JP5078361B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
熱可塑性樹脂の耐衝撃性を改良するために、乳化重合法や懸濁重合法で得られるグラフト共重合体を添加することが従来から広く利用されている。例えば、塩化ビニル系樹脂の場合、ジエン系またはアクリレート系のグラフト共重合体を配合することが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
グラフト共重合体による熱可塑性樹脂への耐衝撃性付与効果を改良する方法は種々知られているが、中でも、グラフト共重合体中のゴム成分の量を増やす方法が、その目的において効果的であることが知られている。特に、グラフト共重合体中のゴム成分の重量比を80重量%以上にすることは、高度に耐衝撃性を付与するための効果的な方法であると思われる。
しかし、上記手法を用いた場合は粒子自体が粘着質となるため、乳化重合ラテックスあるいは懸濁重合スラリーからグラフト共重合体の粒子を回収する際に粗大化や塊状化が起こりうる。このような樹脂を熱可塑性樹脂に配合しても充分な耐衝撃性改良効果は得られず、さらに成形品の外観不良の原因にもなりうる。これは、粗大化や塊状化しやすい耐衝撃性改良剤は、熱可塑性樹脂に配合してブレンドする際に均一に混合されない、さらには粗大化や塊状化した耐衝撃性改良剤を熱可塑性樹脂に配合し加工しても充分に分散しないためであり、このような分散不良の現象は成形品の電子顕微鏡観察により確認されている。それゆえ、例えば、塩化ビニル系樹脂の場合は耐衝撃性改良剤を配合して加工する前に篩などにより粗大化や塊状化した粒子を取り除く工程が一般的に実施されている。
従って、産業上は、あらかじめ粗大粒子を取り除いた耐衝撃性改良剤製品が利用されており、耐衝撃性改良剤製造時に粗大粒子の量をできる限り少なくすることがコスト面からも有利なことから、グラフト共重合体中のゴム成分の重量比の制限が必須とされている。
一方、粘着質なゴム状高分子ラテックスを粘着性の少ない樹脂粉体として回収する方法として、分子中にカルボキシル基および/または水酸基を有する高分子量ポリアニオンをゴムラテックスに添加し、その混合ラテックスをアルカリ土類金属の少なくとも1種を含有する水溶液に滴下する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかしこの方法では、高分子量ポリアニオンをゴムラテックス中のゴム固形分100重量部に対し少なくとも2〜8重量部、好ましくは4〜6重量部加えなければ、回収した樹脂粉体の粘着性を抑制できないと記載されている。通常、高分子ラテックスに対し4重量部以上もの異物(即ち、この場合は高分子量ポリアニオン)を添加すると、種々の目的で使用されうる回収ポリマー組成物自体が有する本来の品質が低下することが容易に想定できる。特に、熱可塑性樹脂等への耐衝撃性付与の目的において、できる限り配合量を削減することが望まれているグラフト共重合体に適用した場合、耐衝撃性付与効果等の品質の低下は避けられないことから、満足な方法とは言い難い。
また、ビカット軟化温度の低い柔らかい樹脂をラテックスから回収する方法として、界面活性剤を添加して粗大化を抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかしこの方法では、ブタジエン系ゴムを使用したグラフト共重合体ラテックスの場合、回収できる樹脂の硬質シェルの比率が15重量%以上に制限されているために、耐衝撃性改良の著しい効果発現には限度がある。
つまり、耐衝撃性向上と耐衝撃性改良剤添加による品質低下やコスト上昇という相反する両物性を高いレベルで満足させる熱可塑性樹脂の開発が、未だ期待され続けているのが現状である。
特公昭39−19035号公報 特公昭42−22541号公報 特開昭52−37987号公報 特開平8−217817号公報
本発明は、粗粒化、粗大化することなしに樹脂体として単離される耐衝撃性改良剤を用い、高い耐衝撃性の発現を可能とする新規な熱可塑性樹脂組成物を提案することを課題とする。
上記のような現状に鑑み、本発明者らは、耐衝撃性以外の品質を維持したまま著しく高い耐衝撃性改良効果を得るべく鋭意検討を重ねた結果、特定のグラフト共重合体(b−1)、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)およびゲル化剤(b−3)を含有する耐衝撃性改良剤を熱可塑性樹脂組成物に配合した場合、高い耐衝撃性を発現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、(a)熱可塑性樹脂100重量部、並びに(b−1)ブタジエン系ゴム重合体と硬質シェルを有するグラフト共重合体、(b−2)物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物、及び(b−3)ゲル化剤を含有する(b)耐衝撃性改良剤0.5〜20重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、(b−2)物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物の含有量が、グラフト共重合体(b−1)100重量部に対し0.01〜3.0重量部であり、グラフト共重合体(b−1)中の硬質シェルの比率が1〜20重量%であることを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、前記グラフト共重合体(b−1)の硬質シェルが、(メタ)アクリル酸エステル0〜100重量%、芳香族ビニル単量体0〜90重量%、シアン化ビニル単量体0〜25重量%ならびに(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体と共重合可能なビニル単量体0〜20重量%からなる単量体混合物を重合してなるガラス転移温度が30℃以上の硬質シェルであることを特徴とする、前記の熱可塑性樹脂組成物に関する。なお、本発明において(メタ)アクリルとは、特に断らない限り、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
