JPH0247504B2 - - Google Patents

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JPH0247504B2
JPH0247504B2 JP57061397A JP6139782A JPH0247504B2 JP H0247504 B2 JPH0247504 B2 JP H0247504B2 JP 57061397 A JP57061397 A JP 57061397A JP 6139782 A JP6139782 A JP 6139782A JP H0247504 B2 JPH0247504 B2 JP H0247504B2
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JP
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titanium oxide
weight
vinyl chloride
chloride resin
monomer
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JP57061397A
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JPS58179254A (ja
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Haruhiko Yusa
Mitsuru Hoshino
Harunori Isaka
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Kureha Corp
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Kureha Corp
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Publication date
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Publication of JPH0247504B2 publication Critical patent/JPH0247504B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は耐候性に優れ、加工性、機械的性質共
に満足し得る塩化ビニル樹脂組成物に関するもの
である。 周知の如く、塩化ビニル樹脂組成物から得られ
る成形物であつて、特に屋外での使用を目的とす
るパイプ、建材などについては、その耐候性を高
める目的で酸化チタンを塩化ビニル樹脂に配合す
る方法が知られている。 しかしながら、酸化チタンを配合した塩化ビニ
ル樹脂組成物を押出成形すると、押出機のシリン
ダー部内壁、特にダイス部分に主として塩化ビニ
ル樹脂組成物中の安定剤と、酸化チタンとからな
る白色固形状の付着物が生じ、これが押出成形物
の表面に不均一に付着し(プレートアウト)外観
不良を起し成形物の価値を損う。このため、押出
機の清掃を度々行なう必要が生じ、作業能率が大
幅に低下し不利である。この現象は安定剤として
鉛系化合物を用いた時に特に顕著である。 酸化チタンは表面が極めて親水性であるために
塩化ビニル樹脂に対する相溶性が不足し、良く塩
化ビニル樹脂とぬれ合わないことが原因になつて
おり、この点を改良するためこれまで多くの研究
が行なわれている。金属塩、界面活性剤、あるい
はシランカツプリング剤等で酸化チタンを表面処
理する方法、又は酸化チタン配合塩化ビニル樹脂
組成物にトリポリリン酸ソーダー等のポリリン酸
塩や、各種シリカ化合物を添加する方法、さらに
はジオルガノポリシロキサンと多価アルコールを
併用配合する方法等が報告されている。確かに、
これらの方法で得られた塩化ビニル樹脂組成物は
