JP2007269955A - ポリマー粒子組成物およびそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、熱可塑性樹脂等の耐衝撃性、成形加工性を向上しうる、粗大化・塊状化が抑制されたポリマー粒子組成物、並びに当該組成物を配合した熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 体積平均粒子径が100〜300nmのコア/シェル構造を有するポリマー粒子(a)80〜99.5重量部、および体積平均粒子径が1〜50nmのコア/シェル構造を有するポリマー粒子(b)0.5〜20重量部(ただし、(a)と(b)の合計は100重量部)、並びに物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)0.01〜3重量部を含有するポリマー粒子組成物、ならびに該ポリマー粒子組成物を含有する熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 体積平均粒子径が100〜300nmのコア/シェル構造を有するポリマー粒子(a)80〜99.5重量部、および体積平均粒子径が1〜50nmのコア/シェル構造を有するポリマー粒子(b)0.5〜20重量部(ただし、(a)と(b)の合計は100重量部)、並びに物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)0.01〜3重量部を含有するポリマー粒子組成物、ならびに該ポリマー粒子組成物を含有する熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、熱可塑性樹脂の衝撃強度、成形加工性を向上しうるポリマー粒子組成物、並びにそれを含有する熱可塑性樹脂組成物に関する。
例えば、熱可塑性樹脂の1種である塩化ビニル系樹脂は、機械的強度、耐候性、耐薬品性に優れた材料であるため、建築部材、住宅資材をはじめとした様々な用途に利用されている。しかしながら、塩化ビニル系樹脂単体では十分な衝撃強度を有し得ないため、乳化重合法や懸濁重合法で得られるグラフト共重合体を耐衝撃性改良剤として添加することが従来より広く行われている。
耐衝撃性を改良する方法としては、例えば、ジエン系またはアクリレート系の軟質ゴム含有グラフト共重合体を配合する方法が開示されており(例えば、特許文献1参照)、軟質成分の質および量を向上させたグラフト共重合体を配合すれば効果的な耐衝撃性付与効果が得られることが知られている。
さらに、特定の粒子径分布を有するグラフト共重合体を配合して、塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性を向上させる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。当該文献によれば、グラフト共重合体粒子を塩化ビニル系樹脂中に分散させ、グラフト共重合体粒子の粒子間距離が一定値以下に維持された場合、つまりグラフト共重合体粒子の粒子径が特定の値よりも小さくなった場合に耐衝撃性が向上することが開示されている。しかしながら、小粒子径のグラフト共重合体粒子を配合した場合、前述の耐衝撃性改良効果は低減する傾向があることから、耐衝撃性を改良するための大粒子径グラフト共重合体と、粒子間距離を一定値以下に保持するための小粒子径グラフト共重合体からなる2または2以上の粒子径分布を持つ混合グラフト共重合体粒子を配合して効果的に耐衝撃性を向上させることが開示されている。
一方、耐衝撃性を更に向上させるべく、グラフト共重合体の軟質成分量は近年ますます増加する傾向があるが、その一例として、大小2つの粒子径分布を有するポリマー粒子の総ゴム重量分率が90重量%よりも大きな耐衝撃性改良剤が開示されている(例えば、特許文献3参照)。ところが、このようにグラフト共重合体に占める軟質重合体の割合が増加すると、軟質重合体を被覆するシェル層が減少し、熱可塑性樹脂中におけるグラフト共重合体粒子の分散不良、しいてはマトリックス樹脂のゲル化不足が生じるという問題がある。さらに、このように軟質重合体の割合が多く、粒子径の大きなグラフト共重合体粒子を使用した場合には、成形体の表面光沢に代表される物性の低下を引き起こす可能性もあり、それを補うために高度な成形加工性が求められることになる。このように、耐衝撃性向上を求める一方で、成形加工性の悪化、製品の外観不良といった問題は耐衝撃性改良剤の市場での汎用性を低減させないために軽視することのできない問題であり、そのため耐衝撃性と成形加工性のバランスに優れた耐衝撃性改良剤を提供することが特に重要となってくる。
従って、市場においては、耐衝撃性改良効果と成形加工性改良効果に対する要求レベルは未だ高く、更に卓越した耐衝撃性改良効果を発現でき、該改良剤中の軟質重合体の量および質の増加に伴う種々の問題にも対応でき、優れた成形加工性を保持した耐衝撃性改良剤が求められている。
前記のような背景を受け、耐衝撃性改良効果と成形加工性改良効果のバランスを高いレベルで満足できる耐衝撃性改良剤の開発が精力的に行われているが、該改良剤中の軟質重合体の量および質の増加に伴うグラフト共重合体を回収する際のハンドリング性の問題から、歩み止まりを見せているのが現状である。これは、グラフト共重合体がより粘着質となれば、乳化重合ラテックスあるいは懸濁重合スラリーからグラフト共重合体粒子を紛体として回収する際に粗大化や塊状化が起こりやすくなるためであり、このようなグラフト共重合体粉体からなる耐衝撃性改良剤を熱可塑性樹脂等に配合しても、配合する際にグラフト共重合体粒子が均一に混合されなかったり、成形加工中にマトリックス樹脂中で分散不良を起こして物性低下の原因となるなど、付随する問題が逆に増えてしまうからである。
前記の如く、耐衝撃性、成形加工性のバランスが優れることはもちろんのこと、両者のバランスを高いレベルで満足させるため、紛体回収技術にも優れた耐衝撃性改良剤の開発が市場において切望されている。
特公昭39−19035号公報
特表2004−515619号公報
特開2002−146197号公報
本発明は、熱可塑性樹脂等の耐衝撃性、成形加工性を向上しうる、粗大化・塊状化が抑制されたポリマー粒子組成物、並びに当該組成物を配合した熱可塑性樹脂組成物を提供することを課題とする。
上記のような現状に鑑み、本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の粒子径分布を有するポリマー粒子(a)および(b)、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)を含有するポリマー粒子組成物を、耐衝撃性改良剤として熱可塑性樹脂に配合した場合に、高い耐衝撃性と良好な成形加工性を発現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、体積平均粒子径が100〜300nmのコア/シェル構造を有するポリマー粒子(a)80〜99.5重量部、および体積平均粒子径が1〜50nmのコア/シェル構造を有するポリマー粒子(b)0.5〜20重量部(ただし、(a)と(b)の合計は100重量部)、並びに物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)0.01〜3重量部を含有するポリマー粒子組成物に関する。
好ましい実施態様は、前記ポリマー粒子(b)が、ガラス転移温度が20℃以上の(メタ)アクリレート系硬質重合体相からなるシェル部0.5〜30重量%を有することを特徴とする、前記のポリマー粒子組成物に関する。
好ましい実施態様は、前記ポリマー粒子(b)が、コア部に(メタ)アクリレート系重合体相を少なくとも1以上有することを特徴とする、前記いずれかのポリマー粒子組成物に関する。
好ましい実施態様は、前記ポリマー粒子(b)のコア部および/またはシェル部が、(d)多官能性単量体0.2〜5重量%を含む単量体混合物を重合してなることを特徴とする、前記いずれかのポリマー粒子組成物に関する。
好ましい実施態様は、前記の物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)が、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性アルギン酸誘導体、寒天、ゼラチン、カラギーナン、グルコマンナン、ペクチン、カードラン、ジェランガム、およびポリアクリル酸誘導体から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、前記いずれかのポリマー粒子組成物に関する。
好ましい実施態様は、前記の物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)が、水溶性アルギン酸誘導体であることを特徴とする、前記のポリマー粒子組成物に関する。
本発明は、熱可塑性樹脂(e)100重量部に対し、前記いずれかのポリマー粒子組成物を0.5〜20重量部含有することを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様は、前記熱可塑性樹脂(e)が、塩化ビニル系樹脂であることを特徴とする、前記の熱可塑性樹脂組成物に関する。
本発明のポリマー粒子組成物は、粗大化・塊状化することなく回収することができ、熱可塑性樹脂等の耐衝撃性改良剤として用いた場合、耐衝撃性および成形加工性をバランス良く向上することができる。
本発明におけるポリマー粒子(a)および(b)は、特定の体積平均粒子径を有するコア/シェル構造の重合体粒子であるが、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、マイクロサスペンション重合法、ミニエマルション重合法、水系分散重合法などの公知の方法により製造することができる。中でも、粒子径および構造の制御が容易である点から、乳化重合法により製造されたコア/シェル重合体粒子を好適に用いることができる。
なお、本発明におけるポリマー粒子のコア/シェル構造とは、「シェル」は粒子の最外層に存在する重合体相を意味し、「コア」はシェルを除く粒子内層の重合体相を意味し、当該コアとシェルを有する構造を言うものとする。本発明におけるコア/シェル構造の概念については、通常は、コア部にシェル部が完全に被覆した層構造が一般的であるが、コア部とシェル部の重量比率等によっては、層構造を形成するためのシェル部量が不充分な場合もありうる。そのような場合は、前記のような完全な層構造である必要はなく、コア部の一部をシェル部が被覆した構造であってもよく、或いはコア部の一部にシェル部の構成要素である単量体がグラフト重合した構造も好適に用いることができる。なお、上記コア/シェル構造における多層構造の概念は、本発明のポリマー粒子においてコア部に多層構造が形成される場合にも同様に当てはまる。
まず、本発明におけるポリマー粒子(b)について説明する。ポリマー粒子(b)については、その体積平均粒子径が1〜50nmであり、コア/シェル構造を有する重合体粒子であれば特に制限はないが、体積平均粒子径については1〜30nmであることがより好ましく、更には1〜10nmであることが特に好ましい。ポリマー粒子(b)の体積平均粒子径が50nmを越える場合は、樹脂組成物の成形加工性が低下したり、軟質成分量が多いポリマー粒子(a)と併用する場合に意図した耐衝撃性改良効果が得られにくくなる場合がある。逆に、ポリマー粒子(b)の体積平均粒子径が1nm未満である場合は、ポリマー粒子組成物による耐衝撃性改良効果が発現しにくくなる傾向がある。なお、本発明においてポリマー粒子(a)および(b)の体積平均粒子径は、例えば、MICROTRAC UPA150(日機装株式会社)を用いることにより測定することができる。
本発明におけるポリマー粒子(b)のコア/シェル構造については、例えば、コア部に軟質重合体相を少なくとも1以上有し、シェル部が硬質重合体相からなるものなどが好適に例示されうる。
なお、本発明においては、前記軟質重合体相における「軟質」とは、重合体のガラス転移温度が20℃未満であることを意味するが、以下の観点から、軟質重合体のガラス転移温度は0℃未満であることが好ましく、更には−20℃未満であることがより好ましい。軟質重合体のガラス転移温度が20℃以上の場合は、本発明におけるポリマー粒子組成物を塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂と配合した際に、軟質重合体成分による衝撃吸収能力が低下し、顕著な耐衝撃性改良効果が得られにくくなる場合がある。
一方、硬質重合体相の「硬質」とは、重合体のガラス転移温度が20℃以上であることを意味するが、以下の観点から、硬質重合体のガラス転移温度は30℃以上であることが好ましく、更には50℃以上であることがより好ましい。硬質重合体のガラス転移温度が20℃未満の場合は、本発明におけるポリマー粒子組成物を塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂と配合した際に、熱可塑性樹脂との相溶性が低下して分散不良を起こすなどにより、良好な成形加工性が得られない場合がある。また、粒子自体が粘着質となるため、ポリマー粒子組成物の粗大化や塊状化が起こりやすくなる場合がある。
前記重合体のガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計により測定することができるが、本発明においては、ポリマーハンドブック[Polymer Hand Book(J.Brandrup,Interscience1989)]に記載されている値を使用して、Foxの式から算出した値を用いることとする(例えば、ポリメチルメタクリレートは105℃であり、ポリブチルアクリレートは−54℃である)。
