JP3348459B2 - アクリレート系重合体粒子の製造方法 - Google Patents

アクリレート系重合体粒子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクリレート系又はメタ
クリレート系重合体粒子[以下、(メタ)アクリレート
系重合体粒子と称することがある]の製造方法の改良に
関するものである。さらに詳しくいえば、本発明は、優
れた透明性や熱安定性を損なうことなく、残存未反応単
量体の少ないアクリレート系又はメタクリレート系重合
体粒子を効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乳化重合や微細懸濁重合などの水性媒体
中での重合によって得られる(メタ)アクリレート系樹
脂はプラスチゾル又はオルガノゾルによる加工を経て透
明性、彩色性、耐候性などに優れた成形品を与え、また
特に最近は脱塩素系樹脂として塩化ビニル樹脂に替わる
素材として需要が増大してきている。さらに、この(メ
タ)アクリレート系樹脂は、従来から多くの塩化ビニル
樹脂硬質加工の用途において加工助剤として塩化ビニル
樹脂100重量部当たり0.5〜20重量部配合して塩
化ビニル樹脂の溶融粘度特性を改良して成形時の伸びを
大きくしたり成形品表面のつやを出すためにも使用され
ている。プラスチゾル又はオルガノゾル用、すなわちペ
ースト用の樹脂粒子は、特定量の可塑剤又は有機溶媒に
より流動性のある分散体を形成するためには、平均粒径
が0.2〜5μm程度の微細でほぼ球形であることを要
する。したがってペースト用樹脂粒子は乳化重合又は微
細懸濁重合により製造されている。また、加工助剤とし
て用いられる樹脂粒子も、主たる配合材料である塩化ビ
ニル樹脂粉体が一般的には粒径10〜300μmの多孔
質の不規則形状のものであるため、配合剤の混練時に塩
化ビニル樹脂粉体の粒子間や細孔内に均一分散しやすい
ものでなければならず、したがって通常乳化重合による
0.1μm以下の球形粒子を集合化した形態で用いられ
ている。ところで、上記のように、(メタ)アクリレー
ト系樹脂が広く使われてきたのではあるが、これら重合
体はその単量体との相溶性が良いことが起因して加熱成
形時に樹脂に残存していた未反応単量体が揮散して臭気
を発し作業環境を汚染したり、成形品の臭気のため商品
価値を低下させる問題が起きている。従来、(メタ)ア
クリル系樹脂の残存単量体を除去低減する手法として
は、乳化重合終了時にラテックス中にラジカル開始剤を
添加する操作を繰返す方法(特開昭60−229902
号公報)が提案されている。しかしながら、この方法は
未反応単量体の残存量を十分に低減するためには多大の
ラジカル開始剤量及び処理時間を要し、熱安定性、耐候
性などの品質悪化や生産性の低下をきたす欠点がある。
この他にも、種々の方法が提案されている。例えば溶液
重合終了時に、未反応単量体と反応性のある酢酸ビニル
やメチルアクリレートをスキャベンジャーとして重合体
溶液に添加する方法(特開昭63−175086号公
報)がある。しかしながら、この方法は溶液重合のよう
な均一系でないと効果を発揮しないものであり、本願発
明における乳化重合や微細懸濁重合のように水性媒体中
に重合体粒子が分散している不均一系である場合は不適
当である。その他には、懸濁重合によって得られた粒子
を水酸化アルカリ金属又は水酸化アルカリ土類金属の水
溶液中にて加熱処理する方法(特公昭46−26975
号公報)がある。しかしながら、この方法も未反応単量
体の除去が不十分であるうえ、粒子が強固な不規則形状
の凝集体となり、ペースト用樹脂の場合には高粘度にな
るので不適である。さらに、ベント押出機において25
0〜290℃にて重合体を溶融しつつ50mmHg以下に減
圧して揮散させる方法(特開昭52−17555号公
報、特開昭59−45310号公報)が提案されてい
る。しかしながら、この方法は重合体が溶融するのでペ
レットを製造するには良いが、粒子形状が肝要な上記用
途には不適である。ところで、(メタ)アクリレート系
樹脂には、加熱すると解重合を起こし、(メタ)アクリ
ル酸エステル単量体に分解されやすいという欠点があ
る。この点に着目して、解重合活性化エネルギーを一定
の値以上とすることにより耐熱分解性が改善された熱可
塑性重合体について、提案がなされている(特開昭60
−58408号公報、特開昭60−58409号公
報)。しかしながら、この重合体は特定の環構造単位を
含んだ特殊なものであり、上記の一般的な用途に好適に
使用できるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもので、(1)ペースト用又は加工助剤用として
好適に使用できる、(2)加熱による解重合が防止でき
る、(3)粒子中に残存している未反応単量体が少な
