JP2921308B2 - アクリレート系重合体粒子の残存未反応単量体の除去方法 - Google Patents

アクリレート系重合体粒子の残存未反応単量体の除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた透明性、熱安定性
を損なわないでアクリレート系又はメタクリレート系重
合体中の残存未反応単量体を低減する方法に関し、詳し
くは微細球状の粒子形態を保持しながらアクリレート系
又はメタクリレート系重合体から残存未反応単量体を低
減する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】乳化重合又は微細懸濁重合によって得ら
れるアクリレート系又はメタクリレート系樹脂はプラス
チゾル又はオルガノゾルによる加工を経て透明性、彩色
性、耐候性等に優れた成型品を与え、また特に最近は脱
塩素系樹脂として塩化ビニル樹脂に替わる素材として需
要が増大してきている。又、このアクリレート系又はメ
タクリレート系樹脂は、従来から多くの塩化ビニル樹脂
硬質加工の用途において加工助剤として塩化ビニル樹脂
100重量部当たり0.5〜20重量部配合して塩化ビ
ニル樹脂の溶融粘度特性を改良して成形時の伸びを大き
くしたり成形品表面のつやを出すためにも使用されてい
る。プラスチゾル又はオルガノゾル用、すなわちペース
ト用の樹脂粒子は、特定量の可塑剤又は有機溶媒により
流動性ある分散体を形成するためには、平均粒径が0.
2〜5μmの微細でほぼ球形であることを要する。従っ
てペースト用樹脂粒子は乳化重合又は微細懸濁重合によ
り製造されている。また、加工助剤として用いられる樹
脂粒子も、主たる配合材料である塩化ビニル樹脂粉体が
一般的には粒径10〜300μmの多孔質の不規則形状
のものであるため、配合剤の混練時に塩化ビニル樹脂粉
体の粒子間や細孔内に均一分散し易いものでなければな
らず、従って通常乳化重合による0.1μm以下の球形
粒子を集合化した形態で用いられている。ところで、上
記のように、アクリレート系又はメタクリレート系樹脂
が広く使われてきたのではあるが、これら重合体はその
単量体との相溶性が良いことが起因して加熱成形時に樹
脂に残存していた未反応単量体が揮散して臭気を発し作
業環境を汚染したり、成形品の臭気のため商品価値を低
下させる問題が起きている。従来、アクリル系又はメタ
クリル系樹脂の残存単量体を除去低減する手法として
は、乳化重合終了時にラテックス中にラジカル開始剤を
添加する操作を繰返す方法(特開昭60−229902
号)が提案されている。しかしながら、この方法は未反
応単量体の残存量を十分に低減するためには多大のラジ
カル開始剤量及び処理時間を要し、熱安定性、耐候性等
の品質悪化や生産性の低下をきたす欠点がある。また、
他の方法としては、溶液重合終了時に、未反応単量体と
反応性のある酢酸ビニルやメチルアクリレートをスキャ
ベンジャーとして重合体溶液に添加する方法(特開昭6
3−175086号)が提案されている。しかしなが
ら、この方法は溶液重合のような均一系でないと効果を
発さないものであり、本願発明における乳化重合や微細
懸濁重合のように水媒体中に重合体粒子が分散している
不均一系である場合は不適当である。また、その他の方
法としては、懸濁重合によって得られた粒子を水酸化ア
ルカリ又は水酸化アルカリ土類の水溶液中にて加熱処理
する方法(特公昭46−26975号)がある。しかし
ながら、この方法も未反応単量体の除去が不十分であ
り、また強固な不規則形状の凝集体となりペースト用樹
脂の場合には高粘度になるので不適である。さらに、こ
のほかベント押出機において250〜290℃にて重合
体を溶融しつつ50mmHg以下に減圧して揮散させる方法
(特開昭52−17555号、特開昭59−45310
号)が提案されている。しかしながら、この方法は重合
体が溶融するのでペレットを製造するには良いが、粒子
形状が肝要な上記用途には不適である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ペースト用
又は加工助剤用として使用することができる微細球状の
粒子形態を保持しながら、アクリレート系又はメタクリ
レート系重合体から未反応単量体を効率良く除去するこ
とができる方法を提供することを目的としてなされたも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、乳化重合又は微細懸濁重合により得られる
アクリレート系又メタクリレート系重合体粒子に、特定
量の水蒸気を含有する特定の気流を通ずることにより上
記目的を達成することができることを見い出し、その知
見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸
エステル及び/又はメタクリル酸エステル50〜100
重量%から成る単量体を乳化重合又は微細懸濁重合した
