JP3407512B2 - ペースト用塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

ペースト用塩化ビニル系樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はペースト用塩化ビニ
ル系樹脂の製造方法に関するものであり、詳しくは製造
時における噴霧乾燥や加工時における加熱処理等による
熱劣化を防止し、また、成形品とした際の耐熱性(熱安
定性)に優れたペースト用塩化ビニル系樹脂の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】壁紙等の壁装材、床材、天井材等に使用
されるペースト用塩化ビニル系樹脂(以下、「ペースト
レジン」という)は、通常塩化ビニル単量体または塩化
ビニル単量体とこれと共重合可能な単量体との混合物
(以下まとめて「塩化ビニル系単量体」という)を乳化
重合あるいは微細懸濁重合させて塩化ビニル系樹脂の水
性分散液(以下、「ラテックス」という)を得、次いで
その分散液を噴霧乾燥することにより製造されている。
【0003】このようにして得られたペーストレジン
は、例えばこれに可塑剤や有機液状媒体、安定剤等を配
合してプラスチゾルやオルガノゾル等のペースト分散液
とし、これをナイフコーティングやロータリースクリー
ン印刷等により基材上に塗布し、加熱処理することによ
り、壁紙、床材等に供される。しかして、ペーストレジ
ンは、その製造工程における噴霧乾燥や加工工程におけ
る加熱処理等により熱劣化受けやすいという問題があ
り、これを防止すること及び加工後、壁紙、床材等の製
品となった際のタバコ等の火に対する耐熱性(熱安定
性)が要求されている。
【0004】このような問題を解決する方法として、ペ
ースト分散液調製時に、熱安定剤として亜鉛系や錫系の
安定剤と共にエポキシ化合物を配合する方法が行われて
いるが、この方法では、ペーストレジンを噴霧乾燥する
際の熱劣化は防止できず、また混練条件によってはエポ
キシ化合物の分散不良を起こし、製品とした際の熱安定
性が各部分で異る恐れがあるので、予め過剰量のエポキ
シ化合物を添加しなくてはならないという問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ペーストレ
ジンの製造時における噴霧乾燥や加工時における加熱処
理等による熱劣化を防止し、また、ペースト分散液とし
た際の分散安定性が優れ、更には成形品とした際の耐熱
性(熱安定性)が優れるペーストレジンを製造する方法
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の問題
のないペーストレジンを得るため鋭意検討を重ねた結
果、エポキシ化合物を予め乳化剤を用いて水に分散させ
た乳濁液としてラテックスに添加した上で噴霧乾燥する
ことにより良好な結果が得られることを見い出し本発明
を完成した。即ち、本発明の要旨は、塩化ビニル単量体
または塩化ビニル単量体とこれと共重合可能な単量体と
の混合物(塩化ビニル系単量体)を乳化重合または微細
懸濁重合させて得られた水性分散液(ラテックス)を噴
霧乾燥してペースト用塩化ビニル系樹脂を製造する方法
において、エポキシ化合物を予め乳化剤を用いて水に分
散させた乳濁液としてラテックスに添加した上で噴霧乾
燥することを特徴とするペースト用塩化ビニル系樹脂の
製造方法に存する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて使用する塩化ビニル系単量体は、塩化ビニル単量
体単独、または塩化ビニル単量体及びこれと共重合可能
な他の単量体との混合物である。塩化ビニル単量体と共
重合可能な他の単量体としては塩化ビニリデン等のハロ
ゲン系不飽和単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニル等のビニルエステル、メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などの一
価不飽和酸またはこれら一価不飽和酸のメチルエステ
ル、エチルエステル等のアルキルエステル、マレイン
酸、フマル酸などの二価不飽和酸またはマレイン酸無水
物、或はこれらのメチルエステル、エチルエステル等の
