JP2721717B2 - 粉粒状重合体の製造方法 - Google Patents

粉粒状重合体の製造方法

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JP2721717B2 JP29106389A JP29106389A JP2721717B2 JP 2721717 B2 JP2721717 B2 JP 2721717B2 JP 29106389 A JP29106389 A JP 29106389A JP 29106389 A JP29106389 A JP 29106389A JP 2721717 B2 JP2721717 B2 JP 2721717B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粉粒状重合体の製造法に関し、より詳しく
は、粉体特性に優れ、かつ他の樹脂と混合して使用する
場合の分散性に優れた顆粒状重合体の製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
乳化重合法などによって得られる重合体ラテックス
は、一般に粒子径が1μm以下の重合体粒子が乳化剤に
覆われて水に分散浮遊した状態として存在し、粒子径が
小さすぎるのでそのまま固液分離し、重合体を回収する
ことは難しい。このような重合体ラテックスから重合体
を回収する従来方法としては、噴霧乾燥機を利用して
粉粒体として直接分離する方法、重合体ラテックスに
塩または酸を混合して凝析させ、昇温加熱して固化させ
た後、脱水乾燥して粉粒体として回収する方法が多用さ
れてきた。
さらに得られる重合体粒子の粒子径を調整するため
に、重合体ラテックスを特定の溶剤中に分散球状化し
た後で凝固させる方法(特開昭52−68285号公報)、
重合体ラテックスを凝析して得られたスラリーに水に難
溶でかつ重合体を溶解しないが濡らし得る有機液体を混
合して造粒する方法(特公昭59−5610号公報)、水に
難溶でかつ重合体を溶解しないが濡らし得る有機液体と
重合体ラテックスとを凝固剤の存在下に混合する方法
(特公昭59−5611号公報)、噴霧乾燥機構を利用し、
凝固性雰囲気中に重合体ラテックスの液滴を分散させて
半凝固させ、さらに凝固液中で固化させその後脱水乾燥
させる方法(特開昭56−95905号公報)などが提案され
ている。
しかしながら、の噴霧乾燥機を使用する方法は多量
の水を伴なった重合体ラテックスをそのまま乾燥させる
ために蒸発させるべき水の量が多く乾燥エネルギーを多
量に必要とする、噴霧する液滴の大きさにむらが生じや
すく粒度分布が広くなる、粒子の大きさや嵩比重を制御
することが難しい、装置コストが高い等の問題点があっ
た。
の凝析し固化させる方法は、通常の槽型または塔型
の凝析固化装置を使用した場合には、得られる重合体粉
粒体の粒径分布が広くなり、そのため粒径の細かい微粉
が多量に混入して粉粒体の取扱い性が悪く、特に約40μ
m以下の微粉は総粒子重量中に対して数重量%混入して
も粉立ちの原因となるなどの問題点があった。そして平
均粒径を150μm以下にすることはできなかった。
の方法は、球状化によって粒径が100μm以上の領
域では粒度分布や平均粒径を制御することができるが10
0μm以下の小粒径側では困難であり、さらに球状化処
理後に使用した大量の溶剤を処理する必要があり、かつ
球状ラテックス粒子が外部から凝固されるため、凝固が
不均一となり、該重合体の加工時にフィッシュアイなど
の問題を生じるおそれがある。
の方法はの方法に比較すれば少ないが、重合体10
0重量部に対し60〜500重量部の有機液体を添加するため
に、やはり大量の有機液体を処理する必要がある欠点を
有していた。また、の方法は、凝析時に生成される重
合体粒子の大きさを制御していないので、非常に細かい
粒子が生成され、これを有機液体により凝集させて顆粒
状としているため、乾燥等の後工程や輸送中に顆粒が破
壊されて微粉が生じやすいという欠点があった。
の方法においても、重合体容積1に対して1〜5
(容積比)を有機液体を添加するために、大量の有機液
体を処理しなければならない欠点を有している。さらに
の方法では、多量の有機液体を混合分散させるとラテ
ックスの安定性が悪くなり、部分滴に凝析した重合体が
発生し、製品の粒度分布が悪くなり、加工時にフィシュ
アイ等の問題を生じるおそれがあった。
