JP6348615B2 - アクリル系加工助剤及びこれを含む塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

アクリル系加工助剤及びこれを含む塩化ビニル系樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6348615B2
JP6348615B2 JP2016574230A JP2016574230A JP6348615B2 JP 6348615 B2 JP6348615 B2 JP 6348615B2 JP 2016574230 A JP2016574230 A JP 2016574230A JP 2016574230 A JP2016574230 A JP 2016574230A JP 6348615 B2 JP6348615 B2 JP 6348615B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
processing aid
monomer
copolymer
acrylic processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016574230A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017538789A (ja
Inventor
キム、ユン−ホ
キム、コン−ス
ソン、キョン−ポク
Original Assignee
エルジー・ケム・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エルジー・ケム・リミテッド filed Critical エルジー・ケム・リミテッド
Publication of JP2017538789A publication Critical patent/JP2017538789A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6348615B2 publication Critical patent/JP6348615B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L33/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L33/04Homopolymers or copolymers of esters
    • C08L33/06Homopolymers or copolymers of esters of esters containing only carbon, hydrogen and oxygen, which oxygen atoms are present only as part of the carboxyl radical
    • C08L33/10Homopolymers or copolymers of methacrylic acid esters
    • C08L33/12Homopolymers or copolymers of methyl methacrylate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
    • C08F220/10Esters
    • C08F220/12Esters of monohydric alcohols or phenols
    • C08F220/14Methyl esters, e.g. methyl (meth)acrylate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F265/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00
    • C08F265/04Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00 on to polymers of esters
    • C08F265/06Polymerisation of acrylate or methacrylate esters on to polymers thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/10Esters; Ether-esters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L27/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L27/02Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L27/04Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment containing chlorine atoms
    • C08L27/06Homopolymers or copolymers of vinyl chloride

