABVN) 0.03 部、
ドデシルベンゼンスルホネート0.5 部及びセチルアルコ
ール0.7 部を、コロイドミル混合装置を併設(重合器内
とは配管で連絡)した5L耐圧ステンレス製重合器中に
投入し、次いで排気して重合器内を負圧にした後、塩化
ビニル単量体100 部を仕込んだ。次に、コロイドミル混
合装置を稼働し、かつ重合器内容物を攪拌機で攪拌しな
がら、内容物をコロイドミル混合装置内に前記配管を介
して循環させながら2時間混合して該内容物を分散均質
化した。その後、コロイドミル混合装置内への内容物の
循環を停止した。そして、重合器内容物を攪拌機で攪拌
しながら、同時にジャケットに熱水を通じて重合器内容
物を57℃まで昇温した。その後、内容物の温度を57
℃に保ちながら攪拌下(攪拌速度:235rpm)に重合反応
を行った。10時間経過後、重合器内圧が5kg/cm2 (ゲ
ージ圧)に降下した時点で重合反応を停止し、重合器内
容物(重合体ラテックス)に2,4,7,9−テトラメ
チル−5−デシン−4,7−ジオール0.1 部、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル0.05部及び水酸化ナ
トリウム0.02部を添加した。なお、これらを添加した後
の重合体ラテックスのpHは8.2 であった。そして、5
分間攪拌した後に重合器内から排気して未反応の塩化ビ
ニル単量体を除去した。次に、得られた重合体ラテック
スを重合器から取り出し、噴霧乾燥及び粉砕を行って塩
化ビニル重合体を得た。この重合体を使用して前記のペ
ーストの脱泡性、粘度及び熱安定性を測定した。結果を
表1に示す。
【0039】実施例2 水200 部、過硫酸カリウム0.25部、ラウリン酸アンモニ
ウム1部、セチルアルコール1部及び平均粒子径0.35μ
m の塩化ビニル樹脂を含むエマルジョン(塩化ビニル樹
脂含有量:30%)6.5 部を耐圧ステンレス製5L重合器
中に投入し、次いで排気して重合器内を負圧にした後、
塩化ビニル単量体100 部を仕込んだ。次に、重合器内容
物を攪拌機で攪拌しながら、同時にジャケットに熱水を
通じて重合器内容物を52℃まで昇温した。その後、内
容物の温度を52℃に保ちながら攪拌下(攪拌速度:23
5rpm)に重合反応を行った。7時間経過後、重合器内圧
が4kg/cm2 (ゲージ圧)に降下した時点で重合反応を
停止し、重合器内から排気して未反応の塩化ビニル単量
体を除去した。重合器内が常圧になった後、重合器内容
物(重合体ラテックス)に3,6−ジメチル−4−オク
チン−3,6−ジオール0.1 部、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル0.05部及び水酸化ナトリウム0.02
部を添加した。なお、これらを添加した後の重合体ラテ
ックスのpHは8.2 であった。そして、重合体ラテック
スを5分間攪拌した後、重合器から取り出し、噴霧乾燥
及び粉砕を行って塩化ビニル重合体を得た。この重合体
を使用して前記のペーストの脱泡性、粘度及び熱安定性
を測定した。結果を表1に示す。
【0040】比較例1 実施例1において、2,4,7,9−テトラメチル−5
−デシン−4,7−ジオール0.1 部、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル0.05部及び水酸化ナトリウム
0.02部に代えて、2,4,7,9−テトラメチル−5−
デシン−4,7−ジオール0.5 部及びポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル0.5 部を使用した以外は、実
施例1と同様にして塩化ビニル重合体を得た。なお、
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−
ジオール0.5 部及びポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル0.5 部を添加した後の重合体ラテックスのpH
は4.5 であった。そして、この重合体を使用して前記の
ペーストの脱泡性、粘度及び熱安定性を測定した。結果
を表1に示す。
【0041】比較例2 実施例1において、2,4,7,9−テトラメチル−5
−デシン−4,7−ジオール0.1 部、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル0.05部及び水酸化ナトリウム
0.02部に代えて、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル1.0 部を使用した以外は、実施例1と同様にして
塩化ビニル重合体を得た。なお、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル1.0 部を添加した後の重合体ラテ
ックスのpHは4.5 であった。そして、この重合体を使
用して前記のペーストの脱泡性、粘度及び熱安定性を測
定した。結果を表1に示す。
【0042】比較例3 実施例1において、重合反応停止後、2,4,7,9−
テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール0.1 部、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル0.05部及び
水酸化ナトリウム0.02部を添加しなかった以外は、実施
例1と同様にして塩化ビニル重合体を得た。なお、重合
反応停止直後の重合体ラテックスのpHは4.5 であっ
た。そして、ペーストの脱泡性、粘度及び熱安定性を測
定するに当たり、得られた重合体100 重量部当たり、
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−
ジオール2部を配合したものを使用して測定した。結果
を表1に示す。
【0043】
【表1】 表1中、増粘係数(7日後/初期)は、ペースト初期粘
度/ペースト7日後粘度の比である。
【0044】
【発明の効果】本発明の製造方法は、粘度の経時変化が
小さいペーストを調製することできるペースト樹脂(塩
化ビニル系重合体)を得ることができる。また、アルキ
ンジオールや界面活性剤の使用量が従来の方法に比べよ
り少量であるため、得られるペーストは脱泡性や熱安定
性に優れる。従って、ペースト調製の作業性が良好にな
ると共に、該ペーストから得られる製品の物性や表面状
態も良好となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 27/06 C08L 27/06 (56)参考文献 特開 平3−239748(JP,A) 特開 平6−306234(JP,A) 特公 昭44−2105(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 6/00 - 6/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体
    を含む単量体混合物を水性媒体中で乳化剤の存在下に重
    合を行う塩化ビニル系重合体の製造方法において、 重合終了後、得られた重合体ラテックスに、 (A)アルキンジオール、 (B)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
    及び (C)重合体ラテックスのpHが7.0 〜10.0 となる量
    pH調整剤を添加することを特徴とする塩化ビニル系
    重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記重合が、乳化重合、播種乳化重合又
    は微細懸濁重合である請求項1に記載の塩化ビニル系重
    合体の製造方法。
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