の方法は噴霧乾燥の機構と同じなので球形粉粒体を
得やすいが、粒子の大きさに限度があり、気相を利用す
る凝固であるために装置が大きくなるなどの欠点を有し
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
一方、粉体計量の自動化および貯蔵輸送設備の大型化
が進められている今日、貯蔵中に粉末粒子同志が固まる
というブロッキング現象や、粉体の流動性不足に起因す
る輸送ラインの詰りなどの観点から、取扱い易い顆粒状
重合体の開発が強く望まれている。
本発明の目的は、微粉が少なく且つ粒度分布がシャー
プで、他の樹脂と混合して使用する場合の分散性に優れ
た、粉粒状重合体の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の粉粒状重合体を、特に連
続的に製造するのに適した粉粒状重合体の製造方法を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明の粒状重合体の製造方法は、乳化重
合法で得られた重合体ラテックスを、下記工程I、工程
II、工程IIIおよび工程IVで順次処理することを特徴と
する方法である。
工程I:水に難溶でかつ重合体を溶解しないが濡らす有機
液体を、重合体ラテックスに、重合体100重量部に対し
て15重量部〜60未満重量部添加し混合する工程。
工程II:工程Iで得られた混合物に凝析剤を添加して凝
析させ、重合体スラリーを得る工程。
工程III:工程IIで得られた重合体スラリーに、前記有機
液体と、所望により水とを、 全混合物中の水の割合が50〜85重量%であり、 重合体スラリーへの有機液体の添加量が、重合体100
重量部に対して15重量部〜60未満重部であり、 全混合物の温度を下記式に示す温度T(℃)の範囲で
平均滞在時間0.5分〜1時間となるように保持し、 A−40≦T≦A (式中、Aは混合物の共沸温度(℃)を表わす。) を満たすよう添加して混合する工程。
工程IV:工程IIIで得られた重合体スラリーを乾燥して粉
粒状重合体を得る工程。
〔作 用〕
本発明において使用される重合体ラテックスは、通常
の乳化重合法によって製造されるものであり、乳化剤、
重合開始剤および他の重合助剤等を含むものであり、ホ
モ重合体、共重合体およびグラフト共重合体のラテック
スのいずれでもよい。ホモ重合体および共重合体のラテ
ックスとしては、スチレン、ジクロロスチレン、α−メ
チルスチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリ
レート等のアルキル(メタ)アクリレート;アクリル
酸、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル等のビニ
ル化合物、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等の
共役ジオレフィンおよびその誘導体;エチレングリコー
ル等の単量体;等からなるホモ重合体、共重合体または
それら重合体のラテックス混合物があげられる。また、
グラフト共重合体ラテックスとしては、弾性幹重合体に
硬質重合体を形成しうる単量体または単量体混合物をグ
ラフトしたものがあげられる。
グラフト共重合体ラテックスを構成する弾性幹重合体
としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の
ジエン系重合体;ブチルアクリレート、オクチルアクリ
レート等のアルキル基の炭素数が4〜10のアクリル酸エ
ステル系重合体;シリコーン系重合体;およびそれらと
共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。共重合
可能な単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン等
の芳香族ビニル化合物;メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル;メ
チルアクリレート、エチルアクリレート等のアルキルの
炭素数が1〜3のアクリル酸アルキルエステル;アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化