Description

関連出願との相互引用
本出願は、2015年5月13日付韓国特許出願第10-2015-0066868号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
技術分野
本発明は、樹脂の加工性及び分散性を向上させることができるアクリル系加工助剤、この製造方法、これを含む塩化ビニル系樹脂組成物、及び前記塩化ビニル系樹脂組成物由来の塩化ビニル系樹脂成形品に関する。
一般に、塩化ビニル系樹脂は塩化ビニルを50%以上含有する樹脂であって、価格が低廉で硬度の調節が容易であり、大部分の加工機器に適用可能なので応用分野が多様である。そのうえ、物理的/化学的性質、例えば、機械的強度、耐候性、耐薬品性などに優れるので、建築材料、生活用品、自動車内装材、装飾材などの多くの分野で広範囲に用いられている。しかし、塩化ビニル系樹脂は、加工温度が熱分解温度に近いため、成形可能な温度範囲が狭く、溶融状態になるまで長時間が必要となるというなどの加工上の多様な問題点がある。
前記のような問題を解決するため、塩化ビニル系樹脂に可塑剤を添加する方法、塩化ビニル系単量体に酢酸ビニルなどの他の単量体を共重合させた塩化ビニル系樹脂を用いる方法、塩化ビニル系樹脂に他の樹脂成分をブレンドして用いる方法などが知られている。
しかし、前記のような方法等は、塩化ビニル系樹脂固有の優れた物理的性質と化学的性質を保ちつつ、加工性を十分向上させ難いという問題点がある。例えば、塩化ビニル系樹脂に可塑剤を添加するか、塩化ビニル系単量体に他の単量体を共重合させた塩化ビニル系樹脂を用いる場合は、成形品の物理的性質が大きく変化するという問題点がある。
さらに、前記塩化ビニル系樹脂に他の樹脂成分をブレンドする方法は、殆ど成形加工時の溶融粘度を低下させて加工温度を低下させるという問題点がある。それだけでなく、加工時に混練エネルギーが流動によって費やされるので、塩化ビニル系樹脂のゲル化が不十分となり、これに伴い、十分ゲル化された塩化ビニル系樹脂に比べて物理的性質が低下するという問題点がある。
一方、塩化ビニル系樹脂の成形加工時にゲル化を促進させるか、成形品の見掛けを向上させるため、メチルメタクリレートを主成分とする共重合体を塩化ビニル系樹脂に取り合わせる方法が提案されたことがある。前記方法は、ゲル化の度合いが高い塩化ビニル系樹脂成形品の機械的性質及び透明性を保つ状態で加工性を向上させることができるという利点があり、前記共重合体を塩化ビニル系樹脂と取り合わせて用いる場合、カレンダー成形でシート成形するときに発生するエアマーク(air mark)を減少させることができるという利点がある。しかし、前記方法は、シートの表面にフローマーク(flow mark)を発生させて成形品の品質を低下させるという問題点がある。
併せて、最近は成形技術や配合技術の向上とともに、シートの表面に発生するフローマークの問題が重要視されており、フローマークを減少させる技術の開発に対する要求が高まっている。
例えば、米国特許公報第6,730,741号は、メチルメタクリレート(70重量%から90重量%)とそれ以外のアクリレートのうち1種(10重量%から30重量%)とからなる、分子量が700,000g/molから2,000,000g/molである共重合体と、メチルメタクリレート(30重量%以上)と、それ以外の他のアクリレートとメタクリレートのうち1種とからなる、分子量が100,000g/molから500,000g/molである共重合体とをラテックス状態でブレンドして、塩化ビニル樹脂の加工性を向上し、未ゲル化物及びフローマークの発生を調節する方法に対して開示している。しかし、前記方法はフローマークの減少とロール剥離性の改善の効果を奏したが、その効果が不十分なので未ゲル化物の発生の余地が相変らず存在するという問題点がある。
さらに、米国特許公報第7,432,320号は、メタクリル酸メチル(51重量%から100重量%)、これを除いたメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルのうち1種の単量体(0重量%から49重量%)、並びにこれらと共重合可能なビニル系単量体(0重量%から20重量%)からなる単量体混合物(A)を重合した比粘度が0.7以上である1段重合体と、前記1段重合体の存在下でメタクリル酸メチル(0重量%から49重量%)、これを除いたメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルのうち1種の単量体(51重量%から100重量%)、並びにこれらと共重合可能なビニル系単量体(0重量%から20重量%)からなる単量体混合物(B)を重合し、2段重合体を前記1段重合体の外層に形成させた比粘度が0.5以上である塩化ビニル系樹脂用加工助剤を開示している。前記加工助剤は、メタクリル酸メチルの割合が高い1段重合体(内層)と、メタクリル酸メチル以外のアクリル系化合物の割合が高い2段重合体(外層)とからなるようにすることにより、少量の使用でも塩化ビニル系樹脂組成物のゲル化性、加工性及び発泡性を改善させる効果があるが、カレンダー成形におけるフローマークに及ぼす影響や粘着性の特性が分からない。
併せて、韓国公開特許第10-2011-0040510号は、メチルメタクリレート単量体、アルキルアクリレート単量体及びアルキルメタクリレートのうち1種以上を重合して形成された、ガラス転移温度が-10℃以下で、相対粘度が1.2から10である第1重合体の0.1から30重量部と、メチルメタクリレート単量体、アルキルアクリレート単量体及びアルキルメタクリレート単量体のうち1種以上を重合して形成された第2重合体の70から99.9重量部とを含む、ガラス転移温度が10℃から55℃であるアクリル系組成物を開示している。前記組成物は、第1重合体と第2重合体のガラス転移温度及び相対粘度を調節して製造されることにより、塩化ビニル系樹脂の発泡性、フィッシュアイ特性及び機械的物性を改善させる効果があるが、加工性、粘着性、及びカレンダー成形時に発生するフローマークなどに対する効果は分からない。
したがって、塩化ビニル系樹脂を多様な分野に容易に適用するためには、前記塩化ビニル系樹脂の加工性を向上させることができるので、未ゲル化物(fish-eye)の発生を抑制させることができるとともに、成形加工時のエアマーク及びフローマークの発生、並びに粘着性の増加を抑制させることができる加工助剤の開発が必要な実情である。
米国特許第6730741号明細書 米国特許第7432320号明細書 韓国公開特許第10-2011-0040510号公報
本発明は、前記のような従来の技術の問題を解決するために案出されたものであって、塩化ビニル系樹脂のような樹脂の加工性を向上させ、カレンダー成形のような樹脂の成形加工時に発生するエアマーク及びフローマークの発生を抑制することができ、耐粘着性を向上させることができるアクリル系加工助剤を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、前記アクリル系加工助剤の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、前記アクリル系加工助剤を含む塩化ビニル系樹脂組成物、及び前記塩化ビニル系樹脂組成物由来の塩化ビニル系樹脂成形品を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、第1共重合体の75重量%から95重量%;及び第2共重合体の5重量%から25重量%を含み、前記第2共重合体は、下記化学式(1)で表されるポリエチレングリコール系単量体を含むものであるアクリル系加工助剤を提供する。
