JPH0819169B2 - ペースト用塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

ペースト用塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH0819169B2
JPH0819169B2 JP23159487A JP23159487A JPH0819169B2 JP H0819169 B2 JPH0819169 B2 JP H0819169B2 JP 23159487 A JP23159487 A JP 23159487A JP 23159487 A JP23159487 A JP 23159487A JP H0819169 B2 JPH0819169 B2 JP H0819169B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、熱安定性・耐水白化性が良好で、かつ低粘
度のプラスゾルを与えることのできる塩化ビニル系重合
体の製造方法に係わる。
「従来の技術」 ペースト用塩化ビニル系重合体は、通常、水溶性の重
合開始剤を用いた乳化重合法または塩化ビニル単量体に
溶解するいわゆる油溶性重合開始剤を用い、塩化ビニル
単量体を機械的に水中に均一かつ微細に分散させた(均
質化処理した)後重合する微細懸濁重合法によって製造
されている。
このようにして得られたペースト用塩化ビニル系重合
体は、例えば重合体に可塑剤、希釈剤、安定剤、及び、
用途に応じ熱分解型有機発泡剤及び該発泡剤の分解温度
を低下させる「キッカー」と称する発泡助剤、その他を
混合または混練し、加熱ゲル化して製造する、床材、壁
紙、天井被覆材、レザー等の用途に多量に使用されてい
るが、これらの成形品の成形・加工時、または使用時に
おける熱安定性の向上は常に求められているところであ
る。また、これらの内、透明な成形品は、例えば水中に
浸漬したり、水分と多く触れるような条件で使用したり
すると、吸水して白化し、透明性が失われる、という欠
点がある。
これら熱安定性、吸水白化性を改良するために、これ
までも多くの考案がなされている。特開昭55-80445号公
報、及び特開昭59-152941号公報では、塩化ビニル系樹
脂等の含ハロゲン樹脂の成形加工時の熱安定性改良のた
め、同樹脂にハイドロタルサイト類、特にBET比表面積
が30m2/g以下で、かつ脱結晶水処理をしたハイドロタル
サイト類を、すず系安定剤やステアリルアルコールとと
もに含有せしめることが提案されている。また、特開昭
62-43447号公報では、脂肪酸系乳化剤を含み、かつアル
カリ金属含有量が500ppm以下のペーストレジンにハイド
ロタルサイト類、及び特定の安定剤を配合せしめた組成
物が熱安定性、吸水白化性に秀れていることが記されて
いる。
しかし、このようにして調製したプラスチゾル、オル
ガノゾル等のペースト分散液は粘度が高く成形・加工性
が劣る、という欠点があった。一方、ゾル粘度を低下す
る等の目的では、重合後のラテックスに各種の陰イオン
界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合
物、ソルビタンエステル、グリセリンアルキルエステル
などの非イオン界面活性剤の1種または2種以上を適宜
量加えて乾燥するペースト用塩化ビニル系重合体の製造
方法や、またはゾル調製時に上述した界面活性剤を加え
ることも行われている。しかし、この様な一般的な方法
では粘度低下の点で必ずしも十分な結果は得られていな
いのみならず、本来の目的である熱安定性や吸水白化性
を悪化させることが多い、という欠点も有していた。
「発明が解決しようとする問題点」 本発明者らは、上述のような従来の欠点のない低粘度
でかつ熱安定性・吸水白化性の良いプラスチゾルを与え
る塩化ビニル系重合体について鋭意検討を行なってきた
結果、塩化ビニル系重合体を製造する際、ハイドロタル
サイト類を重合開始前、もしくは、重合初期(重合転化
率50%以下)に添加する事により、本発明の目的を達成
しうることを発見し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、粘度が低く、かつ熱安定
性・吸水白化性の良好なプラスチゾルを与えることので
きるペースト用塩化ビニル系重合体の製造方法を提供す
るにある。
「問題点を解決するための手段」 しかして、本発明の要旨とするところは、塩化ビニル
単独または塩化ビニルと共重合可能なモノマーの混合物
