JP2782805B2 - 塩化ビニル系共重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系共重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、プラスチゾルにした時に貯蔵安定性の優れ
た(粘度変化の少ない)塩化ビニル系共重合体を製造す
る方法に係る。
[従来の技術] プラスチゾルあるいはオルガノゾルにするいわゆるペ
ースト用塩化ビニル系共重合体は、塩化ビニル単量体及
びこれに共重合可能な単量体との混合物(以下塩化ビニ
ル系単量体混合物という)を水溶性の重合開始剤を用い
て乳化重合するか、または塩化ビニル系単量体混合物に
溶解する油溶性の重合開始剤を添加し、これを機械的に
水中に均一かつ微細に分散させた(均質化処理)後重合
する微細懸濁重合法によって製造されているが、これら
方法として通常共重合性単量体、コモノマーを重合開始
前に一括して重合系に添加しておく以外は塩化ビニル単
独重合体の製造法と同様の方法で製造されていることが
多い。これはコモノマーが、主に酢酸ビニルのような塩
化ビニルとの共重合反応性比r2が1未満のものであっ
たことにもよっている。
このようにして得られたペースト用塩化ビニル系共重
合体は、例えば共重合体に可塑剤、希釈剤、安定剤、及
び、用途に応じ熱分解型有機発泡剤及び該発泡剤の分解
温度を低下させる「キッカー」と称する発泡助剤、その
他を混合または混練し、いわゆる“プラスチゾル”の状
態を経て、加熱ゲル化して製造する。床材、壁紙、天井
被覆材、レザー、シーリング材等の用途に多量に使用さ
れている。
これらの塩化ビニル系共重合体は、一般に塩化ビニル
単独重合体に比べて、溶融性が良好であるという特徴を
有しており、この特徴を生かす用途に多く用いられる
が、溶融性が良い反面、これを可塑剤と混合してプラス
チゾルにした場合は、ゾルの貯蔵安定性が劣るため、ゾ
ル粘度が経時により著しく増加し、取り扱い性が低下し
たり、更にはゾルとしての使用ができなくなる、等の問
題点を有していた。この傾向は溶剤を分散媒に使用する
オルガノゾルでも同様である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、上述のような欠点のないプラスチゾル
またはオルガノゾル(以下単にプラスチゾルという)の
状態で貯蔵安定性の良好な塩化ビニル系共重合体を製造
すべく鋭意検討した結果、塩化ビニル単量体をモノマー
1(M1)、共重合性単量体をモノマー2(M2)と規定
したときのM2の共重合反応性が1以上のものを特定条
件下に添加して共重合体を製造することにより、該共重
合体は溶融性等の特性を損うことなく本発明の目的を達
しうることを見い出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の目的は、プラスチゾル化した時の
貯蔵安定性の優れた塩化ビニル系共重合体の製造方法を
提供するにある。
[課題を解決するための手段] しかして、本発明の要旨とするところは、塩化ビニル
単量体M1及びこれに共重合可能な単量体M2とを乳化共
重合または微細懸濁共重合するに際し、単量体M1の存
在下、または単量体M1よりなる種子重合体と単量体M1
との共存下に、必要に応じてさらに単量体M1を添加す
ると共に、共重合反応性比r2が1以上である単量体M2
を、共重合転化率が60%に到るまでの間に間欠的にもし
くは連続的に添加する塩化ビニル系共重合体の製造方法
にある。
本発明を詳細に説明する。
本発明の塩化ビニル系共重合体の製造方法は、前述の
乳化重合法または微細懸濁重合法により行なわれるが、
共重合に用いる単量体(M2)は、例えば、アクリロニ
トリルのような不飽和ニトリル類、アクリル酸メチル、
メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキ
シプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、の
ようなアクリル酸、メタクリル酸のエステル類、イタコ
ン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジイソ
プロピル、イタコン酸ジオクチルのようのイタコン酸エ
ステル類、塩化ビニリデン、芳香族ビニル化合物、等の
共重合反応性比r2≧1であるような単量体が挙げら
れ、これらの1種又は2種以上を混合して使用される。
塩化ビニルに共重合可能な単量体はr2≧1の条件を
満たせば、上述のものに限定されるものではないが、特
にアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類
が溶融性等の改質効果の点で好ましい。また、共重合可
能な単量体の含有量は、共重合体の30重量%以下、好ま
しくは1〜20%の範囲、特に2〜10%の範囲である事が
望ましい。
本発明の重合方法においては、重合開始剤として、例
えば過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウ
ム塩等)、過酸化水素等の水溶性過酸化物、またはこれ
らと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水
素ナトリウム、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドナト
リウムスルホキシレート、等の還元剤とからなる水溶性
レドックス開始剤、或は、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ラウロ
イルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバート、
等の単量体可溶性(油溶性)開始剤、及びこれらと上記
のレドックス開始剤用の還元剤との組合せからなる公知
の重合開始剤が使用される。
また、重合に用いる乳化剤としては、高級アルコール
硫酸エステルアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩またはアンモ
ニウム塩、高級脂肪酸アルカリ金属塩またはアンモニウ
ム塩、等の公知の乳化剤の1種、または2種以上の組合
せ、を挙げることが出来る。乳化剤の使用量は0.1〜3
重量部、特に0.3〜1重量部が好適である。
本発明方法を実施するには、水、塩化ビニル単量体、
乳化剤または分散剤及び重合開始剤等からなる乳化重合
反応系または微細懸濁重合反応系に、前記共重合反応性
比r2≧1の共重合可能な単量体M2を2回以上に分割し
てもしくは連続的に添加し、この添加の操作を重合反応
開始後から共重合転化率が60%を越えるまでの間に完了
することが必要である。特に連続的に添加するのが好ま
しい。また、単量体M2の添加開始時期は、重合転化率
が30%に到るまでの間、好ましくは20%に到るまでに始
めるのがよい。そして添加完了の時期は共重合転化率が
50%を越えていることが望ましい。なお、単量体M
2は、その少量を重合開始前の乳化液または微細懸濁液
に加えておき、残りの大部分を間欠的にまたは連続的に
添加することもでき、また、追加すべき塩化ビニル単量
体M1と混合した後に間欠的にもしくは連続的に添加し
てもよい。単量体M2の添加に際しては、塩化ビニル単
量体の反応の進行に応じて行うことが好ましいことは勿
論であるが、これは重合反応により発生する反応熱を検
出し、その値を指標にして単量体M2の添加量及び添加
速度を調整する。重合反応の発熱量は、反応器の内温と
ジャケット等冷却水の出入の温度から推算しうる。さら
に、一度重合反応を実施すれば、一回目の結果にもとづ
き、各工程で同一の方法を採用すれば、容易に次回以降
の製造を実施しうる。重合反応後は、スプレー乾燥、凍
結乾燥等の方法によって乾燥して塩化ビニル系共重合体
粉末を得る。
2≧1であるような共重合性単量体M2の分割・逐次
もしくは連続添加が、塩化ビニル系共重合体のゾル状態
での貯蔵安定性改良効果を有する理由は明確ではない
が、重合反応で得られる塩化ビニル系共重合体粒子の組
成が最外殻と内層部で差があり、外殻部では塩化ビニル
単独重合体か、それに近いため、均質な共重合体に比べ
て、可塑剤への親和力が相対的に低くなるのではないか
と推察される。すなわち、r2≧1であるような共重合
性単量体M2は、その反応性の高さから重合反応が速や
かで、従って共重合体粒子中に順次取り込まれる形にな
る。ここに、本発明のような添加方法を適用すると、共
重合体粒子は上述のような塩化ビニル単独重合体かM2
を僅かに含む共重合体に被覆された様な構造をとること
になる。このような理由で可塑剤中での(ゾル状態で
の)粘度の安定性が向上するものと考えられる。また、
連続添加が特に有効である理由は、初期一括添加の場合
に比較して、反応初期に共重合体単量体M2が塩化ビニ
ルとともに逐次共重合して最終的に塩化ビニル単独重合
体の厚い外殻ができず、溶融性にすぐれたものになると
推察される。共重合転化率が60%を越えてまで共重合性
単量体M2の添加を続けると上述のような粒子構造が生
成せず、却って貯蔵安定性の効果が低下してしまう。
