JP2512111B2 - 塩化ビニル系樹脂ペ―ストゾルの製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系樹脂ペ―ストゾルの製造方法Info
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- JP2512111B2 JP2512111B2 JP27586088A JP27586088A JP2512111B2 JP 2512111 B2 JP2512111 B2 JP 2512111B2 JP 27586088 A JP27586088 A JP 27586088A JP 27586088 A JP27586088 A JP 27586088A JP 2512111 B2 JP2512111 B2 JP 2512111B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、塩化ビニル系樹脂水性ラテックスから乾
燥、粉砕工程を経ることなく、直接塩化ビニル系樹脂ペ
ーストゾルを製造する方法に係る。
燥、粉砕工程を経ることなく、直接塩化ビニル系樹脂ペ
ーストゾルを製造する方法に係る。
[従来の技術] 塩化ビニル樹脂ペースト、塩化ビニルプラスチゾル、
塩化ビニルオルガノゾル等の塩化ビニル系樹脂ペースト
ゾルは、一般に、乳化重合または微細懸濁重合して得ら
れた塩化ビニル樹脂水性ラテックスを噴霧乾燥して、一
旦塩化ビニルペーストレジンを製造した後、該レジンに
可塑剤を適宜量添加して製造されている。この方法によ
ると、塩化ビニル重合後に噴霧乾燥に供せられる水性ラ
テックスの固形分濃度が、通常30〜60重量%もあり、多
重の水分を蒸発させる必要があり、また噴霧乾燥された
レジンは、凝集体であるために粒子径が大きく、粉砕工
程が必要であった。これらの工程は、多量のエネルギー
を消費するので、ペーストレジンのコスト高の一因とな
っており、またペーストレジンが微粉末であるために粉
立ちが激しく、環境衛生上または取扱い作業上、その改
善対策が必要となっていた。
塩化ビニルオルガノゾル等の塩化ビニル系樹脂ペースト
ゾルは、一般に、乳化重合または微細懸濁重合して得ら
れた塩化ビニル樹脂水性ラテックスを噴霧乾燥して、一
旦塩化ビニルペーストレジンを製造した後、該レジンに
可塑剤を適宜量添加して製造されている。この方法によ
ると、塩化ビニル重合後に噴霧乾燥に供せられる水性ラ
テックスの固形分濃度が、通常30〜60重量%もあり、多
重の水分を蒸発させる必要があり、また噴霧乾燥された
レジンは、凝集体であるために粒子径が大きく、粉砕工
程が必要であった。これらの工程は、多量のエネルギー
を消費するので、ペーストレジンのコスト高の一因とな
っており、またペーストレジンが微粉末であるために粉
立ちが激しく、環境衛生上または取扱い作業上、その改
善対策が必要となっていた。
上述の問題点を解決するために、本特許出願人は、先
に塩化ビニル樹脂水性ラテックスから直接塩化ビニル系
樹脂ペーストゾルを製造する方法の発明について提案し
た(特開昭57−141441号、特開昭58−19349号)が、該
発明では、塩化ビニル系樹脂粒子を凝集させた後の遊離
水のある状態で直接可塑剤を添加しても、可塑剤の塩化
ビニル系樹脂への移行が遅く、また遊離した水相に重合
時に使用した乳化剤または分散剤が溶解しているため
に、可塑剤が水相にも若干移行し、排水の際、可塑剤を
含んだ遊離水が大量に放出されることになり、該発明
は、作業性または排水処理の面から推奨し得る好ましい
方法とは云えない。
に塩化ビニル樹脂水性ラテックスから直接塩化ビニル系
樹脂ペーストゾルを製造する方法の発明について提案し
た(特開昭57−141441号、特開昭58−19349号)が、該
発明では、塩化ビニル系樹脂粒子を凝集させた後の遊離
水のある状態で直接可塑剤を添加しても、可塑剤の塩化
ビニル系樹脂への移行が遅く、また遊離した水相に重合
時に使用した乳化剤または分散剤が溶解しているため
に、可塑剤が水相にも若干移行し、排水の際、可塑剤を
含んだ遊離水が大量に放出されることになり、該発明
は、作業性または排水処理の面から推奨し得る好ましい
方法とは云えない。
[発明が解決しようとする問題点] かゝる事情に鑑み、本発明者らは、塩化ビニル系樹脂
水性ラテックスから直接かつ効率よく塩化ビニル系樹脂
