JPH08302128A - 塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法

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JPH08302128A
JPH08302128A JP10589195A JP10589195A JPH08302128A JP H08302128 A JPH08302128 A JP H08302128A JP 10589195 A JP10589195 A JP 10589195A JP 10589195 A JP10589195 A JP 10589195A JP H08302128 A JPH08302128 A JP H08302128A
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vinyl chloride
chloride resin
resin composition
plasticizer
latex
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JP10589195A
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Yukio Noro
幸生 野呂
Asao Kobayashi
朝夫 小林
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 排水処理等に手間がかからず、更には、成形
性に優れ、成形品の品質が良好となる塩化ビニル系樹脂
組成物の製造方法。 【構成】 乳化重合法または微細懸濁重合法によって製
造された塩化ビニル系樹脂の水性ラテックスに凝集剤と
可塑剤とを添加して、混合し、塩化ビニル系樹脂を凝集
させ、次いで凝集した塩化ビニル系樹脂と遊離水とを分
離した後、乾燥する塩化ビニル系樹脂組成物の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水相に塩化ビニル系樹
脂が残留することがなく、排水処理に手間がかからない
塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法、更には、成形性に
優れ、成形品の品質が良好となる塩化ビニル系樹脂組成
物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は優れた機械的物性、
難燃性、耐薬品性を有するため、軟質から硬質にわたる
広い分野で多く用いられている。塩化ビニル系樹脂製成
形品は、通常、懸濁重合法や乳化重合法、微細懸濁重合
法によって得られた塩化ビニル系重合体を乾燥して製造
された塩化ビニル系樹脂に可塑剤や安定剤等を後から添
加し、塩化ビニル系樹脂組成物を経て成形・加工するこ
とにより製造されている。
【0003】このような組成物の製造方法に対し、乳化
重合法等により得られた塩化ビニル系樹脂ラテックスか
ら噴霧乾燥を経ることなく、塩化ビニル系樹脂組成物を
得る方法が特開昭57−55948号公報において提案
されている。この方法は、塩化ビニル系樹脂ラテックス
に可塑剤を添加し、水相と塩化ビニル系樹脂を分離し、
更に水相に凝集剤水溶液を添加する、というものであ
る。しかし、この方法においては、可塑剤の添加により
塩化ビニル系樹脂を分離した後も、水相に該樹脂が残留
するため、水相は清澄にならず、そのままで排出するこ
とは、水質上も歩留りの点からも問題がある。このため
同法では凝集剤による後処理を行う必要があり、工程が
煩雑となるという欠点があった。
【0004】また、塩化ビニル系樹脂組成物の成形・加
工において、可塑剤の配合量が塩化ビニル系樹脂に対し
て30重量%以下となる場合、いわゆる半硬質タイプの
成形品を製造する場合には、次のような問題点があっ
た。即ち、懸濁重合法によって製造された塩化ビニル系
樹脂を原材料として用いた場合には、可塑剤の配合量が
少ないため、溶融粘度が高く、熱流動性が小さくなって
混練にあたっては、180℃〜230℃のような高温と
大きな剪断力が必要となり、加工性が悪い上、加工中の
塩化ビニル系樹脂の熱劣化の恐れがある。このような問
題点は平均重合度が1500以上の塩化ビニル系樹脂を
用いる場合に特に著しい。
【0005】一方、乳化重合法や微細懸濁重合法によっ
て製造された塩化ビニル系樹脂を原材料として用いた場
合は、熱や剪断力による問題はないものの、該樹脂は可
塑剤との混合によりゾル化する性質があるため、低可塑
剤配合(塩化ビニル系樹脂に対して1〜30重量%)に
おいては、部分的なゾル化が起こり、均一な組成物が得
にくくなってしまい、従って成形品も不均一なものしか
得られないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水相
に塩化ビニル系樹脂が残留することがなく、排水処理に
手間がかからない塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法、
更には、成形性に優れ、成形品の品質が良好となる塩化
ビニル系樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
は、乳化重合法または微細懸濁重合法によって製造され
た塩化ビニル系樹脂の水性ラテックスに凝集剤と可塑剤
とを添加して、混合し、塩化ビニル系樹脂を凝集させ、
次いで凝集した塩化ビニル系樹脂と遊離水とを分離した
後、乾燥することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物
の製造方法、に存する。以下に、本発明を更に詳細に説
明する。
【0008】本発明に用いる塩化ビニル系樹脂の水性ラ
テックス(以下、単に「ラテックス」という)として
は、塩化ビニル単独または塩化ビニルとそれと共重合可
能な単量体(以下、「コモノマー」という)との混合物
を乳化重合法または微細懸濁重合法によって重合させて
得られたものが用いられる。塩化ビニルと共重合可能な
コモノマーとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ラウリン酸ビニル等のビニルエステル類、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレ
ート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル
類、ジブチルマレエート、ジエチルマレエート等のマレ
イン酸エステル類、ジブチルフマレート、ジエチルフマ
レート等のフマール酸エステル類、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテル等
のビニルエーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のシアン化ビニル類、エチレン、プロピレン等
のα−オレフィン類、塩化ビニリデン、臭化ビニル等の
塩化ビニル以外のハロゲン化ビニル類が挙げられ、これ
らコモノマーは、塩化ビニル系樹脂の構成成分中30重
量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲で用いられ
る。勿論、コモノマーは、上述のものに限定されるもの
ではない。
【0009】塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、150
0〜4000が好ましく、更に2000〜4000が特
に好ましい。塩化ビニル系樹脂の平均重合度が1500
未満では得られる成形品の物性が不十分となり易く、4
000を超えると成形性が劣るので好ましくない。しか
して、ラテックス中の塩化ビニル系樹脂の濃度は、重合
時の重合性モノマーと水との比、添加物、重合転化率に
より異なるけれども、ラテックス凝集後の水の分離、装
置の大きさなどを勘案すると高い程望ましく、通常全ラ
テックスに対し30重量%以上の範囲にあるものを使用
するのが好ましい。
【0010】本発明方法に用いる凝集剤としては、ミョ
ウバン、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウム等の多価金
属塩、アルギン酸、ポリアミン、ポリアクリルアミド等
の高分子凝集剤等公知の凝集剤が使用でき、通常水溶液
として使用される。中でも、乳化剤の種類に関係なく凝
集が容易に行えること、乳化剤と凝集剤の反応生成物が
安定剤の働きを示すことから、ハロゲン化物を除くアル
カリ土類金属塩が最も好適である。
【0011】凝集剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂製造
時の乳化剤の種類、量、ラテックスの濃度、凝集剤の種
類等によって異なるけれども、ラテックス中の塩化ビニ
ル系樹脂に対し、好ましくは0.001〜5重量%、更
に好ましくは0.01〜2重量%とする。凝集剤の添加
量が0.001重量%未満だと凝集が十分におこらない
恐れがあり、また5重量%を超えると、添加量にみあっ
た効果は得られない。
【0012】本発明方法における、もう一方の添加剤で
ある可塑剤としては、通常塩化ビニル系樹脂の可塑剤と
して用いられる種々のものを使用することができ、特に
限定されるものではない。このようなものとしては、例
えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル
酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニ
ル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルラウリル、
フタル酸ジトリデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフ
タル酸エステル系可塑剤;リン酸トリクレジル、リン酸
トリオクチル等のリン酸エステル系可塑剤;アジピン酸
ジオクチル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジオ
クチル、アセチルリシノール酸メチル等の脂肪酸エステ
ル系可塑剤;アルキルエポキシステアレート、エポキシ
大豆油等のエポキシ系可塑剤等を挙げることができる。
これらの可塑剤は単独で、または2種以上を混合して使
用することができる。
【0013】上記可塑剤の添加量は、ラテックス中の塩
化ビニル系樹脂に対し1〜200重量%が良く、好まし
くは1〜30重量%、更に好ましくは8〜30重量%で
ある。可塑剤の配合量が1重量%未満だと、塩化ビニル
系樹脂組成物の含水率が高くなり、遊離水の分離等の後
処理が困難となり好ましくない。また、200重量%を
超えると、塩化ビニル系樹脂組成物から得られた成形品
の表面から可塑剤がブリードし、接触する他の成形品を
汚染する恐れがあるので好ましくない。
【0014】更にこの時に可塑剤に加えて安定剤を添加
すると、得られる組成物中に安定剤が均一に分散するこ
ととなり、熱安定性が向上するので好ましい。用いるこ
とのできる安定剤としては、例えばジブチルスズジラウ
レート、ジブチルスズマレート、ジブチルスズメルカプ
タイド、ジオクチルスズマレート、ジオクチルスズラウ
レート、ジオクチルスズメルカプタイド等のスズ系安定
剤やステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸バリウム、二塩基性ステアリン酸鉛、塩基性亜
硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛等のカルシウムや亜鉛、バ
リウム、鉛等の脂肪酸塩を有機溶媒やキレーターに溶解
・分散させたいわゆる液状複合安定剤が好ましい。粉体
状の安定剤はラテックス添加時に浮いてしまって均一混
合が困難でありあまり好ましくない。この安定剤の添加
量は、ラテックス中の塩化ビニル系樹脂に対し0.1〜
5重量%がよい。
【0015】ラテックスに、上記凝集剤の水溶液と可塑
剤及び/または安定剤とを添加・混合する事により、凝
集した微細塩化ビニル系樹脂粒子間に抱きこまれた水分
が可塑剤によって置換されて、該凝集粒子を含んだ油滴
となり、かつ、混合時の遠心、剪断作用によって油滴が
均一分散しながら液中造粒が行なわれて粒子径の揃った
球形塩化ビニル系樹脂組成物が生成し透明な遊離水中に
分散された状態となる。この添加・混合方法は特に限定
されるものではないが、ラテックスを泡立てない範囲で
全体を均一に撹拌する事が好ましい。
【0016】本発明方法に用いる凝集剤の水溶液と可塑
剤及び/または安定剤との添加手順としては、これらを
同時に、あるいはそれぞれを別々に相前後して添加して
もよいが、最も好ましい手順としては、まずラテックス
に凝集剤の水溶液を添加して、塩化ビニル系樹脂粒子を
凝集せしめてフロック粒子とし、該フロック粒子を細か
く分散させてクリーム状とした後、可塑剤及び/または
安定剤を添加するのが好ましく、この手順により可塑剤
を塩化ビニル系樹脂に移行せしめ、かつ均一な大きさの
塩化ビニル系樹脂組成物を得ることができる。
【0017】更に、本発明においては、凝集剤の水溶液
及び可塑剤等を添加した後または凝集剤の水溶液と可塑
剤等を順次添加する場合は各々の操作の後に、少なくと
も5分以上、好ましくは10分以上撹拌を継続するのが
好ましい。この添加・混合操作の際の温度は常温でよい
が、40℃以上、好ましくは50〜80℃に加温する
と、可塑剤の塩化ビニル系樹脂への移行速度が増し、ま
た得られる塩化ビニル系樹脂組成物の成形性が向上する
ので好ましい。なお、本発明においては、凝集剤の水溶
液及び可塑剤等を添加する前に、ラテックスをスクリー
ンで濾過してもよい。
【0018】次に、塩化ビニル系樹脂組成物を含む水分
散液は、デカンター等公知の脱水機により簡単に遊離水
が分離され、得られた塩化ビニル系樹脂組成物は、その
後、減圧式または加熱式乾燥機等により、目的に応じた
温度で乾燥されるが、通常この乾燥温度は50〜100
℃であり、樹脂中の含水率が0.5重量%以下となるま
で乾燥するのが好ましい。