を乳化重合または微細懸濁重合する際、ハイドロタルサ
イト類を重合開始前、もしくは、重合初期(重合転化率
50%以下)に添加する事を特徴とするペースト用塩化ビ
ニル系重合体の製造方法にある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の塩化ビニル系重合体の製造は、前述の乳化重
合法または微細懸濁重合法により行なわれるが、これに
用いる単量体は、塩化ビニル単量体または塩化ビニルと
これに共重合可能な他の単量体、例えば、エチレン、プ
ロピレン、n−ブテンのようなオレフィン類、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニルのような
ビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸のような不飽和酸またはそれらのアルキルエステル、
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、オクチ
ルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテルのようなビ
ニルエーテル、マレイン酸、フマル酸あるいはこれらの
無水物またはエステル、芳香族ビニル化合物、不飽和ニ
トリル等の単量体の1種又は2種以上の混合物が挙げら
れる。塩化ビニルと共重合可能な単量体は、上述のもの
に限定されるものではなく、また共重合体の場合、共重
合可能な単量体の含有量は、共重合体全体の30重量%以
下、好ましくは20重量%以下の範囲であるのが望まし
い。
本発明の重合方法においては、重合開始剤として、例
えば過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウ
ム塩等)、過酸化水素等の水溶性過酸化物、またはこれ
らと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水
素ナトリウム、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドナト
リウムスルホキシレート、等の還元剤とからなる水溶性
レドックス開始剤、或は、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ラウロ
イルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、等の単量体可溶性(油溶性)開始剤、及びこれらと
上記のレドックス開始剤用の還元剤との組合せからなる
公知の開始剤等が使用される。これらの、開始剤系によ
っても熱安定性、吸水白化性、粘度に悪影響が出ること
もあるので、その種類、量の選択には注意が必要であ
る。理由は不明であるが、一般に有機系の開始剤系、ま
たは無機アンモニウム塩が比較的良い結果を与える例が
多い また、重合に用いる乳化剤としては、高級アルコール
硫酸エステルアルカリ金属塩(アンモニウム塩)、アル
キルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩(アンモニウム
塩)、高級脂肪酸アルカリ金属(アンモニウム塩)、等
の公知の乳化剤の1種、または2種以上の組合せ、を挙
げることが出来る。特に秀れた吸水白化性・熱安定性が
望まれる場合は、脂肪酸系乳化剤を主乳化剤として用
い、かつ、得られる重合体中の全アルカリ金属含有量が
500ppm以下になるようにその使用量を制御することが望
ましく、なかでも、高級脂肪酸アンモニウム塩が、諸物
性のバランスから最も好ましい。ここで用いる高級脂肪
酸は炭素数8〜18のものが好ましい。
乳化剤の使用量は生成する塩化ビニル系樹脂に対し
て、0.1〜3.0重量部(好ましくは0.3〜1.0重量部)であ
る。
本発明で用いるハイドロタルサイト類は、BET比表面
積が30m2/g以下で、かつ脱結晶水処理をしたものが好ま
しい。ハイドロタルサイト類の含有割合が仕込単量体10
0重量部に対して、0.1〜5.0重量部、好ましくは、0.15
〜3.0重量部である。ハイドロタルサイト類の含有量が
少ないと熱安定性の改良効果が小さくなり過ぎるし、ま
た、反対に多過ぎると、最終製品の透明性が低下する恐
れがあり、好ましくない。
ハイドロタルサイト類の添加は、重合開始前の任意の
時期、例えば、水、単量体、の仕込時、またはその前
後、或は、乳化剤、重合開始剤、その他の重合助剤等と