後乾燥して得られる水分0.001〜10重量%含有す
る重合体粒子に、乾き空気又は乾き不活性気体の単位重
量部当たり0.05〜0.2重量部の水蒸気を含有する温
度15〜80℃の気流を通ずることを特徴とするアクリ
レート系重合体粒子の残存未反応単量体の除去方法を提
供するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0005】本発明に用いられる重合体は、炭素数1〜
8のアルキル基を有するアクリル酸エステル及び/又は
メタクリル酸エステル50〜100重量%から成る単量
体を乳化重合又は微細懸濁重合して得られる重合体であ
る。該アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルとし
ては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレ
ート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オク
チルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピ
ルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブ
チルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、
t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート、n−オクチルメタクリレートなどが
挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。これらのアクリル酸エステル
又はメタクリル酸エステルのうち好ましいものは、メチ
ルメタクリレートである。
【0006】上記単量体には、所望に応じ前記単量体と
共重合可能な他の単量体を含有させることができる。こ
の場合、他の単量体の含有量は、単量体合計量に対し5
0重量%以下となるように選ばれる。この共重合可能な
他の単量体としては、例えばプラスチゾル組成物の接着
性などを向上させるための官能基含有不飽和単量体、具
体的にはブタジエン、イソプレンなどの重合性ジエン系
化合物、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキセンモノオキシドなどのエポキシ基を有する重
合性不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、エタク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びこれら
の酸無水物などのカルボキシル基を有する重合性不飽和
化合物、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−
アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロ
ピル(メタ)アクリレート、2−アミノブチル(メタ)
アクリレート、3−アミノブチル(メタ)アクリレー
ト、4−アミノブチル(メタ)アクリレート、(メタ)
アクリルアミド、N−2−アミノエチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−2−アミノプロピル(メタ)アクリルア
ミド、N−3−アミノプロピル(メタ)アクリルアミド
などのアミノ基含有重合性不飽和化合物、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの
水酸基含有重合性不飽和化合物、その他酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、スチレン、α
−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、塩化ビニ
リデン、フッ化ビニリデンなどのビニリデン化合物など
が挙げられる。これらの共重合可能な他の単量体は1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。該重合体の分子量は、特に制限されるものではな
く、通常平均分子量が100000〜15000000
の範囲であり、好ましくは200000〜100000
00の範囲である。
【0007】本発明に使用する前記重合体は、乳化重合
法又は微細懸濁重合法により製造されたものである。乳
化重合法は、乳化剤及び水溶性ラジカル開始剤の存在下
で単量体を重合する方法であり、次のメカニズムで進む
と言われている。まず、乳化剤が会合して形成されたミ
セルに単量体が可溶化し、ここに水中で発生したラジカ
ル開始剤由来のラジカルが到達して重合が開始される。
次いで、単量体の乳化液滴からミセルの重合の場に単量
体が拡散して重合が進展し、重合体粒子が肥大化する。
さらに、ある添加率の時点でミセルが崩壊して乳化剤は