前記ポリマー粒子(b)におけるシェル部の重量比率は0.5〜30重量%であることが好ましく、0.5〜15重量%であることがより好ましく、0.5〜5重量%であることが特に好ましい。ポリマー粒子(b)におけるシェル部の重量比率が0.5重量%未満である場合は、本発明におけるポリマー粒子組成物を回収する際に粗大化・塊状化しやすくなる場合があり、これを塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂に配合した際に良好な耐衝撃性および成形加工性が得られない場合がある。逆に、ポリマー粒子(b)におけるシェル部の重量比率が30重量%を超える場合は、コア部の軟質重合体相が相対的に減少するため、ポリマー粒子組成物による熱可塑性樹脂の耐衝撃性改良効果が低減する場合がある。
なお、ポリマー粒子(b)のシェル部はコア部にグラフト結合した非架橋重合体から構成されてもよく、或いは架橋重合体であっても良い。なお、シェル部が架橋重合体である場合は、耐衝撃性改良の観点から、多官能性単量体(d)を0.2〜5重量%、更には0.2〜2重量%含む単量体混合物を重合して得られることが好ましい。なお、多官能性単量体(d)としては、例えば、アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、モノエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、1,3−ブチレンジメタクリレートが例示されうる。
前記ポリマー粒子(b)におけるシェル部の重合体組成は、使用目的等に応じて適宜選択できるが、熱可塑性樹脂へのポリマー粒子組成物の分散性の観点から、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、ならびに(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体からなる単量体混合物を重合してなる、ガラス転移温度が20℃以上の硬質重合体を好適に使用することができる。これらの単量体は、単独で用いてもよく2種以上組み合わせて用いてもよい。中でも、熱可塑性樹脂中における分散性向上の観点から、主成分として(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体混合物を重合してなる(メタ)アクリレート系硬質重合体であることが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の炭素数が1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の炭素数が1〜22のアルキル基を有しヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、または炭素数が1〜22のアルキル基を有しアルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。前記の(メタ)アクリル酸エステル類のアルキル基の炭素数については必ずしも制限されるものではないが、例えば炭素数が22を超えると重合性が劣る場合があるため、アルキル基の炭素数が22以下の(メタ)アクリル酸エステル類が好適に使用されうる。なお、本発明において(メタ)アクリルとは、特に断らない限り、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
前記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン等が挙げられるが、中でも、例えば、ポリマー粒子組成物を熱可塑性樹脂組成物に配合して成形した際の加工性の点から、スチレンがより好ましい。前記シアン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられるが、中でもアクリロニトリルがより好ましい。前記(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸等のビニルカルボン酸類、塩化ビニル、臭化ビニル、クロロプレン等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル、マレイミド化合物等が例示されうる。
前記ポリマー粒子(b)におけるコア部の重量比率は、耐衝撃性および成形加工性の観点から、70〜99.5重量%であることが好ましく、85〜99.5重量%であることがより好ましく、95〜99.5重量%であることが特に好ましい。
ポリマー粒子(b)におけるコア部は、応力集中の起点となって耐衝撃性を向上させるという観点からは、ガラス転移温度の低い軟質重合体であることが好ましい。一方、成形加工時に熱可塑性樹脂の混練を進め、ゲル化を促進させることで耐衝撃性、成形加工性を向上させるという観点からは、ガラス転移温度の高い硬質重合体であることが好ましい。前記の観点を考慮すると、ポリマー粒子(b)のコア部の構造としては、少なくとも1以上の軟質重合体相を有することが好ましく、耐衝撃性と成形加工性のバランス調整のため、例えば、内層に軟質重合体相、外層に硬質重合体相を有するような多層構造コア、或いは最内層に軟質重合体相、中間層に硬質重合体相、最外層に軟質重合体相を有するような多層構造コアなどが好適に例示されうる。これらの軟質若しくは硬質重合体相は、適宜1種または2種以上を併用して用いることができる。
前記ポリマー粒子(b)におけるコア部の重合体組成としては、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性等の品質の観点からは、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体、ならびに多官能性単量体を重合してなるものが好ましく、ガラス転移温度が20℃未満の軟質重合体相を1以上有するものが好ましい。中でも、耐候性および耐衝撃性の観点から、(メタ)アクリレート系重合体相を1以上有するものが好ましい。さらに、耐衝撃性と成形加工性のバランスを調整するという観点からは、前記の重合体とともに、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、ならびに(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体と共重合可能な他の単量体からなる単量体混合物を重合してなるガラス転移温度20℃以上の硬質重合体を併用することが好ましい。
なお、ポリマー粒子(b)のコア部の製造に使用されうる前記(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、共重合可能な他の単量体、多官能性単量体(d)としては、ポリマー粒子(b)のシェル部の製造に用いられうる単量体として例示した単量体群と同様の群から選ばれたものを使用できる。
中でも、熱可塑性樹脂の耐衝撃性を高度に改良できる観点から、ポリマー粒子(b)におけるコア部の軟質重合体としては、炭素原子が1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、炭素原子が1〜22のアルキル基を有しヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、炭素原子が1〜22のアルキル基を有しアルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる1以上の(メタ)アクリル酸エステル50〜99.8重量%、芳香族ビニル単量体0〜40重量%、(メタ)アクリル酸エステルおよび芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体0〜10重量%ならびに多官能性単量体0.2〜5重量%(ただし、合計は100重量%)を重合したものであることが好ましい。
前記の(メタ)アクリル酸エステル類のアルキル基の炭素数については、例えば炭素数が22を超えると重合性が劣る場合があるため、アルキル基の炭素数が22以下の(メタ)アクリル酸エステル類が好適に使用され得る。さらに好ましくは(メタ)アクリレート系耐衝撃性改良剤の軟質重合相として汎用的に用いられている、炭素数が12以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類が好適に使用され得る。具体的には、前記ポリマー粒子(b)のコア部となる重合体相が、炭素原子が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、炭素原子が1〜12のアルキル基を有しヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、炭素原子が1〜12のアルキル基を有しアルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルから選ばれる1以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99.8重量%、芳香族ビニル単量体0〜40重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体0〜10重量%ならびに多官能性単量体0.2〜5重量%を重合したものが好適に使用されうる。
ポリマー粒子(b)のコア部は、以下の観点から、架橋重合体であることが好ましく、具体的には多官能性単量体(d)を、コア部を形成するための全単量体量に対し、好ましくは0.2〜5重量%、より好ましくは0.2〜2重量%含有する単量体混合物を重合してなることが好ましい。ポリマー粒子(b)のコア部の形成に用いる多官能性単量体(d)の使用量が5重量%を越えると、耐衝撃性改良効果が発現しにくくなる場合がある。一方、多官能性単量体(d)の使用量が0.2重量%未満の場合は、成形中にポリマー粒子(b)が形状を維持できない可能性があり、耐衝撃性改良効果が発現しにくくなる傾向にある。なお、前記多官能性単量体(d)は、架橋剤および/またはグラフト交叉剤として作用するものである。
次に、本発明のポリマー粒子(a)について説明する。ポリマー粒子(a)は、体積平均粒子径が100〜300nmのコア/シェル構造を有する重合体粒子であれば、粒子構造やポリマー組成等で特に制限されるものではないが、高い耐衝撃性改良効果を発現するために、ガラス転移温度の低い軟質重合体を多く含むポリマー粒子であることが好ましい。
ポリマー粒子(a)の体積平均粒子径については、応力集中の起点となって耐衝撃性を向上させるという観点からは、100〜300nmであることが好ましく、100〜250nmであることがより好ましく、100〜200nmであることが特に好ましい。ポリマー粒子(a)の体積平均粒子径が300nmを越える場合は、優れた成形加工性が得られにくくなる場合があるだけでなく、成形体表面の光沢が低下する可能性がある。また、ポリマー粒子(a)の体積平均粒子径が100nm未満である場合は、ポリマー粒子組成物による耐衝撃性改良効果が発現しにくくなる場合がある。
ポリマー粒子(a)のコア/シェル比率については特に制限はないが、例えば、ポリマー粒子(a)がコア部に軟質重合体相、シェル部に硬質重合体相を有する場合(「軟質」、「硬質」の概念は前記に従うものとする)、コア部が60〜99.5重量%、好ましくは80〜99.5重量%であり、シェル部が0.5〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%である。
ポリマー粒子(a)のコア部およびシェル部の製造に用いられる単量体としては特に制限はなく、ポリマー粒子(b)で例示した単量体群と同様のものが使用できる。
なお、ポリマー粒子(a)の具体例として、カネエースFM−20、FM−40、FM−50(いずれも株式会社カネカ製)などを好適に用いることができるが、ポリマー粒子(a)はこれらに限定されるものではない。
本発明のポリマー粒子組成物におけるポリマー粒子(a)およびポリマー粒子(b)は特定重量比率で混合され製造されうるが、そのブレンド方法としては、組成物中の配合量からその軟質重合体相の量が多くなるポリマー粒子(a)をポリマー粒子(b)で被覆してポリマー粒子組成物の粗大化・塊状化を抑制する観点、あるいはポリマー粒子(b)がポリマー粒子(a)の粒子間に入り込むことで、成形加工中にポリマー粒子(a)集合体の崩壊が促されて熱可塑性樹脂中における分散性が向上するという観点から、ラテックス状態にて両者をブレンドして処理することが好ましい。これは耐衝撃性および成形加工性の向上の点から有効である。ただし、ポリマー粒子(a)の組成・構造等によっては、ポリマー粒子(a)、ポリマー粒子(b)を別途処理し、各ポリマー粒子をパウダー状態にてブレンドすることも可能であり、耐衝撃性および成形加工性を向上する効果を得ることができる。
本発明のポリマー粒子組成物におけるポリマー粒子(a)とポリマー粒子(b)の配合比率については、ポリマー粒子(a)の配合量は80〜99.5重量部が好ましく、90〜99.5重量部がより好ましく、95〜99.5重量部が特に好ましい。一方、ポリマー粒子(b)の配合量は0.5〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましく、0.5〜5重量部が特に好ましい。ただし、ポリマー粒子(a)とポリマー粒子(b)の合計は100重量部である。
ここで、本発明のポリマー粒子組成物において、ポリマー粒子(b)を特定量配合する目的は、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性を改良し、成形加工性を向上することに他ならないが、ポリマー粒子(b)の構造、組成によっては、ポリマー粒子(b)の果たす役割は異なると考えられる。