酸化チタンの塩化ビニル樹脂に対する分散性をあ
る程度改良する効果は認められるがまだ満足すべ
きものではない。 また一方、酸化チタンと相互作用を持つ各種官
能性単量体を酸化チタン表面で重合させることに
より、酸化チタン表面を、重合体で被覆する方法
(USP3.133.893)又は水に不溶の重合体を非水溶
媒に溶解させてなる重合体溶液に酸化チタンを分
散させ、酸化チタン表面を該重合体で被覆する方
法(USP3.519.593)などが報告されている。こ
れらの方法は確かに酸化チタン表面を有機性にし
て塩化ビニル樹脂との相溶性を改良する効果が顕
著であるが、酸化チタンの優れた隠蔽力を低下さ
せたり、成形物の機械的物性を損うなどの欠点が
みられまだ、十分に満足すべきものではない。 このように重合体で表面被覆された酸化チタン
の欠点は多くの場合表面処理の過程で酸化チタン
粒子が凝集化し、かえつて成形物中の酸化チタン
の分散単位が大きくなることに原因している。こ
の問題に関してはヘキサメタリン酸ソーダーやト
リポリリ酸塩などの分散液を用いて酸化チタンを
表面処理前に解こうさせる方法(USP3.884.871)
が報告されている。しかし、酸化チタン表面を重
合体で被覆しようとする場合、上記分散液で酸化
チタンも前もつて十分に解こうしておいても、酸
化チタン表面で重合させる単量体の添加量の多少
によつて分散単位が決定される。 すなわち、酸化チタン粒子の凝集化現象をでき
るかぎり防ぎつつ酸化チタン粒子の表面を重合体
で被覆すると、酸化チタンの表面改質に用いる重
合体の量が自ずから限定され、酸化チタンに対
し、20重量%以下、好ましくは10重量%以下でな
ければその目的を達成できない。 しかし、表面改質に用いる単量体の量が20重量
%以下量では造粒効果が小さく表面改質された酸
化チタンを回収する際、過抵抗が大きすぎた
り、乾燥時に固形化し粉砕工程を必要とすること
になり、製造性の面であまり好ましくない。ま
た、固く固形化した改質酸化チタンは良く粉砕し
ても加工成形時に、一部溶融しにくい部分が大き
な分散単位となつて、物性を低下させる。 本発明者らは分散性と製造性の両面を合わせ持
ち、しかも塩化ビニル樹脂に配合する改質酸化チ
タンに関し、鋭意研究した結果、分散性の良好な
かつ脱水および乾燥工程で全く問題がなく極めて
取扱い性に優れ、白色度、機械的物性にも優れる
表面改質酸化チタンの製造方法を開発することに
成功し、本発明に到達した。 さらに詳しく述べるならば、 まず、酸化チタン粉末を水媒体に1μm前後で
分散させ、次にこの粒径を保ちつつメタクリル酸
およびアクリロニトリルから選択される官能基を
有するビニル系単量体を含む混合単量体をこの水
分散系に添加し重合することにより該酸化チタン
表面を親油化して改質酸化チタンを得る。しかし
このままでは、該改質酸化チタンは、水媒体中か
ら回収することがむずかしい。これを改良するた
めにメタクリル酸メチル単独もしくはメタクリル
酸メチルを50重量%以上含むアクリル酸ブチルと
の混合単量体を後重合させる。この役割は重合過
程で、前記改質酸化チタンを凝集化し、脱水、乾
燥工程における改質酸化チタンの回収を容易にす
ることにある。しかも後重合により形成される
(共)重合体成分は該改質酸化チタンの塩化ビニ
ル樹脂に対する分散性を改良することが認めら
れ、上記した製造性及び分散改良効果の面に著し
い効果のあることを見出したものである。 即ち本発明は、水系媒体中に分散した酸化チタ
ン100重量部の存在下に、(A)メタクリル酸および
アクリロニトリルから選択される官能基を有する
ビニル系単量体0.5〜15重量部と、メタクリル酸
メチルおよびアクリル酸メチルから選択される少
なくとも1種のビニル系単量体との混合単量体の
合計量1〜20重量部を共重合し、酸化チタン表面
を該共重合体で被覆した後、さらに(B)メタクリル
酸メチル単独もしくはメタクリル酸メチルを50重
量%以上含むアクリル酸ブチルとの混合単量体1
〜100重量部を重合させることにより得られた改