合物等があげられる。硬質重合体を形成する単量体とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル
化合物;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート
およびブチルメタクリレート等のメタクリル酸アルキル
エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
シアン化ビニル化合物、塩化ビニル、臭化ビニル等のハ
ロゲン化ビニル化合物等があげられる。これらの単量体
は単独あるいは2種以上を用いて使用される。
一般に、乳化重合法で得られるラテックス中の重合体
粒子は、粒径が1μm以下であり、これを凝集させて重
合体を回収している。凝集した粒子の粒子径が100μm
程度で顆粒子状となると、回収される重合体の粒子の粉
体特性が良好となる。しかし、顆粒子を構成している一
次粒子中に小さい粒子が含まれていると、取扱中に顆粒
子が破壊された場合に微粉を生じ、粉体特性が悪化す
る。
本発明では、この欠点を回避するために、「液体架橋
力」と呼ばれる凝集作用をもたらす有機液体を、凝析剤
の添加による凝析工程(工程II)の前後の二回に分けて
添加する。
すなわち、本発明の方法では、工程Iで先ず水に難溶
でかつ重合体を溶解しないが濡らす有機液体(以下、こ
れを「有機液体」と略称する)を、重合体ラテックス
に、重合体100重量部に対して15重量部〜60未満重量部
の量添加して混合する。15重量部未満では、一次粒子の
粒径が小さいため微粉が発生しやすい。また、60重量部
以上では、逆に一次粒子の粒径が大きくなり過ぎる傾向
にあり、粗大粒子が生成しやすい。
次いで工程IIとして、工程Iで得られた混合物に凝析
剤を添加して重合体を凝析させ、重合体スラリーを得
る。
すなわち、工程Iで予めラテックス中に有機液体を適
量混合分散させておくと、工程IIで凝析剤を添加した際
に、重合体ラテックス中の重合体粒子が均一に凝集し更
に一体化し、微粉を含まない粒子が形成される。工程I
でラテックス中に有機液体を混合分散させてから、工程
IIで凝析剤を添加するまでの時間は、重合体ラテックス
の処理量や、工程Iでの撹拌効率によっても変化する
が、通常、混合後少なくとも1秒程度の時間が経過した
後に凝析剤を添加することが好ましい。
本発明の方法において、工程Iおよび工程IIIで使用
する有機液体の水への溶解度は、通常0.5重量%以下、
さらに好ましくは0.1重量%以下が望ましい。なお、こ
こでいう溶解度は、20℃の下に測定される値をいう。溶
解度が0.5重量%を超える有機液体は、水との界面張力
が小さく、従って界面張力にほぼ比例する「液体架橋
力」に基づく凝集力が小さくなるため、大きな凝集力を
得るためにより多くの有機液体が必要になるので好まし
くない。また、溶解度が大きい場合には、水相に溶解す
る有機液体の量が増加し、凝析粒子に吸着されて「液体
架橋力」を生じさせる有機液体量が減少し、さらに、水
に溶解した有機液体を処理するために大きな設備が必要
になるので、有機液体の水への溶解度は、0.5重量%以
下、さらに好ましくは0.1重量%以下が望ましい。
有機液体の重合体溶解能力については、定量的には提
示できないが、便宜的には、次のような方法で、本発明
の方法に用いる有機液体を選択することができる。対象
とする重合体を直径1mm程度の粒状または1辺が1mm程度
のペレット状にし、これを10倍の重量の有機液体中に投
入し、約1時間撹拌する。この時点で、重合体が有機液
体に溶解し均一相になる場合および重合体が一部有機液
体に溶解し、有機液体の粘度が、その固有の粘度より10
%以上上昇する場合には、該重合体に対して該有機液体
は本発明を実施するための有機液体として使用すること
はできない。さらに、10%以上の粘度上昇がない場合で
も、有機液体と固液分離した粒状またはペレット状の重
合体を100Gの遠心力で1分間遠心脱水した後、粒状また
はペレット状の重合体がおこし状に固着したり、重合体
の重量が初期の重量より30%以上増加する場合にも、該
重合体に対して該有機液体は、本発明を実施するための
有機液体として使用することはできない。
本発明で好ましく使用される有機液体としては、使用
する重合体によっても異なるが、例えばペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン等のパラフィン系炭化水素、シクロペン