【0019】本発明によって得られた塩化ビニル系樹脂
組成物は、懸濁重合法によって得られた塩化ビニル系樹
脂と併用でき、また、必要に応じ、安定剤、着色剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤及び充てん剤等の各種物
性改良助剤または加工助剤を添加することができる。こ
の際、各助剤の添加量は通常塩化ビニル系樹脂に対し、
安定剤は0.1〜5重量%、着色剤は0.5〜20重量
%、紫外線吸収剤は0.1〜10重量%、酸化防止剤は
0.1〜5重量%、滑剤は0.1〜10重量%、充てん
剤は10〜200重量%である。
【0020】充てん剤を除くこれらの助剤は、塩化ビニ
ル系樹脂組成物の製造の過程で、ラテックス中にまたは
凝集剤や可塑剤を添加する際に溶液の状態または分散さ
れた状態で添加することもでき、この方法によれば、得
られた塩化ビニル系樹脂組成物には既に必要な添加剤が
含まれているためそのまま成形して成形品を得ることが
できるという利点がある。
【0021】本発明によれば、微細な塩化ビニル系樹脂
粒子まで効率よく、凝集した塩化ビニル系樹脂組成物に
含まれるようになり水相へは殆ど残留しなくなるため、
分離水からの塩化ビニル系樹脂の回収や、排水処理も極
めて簡略化することができ、工業的に極めて有用であ
る。また、本発明によって製造した塩化ビニル系樹脂組
成物は、可塑剤等が均一に配合されているため成形性に
優れ、品質の良好な成形品を得ることができる。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施の態様を実施例を用いて
更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例により限定されるものではない。ま
た、実施例、比較例における塩化ビニル系樹脂組成物等
の評価は次の「評価方法」に従って行った。
【0023】[評価方法] 〈平均重合度〉JIS K6721に示される方法に準
じて測定した。 〈透過率〉ラテックスから塩化ビニル系樹脂組成物を分
離して得られた遊離水の光線透過率を、分光光度計(日
立製作所(株)製 323型)を用いて測定した(測定
条件:23℃,50%RH,測定波長550nm,水の
光線透過率を100%とした)。透過率が高い程、遊離
水の透明性が良く、従って遊離水中の残留塩化ビニル系
樹脂が少ないことになる。
【0024】〈成形性〉塩化ビニル系樹脂組成物を、表
面温度150℃及び170℃のミルロールで5分間混練
りし、厚さ150μmの塩化ビニル系樹脂フィルムを得
た。塩化ビニル系樹脂組成物の成膜性とフィルムの外観
とを下記により評価した。成 膜 性 ○:良 好 △:やや悪い ×:成膜不可外 観 ○:平 滑 △:凹凸あり ×:凹凸激しい
【0025】〈引張り強度〉塩化ビニル系樹脂組成物を
表面温度170℃のミルロールで5分間混練りし、厚さ
150μmの塩化ビニル系樹脂フィルムを得た。得られ
たフィルムを、ギヤーオーブンにて200℃×2分間熱
処理を加えた後、JIS K−6740に準じて引張り
強度を測定した。
【0026】実施例1 水媒体中で、ラウリル硫酸ナトリウムを主乳化剤として
重合温度50℃で乳化重合を行ない、平均粒子径0.7
5μm、塩化ビニル樹脂濃度35重量%(水分65
%)、平均重合度1500の塩化ビニル樹脂の水性ラテ
ックスを得た。このラテックスを235メッシュ(63
μm)のスクリーンで濾過した後、撹拌機付きの容器に
移し、濃度0.8%に調整した酢酸カルシウム水溶液を
ラテックス中の塩化ビニル樹脂に対し酢酸カルシウムと
して1重量%に相当する量を、撹拌しながら徐々に添加
し、塩化ビニル樹脂の凝集物を得た。
【0027】上記凝集物を含む液を更に撹拌しながら均
一なクリーム状とした後、凝集物中の塩化ビニル樹脂に
対し10重量%の量のフタル酸ジオクチル(三菱化学
(株)製 ダイヤサイザー(登録商標)DOP、以下
「DOP」という)及び2重量%の量のスズ系液状安定
剤(勝田化工(株)製 S−505M、以下「スズ系液
状安定剤」という)を添加して球形の塩化ビニル樹脂組
成物を生成せしめ、該塩化ビニル樹脂組成物を含む液温
を50℃にして30分間保持した後、撹拌を停止した。
デカンテーションにより液中より取出した塩化ビニル樹
脂組成物を50℃で、減圧乾燥機により乾燥させた後、
該塩化ビニル樹脂組成物を前記の評価方法に従い評価し
た。また、デカンテーションにより分離した遊離水も合
せて評価した。評価結果を表−1に示した。
【0028】実施例2 重合温度45℃で、架橋剤としてジアリルフタレートを
用いて乳化重合を行い、平均粒子径0.75μm、塩化
ビニル樹脂濃度35重量%(水分65%)、平均重合度