専ら重合体粒子に吸着して粒子を保護安定化する。それ
以後は殆ど新粒子は生成しないので以後の重合は重合体
粒子の表面で行われ、従って最終的には近似した粒径の
分布となる。本発明においては、乳化重合は播種乳化重
合も含むものである。以下、乳化重合法及び播種乳化重
合法について説明する。前記乳化重合法は、乳化剤及び
重合開始剤を含有する水性媒体中において、(メタ)ア
クリル酸エステルを含有する単量体を重合させる方法で
ある。該乳化剤としては通常アニオン性界面活性剤又は
それとノニオン性界面活性剤との組合わせが用いられ
る。アニオン性界面活性剤としては、通常乳化重合に用
いられる公知のもの、例えばアルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル
塩、脂肪酸金属塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸
エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル硫酸エステル塩、コハク酸ジアルキルエステルスル
ホン酸塩などが挙げられ、これらは1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0008】また、ノニオン性界面活性剤としては、例
えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルグリ
セリンホウ酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンなど、ポリ
オキシエチレン鎖を分子内に有し、界面活性能を有する
化合物及び前記化合物のポリオキシエチレン鎖がオキシ
エチレン、オキシプロピレンの共重合体で代替されてい
る化合物、さらにはソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸
グリセリンエステル、グリセリン脂肪酸エステル、ペン
タエリスリトール脂肪酸エステルなどが挙げられ、これ
らは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。これらの界面活性剤の使用量については、ア
ニオン性界面活性剤は、通常使用する単量体100重量
部当たり、0.1〜5重量部の範囲で選ばれ、ノニオン
性界面活性剤は、通常0〜5重量部の範囲で選ばれる。
【0009】一方、該重合開始剤としては、水溶性無機
過酸化物又は水溶性還元剤と有機過酸化物との組合せが
用いられる。水溶性無機過酸化物としては、例えば過硫
酸カリウムや過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。水
溶性還元剤としては、例えば水に可溶な通常のラジカル
酸化還元重合触媒成分として用いられる還元剤、例えば
エチレンジアミン四酢酸又はそのナトリウム塩やカリウ
ム塩、あるいはこれらと鉄、銅、クロムなどの重金属と
の錯化合物、スルフィン酸又はそのナトリウム塩やカリ
ウム塩、L−アスコルビン酸又はそのナトリウム塩、カ
リウム塩、カルシウム塩、ピロリン酸第一鉄、硫酸第一
鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、酸性
亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナ
トリウム、還元糖類などが挙げられ、これらは1種用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。こ
れらの水溶性無機過酸化物又は水溶性還元剤の使用量
は、使用する単量体100重量部当たり、通常0.00
01〜5重量部の範囲で選ばれる。また、有機過酸化物
としては、例えばクメンヒドロペルオキシド、p−サイ
メンヒドロペルオキシド、t−ブチルイソプロピルベン
ゼンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒド
ロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、デ
カリンヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキ
シド、t−ブチルヒドロペルオキシド、イソプロピルヒ
ドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類が挙げら
れる。これらの有機過酸化物は1種用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよく、その使用量は、通
常使用する単量体100重量部当たり、0.001〜5
重量部の範囲で選ばれる。なお、この乳化重合において
は、使用される乳化剤や重合触媒の作用を助長するため
に、高級脂肪酸、高級アルコール、無機塩類、水溶性高
分子化合物などを併用してもよい。