アルキルエステル、アクリロニトリル等の不飽和ニトリ
ルなどが挙げられる。これらの単量体は二種以上を混合
して用いてもよく、その場合は塩化ビニル系単量体中、
通常10重量%以下の範囲で用いられる。
【0008】本発明において重合時に使用される乳化剤
としては、たとえば高級アルコール硫酸エステル塩(ア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩)、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩)、高級
脂肪酸塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩)、その他
のアニオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの乳化
剤は1種類を用いてもよいし、2種以上を併用してもよ
い。また、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、
ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、ポ
リエチレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン系界
面活性剤を併用してもよい。これら乳化剤の使用量は一
般に塩化ビニル系単量体に対し、0.3〜3重量%程度
である。
【0009】重合開始剤としては、乳化重合の場合は、
過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の過硫酸塩や過酸化水素等の水溶性過酸化物、また
はこれらの過酸化物と亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナ
トリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウ
ム、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドナトリウムスル
ホキシレート等の水溶性還元剤とからなるレドックス開
始剤が用いられ、微細懸濁重合の場合は、アゾビスイソ
ブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシピバレート等の単量体可溶性(油溶性)開始剤、ま
たはこれらの油溶性開始剤と前記の水溶性還元剤とから
なるレドックス開始剤が用いられる。
【0010】これらの重合開始剤の使用量は通常塩化ビ
ニル系単量体に対し0.005〜0.05重量%程度で
ある。また、重合時には重合度調整剤等の助剤類を用い
てもよい。重合度調整剤としては、トリクロルエチレ
ン、四塩化炭素、2−メルカプトエタノール、オクチル
メルカプタンなどの連鎖移動剤、フタル酸ジアリル、イ
ソシアヌル酸トリアリル、エチレングリコールジアクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレートな
どの架橋剤が挙げられる。
【0011】これら重合反応に使用される乳化剤、開始
剤等は重合反応開始前に最初に一括して重合反応系に添
加するほか、重合反応中に分割あるいは連続して添加し
てもよい。本発明において重合温度は特に限定されてい
ないが、通常40〜70℃であり重合圧力は5〜12k
g/cm2 G程度であり、重合時間は3〜10時間程度
である。本発明においては水性媒体中に塩化ビニル系単
量体を分散させ、乳化剤、開始剤等を添加して重合反応
を行うがこの際の水性媒体の使用量は塩化ビニル系単量
体の重量に対して0.8〜1.3倍量程度である。
【0012】また、本発明においては、予め別の系で製
造された塩化ビニル系樹脂を種子ポリマーとして重合槽
内に仕込んだ後、前述した塩化ビニル系単量体及び乳化
剤等を添加して重合を行ってもよい。上記の方法で得ら
れた重合後のラテックスは通常相当量の単量体が残留し
ているためこれを減圧処理することにより未反応単量体
を除去し、その後、ロータリーディスク、二流体ノズル
等の方法で噴霧乾燥し、ペーストレジンを得るが、本発
明においては、重合後得られたラテックスにエポキシ化
合物を添加し、その後噴霧乾燥する。エポキシ化合物の
添加は、未反応単量体を除去する前でも後でも良い。こ