ペーストゾルを製造する方法について鋭意検討した結
果、塩化ビニル重合後の水性ラテックスを凝集破壊した
ときに遊離してくる水を、可塑剤を添加する前に一旦除
去し、また水分を含有する凝集した塩化ビニル系樹脂に
可塑剤を添加することにより、可塑剤が速やかに塩化ビ
ニル系樹脂凝集物中に移行し、一方塩化ビニル系樹脂凝
集物の中に含まれた水が容易に遊離してくることを見い
だし本発明を完成するに到った。
水性ラテックスから直接かつ効率よく塩化ビニル系樹脂
ペーストゾルを製造する方法について鋭意検討した結
果、塩化ビニル重合後の水性ラテックスを凝集破壊した
ときに遊離してくる水を、可塑剤を添加する前に一旦除
去し、また水分を含有する凝集した塩化ビニル系樹脂に
可塑剤を添加することにより、可塑剤が速やかに塩化ビ
ニル系樹脂凝集物中に移行し、一方塩化ビニル系樹脂凝
集物の中に含まれた水が容易に遊離してくることを見い
だし本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の目的は、塩化ビニル系樹脂水性ラ
テックスから、直接かつ効率よく塩化ビニル樹脂ペース
ト、プラスチゾルまたはオルガノゾル等の塩化ビニル系
樹脂ペーストゾルを製造する方法を提供するにある。
テックスから、直接かつ効率よく塩化ビニル樹脂ペース
ト、プラスチゾルまたはオルガノゾル等の塩化ビニル系
樹脂ペーストゾルを製造する方法を提供するにある。
[問題点を解決するための手段] しかして、本発明の要旨とするところは、乳化重合ま
たは微細懸濁重合によって製造された塩化ビニル系樹脂
水性ラテックスから乾燥工程を経ることなく塩化ビニル
系樹脂ペーストゾルを製造する方法において、 a) 前記水性ラテックスを凝集破壊する工程、 b) 凝集破壊により遊離した水を分離する工程、 c) 遊離水を分離した塩化ビニル系樹脂凝集物に、該
凝集物の樹脂分100重量部当り20〜50重量部の可塑剤を
添加して攪拌し、残留水分を抽出分離させる工程、およ
び d) 抽出分離水を除去する工程 を順次経ることからなる塩化ビニル系樹脂ペーストゾル
の製造方法に存する。
たは微細懸濁重合によって製造された塩化ビニル系樹脂
水性ラテックスから乾燥工程を経ることなく塩化ビニル
系樹脂ペーストゾルを製造する方法において、 a) 前記水性ラテックスを凝集破壊する工程、 b) 凝集破壊により遊離した水を分離する工程、 c) 遊離水を分離した塩化ビニル系樹脂凝集物に、該
凝集物の樹脂分100重量部当り20〜50重量部の可塑剤を
添加して攪拌し、残留水分を抽出分離させる工程、およ
び d) 抽出分離水を除去する工程 を順次経ることからなる塩化ビニル系樹脂ペーストゾル
の製造方法に存する。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に用いる塩化ビニル系樹脂水性ラテックスとし
ては、塩化ビニルまたは塩化ビニルとそれに共重合可能
なコモノマーとの混合物を微細懸濁重合法または乳化重
合法等ペースト用塩化ビニル系樹脂製造に通常に適用さ
れる方法によって製造されるものすべてが用いられる。
塩化ビニルに共重合可能なコモノマーとしては、例えば
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等
のビニルエステル類、メエルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル
類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等の
メタクリル酸エステル類、ジブチルマレエート、ジエチ
ルマレエート等のマレイン酸エステル類、ジブチルフマ
レート、ジエチルフマレート等のフマール酸エステル
類、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビ
ニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、
エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類、塩化ビニ
リデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビ
ニル類が挙げられ、これらコモノマーは、塩化ビニル系
樹脂の構成成分中30重量%以下、好ましくは20重量%以