【0010】この乳化重合においては、通常30〜80
℃の範囲の温度において重合が行われる。このようにし
て粒子径が0.03〜0.7μm程度の共重合体微粒子が
均質に分散したラテックスが得られる。このラテックス
は、通常塩析又は噴霧乾燥などの公知の処理が施され、
重合体は固形物として取り出される。該重合体の分子量
は、目的に応じて反応温度や分子量調節剤により適宜調
節される。一方、播種乳化重合法は前記乳化重合法によ
り調製された樹脂粒子を核として、前記のアニオン性界
面活性剤又はそれとノニオン性界面活性剤との組合せか
ら成る乳化剤及び前記の水溶性無機過酸化物又は前記水
溶性還元剤と有機過酸化物との組合せから成る重合開始
剤を用い、水性媒体中で粒子の肥大化重合反応を行わせ
る方法である。この際用いられる核粒子の径は、通常平
均0.03〜0.7μmの範囲にあり、またその使用量は
使用する単量体100重量部当たり、通常1〜50重量
部の範囲で選ばれる。また、乳化剤及び重合開始剤の使
用量は前記乳化重合法の場合と同様である。 次に、播種乳化重合法の好適な1例について説明する
と、まず所望の樹脂核粒子の水性エマルジョンを調製し
たのち、これに前記水溶性還元剤及び単量体を仕込み、
加温して30〜80℃程度の温度に保持する。一方、別
途に前記乳化剤を用いて有機過酸化物の水性エマルジョ
ンと、前記乳化剤水溶液とを調製し、これらを前記の樹
脂核粒子、水溶性還元剤及び単量体を含有する水性エマ
ルジョンに、通常30〜80℃の範囲の温度を保持しな
がら連続的に投入して、重合反応を行う。なお、この播
種乳化重合においては、使用される乳化剤や重合触媒の
作用を助長するために、高級脂肪酸、高級アルコール、
無機塩類、水溶性高分子化合物などを併用してもよい。
【0011】重合反応終了後、このようにして得られた
平均粒径0.2〜5μmの粒子を含有するエマルジョン
から、前記の乳化重合の場合と同様にして、該共重合体
を固形物として取り出す。この共重合体の分子量は、目
的に応じて反応温度や分子量調節剤などにより適宜調節
される。微細懸濁重合法は、単量体油滴を微細に保ち懸
濁重合する方法であり、例えば触媒として油溶性触媒を
用い、重合開始前に単量体油滴の粒径を均質化処理によ
って予め調節し、均質分散重合させる方法である。油溶
性触媒としては、油溶性のラジカル開始剤が使用され、
この油溶性のラジカル開始剤としては、例えばジベンゾ
イルペルオキシド、ジ−3,5,5−トリメチルヘキサノ
イルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシドなどのジ
アシルペルオキシド類、ジイソプロピルペルオキシジカ
ーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネ
ート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネー
トなどのペルオキシジカーボネート類、t−ブチルペル
オキシピバレート、t−ブチルペルオキシネオデカノエ
ートなどのペルオキシエステル類、あるいはアセチルシ
クロヘキシルスルホニルペルオキシド、ジサクシニック
アシッドペルオキシドなどの有機過酸化物、さらには
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビ
ス−2−メチルブチロニトリル、2,2'−アゾビスジメ
チルバレロニトリルなどのアゾ化合物などを使用するこ
とができる。これらの触媒は1種または2種以上を組み
合わせて使用することができ、その使用量は、単量体の
種類と量及び仕込方式などによって適宜選ばれるが、通
常使用単量体100重量部当たり、0.001〜5.0重
量部の範囲で選択することができる。
【0012】また、微細懸濁重合法においては、界面活
性剤としてアニオン性界面活性剤又はこれとノニオン性
界面活性剤の組合せが用いられる。この界面活性剤とし
ては、前記の乳化重合法で例示したものと同様のものが
同様の量用いられる。また、均質化処理によって得られ
る単量体の乳化液滴の保護安定化の目的で乳化助剤を添
加してもよい。この目的の乳化助剤としては、炭素数1
0〜24のアルキル基を有する高級アルコール、炭素数
10〜20の高級脂肪酸、炭素数4〜18の高級アルコ
ールと炭素数4〜8の高級脂肪酸との脂肪酸エステル等
が用いられる。乳化助剤の使用量は、単量体100重量
部当たり0〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部で
ある。この微細懸濁重合法においては、まず水性媒体中
に、前記油溶性触媒、単量体、前記界面活性剤及び所望
に応じて用いられる高級脂肪酸類や高級アルコール類な
どの重合助剤、その他の添加剤を加えプレミックスし、
ホモジナイザーにより均質化処理して、油滴の粒径調節
を行う。該ホモジナイザーとしては、例えばコロイドミ
ル、振動撹拌機、二段式高圧ポンプ、ノズルやオリフィ