同時にまたはその前後に、一括して、または分割して仕
込んでも良く、もしくは、重合反応率が50%以下(好ま
しくは30%以下)の任意の時期に、上記と同様に、一括
・分割・連続の任意の方法で、仕込むことにより行な
う。添加時期が重合反応率50%を越えた場合は、所望の
低粘化効果が得られない。
ハイドロタルサイト類は一般に、非水溶性であり、添
加時の均一分散を得るためには、これを水スラリーとし
て用いたり、または予め界面活性剤により乳化液として
用いることが好ましい。その際の、界面活性剤としては
上述したように、高級脂肪酸アンモニウム塩が賞用され
る。
本発明の塩化ビニル系樹脂の製造に際しては、一般に
ペースト用塩化ビニル系樹脂を製造する場合に用いられ
る各種の助剤、改質剤等を使用することができる。しか
し、これらの助剤、改質剤等の中には、熱安定性、吸水
白化性、または粘度に悪影響を及ぼすものも多いので、
これらの添加量は、必要に最少限にとどめるべきであ
る。
なお、熱安定性、吸水白化性への悪影響を防ぎつつ、
更に低粘度の組成物を得るためには、発明者らが既に出
願している [RO(CH2CH2O)nkPO(OH)m(OM)p (式中、Rは炭素数8〜30のアルキル基又はアルキルフ
ェニル基、Mはアルカリ金属原子又はアンモニウム基、
nは0〜15の整数、kは1〜3の整数、m及びpは0〜
2の整数でありかつk+m+p=3である)で表わされ
る燐酸エステルを調整用乳化剤として添加する事が有効
である。(特願昭62-5572、62-101790号参照)本発明の
方法によって得られる塩化ビニル系樹脂は、可塑剤、安
定剤、その他の配合剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、充
填剤、帯電防止剤、着色剤、離型剤等)と混合して、プ
ラスチゾル、またはオルガノゾルとして使用される。
可塑剤としては、例えばフタル酸ジ−n−ブチル、フ
タル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキ
シル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジイソノニ
ル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸オクチルデシル、
フタル酸ブチルベンジル、イソフタル酸ジ−2−エチル
ヘキシル、または炭素数11〜13程度の高級アルコールの
フタル酸エステル等のフタル酸系可塑剤、トリメリット
酸ジ−n−オクチル−n−デシル、トリメリット酸トリ
−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリイソデシ
ル、トリメリット酸トリ−n−オクチル等のトリメリッ
ト酸系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ア
ジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、ア
ゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、、セバシン酸ジブ
チル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪酸エ
ステル系可塑剤、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−
エチルヘキシル、リン酸−2−エチルヘキシルジフェニ
ル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑剤、
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ト
ール油脂肪酸−2−エチルヘキシル等のエポキシ系可塑
剤または液状のエポキシレジン等があげられ、これら
は、1種または2種以上を混合して使用する。
安定剤は、塩化ビニル系樹脂用安定剤として公知の安
定剤が使用可能であるが、特に、液状複合安定剤または
有機すず系安定剤が好結果を与える。
ここで言う「複合安定剤」とは、少なくとも2種の金
属の有機酸、例えばリシノール酸、2−エチルヘキソイ
ン酸、ナフテン酸、安息香酸、サリチル酸、等の塩であ
り、通常液状の複合安定剤として市販されている。この
内、本発明では、バリウム−亜鉛系、カルシウム−亜鉛
系、マグネシウム−亜鉛系、カルシウム−バリウム系、