例えば、ポリマー粒子(b)が軟質重合体相を多く含む粒子である場合、ポリマー粒子(b)はそれ自身が応力集中の起点となるため耐衝撃性の向上に寄与し、また微小粒子径であるが故に、成形等で熱可塑性樹脂組成物に応力が作用した場合には、ポリマー粒子間に働く抗張力が増加して成形加工性が改良されうる。この場合、ポリマー粒子(b)の配合量が0.5重量部未満である場合は、ポリマー粒子(b)の耐衝撃性改良効果が低減する場合があり、逆に20重量部を超える場合はポリマー粒子(a)の耐衝撃性改良効果が損なわれるため、結果としてポリマー粒子組成物による耐衝撃性改良効果が低減する可能性がある。
一方、ポリマー粒子(b)が硬質重合体相を含むような粒子である場合、ポリマー粒子(b)は熱可塑性樹脂組成物中で擬似加工助剤のような役割を果たし、熱可塑性樹脂のゲル化等を促進するなどして耐衝撃性および成形加工性を向上させうる。この場合、ポリマー粒子(b)の配合量が0.5重量部未満である場合は、ポリマー粒子(b)の擬似加工助剤としての働きは低減し、熱可塑性樹脂のゲル化不足等から耐衝撃性および成形加工性が低下する場合がある。逆に20重量部を超える場合は、ポリマー粒子(a)の耐衝撃性改良効果が損なわれて、結果としてポリマー粒子組成物による耐衝撃性改良効果が低減する可能性がある。
しかし、ポリマー粒子(b)の役割はこれらに限定されるものではない。例えば、ポリマー粒子(a)が軟質重合体相を多く含み滑性の高い粘着質な粒子である場合、ポリマー粒子(b)がポリマー粒子(a)の表面を被覆することによって、成形加工時にポリマー粒子(a)が良好に混練されやすくなり、結果として熱可塑性樹脂組成物のゲル化が促進され耐衝撃性および成形加工性が向上する傾向がある。また、ポリマー粒子組成物において、ポリマー粒子(b)がポリマー粒子(a)の粒子間に入り込むような構造を形成した場合には、ポリマー粒子(a)が分散性の悪い粒子であっでも、成形加工中にポリマー粒子(a)集合体の崩壊が促されて熱可塑性樹脂中でポリマー粒子(a)が良好に分散しやすくなるため、耐衝撃性および成形加工性が向上する傾向がある。
本発明のポリマー粒子組成物においては、ポリマー粒子(a)およびポリマー粒子(b)と共に、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)を含有させうる。ここで物理ゲルとは、高分子間の水素結合やイオン結合あるいはキレート形成などによって形成される物理的橋架けによるゲルを意味する。また、物理ゲルを形成する性質を有するとは、水溶性高分子化合物単独の水溶液に、無機塩や酸等のゲル化剤の添加により、粘性流体(ゾル)から弾性体(ゲル)への変化が視覚的にとらえられることを意味し、本発明において、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)とは、上記性質を有する水溶性高分子化合物と定義する。
本発明で用いることのできる物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物としては上記性質を発現できるものであれば特に制限はないが、例えば、次の群から選ばれた1種または2種以上の混合物からなる水溶性高分子化合物を用いることができる。例えば、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性アルギン酸誘導体、寒天、ゼラチン、カラギーナン、グルコマンナン、ペクチン、カードラン、ジェランガム、およびポリアクリル酸誘導体等が例示されうる。本発明においては、これらの中でも水溶性セルロース誘導体若しくは水溶性アルギン酸誘導体がより好ましく、中でも水溶性アルギン酸誘導体が最も好ましく使用され得る。
なお、上記水溶性アルギン酸誘導体中のマンヌロン酸とグルロン酸の比率には特に制限はないが、グルロン酸比率が高いほど物理ゲルの形成能力が高くなる傾向にあるため好ましく、通常は水溶性アルギン酸誘導体中のグルロン酸比率が5重量%以上、より好ましくは30重量%以上である。
また、上記水溶性アルギン酸誘導体に代表される水溶性高分子化合物の分子量には特に制限はないが、製造時の移液性の点から、B型粘度計により測定した1.0重量%濃度における水溶液の粘度が2〜22000mPa・sであることが好ましく、2〜1000mPa・sであることがより好ましい。
本発明のポリマー粒子組成物において、ポリマー粒子(a)およびポリマー粒子(b)に対する物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)の添加方法若しくは添加時期については特に制限はないが、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)の水溶液を別途作成し、それを重合が終了したポリマー粒子(a)とポリマー粒子(b)の混合ラテックスへ規定量添加するのが操作上簡便であり最も好ましい。しかしながら、これに限定されるものではなく、重合前、重合途中あるいは重合後のポリマー粒子(a)および/またはポリマー粒子(b)のラテックスに規定量の物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)を、水溶液あるいは粉体の状態で、一括または連続的に添加することができる。
物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)を水溶液としてポリマー粒子(a)とポリマー粒子(b)の混合ラテックスへ含有させる際の水溶性高分子化合物(c)水溶液の濃度は、0.01〜10重量%であることが好ましい。水溶性高分子化合物(c)水溶液の濃度が0.01%重量よりも低い場合は、所定量の水溶性高分子化合物(c)を添加するのに多量の水溶液をポリマー粒子(a)とポリマー粒子(b)の混合ラテックスに加えることになるため、排水負荷が増す傾向がある。一方、水溶性高分子化合物(c)水溶液の濃度が10%重量よりも高い場合は、水溶性高分子化合物(c)水溶液の粘度が高くなり操作性が悪化する場合がある。ポリマー粒子(a)とポリマー粒子(b)の混合ラテックスと水溶性高分子化合物(c)の混合操作は、ラテックスに水溶性高分子化合物(c)水溶液を加えた後、数分間程度全体を撹拌混合することで容易に達成されうる。
本発明における物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)の添加量は、ポリマー粒子(a)およびポリマー粒子(b)の合計固形分100重量部に対し、0.01〜3.0重量部であることが好ましく、更には0.05〜1.8重量部であることがより好ましい。物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)の含有量が0.01重量部よりも少ない場合は、ポリマー粒子組成物を回収する際に粗大化や塊状化が起こりやすくなる傾向にある。逆に、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)の含有量が3.0重量部よりも多い場合は、ポリマー粒子組成物を回収する際に粗大化や塊状化の抑制効果は向上するものの、ポリマー粒子組成物中に多量の水溶性高分子化合物(それに由来する物質を含む)が残存してしまい、耐衝撃性改良効果や成形加工時の熱安定性等の品質、および成形加工性が低下する傾向にある。
また本発明においては、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)と共に、以下のゲル化剤を用いることが好ましい。ゲル化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、よう化カリウム、よう化リチウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化カルシウム、硫酸第一鉄、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸カドミウム、塩化バリウム、塩化第一鉄、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウム、カリウムミョウバン、鉄ミョウバン等の無機塩類、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類、酢酸、蟻酸等の有機酸類、および酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸カルシウム等の有機酸の塩類を単独または混合したものを用いることができる。これらの中でも、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、硫酸第一鉄、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸カドミウム、塩化バリウム、塩化第一鉄、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウム、カリウムミョウバン、鉄ミョウバン等の無機塩類、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類、酢酸、蟻酸等の有機酸類を、単独または2種以上混合したものが好適に使用され得る。
なお本発明において、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)として水溶性アルギン酸誘導体を用いる場合は、ゲル化剤として、塩化カルシウム、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウムなどが好適に使用され得る。
本発明におけるゲル化剤の添加量には特に制限はないが、ゲル化剤の大部分はポリマー粒子組成物の回収時における水洗工程により洗い流すことが可能で、ポリマー粒子(a)およびポリマー粒子(b)の合計固形分100重量部に対し1重量部未満残留していることが好ましく、更には0.01〜0.5重量部であることがより好ましい。前記ゲル化剤の残留量が1重量部を超える場合には、例えば、塩化ビニル系樹脂に配合し、成形する際の加工性が変化する可能性や、高い衝撃性改良効果が発現しにくくなる場合がある。
本発明において、ゲル化剤の添加方法若しくは添加時期については特に制限はないが、ポリマー粒子(a)とポリマー粒子(b)の混合ラテックスに物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)を添加したラテックスを回収処理する際に添加することが好ましい。なお、ポリマー粒子組成物回収時のゲル化剤の使用量は、ポリマー粒子(a)およびポリマー粒子(b)の合計固形分100重量部に対するゲル化剤の残留量が、1重量部未満であれば特に制限はないが、回収の容易さ、および製造コストの観点から、ポリマー粒子(a)およびポリマー粒子(b)の合計固形分100重量部に対し0.2〜20重量部が好ましく、更には1〜10重量部がより好ましい。
本発明において、ポリマー粒子組成物に物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)を含有させる目的は、(1)ポリマー粒子凝固粒子中に非粘着性の物理ゲルが共存することにより、回収途中の凝固粒子の耐ブロッキング性および凝固粒子形態保持性(凝固粒子への弾性の付与)を向上させることができる、(2)凝固粒子を乾燥した後においても、凝固粒子中に非粘着性の物理ゲルの乾燥物が共存することにより、凝固粒子の耐ブロッキング性および凝固粒子形態保持性(凝固粒子への弾性の付与)を向上させ、粗大化や塊状化を抑制できるためである。
また、本発明においては、ポリマー粒子(a)およびポリマー粒子(b)、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)を含有するポリマー粒子組成物において、ポリマー粒子(a)およびポリマー粒子(b)の合計固形分100重量部に対し、さらに融着防止剤を0.05〜3.0重量部、好ましくは0.1〜3.0重量部、より好ましくは0.2〜2.5重量部添加することにより、さらに粗大化や塊状化が抑制されたポリマー粒子組成物を得ることができる。
前記融着防止剤の好適な添加量は、ポリマー粒子組成物中におけるポリマー粒子(a)およびポリマー粒子(b)、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)の含有量により影響を受けるが、ポリマー粒子組成物中の物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)と融着防止剤の含有(添加)量の合計が、ポリマー粒子(a)およびポリマー粒子(b)の合計固形分100重量部に対し、0.06〜6.0重量部であることが好ましく、0.1〜3.0重量部の範囲であることがより好ましく、0.5〜2.0重量部の範囲であることが特に好ましい。
本発明で用いることのできる融着防止剤には特に制限はないが、耐衝撃性改良効果等の品質と粗大化や塊状化を抑制する効果をより高いレベルで満足させることが可能となる点から、例えば、陰イオン性界面活性剤の多価金属塩、架橋ポリマーおよび/またはシリコンオイルが好適に使用され得る。なお、架橋ポリマーを用いる場合には、任意成分として滑剤と共に用いることが可能で、架橋ポリマー10〜100重量%ならびに滑剤0〜90重量%の範囲、好ましくは架橋ポリマー50〜100重量%ならびに滑剤0〜50重量%の範囲で用いることができる。