い、などの特性をもつアクリレート系又はメタクリレー
ト系重合体粒子を効率よく製造する方法を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記目的を達
成するために鋭意研究を重ねた結果、(1)(メタ)ア
クリレート系樹脂をペースト加工する際、該樹脂中に残
存していた未反応単量体が加熱により揮散し、かつこれ
は加熱時間が増すとともに顕著となること、(2)該
(1)の現象は、(メタ)アクリレート系樹脂を加熱し
た際、ある温度条件を境に解重合(重合体の分解)が始
まることに起因すること、を突き止めた。そして、さら
に、(3)(メタ)アクリレート系樹脂の加熱による解
重合を抑えるには、該樹脂の解重合開始温度を高めるこ
とが有効であり、これにより該樹脂を用いた成形品に残
留する(メタ)アクリレート系単量体の量を低減し、更
に該成形品中の(メタ)アクリレート系樹脂の平均重合
度及び重量平均分子量の低下を抑制することができるこ
と、(4)該(3)を達成するには、(メタ)アクリレ
ート系単量体を水性媒体中で重合させる際に、一定の重
合転化率となった後に、まず水溶性触媒を加え、次いで
重合禁止剤を加えると効果的であること、(5)該
(3)及び(4)の対策により(メタ)アクリレート系
樹脂の解重合開始温度を上げることができ、その結果該
樹脂を加熱加工後に発生する臭気を抑制できること、を
見い出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成した
ものである。すなわち、本発明は、炭素数1〜8のアル
キル基を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリ
ル酸エステル単量体または該単量体を主体とする単量体
混合物を水性媒体中で重合したのち、乾燥して重合体粒
子を得るに当たり、重合転化率が85%以上となった時
点で、反応系にまず水溶性触媒を添加し、次いで重合禁
止剤を添加することを特徴とするアクリレート系重合体
粒子の製造方法を提供するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいては、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル
酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル単量体また
は該単量体を主体とする単量体混合物を、水性媒体中に
おいて乳化重合や微細懸濁重合などにより重合する。該
アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルとしては、
例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−
プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n
−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、se
c−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n
−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタ
クリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメ
タクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブ
チルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、n−オクチルメタクリレートなどが挙げら
れ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。これらのアクリル酸エステル又はメ
タクリル酸エステルのうち好ましいものは、メチルメタ
クリレートである。
【0006】上記単量体には、所望に応じ前記単量体と
共重合可能な他の単量体を含有させることができる。こ
の場合、他の単量体の含有量は、単量体合計量に対し5
0重量%以下となる範囲で選ばれる。この共重合可能な
他の単量体としては、例えばプラスチゾル組成物の接着
性などを向上させるための官能基含有不飽和単量体、具
体的にはブタジエン、イソプレンなどの重合性ジエン系
化合物、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキセンモノオキシドなどのエポキシ基を有する重
合性不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、エタク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びこれら