好ましい実施態様は、前記グラフト共重合体(b−1)におけるブタジエン系ゴム重合体の体積平均粒子径が0.05〜1.0μmであることを特徴とする、前記いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、前記グラフト共重合体(b−1)が、グラフト共重合体中の硬質シェルの比率が2〜16重量%であることを特徴とする、前記いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、前記グラフト共重合体(b−1)が、グラフト共重合体中の硬質シェルの比率が2〜13重量%であることを特徴とする、前記いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、前記耐衝撃性改良剤(b)が、グラフト共重合体(b−1)100重量部に対し、0.05〜3.0重量部の融着防止剤(b−4)を含有することを特徴とする、前記いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、前記耐衝撃性改良剤(b)が、グラフト共重合体(b−1)100重量部に対し、0.05〜1.8重量部の物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)を含有することを特徴とする、前記いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)が、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性アルギン酸誘導体、寒天、ゼラチン、カラギーナン、グルコマンナン、ペクチン、カードラン、ジェランガム、およびポリアクリル酸誘導体から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、前記いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)が、水溶性アルギン酸誘導体であることを特徴とする、前記の熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、融着防止剤(b−4)が、架橋ポリマーであることを特徴とする、前記の熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、融着防止剤(b−4)が、シリコンオイルであることを特徴とする前記の熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、前記熱可塑性樹脂が、塩化ビニル系樹脂であることを特徴とする、前記いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物に関する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、粗粒化、粗大化することなしに樹脂紛体として単離される耐衝撃性改良剤を用い、高い耐衝撃性を発現することができる。
本発明のグラフト共重合体(b−1)は、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、マイクロサスペンション重合法、ミニエマルション重合法、水系分散重合法などにより製造されたグラフト共重合体を用いることができる。中でも、構造制御が容易である点から、乳化重合法により製造されたグラフト共重合体を好適に用いることができる。
前記グラフト共重合体(b−1)におけるブタジエン系ゴム重合体としては、ポリブタジエンゴム重合体、またはブタジエン単量体と、これと共重合可能なビニル系単量体または単量体混合物とを共重合させてなる共重合体であれば特に制限されないが、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性の観点から、ブタジエン系ゴム重合体中のブタジエンの割合が50重量%以上であることが好ましく、さらには65重量%以上であることがより好ましい。また得られる熱可塑性樹脂組成物が、透明性が要求される用途に使用される場合、グラフト共重合体(b−1)におけるブタジエン系ゴム重合体の屈折率と熱可塑性樹脂の屈折率の差が小さい方が好適であり、当該屈折率差は0.02以下であることが好ましい。例えば熱可塑性樹脂が塩化ビニル系樹脂の場合、ブタジエン系ゴム重合体中のブタジエン比率は65〜90重量%であることが特に好ましい。ブタジエン単量体と共重合可能なビニル単量体としては、ブチルアクリレ−ト、2−エチルヘキシルアクリレート、スチレン、アクリロニトリル等が好適に使用できる。これらブタジエン系ゴム重合体の重合においては、ブタジエン単量体の自己架橋効果により、多官能性単量体を使用しなくとも架橋ブタジエン系ゴムとして重合されうるが、適宜、ジビニルベンゼン、1、3−ブチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、アリルメタクリレ−ト、ジアリルフタレ−ト等の多官能性単量体を使用でき、またn−ドデシルメルカプタンやt−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を使用することもできる。
ブタジエン系ゴム重合体の粒子径としては、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性の観点から、体積平均粒子径が0.01〜1.0μmであることが好ましく、さらには0.03〜0.5μmであることがより好ましく、さらには0.05〜0.3μmであることが特に好ましい。この範囲の粒子径を得る方法としては特に制限されないが、ブタジエン系ゴム重合体を乳化重合法で重合する場合、例えば、重合中または重合後に酸、塩、酸基含有ラテックスなどを肥大化剤として加える方法、シード重合法などを挙げることができる。なお、上記体積平均粒子径は、例えばMICROTRAC UPA(日機装株式会社製)により測定することができる。
前記グラフト共重合体(b−1)における硬質シェルとしては特に制限されないが、熱可塑性樹脂へのグラフト共重合体の分散性の観点から、例えば、(メタ)アクリル酸エステル0〜100重量%、芳香族ビニル単量体0〜90重量%、シアン化ビニル単量体0〜25重量%ならびに(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体と共重合可能なビニル単量体0〜20重量%からなる単量体混合物を重合してなる硬質重合体が好適に例示されうる。これらの単量体のうち、2種以上を用いる場合はそれぞれを別々に重合系中に一括または連続的に投入しても良いし、混合して投入しても良い。硬質シェルにおける「硬質」とは、重合体のガラス転移温度(以下、Tgともいう)が30℃以上であることを意味するが、以下の観点から、硬質重合体のガラス転移温度は50℃以上であることが好ましい。硬質シェルのガラス転移温度が30℃未満の場合は、本発明における耐衝撃性改良剤を塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂と配合した際に、熱可塑性樹脂との相溶性が低下し、顕著な耐衝撃性改良効果が得られにくくなる場合があり、またグラフト共重合体粒子の粗大化や塊状化が起こりやすくなる場合がある。
なお重合体のガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計により測定することができるが、本発明においては、ポリマ−ハンドブック[Polymer Hand Book(J. Brandrup, Interscience1989)]に記載されている値を使用してFoxの式を用いて算出した値を用いることとする。(例えば、ポリメチルメタクリレートのガラス転移温度は105℃、ポリスチレンは105℃、ポリブチルアクリレートは−54℃である。)
前記グラフト共重合体(b−1)中における硬質シェルの比率は1〜20重量%であることが好ましく、さらには2〜16重量%であることがより好ましく、2〜13重量%であることが特に好ましい。グラフト共重合体(b−1)中における硬質シェルの重量比率が20重量%を超える場合は、耐衝撃性改良効果が劣る傾向がある。一方、グラフト共重合体(b−1)中の硬質シェルの重量比率が1重量%未満の場合は、例えば、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂の耐衝撃性改良剤として用いた際に、グラフト共重合体(b−1)と熱可塑性樹脂との相溶性が低下するため、耐衝撃性改良効果が得られにくくなる傾向にある。