下の範囲で用いられる。勿論、コモノマーは、上述のも
のに限定されるものではない。
ては、塩化ビニルまたは塩化ビニルとそれに共重合可能
なコモノマーとの混合物を微細懸濁重合法または乳化重
合法等ペースト用塩化ビニル系樹脂製造に通常に適用さ
れる方法によって製造されるものすべてが用いられる。
塩化ビニルに共重合可能なコモノマーとしては、例えば
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等
のビニルエステル類、メエルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル
類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等の
メタクリル酸エステル類、ジブチルマレエート、ジエチ
ルマレエート等のマレイン酸エステル類、ジブチルフマ
レート、ジエチルフマレート等のフマール酸エステル
類、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビ
ニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、
エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類、塩化ビニ
リデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビ
ニル類が挙げられ、これらコモノマーは、塩化ビニル系
樹脂の構成成分中30重量%以下、好ましくは20重量%以
下の範囲で用いられる。勿論、コモノマーは、上述のも
のに限定されるものではない。
しかして、塩化ビニル系樹脂水性ラテックスの固形分
濃度は、重合時の重合性モノマー及び水の比、添加物、
重合の程度により異なるけれども、ラテックス凝集破壊
後の水の分離、装置の大きさなどを勘案すると高い程望
ましく、通常全ラテックスに対し30重量%以上の範囲に
あるものを使用するのが望ましい。
濃度は、重合時の重合性モノマー及び水の比、添加物、
重合の程度により異なるけれども、ラテックス凝集破壊
後の水の分離、装置の大きさなどを勘案すると高い程望
ましく、通常全ラテックスに対し30重量%以上の範囲に
あるものを使用するのが望ましい。
塩化ビニル系樹脂水性ラテックスを凝集破壊する方法
としては、高速攪拌等機械的剪断力を作用させる方法、
超音波等を照射する方法、蒸気等によって加熱加温する
方法、寒剤により凍結させる方法、強酸又は強アルカリ
を添加して乳化剤等を弁解する方法、凝集剤を添加する
方法等公知の種々の方法が使用できる。このうちでもラ
テックスの凝集破壊が簡単で、また完全に行なえ、かつ
作業性等容易な凝集剤の添加が最も望ましい。凝集剤と
しては、ミョウバン、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウ
ム等の多価金属塩、アルギン酸、ポリアミン、ポリアク
リルアミド、イオネンポリマー等の高分子凝集剤等公知
の凝集剤が適用される。中でも、乳化剤系の種類に関係
なく凝集剤破壊が容易であること、乳化剤と凝集剤の反
応生成物が安定剤の働きを示す、ハロゲン化物を除くア
ルカリ土類金属塩、またはイオネンポリマー類が最も好
適である。凝集剤の使用量は、塩化ビニル重合時の乳化
剤の種類、量、凝集剤の種類、量、ラテックス中の固形
分の量等によって異なるけれども、ラテックス中の固形
分100重量部当り0.001〜5重量部、好ましくは0.001〜
2重量部の範囲で充分である。塩化ビニル系樹脂水性ラ
テックスの凝集破壊の工程において、凝集破壊が不充分
であると遊離水が白濁し、塩化ビニル系樹脂凝集物と遊
離水とを分離するとき、遊離水の分離操作が難しくな
り、また不完全となる。さらに分離した後の水の後処理
操作が必要になる。
としては、高速攪拌等機械的剪断力を作用させる方法、
超音波等を照射する方法、蒸気等によって加熱加温する
方法、寒剤により凍結させる方法、強酸又は強アルカリ
を添加して乳化剤等を弁解する方法、凝集剤を添加する
方法等公知の種々の方法が使用できる。このうちでもラ
テックスの凝集破壊が簡単で、また完全に行なえ、かつ
作業性等容易な凝集剤の添加が最も望ましい。凝集剤と
しては、ミョウバン、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウ
ム等の多価金属塩、アルギン酸、ポリアミン、ポリアク
リルアミド、イオネンポリマー等の高分子凝集剤等公知
の凝集剤が適用される。中でも、乳化剤系の種類に関係
なく凝集剤破壊が容易であること、乳化剤と凝集剤の反
応生成物が安定剤の働きを示す、ハロゲン化物を除くア
ルカリ土類金属塩、またはイオネンポリマー類が最も好
適である。凝集剤の使用量は、塩化ビニル重合時の乳化
剤の種類、量、凝集剤の種類、量、ラテックス中の固形
分の量等によって異なるけれども、ラテックス中の固形
分100重量部当り0.001〜5重量部、好ましくは0.001〜
2重量部の範囲で充分である。塩化ビニル系樹脂水性ラ
テックスの凝集破壊の工程において、凝集破壊が不充分
であると遊離水が白濁し、塩化ビニル系樹脂凝集物と遊
離水とを分離するとき、遊離水の分離操作が難しくな
り、また不完全となる。さらに分離した後の水の後処理
操作が必要になる。
水性ラテックスを凝集破壊した後に遊離してくる水と
塩化ビニル系樹脂の凝集物を分離するには、静置した後
上部の水相を除去する方法、または過機等によって脱
水する各種方法が採用される。上澄を取る方法では、凝
集物中に遊離水が多量に残るために、脱水機を用いて塩
化ビニル系樹脂凝集物を分離する方法を採用するのが好
ましい。凝集物は、20〜150μ程度の目開きの布で容
易に回収することができる。
塩化ビニル系樹脂の凝集物を分離するには、静置した後
上部の水相を除去する方法、または過機等によって脱
水する各種方法が採用される。上澄を取る方法では、凝
集物中に遊離水が多量に残るために、脱水機を用いて塩
化ビニル系樹脂凝集物を分離する方法を採用するのが好
ましい。凝集物は、20〜150μ程度の目開きの布で容
易に回収することができる。
脱水機を用いて遊離水を分離するには、例えば凝集破
壊した槽からポンプを使用してデカンター、チューブプ
レス、ベルトプレス、フィルタープレス等の脱水機に遊
離水と共に塩化ビニル系樹脂凝集物を移送し、遊離水を
過分離する。本発明方法では連続運転が可能なベルト
プレス型またはチューブプレス型の脱水機を採用するの
が望ましい。ベルトプレス型またはチューブプレス型脱
水機を用いて、遊離水を分離するには、凝集破壊された
塩化ビニル系樹脂ラテックスをベルト上またはチューブ
内に連続的に供給しベルトプレスの場合、面圧力1kg/cm
2以上、線圧力1kg/cm以上の圧力を、またチューブプレ
スの場合、面圧力20kg/cm2以上の圧力をかけ、塩化ビニ
ル系樹脂の水分を50重量%以下、好ましくは40〜20重量
%、特に30重量%程度になるように脱水する。遊離水の
分離が充分に行えないと、すなわち、塩化ビニル系樹脂
の水分が50重量%よりも多く残留していると、次工程に
おける可塑剤の塩化ビニル系樹脂への移行が遅くなり、
また抽出分離水の量が多くなり、水の除去に長時間を要
し、不利になる。一方、塩化ビニル系樹脂の水分が20重
量%よりも少なくなると、ベルトプレス等から排出され
る塩化ビニル系樹脂が板状で固くなるため、可塑材の添
加により塩化ビニル系樹脂をペースト状にするのに時間
がかかる。勿論、水分を含有する固くなった塩化ビニル
系樹脂は、適当に砕いて使用される。
壊した槽からポンプを使用してデカンター、チューブプ
レス、ベルトプレス、フィルタープレス等の脱水機に遊
離水と共に塩化ビニル系樹脂凝集物を移送し、遊離水を
過分離する。本発明方法では連続運転が可能なベルト
プレス型またはチューブプレス型の脱水機を採用するの
が望ましい。ベルトプレス型またはチューブプレス型脱
水機を用いて、遊離水を分離するには、凝集破壊された
塩化ビニル系樹脂ラテックスをベルト上またはチューブ
内に連続的に供給しベルトプレスの場合、面圧力1kg/cm
2以上、線圧力1kg/cm以上の圧力を、またチューブプレ
スの場合、面圧力20kg/cm2以上の圧力をかけ、塩化ビニ
ル系樹脂の水分を50重量%以下、好ましくは40〜20重量
%、特に30重量%程度になるように脱水する。遊離水の
分離が充分に行えないと、すなわち、塩化ビニル系樹脂
の水分が50重量%よりも多く残留していると、次工程に
おける可塑剤の塩化ビニル系樹脂への移行が遅くなり、
また抽出分離水の量が多くなり、水の除去に長時間を要
し、不利になる。一方、塩化ビニル系樹脂の水分が20重