前記化学式(1)中、Aはアクリレートまたはメタクリレートであり、nは3から14の整数である。
さらに、本発明は、重量平均分子量(Mw)が1,000,000から2,000,000である第1共重合体ラテックスを製造する段階(段階1);及び前記第1共重合体ラテックスの75重量%から95重量%に単量体混合物の5重量%から25重量%を添加して重合し、重量平均分子量(Mw)が400,000から800,000である第2共重合体ラテックスを製造する段階(段階2)を含むアクリル系加工助剤の製造方法を提供する。
併せて、本発明は、塩化ビニル系樹脂の100重量部;及び前記アクリル系加工助剤の0.1重量部から5重量部を含む塩化ビニル系樹脂組成物、及び前記組成物由来の塩化ビニル系樹脂成形品を提供する。
本発明に係るアクリル系加工助剤は、樹脂(例えば、塩化ビニル系樹脂)の加工助剤として用いられて前記樹脂のゲル化を促進させることにより加工性を向上させることができるので、未ゲル化物(fish-eye)の発生を抑制させることができ、成形加工時(例えば、カレンダー成形)に前記樹脂の溶融を促進させ、エアマーク及びフローマークの発生を抑制させて耐粘着性を向上させることにより、製造された前記樹脂の表面特性を向上させることができる。
さらに、本発明に係る塩化ビニル系樹脂成形品は、前記アクリル系加工助剤を用いて製造されることにより、加工性が向上して未ゲル化物(fish-eye)の発生が少なく、表面特性が向上してエアマーク及びフローマークの発生が殆どなく、耐粘着性が向上され得る。
したがって、本発明に係る前記アクリル系加工助剤、及びこれを利用して製造された塩化ビニル系樹脂成形品は、これを要する産業、例えば、樹脂の加工助剤産業及び塩化ビニル系樹脂産業に容易に適用可能である。
本明細書の次の図面等は本発明の好ましい実施形態を例示するものであり、前述した発明の内容とともに本発明の技術思想をさらに理解させる役割を担うものなので、本発明はかかる図面に記載の事柄だけに限定して解釈されてはならない。
本発明の一実施形態に係るポリ塩化ビニル樹脂シートの加工性の評価基準を示したイメージである。
以下、本発明に対する理解を助けるため、本発明をさらに詳しく説明する。
本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自身の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるという原則に即し、本発明の技術的思想に適合する意味と概念として解釈されなければならない。
本発明は、樹脂、例えば、塩化ビニル系樹脂に優れた加工性及び分散特性を与えることができるアクリル系加工助剤を提供する。
本発明の一実施形態に係る前記アクリル系加工助剤は、第1共重合体の75重量%から95重量%;及び第2共重合体の5重量%から25重量%を含むことを特徴とする。
さらに、前記第2共重合体は、下記化学式(1)で表されるポリエチレングリコール(PEG)系単量体を含むことを特徴とする。
前記化学式(1)中、Aはアクリレートまたはメタクリレートであり、nは3から14の整数である。具体的には、前記Aはメタクリレートであり、nは3から14の整数であり得る。
以下、本発明の一実施形態に係る前記アクリル系加工助剤をさらに詳しく説明する。
本発明の一実施形態に係る前記アクリル系加工助剤は、前述したところのように、第1共重合体の75重量%から95重量%及び第2共重合体の5重量%から25重量%を含むものであってよく、前記第2共重合体は前記第1共重合体の外表面に位置しているものであってよい。つまり、本発明の一実施形態に係る前記アクリル系加工助剤は別途の第1共重合体と第2共重合体を含むところ、前記第2共重合体が第1共重合体の外表面に位置しているので、内層と外層からなるコア-シェル構造の形状を表すものであり得る。
前記第1共重合体の平均粒径(D50)は130nmから230nmであってよく、前記アクリル系加工助剤の平均粒径(D50)は150nmから250nmであってよい。このとき、アクリル系加工助剤の平均粒径は、前述したところのように、内層に第1共重合体;外層に第2共重合体が位置したコア-シェル構造の形状である時の平均粒径を示したものであり得る。
ここで、前記第1共重合体及びアクリル系加工助剤の平均粒径は、サブミクロン粒子サイザー(Submicron Particle Sizer)(NICOMP 380、Particle Sizing Systems)を用いて測定したものであり得る。
前記第1共重合体は、メチルメタクリレート及びアクリル酸アルキルエステル系単量体が重合されたアクリル系重合体であってよく、必要に応じて芳香族ビニル系単量体をさらに添加して重合されたアクリル系重合体であってよい。具体的には、メチルメタクリレートの70重量%から99重量%;アクリル酸アルキルエステル系単量体の1重量%から10重量%;及び芳香族ビニル系単量体の0重量%から20重量%を含むものであり得る。
さらに、前記第1共重合体は、重量平均分子量(Mw)が1,000,000から2,000,000のものであり得る。
前記メチルメタクリレート(methyl methacrylate、MMA)は、下記化学式(2)で表されるメタクリル酸のメチルエステル化合物であって、前記第1共重合体に含まれ、これを含むアクリル系加工助剤に加工性を与える役割を担うものであり得る。
本発明の一実施形態に係る前記第1共重合体は、前述したところのように、前記メチルメタクリレートを70重量%から99重量%で含むものであり得る。もし、前記メチルメタクリレートが70重量%未満で含まれる場合は、これを含む加工助剤組成物を利用して製造された樹脂(例えば、塩化ビニル系樹脂)の加工性向上の効果が僅かであり得る。
前記アクリル酸アルキルエステル系単量体は、下記化学式(3)で表される化合物であって、前記第1共重合体に含まれ、アクリル系加工助剤のガラス転移温度(Tg)を調節して溶融を促進する役割を担うものであり得る。
前記化学式(3)中、Rはアルキル基を表すものであり得る。
本発明の一実施形態に係る前記第1共重合体は、前述したところのように、前記アクリル酸アルキルエステル系単量体を1重量%から10重量%で含むものであり得る。もし、前記アクリル酸アルキルエステル系単量体が10重量%を超過して含まれる場合は、相対的に第1共重合体内のメチルメタクリレートの含量が減少し、これを含む加工助剤を利用して製造された樹脂(例えば、塩化ビニル系樹脂)の加工性が低下し得る。
前記アクリル酸アルキルエステル系単量体は、前記化学式(3)の構造を有するものであれば特に制限されるのではないが、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート及びシクロヘキシルアクリレートからなる群より選択される1種以上のものであり得る。具体的には、n-ブチルアクリレートであり得る。
一方、前記第1共重合体は、必要に応じて芳香族ビニル系単量体を20重量%以下で含むことができ、具体的には、0.01重量%から20重量%の芳香族ビニル系単量体を含むことができる。
前記芳香族ビニル系単量体は、特に制限されることなく当業界に公知の通常の物質であってよく、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、クロロスチレン及びp-メチルスチレンからなる群より選択される1種以上のものであり得る。