前記グラフト共重合体(b−1)を乳化重合法で重合する場合、所望のグラフト重合後粒子径を得るために、前述のゴム粒子径を肥大化させる方法以外に、グラフト重合中に粒子を肥大化させる方法を行ってもよく、その方法としては特に制限されることはないが、グラフト重合前に塩を肥大化剤として加える方法、グラフト重合中に酸、塩、酸基含有ラテックスなど肥大化剤として加える方法などを挙げることができる。
前記グラフト共重合体(b−1)の重合後に、必要に応じてフェノ−ル系、硫黄系、ヒンダ−ドアミン系等の酸化防止剤を用いることができる。
本発明においては、グラフト共重合体(b−1)と共に、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)を含有させうる。ここで物理ゲルとは、高分子間の水素結合やイオン結合あるいはキレート形成などによって形成される物理的橋架けによるゲルを意味する。また、物理ゲルを形成する性質を有するとは、水溶性高分子化合物単独の水溶液に、無機塩や酸等のゲル化剤の添加により、粘性流体(ゾル)から弾性体(ゲル)への変化が視覚的にとらえられることを意味し、本発明において、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)とは、上記性質を有する水溶性高分子化合物と定義する。
本発明で用いることのできる物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物としては上記性質を発現できるものであれば特に制限はないが、例えば、次の群から選ばれた1種または2種以上の混合物からなる水溶性高分子化合物を用いることができる。例えば、アルギン酸,アルギン酸ナトリウム,アルギン酸カリウム,アルギン酸アンモニウム等の水溶性アルギン酸誘導体、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、寒天、ゼラチン、カラギーナン、グルコマンナン、ペクチン、カードラン、ジェランガム、ポリアクリル酸誘導体等が例示され得る。本発明においては、その目的を達成する意味において、これらの中でもカルボキシメチルセルロース、水溶性アルギン酸誘導体、若しくはポリアクリル酸誘導体がより好ましく、中でも水溶性アルギン酸誘導体が最も好ましく使用され得る。
なお、上記水溶性アルギン酸誘導体中のマンヌロン酸とグルロン酸の比率には特に制限はないが、グルロン酸比率が高いほど物理ゲルの形成能力が高くなる傾向にあるため好ましく、通常は水溶性アルギン酸誘導体中のグルロン酸比率が5重量%以上、より好ましくは30重量%以上である。
本発明における物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)の含有量は、グラフト共重合体(b−1)100重量部に対し、0.01〜3.0重量部であることが好ましく、更には0.05〜1.8重量部であることがより好ましい。物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)の含有量が0.01重量部よりも少ない場合は、耐衝撃性改良剤を回収する際に粗大化や塊状化が起こりやすくなる傾向にある。逆に、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)の含有量が3.0重量部よりも多い場合は、耐衝撃性改良剤を回収する際に粗大化や塊状化の抑制効果は向上するものの、耐衝撃性改良剤に多量の水溶性高分子化合物(それに由来する物質を含む)が残存してしまい、耐衝撃性付与効果や成形加工時の熱安定性等の品質が低下する傾向にある。
本発明において使用され得るゲル化剤(b−3)としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、よう化カリウム、よう化リチウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化カルシウム、硫酸第一鉄、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸カドミウム、塩化バリウム、塩化第一鉄、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウム、カリウムミョウバン、鉄ミョウバン等の無機塩類、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類、酢酸、蟻酸等の有機酸類、および酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸カルシウム等の有機酸の塩類を単独または混合したものを用いることができる。これらの中でも、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、硫酸第一鉄、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸カドミウム、塩化バリウム、塩化第一鉄、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウム、カリウムミョウバン、鉄ミョウバン等の無機塩類、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類、酢酸、蟻酸等の有機酸類を、単独または2種以上混合したものが好適に使用され得る。
なお本発明において、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)として水溶性アルギン酸誘導体を用いる場合は、ゲル化剤(b−3)として、塩化カルシウム、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムなどが好適に使用され得る。
本発明におけるゲル化剤(b−3)の添加量には特に制限はないが、ゲル化剤(b−3)の大部分はグラフト共重合体回収時における水洗工程により洗い流すことが可能で、グラフト共重合体(b−1)100重量部に対し1重量部未満残留していることが好ましく、更には0.01〜0.5重量部の範囲であることがより好ましい。グラフト共重合体(b−1)中のゲル化剤(b−3)の残留量が1重量部を超える場合には、例えば、塩化ビニル系樹脂に配合し、成形する際の加工性が変化する可能性があり、高い耐衝撃性効果が発現しにくくなる傾向があるだけでなく、成形体が黄変するなどの問題を引き起こす可能性がある。
なお、グラフト共重合体回収時のゲル化剤(b−3)の使用量は、グラフト共重合体(b−1)100重量部に対するゲル化剤(b−3)の残留量が、1重量部未満であれば特に制限はないが、回収の容易さ、および製造コストの観点から、グラフト共重合体(b−1)に対し0.2〜20重量部が好ましく、更には1〜10重量部がより好ましい。