2500の塩化ビニル樹脂水性ラテックスを得た以外は
実施例1と同様にして塩化ビニル樹脂組成物を得た。該
塩化ビニル樹脂組成物を評価方法に従い評価した。ま
た、デカンテーションにより分離した遊離水も合せて評
価した。評価結果を表−1に示した。
【0029】比較例1 実施例1において得た塩化ビニル樹脂の水性ラテックス
と同様のラテックスを235メッシュのスクリーンで濾
過した後、塩化ビニル樹脂に対し10重量%の量のDO
Pを添加し、30分間振とう混合を行ったところ、塩化
ビニル樹脂組成物と水相とに分離した。次に、塩化ビニ
ル樹脂組成物を取り出し、50℃で減圧乾燥機により乾
燥させた後、該塩化ビニル樹脂組成物を評価方法に従い
評価した。また分離水(水相)も合せて評価した。評価
結果を表−1に示した。
【0030】比較例2 実施例1において得た塩化ビニル樹脂の水性ラテックス
と同様のラテックスを、235メッシュのスクリーンで
濾過した後、回転円盤型の噴霧器を備えた噴霧乾燥機に
て入口温度170℃、出口温度50℃の条件で乾燥した
後、粉砕機で粉砕して、微粉末状の塩化ビニル樹脂を得
た。この塩化ビニル樹脂に該樹脂に対し10重量%の量
のDOP及び2重量%の量のスズ系液状安定剤を添加し
て常温でプラネタリーミキサーで20分間混合し、塩化
ビニル樹脂組成物を得た。得られた塩化ビニル樹脂組成
物は粉末状であった。次に、該組成物を評価方法に従い
評価し、評価結果を表−1に示した。
【0031】比較例3 懸濁重合法によって得られた平均重合度1300の塩化
ビニル樹脂(三菱化学(株)製 37H)に該樹脂に対
し10重量%の量のDOP及び2重量%の量のスズ系液
状安定剤を添加して、温度100℃で、ヘンシェルミキ
サーを用い20分間混合し、塩化ビニル樹脂組成物を得
た。得られた塩化ビニル樹脂組成物は粉末状であった。
次に、該組成物を評価方法に従い評価し、評価結果を表
−1に示した。
【0032】比較例4 懸濁重合法によって得られた平均重合度2300の塩化
ビニル樹脂(三菱化学(株)製 KR−800)を用い
た以外は比較例3と同様にして塩化ビニル樹脂組成物を
得た。得られた塩化ビニル樹脂組成物は粉末状であっ
た。次に、該組成物を評価方法に従い評価し、評価結果
を表−1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、水相に塩化ビニル系樹
脂が残留することがなく、排水処理に手間がかからな
い。また、成形性に優れ、成形品の品質が良好となる塩
化ビニル系樹脂組成物を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化重合法または微細懸濁重合法によっ
    て製造された塩化ビニル系樹脂の水性ラテックスに凝集
    剤と可塑剤とを添加して、混合し、塩化ビニル系樹脂を
    凝集させ、次いで凝集した塩化ビニル系樹脂と遊離水と
    を分離した後、乾燥することを特徴とする塩化ビニル系
    樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 乳化重合法または微細懸濁重合法によっ
    て製造された塩化ビニル系樹脂の水性ラテックスに凝集
    剤、可塑剤及び安定剤を添加して、混合し、塩化ビニル
    系樹脂を凝集させ、次いで凝集した塩化ビニル系樹脂と
    遊離水とを分離した後、乾燥することを特徴とする塩化
    ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル系樹脂の平均重合度が150
    0〜4000である請求項1または2に記載の塩化ビニ
    ル系樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 可塑剤の添加量がラテックス中の塩化ビ
    ニル系樹脂成分に対して1〜30重量%である請求項1
    〜3に記載の塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
JP10589195A 1995-04-28 1995-04-28 塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法 Pending JPH08302128A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012165021A1 (ja) * 2011-05-31 2012-12-06 株式会社カネカ 塩化ビニル系樹脂凝集体粒子、及びその製造方法とそれを用いた手袋

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