上記目的に使用され得る陰イオン性界面活性剤の多価金属塩としては、脂肪酸塩類、高級アルコールの硫酸エステル類、液体脂肪油の硫酸エステル塩、脂肪族アミンおよび脂肪族アミドの硫酸塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪族アミドのスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ホルマリン縮合ナフタリンスルホン酸塩等の陰イオン性界面活性剤の多価金属塩が例示され、中でも、脂肪酸塩類、高級アルコールの硫酸エステル類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩が、耐衝撃性改良効果等の品質と粗大化や塊状化を抑制する効果を高いレベルで満足できる点から好適に使用され得る。しかし、これらに限定されるものではない。
本発明におけるポリマー粒子組成物の凝固粒子、即ち耐衝撃性改良剤として用いられる粉体の体積平均粒子径は、粗大化あるいは塊状化しない限り特に制限はなく、製品である乾燥後の紛粒体の供給形態に合わせ任意に調整することができるが、例えば、塩化ビニル系樹脂の場合には、通常はMICROTRAC FRA−SVRSC(日機装株式会社製)により測定した体積平均粒子径が50μmから1.0mmの範囲内であることが好ましく、75μm〜750μmであることがより好ましい。
本発明では、熱可塑性樹脂(e)100重量部に対し、前記ポリマー組成物を0.5〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部配合することにより、熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
前記熱可塑性樹脂(e)としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、カーボネート系樹脂、アミド系樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂などを好適に使用することが可能である。しかし、これらに限定されるものではない。
中でも、特に本発明におけるポリマー粒子組成物を塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性改良剤として用いた場合に、優れた効果を発現しうることから、塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。なお、本発明において塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルホモポリマー、または塩化ビニルから誘導された単位を少なくとも70重量%含有する共重合体を意味し、これに該当する公知のものが使用できる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、滑剤、加工助剤等の添加剤を適宜添加することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法としては特に限定はなく、公知の方法を採用することができる。例えば、熱可塑性樹脂(e)、ポリマー粒子組成物、その他の添加剤等を予めヘンシェルミキサー、タンブラーなどを用いて混合した後、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加熱ロールなどを用いて溶融混練することにより樹脂組成物を得る方法などを採用することができる。
次に本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(ポリマー粒子Aの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水160重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.18重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら50℃に昇温した。次にブチルアクリレート(以下、BAとも言う)8.45重量部、アリルメタクリレート(以下、ALMAとも言う)0.04重量部、クメンハイドロパーオキサイド0.01重量部の混合物を仕込み、その10分後にエチレンジアミン四酢酸ニナトリウム0.01重量部と、硫酸第一鉄・7水和塩0.005重量部を蒸留水5重量部に溶解した混合液、およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.2重量部を仕込んだ。1時間攪拌後、そこにBA88.05重量部、ALMA0.46重量部およびクメンハイドロパーオキサイド0.1重量部からなる単量体の混合物を5時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、1重量部のラウリル硫酸ナトリウムを5重量%濃度の水溶液にしたものを5時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、1.5時間攪拌を続け、ガラス転移温度(以下、Tgとも言う)−54℃、MICROTRAC UPA150(日機装株式会社製)により測定した体積平均粒子径(以下、同様の方法にて体積平均粒子径を測定した)が160nmのアクリレート系軟質重合体を得た。このアクリレート系軟質重合体に、硬質重合体成分として、メチルメタクリレート(以下、MMAとも言う)3.0重量部、およびクメンハイドロパーオキサイド0.005重量部の混合物を50℃で10分間にわたって連続的に添加した。添加終了後、クメンハイドロパーオキサイド0.01重量部を添加し、さらに1時間以上攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は99.30%であった。以上により、コア部97.0重量%、硬質重合体(Tg:105℃)からなるシェル部3.0重量%、体積平均粒子径162nmのポリマー粒子Aのラテックスを得た。
(ポリマー粒子Aの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水160重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.18重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら50℃に昇温した。次にブチルアクリレート(以下、BAとも言う)8.45重量部、アリルメタクリレート(以下、ALMAとも言う)0.04重量部、クメンハイドロパーオキサイド0.01重量部の混合物を仕込み、その10分後にエチレンジアミン四酢酸ニナトリウム0.01重量部と、硫酸第一鉄・7水和塩0.005重量部を蒸留水5重量部に溶解した混合液、およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.2重量部を仕込んだ。1時間攪拌後、そこにBA88.05重量部、ALMA0.46重量部およびクメンハイドロパーオキサイド0.1重量部からなる単量体の混合物を5時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、1重量部のラウリル硫酸ナトリウムを5重量%濃度の水溶液にしたものを5時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、1.5時間攪拌を続け、ガラス転移温度(以下、Tgとも言う)−54℃、MICROTRAC UPA150(日機装株式会社製)により測定した体積平均粒子径(以下、同様の方法にて体積平均粒子径を測定した)が160nmのアクリレート系軟質重合体を得た。このアクリレート系軟質重合体に、硬質重合体成分として、メチルメタクリレート(以下、MMAとも言う)3.0重量部、およびクメンハイドロパーオキサイド0.005重量部の混合物を50℃で10分間にわたって連続的に添加した。添加終了後、クメンハイドロパーオキサイド0.01重量部を添加し、さらに1時間以上攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は99.30%であった。以上により、コア部97.0重量%、硬質重合体(Tg:105℃)からなるシェル部3.0重量%、体積平均粒子径162nmのポリマー粒子Aのラテックスを得た。
(ポリマー粒子Bの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水180重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム5.0重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら70℃に昇温した。次に過硫酸カリウム(以下、KPSとも言う)0.1重量部を仕込み、BA94.5重量部、ALMA0.5重量部からなる単量体の混合物を6時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.5重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを6時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、Tg:−54℃、体積平均粒子径が10.0nmのアクリレート系軟質重合体を得た。得られたアクリレート系軟質重合体に、硬質重合体成分として、MMA5.0重量部を70℃で30分間にわたって連続的に添加した。添加終了後、10分間攪拌を続けた後、KPS0.02重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.06重量部の混合物を添加し、さらに1時間攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は98.5%であった。上記により、コア部95.0重量%、シェル部5.0重量%、体積平均粒子径10.2nmのポリマー粒子Bのラテックスを得た。
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水180重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム5.0重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら70℃に昇温した。次に過硫酸カリウム(以下、KPSとも言う)0.1重量部を仕込み、BA94.5重量部、ALMA0.5重量部からなる単量体の混合物を6時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.5重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを6時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、Tg:−54℃、体積平均粒子径が10.0nmのアクリレート系軟質重合体を得た。得られたアクリレート系軟質重合体に、硬質重合体成分として、MMA5.0重量部を70℃で30分間にわたって連続的に添加した。添加終了後、10分間攪拌を続けた後、KPS0.02重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.06重量部の混合物を添加し、さらに1時間攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は98.5%であった。上記により、コア部95.0重量%、シェル部5.0重量%、体積平均粒子径10.2nmのポリマー粒子Bのラテックスを得た。
(ポリマー粒子組成物C−1の作製)
ポリマー粒子Aのラテックス95重量部(固形分)に対し、ポリマー粒子Bのラテックスが5重量部(固形分)となるように、両ラテックスを規定量混合し、1.5重量%濃度のアルギン酸ナトリウム(株式会社キミカ社製アルギテックスLL)水溶液(B型粘度計により測定した水溶液粘度が120mPa・s)をアルギン酸ナトリウム固形分がポリマー粒子Aとポリマー粒子Bの合計固形分100重量部に対し、0.3重量部となるように添加して、3分間攪拌混合して混合ラテックスを作製した。温度30℃の混合ラテックスを、加圧ノズルの一種である旋回流式円錐ノズルでノズル径0.6mmを用い、噴霧圧力3.7kg/cm2にて、塔底部液面の高さ5m、直径60cmの円筒状の装置中に、体積平均液滴径が約200μmの液滴となるように噴霧した。それと同時に、30重量%濃度の塩化カルシウム水溶液を、塩化カルシウム固形分がポリマー粒子Aとポリマー粒子Bの合計固形分100重量部に対し5〜15重量部となるように流体ノズルにて空気と混合しながら、液滴径0.1〜10μmで噴霧した。塔内を滴下した混合ラテックス液滴は、塔底部にて30℃の1.0重量%濃度の塩化カルシウム水溶液を入れた受槽に投入され、これを回収した。
ポリマー粒子Aのラテックス95重量部(固形分)に対し、ポリマー粒子Bのラテックスが5重量部(固形分)となるように、両ラテックスを規定量混合し、1.5重量%濃度のアルギン酸ナトリウム(株式会社キミカ社製アルギテックスLL)水溶液(B型粘度計により測定した水溶液粘度が120mPa・s)をアルギン酸ナトリウム固形分がポリマー粒子Aとポリマー粒子Bの合計固形分100重量部に対し、0.3重量部となるように添加して、3分間攪拌混合して混合ラテックスを作製した。温度30℃の混合ラテックスを、加圧ノズルの一種である旋回流式円錐ノズルでノズル径0.6mmを用い、噴霧圧力3.7kg/cm2にて、塔底部液面の高さ5m、直径60cmの円筒状の装置中に、体積平均液滴径が約200μmの液滴となるように噴霧した。それと同時に、30重量%濃度の塩化カルシウム水溶液を、塩化カルシウム固形分がポリマー粒子Aとポリマー粒子Bの合計固形分100重量部に対し5〜15重量部となるように流体ノズルにて空気と混合しながら、液滴径0.1〜10μmで噴霧した。塔内を滴下した混合ラテックス液滴は、塔底部にて30℃の1.0重量%濃度の塩化カルシウム水溶液を入れた受槽に投入され、これを回収した。