前記第2共重合体は、前述したところのように、前記第1共重合体の外表面に位置していてよく、このとき、前記第1共重合体と第2共重合体は、架橋されずに別途の共重合体で存在するものであり得る。前記第1共重合体は、アクリル酸アルキルエステル系単量体及び下記化学式(1)で表されるポリエチレングリコール(PEG)系単量体の重合体であってよく、必要に応じて芳香族ビニル系単量体をさらに含む重合体であってよい。具体的には、前記第2共重合体は、アクリル酸アルキルエステル系単量体の60重量%から80重量%;下記化学式(1)で表されるポリエチレングリコール系単量体の20重量%から40重量%;及び芳香族ビニル系単量体の0重量%から20重量%を含むものであり得る。
前記化学式(1)中、Aはアクリレートまたはメタクリレートであり、nは3から14の整数である。
さらに、前記第2共重合体は、重量平均分子量(Mw)が400,000から800,000のものであり得る。
前記アクリル酸アルキルエステル系単量体は、前記第2共重合体に含まれ、これを含むアクリル系加工助剤に優れた分散性を与える役割を担うものであってよく、具体的な構造及び物質は前述したところと同一であるか含まれるものであり得る。さらに、前記アクリル酸アルキルエステル系単量体は、前述したところのように、アクリル系シェル内に60重量%から80重量%で含まれ得る。もし、前記アクリル酸アルキルエステル系単量体が50重量%未満で含まれる場合は、これを含むアクリル系加工助剤の樹脂(例えば、塩化ビニル系樹脂)に対する分散性が低下することがあり、最終的に製造された樹脂(例えば、塩化ビニル系樹脂)の未ゲル化物(fish-eye、突起)特性が不良であり得る。これと逆に、前記アクリル酸アルキルエステル系単量体が80重量%を超過して含まれる場合は、第2共重合体内に前記化学式(1)で表されるポリエチレングリコール系単量体の含量が相対的に低くなり、低いガラス転移温度(Tg)により、凝集時に目的としない大きい粒子が形成されて耐粘着性が低下する問題が発生し得る。
前記化学式(1)で表されるポリエチレングリコール系単量体は、前記第2共重合体に含まれて前記第2共重合体の耐粘着性を向上させる役割を担うものであり得る。前記化学式(1)で表されるポリエチレングリコール系単量体の具体的な例には、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレートまたはこれらの組み合わせであってよく、反復単位の個数が前述したところのように3から14のものであり得る。
前記化学式(1)で表されるポリエチレングリコール系単量体は、前述したところのように、前記アクリル系シェルに20重量%から40重量%で含まれ得る。もし、前記化学式(1)で表されるポリエチレングリコール系単量体が20重量%未満で含まれる場合は、これを含むアクリル系加工助剤の粘着性改善の効果が僅かなことがあり、40重量%を超過して含まれる場合は、前記第2共重合体内に前記アクリル酸アルキルエステル系単量体の含量が過度に小さくなることがあり、これを含むアクリル系加工助剤の分散性特性が低下し得る。
一方、本発明の一実施形態に係る前記第2共重合体は、必要に応じて芳香族ビニル系単量体を20重量%以下でさらに含むことができ、具体的には、前記芳香族ビニル系単量体を0.01重量%から20重量%でさらに含むことができる。このとき、前記芳香族ビニル系単量体は、前述したところと同一であるか含まれるものであり得る。
さらに、本発明の一実施形態に係る前記アクリル系加工助剤は、特に制限されることなく、加工性の向上を要する幾多の樹脂に用いることができ、例えば、熱可塑性樹脂の加工助剤として用いられ得る。具体的には、前記アクリル系加工助剤は塩化ビニル系樹脂用加工助剤として容易に用いられ得る。
本発明の一実施形態に係る前記アクリル系加工助剤は、樹脂(例えば、塩化ビニル系樹脂)に対する分散性に優れるだけでなく、これを加工助剤として用いて製造された樹脂(例えば、塩化ビニル系樹脂)のゲル化を促進させて加工性を向上させることができ、よって、未ゲル化物(fish-eye)の発生を抑制させることができる。それだけでなく、カレンダー成形のような成形加工時に前記樹脂の溶融を促進させ、製造された成形品の表面に発生するエアマーク及びフローマークを効果的に減少させることができるので、表面特性を向上させることができる。
さらに、本発明は、前記のアクリル系加工助剤の製造方法を提供する。本発明の一実施形態に係る前記製造方法は特に制限されることなく、当業界に通常知られている乳化重合、懸濁重合または溶液重合などの方法であり得る。
具体的には、前記製造方法は、重量平均分子量(Mw)が1,000,000から2,000,000である第1共重合体を製造する段階(段階1);及び前記第1共重合体の75重量%から95重量%に単量体混合物の5重量%から25重量%を添加して重合し、重量平均分子量(Mw)が400,000から800,000である第2共重合体を製造する段階(段階2)を含むことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る前記製造方法は、第1共重合体と第2共重合体の重量平均分子量が前述したところのような範囲を有するように調節して製造することにより、加工性とフローマーク特性に優れたアクリル系加工助剤を製造することができる。もし、第1共重合体の重量平均分子量が前記範囲を外れて過度に高くなる場合、加工性は向上され得るものの、フロー特性が低下する問題が発生することがあり、第1共重合体の重量平均分子量が前記範囲を外れて過度に低くなる場合は、加工性が低下する問題が発生し得る。
前記段階1は、第1共重合体を製造するための段階であって、メチルメタクリレートとアクリル酸アルキルエステル系単量体を重合させて行うことができる。
具体的には、前記第1共重合体は、メチルメタクリレートの70重量%から99重量%とアクリル酸アルキルエステル系単量体の1重量%から10重量%を乳化重合して製造することができる。さらに、必要に応じて芳香族ビニル化合物の0重量%から20重量%を添加して重合に参加させることができる。
このとき、前記乳化重合は、特に制限されることなく、当業界に通常公知の方法を介して行うことができるが、例えば、メチルメタクリレート及びアクリル酸アルキルエステル系単量体と脱イオン水、乳化剤、重合開始剤などの添加剤を一括的に反応器に投入して反応させるか、または重合転換率の時点で分けて連続的に投入しながら反応させて行うことができる。
具体的に、メチルメタクリレート及びアクリル酸アルキルエステル系単量体の合計量(またはメチルメタクリレート、アクリル酸アルキルエステル系単量体及び芳香族ビニル系単量体の合計量)100重量部に対し、脱イオン水の70重量部から200重量部、乳化剤の0.3重量部から5重量部、重合開始剤の0.001重量部から0.3重量部を一括的に重合反応器に投入し、50℃から90℃の温度範囲で反応させる段階を含む方法によって行うことができる。このとき、前記メチルメタクリレート及びアクリル酸アルキルエステル系単量体は、それぞれ異なる構成物質または添加剤と一括的に添加されて反応させるか、重合反応の途中で数回にかけて分割投入または連続投入することができる。
前記アクリル酸アルキルエステル系単量体は、前述したところと同一であるか含まれるものであり得る。
前記乳化剤は、特に制限されることなく、当業界に公知の通常のものを用いることができ、例えば、アルキルアリールスルホネート、アルカリメチルアルキルスルフェート、スルホネート化されたアルキルエステル、脂肪酸のせっけん及びロジン酸のアルカリ塩からなる群より選択される1種以上のものであり得る。
