JPH07242708A - 重合体ラテックスの凝固方法 - Google Patents

重合体ラテックスの凝固方法

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JPH07242708A
JPH07242708A JP6447494A JP6447494A JPH07242708A JP H07242708 A JPH07242708 A JP H07242708A JP 6447494 A JP6447494 A JP 6447494A JP 6447494 A JP6447494 A JP 6447494A JP H07242708 A JPH07242708 A JP H07242708A
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Japan
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coagulant
polymer
coagulation
latex
concentration
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JP6447494A
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Nobuyasu Takami
信安 高見
Mikio Yokoyama
幹男 横山
Tsutomu Kitayama
勉 北山
Teizo Fukuda
貞三 福田
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴム状重合体含有量が50%以上の重合体ラ
テックスから微粉粒子および粗大粒子が少なく、そろっ
た粒径で、かつほぼ球状の重合体粒子を回収する凝固方
法を提供することを目的とする。 【構成】 ゴム状重合体含有量が50%以上の重合体ラ
テックスを特定の凝固温度、特定の凝固剤濃度および特
定の撹拌条件で凝固することを特徴とする凝固方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳化重合などで得られ
る重合体ラテックスから重合体を回収する重合体の凝固
方法に関し、さらに詳しくは、任意の粒子径にコントロ
ールすることができ、かつ微粉粒子および粗大粒子が少
なく、そろった粒径で、かつほぼ球状の重合体粒子を得
る重合体ラテックスの凝固方法に関する。
【従来の技術】一般に乳化重合法で製造された重合体ラ
テックスから粉末状重合体を回収するには、該重合体ラ
テックスに凝固液を添加し、重合体ラテックスを凝固さ
せることが必要である。かかる重合体ラテックスを凝固
させる最も一般的な方法として、該重合体ラテックスと
凝固液とを連続的に凝固槽に供給して、凝析、凝集を行
なう方法が知られている。しかし、この方法によると微
粉および粗大粒子が生成する問題点がある。微粉が多い
と粉塵爆発の恐れ、炭化特性の低下による火災爆発の恐
れといった安全性の問題点、また粉舞いなどによる環境
悪化の問題点、さらに脱水性低下、取り扱いにくいな
ど、生産性が低下するという問題点がある。また、粗大
粒子は重合体ラテックス中のゴム状重合体含量が多いほ
ど生成しやすく、配管を閉塞させたり、洗浄が十分に行
なえるなどの問題がある。第2の方法として、該重合体
ラテックスを脱水スリット付の二軸押出機に凝固液と共
にフィードする方法が知られている(特公昭59−37
021号公報)。しかし、この方法では回収重合体を十
分に水洗できないため、石鹸、凝固剤が最終製品にまで
残り、重合体の品質を低下させるという問題点がある。
第3の方法として、凝固剤を凝固室内にガス状またはミ
スト状に噴霧させて、重合体ラテックスの液滴と空間で
接触させ、凝固する方法がある(特開昭58−8710
2号公報)。しかし、この方法では、気相中をラテック
ス液滴が落下する短時間内に十分な硬さになるまでラテ
ックスを凝固させる必要があるので、比較的大きな粒径
を得るためには塔高の高い凝固塔が必要とされ、設備費
が大となり、また噴霧時の塔内のガスの偏流によりラテ
ックスが壁に付着しやすく、あるいは凝固粒子が気相中
に落下し、水相へ衝突する際の衝撃により粒子がこわ
れ、微粉を生じやすいことから、300μm以上の粒子
を得ることが困難であるなどの欠点がある。第4の方法
として、水に不溶または難溶性で、かつラテックスおよ
び凝固剤と比重の異なる有機液体を分散媒とし、凝固剤
を微小液滴として、分散させた中に、重合体ラテックス
を液滴群として分散させ、両者の衝突合により凝固する
方法がある(特開昭61−10861)。しかし、この
方法は大量の有機液体を使用するので、実施にあたって
液体の回収、環境上などに問題がある。
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
の背景になされたもので、微粉および粗大粒子が少な
く、取り扱いが容易で生産性に優れ、そして、品質の優