本発明において、(b)耐衝撃性改良剤中に物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)およびそのゲル化剤(b−3)を含有させる目的は、(1)グラフト共重合体凝固粒子中に非粘着性の物理ゲルが共存することにより、回収途中の凝固粒子の耐ブロッキング性および凝固粒子形態保持性(凝固粒子への弾性の付与)を向上させることができる、(2)凝固粒子を乾燥した後においても、凝固粒子中に非粘着性の物理ゲルの乾燥物が共存することにより、凝固粒子の耐ブロッキング性および凝固粒子形態保持性(凝固粒子への弾性の付与)を向上させ、粗大化や塊状化を抑制できるためである。
一方、特開昭52−37987号公報には、分子中にカルボキシル基および/または水酸基を有する高分子量ポリアニオンをゴムラテックスに添加し、その混合ラテックスをアルカリ土類金属の少なくとも1種を含有する水溶液に滴下する、限られた条件下における方法が、粉粒体での回収が極めて困難なゴム状高分子ラテックスを造粒する方法として開示されている。しかしこの手法では、ゴムラテックス中のポリマー固形分100重量部に対し、少なくとも2.0重量部以上、好ましくは4.0重量部以上の高分子量ポリアニオンを添加しなければならないと記載されている。つまりこの方法では、回収したポリマー凝固粒子の粗大化や塊状化を抑制するためには、少なくとも4.0重量部以上の高分子量ポリアニオンを添加しなければならない。
通常、ポリマーに対し、4.0重量部もの異物(この場合は高分子量ポリアニオン)を含有させると、本来のゴムポリマーが有する耐衝撃強度、熱安定性などの様々な品質が低下することは容易に想定でき、本発明が目的としている品質(耐衝撃性改良効果など)を高いレベルで満足することが困難となる。
本発明では、ブタジエン系ゴム重合体と、硬質シェルを有するグラフト共重合体(b−1)を用いることで、異物である物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)の含有量を、0.01〜3.0重量部、好ましくは0.05〜1.8重量部の範囲に設定することができる。これにより粗大化や塊状化が抑制された耐衝撃性改良剤を得ることができ、著しい耐衝撃性改良効果や熱安定性等の品質を発現することが可能となった。
本発明においては、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物、グラフト共重合体、ゲル化剤を含有する耐衝撃性改良剤において、グラフト共重合体(b−1)100重量部に対し、さらに融着防止剤(b−4)を0.05〜3.0重量部、好ましくは0.1〜3.0重量部、より好ましくは0.2〜2.5重量部の範囲で添加することができる。これにより、本発明の目的である粗大化や塊状化が抑制された耐衝撃性改良剤を用いて耐衝撃性の改良、および他の品質とのバランスを更に高いレベルで満足させることが可能となる。
本発明で用いることのできる融着防止剤(b−4)には特に制限はないが、耐衝撃性改良効果等の品質と粗大化や塊状化を抑制する効果をより高いレベルで満足させることが可能となる点から、例えば、架橋ポリマー、シリコンオイルおよび/または陰イオン性界面活性剤の多価金属塩が使用されうるが、その中でも架橋ポリマーおよび/またはシリコンオイルが好適に使用され得る。
上記目的に使用され得る架橋ポリマーとしては特に制限はないが、メチルメタクリレート30〜60重量%、芳香族ビニル単量体65〜35重量%、架橋性単量体0.1〜25重量%および共重合可能なその他の単量体0〜30重量%(ただし、これらの成分の合計は100重量%)を重合してなる架橋ポリマーが、耐衝撃性改良効果等の品質と粗大化や塊状化を抑制する効果を高いレベルで満足できる点から好適に使用され得る。しかし、これらに限定されるものではない。
なお、上記芳香族ビニル単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン等が例示され、上記架橋性単量体としては、例えばジビニルベンゼン、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルイタコネート、アリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、トリアリルトリメセート等の、1分子中に官能性基を2個以上もつ化合物が例示され、上記共重合可能なその他の単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等などのビニルシアン化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸のアルキルエステル、メチルメタクリレート以外のメタクリル酸のアルキルエステル等が例示されうる。
また、上記目的に使用され得るシリコンオイルとしては特に制限はないが、シロキサン結合を有するオルガノシロキサンあるいはポリオルガノシロキサンが、耐衝撃性改良効果等の品質と粗大化や塊状化を抑制する効果を高いレベルで満足できる点から好適に使用され得る。しかし、これらに限定されるものではない。
また、上記目的に使用され得る陰イオン性界面活性剤の多価金属塩としては、脂肪酸塩類、高級アルコールの硫酸エステル類、液体脂肪油の硫酸エステル塩、脂肪族アミンおよび脂肪族アミドの硫酸塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪族アミドのスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ホルマリン縮合ナフタリンスルホン酸塩等の陰イオン性界面活性剤の多価金属塩が例示され、中でも、脂肪酸塩類、高級アルコールの硫酸エステル類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩が、耐衝撃性改良効果等の品質と粗大化や塊状化を抑制する効果を高いレベルで満足できる点から好適に使用され得る。しかし、これらに限定されるものではない。
本発明におけるグラフト共重合体(b−1)を含有する凝固粒子、即ち耐衝撃性改良剤の体積平均粒子径は、粗大化あるいは塊状化しない限り特に制限はなく、乾燥後の粉粒体の供給形態に合わせ任意に調整することができるが、例えば、塩化ビニル系樹脂の場合には、通常は体積平均粒子径が50μm〜1.0mmの範囲内であることが好ましく、75μm〜700μmであることがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、カーボネート系樹脂、アミド系樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂などを熱可塑性樹脂として好適に使用することが可能である。しかし、これらに限定されるものではない。