前記重合開始剤は、特に制限されることなく、当業界に公知の通常のものを用いることができ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムまたは過硫酸アンモニウムなどの水溶性過硫酸塩系重合開始剤、過酸化水素、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、3級ブチルヒドロペルオキシド、パラメンタンヒドロペルオキシドなどの過酸化物を一成分とするレドックス系重合開始剤などを単独でまたは混合して用いることができる。
前記段階2は、前記第1共重合体の外表面に位置する第2共重合体を形成させ、アクリル系加工助剤を収得するための段階であって、前記第1共重合体の存在下で第2共重合体を形成するアクリル酸アルキルエステル系単量体と、化学式(1)で表されるポリエチレングリコール系単量体とを重合させて行うことができる。
具体的に、前記第2共重合体は、前記第1共重合体の75重量%から95重量%の存在下で第2共重合体を形成する単量体混合物の5重量%から25重量%を重合させて製造することができ、前記単量体混合物は、単量体混合物の100重量%に対し、アクリル酸アルキルエステル系単量体の60重量%から80重量%と、前記化学式(1)で表されるポリエチレングリコール系単量体の20重量%から40重量%とが混合されているものであり得る。さらに、必要に応じて芳香族ビニル系単量体を0重量%から20重量%で添加することができる。
また、前記グラフト共重合を容易に行うため、必要に応じて乳化剤、重合開始剤などの添加剤をさらに用いることができ、具体的な前記添加剤は前述したところと同一であり得る。
本発明の一実施形態に係る前記製造方法は、前記段階2以後に凝集、水洗、脱水及び乾燥のうち一つ以上の段階をさらに含むことができる。
前記凝集は、特に制限されるものではないが、例えば、30℃から60℃の温度範囲で凝集剤を投入して行うことができ、前記凝集剤の投入は、一定時間の間連続的に投入するか、一括投入または同等の量を数回にかけて分割投入することであり得る。
前記凝集剤は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどの金属塩、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸などの無機酸及び有機酸などを用いることができ、これに制限されるものではない。
前記水洗、脱水及び乾燥は、特に制限されることなく、当業界に通常の方法によって行うことができる。
併せて、本発明は、前記アクリル系加工助剤を含む塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。
本発明の一実施形態に係る前記塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂の100重量部;及び前記アクリル系加工助剤の0.1重量部から5重量部を含むことを特徴とする。
本発明で用いられる用語『組成物(composition)』は、幾多の成分で作製された物質を表すものであって、幾多の成分が互いに混合されている状態、幾多の成分が互いに混合して凝集されている状態などを意味するものであり得る。
本発明の一実施形態に係る前記塩化ビニル系樹脂は、純粋に塩化ビニル単量体からなる重合体だけでなく、塩化ビニル単量体を主体にして前記塩化ビニル単量体と共重合可能なビニル系単量体との共重合体を含むものであり得る。このとき、前記塩化ビニル系樹脂が塩化ビニル単量体とビニル系単量体の共重合体である場合は、前記共重合体内に塩化ビニルが50%以上含まれていることが好ましいといえる。
前記塩化ビニル系単量体と共重合が可能なビニル系単量体としては、特に制限されるものではないが、エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン(olefin)化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどのビニルエステル(vinyl ester)類、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルオクチルエーテル、ビニルラウリルエーテルなどのビニルアルキルエーテル類、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン(vinylidene)類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和脂肪酸及びこれら脂肪酸の無水物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ブチルベンジルなどの不飽和脂肪酸エステル(ester)類、ジアリルフタレートなどの架橋性単量体などであってよく、前記ビニル系単量体は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
さらに進んで、本発明は、前記塩化ビニル系樹脂組成物由来の塩化ビニル系樹脂成形品を提供する。
ここで『塩化ビニル系樹脂組成物由来』とは、塩化ビニル系樹脂組成物から製造された、または塩化ビニル系樹脂組成物を加工して製造されたなどの意味に解釈されるものであり得る。さらに、『塩化ビニル系樹脂成形品』とは、前記組成物を加工して製造された特定の形態を有する或る物品を表すものであるか、前記組成物から製造された塩化ビニル系樹脂を全般的に表すものであり得る。
本発明に係る前記塩化ビニル系樹脂成形品は、前記アクリル系加工助剤を加工助剤として用いることにより、未ゲル化物(fish-eye)、エアマーク及びフローマークの発生の程度が少なく、耐粘着性が向上して表面特性に優れるといえる。
以下、実施例及び実験例を介し、本発明をさらに詳しく説明する。ところが、下記実施例及び実験例は本発明を例示するためのものであって、これらだけに本発明の範囲が限定されるものではない。
下記、実施例に用いられた各成分の重量部は、アクリル系加工助剤の製造に用いられた全ての単量体の合計量を100重量部にして示したものであって、このとき、前記単量体はメチルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートを含むものである。
<実施例1>
撹拌器付きの8Lの重合反応器に、脱イオン水の50重量部、ラウリル硫酸ナトリウムの0.1重量部を投入したあと、反応器の内部を窒素ガスで十分に置換し、内部の温度を75℃まで昇温させた。その後、メチルメタクリレートの80重量部とn-ブチルアクリレートの5重量部を脱イオン水の85重量部及びラウリル硫酸ナトリウムの0.25重量部と混合し、過硫酸カリウムの0.03重量部とともに3時間の間前記反応器に連続的に投入した。0.5時間の間に反応器の内部温度75℃で追加反応を進めて第1共重合体ラテックスを製造した。
その後、前記製造された第1共重合体ラテックスが入っている反応器に、n-ブチルアクリレートの10重量部とポリエチレングリコールメタクリレート(n=6、Mn=360)の5重量部を脱イオン水の15重量部及びラウリル硫酸ナトリウムの0.15重量部と混合し、過硫酸カリウムの0.02重量部とともに1時間の間連続的に投入し、0.5時間の間に同一の温度条件で更に反応を進めて第1共重合体の外表面上に第2共重合体を形成させたアクリル系加工助剤ラテックスを製造した。このとき、アクリル系加工助剤ラテックスの重合転換率は98%であり、ラテックス内のアクリル系加工助剤の平均粒径は180nmであった。
収得された前記アクリル系加工助剤ラテックスに塩化カルシウムを処理して凝集し、水洗及び乾燥してアクリル系加工助剤粉末を得た。