の酸無水物などのカルボキシル基を有する重合性不飽和
化合物、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−
アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロ
ピル(メタ)アクリレート、2−アミノブチル(メタ)
アクリレート、3−アミノブチル(メタ)アクリレー
ト、4−アミノブチル(メタ)アクリレート、(メタ)
アクリルアミド、N−2−アミノエチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−2−アミノプロピル(メタ)アクリルア
ミド、N−3−アミノプロピル(メタ)アクリルアミド
などのアミノ基含有重合性不飽和化合物、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの
水酸基含有重合性不飽和化合物、その他酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、スチレン、α
−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、塩化ビニ
リデン、フッ化ビニリデンなどのビニリデン化合物など
が挙げられる。これらの共重合可能な他の単量体は1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0007】本発明において得られる重合体の分子量は
特に制限されず、通常は重量平均分子量が100000
〜15000000の範囲に、好ましくは200000
〜10000000の範囲にある。本発明においては、
該単量体を水性媒体中で重合するに当たり、重合転化率
が85%以上となった時点で、反応系にまず水溶性触媒
を添加し、次いで重合禁止剤を添加して重合を完結させ
ることが必要である。該水溶性触媒は、未反応の遊離単
量体の反応を促進させるために用いられる。本発明にお
いて用いられる該水溶性触媒としては、過酸化水素、水
溶性無機過酸化物、又は水溶性還元剤と有機過酸化物と
の組み合わせが挙げられる。水溶性無機過酸化物の例と
しては、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムなどが挙
げられる。該水溶性無機過酸化物は1種のみ用いても、
2種以上組み合わせて用いてもよく、その使用量は、使
用する単量体100重量部当たり、通常0.01〜0.0
4重量部の範囲で選ばれる。水溶性還元剤としては、例
えば水に可溶な通常のラジカル酸化還元重合触媒成分と
して用いられる還元剤、例えばエチレンジアミン四酢酸
又はそのナトリウム塩やカリウム塩、あるいはこれらと
鉄、銅、クロムなどの重金属との錯化合物、スルフィン
酸又はそのナトリウム塩やカリウム塩、L−アスコルビ
ン酸又はそのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム
塩、ピロリン酸第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄アンモ
ニウム、亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ホ
ルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、還元糖類な
どが挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。また、有機過酸化物とし
ては、例えばクメンヒドロペルオキシド、p−サイメン
ヒドロペルオキシド、t−ブチルイソプロピルベンゼン
ヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペ
ルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、デカリ
ンヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシ
ド、t−ブチルヒドロペルオキシド、イソプロピルヒド
ロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド類が挙げら
れ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。該有機過酸化物の使用量は、通常使
用する単量体100重量部当たり、0.002〜0.02
重量部の範囲で選ばれる。これらは上記水溶性還元剤と
併用され、該還元剤と合わせた使用量は、使用する単量
体100重量部当たり、通常0.01〜0.04重量部の
範囲で選ばれる。
【0008】本発明においては、該水溶性触媒の添加は
単量体の重合転化率が85%以上、好ましくは90〜9