れた重合体粒子を任意の粒子径にコントロールして回収
できる重合体ラテックスの凝固方法を提供することを目
的とする。
【0002】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、上記した課題を解決するため鋭意検討した結果、凝
固工程における凝固剤濃度、凝固温度および撹拌条件を
特定範囲に限定することで、その課題の解決を達成し得
ることを見い出し、本発明に到達したのである。本発明
は、ゴム変性ビニル系重合体、またはビニル変性ビニル
系重合体とビニル系重合体からなり、かつゴム状重合体
の含有量が50重量%以上である重合体ラテックス
(A)を下記の(イ)、(ロ)および(ハ)の条件で凝
固することを特徴とする重合体ラテックスの凝固方法 (イ)凝固温度(℃) (Tm−40℃)≦凝固温度≦(Tm+20℃) ただし、Tm;回収される重合体の軟化点(℃) (ロ)凝固剤濃度 凝固剤が塩であって、 その凝固剤の陽イオンが1価のとき、 C≦凝固剤濃度(mmol/l)≦C+2000、 その凝固剤の陽イオンが2価のとき、 C≦凝固剤濃度(mmol/l)≦C+30、 その凝固剤の陽イオンが3価のとき、 C≦凝固剤濃度(mmol/l)≦C+10、 凝固剤が酸のとき、 C≦凝固剤濃度(mmol/l)≦C+30 ただし、C;凝析値(mmol/l) (ハ)重合体ラテックスと凝固剤は撹拌下に接触し、そ
の撹拌翼の先端の周速が 100≦周速≦800(cm/s) を提供するものである。
【0003】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の(イ)、(ロ)で示されている軟化点(Tm)お
よび凝析値の求め方について、まず説明する。軟化点
(Tm)は、凝固に供される重合体ラテックスから重合
体をあらかじめ回収し、乾燥後の重合体を用いて、JI
S K7206の方法に従って、ビカット軟化点を測定
し、この値を本発明の軟化点(Tm)とする。凝析値
(C)は、凝固に供される重合体ラテックスと凝固に使
用される凝固剤を用いて、下記に示す方法で求めた。重
合体ラテックスを濃度が0.20%となるように水で希
釈する。この重合体ラテックス10ccを試験管にと
り、種々の濃度の凝固剤水溶液10ccを加え、よく混
合して30℃の恒温槽中に静置した。1時間後の沈殿生
成の有無を調べ、沈殿が生ずる最低濃度(混合後のmm
ol/l)を凝析値とした。
【0004】本発明の重合体ラテックス(A)は、ゴム
変性ビニル系重合体ラテックス、またはゴム変性ビニル
系重合体ラテックスとビニル系重合体ラテックスの混合
ラテックスからなる、通常、乳化重合によって得られる
これらのゴム変性ビニル系重合体ラテックスは、下記に
示すゴム状重合体の存在下に、下記に示すビニル系単量
体またはそれと共重合可能な単量体とを重合して得られ
る。ビニル系重合体ラテックスは、下記に示すビニル系
単量体またはそれと共重合可能な単量体とを重合するこ
とで得られる。
【0005】ビニル系単量体としては特に限定するもの
でないが、例えばアクリル酸、メタクリル酸などの(メ
タ)アクリル酸;メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエ
ステル系単量体;メチルメタクリレート、エチルメタク
リレートなどのメタクリル酸アルキルエステル系単量
体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニ
ルシアン系単量体;スチレン、α−メチルスチレンなど
の芳香族ビニル系単量体;塩化ビニル、臭化ビニルなど
のハロゲン化ビニル系単量体など種々の単量体が挙げら
れ、これらは2種以上を併用することもできる。好まし
いビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル、ビニルシアン系単量体、芳香族ビニル系単
量体が挙げられる。
【0006】共重合可能な他の単量体としては、例えば
マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミ
ド系単量体が挙げられる。マレイミド系単量体を用いる
と耐熱性が向上し、耐熱性の優れた重合体が得られる。
【0007】ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、
スチレン−ブタジエン系共重合体、スチレン−イソプレ
ン系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合
体、エチレン−α−オレフィン系共重合体、アクリル系
ゴム、ブタジエン−アクリル系共重合体、ポリイソプレ
ン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化ブ
タジエン系重合体、エチレン系アイオノマー、シリコン
系ゴムなどが挙げられる。これらのゴム状重合体は1種
または2種以上で用いられる。好ましいゴム状重合体と