<実施例2>
アクリル系シェルを形成させるための段階として、n-ブチルアクリレートを12重量部、ポリエチレングリコールメタクリレートを3重量部で用いたことを除き、前記実施例1と同様の方法を介してアクリル系加工助剤粉末を得た。
<実施例3>
アクリル系シェルを形成させるための段階として、n-ブチルアクリレートを9重量部、ポリエチレングリコールメタクリレートを6重量部で用いたことを除き、前記実施例1と同様の方法を介してアクリル系加工助剤粉末を得た。
<比較例1>
アクリル系シェルを形成させるための段階として、n-ブチルアクリレートを15重量部で用い、ポリエチレングリコールメタクリレートを用いていないことを除き、前記実施例1と同様の方法を介してアクリル系加工助剤粉末を得た。
<比較例2>
アクリル系シェルを形成させるための段階として、n-ブチルアクリレートを13.5重量部、ポリエチレングリコールメタクリレートを1.5重量部で用いたことを除き、前記実施例1と同様の方法を介してアクリル系加工助剤粉末を得た。
<比較例3>
アクリル系シェルを形成させるための段階として、n-ブチルアクリレートを7.5重量部、ポリエチレングリコールメタクリレートを7.5重量部で用いたことを除き、前記実施例1と同様の方法を介してアクリル系加工助剤粉末を得た。
[実験例]
前記実施例1から3及び比較例1から3で製造した各アクリル系加工助剤の加工助剤としての特性を比較分析するため、前記各アクリル系加工助剤粉末を含む塩化ビニル系樹脂の試片を製造し、未ゲル化物(fish-eye)の発生の程度、エアマークの発生の程度、フローマーク(flow mark)の発生の程度及び耐粘着性を比較分析した。結果を下記表1に示した。
1)未ゲル化物(fish-eye)特性の測定
ポリ塩化ビニル樹脂化合物100g、前記ポリ塩化ビニル樹脂化合物100重量部に対し、ジオクチルフタレート(DOP)50重量部、並びに前記実施例1から実施例3及び比較例1から比較例3の各アクリル系加工助剤の10重量部を混合してポリ塩化ビニル樹脂組成物を製造した。このとき、前記ポリ塩化ビニル樹脂化合物は、ポリ塩化ビニル樹脂(LS-080S、LG化学)の100重量部、錫系熱安定剤(OT-700R、ソンウォン産業)の1.5重量部、滑剤A(G-16、Loxiol)の1重量部、滑剤B(G-70S、Loxiol)の0.5重量部の混合物である。製造されたポリ塩化ビニル樹脂組成物を、180℃の6インチ2ロールで回転速度20rpm、フリクション(friction)-15%で2分間加工して0.5mm厚さのシートを製造し、シートの中央部位10cm×10cm内の未ゲル化物(未溶融ゲル)の個数を観察した。個数が多いほど、加工特性が良好でないことを表す。
2)フローマーク特性の測定
ポリ塩化ビニル樹脂化合物150g、前記ポリ塩化ビニル樹脂化合物100重量部を基準に、前記実施例1から実施例3及び比較例1から比較例3の各アクリル系加工助剤粉末の2重量部を混合してポリ塩化ビニル樹脂組成物を製造した。このとき、前記ポリ塩化ビニル樹脂化合物は、ポリ塩化ビニル樹脂(LS-080S、LG化学)の100重量部、錫系熱安定剤(OT-700R、ソンウォン産業)の1.5重量部、滑剤A(G-16、Loxiol)の1重量部、滑剤B(G-70S、Loxiol)の0.5重量部の混合物である。前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物を、200℃の6インチ2ロールで回転速度15rpm、フリクション0%で3分間加工して0.5mm厚さのシートを製造し、シートの長さを測定した。シートの長さが短いほど、フローマーク特性が良好でないことを表す。
3)加工性の測定
ポリ塩化ビニル樹脂化合物150g、前記ポリ塩化ビニル樹脂化合物100重量部を基準に、前記実施例1から実施例3及び比較例1から比較例3の各アクリル系加工助剤粉末の2重量部を混合してポリ塩化ビニル樹脂組成物を製造した。このとき、前記ポリ塩化ビニル樹脂化合物は、ポリ塩化ビニル樹脂(LS-080S、LG化学)の100重量部、錫系熱安定剤(OT-700R、ソンウォン産業)の1.5重量部、滑剤A(G-16、Loxiol)の1重量部、滑剤B(G-70S、Loxiol)の0.5重量部の混合物である。前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物を、185℃の6インチ2ロールで回転速度20rpm、フリクション-10%で3分間加工して0.5mm厚さのシートを製造した。製造された各シートは表面の状態に基づいて評価し、評価の基準は図1に示した通りである。
4)粘着性の測定
ポリ塩化ビニル樹脂化合物150g、前記ポリ塩化ビニル樹脂化合物100重量部を基準に、前記実施例1から実施例3及び比較例1から比較例3の各アクリル系加工助剤粉末の5重量部を混合してポリ塩化ビニル樹脂組成物を製造した。このとき、前記ポリ塩化ビニル樹脂化合物は、ポリ塩化ビニル樹脂(LS-080S、LG化学)の100重量部、錫系熱安定剤(OT-700R、ソンウォン産業)の1.5重量部、滑剤A(G-16、Loxiol)の1重量部、滑剤B(G-70S、Loxiol)の0.5重量部の混合物である。前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物を、200℃でロール回転速度15 rpm、フリクション0%で3分間加工して0.5mm厚さのシートを製造した。製造された各シートを洗浄作業なく5回の繰り返し加工を進め、一番目の加工で製造されたシートと五番目の加工で製造されたシートとの間の厚さの割合で粘着性を評価した。100%に近いほど粘着性が低いことを表す。
前記表1に示されているところのように、本発明の一実施形態に係る実施例1から実施例3のアクリル系加工助剤を利用して製造された各ポリ塩化ビニル樹脂シートが、比較例1から比較例3のアクリル系加工助剤を利用して製造された各ポリ塩化ビニル樹脂シートに比べて、未ゲル化物(fish-eye)特性、フローマーク特性、加工性及び粘着性において全般的に優れた特性を示した。
具体的に、ポリエチレングリコール系単量体を含んでいない比較例1のアクリル系加工助剤を利用して製造されたポリ塩化ビニル樹脂シート、及び、ポリエチレングリコール系単量体を含むものの、本発明の一実施形態で提示する最小含量の割合(20重量%)未満で含む比較例2のアクリル系加工助剤を利用して製造されたポリ塩化ビニル樹脂シートは、実施例1から実施例3のアクリル系加工助剤を利用して製造されたポリ塩化ビニル樹脂シートに比べ、未ゲル化物特性及びフローマーク特性は類似の水準を示したが、加工性は低下し、粘着性を表す割合は100%を大きく外れた。これは、加工時に粘着が大きく起きて耐粘着性が大幅に低下することを表す結果である。
さらに、ポリエチレングリコール系単量体を含むものの、本発明の一実施形態で提示する最大含量の割合(40重量%)を超過して含む比較例3のアクリル系加工助剤を利用して製造されたポリ塩化ビニル樹脂シートは、実施例1から実施例3のアクリル系加工助剤を利用して製造されたポリ塩化ビニル樹脂シートに比べ、未ゲル化物が少なくは約3.3倍、多くは5倍さらに発生し、加工性が大幅に低下してフローマーク特性も低下した。
前記結果に示されているところのように、本発明の一実施形態に係るアクリル系加工助剤は、ポリエチレングリコール系単量体を特定含量の割合で含むことにより、これを利用して製造された塩化ビニル系樹脂の未ゲル化物特性、フローマーク特性、加工性及び耐粘着性を向上させる効果がある。