8%の間の反応途中にて行う。この際、重合温度を65
〜70℃程度とし、望ましくは添加の後系全体の撹拌を
行う。このとき、撹拌時間は1時間以内とする。これに
より、未反応の遊離単量体が重合体中に消費され、該遊
離単量体の反応を早く完結させることができる。重合転
化率が85%となる前に該水溶性触媒を添加すると、反
応が暴走するために所定の分子量のものが得られなくな
る他、ラテックスの性状即ち乾燥後の重合体粒子の形状
が乱れてくる。一方、98%を超えた後に添加すると本
発明の効果が十分に発揮されない。本発明においては、
このように水溶性触媒の添加により、未反応単量体を減
少させたのち、さらに加工時の解重合を抑制させるため
に、重合反応の最後に重合禁止剤を添加することが必要
である。本発明において用いられる重合禁止剤として
は、例えばハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール
などのフェノール化合物、N,N−ジエチルヒドロキシ
ルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンア
ンモニウム塩(クペロン)などのヒドロキシルアミン化
合物、ジチオベンゾイルジスルフィド、テトラエチルチ
ウラムジスルフィドなどの有機イオウ化合物などが挙げ
られる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。本発明においては、該重合禁止
剤とともに重合遅延剤を併用して用いてもよい。このよ
うな重合遅延剤としては、例えばシクロペンテン、シク
ロヘキセン、シクロオクテンなどの炭素数5〜8のシク
ロアルケン化合物などが挙げられ、これらは1種用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記
重合禁止剤及び重合遅延剤の中では、得られる重合体の
熱安定性が良くなる点から、重合禁止剤としてはフェノ
ール化合物が、重合遅延剤としては炭素数5〜8のシク
ロアルケン化合物が好ましい。特に好適なものは、t−
ブチルカテコール、シクロヘキセンである。本発明にお
いては、該重合禁止剤又はそれと併用される重合遅延剤
の添加は、単量体の重合転化率が85〜99%、好まし
くは95〜98%の間の反応途中で行う。その使用量
は、通常後述の重合開始剤量の0.5モル倍ないし等モ
ル倍の範囲で選ばれるが、好ましくは該重合開始剤の等
モル倍添加するのがよい。これにより、100〜200
℃の温度での加熱加工時における、重合体の解重合によ
る(メタ)アクリレート系単量体の生成を抑制すること
ができる。重合転化率が85%となる前に該重合禁止剤
(又はそれと併用される重合遅延剤)を添加すると、重
合反応そのものが止まるために、未反応の遊離単量体が
多く残存した重合体しか得られない。その結果、該重合
体を加熱加工した際の(メタ)アクリレート系単量体の
揮散が激しくなり、実用上好ましくない。
【0009】本発明においては、重合転化率が85%以
上となった時点で、最初に水溶性触媒を加え、その後重
合禁止剤(又はそれと併用される重合遅延剤)を加える
ことによってのみ、残留単量体の少ない(メタ)アクリ
レート系重合体粒子が得られる。該重合体粒子において
は、加工時の加熱の際に、重合体粒子中に残存している
重合開始剤のラジカルが未反応の遊離単量体に働いて該
単量体のラジカルが発生し、これらのラジカルにより分
子内の弱結合部分が切断されて、解重合が始まると考え
られる。本発明においては、水溶性触媒の添加により未
反応の遊離単量体が消費された上で、上記の重合開始剤
ラジカルを重合禁止剤(又はそれと併用される重合遅延
剤)が捕集することにより、解重合が抑制され、加熱成
形時の臭気発生を防止することができると思われる。水
溶性触媒及び重合禁止剤(又はそれと併用される重合遅
延剤)の添加順序を逆にした場合、重合反応そのものが
遅延し、場合により停止するため、未反応の遊離単量体
が多く残存した重合体しか得られない。また、該水溶性
触媒のみを用いた場合、未反応の遊離単量体の消費には
有効であるが、解重合の抑制には寄与しない。一方、重
合禁止剤(又はそれと併用される重合遅延剤)のみを用
いた場合には、未反応の遊離単量体が多く残存した状態
で重合反応が停止する。また、乾燥工程での該遊離単量
体の除去は難しいため、未反応遊離単量体の残存量の少
ない重合体を得ることは難しい。この重合体を加熱加工
すると、該遊離単量体及び解重合により生成した単量体
がともに揮散するため、臭気の発生が顕著になり、実用
上好ましくない。本発明においては、該重合体粒子は、
乳化重合法、微細懸濁重合法に代表される水性媒体中で
の重合により製造される。乳化重合法は、乳化剤及び水
溶性ラジカル開始剤の存在下で単量体を重合する方法で
あり、次のメカニズムで進むと言われている。まず、乳