タン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチル
シクロヘキサン等の脂環族炭化水素およびそのアルキル
置換体等があげられる。これらの有機液体は単独でまた
は二種以上を混合して使用できる。
本発明においては、通常の凝析剤を使用することがで
きる。凝析剤の具体例としては、塩化ナトリウム、塩化
カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸
アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、塩化アンモニウム、カリ
ミョウバン等の金属塩類、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、
炭酸、酢酸等の酸類、メタノール、エタノール等のアル
コール類があげられ、これらを単独でまたは混合して用
いることができる。添加量は特に限定されず、通常は重
合体ラテックスの固形分に対して約0.05〜50重量%とな
る量である。好ましくは約0.1〜20重量%である。
凝析はバッチ方式で実施してもよいが、本発明の方法
では、特に連続方式で実施することが好ましい。凝析に
必要な時間は非常に短く、連続方式で実施する場合に
は、通常平均滞在時間として0.1分〜1時間、好ましく
は0.5分〜10分である。0.1分以下では凝析が不完全にな
り、未凝析のラテックスが次の工程に流入して造粒が不
完全になりやすいので、好ましくない。1時間以上にす
ると、装置が過大となるので好ましくはない。
重合体ラテックス中の重合体の重量は、重合体ラテッ
クスを前述の凝析剤で凝析し、さらに温度を上げ固化処
理して得た重合体を乾燥し、重合体の重量を測定するこ
とにより求めることができる。このような方法で得た重
合体重量には乳化重合時に加えた乳化剤や開始剤等の重
合助剤も含まれる場合がある。本発明ではこれら乳化剤
や重合助剤を含んだ重合体を造粒するので、有機液体量
や全混合物中の重合体の重量割合を算出する場合の重合
体重量として上述の方法で求めた重合体重量を用いる。
このような重合体重量は、慣用的に重合体中の固形分と
呼ばれる場合がある。
本発明の方法では、続く工程IIIで、工程IIで得られ
た重合体スラリーに、前記有機液体と、所望により水と
を、 全混合物中の水の割合が50〜85重量%であり、 重合体スラリーへの有機液体の添加量が、重合体100
重量部に対して15重量部〜60未満重量部であり、 全混合物の温度を、下記式の温度T(℃)に平均的に
0.5分〜1時間保持し、 A−40≦T≦A (式中、Aは混合物の共沸温度(℃)を表わす。) を満たすよう添加して混合する。
全混合物中の水の割合が50重量%未満の場合には、混
合物の見掛け粘度が上昇し、粗大粒子が発生しやすくな
る。さらに、造粒した重合体が水に分散したスラリーを
オーバーフロー形式で移送することが困難となり、装置
が複雑化する。一方、85重量%を超えると、得られる粉
粒状重合体の嵩比重が低下し、さらに多量の水を処理す
る必要があるため、処理装置が大型化する欠点がある。
工程IIIにおいて、添加される有機液体の量も、工程
Iの場合と同様、重合体100重量部に対して15重量部〜6
0未満重量部の量である。15重量部未満では、造粒が不
十分となり所望の粒子径の粉体が得られにくい。また、
60重量部以上では、粗大な粒子が発生しやすく好ましく
ない。
工程IIIにおいて、有機液体の添加された全混合物
は、上記式を満たす温度T(℃)の範囲に、平均的に0.
5分〜1時間保持される。
ここで共沸温度とは、混合物が沸騰する最低の温度で
あり、次のように決定される。混合物中の揮発成分は主
として水および有機液体の2成分であり、この2成分は
互いに殆ど溶け合わないため、それらの呈する全蒸気圧
は各純粋な成分の蒸気圧の和で示される。その全蒸気圧
が液表面上の全圧に等しくなる温度が、混合物の共沸温
度Aである。
温度TがA−40(℃)未満では、造粒速度が著しく遅
くなり、未造粒の微粉が発生しやすくなる。一方温度T
が混合物の共沸点A(℃)を超えると、混合物の沸騰が
起り、安定な撹拌操作が行えなくなるため粗大粒子が生
成し、粘度分布の制御が困難となる。また、平均的な造
粒時間が0.5分未満では、造粒が不十分で微粉が発生し