スからの高圧噴出、超音波撹拌などが挙げられる。さら
に、油滴の粒径の調節は、均質化処理時の剪断力の制
御、重合中の撹拌条件、反応装置の形式、界面活性剤や
添加剤の量などにより影響されるが、これらは簡単な予
備実験により、適当な条件を選択することができる。次
に、このようにして均質化処理された液は重合缶に送ら
れ、ゆっくりと撹拌しながら昇温し、通常30〜80℃
の範囲の温度において重合が行われる。上記方法によ
り、平均粒径が0.2〜5μmで広い粒径分布を持つ粒
子が製造される。本発明に使用する重合体粒子は、上記
乳化重合法、播種乳化重合法、微細懸濁重合法により製
造された後乾燥したものである。なお、ペースト用粒子
としては、播種乳化重合又は微細懸濁重合で得られたラ
テックスを通常噴霧乾燥し、要すれば粉砕することによ
り得ることができる。塩化ビニル樹脂用加工助剤粒子と
しては、乳化重合ラテックスを噴霧乾燥するか、凝固し
て脱水後流動乾燥させることにより得ることができる。
この乾燥に供する気体は粉塵爆発を避けるため窒素の如
き不活性ガスであることが好ましい。なお、乾燥は、上
記乾燥方法の他種々の乾燥方法により行うことができ
る。また、乾燥の度合いは、樹脂粒子に水分がウエット
ベースで0.001〜10重量%含有される範囲とする
ことが必要で、好ましくは0.1〜2.0重量%含有さ
れる範囲である。
【0013】本発明においては、前記重合体粒子に乾き
空気又は乾き不活性気体の単位重量部当たり0.05〜
0.20重量部の水蒸気を含有する気流、換言すれば絶
対湿度0.05〜0.2kg−水蒸気/kg−乾き気体の気流
を通ずることにより未反応単量体を除去する。ここで不
活性気体とは、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、ク
リプトン又はキセノン等をいう。使用する気体の絶対湿
度が0.05kg−水蒸気/kg−乾き気体未満では未反応
単量体の低減効果が小さく、また、絶対湿度が0.20k
g−水蒸気/kg−乾き気体を越えると、処理後冷却時に
水分が凝結しやすい欠点がある。使用する気体の絶対湿
度の好ましい範囲は、0.1〜0.17kg−水蒸気/kg−
乾き気体である。上記気体の重合体粒子への通気法は、
特に制限されるものではなく、種々の方法を使用するこ
とができるが、例えば噴霧乾燥等で得られた微粉末を棚
段を有する通気容器の棚段に広げて気体を通す方法、流
動層で通気する方法が好ましい。使用する気体の温度
は、15〜80℃の範囲である。上記気体の通気量は、
特に制限されるものではなく、通気の様式や気体の絶対
湿度に応じて適宜選定すればよいが、通常樹脂1kg当た
り0.2〜10m3/秒の範囲である。気体の通気時間は
通気量、通気の様式や絶対湿度により左右されるので、
適宜選定して決めればよい。例えば、重合体粉体を流動
状態になるように通気する場合は通常1分〜2時間、粉
体を広げて静置した容器内に通気する場合は30分〜2
4時間を要する。不活性気体は粉塵爆発を防止する作用
があるから、特に噴霧乾燥後粉砕処理した微細粉体に対
し流動状態で湿りガスを通気する場合などは、こうした
配慮が安全上好ましい。また、気体の通気速度も特に制
限されるものではなく、適宜選定して決めればよいが、
通常0.3〜3m/secの範囲で用いられる。本発明の方
法により、アクリレート系重合体如き残留する未反応単
量体を効率的に除去することが出来る。その機構は恐ら
く通気に供される気流中の水分が樹脂粒子表面に存在す
る未反応単量体を吸収し取り除くためにと考えられる。
従ってより迅速に樹脂粒子から単量体を除去するために
は、通気速度を大きくするほかに粒子内から粒子表面へ
の単量体の拡散を速めてやることが肝要となる。粒子を
加温することや小粒径で非表面積の大きい粒子とするこ
とは単量体の除去の効率を上げている。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、本発明はこれらの例によって、何ら限定
されるものではない。実施例において、樹脂粉末中の残
留未反応単量体の量及び樹脂粉末粒子の平均粒径は、以
下の方法により測定した。 (1)樹脂粉末中の残留未反応単量体量の測定 島津製作所(株)製のガスクロマトグラフィー GC−4
PBITFにカラムとしてSUS3mmφ×3m、20%
Ucon Oil LB−1800Xを使用して、残
留未反応単量体を、Flush Sample FLS
−1にて樹脂から追い出し、液体酸素にて補足して測定
した。 (2)樹脂粉末粒径の平均粒子径の測定 樹脂の重合反応終了時の単一粒子の平均粒径は、透過型
電子顕微鏡で撮影した10000倍の拡大写真を用いて
約1000個の粒子の長さを測定して平均を求め、1次
粒子平均粒径とした。重合反応終了後のラテックスを噴
霧乾燥した粉体の凝集体を含む2次粒子平均粒径は、目
開き250μmの篩を通して粗大粒子を除いた後の粉末
50gに帯電防止剤としてカーボンブラック50mgを添