化剤が会合して形成されたミセルに単量体が可溶化し、
ここに水中で発生したラジカル開始剤由来のラジカルが
到達して重合が開始される。次いで、単量体の乳化液滴
からミセルの重合の場に単量体が拡散して重合が進展
し、重合体粒子が肥大化する。さらに、ある転化率の時
点でミセルが崩壊して乳化剤は専ら重合体粒子に吸着し
て粒子を保護安定化する。それ以後はほとんど新粒子は
生成しないので以後の重合は重合体粒子の表面で行わ
れ、したがって最終的には近似した粒径の分布となる。
【0010】本発明においては、乳化重合は播種乳化重
合も含むものである。以下、乳化重合法及び播種乳化重
合法について説明する。前記乳化重合法は、乳化剤及び
重合開始剤を含有する水性媒体中において、(メタ)ア
クリル酸エステルを含有する単量体を重合させる方法で
ある。該乳化剤としては通常アニオン性界面活性剤又は
それとノニオン性界面活性剤との組合わせが用いられ
る。アニオン性界面活性剤としては、通常乳化重合に用
いられる公知のもの、例えばアルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル
塩、脂肪酸金属塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸
エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル硫酸エステル塩、コハク酸ジアルキルエステルスル
ホン酸塩などが挙げられ、これらは1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 また、ノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンアルキルエーテルグリセリンホウ酸
エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸
エステル、ポリオキシエチレンなど、ポリオキシエチレ
ン鎖を分子内に有し、界面活性能を有する化合物及び前
記化合物のポリオキシエチレン鎖がオキシエチレン、オ
キシプロピレンの共重合体で代替されている化合物、さ
らにはソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリンエ
ステル、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリト
ール脂肪酸エステルなどが挙げられ、これらは1種用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。こ
れらの界面活性剤の使用量については、アニオン性界面
活性剤は、通常使用する単量体100重量部当たり、
0.1〜5重量部の範囲で選ばれ、ノニオン性界面活性
剤は、通常0〜5重量部の範囲で選ばれる。
【0011】一方、該重合開始剤としては、水溶性無機
過酸化物、又は水溶性還元剤と有機過酸化物とを組み合
わせたもの、例えば前述の水溶性触媒の説明において例
示したものと同じものが用いられる。該水溶性無機過酸
化物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよく、使用する単量体100重量部当たり、通常
0.0001〜5重量部の範囲内で用いられる。また、
該水溶性還元剤及び有機過酸化物は、通常使用する単量
体100重量部当たり0.001〜5重量部の範囲内
で、各々1種のみで若しくは2種以上を組み合わせて用
いられる。なお、この乳化重合においては、使用される
乳化剤や重合触媒の作用を助長するために、高級脂肪
酸、高級アルコール、無機塩類、水溶性高分子化合物な
どを併用してもよい。この乳化重合においては、通常3
0〜80℃の範囲の温度において重合が行われる。この
ようにして粒子径が0.03〜0.7μm程度の共重合体
微粒子が均質に分散したラテックスが得られる。このラ
テックスは、通常塩析又は噴霧乾燥などの公知の処理が
施され、重合体は固形物として取り出される。該重合体
の分子量は、目的に応じて反応温度や分子量調節剤によ
り適宜調節される。一方、播種乳化重合法は前記乳化重
合法により調製された樹脂粒子を核として、前記のアニ
オン性界面活性剤又はそれとノニオン性界面活性剤との
組合せから成る乳化剤、及び前記の水溶性無機過酸化物
又は前記水溶性還元剤と有機過酸化物との組合せから成
る重合開始剤を用い、水性媒体中で粒子の肥大化重合反
応を行わせる方法である。この際用いられる核粒子の径
は、通常平均0.03〜0.7μmの範囲にあり、またそ
の使用量は使用する単量体100重量部当たり、通常1
〜50重量部の範囲で選ばれる。また、乳化剤及び重合
開始剤の使用量は前記乳化重合法の場合と同様である。
【0012】次に、播種乳化重合法の好適な1例につい