やすく、1時間を超えると造粒装置が過大となり、生産
性の点で不利である。
工程IIIにおいては、造粒した粒子の粗大化を防止
し、また造粒した粒子を含むスラリーの流動安定性を増
すために、界面活性剤を添加することができる。界面活
性剤としてはアルキルスルホン酸ナトリウム、アルキル
アリルスルホン酸ナトリウム、アミドスルホン酸ナトリ
ウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンス
ルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有の陰イオン界
面活性剤および部分鹸化ポリビニルアルコール等、使用
する凝析剤で界面活性効果が失われにくいものが好まし
い。
また、界面活性剤の使用量は、有機液体に対して0.05
〜2重量%、好ましくは0.05〜1.5重量%の範囲であ
る。使用量が2重量%を超えると得られる重合体の純度
を低下させると共に、製品のコストアップの原因ともな
り、好ましくない。
界面活性剤の添加方法は特に限定されず有機液体また
水に溶解または分散して添加される。このように連続的
に造粒された重合体粒子はより緻密化させるために、通
常、加熱処理する。このような処理を固化処理と呼ぶ。
固化処理の温度は、重合体のガラス転移温度に依存する
が、通常60〜120℃で行い、処理時間は平均滞在時間と
して1〜60分程度である。
次に第1図に示した装置を用いた本発明の方法の実施
につき説明する。
重合体ラテックスは定量ポンプ(1)より、また工程
Iで使用される有機液体は定量ポンプ(2)より、混合
器(スタティックミキサー)(4)へ送られ混合された
後、凝析槽(5)に送られる。一方、凝析剤は定量ポン
プ(3)よりライン(4)を経て凝析槽(5)に送られ
る。凝析槽(5)は温度調節用媒体の出入口(7),
(8)をもつジャケット(9)および撹拌機(6)を備
えている。ここで有機液体の混合された重合体ラテック
スを凝析剤で凝析させる。凝析されたラテックスはスラ
リー状(クリーム粒子)になり、オーバーフローまたは
圧送により、ライン(10)を経て造粒槽(15)に送ら
れ、定量ポンプ(11)でライン(12)を経て供給される
工程IIIで使用される有機液体、および必要に応じて定
量ポンプ(13)でライン(14)を経て供給される水と造
粒槽(15)内で連続的に混合され、凝析粒子を造粒す
る。造粒槽(15)は温度調節用媒体の出入口(16),
(17)をもつジャケット(19)そして加熱用の水蒸気吹
込み口(28)、および撹拌機(18)を備えている。造粒
スラリーはオーバーフローにより、ライン(20)を経て
固化槽(21)に送られ、固化処理されると同時に有機液
体を共沸により除去する。固化槽(21)は温度調節用媒
体の出入口(23)、(24)をもつジャケット(25)、撹
拌機(22)、有機液体回収用のコンデンサー(26)およ
び水蒸気吹き込み用のライン(29)を備えている。固化
処理されたスラリーはオーバーフローによりライン(2
7)から取り出され、図示していない濾過、洗滌および
乾燥工程で処理され、所望の粉粒状重合体が得られる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
なお、実施例は第1図に示した装置を用いて実施した。
実施例1 ブタジエン75重量%およびスチレン25重量%の共重合
組成のゴム重合体70重量部に、メチルメタクリレート10
重量部およびスチレン20重量部をグラフト重合し、グラ
フト重合体ラテックス(固形分41.7重量%)を得た。
この共重合体ラテックスと有機液体を、混合器(スタ
ティックミキサー)(4)へ定量ポンプ(1),(2)
で連続的に供給し、ここで混合したラテックスを凝析槽
(5)に導いた。なお、共重合体ラテックスの有機液体
の混合を開始してから凝析槽(5)に至るまでの時間
は、平均的には約5秒であった。また、凝析剤を第1表
に示す供給量で凝析槽(5)に定量ポンプ(3)で連続
的に供給した。なお、凝析槽(5)は円筒状であり、付
設の撹拌機(6)は回転数約700rpmで回転した。凝析後
のスラリー(凝析粒子が水に分散したスラリー。以後
「凝析スラリー」と略記する。)は凝析槽(5)のオー
バーフロー口からオーバーフローし、ライン(10)を経
て造粒槽(15)に入った。