量%よりも少なくなると、ベルトプレス等から排出され
る塩化ビニル系樹脂が板状で固くなるため、可塑材の添
加により塩化ビニル系樹脂をペースト状にするのに時間
がかかる。勿論、水分を含有する固くなった塩化ビニル
系樹脂は、適当に砕いて使用される。
次いで、上述のようにして得られた塩化ビニル系樹脂
の凝集物には可塑性が添加され、塩化ビニル系樹脂との
接触を速やかにするために攪拌される。このとき、塩化
ビニル系樹脂と可塑剤との相溶性の方が良いため、塩化
ビニル系樹脂凝集物中に含まれた水分が分離、抽出され
る。攪拌機としては市販のプラネタリーミキサー、ニー
ダー、高速デイゾルバー、リボンブレンダー等が挙げら
れ、これら攪拌機で攪拌している間に水が分離抽出され
て、塩化ビニル系樹脂ペーストゾルから遊離してくる。
の凝集物には可塑性が添加され、塩化ビニル系樹脂との
接触を速やかにするために攪拌される。このとき、塩化
ビニル系樹脂と可塑剤との相溶性の方が良いため、塩化
ビニル系樹脂凝集物中に含まれた水分が分離、抽出され
る。攪拌機としては市販のプラネタリーミキサー、ニー
ダー、高速デイゾルバー、リボンブレンダー等が挙げら
れ、これら攪拌機で攪拌している間に水が分離抽出され
て、塩化ビニル系樹脂ペーストゾルから遊離してくる。
塩化ビニル系樹脂凝集物に添加する可塑剤は、塩化ビ
ニル樹脂の可塑剤として使用されるものなら種々のもの
が使用され、特に限定されるものではない。例えばフタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチ
ル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルラウリル、
フタル酸ジトリデシル、フタル酸ブチルベンジル、ブチ
ルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル系
可塑剤、燐酸トリクレジル、燐酸トリオクチル等の燐酸
エステル系可塑剤、クエン酸トリ−n−ブチル、アジピ
ン酸ジオクチル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸
ジオクチル、アセチルリシノール酸メチル等の脂肪酸エ
ステル系可塑剤、アルキルエポキシスチアレート、エポ
キシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤を挙げることがで
き、これら可塑剤を1種または2種以上混合して使用で
きる。
ニル樹脂の可塑剤として使用されるものなら種々のもの
が使用され、特に限定されるものではない。例えばフタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチ
ル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルラウリル、
フタル酸ジトリデシル、フタル酸ブチルベンジル、ブチ
ルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル系
可塑剤、燐酸トリクレジル、燐酸トリオクチル等の燐酸
エステル系可塑剤、クエン酸トリ−n−ブチル、アジピ
ン酸ジオクチル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸
ジオクチル、アセチルリシノール酸メチル等の脂肪酸エ
ステル系可塑剤、アルキルエポキシスチアレート、エポ
キシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤を挙げることがで
き、これら可塑剤を1種または2種以上混合して使用で
きる。
本発明方法では可塑剤を、塩化ビニル系樹脂凝集物の
脂肪分100重量部当り20〜50重量部、好ましくは25〜40
重量部添加して攪拌し、凝集物に含まれる残留水分を抽
出分離させ、分離してきた抽出水を三本ロール、デカン
テーション等の方法で除去した後に、更に攪拌しながら
減圧脱水処理し、残留水分0.5重量%以下にする。
脂肪分100重量部当り20〜50重量部、好ましくは25〜40
重量部添加して攪拌し、凝集物に含まれる残留水分を抽
出分離させ、分離してきた抽出水を三本ロール、デカン
テーション等の方法で除去した後に、更に攪拌しながら
減圧脱水処理し、残留水分0.5重量%以下にする。
このようにして得られた塩化ビニル系樹脂ペーストゾ