て説明すると、まず所望の樹脂核粒子の水性エマルジョ
ンを調製したのち、これに前記水溶性還元剤及び単量体
を仕込み、加温して30〜80℃程度の温度に保持す
る。一方、別途に前記乳化剤を用いて有機過酸化物の水
性エマルジョンと、前記乳化剤水溶液とを調製し、これ
らを前記の樹脂核粒子、水溶性還元剤及び単量体を含有
する水性エマルジョンに、通常30〜80℃の範囲の温
度を保持しながら連続的に投入して、重合反応を行う。
なお、この播種乳化重合においては、使用される乳化剤
や重合触媒の作用を助長するために、高級脂肪酸、高級
アルコール、無機塩類、水溶性高分子化合物などを併用
してもよい。重合反応終了後、このようにして得られた
平均粒径0.2〜5μmの粒子を含有するエマルジョン
から、前記の乳化重合の場合と同様にして、該共重合体
を固形物として取り出す。この共重合体の分子量は、目
的に応じて反応温度や分子量調節剤などにより適宜調節
される。微細懸濁重合法は、単量体油滴を微細に保ち懸
濁重合する方法であり、例えば触媒として油溶性触媒を
用い、重合開始前に単量体油滴の粒径を均質化処理によ
って予め調節し、均質分散重合させる方法である。油溶
性触媒としては、油溶性のラジカル開始剤が使用され、
この油溶性のラジカル開始剤としては、例えばジベンゾ
イルペルオキシド、ジ−3,5,5−トリメチルヘキサノ
イルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシドなどのジ
アシルペルオキシド類、ジイソプロピルペルオキシジカ
ーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネ
ート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネー
トなどのペルオキシジカーボネート類、t−ブチルペル
オキシピバレート、t−ブチルペルオキシネオデカノエ
ートなどのペルオキシエステル類、あるいはアセチルシ
クロヘキシルスルホニルペルオキシド、ジサクシニック
アシッドペルオキシドなどの有機過酸化物、さらには
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビ
ス−2−メチルブチロニトリル、2,2'−アゾビスジメ
チルバレロニトリルなどのアゾ化合物などを使用するこ
とができる。これらの触媒は1種または2種以上を組み
合わせて使用することができ、その使用量は、単量体の
種類と量及び仕込方式などによって適宜選ばれるが、通
常使用単量体100重量部当たり、0.001〜5.0重
量部の範囲で選択することができる。
【0013】また、微細懸濁重合法においては、界面活
性剤としてアニオン性界面活性剤又はそれとノニオン性
界面活性剤の組合せが用いられる。この界面活性剤とし
ては、前記の乳化重合法で例示したものと同種のものが
同様の量用いられる。また、均質化処理によって得られ
る単量体の乳化液滴の保護安定化の目的で乳化助剤を添
加してもよい。この目的の乳化助剤としては、炭素数1
0〜24のアルキル基を有する高級アルコール、炭素数
10〜20の高級脂肪酸、炭素数4〜18の高級アルコ
ールと炭素数4〜8の高級脂肪酸との脂肪酸エステル等
が用いられる。乳化助剤の使用量は、単量体100重量
部当たり0〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部で
ある。この微細懸濁重合法においては、まず水性媒体中
に、前記油溶性触媒、単量体、前記界面活性剤及び所望
に応じて用いられる高級脂肪酸類や高級アルコール類な
どの重合助剤、その他の添加剤を加えプレミックスし、
ホモジナイザーにより均質化処理して、油滴の粒径調節
を行う。該ホモジナイザーとしては、例えばコロイドミ
ル、振動撹拌機、二段式高圧ポンプ、ノズルやオリフィ
スからの高圧噴出、超音波撹拌などが挙げられる。さら
に、油滴の粒径の調節は、均質化処理時の剪断力の制
御、重合中の撹拌条件、反応装置の形式、界面活性剤や
添加剤の量などにより影響されるが、これらは簡単な予
備実験により、適当な条件を選択することができる。次
に、このようにして均質化処理された液は重合缶に送ら
れ、ゆっくりと撹拌しながら昇温し、通常30〜80℃
の範囲の温度において重合が行われ、平均一次粒径が
0.5〜3μmで粒径分布の広い樹脂粒子のラテックス
が得られる。このラテックスは、通常噴霧乾燥などの公
知の処理が施され、重合体は固形物として取り出され
る。該重合体の分子量は、目的に応じて反応温度や分子
量調節剤により適宜調節される。
【0014】懸濁重合法は、水性媒体中において分散剤
の存在下、単量体油滴を懸濁させ、該油滴中で単量体を
重合させる方法であり、触媒として油溶性触媒を用い
る。ここで用いられる油溶性触媒の種類及び使用量は、
前記の微細懸濁重合法の場合と同様である。該分散剤と