カドミウム−バリウム系、バリウム−亜鉛−すず系、カ
ドミウム−バリウム−亜鉛系等が好ましい。
また、有機すず系安定剤としては、ジブチルスズジラ
ウレート、ジブチルスズマレート、ジブチルスズメルカ
プタイド等が挙げられる。
これらの安定剤の使用量としては、ペーストレジン10
0重量部に対し、0.1〜5.0重量部、好ましくは、0.15〜
3.0重量部である。その含有割合が少な過ぎると熱安定
性が不足し、また多すぎると吸水白化性が悪化する。
「作用」 本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法は、乳化重合
あるいは微細懸濁重合する際に、ハイドロタルサイト類
を、重合転化率50%以下の時期に添加するところに特徴
を有するものである。
ハイドロタルサイト類の添加時期とゾル粘度の関係の
理由については、はっきりとは解らないが、重合中期以
降、または重合終了後に添加された場合、ハイドロタル
サイト類の粒子表面がゾル化時も残り、可塑剤等の配合
剤となんらかの相互作用をするか、または単純に、微細
粒子としてゾル中の粒子総表面積を増加させるか、によ
って、粘度を上昇させるが、これを、初期添加した場合
は、ハイドロタルサイト類の粒子表面を塩化ビニル系重
合体で覆うようなかたちになり、上記のような影響が出
るのを防ぐのではないか、と考えられる。
「発明の効果」 本発明の塩化ビニル系重合体から調製されたプラスチ
ゾルの粘度は、低剪断速度領域のみならず、高剪断速度
領域においても低い値を示し、プラスチゾルの流動性に
優れ、この効果は塗布法によるプラスチゾルの加工分野
において特に有利である。例えば、低剪断速度範囲にお
ける低いゾル粘度は、ベーストゾルの取扱、例えば供
給、ろ過、脱泡を容易にし、高剪断速度範囲における低
いゾル粘度は、高い塗布速度が可能になり、床材、壁材
等の製造に好ましい性質である。
また、本発明の塩化ビニル系重合体を用いることによ
り、吸水白化性及び熱安定性の秀れた製品を得ることが
でき、特に床材表面層をはじめとする透明製品の製造に
有利に用いられる。
「実施例」 次に本発明を実施例に更に詳述するが、本発明はその
要旨を越えない限り、以下の実施例によって限定される
ものではない。
なお、実施例中に記載された「部」及び「%」は、重
量標準によった。
また、テストに用いたプラスチゾルの配合は、次の通
りである。
塩化ビニル系ペースト・レジン 60部 ブレンディング・レジン 40部 フタル酸ジ−2−エチルヘキシル 50部 Ba-Zn系安定剤 2部 エポキシ系安定剤 2部 各テスト方法は以下の通りである。
BM型粘度(センチポイズ) BM型粘度計(東京計器製造所製)No.3ローターを用い
6rpm、60rpmの回転数、23℃で測定した。
熱安定性試験 プラスチゾルをアルミニウム箔上に、加熱後の厚さが
1mmになるように塗布し、その塗膜を195℃で5分間加熱
処理してから切り出し、このシートを引続き195℃で加
熱し、加熱時間5分、8分、10分、以後1分毎に取り出
して、赤(黒)褐色に着色するまでの時間を目視により
判定する。
吸水白化試験 前記の熱安定性試験と同様にしてガラス盤上に塗布し
て得た塗膜を200℃で5分間ゲル化溶融させてから切り
出した厚さ0.5mmのシートを、0.35mmになるように160℃
で5分間、30kg/cm2で、プレスしたシートを40℃の温水
に120分間浸漬した後、取り出して、分光光度計を用い
て波長550nmの光線を透過させ、その透過光量を測定し
て、光線透過率(%)で示す。
〈ハイドロタルサイト乳化液の調製〉 実施例3、7及び比較例3、4中で用いるハイドロタ
ルサイト類の乳化液は次のようにして調製した。
脱イオン水1をジムロート冷却器を備えた三口
(以上)のパラブル・フラスコに準備し、撹拌しながら
60℃に加温する。
ジムロード冷却器に通水し、アンモニア水(35%)
20gを投入する。
高級脂肪酸6〜10gを徐々にフラスコ内に加える。
加えた脂肪酸が完全に溶解した後、ハイドロタルサ
イト(粉末)200gを徐々に加える。
フラスコ内温を60℃に保ちながら、90〜120分間撹
拌を続ける。
系を冷却(放冷)した後、生成した乳化液を100mes
hの金網でろ過し、ハイドロタルサイト乳化液を得る。
(ジムロート冷却器には系が完全に冷えるまで通水を続
ける。)(更に多くの量が必要な場合は、この処方・方
法を比例計算でスケール・アップする。) 〈実施例1〉 攪拌機を備えた容積200lの重合槽に、90kgの温度54℃