本発明方法によって製造された塩化ビニル系共重合体
は、主にプラスチゾルまたはオルガノゾル等として床
材、壁紙、天井被覆材、レーザー、シーリング材、鋼板
被覆材、手袋等の各種用途に使用される。
プラスチゾル、オルガノゾルを調製するには、本発明
方法によって製造された塩化ビニル系共重合体を主樹脂
成分とし、これに可塑剤、安定剤、その他必要に応じ酸
化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、帯電防止剤、着色
剤、防曇剤、離型剤等の添加剤を均一に配合する。
可塑剤としては、例えばフタル酸ジ−n−ブチル、フ
タル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキ
シル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジイソノニ
ル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸オクチルデシル、
フタル酸ブチルベンジル、イソフタル酸ジ−2−エチル
ヘキシル、または炭素数11〜13程度の高級アルコールの
フタル酸エステル等のフタル酸系可塑剤、トリメリット
酸ジ−n−オクチル−n−デシル、トリメリット酸トリ
−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリイソデシ
ル、トリメリット酸トリ−n−オクチル等のトリメリッ
ト酸系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ア
ジピン酸ジ−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、ア
ゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチ
ル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪酸エス
テル系可塑剤、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エ
チルヘキシル、リン酸−2−エチルヘキシルジフェニ
ル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑剤、
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ト
ール油脂肪酸−2−エチルヘキシル等のエポキシ系可塑
剤または液状のエポキシレジン等があげられ、これら
は、1種または2種以上を混合して使用する。使用量は
塩化ビニル系共重合体等の樹脂成分100重量部当り30〜2
00重量部の範囲である。
安定剤は、塩化ビニル系樹脂用安定剤として公知の、
鉛系、バリウム−亜鉛系、カルシウム−亜鉛系、マグネ
シウム−亜鉛系、カルシウム−バリウム系、カドミウム
−バリウム系、バリウム−亜鉛−すず系、カドミウム−
バリウム−亜鉛系、有機すず系、その他の安定剤が使用
可能である。
これらの安定剤の使用量としては、塩化ビニル系共重
合体等樹脂成分100重量部に対し、0.1〜5重量部、好ま
しくは、0.15〜3重量部である。その含有割合が少な過
ぎると熱安定性が不足し、また好適量以上使用しても、
添加量に見合った効果の増加は得られず、経済的でな
い。
[発明の効果] 本発明によれば、塩化ビニル単量体M1及びこれに共
重合可能な単量体M2とを乳化共重合または微細懸濁共
重合するに際し、共重合反応性比r2が1以上である単
量体M2を、共重合転化率が60%に到るまでの間に間欠
的にもしくは連続的に添加することとしたので、得られ
る塩化ビニル系共重合体樹脂は、樹脂のゲル化溶融性を
阻害せず、この樹脂を用いたプラスチゾルまたはオルガ
ノゾル等ゾル組成物は貯蔵安定性が良好である。
[実施例] 次に本発明を実施例にて更に詳述するが、本発明はそ
の要旨を越えない限り、以下の実施例によって限定され
るものではない。
なお、実施例中に記載された「部」及び「%」は、重
量基準によった。
また、使用した共重合性単量体(コモノマー)並びに
共重合反応性r1及びr2を第1表に記した。
〈生成塩化ビニル系共重合体の評価方法〉 粘度安定性 塩化ビニル共重合体100部及びジ−2−エチルヘキシ
ルフタレート(DOP)60部をホバート・ミキサーで混
合、ゾル化して調製したプラスチゾルを、東京計器
(株)製のB8H型粘度計(Brookfield Viscometer)の50
rpmにて粘度を測定し、その値をB50(init)とする。