加し、JIS標準篩を用い、振動下に篩分析を行い、5
0重量%となる粒径として求めた。
【0015】実施例1 10Lのステンレス製オートクレーブに脱イオン水60
00g、乳化剤のアルキルベンゼンスルホン酸Na30
g、乳化助剤のラウリルアルコール30g、ラジカル開
始剤の過酸化ベンゾイル6gを仕込んで減圧脱気したの
ちに、メチルメタアクリレートモノマーを3000g仕
込み撹拌を行いエマルジョン化し、この混合物を均質機
を用いて、別に脱気された10Lのオートクレーブに移
し65℃に昇温して重合を開始した。重合転化率が96
%になった時点で冷却して重合を終了し、53℃にて減
圧し、300mmHgGに至れば空気を入れる操作を繰
り返した。冷却して得られたラテックスを窒素により噴
霧乾燥して樹脂粉末(A)を得た。樹脂粉末(A)の含
水量は0.2重量%(ウエットベース)であった。樹脂
粉末(A)の平均分子量は6.3×10であり、樹脂
粉末(A)の残留単量体量は1.0重量%であり、平均
粒径は、重合反応終了時の1次粒子の平均径が1.1μ
mであり、噴霧乾燥後の2次粒子の平均径が25μmで
あった。次に、恒温恒湿乾燥機(TABAI(株)製
PR−4G)の中に樹脂粉末(A)1kgを厚さ約1c
mに広げて置き、50℃、60℃及び70℃で相対湿度
30%の空気(すなわち、絶対湿度は各温度でそれぞれ
0.023、0.0390及び0.063kg−水蒸気
/kg−乾き空気)を、各2時間通気した。空気の通気
量は、樹脂粉末1kg当たり1.6m/secであっ
た。次に樹脂粉末(A)1kgに対し上と同様にして、
ただし50℃、60℃及び70℃で相対湿度70%の空
気(絶対湿度は各0.058、0.095及び0.17
kg−水蒸気/kg−乾き空気)を各2時間通気した。
恒温恒湿乾燥機で通気処理した各粉末の残留未反応単量
体量を第1表に示す。
【0016】
【表1】
【0017】 1)単位:kg−水蒸気/kg−乾き空気 2)は比較例
【0018】実施例2 10リットルのステンレス製オートクレーブに脱イオン
水5900g、乳化剤のラウリル硫酸ナトリウム30
g、及び連鎖移動剤のt−ドデシルメルカプタン6gを
仕込んで減圧脱気した後に、メチルメタクリレート27
00g及びエチルアクリレート300gを仕込み、撹拌
しつつ昇温し、53℃に到達した時点でラジカル開始剤
の過硫酸カリウム1.2gを100gの脱イオン水に溶
解して添加した。以後、53℃で温度制御しつつ重合反
応を行った。重合転化率98%の時点で、反応終了する
ため減圧し300mmHgGに至れば空気を入れる操作を3
回繰返した。冷却して得たラテックスを窒素により噴霧
乾燥して樹脂粉末(B)を得た。樹脂粉末(B)の含水
量は0.2重量%(ウエットベース)であった。樹脂粉
末(B)の平均分子量は2.8×104であり、重合終了
時の1次粒子の平均径は0.1μm、樹脂粉末(B)の
2次粒子の平均径は20μmであった。また樹脂粉末
(B)の残留未反応単量体量は両単量体合計で530pp
mであった。次に、樹脂粉末(B)1kgを実施例1で用い
た恒温恒湿乾燥機内に厚さ約1cmに広げて置き、絶対湿
度が0.063kg−水蒸気/kg−乾き空気であり、温度
が70℃(相対湿度30%)の空気を2時間通気した。
空気の通気量は、樹脂粉末1kg当たり1.6m3/secで
あった。この処理後の樹脂中の残留未反応単量体の総量
は120ppmであった。樹脂粉末(B)1kgに対し上と
同様にして、ただし絶対湿度が0.095kg−水蒸気/k
g−乾き空気であり、温度が60℃(相対湿度70%)
の空気を2時間通気した。この処理後の樹脂中の残留未
反応単量体の総量は4ppmであった。
【0019】
【発明の効果】本発明のアクリレート系重合体の未反応
単量体の除去方法によると、アクリレート系重合体を微
細粒子の状態で未反応単量体を効率的に低減することが
できる。そのため、未反応単量体を除去したアクリレー
ト系重合体をそのままの状態でもペースト用又は加工助
剤用として使用することができる。また、本発明の方法
により未反応単量体が軽減されたアクリレート系重合体
は、透明性及び熱安定性などが優れている。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリ
    ル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル50〜1
    00重量%から成る単量体を乳化重合又は微細懸濁重合
    した後乾燥して得られる水分0.001〜10重量%含
    有する重合体粒子に、乾き空気又は乾き不活性気体の単
    位重量部当たり0.05〜0.2重量部の水蒸気を含有す
    温度15〜80℃の気流を通ずることを特徴とするア
    クリレート系重合体粒子の残存未反応単量体の除去方
    法。
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