質酸化チタンを塩化ビニル樹脂に配合し、該組成
物中の酸化チタン含量を0.05〜30重量%にして成
ることを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物を提供
するものである。 次に本発明を詳細に説明する。本発明に使用さ
れる酸化チタンは一般に市販されているものすべ
てを用いることができる。結晶形としてはルチル
形、アナターゼ形があるが耐候性向上の目的のた
めにはルチル形が好ましい。 酸化チタンの平均粒径は特に制限されるもので
はないが、表面処理にあたり酸化チタンが水系媒
体中にその1次粒径(平均粒径1μm前後)に近
い大きさで分散されることが好ましい。好ましい
酸化チタンの分散単位は酸性に調整された水系媒
体へ酸化チタン粉末を投入し撹拌することにより
実現される。特に水系媒体はPH2〜4に調整され
ることが好ましい。水系媒体は必要に応じて、メ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等の水に可溶のアルコールを50重量
%まで含むことができる。水系媒体中のアルコー
ルは、単量体の水系媒体に対する溶解度を変化さ
せ、酸化チタンの表面を均一に重合体で被覆する
効果を発揮する。水系媒体は酸化チタンに対し
200〜500重量%が好適に用いられる。 本発明の目的を達成するために必要である官能
基を有するビニル系単量体としては、酸化チタン
粒子表面に吸着可能な官能基であるカルボン酸基
またはシアン基を有するビニル系単量体であるア
クリル酸またはアクリロニトルが用いられる。官
能基を有するビニル系単量体は、最終的に物性に
悪影響を与えない範囲で、即ち、酸化チタン100
重量部に対して0.5〜15重量部の範囲で添加され
る。 官能基を有するビニル系単量体と共重合可能な
ビニル系単量体としては、メタクリル酸メチルお
よびアクリル酸メチルから選択される少なくとも
1種のビニル系単量体が用いられる。また、官能
性単量体を含む混合単量体に対して要すればアリ
ルアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジビルベンゼン等の架橋剤を、またオク
チルメルカプタン、ジチオグリコール等の連鎖移
動剤を3重量%以下量添加重合することもでき
る。 これらの官能基を有する単量体を含むビニル系
混合単量体は、酸化チタン100重量部に対し、1
〜20重量部まで添加される。1重量部以下量では
酸化チタン表面を十分に被覆することができず、
プレートアウト現象を抑制できない。20重量部以
上量では表面処理された酸化チタンの塩化ビニル
樹脂に対する分散単位が大きくなりすぎ機械的物
性を低下させる。また官能性単量体を含む混合単
量体の添加方法は、全量を一度に添加する方法の
他に該混合単量体を連続的に添加しつつ重合を進
行させる方法も可能である。重合触媒としては過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性過
硫酸塩化合物が好適に使用される。 以上の方法によつて得た改質酸化チタンは(以
下これを酸化チタンAと略す)、有機溶媒に対す
る分散性が良好であり、明らかに重合体により被
覆された表面を持つている。しかし酸化チタンA
を単独で水媒体から回収しようとすると、通常の
脱水操作では過抵抗が大きくしかも液が白濁
すること、また酸化チタンAの含水率が大きく乾
燥時に固い凝固物となりやすい。この凝固した酸
化チタンAを粉砕後、塩化ビニル樹脂に配合して
も塩化ビニル樹脂に対する酸化チタンAの分散単
位が大きく成形物の機械的性質を低下させ、プレ
ートアウト現象を完壁に抑制できない。 本発明者らは、これらの問題を解決するために
酸化チタンAに対して塩化ビニル樹脂との相溶性
に優れる樹脂を更に後重合する方法が極めて有効
であることを発見し、本発明に至つたのである。 即ち酸化チタンAを得る第一段の重合操作の
後、酸化チタンAと水媒体からなるスラリーに、