中でも、特に塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性改良剤として用いた場合に、優れた効果を発現しうることから、塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。なお、本発明において塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルホモポリマー、または塩化ビニルから誘導された単位を少なくとも70重量%含有する共重合体を意味する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、少量の配合でも優れた耐衝撃性を発現できる耐衝撃性改良剤(b)を用いることから、従来では達成が困難であった優れた物性およびコストバランスを達成することが可能となる。熱可塑性樹脂組成物中の耐衝撃性改良剤(b)の含有量は特に限定されないが、品質面、およびコスト面から0.5〜20重量部であることが望ましく、2〜17重量部がより好ましく、4〜15重量部であることが特に好ましい。熱可塑性樹脂組成物中の耐衝撃性改良剤の含有量が、20重量部を超えた場合には耐衝撃改良効果は充分であるが、耐衝撃性以外の品質が低下する可能性があることやコストが上昇する場合がある。一方、熱可塑性樹脂組成物中の耐衝撃改良剤(b)の含有量が0.5重量部未満の場合は、充分な耐衝撃性改良効果が得られにくくなる場合がある。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、滑剤、加工助剤等の添加剤を適宜添加することができる。
次に本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において、「部」は特に断りのない限り「重量部」を表す。
(実施例1)
(ブタジエン系ゴム重合体(R−1)の作製)
水200部、オレイン酸ナトリウム1.5部、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002部、エチレンジアミン4酢酸・2Na塩0.005部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.2部、リン酸三カリウム0.2部、ブタジエン(Bdともいう。)100部、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイド0.1部を攪拌機つき耐圧重合容器に仕込み、50℃で12時間撹拌させた後、重合転化率97%、体積平均粒子径0.09μmのゴムラテックス(R−1)を得た。
(グラフト共重合体(G−1)の作製)
ゴムラテックス(R−1)248部(固形分で82部)、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002部、エチレンジアミン4酢酸・2Na塩0.004部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.1部、無水硫酸ナトリウム1.1部を8リットルガラス製重合機に入れ攪拌し、60℃にした。さらにメチルメタクリレ−ト(MMAともいう。)14部、ブチルアクリレート(BAともいう。)1部、ターシャリブチルハイドロパ−オキサイド0.05部の混合液を1.5時間で連続追加し、さらに30分間攪拌を続けたのちスチレン(STともいう。)3部、ターシャリブチルハイドロパ−オキサイド0.1部の混合液を2時間で連続追加した。さらに1時間攪拌を続けたのち常温まで冷却し、グラフト共重合体(G−1)のラテックスを製造した(シェルのTgは90℃)。その体積平均粒子径は0.21μmであった。
(架橋ポリマー(P−1)の作製)
脱イオン水200部、オレイン酸ソーダ0.5部、硫酸第一鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.005部、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ソーダ0.2部を撹拌機つき重合容器に仕込み、60℃に昇温したのち、メチルメタクリレート55部、スチレン40部、1、3−ブチレングリコールジメタクリレート5部(以上、単量体合計100部)、クメンハイドロパーオキサイド0.3部の混合液を7時間にわたり連続追加した。この間2時間目、4時間目、6時間目にオレイン酸ソーダを各0.5部追加した。単量体混合液の追加終了後2時間の後重合を行い、重合転化率99%、ポリマー固形分濃度33重量%の架橋ポリマーラテックスを得た。
(耐衝撃性改良剤(I−1)の作製)
グラフト共重合体(G−1)のラテックス(ポリマー固形分100重量部)に、1.5重量%濃度のアルギン酸ナトリウム(株式会社キミカ社製アルギテックスI−3G)水溶液をアルギン酸ナトリウム固形分がグラフト共重合体(G−1)100重量部に対し0.3重量部となるように添加し、3分間撹拌混合して混合ラテックスを作製した。温度5℃の混合ラテックスを、加圧ノズルの一種である旋回流式円錐ノズルでノズル径0.6mmを用い、噴霧圧力3.7kg/cm2にて、塔底部液面からの高さ5m、直径60cmの円筒状の装置中に、体積平均液滴径が約200μmの液滴となるように噴霧した。それと同時に、30重量%濃度の塩化カルシウム水溶液を、塩化カルシウム固形分がグラフト共重合体(G−1)100部に対し5〜15部となるように二流体ノズルにて空気と混合しながら、液滴径0.1〜10μmで噴霧した。さらに、塔頂から塔の内壁に沿わせ40℃の水をポリマー固形分100部に対し約750部となるよう連続的に流下させ、その流下水中に分散剤として部分ケン化ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製:KH−17)3.0重量%水溶液を部分ケン化ポリビニルアルコール固形分がポリマー固形分100部に対し0.4部となるよう連続的に供給した。塔内を落下したラテックス液滴(凝固ラテックス粒子)を、流下水と共に塔底部の受槽に投入し、ポリマー固形分が約10重量%の凝固粒子の水懸濁液を得た。この時、受槽内の懸濁液の温度は40℃であった。
得られた凝固粒子水懸濁液に、固形分が5重量%濃度になるように調整した架橋ポリマー(P−1)を、架橋ポリマー(P−1)がグラフト共重合体(G−1)固形分100部に対し1部となるよう添加し、熱処理した後脱水、乾燥することにより、白色樹脂粉末を調製した。
(熱可塑性樹脂組成物の調製、成形体の調製、および評価)
塩化ビニル樹脂((株)カネカ製カネビニールS−1007)100部、スズ系安定剤(日東化成(株)製TVS8831)1部、内滑剤(コグニスジャパン(株)製ロキシオ−ルG−11)0.8部、外滑剤(クラリアントジャパン(株)製ワックスE)0.2部、酸化チタン1部、耐衝撃性改良剤(I−1)7部を8インチテストロ−ルを用い、165℃で5分間混練りした後、180℃のプレスで15分間加圧して厚さ5.0mmの成形体を得た。この成形体を用い、JIS K 7110に従い、2号A(幅5mm)の試験片を作製し、23℃における耐衝撃強度(Izod)を測定した。粒度の判定は、目開きが11.2mmと1mmの篩を用いて耐衝撃性改良剤の白色樹脂粉末を篩い分け、目開き1mmの篩をパスした割合が50重量%以上であったものについてはMICROTRAC FRA−SVRSC(日機装株式会社製)を用いて体積平均粒子径を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
表1に記載のゴムラテックス(R−1)量、硬質シェルを重合するための単量体組成、および無水硫酸ナトリウム量を調整した以外は実施例1と同様の方法にて、グラフト共重合体のラテックス(G−2)、耐衝撃性改良剤(I−2)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