の際に使用するエポキシ化合物としては、エポキシ化大
豆油、エポキシ化アマニ油、オレイン酸グリシジル、
9,10−エポキシステアリン酸アリル、エポキシ化ト
ール油脂肪酸2エチルヘキシル等のエポキシ化脂肪酸エ
ステル、もしくはエポキシ化ポリブタジエン等のエポキ
シ化炭化水素、エポキシ化エーテル、エポキシヘキサヒ
ドロフタル酸エステル等の脂環系エポキシド、エポキシ
樹脂等が挙げられる。中でもエポキシ化大豆油、エポキ
シ化アマニ油、エポキシヘキサヒドロフタル酸エステル
等の常温で液状のエポキシ化合物が、ラテックスへ分散
させ易いので好ましく、また、特に、エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ化脂肪酸エステル
が入手し易く、安価であるため好ましい。これらのエポ
キシ化合物は単独でも、2種以上の混合物としてもよ
い。エポキシ化合物の使用量はラテックス中の塩化ビニ
ル系樹脂に対し0.05〜3重量%好ましくは1〜2重
量%である。エポキシ化合物の量が0.05重量%より
少ないとラテックス乾燥時の塩化ビニル系樹脂の熱劣化
の防止及び製品の熱安定性の向上効果が十分でない恐れ
があり、また、3重量%より多いとラテックス中の塩化
ビニル系樹脂粒子同士の凝集が起こりやすくなる。な
お、これらのエポキシ化合物は、乳化剤を用いて水に分
散させた乳濁液(エマルジョン)としてラテックスに添
加するのが好ましい。
【0013】エポキシ化合物をエマルジョンとして添加
することにより、単体(エポキシ化合物そのままの状
態)で添加する場合と比較してエポキシ化合物のラテッ
クス中での分散性が良くなって、均一に分散しやすくな
り、ラテックスの安定性が良くなる。エポキシ化合物の
乳濁液調製に用いる乳化剤としては、前述の重合に用い
る乳化剤の一種または二種以上の混合物が使用できる。
乳化剤の使用量はエポキシ化合物に対し50〜500重
量%程度である。
【0014】エポキシ化合物のエマルジョンを調製する
際の水の使用量はエポキシ化合物の重量に対し5〜25
倍量程度である。該エマルジョンは、エポキシ化合物、
乳化剤及び水を高速ホモジナイザー等の乳化混合機によ
り混合することにより得られる。エポキシ化合物を添加
する時期は重合終了後からラテックスの噴霧乾燥前の段
階であれば特に限定されないが、未反応モノマー回収後
に添加するのが好ましい。エポキシ化合物を重合終了前
に添加するとラテックスが不安定になりやすく得られる
ラテックスの品質が低下する。また、エポキシ化合物を
ラテックスに添加してから噴霧乾燥に供するまでのラテ
ックスの温度を70℃以下に保つと、ラテックスの安定
性が良いので好ましい。
【0015】更に、通常の重合後のラテックスの温度を
考慮すると、20〜70℃に保つのが好ましい。ラテッ
クスの温度が20℃未満だと、エポキシ化合物の分散性
が悪くなる恐れがある。以上の方法でエポキシ化合物を
ラテックスに添加することにより該化合物をラテックス
中に均一に分散させることができ噴霧乾燥時の加熱及び
プラスチゾル調製後の加熱塗工による塩化ビニル系樹脂
の熱劣化を防止するとともに製品としての熱安定性を向
上させることができるのである。
【0016】本発明における噴霧乾燥には、ペーストレ
ジンの製造に使用される通常の噴霧乾燥装置を用いるこ
とができる。噴霧方法としては、例えば回転円盤、圧力
ノズル、二流体ノズル等を用いた方法を例示することが
できる。噴霧乾燥時の温度は通常、乾燥気流の乾燥装置
入口での温度が100〜200℃で、かつ出口温度が4
5〜80℃の範囲内である。
【0017】前記方法により得られる噴霧乾燥後のペー
ストレジンに塩化ビニル系樹脂用可塑剤、安定剤等を加
えてプラスチゾル組成物を得ることができる。ここで使
用される可塑剤としては通常塩化ビニル系樹脂用可塑剤
として使用されるものであれば特に限定なしに使用で
き、例えばジ−2−エチルヘキシルフタレート(DO
P)、ジイソノニルフタレート(DINP)等のフタル
酸系可塑剤、イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエ
チル、イソフタル酸ジ−2−エチルエキシル等のイソフ
タル酸系可塑剤、トリメリット酸トリ−2−エチルエキ
シル、トリメリット酸トリイソデシル等のトリメリット