得られた凝固ラテックス粒子水溶液に、5重量%濃度のパルミチン酸カリウム水溶液を、パルミチン酸カリウム固形分がポリマー粒子Aとポリマー粒子Bの合計固形分100重量部に対し1.5重量部となるように添加し、乾燥することにより、白色樹脂粉末のポリマー粒子組成物(C−1)を調製した。
(熱可塑性樹脂組成物T−1の調製)
塩化ビニル樹脂(カネビニールS−1001、株式会社カネカ製)100重量部、鉛系安定剤(Chemson onepack、株式会社Chemson製)4.5重量部、酸化チタン(Kronoss2220、株式会社Kronoss製)4.5重量部、炭酸カルシウム(Hydrocarb95T、株式会社Omya製)8.0重量部、加工性改良剤(カネエースPA−310、株式会社カネカ製)0.5重量部、およびポリマー粒子組成物(C−1)5.0重量部をヘンシェルミキサーにてブレンドして熱可塑性樹脂組成物(T−1)を得た。
塩化ビニル樹脂(カネビニールS−1001、株式会社カネカ製)100重量部、鉛系安定剤(Chemson onepack、株式会社Chemson製)4.5重量部、酸化チタン(Kronoss2220、株式会社Kronoss製)4.5重量部、炭酸カルシウム(Hydrocarb95T、株式会社Omya製)8.0重量部、加工性改良剤(カネエースPA−310、株式会社カネカ製)0.5重量部、およびポリマー粒子組成物(C−1)5.0重量部をヘンシェルミキサーにてブレンドして熱可塑性樹脂組成物(T−1)を得た。
(成形体の調製および評価)
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物(T−1)を、65mm異方向パラレル2軸押し出し機(Battenfeld社製)を用いて、成形温度条件C1/C2/C3/C4/AD/D1/D2/D3/D4=185/190/190/185/185/206/206/206/206℃、スクリュー回転数22rpm、吐出量100kg/hrにて、異形窓枠成形を実施した(C1〜C4はホッパー方向からダイス方向に向かって連結した各種シリンダーの温度、ADはアダプター温度、D1〜D4はダイス温度)。得られた窓枠成形体から耐衝撃性試験片を作製し、JIS K−7111に準じて23℃におけるシャルピー強度を測定した。更に得られた上記窓枠成形体を切削し、JIS K−7113 1号に準じてダンベルを作製した。このダンベルを23℃にて毎分10mmの速度で引張り、成形体が破断するまでの伸び(以下、引張り伸びと言う)を測定した。シャルピー強度、および引張り伸びの結果を表3に示す。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物(T−1)を、65mm異方向パラレル2軸押し出し機(Battenfeld社製)を用いて、成形温度条件C1/C2/C3/C4/AD/D1/D2/D3/D4=185/190/190/185/185/206/206/206/206℃、スクリュー回転数22rpm、吐出量100kg/hrにて、異形窓枠成形を実施した(C1〜C4はホッパー方向からダイス方向に向かって連結した各種シリンダーの温度、ADはアダプター温度、D1〜D4はダイス温度)。得られた窓枠成形体から耐衝撃性試験片を作製し、JIS K−7111に準じて23℃におけるシャルピー強度を測定した。更に得られた上記窓枠成形体を切削し、JIS K−7113 1号に準じてダンベルを作製した。このダンベルを23℃にて毎分10mmの速度で引張り、成形体が破断するまでの伸び(以下、引張り伸びと言う)を測定した。シャルピー強度、および引張り伸びの結果を表3に示す。
(実施例2)
(ポリマー粒子Cの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水180重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム5.0重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら70℃に昇温した。次にKPS0.1重量部を仕込み、BA79.60重量部、ALMA0.4重量部からなる単量体の混合物を5時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.5重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを5時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、Tg:−54℃、体積平均粒子径が11.0nmのアクリレート系軟質重合体を得た。得られたアクリレート系軟質重合体に、硬質重合体成分として、MMA20.0重量部を70℃で2時間にわたって連続的に添加した。添加終了後、10分間攪拌を続けた後、KPS0.02重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.06重量部の混合物を添加し、さらに1時間攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は99.0%であった。上記により、コア部80.0重量%、シェル部20.0重量%、体積平均粒子径11.8nmのポリマー粒子Cのラテックスを得た。
(ポリマー粒子Cの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水180重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム5.0重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら70℃に昇温した。次にKPS0.1重量部を仕込み、BA79.60重量部、ALMA0.4重量部からなる単量体の混合物を5時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.5重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを5時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、Tg:−54℃、体積平均粒子径が11.0nmのアクリレート系軟質重合体を得た。得られたアクリレート系軟質重合体に、硬質重合体成分として、MMA20.0重量部を70℃で2時間にわたって連続的に添加した。添加終了後、10分間攪拌を続けた後、KPS0.02重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.06重量部の混合物を添加し、さらに1時間攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は99.0%であった。上記により、コア部80.0重量%、シェル部20.0重量%、体積平均粒子径11.8nmのポリマー粒子Cのラテックスを得た。
(ポリマー粒子組成物C−2の作製)
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Cを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−2)を調製した。
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Cを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−2)を調製した。
(熱可塑性樹脂組成物T−2の調製)
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−2)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−2)を得た。
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−2)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−2)を得た。
(成形体の調製および評価)
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−2)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−2)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
(実施例3)
(ポリマー粒子Dの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水180重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム5.0重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら70℃に昇温した。次にKPS0.1重量部を仕込み、2−エチルヘキシルアクリレート(以下、2−EHAとも言う)13.50重量部、ALMA0.07重量部からなる単量体の混合物を1時間を要して滴下した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、0.1重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを添加した。その後、BA76.05重量部、ALMA0.38重量部からなる単量体の混合物を5時間にわたって連続的に滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.4重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを5時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、Tg−50℃、体積平均粒子径が104nmのアクリレート系重合体を得た。得られたアクリレート系軟質重合体に、硬質重合体成分として、MMA10.0重量部を70℃で1時間にわたって連続的に添加した。添加終了後、10分間攪拌を続けた後、KPS0.02重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.06重量部の混合物を添加し、さらに1時間攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は98.4%であった。上記により、コア部90.0重量%、シェル部10.0重量%、体積平均粒子径11.1nmのポリマー粒子Dのラテックスを得た。
(ポリマー粒子Dの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水180重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム5.0重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら70℃に昇温した。次にKPS0.1重量部を仕込み、2−エチルヘキシルアクリレート(以下、2−EHAとも言う)13.50重量部、ALMA0.07重量部からなる単量体の混合物を1時間を要して滴下した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、0.1重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを添加した。その後、BA76.05重量部、ALMA0.38重量部からなる単量体の混合物を5時間にわたって連続的に滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.4重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを5時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、Tg−50℃、体積平均粒子径が104nmのアクリレート系重合体を得た。得られたアクリレート系軟質重合体に、硬質重合体成分として、MMA10.0重量部を70℃で1時間にわたって連続的に添加した。添加終了後、10分間攪拌を続けた後、KPS0.02重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.06重量部の混合物を添加し、さらに1時間攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は98.4%であった。上記により、コア部90.0重量%、シェル部10.0重量%、体積平均粒子径11.1nmのポリマー粒子Dのラテックスを得た。
(ポリマー粒子組成物C−3の作製)
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Dを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−3)を調製した。
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Dを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−3)を調製した。