表1に記載のゴムラテックス(R−1)量、硬質シェルを重合するための単量体組成、および無水硫酸ナトリウム量を調整した以外は実施例1と同様の方法にて、グラフト共重合体のラテックス(G−3)、耐衝撃性改良剤(I−3)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例4)
表1に記載のゴムラテックス(R−1)量、硬質シェルを重合するための単量体組成、および無水硫酸ナトリウム量を調整した以外は実施例1と同様の方法にて、グラフト共重合体のラテックス(G−4)、耐衝撃性改良剤(I−4)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例5)
(ブタジエン系ゴム重合体(R−2)の作製)
水120部、オレイン酸ナトリウム1.5部、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002部、エチレンジアミン4酢酸・2Na塩0.005部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.2部、リン酸三カリウム0.2部、ブタジエン100部、ジビニルベンゼン1.0部、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイド0.1部を攪拌機つき耐圧重合容器に仕込み、50℃で3時間撹拌させた後、無水硫酸ナトリウム0.5部を加え、さらに12時間撹拌させた後、重合転化率97%、体積平均粒子径0.13μmのゴムラテックス(R−2)を得た。
(グラフト共重合体(G−5)の作製)
ゴムラテックス(R−2)を用い、無水硫酸ナトリウムを使用しなかった以外は実施例3と同様の方法にて、グラフト共重合体(G−5)のラテックスを製造した。
グラフト共重合体(G−5)のラテックスを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I−5)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例6)
(グラフト共重合体(G−6)の作製)
無水硫酸ナトリウムを使用しない以外は実施例3と同様の方法にて、グラフト共重合体(G−6)のラテックスを製造した。
グラフト共重合体(G−6)のラテックスを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I−6)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例7)
(ブタジエン系ゴム重合体(R−3)の作製)
ゴムラテックス(R−1)27部(固形分で9部)、水170部、オレイン酸ナトリウム1部、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002部、エチレンジアミン4酢酸・2Na塩0.005部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.2部、リン酸三カリウム0.2部、ブタジエン91部、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイド0.2部を攪拌機つき耐圧重合容器に仕込み、50℃で20時間撹拌させた後、重合転化率97%、体積平均粒子径0.2μmのゴムラテックス(R−3)を得た。
(グラフト共重合体(G−7)の作製)
ゴムラテックス(R−3)を用い、無水硫酸ナトリウムを使用しなかった以外は実施例3と同様の方法にて、グラフト共重合体のラテックス(G−7)を製造した。
グラフト共重合体(G−7)のラテックスを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I−7)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
アルギン酸ナトリウムを添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I’−1)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
アルギン酸ナトリウムを添加しなかった以外は、実施例2と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I’−2)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
(比較例3)
アルギン酸ナトリウムを添加しなかった以外は、実施例3と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I’−3)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
(比較例4)
表1に記載のゴムラテックス(R−1)量、硬質シェルを重合するための単量体組成、および無水硫酸ナトリウム量を調整した以外は比較例1と同様の方法にて、グラフト共重合体のラテックス(G−0)、耐衝撃性改良剤(I−0)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
表1には、実施例1乃至7および比較例1乃至4で得られた耐衝撃性改良剤におけるゴムラテックスの組成、ゴムラテックスの体積平均粒子径、グラフトラテックスの組成、硬質シェルのガラス転移温度、グラフトラテックスの体積平均粒子径、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物の含量(水溶性高分子含量)、融着防止剤の種類、耐衝撃性改良剤の粒度、および実施例および比較例で得られた耐衝撃性改良剤を篩い分けせずに、熱可塑性樹脂に配合して得られた成形体の耐衝撃強度(Izod)の測定結果を示した。
Figure 0005078361
実施例1乃至7、および比較例1乃至3より、グラフト共重合体(b−1)100部に対し、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)0.01〜3.0部を含有させることで、粗大化や塊状化した粒子をほとんど含まず、ブタジエン系ゴム重合体/硬質シェルの重量比率が80/20〜99/1であるグラフト共重合体(b−1)が得られ、これを含有する熱可塑性樹脂組成物は、高いレベルで耐衝撃性改良効果を発現できることがわかる。
実施例1乃至7、および比較例4より、グラフト共重合体(b−1)におけるブタジエン系ゴム重合体/硬質重シェルの重量比率が80/20〜99/1の範囲内であれば、高い耐衝撃性改良効果が得られることがわかる。
(実施例8)
(ブタジエン系ゴム重合体(R−4)の作製)
水200部、オレイン酸ナトリウム1.5部、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002部、エチレンジアミン4酢酸・2Na塩0.005部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.2部、リン酸三カリウム0.2部、ブタジエン45部、スチレン24部、ジビニルベンゼン(DVBともいう。)1.0部、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイド0.1部を攪拌機つき耐圧重合容器に仕込み、50℃で7時間攪拌させたのち、ブタジエン30部、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイド0.05部を添加し、さらに2時間後にジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイド0.05部を添加し、5時間撹拌させた後、重合転化率97%、体積平均粒子径0.09μmのゴムラテックス(R−4)を得た。