Claims (14)

  1. 第1共重合体の75重量%から95重量%;及び第2共重合体の5重量%から25重量%を含み、
    前記第2共重合体は、下記化学式(1)で表されるポリエチレングリコール系単量体を含むアクリル系加工助剤であって、
    前記アクリル系加工助剤は、塩化ビニル系樹脂用のものであり、
    前記アクリル系加工助剤は、コア−シェル構造を有する
    アクリル系加工助剤。
    前記化学式(1)中、
    Aはアクリレートまたはメタクリレートであり、
    nは3から14の整数である。
  2. 前記化学式(1)中、Aはメタクリレートであり、nは3から14の整数のものである請求項1に記載のアクリル系加工助剤。
  3. 前記第1共重合体は、メチルメタクリレートの70重量%から99重量%;アクリル酸アルキルエステル系単量体の1重量%から30重量%;及び芳香族ビニル系単量体の0重量%から20重量%を含むものである請求項1または2に記載のアクリル系加工助剤。
  4. 前記第2共重合体は、アクリル酸アルキルエステル系単量体の60重量%から80重量%;前記化学式(1)で表される化合物の20重量%から40重量%;及び芳香族ビニル系単量体の0重量%から20重量%を含むものである請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクリル系加工助剤。
  5. 前記アクリル酸アルキルエステル系単量体は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート及びシクロヘキシルアクリレートからなる群より選択される1種以上のものである請求項3または請求項4に記載のアクリル系加工助剤。
  6. 前記芳香族ビニル系単量体は、スチレン、α-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、クロロスチレン及びp-メチルスチレンからなる群より選択される1種以上のものである請求項3〜5のいずれか一項に記載のアクリル系加工助剤。
  7. 前記第1共重合体は、重量平均分子量(Mw)が1,000,000から2,000,000のものである請求項1〜6のいずれか一項に記載のアクリル系加工助剤。
  8. 前記第2共重合体は、重量平均分子量(Mw)が400,000から800,000のものである請求項1〜7のいずれか一項に記載のアクリル系加工助剤。
  9. 1)重量平均分子量(Mw)が1,000,000から2,000,000である第1共重合体を製造する段階;及び
    2)75重量部から95重量部の前記第1共重合体に5重量部から25重量部の単量体混合物を添加して重合し、重量平均分子量(Mw)が400,000から800,000である第2共重合体を製造する段階を含む請求項1に記載のアクリル系加工助剤の製造方法。
  10. 前記段階1)の第1共重合体ラテックスは、メチルメタクリレートの70重量%から99重量%;アクリル酸アルキルエステル系単量体の1重量%から30重量%;及び芳香族ビニル系単量体の0重量%から20重量%を重合させて製造されたものである請求項9に記載のアクリル系加工助剤の製造方法。
  11. 前記段階2)の単量体混合物は、単量体混合物の100重量%に対し、アクリル酸アルキルエステル系単量体の60重量%から80重量%;下記化学式(1)で表されるポリエチレングリコール系単量体の20重量%から40重量%;及び芳香族ビニル系単量体の0重量%から20重量%が混合されているものである請求項9または10に記載のアクリル系加工助剤の製造方法:
    前記化学式(1)中、
    Aはアクリレートまたはメタクリレートであり、
    nは3から14の整数である。
  12. 前記製造方法は、前記段階2)以後に凝集、水洗及び乾燥のうち少なくとも一つ以上の段階をさらに含むものである請求項9〜11のいずれか一項に記載のアクリル系加工助剤の製造方法。
  13. 塩化ビニル系樹脂の100重量部;及び
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のアクリル系加工助剤の0.1重量部から5重量部を含む塩化ビニル系樹脂組成物。
  14. 請求項13に記載の塩化ビニル系樹脂組成物由来の塩化ビニル系樹脂成形品。
JP2016574230A 2015-05-13 2016-05-11 アクリル系加工助剤及びこれを含む塩化ビニル系樹脂組成物 Active JP6348615B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2015-0066868 2015-05-13
KR1020150066868A KR101957854B1 (ko) 2015-05-13 2015-05-13 아크릴계 가공조제 및 이를 포함하는 염화비닐계 수지 조성물
PCT/KR2016/004927 WO2016182338A1 (ko) 2015-05-13 2016-05-11 아크릴계 가공조제 및 이를 포함하는 염화비닐계 수지 조성물