(熱可塑性樹脂組成物T−3の調製)
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−3)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−3)を得た。
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−3)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−3)を得た。
(成形体の調製および評価)
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−3)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−3)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
(実施例4)
(ポリマー粒子Eの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水180重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム5.0重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら70℃に昇温した。次にKPS0.1重量部を仕込み、BA35.55重量部、ALMA0.18重量部からなる単量体の混合物を2.5時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.2重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを2.5時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続けた後、MMA54.0重量部、ALMA0.27重量部からなる単量体の混合物を3.5時間にわたって連続的に滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.3重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを3.5時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、Tg:22℃、体積平均粒子径が11.7nmのアクリレート系重合体を得た。このアクリレート系重合体に、硬質重合体成分として、MMA10.0重量部を70℃で0.5時間にわたって連続的に添加した。添加終了後、10分間攪拌を続けた後、KPS0.02重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.06重量部の混合物を添加し、さらに1時間攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は99.1%であった。上記によりコア部90.0重量%、シェル部10.0重量%、体積平均粒子径12.0nmのポリマー粒子Eのラテックスを得た。
(ポリマー粒子Eの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水180重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム5.0重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら70℃に昇温した。次にKPS0.1重量部を仕込み、BA35.55重量部、ALMA0.18重量部からなる単量体の混合物を2.5時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.2重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを2.5時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続けた後、MMA54.0重量部、ALMA0.27重量部からなる単量体の混合物を3.5時間にわたって連続的に滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.3重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを3.5時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、Tg:22℃、体積平均粒子径が11.7nmのアクリレート系重合体を得た。このアクリレート系重合体に、硬質重合体成分として、MMA10.0重量部を70℃で0.5時間にわたって連続的に添加した。添加終了後、10分間攪拌を続けた後、KPS0.02重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.06重量部の混合物を添加し、さらに1時間攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は99.1%であった。上記によりコア部90.0重量%、シェル部10.0重量%、体積平均粒子径12.0nmのポリマー粒子Eのラテックスを得た。
(ポリマー粒子組成物C−4の作製)
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Eを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−4)を調製した。
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Eを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−4)を調製した。
(熱可塑性樹脂組成物T−4の調製)
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−4)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−4)を得た。
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−4)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−4)を得た。
(成形体の調製および評価)
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−4)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−4)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
(実施例5)
(ポリマー粒子Fの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水180重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム5.0重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら70℃に昇温した。次にKPS0.1重量部を仕込み、BA18.0重量部、MMA71.55重量部、ALMA0.45重量部からなる単量体の混合物を6時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.5重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを6時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、Tg:59℃、体積平均粒子径が11.9nmのアクリレート系重合体を得た。得られたアクリレート系重合体に、硬質重合体成分として、MMA10.0重量部を70℃で1時間にわたって連続的に添加した。添加終了後、10分間攪拌を続けた後、KPS0.02重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.06重量部の混合物を添加し、さらに1時間攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は98.9%であった。上記により、コア部90.0重量%、シェル部10.0重量%、体積平均粒子径12.5nmのポリマー粒子Fのラテックスを得た。
(ポリマー粒子Fの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水180重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム5.0重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら70℃に昇温した。次にKPS0.1重量部を仕込み、BA18.0重量部、MMA71.55重量部、ALMA0.45重量部からなる単量体の混合物を6時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.5重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを6時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、Tg:59℃、体積平均粒子径が11.9nmのアクリレート系重合体を得た。得られたアクリレート系重合体に、硬質重合体成分として、MMA10.0重量部を70℃で1時間にわたって連続的に添加した。添加終了後、10分間攪拌を続けた後、KPS0.02重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.06重量部の混合物を添加し、さらに1時間攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は98.9%であった。上記により、コア部90.0重量%、シェル部10.0重量%、体積平均粒子径12.5nmのポリマー粒子Fのラテックスを得た。
(ポリマー粒子組成物C−5の作製)
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Fを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−5)を調製した。
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Fを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−5)を調製した。
(熱可塑性樹脂組成物T−5の調製)
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−5)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−5)を得た。
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−5)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−5)を得た。
(成形体の調製および評価)
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−5)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−5)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
(実施例6)
(ポリマー粒子Gの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水180重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム5.0重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら70℃に昇温した。次にKPS0.1重量部を仕込み、BA94.5重量部、ALMA0.5重量部からなる単量体の混合物を6時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.5重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを6時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、Tg:−54℃、体積平均粒子径が9.8nmのアクリレート系重合体を得た。得られたアクリレート系重合体に、硬質重合体成分として、MMA4.97重量部、ALMA0.03重量部からなる単量体の混合物を70℃で30分間にわたって連続的に添加した。添加終了後、10分間攪拌を続けた後、KPS0.02重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.06重量部の混合物を添加し、さらに1時間攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は98.8%であった。上記により、コア部95.0重量%、シェル部5.0重量%、体積平均粒子径10.0nmのポリマー粒子Gのラテックスを得た。