メタクリル酸メチル単独もしくはメタクリル酸メ
チルを50重量%以上含むアクリル酸ブチルとの混
合単量体を酸化チタン100重量部に対し1〜100重
量部後重合させることにより、通常の脱水操作で
も容易に回収可能で乾燥性に優れ、乾燥後の粉砕
工程など全く必要としない改質酸化チタンが得ら
れる。この改質酸化チタンを塩化ビニル樹脂に配
合することによつて、耐候性に優れ、かつプレー
トアウト現象を完壁に防止し、加工性、機械的性
質を損わない塩化ビニル樹脂組成物が得られる。 この改質酸化チタンの改良された性質は酸化チ
タンAが後重合操作によつて見掛上凝集したこと
と及び酸化チタンAの表面が塩化ビニル樹脂との
相溶性に優れる重合体層であることが考えられ
る。即ち、塩化ビニル樹脂に配合された該改質酸
化チタンは、成形加工に際して塩化ビニル樹脂と
相溶性に優れる後重合による共重合体層が溶融す
るため、見掛上の凝集が容易にほどけ、酸化チタ
ンAと核とした改質酸化チタンが良好に塩化ビニ
ル樹脂中に分散し、そのため該改質酸化チタンの
分散単位が大きかつたり一部分散不良な改質チタ
ンが表われるような不利益が防止されるものと考
えられる。 本発明の特徴である後重合操作は酸化チタンA
スラリーへ単量体と触媒とを添加して常法通り行
なうものであるが、その際水媒体に対して0.01〜
0.3重量%のアニオン性界面活性剤を加えて重合
することが好ましい。このようなアニオン性界面
活性剤を加えることにより、後添加する単量体は
酸化チタンAの表面上で重合が起り易く、得られ
る改質酸化チタンは粉立ちのない極めて取扱い性
に優れた粉体となる。 アニオン性界面活性剤としては高級脂肪酸塩、
アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、ロジン酸塩、フエニルポリエトキシアル
キルサルフエート塩、ジアルキルスルホコハク酸
塩、リン酸アルキルエステル塩等が用いられる。
塩としてはナトリウム、カリウム塩が好ましい。
水媒中に対し0.3重量%以上の添加は、後重合す
る単量体の乳化重合をうながし、得られる改質酸
化チタンの微粉をむしろ増大させることになり好
ましくない。 後重合に用いられる触媒としてはラジカル重合
に通常用いられる触媒であれば、水溶性または油
溶性のどちらでも有効に使用されるが、好ましく
油溶性触媒が使用され、その例として過酸化ラウ
ロイル、過酸化ベンゾイル等の油溶性過酸化物、
アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
−2,4−ジメチルヴアレロニトリル等のアゾ化
合物等があげられる。また後重合される単量体に
対して要すればアリルアクリレート、エチレング
リコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン等
の架橋剤、並びにオクチルメルカプタン、ジチオ
グリコール等の連鎖移動剤を3重量%以下添加し
て重合することもできる。 以上のごとくして得られた改質酸化チタンを改
質酸化チタンと塩化ビニル樹脂組成物中0.05〜30
重量%好ましくは0.1〜20重量%含むように配合
することによつて、耐候性に優れ、プレートアウ
トを防止しかつ加工性、機械的性質を損わない塩
化ビニル樹脂組成物が得られる。 酸化チタン量が0.05重量%より少いと耐候性向
上の効果がなくなり、30重量%以上では機械的性
質の低下は免れない。改質酸化チタンを配合する
塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル単独重合体の他、
塩化ビニル70重量%以上とこれと共重合し得るエ
チレン、プロピレン、酢酸ビニル、メチルメタク
リレート等のオレフイン系単量体30重量%以下と
の共重合体及び塩素化塩化ビニル樹脂が用いられ
る。 改質酸化チタン配合塩化ビニル樹脂組成物に
は、耐衝撃性向上のため耐衝撃性改良用樹脂及び
高分子加工助剤等も任意に配合することができ