凝析スラリーが造粒槽(15)に入り始めると同時に有
機液体および水を連続的に定量ポンプ(11),(13)で
造粒槽(15)に供給した。また第1表に示す種類および
量の界面活性剤を第1表に示す媒体に溶かして造粒槽
(15)に供給した。なお、造粒槽(15)は円筒状で、付
設の撹拌機(18)は、回転数500rpmで回転させた。造粒
スラリーは、凝析槽(15)よりオーバーフローし、ライ
ン(20)を経て固化槽(21)に入った。固化槽(21)か
らスラリーがオーバーフローし始めてから8時間経過後
約1のスラリーサンプルを採取し、脱水、洗浄、乾燥
を行い、粉粒状重合体を得た。得られた粉粒状重合体の
嵩比重、平均粒子径、粒度分布、粒子の均整度について
測定した。
嵩比重はJIS K−6721により測定し、また流動性はJIS
K−6721で用いられる嵩比重測定器に粉粒体を入れ、ダ
ンパーを取り外した際の流出状態を観察し、その流動性
を下記の基準で判定した。
流出状態 ○:ダンパーを取り外すと試料が自然流出する △:衝撃を一度加えると流出する ×:衝撃を連続的に加えると流出する 平均粒子径D50は、重量基準のメジアン径を意味し、
粒子の均整度Nは、下記式 N=D75/D25 (式中D75は積算重量分布曲線の75%にある粒子径(μ
m)またはD25は粒子群の積算重量分布曲線の25%にあ
る粒子径(μm)を表わす。) で表わした。なお、これらの測定法は以下の比較例でも
共通して使用した。
測定結果を第1表に示した。使用した有機液体は、n
−ヘプタンであり、水との共沸温度Aは約79℃であっ
た。粉粒状重合体の粒度分布はシャープであり、37μm
以下の微粉量も少なく、流動性の良好な粉粒状重合体が
得られた。
実施例2、3 第1表に示した条件の下で、実施例1と同様の方法で
粉粒状重合体を得た。微粉量が少なく、粒子の均整度が
2.5以下と、粒度分布がシャープであり、流動性の良好
な粉粒状重合体が得られた。
比較例1 第1表に示した条件の下で、実施例1と同様の方法で
粉粒状重合体を得た。しかし、有機液体(n−ヘプタ
ン)を添加しなかったので、微粉が多く、流動性も悪い
粉粒状重合体しか得られなかった。
比較例2 第1表に示した条件の下で、実施例3と同一量n−ヘ
プタンを使用して粉粒状重合体を得た。しかし、凝析剤
の添加前、すなわち工程Iでn−ヘプタンを添加してい
なかったので、実施例3に比較すると微粉が多く、流動
性もやや悪い粉粒状重合体が得られた。
〔発明の効果〕 本発明の製造方法によれば、比較的少量の有機液体を
使用して、微粉が少なく且つ粒度分布がシャープな粉粒
状重合体を製造することが可能になった。また、一次粒
子の粒径が比較的大きいので、特に他の樹脂と混合して
使用する場合に微粉の発生が少なく分散性に優れた特性
が発揮できる。更に、このような粉粒状重合体を、連続
的な製造法により製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法の実施に使用される代表的な装
置のフローチャートである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳化重合法で得られた重合体ラテックス
    を、下記工程I、工程II、工程IIIおよび工程IVで順次
    処理することを特徴とする粉粒状重合体の製造方法。 工程I:水に難溶でかつ重合体を溶解しないが濡らす有機
    液体を、重合体ラテックスに、重合体100重量部に対し
    て15重量部〜60未満重量部添加し混合する工程。 工程II:工程Iで得られた混合物に凝析剤を添加して凝
    析させ、重合体スラリーを得る工程。 工程III:工程IIで得られた重合体スラリーに、前記有機
    液体と、所望により水とを、 全混合物中の水の割合が50〜85重量%であり、 重合体スラリーへの有機液体の添加量が、重合体100
    重量部に対して15重量部〜60未満重量部であり、 全混合物の温度を下記式に示す温度T(℃)の範囲で
    平均滞在時間0.5分〜1時間となるように保持し、 A−40≦T≦A (式中、Aは混合物の共沸温度(℃)を表わす。) を満たすよう添加して混合する工程。 工程IV:工程IIIで得られた重合体スラリーを乾燥して粉
    粒状重合体を得る工程。
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