ルは、更に必要に応じて可塑剤を添加してペーストまた
はプラスチゾルとし、または可塑剤の一部を、例えばテ
キサノールイソブチレート、ドデシルベンゼン、燈油、
ミネラルスピリット等の疎水性稀釈剤に換えてオルガノ
ゾルにするのが好ましい。
ルは、更に必要に応じて可塑剤を添加してペーストまた
はプラスチゾルとし、または可塑剤の一部を、例えばテ
キサノールイソブチレート、ドデシルベンゼン、燈油、
ミネラルスピリット等の疎水性稀釈剤に換えてオルガノ
ゾルにするのが好ましい。
なお、本発明方法により製造される塩化ビニル系樹脂
組成物には、通常塩化ビニル系樹脂に添加される添加
物、例えば熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑
剤、充填剤、着色剤、難燃剤等が配合されていてもよい
ことは勿論である。
組成物には、通常塩化ビニル系樹脂に添加される添加
物、例えば熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑
剤、充填剤、着色剤、難燃剤等が配合されていてもよい
ことは勿論である。
[発明の効果] 本発明方法によれば、塩化ビニル系樹脂ペースト、プ
ラスチゾル、オルガノゾルとして使用しうる塩化ビニル
系樹脂ペーストゾルを、塩化ビニル系樹脂ラテックスの
噴霧乾燥という熱履歴を経ることなく、直接かつ効率よ
く製造することができ、微粉体の取扱いがなくなり、従
来のような粉立ちという問題がなくなった。そして、本
願発明では、水性ラテックスを凝集破壊した後に遊離し
てくる水を分離してから可塑剤を添加するので、遊離水
分離後の塩化ビニル系樹脂凝集物に水分があっても、塩
化ビニル系樹脂と可塑剤の相溶性が良いために、凝集物
中に残留した水分を容易にかつ速やに抽出させることが
できる。
ラスチゾル、オルガノゾルとして使用しうる塩化ビニル
系樹脂ペーストゾルを、塩化ビニル系樹脂ラテックスの
噴霧乾燥という熱履歴を経ることなく、直接かつ効率よ
く製造することができ、微粉体の取扱いがなくなり、従
来のような粉立ちという問題がなくなった。そして、本
願発明では、水性ラテックスを凝集破壊した後に遊離し
てくる水を分離してから可塑剤を添加するので、遊離水
分離後の塩化ビニル系樹脂凝集物に水分があっても、塩
化ビニル系樹脂と可塑剤の相溶性が良いために、凝集物
中に残留した水分を容易にかつ速やに抽出させることが
できる。
また、このようにして製造された塩化ビニル系樹脂ペ
ーストゾルは、加熱変色がなく、乾燥時の凝集による固
い粗粒が含まれていないので、極薄膜コーティングに供
することができ、従来のプラスチゾル等の同一成形温度
での成形品に比較して、その物性はすぐれている。
ーストゾルは、加熱変色がなく、乾燥時の凝集による固
い粗粒が含まれていないので、極薄膜コーティングに供
することができ、従来のプラスチゾル等の同一成形温度
での成形品に比較して、その物性はすぐれている。
[実施例] 次に本発明方法を実施例をもって詳述するが、本発明
は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定され
るものではない。
は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定され
るものではない。
なお、実施例及び比較例において製造した塩化ビニル
系樹脂ペーストゾルの評価は、次のように行い、その結
果を表にまとめた。
系樹脂ペーストゾルの評価は、次のように行い、その結
果を表にまとめた。
<塩化ビニル系樹脂ペーストゾル中の粗粒テスト> JIS K 5400つぶ試験B法に準拠した。
<塩化ビニル系樹脂ペーストゾル中の残留水分量測定> 塩化ビニル系樹脂ペーストゾル1.0gをアルミ皿に精秤
し、105℃のオーブン中に1時間放置し、その重量減を
百分率で表わした。
し、105℃のオーブン中に1時間放置し、その重量減を
百分率で表わした。
<熱安定性、フィルムの表面平滑性> ガラス板上に塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを50μ厚
で塗布し、200℃オーブン中に20分間放置してフィルム
を成形した。該フィルムの熱変色及び表面平滑性を目視
により次の判定基準によって評価した。
で塗布し、200℃オーブン中に20分間放置してフィルム
を成形した。該フィルムの熱変色及び表面平滑性を目視