(グラフト共重合体(G−8)の作製)
ゴムラテックス(R−4)248部(固形分で82部)、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002部、エチレンジアミン4酢酸・2Na塩0.004部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.1部、無水硫酸ナトリウム1.5部を8リットルガラス製重合機に入れ攪拌し、60℃にした。さらにメチルメタクリレ−ト9部、ブチルアクリレート1部、ターシャリブチルハイドロパ−オキサイド0.05部の混合液を1.5時間で連続追加し、さらに30分間攪拌を続けたのちスチレン8部、ターシャリブチルハイドロパ−オキサイド0.1部の混合液を2時間で連続追加した。さらに1時間攪拌を続けたのち常温まで冷却し、グラフト共重合体(G−8)のラテックスを製造した(シェルのTgは90℃)。その体積平均粒子径は0.18μmであった。
グラフト共重合体(G−8)のラテックスを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I−8)を得た。
(熱可塑性樹脂組成物の調製、成形体の調製、および評価)
塩化ビニル樹脂((株)カネカ製カネビニールS−1007)100部、スズ系安定剤(日東化成(株)製TVS8831)1部、内滑剤(コグニスジャパン(株)製ロキシオ−ルG−11)0.8部、外滑剤(クラリアントジャパン(株)製ワックスE)0.2部、耐衝撃性改良剤(I−8)8部を8インチテストロ−ルを用い、165℃で5分間混練りした後、180℃のプレスで15分間加圧して厚さ5.0mmの成形体を得た。この成形体をもちい、実施例1と同様の方法にて、耐衝撃強度(Izod)、粒度を測定し、更にJIS K 7105に従い、ヘーズ(Haze)を測定した。結果を表2に示す。
(実施例9)
表2に記載のゴムラテックス(R−4)量及び硬質シェルを重合するための単量体組成を用い、無水硫酸ナトリウム量を調整した以外は実施例8と同様の方法にて、グラフト共重合体(G−9)のラテックス、耐衝撃性改良剤(I−9)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度等を測定した。結果を表2に示す。
(実施例10)
表2に記載のゴムラテックス(R−4)量、硬質シェルを重合するための単量体組成、および無水硫酸ナトリウム量を調整した以外は実施例8と同様の方法にて、グラフト共重合体(G−10)のラテックス、耐衝撃性改良剤(I−10)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度等を測定した。結果を表2に示す。
(実施例11)
表2に記載のゴムラテックス(R−4)量、硬質シェルを重合するための単量体組成、および無水硫酸ナトリウム量を調整した以外は実施例8と同様の方法にて、グラフト共重合体(G−11)のラテックス、耐衝撃性改良剤(I−11)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度等を測定した。結果を表2に示す。
(実施例12)
(ブタジエン系ゴム重合体(R−5)の作製)
水120部、オレイン酸ナトリウム1.5部、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002部、エチレンジアミン4酢酸・2Na塩0.005部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.2部、リン酸三カリウム0.2部、ブタジエン45部、スチレン24部、ジビニルベンゼン1.0部、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイド0.1部を攪拌機つき耐圧重合容器に仕込み、50℃で3時間撹拌させた後、無水硫酸ナトリウム0.5部を加え、さらに7時間撹拌させた後、ブタジエン30部、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイド0.05部を添加し、さらに2時間後にジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイド0.05部を添加し、5時間撹拌させた後、重合転化率97%、体積平均粒子径0.13μmのゴムラテックス(R−5)を得た。
(グラフト共重合体(G−12)の作製)
ゴムラテックス(R−5)を用い、無水硫酸ナトリウム量を使用しなかった以外は実施例10と同様の方法にて、グラフト共重合体(G−12)のラテックスを製造した。
グラフト共重合体(G−12)のラテックスを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I−12)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度等を測定した。結果を表2に示す。
(実施例13)
(グラフト共重合体(G−13)の作製)
無水硫酸ナトリウムを使用しない以外は実施例10と同様の方法にて、グラフト共重合体のラテックス(G−13)を製造した。
グラフト共重合体(G−13)のラテックスを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I−13)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度等を測定した。結果を表2に示す。
(実施例14)
(ブタジエン系ゴム重合体(R−6)の作製)
ゴムラテックス(R−4)45部(固形分で15部)、水170部、オレイン酸ナトリウム1部、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002部、エチレンジアミン4酢酸・2Na塩0.005部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ナトリウム0.2部、リン酸三カリウム0.2部、ブタジエン64.6部、スチレン20.4部、ジビニルベンゼン0.9部、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ−オキサイド0.2部を攪拌機つき耐圧重合容器に仕込み、50℃で20時間撹拌させた後、重合転化率97%、体積平均粒子径0.17μmのゴムラテックス(R−6)を得た。
(グラフト共重合体(G−14)の作製)
ゴムラテックス(R−6)を用い、無水硫酸ナトリウムを使用しなかった以外は実施例10と同様の方法にて、グラフト共重合体(G−14)のラテックスを製造した。
グラフト共重合体(G−14)のラテックスを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I−14)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度等を測定した。結果を表2に示す。