の脱イオン水、12gの過硫酸アンモニウム、及び75gの亜
硫酸アンモニウムを入れ、約20分撹拌して溶解させた。
次いで、重合槽内を−610mmHgまで減圧し、50分間54℃
に保持した。
次いで、重合槽にハイドロタルサイトの10%水スラリ
ー5kg(純分換算500g)を加え、その後、60kgの塩化ビ
ニル単量体を仕込み、槽内温度を50℃に昇温した。単量
体の仕込後15分経過してから、予め溶解しておいた0.2
%過硫酸アンモニウム水溶液を約10cc/分の割合で徐々
に添加し、以後一定の重合速度を保つように、過硫酸ア
ンモニム溶液の添加速度を制御しながら反応させ、重合
率が約15%に達したときに、別途溶解しておいたミリス
チン酸アンモニウム水溶液の添加を開始し、同水溶液を
80cc/10分前後の速度で、全ミリスチン酸アンモニウム
添加量が360gになるまで添加した。槽内圧力が、50℃で
の塩化ビニル単量体の飽和圧から2.0kg/cm2降下したと
きに反応を停止し、未反応単量体を回収して重合体ラテ
ックスを得た。
得られたラテックスは粒径約0.43μの単一分散粒子で
あり、ラテックスの安定性は良好であった。
このラテックスを常法により噴霧乾燥した後、粉砕
し、ペースト用塩化ビニル樹脂約54kgを得た。この樹脂
を以下「樹脂A」と呼ぶ。
〈比較例1〉 ハイドロタルサイトの水スラリーを反応停止後に加え
る以外は、実施例1と全く同様にしてペースト用塩化ビ
ニル従つてを得た。この樹脂を以下「樹脂B」と呼ぶ。
〈実施例2〉 攪拌機を備えた容積200lの重合槽に脱イオン水80kg、
「樹脂B」の試作の際に採取した、ハイドロタルサイト
を加える前にラテックスを種子ラテックスとして4.5k
g、ハイドロタルサイトの10%水スラリー12kg、及び亜
硫酸アンモニウム90gをそれぞれ仕込んだ後、脱気した
上、塩化ビニル単量体75.5kgを仕込み、温度50℃に昇温
した。その後、全量で15gの過硫酸アンモニウムの0.1%
水溶液10lを最初は10cc/minの割合で約15分間加えた
後、一定の重合体速度を保つようにその添加速度を制御
しながら、連続的に添加した。重合率が10%に達したと
きから重合終了までミリスチン酸アンモニウム10%水溶
液を約0.7l/hrの割合でミリスチン酸として計0.5kgを連
続添加した。槽内圧が50℃での塩化ビニル単量体の飽和
圧より1.0kg/cm2降下したところで重合を停止し、未反
応単量体を回収した。得られたラテックスの平均粒子は
0.8μであった。
このラテックスも常法に従って噴霧乾燥・粉砕を行な
いペースト用塩化ビニル樹脂を得た。以下この樹脂を
「樹脂C」と呼ぶ。
〈実施例3〜5〉 攪拌機を備えた容積200lの重合槽に脱イオン水80kg、
平均粒径0.5μの塩化ビニル重合体種子のラテックス
(乳化剤:ラウリル硫酸ナトリウム、開始剤:過硫酸カ
リウム−ピロ亜硫酸ナトリウム系使用)を重合体種子と
して4.8kg、亜硫酸アンモニウム80gを仕込んだ後脱気し
て、上述の方法で予め調製してあったハイドロタルサイ
ト乳化液3l(ハイドロタルサイトとして600g)、及び塩
化ビニル単量体75.2kgを加えた。温度を44.5℃に昇温し
た後、全量で0.025%(対塩化ビニル)の過硫酸アンモ
ニウムの0.1%水溶液を最初10cc/minで15分間、その後
は一定の重合速度を保つように調節しながら連続的に添
加した。更に、重合率が重合体種子と塩化ビニルの合計
量の10%に達したときから重合の終了までの間乳化剤と
してミリスチン酸アンモニムの10%の水溶液として塩化
ビニルに対して毎時0.08%の割合で連続的に添加した。
重合圧が44.5℃における塩化ビニルの飽和圧から1kg/
cm2降下したときに重合を停止し、未反応モノマーを回
収した。得られたラテックス粒子の平均粒径は0.9μで
あった。
このラテックスを噴霧乾燥し、次いで粉砕して塩化ビ
ニル樹脂(「樹脂D」)を得た。
ハイドロタルサイトとして、乳化液に代わり、粉末状
の物(600g)、または水スラリー(10%スラリー6kg)
を用いる他は上記と全く同様にして重合反応を行い、そ
れぞれ平均粒径0.9μ、及び1.1μのラテックスを得、噴
霧乾燥、粉砕により、塩化ビニル樹脂(「樹脂E」「樹
脂F」)を試作した。
〈比較例2〜4〉 ハイドロタルサイトを全く使用しない事以外は実施例
3の方法と同様にして平均粒径1.0μのラテックスを合
成し、これを噴霧乾燥、粉砕することで塩化ビニル樹脂
を試作した。(「樹脂G」) また、ハイドロタルサイト乳化液の添加を重合添加率