により次の判定基準によって評価した。
熱変色 表面平滑性 ○: 熱変色なし スジ引き、ピンホールなし △: やや黄変 ピンホールあり ×: 黄変色−黒変 スジ引きあり 実施例1 塩化ビニルを、水媒体中に高級脂肪酸アンモニウム塩
に主乳化剤として乳化重合を行ない、固形分39重量%、
平均粒子径0.85μの塩化ビニル樹脂水性ラテックスを得
た。該ラテックスを攪拌機付きの容器に取り0.7%水溶
液濃度に調整した酢酸カルシウムをラテックス中の固形
分に対して1.0重量%分を攪拌しながら徐々に添加し
て、ラテックスを凝集させ、固形分25重量%(水分75重
量%)を有するクリーム状の均一な凝集物を得た。これ
をチューブプレス(マツザワ製)に供給して50kg/cm2の
圧力で2分間脱水し、残査水分約30重量%のフレーク状
塩化ビニル樹脂の凝集物を取り出した。次に該塩化ビニ
ル樹脂を、真空ポンプ付きのダルトンミキサー(品川工
業所製)に入れ、樹脂固形分100重量部に対して、30重
量部のジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)を添
加し、低速回転で20分間、攪拌混合した。攪拌混合によ
り抽出され分離また絞り出された水相をミキサー容器下
部に設けたバルブより連続的に排出し、その後更に20分
間混合しながら減圧脱水処理を行なった。得られたモチ
状のペーストに樹脂固形物100重量部に対して更に30重
量部のDOP(TOTAL60重量部)と3重量部のCa−Zn系熱安
定剤を追加混合して評価用塩化ビニル系樹脂ペーストゾ
ルとした。
に主乳化剤として乳化重合を行ない、固形分39重量%、
平均粒子径0.85μの塩化ビニル樹脂水性ラテックスを得
た。該ラテックスを攪拌機付きの容器に取り0.7%水溶
液濃度に調整した酢酸カルシウムをラテックス中の固形
分に対して1.0重量%分を攪拌しながら徐々に添加し
て、ラテックスを凝集させ、固形分25重量%(水分75重
量%)を有するクリーム状の均一な凝集物を得た。これ
をチューブプレス(マツザワ製)に供給して50kg/cm2の
圧力で2分間脱水し、残査水分約30重量%のフレーク状
塩化ビニル樹脂の凝集物を取り出した。次に該塩化ビニ
ル樹脂を、真空ポンプ付きのダルトンミキサー(品川工
業所製)に入れ、樹脂固形分100重量部に対して、30重
量部のジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)を添
加し、低速回転で20分間、攪拌混合した。攪拌混合によ
り抽出され分離また絞り出された水相をミキサー容器下
部に設けたバルブより連続的に排出し、その後更に20分
間混合しながら減圧脱水処理を行なった。得られたモチ
状のペーストに樹脂固形物100重量部に対して更に30重
量部のDOP(TOTAL60重量部)と3重量部のCa−Zn系熱安
定剤を追加混合して評価用塩化ビニル系樹脂ペーストゾ
ルとした。
比較例1 実施例1で得られた固形分25重量%を有するクリーム
状凝集体の樹脂固形分100重量部に対し、60重量部のDOP
を添加、攪拌した後塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを生
成させた。分離してきた水をデカンテーションによって
除去し、次いで実施例1と同様にダルトンミキサー内で
絞り脱水、減圧脱水処理後3重量部のCa−Zn系安定剤を
追加して評価用塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを得た。
状凝集体の樹脂固形分100重量部に対し、60重量部のDOP
を添加、攪拌した後塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを生
成させた。分離してきた水をデカンテーションによって
除去し、次いで実施例1と同様にダルトンミキサー内で
絞り脱水、減圧脱水処理後3重量部のCa−Zn系安定剤を
追加して評価用塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを得た。
比較例2 実施例1で得た樹脂ラテックスをスプレードライヤー
で乾燥し、粉砕後通常のペーストレジンを得、該レジン
100重量部に対しDOP60重量部とCa−Zn系熱安定剤3重量