る。かかる耐衝撃性改良用樹脂としては、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチ
ルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合
体(MBS樹脂)アクリル酸アルキルエステル−
アクリロニトリル−スチレン共重合体(AAS樹
脂)、及び塩素化ポリエチレン等がある。高分子
加工助剤としては、メチルメタクリレートを主体
としたアクリル酸アルキルエステルとの共重合
体、アクリル酸アルキルエステルを主体としたス
チレン、α−メチルスチレン等との共重合体が挙
げられる。 改質酸化チタンと塩化ビニル樹脂はリボンブレ
ンダー、バンバリーミキサー、ロールミル、ヘン
シエルミキサー等公知の混合装置を用いて混合さ
れ、更に押出機、射出成形機等の加工機械により
成形できる。その際、必要に応じて公知の熱及び
光安定剤、滑剤、可塑剤、顔料等が添加される。 以下実施例をあげて本発明を具体的に説明す
る。 実施例および比較例の中で用いられる部は全て
重量部を示すものとする。 実施例 1 (A) 改質酸化チタンの製造 過硫酸カリウム7gを溶解したイオン交換水
7000gを10%塩酸水でPH3に調整後酸化チタン
(Al,Znで表面処理されたルチル型酸化チタン)
1600gを添加し、高速撹拌機を用いて約30分間良
く分散を行なう。酸化チタン分散後のスラリーPH
は6.3であつた。スラリーを顕微鏡観察すると粒
径0.5〜1.5μm前後の酸化チタンが見られ、酸化
チタンが良く分散されていることがわかる。この
スラリーを400メツシユのスクリーンを通しなが
ら撹拌機付10オートクレープへ注ぎ込み、つづ
いてメタクリル酸メチル120gとメタクリル酸
(酸化チタン100部に対し3.75部)60gおよびアク
リル酸メチル80gとからなる混合単量体を添加
し、オートクレーブ内を十分に窒素ガスで置換
後、25℃で30分間予備撹拌を行なつた。続いてオ
ートクレーブを60℃に昇温し7.0時間重合反応を
行なつた。反応後さらに過酸化ラウロイル0.14g
を溶解したアクリル酸ブチル28g、メタクリル酸
メチル112gとオレイン酸カリウムの15.5%水溶
液38.7g(水に対して0.085%に相当する)を添
加しオートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、
60℃で8時間第2段目の重合反応を行なつた。 得られたスラリーは静置すると均一に造粒され
た改質チタンと水層のうわずみとに2分される。 このスラリーを遠心脱水機で脱水し60℃の熱風
で乾燥した。脱水は極めて短時間で行なわれ、得
られたウエツトケーキの水分は約40%であつた。
また乾燥性も極めて良く乾燥後の改質酸化チタン
は全く粉立ちがなく自然流動性に優れた粉体であ
つた。 得られた改質酸化チタンは80.3%の酸化チタン
を含み単量体の重合収率は98%であつた。 (B) 塩化ビニル樹脂組成物の製法 塩化ビニル樹脂(平均重合度1000)40Kgに(A)で
得られた改質酸化チタン1494g(塩化ビニル樹脂
と改質酸化チタン組成物中の酸化チタン含量2.9
%)、耐衝撃性改良剤(HIA−28、呉羽化学製)
4000g、鉛系安定剤1120g(ステアリン酸鉛400
g、三塩基性硫酸鉛200g、二塩基性ステアリン
酸鉛120g、ステアリン酸カルシウム400g)及び
カーボンブラツク80gを加えてヘンシエルミキサ
ーで135℃まで昇温してコンパウンドを得た。こ
のコンパウンドを35mmφの単軸押出機を用いてス
クリユー圧縮比2.2、スクリユー回転数20rpm、
押出温度185℃で厚さ3mmの角棒を押出した。 押出量は102g/min、トルクは7.5Kg・mであ
り、押出物表面の酸化チタンのプレートアウトは
全く認められなかつた。またこの角棒をJISK・
7111に従つて耐衝撃強度を測定した結果シヤルピ
ー強度は83Kg・cm/cm3であつた。このシヤルピー
試験片をウエザーメーター(スガ試験機製、WE