(ポリマー粒子Gの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水180重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム5.0重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら70℃に昇温した。次にKPS0.1重量部を仕込み、BA94.5重量部、ALMA0.5重量部からなる単量体の混合物を6時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.5重量部のジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを6時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、0.5時間攪拌を続け、Tg:−54℃、体積平均粒子径が9.8nmのアクリレート系重合体を得た。得られたアクリレート系重合体に、硬質重合体成分として、MMA4.97重量部、ALMA0.03重量部からなる単量体の混合物を70℃で30分間にわたって連続的に添加した。添加終了後、10分間攪拌を続けた後、KPS0.02重量部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.06重量部の混合物を添加し、さらに1時間攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は98.8%であった。上記により、コア部95.0重量%、シェル部5.0重量%、体積平均粒子径10.0nmのポリマー粒子Gのラテックスを得た。
(ポリマー粒子組成物C−6の作製)
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Gを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−6)を調製した。
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Gを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−6)を調製した。
(熱可塑性樹脂組成物T−6の調製)
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−6)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−6)を得た。
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−6)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−6)を得た。
(成形体の調製および評価)
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−6)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−6)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
(比較例1)
(ポリマー粒子Hの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水160重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.90重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら50℃に昇温した。次にBA8.0重量部、ALMA0.04重量部、クメンハイドロパーオキサイド0.002重量部からなる単量体混合物を仕込み、その10分後にエチレンジアミン四酢酸ニナトリウム0.01重量部と、硫酸第一鉄・7水和塩0.005重量部を蒸留水5重量部に溶解した混合液、およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.2重量部を仕込んだ。0.5時間攪拌後、そこにBA10.0重量部、ALMA0.05重量部、クメンハイドロパーオキサイド0.005重量部からなる単量体混合物を1時間を要して滴下した。その後、0.15重量部のラウリル硫酸ナトリウムを5重量%濃度の水溶液にしたものを添加し、10分間攪拌した後、そこにMMA71.55重量部、ALMA0.36重量部およびクメンハイドロパーオキサイド0.02重量部からなる単量体の混合物を4時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、1重量部のラウリル硫酸ナトリウムを5重量%濃度の水溶液にしたものを4時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、1.5時間攪拌を続け、Tg:60℃、体積平均粒子径が120nmのアクリレート系重合体を得た。このアクリレート系重合体に、硬質重合体成分として、MMA10.0重量部、およびクメンハイドロパーオキサイド0.005重量部の混合物を50℃で1時間にわたって連続的に添加した。添加終了後、クメンハイドロパーオキサイド0.01重量部を添加し、さらに1時間以上攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は99.30%であった。以上により、コア部90.0重量%、シェル部含量10.0重量%、体積平均粒子径125nmのポリマー粒子Hのラテックスを得た。
(ポリマー粒子Hの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水160重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.90重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら50℃に昇温した。次にBA8.0重量部、ALMA0.04重量部、クメンハイドロパーオキサイド0.002重量部からなる単量体混合物を仕込み、その10分後にエチレンジアミン四酢酸ニナトリウム0.01重量部と、硫酸第一鉄・7水和塩0.005重量部を蒸留水5重量部に溶解した混合液、およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.2重量部を仕込んだ。0.5時間攪拌後、そこにBA10.0重量部、ALMA0.05重量部、クメンハイドロパーオキサイド0.005重量部からなる単量体混合物を1時間を要して滴下した。その後、0.15重量部のラウリル硫酸ナトリウムを5重量%濃度の水溶液にしたものを添加し、10分間攪拌した後、そこにMMA71.55重量部、ALMA0.36重量部およびクメンハイドロパーオキサイド0.02重量部からなる単量体の混合物を4時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、1重量部のラウリル硫酸ナトリウムを5重量%濃度の水溶液にしたものを4時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、1.5時間攪拌を続け、Tg:60℃、体積平均粒子径が120nmのアクリレート系重合体を得た。このアクリレート系重合体に、硬質重合体成分として、MMA10.0重量部、およびクメンハイドロパーオキサイド0.005重量部の混合物を50℃で1時間にわたって連続的に添加した。添加終了後、クメンハイドロパーオキサイド0.01重量部を添加し、さらに1時間以上攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は99.30%であった。以上により、コア部90.0重量%、シェル部含量10.0重量%、体積平均粒子径125nmのポリマー粒子Hのラテックスを得た。
(ポリマー粒子組成物C−7の作製)
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Hを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−7)を調製した。
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Hを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−7)を調製した。
(熱可塑性樹脂組成物T−7の調製)
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−7)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−7)を得た。
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−7)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−7)を得た。
(成形体の調製および評価)
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−7)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−7)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
(比較例2)
(ポリマー粒子Iの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水160重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.035重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら50℃に昇温した。次にBA8.0重量部、ALMA0.04重量部、クメンハイドロパーオキサイド0.002重量部からなる単量体混合物を仕込み、その10分後にエチレンジアミン四酢酸ニナトリウム0.01重量部と、硫酸第一鉄・7水和塩0.005重量部を蒸留水5重量部に溶解した混合液、およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.2重量部を仕込んだ。0.5時間攪拌後、そこにBA27.55重量部、ALMA0.14重量部、クメンハイドロパーオキサイド0.01重量部からなる単量体混合物を2.5時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.3重量部のラウリル硫酸ナトリウムを5重量%濃度の水溶液にしたものを2.5時間にわたり連続的に追加した。10分間攪拌した後、そこにMMA54.0重量部、ALMA0.27重量部およびクメンハイドロパーオキサイド0.015重量部からなる単量体の混合物を3.5時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、1重量部のラウリル硫酸ナトリウムを5重量%濃度の水溶液にしたものを3.5時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、1.5時間攪拌を続け、Tg:22℃、体積平均粒子径が200nmのアクリレート系重合体を得た。このアクリレート系重合体に、硬質重合体成分として、MMA10.0重量部、およびクメンハイドロパーオキサイド0.005重量部の混合物を50℃で1時間にわたって連続的に添加した。添加終了後、クメンハイドロパーオキサイド0.01重量部を添加し、さらに1時間以上攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は99.15%であった。以上により、コア部90.0重量%、シェル部10.0重量%、体積平均粒子径210nmのポリマー粒子Iのラテックスを得た。
(ポリマー粒子Iの作製)
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水160重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.035重量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら50℃に昇温した。次にBA8.0重量部、ALMA0.04重量部、クメンハイドロパーオキサイド0.002重量部からなる単量体混合物を仕込み、その10分後にエチレンジアミン四酢酸ニナトリウム0.01重量部と、硫酸第一鉄・7水和塩0.005重量部を蒸留水5重量部に溶解した混合液、およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.2重量部を仕込んだ。0.5時間攪拌後、そこにBA27.55重量部、ALMA0.14重量部、クメンハイドロパーオキサイド0.01重量部からなる単量体混合物を2.5時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、0.3重量部のラウリル硫酸ナトリウムを5重量%濃度の水溶液にしたものを2.5時間にわたり連続的に追加した。10分間攪拌した後、そこにMMA54.0重量部、ALMA0.27重量部およびクメンハイドロパーオキサイド0.015重量部からなる単量体の混合物を3.5時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、1重量部のラウリル硫酸ナトリウムを5重量%濃度の水溶液にしたものを3.5時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、1.5時間攪拌を続け、Tg:22℃、体積平均粒子径が200nmのアクリレート系重合体を得た。このアクリレート系重合体に、硬質重合体成分として、MMA10.0重量部、およびクメンハイドロパーオキサイド0.005重量部の混合物を50℃で1時間にわたって連続的に添加した。添加終了後、クメンハイドロパーオキサイド0.01重量部を添加し、さらに1時間以上攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は99.15%であった。以上により、コア部90.0重量%、シェル部10.0重量%、体積平均粒子径210nmのポリマー粒子Iのラテックスを得た。