酸系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバ
シン酸ジブチル等の脂肪酸エステル系可塑剤、リン酸ト
リブチル、リン酸トリクレジル等のリン酸系可塑剤、エ
チレングリコール、1,3−ブタンジオール等の多価ア
ルコールとフタル酸、アジピン酸等の多価カルボン酸と
を重縮合して得られるポリエステル系可塑剤が挙げられ
る。安定剤としては通常塩化ビニル系樹脂用安定剤とし
て使用されるものであれば特に限定されず、例えば錫脂
肪酸塩、錫メルカプタイド等の錫系化合物、バリウム−
亜鉛系等の複合安定剤等が挙げられるが、特にBa−Z
n系液状安定剤が好ましい。なお、前記の成分に加えて
必要に応じて二次可塑剤、希釈剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤及びその他の配合剤を配合してもよい。
【0018】得られたプラスチゾルは例えばナイフコー
ティング、ロータリースクリーン等により基材上に塗工
され、加熱処理を行った後床材等に使用できる。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施
例の記述により限定されるものではない。又、実施例、
比較例における評価は以下の方法によって行った。
【0020】<評価方法>ラテックスの分散安定性の評価 ラテックス100gを250ccのステンレスビーカー
に入れ、ウオーターバスにて70℃に保ちながら、高速
ホモジナイザー(テラオカ製ヒスコトロンNS−50:
ジェネレータシャフトNS−20MG)を用いて100
00rpmにて強攪拌し、ラテックス中の塩化ビニル系
樹脂粒子同士が凝集し、ラテックスとしての流動性がな
くなるまでの時間を測定した。
【0021】プラスチゾルの粘度測定 23℃×50%RHの恒温恒湿内でペーストレジン30
0g、ブレンディングレジン(三菱化学製90BX)2
00g、ジオクチルフタレート(三菱化学製ダイヤサイ
ザー(登録商標)DOP)250g及びBa−Zn系液
状安定剤(旭電化製アデカスタブAC−309)10g
をホバートミキサーを用いて20分間混合してプラスチ
ゾルを調製し、2時間後にブルックフィールド回転粘度
計B8H型(トキメック製)にて#6ローター(または
#7ローター)50回転の粘度を測定した。
【0022】熱安定性の評価 粘度測定用に用いたプラスチゾルをガラス板上に1ミリ
の厚さに塗布し、ギヤーオーブンにて200℃で5分間
加熱しゲル化させ、一旦冷却後このシートを短冊状に切
って再び200℃のギヤーオーブンに入れ1分毎に取り
出してシートが黄変するまでの時間を測定した。
【0023】実施例1 攪拌機を備えた容積200Lの重合槽に、温度54℃の
脱イオン水90kg、過硫酸アンモニウム12g及び亜
硫酸アンモニウム75gを入れ、約20分間攪拌して溶
解させた。次いで、重合槽内を−610mmHgまで減
圧し、50分間54℃に保持した。次いで、重合槽に塩
化ビニル単量体60kgを仕込み、槽内温度を50℃に
調整した。単量体の仕込後15分間経過してから、過硫
酸アンモニウムの0.2%水溶液を約10cc/分の割
合で添加し、以後一定の重合速度に制御しながら反応さ
せ、その後重合率が約15%に達したときに、ラウリル
硫酸ナトリウムの8%水溶液の添加を開始し、同水溶液
を80cc/10分前後の速度でラウリル硫酸ナトリウ
ム添加量が全部で300gになるまで添加した。槽内圧
力が、50℃での塩化ビニル単量体の飽和圧力から2.
0kg/cm2 降下したときに反応を停止し、未反応単
量体を回収してラテックスを得た。得られたラテックス
中の塩化ビニル樹脂は粒径約0.52μmの単一分散粒
子であり、ラテックスの安定性は良好であった。
【0024】次いで、攪拌機を備えた容積200Lの重
合槽に、前記のラテックスを種子ラテックスとして4.
5kg(塩化ビニル樹脂として)、脱イオン水80k
g、及び亜硫酸アンモニウム90gをそれぞれ仕込んだ
後、重合槽内を−610mmHgまで減圧し、塩化ビニ
ル単量体75.5kgを仕込み、温度を47℃に調整し
た。その後、過硫酸アンモニウムの0.1%水溶液を最
初は10cc/分の割合で約15分間加えた後、一定の
重合速度を保つようにその添加速度を制御しながら連続
的に添加した。重合率が10%に達したときから重合終
了までミリスチン酸アンモニウムの8%水溶液を約0.