しては、例えばポリビニルアルコール(PVA)、カル
ボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチル
セルロース(HEC)、メチルセルロース(MC)、ゼ
ラチン、アルギン酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ
アクリルアミド、リン酸水素ニナトリウム、ポリエチレ
ンオキシドなどを使用することができる。これらの分散
剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよく、その使用量は、通常使用単量体100重量部
当たり、0.001〜2.0重量部の範囲で選ばれる。こ
の懸濁重合法においては、まず水性媒体中に、前記油溶
性触媒、単量体、前記分散剤及び所望に応じて用いられ
るその他の添加剤を加え、単量体油滴を形成させる。そ
の後、該油滴が形成された系全体を撹拌しながら昇温さ
せたのち、通常30〜80℃の範囲の温度において重合
が行われる。上記方法により、平均粒径が10〜200
μmの粒子が製造される。該粒子の分子量は、目的に応
じて反応温度や分子量調節剤により適宜調節される。本
発明により得られる重合体粒子は、上記水性媒体中での
重合、すなわち乳化重合法、播種乳化重合法、微細懸濁
重合法又は懸濁重合法により製造されたのち、乾燥した
ものである。なお、ペースト用粒子は、播種乳化重合又
は微細懸濁重合で得られたラテックスを通常噴霧乾燥
し、要すれば粉砕することにより得ることができる。塩
化ビニル樹脂用加工助剤粒子は、乳化重合ラテックスを
噴霧乾燥するか、凝固して脱水後流動乾燥させることに
より得ることができる。この乾燥に供する気体は粉塵爆
発を避けるため窒素の如き不活性ガスであることが好ま
しい。なお、乾燥は、上記乾燥方法の他種々の乾燥方法
により行うことができる。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、本発明はこれらの例によって、なんら限
定されるものではない。実施例において、樹脂粉末中の
残留未反応単量体の量、樹脂重合体の重量平均分子量及
び樹脂粉末粒子の平均粒径は、以下の方法により測定し
た。 (1)樹脂粉末中の残留未反応単量体量の測定 島津製作所(株)製のガスクロマトグラフィー GC−4
PBITFにカラムとしてSUS3mmφ×3m、20%
Ucon Oil LB−1800Xを使用して、残
留未反応単量体を、Flush Sample FLS
−1にて樹脂から追い出し、液体酸素にて補足して測定
した。 (2)樹脂重合体の重量平均分子量(以下単に平均分子
量とする) 東ソー(株)製のゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーSC−8010を使用し、常法により測定した。 (3)樹脂粉末粒径の平均粒子径の測定 樹脂の重合反応終了時の単一粒子の平均粒径は、透過型
電子顕微鏡で撮影した10000倍の拡大写真を用いて
約1000個の粒子の長さを測定して平均を求め、1次
粒子平均粒径とした。重合反応終了後のラテックスを噴
霧乾燥した粉体の凝集体を含む2次粒子平均粒径は、目
開き250μmの篩を通して粗大粒子を除いた後の粉末
50gに帯電防止剤としてカーボンブラック50mgを添
加し、JIS標準篩を用い、振動下に篩分析を行い、5
0重量%となる粒径として求めた。なお、懸濁重合によ
り得られた樹脂粉末粒径は、上記の2次粒子平均粒径と
同一の方法で測定した。
【0016】実施例1 10Lのステンレス製反応器に脱イオン水6000g、
乳化剤のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム30
g、乳化助剤のラウリルアルコール30g、ラジカル開
始剤の過酸化ベンゾイル6gを仕込んで減圧脱気したの
ちに、メチルメタクリレートモノマー3000gを仕込
み撹はんを行いエマルジョン化し、この混合物を均質機
を用いて、別に脱気された10Lのオートクレーブに移
し65℃に昇温して重合を開始した。重合転化率92%
になった時点で、過硫酸カリウム10gを加え、70℃
に昇温して10分間撹拌した。さらに、重合転化率が9
5%になった時点でt−ブチルカテコール5.0gを加
えた。そして重合転化率が96%になった時点で冷却し
て重合を終了し、53℃にて減圧し、300mmHgGに至
れば空気を入れる操作を繰り返した。冷却して得られた
ラテックスを窒素により噴霧乾燥し、粉砕工程を経てア
クリルペースト樹脂粉末(A)を得た。得られた樹脂粉
末(A)の平均分子量は4.0×106であり、樹脂粉末
(A)の残留単量体量は0.20重量%であり、平均粒
径は、重合反応終了時の1次粒子の平均値が1.1μm
であり、噴霧乾燥後の2次粒子の平均値が25μmであ