70%の点で行なう以外は上記実施例3と全く同様にして
サンプルを試作した(「樹脂H」)。更に上記実施例で
ハイドロタルサイト乳化液の添加を重合終了後(未反応
モノマーの回収前)に行なうように変更したサンプルも
試作した。(「樹脂I」)なお、これらの比較例3、4
におけるハイドロタルサイト乳化液の使用量は実施例3
と同様3l(ハイドロタルサイトとして600g)である。
〈実施例6、7〉 攪拌機を備えた容積200lの予備混合槽にイオン交換水
100kg、ラウロイルパーオキサイド600g、ラウリル硫酸
ナトリウム400g、ラウリルアルコール200gを添加し次い
で予備混合槽を脱気し塩化ビニル単量体60kgを添加し撹
拌しながら35℃に保持した。均一に撹拌後乳化機を使用
し所望の液滴径に分散しながら予め脱気しておいた攪拌
機を備えた容積200lの反応槽に移送した。分散液の移送
完了後、反応槽の温度を昇温した公知の方法で重合を行
った。得られたラテックス中の種子重合体粒子の平均径
は0.5μであった。
上記のようにして調整した種子重合体を用いて重合を
次のように行った。
攪拌機を備えた容積200lの重合槽に脱イオン水80kg、
種子重合体ラテックス5kg、炭酸水素ナトリウム20gを仕
込んだ後脱気して塩化ビニル単量体75kgを仕込み、温度
を47℃に昇温した後、予め溶解しておいた亜硫酸アンモ
ニウムの0.3%水溶液を少量ずつ重合槽へ連続的に添加
し重合を開始した。亜硫酸アンモニウムの添加開始後一
定の反応速度で反応するようにその添加量を調整した。
更に重合率が10%に達したときから、重合終了までの
間、乳化剤として別途調製してあったラウリン酸アンモ
ニウムの約8%水溶液(計5l)を塩化ビニル単量体に対
して毎時0.1%の割合で連続的に添加した。重合率が25
%に達したところでハイドロタルサイトの10%水スラリ
ー10kgを添加槽から添加した。重合槽の圧力が47℃にお
ける塩化ビニルの飽和圧から1.5kg/cm2降下したときに
重合を停止し、未反応モノマーを回収した。得られたラ
テックスの平均粒径は1.2μであり、ラテックスの安定
性は良好であった。ラテックスを噴霧乾燥した後、粉砕
して塩化ビニル系重合体を得た。(「樹脂J」) また、ハイドロタルサイトを水スラリーから乳化液
(5l、純分1kg)に変更し、添加時期を塩化ビニルモノ
マー添加の直前に行なった以外は上記実施例6と同様に
して重合を行ない、平均粒径1.1μのラテックスを得
た。このラテックスを噴霧乾燥し、粉砕することで、塩
化ビニル樹脂(「樹脂K」)を試作した。
〈比較例5、6〉 ハイドロタルサイト類を全く使用しない他は上記実施
例6と同様にして平均粒径1.1μのラテックスを得、こ
れを噴霧乾燥し、粉砕することで塩化ビニル樹脂(「樹
脂L」)を、また、ハイドロタルサイトの水スラリーの
添加時期を重合反応終了後に変えた以外は上記実施例6
と同様にして得た平均粒径1.2μのラテックスを噴霧乾
燥、粉砕することにより塩化ビニル樹脂(「樹脂M」)
を試作した。
これらの実施例、比較例で試作した樹脂(A〜M)を
使用した前記配合からなるプラスチゾルについてプラス
チゾル粘度、吸水白化性、熱安定性を評価し、表にまと
める。この表から明らかな通り、本発明の塩化ビニル系
樹脂からなるプラスチゾルは粘度が低く、吸水白化性、
熱安定性に優れている。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル単独または塩化ビニルと共重合
    可能なモノマーの混合物を乳化重合または微細懸濁重合
    する際に、ハイドロタルサイト類を重合開始前、もしく
    は、重合初期(重合転化率50%以下)に添加する事を特
    徴とするペースト用塩化ビニル系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】ハイドロタルサイト類を水性スラリーで用
    いる特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】ハイドロタルサイト類を界面活性剤で予め
    乳化して用いる特許請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】界面活性剤が高級脂肪酸アンモニウム塩で
    ある特許請求の範囲第3項記載の方法。
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