(ポリマー粒子組成物C−8の作製)
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Iを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−8)を調製した。
ポリマー粒子Bの代わりにポリマー粒子Iを使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリマー粒子組成物(C−8)を調製した。
(熱可塑性樹脂組成物T−8の調製)
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−8)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−8)を得た。
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−8)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−8)を得た。
(成形体の調製および評価)
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−8)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−8)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
(比較例3)
(ポリマー粒子組成物C−9の作製)
ポリマー粒子組成物C−1において、使用ラテックスをポリマー粒子Aのみ(ポリマー粒子Aの固形分を100重量部とする)とした以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、ポリマー粒子組成物(C−9)を調製した。
(ポリマー粒子組成物C−9の作製)
ポリマー粒子組成物C−1において、使用ラテックスをポリマー粒子Aのみ(ポリマー粒子Aの固形分を100重量部とする)とした以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、ポリマー粒子組成物(C−9)を調製した。
(熱可塑性樹脂組成物T−9の調製)
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−9)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−9)を得た。
ポリマー粒子組成物(C−1)の代わりにポリマー粒子組成物(C−9)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−9)を得た。
(成形体の調製および評価)
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−9)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
熱可塑性樹脂組成物(T−1)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−9)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
(比較例4)
(ポリマー粒子組成物C−10の作製)
アルギン酸ナトリウムの添加量を6.0重量部とした以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、ポリマー粒子組成物(C−10)を調製した。
(ポリマー粒子組成物C−10の作製)
アルギン酸ナトリウムの添加量を6.0重量部とした以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、ポリマー粒子組成物(C−10)を調製した。
(熱可塑性樹脂組成物T−10の調製)
ポリマー粒子組成物(C−3)の代わりにポリマー粒子組成物(C−10)を使用した以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−10)を得た。
ポリマー粒子組成物(C−3)の代わりにポリマー粒子組成物(C−10)を使用した以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−10)を得た。
(成形体の調製および評価)
熱可塑性樹脂組成物(T−3)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−10)を使用した以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
熱可塑性樹脂組成物(T−3)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−10)を使用した以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
(比較例5)
(ポリマー粒子組成物C−11の作製)
アルギン酸ナトリウムの添加量を0.005重量部とした以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、ポリマー粒子組成物(C−11)を調製した。
(ポリマー粒子組成物C−11の作製)
アルギン酸ナトリウムの添加量を0.005重量部とした以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、ポリマー粒子組成物(C−11)を調製した。
(熱可塑性樹脂組成物T−11の調製)
ポリマー粒子組成物(C−3)の代わりにポリマー粒子組成物(C−11)を使用した以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−11)を得た。
ポリマー粒子組成物(C−3)の代わりにポリマー粒子組成物(C−11)を使用した以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−11)を得た。
(成形体の調製および評価)
熱可塑性樹脂組成物(T−3)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−11)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
熱可塑性樹脂組成物(T−3)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−11)を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
(比較例6)
(ポリマー粒子組成物C−12の作製)
アルギン酸ナトリウムを添加しなかった以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、ポリマー粒子組成物(C−12)を調製した。
(ポリマー粒子組成物C−12の作製)
アルギン酸ナトリウムを添加しなかった以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、ポリマー粒子組成物(C−12)を調製した。
(熱可塑性樹脂組成物T−12の調製)
ポリマー粒子組成物(C−3)の代わりにポリマー粒子組成物(C−12)を使用した以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−12)を得た。
ポリマー粒子組成物(C−3)の代わりにポリマー粒子組成物(C−12)を使用した以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、熱可塑性樹脂組成物(T−12)を得た。
(成形体の調製および評価)
熱可塑性樹脂組成物(T−3)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−12)を使用した以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
熱可塑性樹脂組成物(T−3)の代わりに熱可塑性樹脂組成物(T−12)を使用した以外は、実施例3と同様の方法にて実施し、シャルピー強度、および引張り伸びを測定した。結果を表3に示す。
表1には、実施例および比較例で得られたポリマー粒子組成物を構成するポリマー種、ポリマー粒子(b)のコア部およびシェル部の重合体組成、ポリマー粒子(b)の体積平均粒子径、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)の種類(水溶性高分子種)、およびその含量(水溶性高分子含量)を示した。
また、表2には実施例および比較例で得られたポリマー粒子組成物の紛体収率を示した。これは、約200μmの液滴径で噴霧した混合ラテックスから得られるポリマー粒子組成物が、粗大化あるいは塊状化しているかどうかを判断するための目安となる値であり、16メッシュの篩を用いて分別し、ポリマー粒子組成物の通過量を紛体収率とした。即ち、ポリマー粒子組成物が不通過であれば粗大化あるいは塊状化していると判断した。なお、熱可塑性樹脂組成物を調製する際、不通過となったポリマー粒子組成物が多く、必要量が得られないものについては再度不通過となったポリマー粒子組成物を8メッシュの篩を用いて分別し、必要量を確保した。
また、表3には、実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて得られた成形体のシャルピー強度、および引張り伸びの測定結果を示した。
実施例1及至6および比較例1及至6より、ポリマー粒子(b)の体積平均粒子径が1〜50nmである場合は、高いシャルピー強度と引張り伸びが得られることから、優れた耐衝撃性改良効果と優れた成形加工性を有することがわかる。また、体積平均粒子径が1〜50nmであるポリマー粒子(b)を含む混合ポリマー粒子100重量部に対し、物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)を0.01〜3.0重量部含有させることで、粗大化や塊状化した粒子をほとんど含まず、優れた粉体収率を達成できることが分かる。
実施例および比較例より、ポリマー粒子組成物が、本発明で規定する範囲のポリマー粒子(a)、ポリマー粒子(b)、および物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)を含有する場合、高い耐衝撃性を有しながらも、優れた引張り伸びを維持したポリマー粒子を、粗大化・塊状化することなく回収することができ、即ち耐衝撃性・成形加工性のバランスに非常に優れたポリマー粒子組成物を得ることができることがわかる。
Claims (8)
- 体積平均粒子径が100〜300nmのコア/シェル構造を有するポリマー粒子(a)80〜99.5重量部、および体積平均粒子径が1〜50nmのコア/シェル構造を有するポリマー粒子(b)0.5〜20重量部(ただし、(a)と(b)の合計は100重量部)、並びに物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)0.01〜3重量部を含有するポリマー粒子組成物。
- 前記ポリマー粒子(b)が、ガラス転移温度が20℃以上の(メタ)アクリレート系硬質重合体相からなるシェル部0.5〜30重量%を有することを特徴とする、請求項1に記載のポリマー粒子組成物。
- 前記ポリマー粒子(b)が、コア部に(メタ)アクリレート系重合体相を少なくとも1以上有することを特徴とする、請求項1または2に記載のポリマー粒子組成物。
- 前記ポリマー粒子(b)のコア部および/またはシェル部が、(d)多官能性単量体0.2〜5重量%を含む単量体混合物を重合してなることを特徴とする、請求項1及至3のいずれかに記載のポリマー粒子組成物。
- 前記の物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)が、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性アルギン酸誘導体、寒天、ゼラチン、カラギーナン、グルコマンナン、ペクチン、カードラン、ジェランガム、およびポリアクリル酸誘導体から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1及至4のいずれかに記載のポリマー粒子組成物。
- 前記の物理ゲルを形成する性質を有する水溶性高分子化合物(c)が、水溶性アルギン酸誘導体であることを特徴とする、請求項5に記載のポリマー粒子組成物。
- 熱可塑性樹脂(e)100重量部に対し、請求項1及至6のいずれかに記載のポリマー粒子組成物を0.5〜20重量部含有することを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂(e)が、塩化ビニル系樹脂であることを特徴とする、請求項7に記載の熱可塑性樹脂組成物。
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