(実施例15)
架橋ポリマーの代わりに、シリコンオイル(信越化学社製SH200−350CS)をグラフト共重合体(G−10)固形分100部に対し0.3部になるよう添加した以外は、実施例10と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I−15)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度等を測定した。結果を表2に示す。
(実施例16)
アルギン酸ナトリウム添加量を2.5部とした以外は、実施例10と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I−16)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度等を測定した。結果を表2に示す。
(比較例5)
アルギン酸ナトリウムを添加しなかった以外は、実施例8と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I’−8)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度等を測定した。結果を表2に示す。
(比較例6)
アルギン酸ナトリウムを添加しなかった以外は、実施例9と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I’−9)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度等を測定した。結果を表2に示す。
(比較例7)
アルギン酸ナトリウムを添加しなかった以外は、実施例10と同様の方法にて、耐衝撃性改良剤(I’−10)を調製し、成形体を得、耐衝撃強度等を測定した。結果を表2に示す。
表2には、実施例8乃至16および比較例5乃至7で得られた耐衝撃性改良剤におけるゴムラテックスの組成、ゴムラテックスの体積平均粒子径、グラフトラテックスの組成、硬質シェルのガラス転移温度、グラフトラテックスの体積平均粒子径、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物の含量(水溶性高分子含量)、融着防止剤の種類、耐衝撃性改良剤の粒度、実施例および比較例で得られた耐衝撃性改良剤を篩い分けせずに熱可塑性樹脂に配合して得られた成形体の耐衝撃強度(Izod)およびヘーズ(Haze)の測定結果を示した。
Figure 0005078361
実施例8乃至16、および比較例5乃至7より、グラフト共重合体(b−1)100部に対し、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)0.01〜3.0部を含有させることで、粗大化や塊状化した粒子をほとんど含まず、ブタジエン系ゴム重合体/硬質シェルの重量比率が80/20〜99/1であるグラフト共重合体(b−1)が得られ、これを含有する熱可塑性樹脂組成物は、透明性を維持しながら高いレベルで耐衝撃性改良効果を発現できることがわかる。

Claims (11)

  1. (a)熱可塑性樹脂100重量部、並びに(b−1)ブタジエン系ゴム重合体と硬質シェルを有するグラフト共重合体、(b−2)物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物、及び(b−3)ゲル化剤を含有する(b)耐衝撃性改良剤0.5〜20重量部を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、(b−2)物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物の含有量が、グラフト共重合体(b−1)100重量部に対し0.01〜3.0重量部であり、グラフト共重合体(b−1)中の硬質シェルの比率が1〜20重量%であり、
    該物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)が、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性アルギン酸誘導体、寒天、ゼラチン、カラギーナン、グルコマンナン、ペクチン、カードラン、ジェランガム、およびポリアクリル酸誘導体から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記グラフト共重合体(b−1)の硬質シェルが、(メタ)アクリル酸エステル0〜100重量%、芳香族ビニル単量体0〜90重量%、シアン化ビニル単量体0〜25重量%ならびに(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体と共重合可能なビニル単量体0〜20重量%からなる単量体混合物を重合してなるガラス転移温度が30℃以上の硬質シェルであることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記グラフト共重合体(b−1)におけるブタジエン系ゴム重合体の体積平均粒子径が0.05〜1.0μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記グラフト共重合体(b−1)が、グラフト共重合体中の硬質シェルの比率が2〜16重量%であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記グラフト共重合体(b−1)が、グラフト共重合体中の硬質シェルの比率が2〜13重量%であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記耐衝撃性改良剤(b)が、グラフト共重合体(b−1)100重量部に対し、0.05〜3.0重量部の融着防止剤(b−4)を含有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記耐衝撃性改良剤(b)が、グラフト共重合体(b−1)100重量部に対し、0.05〜1.8重量部の物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)を含有することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(b−2)が、水溶性アルギン酸誘導体であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 融着防止剤(b−4)が、架橋ポリマーであることを特徴とする、請求項6に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. 融着防止剤(b−4)が、シリコンオイルであることを特徴とする、請求項6に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  11. 前記熱可塑性樹脂が、塩化ビニル系樹脂であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
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