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017538789A JP2017538789A (ja) 2017-12-28
JP6348615B2 true JP6348615B2 (ja) 2018-06-27

Family

ID=57249031

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016574230A Active JP6348615B2 (ja) 2015-05-13 2016-05-11 アクリル系加工助剤及びこれを含む塩化ビニル系樹脂組成物

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10059837B2 (ja)
JP (1) JP6348615B2 (ja)
KR (1) KR101957854B1 (ja)
WO (1) WO2016182338A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102088755B1 (ko) * 2017-07-14 2020-03-13 주식회사 엘지화학 아크릴계 공중합체 제조방법, 아크릴계 공중합체, 및 이를 포함하는 수지 조성물
KR101887638B1 (ko) * 2017-09-27 2018-08-10 한화케미칼 주식회사 염화비닐계 수지 조성물 및 이의 제조 방법
AU2018432075A1 (en) * 2018-07-10 2021-01-28 Dow Global Technologies Llc Aqueous dispersion of multistage polymer particles and process of making the same
KR101956136B1 (ko) 2018-07-30 2019-03-08 한화케미칼 주식회사 염화비닐계 공중합체 및 이의 제조 방법

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0665459A (ja) * 1992-08-21 1994-03-08 Nippon Oil & Fats Co Ltd ポリ塩化ビニル系樹脂組成物
JPH115967A (ja) * 1997-06-17 1999-01-12 Asahi Glass Co Ltd 樹脂用帯電防止剤、樹脂組成物、および該樹脂組成物を成形した成形体
MY129262A (en) 1998-08-28 2007-03-30 Kaneka Corp Processing aid for vinyl chloride resin and vinyl chloride resin composition
US7432320B2 (en) 1998-08-28 2008-10-07 Kaneka Corporation Processing aid for vinyl chloride resin and vinyl chloride resin composition
WO2000071616A1 (fr) 1999-05-19 2000-11-30 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Additif, composition de resine de chlorure de vinyle contenant cet additif, et procede pour produire des pieces moulees au moyen de cet additif
US6537724B1 (en) * 1999-11-02 2003-03-25 Hyundai Electronics Industries Co., Ltd. Photoresist composition for resist flow process, and process for forming contact hole using the same
JP3915470B2 (ja) * 2001-10-23 2007-05-16 大日本インキ化学工業株式会社 軟質アクリル樹脂組成物及びそれを用いた成形物
KR100465278B1 (ko) * 2002-04-03 2005-01-13 한국과학기술연구원 자외선 경화형 젤형 고분자 전해질을 이용한 전기이중층캐패시터
KR100505505B1 (ko) * 2002-11-28 2005-07-29 주식회사 엘지화학 가공 보조제 공중합체 조성물
KR100548630B1 (ko) * 2003-09-04 2006-01-31 주식회사 엘지화학 아크릴계 공중합체 조성물, 이를 제조하는 방법 및 이를포함하는 염화비닐계 수지 조성물
JP4625021B2 (ja) * 2003-12-30 2011-02-02 エルジー・ケム・リミテッド 耐衝撃性及び粉末流動性に優れた高分子ラテックス及びその製造方法
KR101253814B1 (ko) 2009-10-14 2013-04-15 주식회사 엘지화학 아크릴계 중합체 조성물, 이의제조방법 및 이를 포함하는 염화비닐 수지 조성물
US8513355B2 (en) * 2010-03-30 2013-08-20 Lg Chem, Ltd. Graft copolymer improving adhesion resistance and impact strength, method of preparing the same, and PVC composition comprising the same
KR101984800B1 (ko) * 2010-07-09 2019-05-31 루브리졸 어드밴스드 머티어리얼스, 인코포레이티드 구조화된 아크릴레이트 코폴리머 증점제
KR101524057B1 (ko) 2011-03-29 2015-05-29 유엠지 에이비에스 가부시키가이샤 아크릴 고무계 그래프트 공중합체, 및 열가소성 수지 조성물
US10039859B2 (en) * 2013-09-09 2018-08-07 Uab Ferentis Transparent hydrogel and method of making the same from functionalized natural polymers

Also Published As

Publication number Publication date
US10059837B2 (en) 2018-08-28
US20170198130A1 (en) 2017-07-13
WO2016182338A1 (ko) 2016-11-17
KR20160133830A (ko) 2016-11-23
JP2017538789A (ja) 2017-12-28
KR101957854B1 (ko) 2019-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3631361B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP6348615B2 (ja) アクリル系加工助剤及びこれを含む塩化ビニル系樹脂組成物
JP6573933B2 (ja) アクリル系加工助剤及びこれを含む塩化ビニル系樹脂組成物
JP3631360B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP4901468B2 (ja) アクリル共重合体組成物、アクリル共重合体の調製方法、及びアクリル共重合体を含む塩化ビニル樹脂組成物
KR101672587B1 (ko) 아크릴계 공중합체 라텍스, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 염화비닐계 수지 조성물
JP5231015B2 (ja) (メタ)アクリル系重合体およびこれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物
JP2515014B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP4922022B2 (ja) (メタ)アクリル系共重合体粉体、及びこれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物
JP5128736B2 (ja) 加工性改良剤およびそれを含む塩化ビニル系樹脂組成物
KR101997521B1 (ko) 아크릴계 가공조제, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 염화비닐계 수지 조성물
JPS61133257A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
WO2004039887A1 (ja) 熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤およびそれを含む熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、ならびにそれからなる成形体
JP2007070443A (ja) 塩化ビニル系樹脂用粘着改良剤および塩化ビニル系樹脂組成物
JPH06240086A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法
JP2005307118A (ja) 熱可塑性ポリエステル樹脂用増粘剤およびこれを配合してなる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物
JPH06192535A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPS62280247A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
CN115427469A (zh) 制备接枝共聚物的方法、接枝共聚物和包含该接枝共聚物的树脂组合物
JP2019178228A (ja) グラフト共重合体の製造方法、塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法及び塩化ビニル系樹脂組成物
JP2005089605A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2006193540A (ja) ポリ乳酸系樹脂組成物
JP2005146139A (ja) アクリル系重合体粉末、アクリルゾル及び成形物
JP2019178227A (ja) グラフト共重合体の製造方法、及び塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法
JPH11279353A (ja) ポリハロゲン化エチレン樹脂コンパウンド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170626

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180320

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6348615

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250