部を混合し、塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを得た。
で乾燥し、粉砕後通常のペーストレジンを得、該レジン
100重量部に対しDOP60重量部とCa−Zn系熱安定剤3重量
部を混合し、塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを得た。
実施例2 実施例1において酢酸カルシウム1重量%に換えて下
記の化学構造式を有する2−3イオネンポリマー(ηSp
=0.19)0.15重量%を用いたほかは、実施例1と同様に
して塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを得た。該塩化ビニ
ル系樹脂ペーストゾルを実施例1と同様にして評価し、
表に併記した。
記の化学構造式を有する2−3イオネンポリマー(ηSp
=0.19)0.15重量%を用いたほかは、実施例1と同様に
して塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを得た。該塩化ビニ
ル系樹脂ペーストゾルを実施例1と同様にして評価し、
表に併記した。
Claims (1)
- 【請求項1】乳化重合または微細懸濁重合によって製造
された塩化ビニル系樹脂水性ラテックスから乾燥工程を
経ることなく塩化ビニル系樹脂ペーストゾルを製造する
方法において、 a)前記水性ラテックスを凝集破壊する工程、 b)凝集破壊により遊離した水を分離する工程、 c)遊離水を分離した塩化ビニル系樹脂凝集物に、該凝
集物の樹脂分100重量部当り20〜50重量部の可塑剤を添
加して攪拌し、残留水分を抽出分離させる工程および d)抽出分離水を除去する工程 を順次経ることからなる塩化ビニル系樹脂ペーストゾル
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27586088A JP2512111B2 (ja) | 1988-10-31 | 1988-10-31 | 塩化ビニル系樹脂ペ―ストゾルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27586088A JP2512111B2 (ja) | 1988-10-31 | 1988-10-31 | 塩化ビニル系樹脂ペ―ストゾルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02123150A JPH02123150A (ja) | 1990-05-10 |
JP2512111B2 true JP2512111B2 (ja) | 1996-07-03 |
Family
ID=17561440
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27586088A Expired - Lifetime JP2512111B2 (ja) | 1988-10-31 | 1988-10-31 | 塩化ビニル系樹脂ペ―ストゾルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2512111B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2650587B1 (fr) * | 1989-08-03 | 1991-10-18 | Norsolor Sa | Procede de preparation en continu d'acrylates legers |
DE4019781A1 (de) * | 1990-06-21 | 1992-01-02 | Basf Ag | Verfahren zur herstellung von monoethylenisch ungesaettigten carbonsaeureestern |
-
1988
- 1988-10-31 JP JP27586088A patent/JP2512111B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02123150A (ja) | 1990-05-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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