7L/時の割合で、ミリスチン酸アンモニウムとして
0.5kgを添加することになるように連続的に添加し
た。同様に重合率が10%に達したときからジアリルフ
タレート計120gを重合率が25%になるまで連続的
に添加した。槽内圧力が47℃での塩化ビニル単量体の
飽和圧力より1.0kg/cm2 降下したところで重合
を停止し、未反応単量体を回収し、ラテックスを得た。
更に減圧下に該ラテックスを80℃で3時間加熱攪拌し
てラテックス中の残留モノマーを回収、除去した。ラテ
ックスの温度が65℃になった時に、予め調製しておい
たエポキシ化大豆油エマルジョン*1を添加混合し、次
いで回転円盤式噴霧乾燥機にて入口温度165℃、出口
温度55℃の条件で乾燥した後、粉砕して平均重合度約
4000のペーストレジンを得た。このレジンを用いて
前記評価を行い結果を表−1にまとめた。*1:脱イオ
ン水(ラテックス中の塩化ビニル樹脂に対し4.0重量
%)、ポリエチレングリコールモノラウレート(松本油
脂製L−400、同0.5重量%)及びエポキシ化大豆
油(旭電化製O−130P、同0.5重量%)を高速ホ
モジナイザー(テラオカ製:ヒスコトロンNS−50
(ジェネレータシャフトNS−20MG)を用いて10
分間、100rpmで混合し、得られたエポキシ化大豆
油エマルジョン
【0025】実施例2 実施例1においてエポキシ化大豆油のエマルジョンをラ
テックスの温度が25℃となった時に添加した以外は同
様にして、ペーストレジンを得、これを評価した。結果
を表−1にまとめた。
【0026】実施例3 実施例1においてエポキシ化大豆油の添加量をラテック
ス中の塩化ビニル樹脂に対し0.05重量%とした以外
は同様にして、ペーストレジンを得、これを評価した。
結果を表−1にまとめた。
【0027】実施例4 実施例1においてエポキシ化大豆油の添加量をラテック
ス中の塩化ビニル樹脂に対し2.0重量%とした以外は
同様にして、ペーストレジンを得、これを評価した。結
果を表−1にまとめた。
【0028】実施例5 実施例1においてエポキシ化大豆油及び乳化剤をエマル
ジョンとせず、単体でそのまま0.5重量%添加した以
外は同様にして、ペーストレジンを得、これを評価し
た。結果を表−1にまとめた。
【0029】実施例6 実施例1において重合を停止した後、得られたラテック
スにエポキシ化大豆油のエマルジョンを添加し、未反応
モノマーの回収を行なった後減圧下に該ラテックスを5
0℃で3時間加熱攪拌してラテックス中の残留モノマー
を回収、除去した以外は同様にして、ペーストレジンを
得、これを評価した。結果を表−1にまとめた。
【0030】実施例7 実施例1においてエポキシ化大豆油の添加量を塩化ビニ
ル樹脂に対して5.0重量%として同様にして、ペース
トレジンを得、これを評価した。結果を表−1にまとめ
た。
【0031】実施例8 実施例1においてエポキシ化大豆油の添加量を塩化ビニ
ル樹脂に対して0.02重量%として同様にして、ペー
ストレジンを得、これを評価した。結果を表−1にまと
めた。
【0032】比較例1 実施例1においてエポキシ化大豆油を添加しなかったこ
と以外は全て同様にして、ペーストレジンを得、これを
評価した。結果を表−1にまとめた。
【0033】比較例2 比較例1で製造したペーストレジンを用い、プラスチゾ
ルを調製する際にエポキシ化大豆油を単体で0.5重量
%配合して同様に評価した。
【0034】比較例3 実施例1においてエポキシ化大豆油のエマルジョンを反
応中重合率が25%になった時点で添加した以外は全て
同様にして、ペーストレジンを得、これを評価した。結
果を表−1にまとめた。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、ペーストレジンの製造
時における噴霧乾燥や加工時における加熱処理等による
熱劣化が防止でき、また、ペースト分散液とした際の分
散安定性が優れ、更には、成形品とした際の耐熱性(熱
安定性)が優れる、ペーストレジンを製造することがで
きる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体または塩化ビニル単量
    体とこれと共重合可能な単量体との混合物を乳化重合ま
    たは微細懸濁重合させて得られた水性分散液(以下、
    「ラテックス」という)を噴霧乾燥してペースト用塩化
    ビニル系樹脂を製造する方法において、エポキシ化合物
    を予め乳化剤を用いて水に分散させた乳濁液としてラテ
    ックスに添加した上で噴霧乾燥することを特徴とするペ
    ースト用塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 エポキシ化合物として常温で液状のエポ
    キシ化合物を用いる請求項1に記載のペースト用塩化ビ
    ニル系樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 エポキシ化合物がエポキシ化脂肪酸エス
    テルである請求項1または2に記載のペースト用塩化ビ
    ニル系樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 エポキシ化脂肪酸エステルがエポキシ化
    大豆油及び/またはエポキシ化アマニ油である請求項3
    に記載のペースト用塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 エポキシ化合物をラテックス中の塩化ビ
    ニル系樹脂に対して0.05〜3重量%添加する請求項
    1〜のいずれか1項に記載のペースト用塩化ビニル系
    樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 ラテックスへのエポキシ化合物の添加か
    ら該ラテックスの噴霧乾燥機への供給までの間のラテッ
    クスの温度を70℃以下に維持する請求項1〜のいず
    れか1項に記載のペースト用塩化ビニル系樹脂の製造方
    法。
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