−SUN−HCタイプ)を用いて促進曝露試験を行
い、500時間経過後のシヤルピー強度は76Kg・
cm/cm3であり、約92%の強度保持率である。 比較例 1 実施例1の改質酸化チタンの代りに未改質の酸
化チタンを用い、実施例1(B)と同様の組成で塩化
ビニル樹脂組成物(塩化ビニル樹脂と酸化チタン
組成物中の酸化チタン含量2.9%)を作り、実施
例1と同様に試験を行なつた。押出出機による押
出量、トルクおよびシヤルピー強度はそれぞれ
101g/min、9.4Kg−m、80Kg・cm/cm3であり、
押出機の負荷が大きい。さらに押出物表面には酸
化チタンのプレートアウトによる無数の白色斑点
が認められ押出終了後ダイス部分には酸化チタン
と鉛安定剤とからなる白色固形物が大量に付着し
ていた。 実施例 2 実施例1の改質酸化チタンの製造法において、
1段目の混合単量体をメタクリル酸メチル200g
とメタクリル酸20g(酸化チタン100部に対し
1.25部)からなる混合単量体に変えた以外は全て
実施例1に準ずる方法で改質酸化チタンを製造し
た。得られた改質酸化チタンは脱水、乾燥性に優
れ、粉立ちのない優れた粉体であつた。又このも
のは80.0%の酸化チタンを含み単量体の重合収率
は95%であつた。 この改質酸化チタン1500g(組成物中の酸化チ
タン含量2.9%)を用いて実施例1と同様の試験
を行なつた。押出量、トルク、シヤルピー強度は
各々103.5g/min、7.5Kg−m、79Kg・cm/cm3
あり、押出物表面の酸化チタンに起因するプレー
トアウトは全く認められなかつた。 比較例 2 実施例2の改質酸化チタンの製造に際し、第1
段目の重合反応に用いる単量体をメタクリル酸メ
チル200gのみにし、官能性単量体を全く用いな
い以外は実施例2に準ずる方法で改質酸化チタン
を得た。脱水、乾燥して得られた改質酸化チタン
はやや微粉が多いものであつた。またこのものは
80.4%の酸化チタンを含み単量体の重合収率は
97.5%であつた。この改質酸化チタン1500gを用
いて実施例2と同様の試験を行なつた結果、押出
量、トルク、シヤルピー強度は各々104g/min、
7.6Kg−m、72Kg・cm/cm3であつたが、押出物表
面には無数の白色斑点が認められた。 この結果から酸化チタンのプレートアウト現象
を改良するためには官能性単量体が必須であるこ
とがわかる。 実施例3、比較例3 改質酸化チタンの製造に際し、後重合の単量体
の酸化チタンに対する割合を変えた以外は実施例
2に準ずる方法で改質酸化チタンを製造した。表
1にこの改質酸化チタンの組成及びこれらを塩化
ビニル樹脂に配合した実施例1と同じ処方の樹脂
組成物の性能を示した。ただし該樹脂組成物中の
酸化チタン量は3重量%に調節し、改質酸化チタ
ンの分散性は成形物の白色度で示した。白色度で
色差計(東京電色製)を用いて測定した。また表
中には連鎖移動剤としてジチオグリコールを混合
単量体に添加した場合、さらに1段目および2段
目の混合単量体を酸化チタン存在下に3時間に均
速に連続添加し、その後4時間重合を行ない酸化
チタンの表面改質を行なつた場合についても合せ
て示した。 実施例の範囲ではいずれの場合もプレーアウト
は全く認められず優れた結果が得られている。 また表1の比較例3−1から後重合操作を行な
わない場合、乾燥時に凝集化したため一部分散不
良が生じ、シヤルピー強度が低下し、しかもプレ
ートアウトを十分に抑制し得ないことがわかる。
さらに後重合に用いる単量体量が多すぎる場合も
分散性が不十分となり、シヤルピー強度が低下し
てしまう(比較例3−2)。
【表】 実施例4、比較例4 改質酸化チタンの製造に際し、官能性単量体を
含む混合単量体の組成を(メタクリル酸メチル:
メタクリル酸:アクリル酸メチル=46:23:31)
に固定して酸化チタンに対する該混合単量体の割
合を変化させた以外は実施例1に準じて改質酸化
チタンを製造した。表2にこの改質酸化チタンの