このゾルを40℃の恒温チャンバー中に保存し、1週間後
に再度粘度を測定し、その値をB50(1w)とする。
この両者の粘度比B50(1w)/B50(init)をAI(Agin
g Index)として粘度安定性の指標とした。値の小さい
程、粘度安定性が優れている。
溶融物性 塩化ビニル共重合体100部、DOP60部及びCa-Zn系安定
剤3部をケミ・スターラにて撹拌、混合し、フィルムの
厚さが1mmになるようにガラス板上に塗布する。これを1
40℃で30分間保持してゲル化させ、試験片の切断部が5m
mの幅をもつようなダンベルに打抜く。打抜かれたフィ
ルムについて引張試験機(インストロン社製)にて200m
m/minの引張速度で破断強度(TS)及び切断時の伸び(E
L)を求め、この値をゲル化・溶融性の尺度とする。
〈種子重合体の調製−1〉 撹拌機を備えた容積200lの重合槽に、90kgの温度54℃
の肌イオン水、10gの過硫酸カリウム、及び50gのピロ亜
硫酸ナトリウムを入れ、約20分撹拌して溶解させた。次
いで、重合槽内を−610mmHgまで減圧し、50分間55℃に
保持した。
次いで、重合槽に、60kgの塩化ビニル単量体を仕込
み、槽内温度を50℃に昇温した。単量体の仕込後15分経
過してから、予め溶解しておいた0.2%過硫酸カリウム
水溶液を約10ml/分の割合で徐々に添加し、以後一定の
重合速度を保つように、過硫酸カリウム溶液の添加速度
を制御しながら反応させ、重合率が約15%に達したとき
に、別途溶解しておいたラウリル硫酸ナトリウム水溶液
の添加を開始し、同水溶液を80ml/10分前後の速度で、
全ラウリル硫酸ナトリウム添加量が360gになるまで添加
した。槽内圧力が、50℃での塩化ビニル単量体の飽和圧
から2.0kg/cm2降下したときに反応を停止し、未反応単
量体を回収して重合体ラテックスを得た。ラテックスは
粒径約0.49μの単分散粒子からなり、安定性は良好であ
った。
実施例1 撹拌機を備えた容積200lの重合槽に脱イオン水80kg、
種子重合体の調製−1で準備した種子重合体ラテックス
4.5kg(固形分換算)、ピロ亜硫酸ナトリウム70g、及び
0.03%塩化第二銅水溶液100gをそれぞれ仕込んだ後、脱
気した上、塩化ビニル単量体16.5kgを仕込み、50℃の温
度に昇温した。その後、全量で15gの過硫酸アンモニウ
ムの0.1%水溶液10lを最初は10ml/minの割合で15分間連
続的に加え、次いで一定の重合速度を保つようにその添
加速度を制御しながら連続的に添加する重合方法を採用
した。
アクリル酸ブチル単量体4kg(約4.5l)を前記過硫酸
アンモニウム水溶液の添加と同時に(この時の重合転化
率は実質的に0%、ただし種子重合体の転化率を含ま
ず。以下の例も同様。)1000ml/hrの割合で連続添加し
た。共重合転化率が10%に達したときから重合終了ま
で、0.5kgのラウリル硫酸ナトリウムを10%の水溶液と
して0.7l/hrの割合で、また塩化ビニル単量体35kgを7kg
/hrの割合でそれぞれ連続添加した。重合槽の内圧が50
℃での塩化ビニル単量体の飽和圧より1.0kg/cm2降下し
たところを重合の完結点とした。
反応時間から計算したコモノマー添加完了時期の共重
合転化率は54%である。また重合開始から重合完了まで
の所要時間は6時間50分であり、塩化ビニル共重合体の
共重合転化率は82%と計算された。
重合完了後未反応単量体を回収し、ラテックスを20メ
ッシュ金網で過した後、ドライアイス−エタノール浴
中で凍結した真空乾燥をして塩化ビニル共重合体を取得
した。
コモノマーの添加方法、添加終了時の共重合転化率、
反応時間、最終共重合転化率及び共重合体の評価結果を
第1表に記した(以下の実施例、比較例においても同様
とした。)。
実施例2、3 実施例1において、コモノマーをアクリル酸オクチル
及びアクリル酸2−ヒドロキシプロピルに換えたほかは
実施例1と同様にして共重合体を製造した。但し、実施
例3においてはコモノマー仕込量を3.2kg、添加速度を6
10ml/hrに調整した。
実施例4 アクリル酸ブチルを共重合転化率15、30、45及び60%
のときにそれぞれ1kgずつ、加圧してある添加槽から間
欠的に圧入することにより重合系に添加したほかは、実
施例1と同様にして共重合体を製造した。
比較例1 アクリル酸ブチル4kg全量を初期添加(塩化ビニル単
量体添加直前に添加)したほかは、実施例1と同様にし
て共重合体を製造した。
比較例2 実施例1において、アクリル酸ブチルの添加を重合転
化率約30%に到ったときから700ml/hrの速度で重合系に