った。この樹脂粉末(A)100重量部とリン酸エステ
ル系可塑剤としてのトリクレジルホスフェート100重
量部とを石川式ライカイ機により混合したのち、減圧脱
泡処理を行ってアクリルペーストゾルを得た。得られた
ゾルをアルミ製モールド(10×20×2mm凸型)に投
入し、第1表に示す条件にて熱風循環式オーブンで加熱
した。その後、モールドを取り出し、室温にて冷却した
のち、樹脂粉末(A)と同様にして成形品中の残留単量
体及び平均分子量の測定を行った。その結果を第1表に
示す。 比較例1 実施例1において、過硫酸カリウムとt−ブチルカテコ
ールの投入順序を逆にしたこと以外は、実施例1と同様
にして樹脂粉末及びゾルを作成し、平均粒径の測定、残
留単量体量及び平均分子量の評価を行った。その結果を
第1表に示す。 比較例2 実施例1において、過硫酸カリウムを投入しなかったこ
と以外は、実施例1と同様にして樹脂粉末とゾルを作成
し、平均粒径の測定、残留単量体量及び平均分子量の評
価を行った。その結果を第1表に示す。 比較例3 実施例1において、t−ブチルカテコールを投入しなか
ったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂粉末とゾル
を作成し、平均粒径の測定、残留単量体及び平均分子量
の評価を行った。その結果を第1表に示す。 比較例4 実施例1において、過硫酸カリウムとt−ブチルカテコ
ールとを、ともに投入しなかったこと以外は、実施例1
と同様に実施して樹脂粉末及びゾルを作成し、平均粒径
の測定、残留単量体量及び平均分子量の評価を行った。
その結果を第1表に示す。 比較例5 実施例1において、重合転化率80%となった時点で過
硫酸カリウム10gを加え、70℃に昇温して10分間
撹拌したところ、温度が高くなり過ぎたため重合を中止
し、樹脂粉末及びゾルの作成は行わなかった。 実施例2 10Lのステンレス製反応器に脱イオン水6000g、
分散剤のポリアクリル酸ナトリウム60g、分散助剤の
リン酸水素ニナトリウム180g、ラジカル開始剤のア
ゾビスイソブチロニトリル39g、メチルメタクリレー
トモノマー3000gを仕込み、78℃に昇温し重合を
開始した。重合転化率が93%になった時点で過硫酸カ
リウム10gを加え、10分間撹拌した。さらに重合転
化率が95%になった時点でt−ブチルカテコール5g
を加えた。そして重合転化率が96%になった時点で冷
却して重合を終了した。冷却して得られた懸濁液をろ
過、水洗、乾燥して樹脂粉末(B)2460gを得た。
得られた樹脂粉末(B)の平均分子量は4.2×106
あり、樹脂粉末(B)の残留単量体量は0.22重量%
であり、平均粒径は100μmであった。この樹脂粉末
(B)10gを、190℃にて熱風循環式オーブンで加
熱した。その後、樹脂粉末(B)を取り出し、室温にて
冷却したのち、樹脂粉末(A)と同様にして樹脂粉末中
の残留単量体及び平均分子量の測定を行った。その結果
を第1表に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】注1)樹脂粉末 以上、明らかなように、本発明方法を用いることにより
(実施例1、2)、残存未反応単量体の少ないアクリレ
ート系重合体粒子を得ることができる。これに対し、水
溶性触媒及び重合禁止剤の仕込み順序を変えた比較例
1、いずれか一方のみを用いた比較例2、3、両方とも
使用しなかった比較例4においては、残存未反応単量体
の多いアクリレート系重合体粒子しか得ることができな
かった。また、重合転化率が85%となる前に水溶性触
媒を加えた比較例5においては、アクリレート系重合体
粒子を得ること自体ができなかった。
【0020】
【発明の効果】本発明によると残存未反応単量体の少な
いアクリレート系重合体粒子を効率よく製造することが
できる。したがって、未反応単量体を除去したアクリレ
ート系重合体粒子をそのままの状態でペースト用又は加
工助剤用として好適に使用することができる。また、本
発明方法により未反応単量体が軽減されたアクリレート
系重合体粒子は透明性及び熱安定性などに優れているこ
とからも、前記用途に好適に用いられる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリ
    ル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル単量体ま
    たは該単量体を主とする単量体混合物を水性媒体中で重
    合したのち、乾燥して重合体粒子を得るに当たり、重合
    転化率が85%以上となった時点で、反応系にまず水溶
    性触媒を添加し、次いで重合禁止剤を添加することを特
    徴とするアクリレート系重合体粒子の製造方法。
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