組成及びこれら塩化ビニル樹脂に配合した実施例
1と同じ処方の樹脂組成物の性能を示した(組成
物中の酸化チタン含量を2.9%とする)。 この表から官能性単量体を含む混合単量体を多
く用いると、過性、乾燥性に優れた改質酸化チ
タンが得られるが、官能基単位が大きくなり、そ
のために改質化チタンの白色度を低下させ、成形
物の衝撃強度を低下させることがわかる。
【表】 実施例 5 実施例1の改質酸化チタンの製造法において、
官能基を含む混合単量体を、アクリロニトリル
224g(酸化チタン100部に対し14部)、メタクリ
ル酸エステル160gからなる混合単量体に変え、
後重合の単量体もメタクリル酸メチル120gに変
える以外は全て実施例1に準ずる方法で改質酸化
チタンを製造した。得られた改質酸化チタンは脱
水、乾燥性に優れ、76%の酸化チタンを含んでい
た。 この改質酸化チタンを実施例1と同じ処方で塩
化ビニル樹脂に配合し、酸化チタン含量2.9%で
あつた。 この樹脂組成物の押出機による押出量、トルク
およびシヤルピー強度は各々103g/min、8.5Kg
−m、88Kg・cm/cm3であつた。また白色度は8.4
%であり、押出物表面の酸化チタンに起因するプ
レートアウトは殆んど認められなかつた。 比較例 5 実施例5においてメタクリル酸メチルの後重合
を全く行なわない以外は実施例5に準ずる方法で
改質酸化チタンを製造した。得られた改質酸化チ
タンは脱水、乾燥性に優れ81.6%の酸化チタンを
含んでいた。押出量、トルクおよびシヤルピー強
度は各々104g/min、86Kg−m、26Kg・cm/cm3
であつた。押出物表面のプレートアウトはほとん
ど認められないが、押出物の白色度5.3%は改質
酸化チタンの分散単位が大きいことを示すもの
で、このため衝撃強度の低下をまねいている。 実施例6、比較例6 実施例4−2で得られた改質酸化チタンを塩化
ビニル樹脂に酸化チタン量が塩化ビニル樹脂組成
物中10%になるように配合する以外は実施例4と
同様にして塩化ビニル樹脂組成物を得た。 又比較例6として酸化チタン量を35%になるよ
う改質酸化チタンを配合する以外は実施例6と同
様に塩化ビニル樹脂組成物を得た。両者を実施例
1と同様の試験を行つた結果を表3に示す。 この表からプレートアウト防止効果にすぐれ、
しかも耐衝撃性、押出加工性を同時に満足する樹
脂組成物を得るためには、改質酸化チタンを含む
塩化ビニル樹脂組成物中の酸化チタン量が本発明
の範囲を超えるもの(比較例6)では耐衝撃性、
押出加工性が低下する。またプレートアウトにつ
いても防止効果が若干低下した。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水系媒体中に分散した酸化チタン100重量部
    の存在下に、(A)メタクリル酸およびアクリロニト
    リルから選択される官能基を有するビニル系単量
    体0.5〜15重量部と、メタクリル酸メチルおよび
    アクリル酸メチルから選択される少なくとも1種
    のビニル系単量体との混合単量体の合計量1〜20
    重量部を共重合し、酸化チタン表面を該共重合体
    で被覆した後、さらに(B)メタクリル酸メチル単独
    もしくはメタクリル酸メチルを50重量%以上含む
    アクリル酸ブチルとの混合単量体1〜100重量部
    を重合させることにより得られた改質酸化チタン
    を塩化ビニル樹脂に配合し、該組成物中の酸化チ
    タン含量を0.05〜30重量%にして成ることを特徴
    とする塩化ビニル樹脂組成物。 2 (B)メタクリル酸メチル単独もしくはメタクリ
    ル酸メチルを50重量%以上含むアクリル酸ブチル
    との混合単量体を重合させる際、水系媒体に対し
    て0.01〜0.3重量%のアニオン性界面活性剤を添
    加する請求項1記載の塩化ビニル樹脂組成物。
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