連続的に圧入し共重合体を得た。コモノマー添加完了直
後の共重合転化率はすでに77%に達しており、最終的に
取得した共重合体は第1表から明らかなように粘度安定
性が劣っていた。
比較例3 実施例1において、コモノマーを酢酸ビニル単量体に
換えたほかは実施例1と同様にして共重合体を製造し
た。
〈種子重合体の調製−2〉 撹拌機を備えた容積200lの予備混合槽にイオン交換水
100kg、ラウロイルパーオキサイド600g、ラウリル硫酸
ナトリウム400g、ラウリルアルコール200gを添加し、次
いで予備混合槽を脱気し塩化ビニル単量体60kgを添加し
撹拌しながら35℃に保持した。均一に撹拌後、乳化機
(ホモジナイザー)を使用し所望の液滴径に分散しなが
ら予め脱気しておいた撹拌機を備えた容積200lの反応槽
に移送した。分散液の移送完了後、反応槽の温度を昇温
し公知の方法で重合を行った。得られたラテックス中の
種子重合体粒子の平均径は0.55μであった。
実施例5 種子重合体の調製−2で準備された種子重合体を用い
て重合を次のように行った。
撹拌機を備えた容積200lの重合槽に脱イオン水80kg、
種子重合体ラテックス5kg(固形分換算)、0.05%塩化
第二銅水溶液200g及び炭酸水素ナトリウム20gを仕込ん
だ後脱気して塩化ビニル単量体20kgを仕込み47℃の温度
に昇温した後、予め溶解しておいたナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレートの0.5%水溶液を少量ずつ及
び総量5lの0.02%塩化第二銅水溶液を15ml/minの割合で
連続的に重合槽に添加して重合を開始した。その後ナト
リウムホルムアルデヒドスルホキシレート水溶液の添加
量を一定の重合反応速度になるように調整した。
重合開始後、重合転化率が約8%になったときから、
塩化ビニル単量体35kgを8kg/hrの割合で添加すると同時
に、メタクリル酸ブチル全量5kgの内4kgを共重合転化率
45%に至るまで重合発熱量に比例して連続的に添加し、
残1kgを共重合転化率57%までに重合発熱量を一定に保
ちながら連続添加した。さらに、共重合転化率が10%に
達したときから、重合終了までの間に乳化剤として別途
調製した8%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水
溶液5lを1/hrの割合で連続的に添加した。
重合槽の圧力が47℃における塩化ビニル単量体の飽和
圧から1.5kg/cm2降下したとき重合を停止し、未反応の
モノマーを回収した。得られたラテックスの平均粒径は
1.1μであり、ラテックスの安定性は良好であった。こ
れを実施例1と同様に凍結乾燥を行って共重合体を得
た。
実施例6、7 実施例5において、コモノマーをアクリル酸メチル及
びアクリル酸ブチルにそれぞれ換えたほかは、実施例5
と同様にして共重合体を製造した。
比較例4 コモノマーを酢酸ビニルに変更した以外は、実施例5
と同様にして塩化ビニル共重合体を製造した。
比較例5 メタクリル酸ブチル5kgの添加を、重合転化率30%の
ところから連続的に開始しかつ重合発熱量に比例してそ
の添加速度を調節したが冷却不足のため添加に時間がか
かり共重合転化率60%に至るまでにコモノマー添加を完
了することができなかった。その結果共重合体のゾルで
の粘度安定性が劣った。共重合転化率を60%に至るまで
にコモノマーの添加を完了するには冷却能力をアップす
る必要があることが判る。
これらの実施例、比較例で認められるとおり、本発明
の方法によりr2≧1であるようなコモノマーを共重合
転化率60%までに添加が終了するように、分割・逐次も
しくは連続添加することにより、製造された塩化ビニル
系共重合体は、その溶融性を損なうことなく、プラスチ
ゾル状態での貯蔵安定性を改良できることが分る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル単量体M1及びこれに共重合可
    能な単量体M2とを乳化共重合または微細懸濁共重合す
    るに際し、単量体M1の存在下、または単量体M1よりな
    る種子重合体と単量体M1との共存下に、必要に応じて
    さらに単量体M1を添加すると共に、共重合反応性比r2
    が1以上である単量体M2を、共重合転化率が60%に到
    るまでの間に間欠的にもしくは連続的に添加することを
    特徴とする塩化ビニル系共重合体の製造方法。
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