しては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン系共重
合体、アクリル系ゴム、シリコン系ゴム(特に不飽和基
含有シリコン系ゴムが好ましい。)が挙げられる。
【0008】ゴム変性ビニル系重合体の製造に用いられ
る上記のゴム状重合体は、ラテックス状のものが用いら
れる。重合体ラテックス(A)の重合体としては、例え
ばABS樹脂、MBS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂な
どのゴム変性ビニル系重合体などの樹脂状重合体および
アクリル樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、(α−メチル)スチレン−(アクリロニ
トリル)−マレイミド系単量体系共重合体などが挙げら
れる。重合体ラテックス(A)重合体中のゴム状重合体
の含量は50重量%以上、好ましくは60重量%以上で
ある。ゴム状重合体含量が上記の範囲に渡ると本発明の
目的・効果が一段と発揮される。ゴム状重合体の含量が
50重量%以上となると凝固の最中でも凝固粒子同士が
融着合一しやすい。従って、凝固スラリー固形分濃度と
しては25重量%以下、好ましくは20重量%以下が好
ましい。また、ラテックスを凝固槽に添加するに際して
は、均一に広い範囲に渡って添加できるスプレーによる
噴霧状添加をすることが好ましい。スプレーの方式とし
ては、二流体ノズル、加圧ノズル、回転円盤など任意に
選択できる。また、ラテックス添加箇所付近でのラテッ
クス濃度が局所的に高くなり、粒子同士が融着しやすく
なる。このため液表面の撹拌を促進することが好まし
い。このために多段翼、あるいはゲート翼において最上
段翼またはゲーシ翼の上端と液面までの距離(h)とす
ると、h/D≦0.2が好ましい。ただしDは凝固槽の
直径である。
【0009】本発明の凝固剤としては、通常、ラテック
スの凝固に用いられているものが使用でき、例えば、塩
酸および硫酸などの無機酸、酢酸および蟻酸などの有機
酸またはこれらの酸の金属塩であり、そのほかに高分子
凝集剤などを併用することもできる。上記の金属塩とし
ては、例えば塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化ア
ルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウムなど
が挙げられる。本発明においては、多価金属塩および無
機酸が好ましい。さらに好ましくは、塩化カルシウム、
硫酸マグネシウム、硫酸が挙げられる。上記の高分子凝
集剤としては、例えばポリアクリルアミドが挙げられ
る。また、塩および酸は併用して用いることもできる。
【0010】本発明の目的は、下記の(イ)、(ロ)お
よび(ハ)の条件で重合体ラテックスを凝固することで
達成される。(イ)の凝固温度は、“(Tm−40℃)
≦凝固温度≦(Tm+20℃)”であり、好ましくは
“(Tm−40℃)≦凝固温度≦Tm”である。(軟化
点−40℃)の温度を超えて低い温度では微粉が生成
し、一方、(軟化点+20℃)の温度を超えて高い温度
では凝固粒子が融着しやすく、粗粒子が発生したり、ま
た凝固スラリー濃度を上げられない。
【0011】(ロ)の凝固剤濃度は、凝固剤が塩のと
き、その凝固剤陽イオンが1価のとき、C≦凝固剤濃度
≦C+2000、好ましくはC≦凝固剤濃度<C+14
00、さらに好ましくはC≦凝固剤濃度<C+700で
ある。凝固剤陽イオンが2価のとき、C≦凝固剤濃度≦
C+30、好ましくはC≦凝固剤濃度≦C+20、さら
に好ましくはC≦凝固剤濃度≦C+10である。凝固剤
陽イオンが3価のとき、C≦凝固剤濃度≦C+10、好
ましくはC≦凝固剤濃度≦C+5、さらに好ましくはC
≦凝固剤濃度≦C+3である。C値未満の凝固剤濃度で
は、凝固が十分に起きず未凝固の状態となる。凝固剤陽
イオンが1価、2価、3価のとき、それぞれの凝固剤濃
度(C+2000)、(C+30)、(C+10)を超
えると微粒子が生成する。凝固剤が酸のときは、C≦凝
固剤濃度≦C+30、好ましくはC≦凝固剤濃度≦C+
20、さらに好ましくはC≦凝固剤濃度≦C+10であ
る。C値未満の凝固剤濃度では、凝固が十分に起きず未
凝固の状態となる。酸の凝固剤濃度が(C+30)を超
えると微粒子が生成する。
【0012】1価、2価、3価の陽イオンを含む凝固剤
および酸の2種以上を混合して使用する場合の好ましい
凝固剤濃度は、下記の方法で求められる。1価の陽イオ
ンを含む凝固剤の凝析値をC1 (mmol/l)、使用
する濃度をA(mmol/l)、2価の陽イオンを含む
凝固剤の凝析値をC2 (mmol/l)、使用する濃度
をB(mmol/l)、3価の陽イオンを含む凝固剤の
凝析値をC3 (mmol/l)、使用する濃度をC(m
mol/l)、凝固剤が酸でその凝析値がC4 (mmo
l/l)、使用する濃度をD(mmol/l)のとき、
凝固剤濃度は2価の凝固剤に換算した換算凝固剤濃度C
CONVで表わす。すなわち、 CCONV=A(C2 /C1 )+B+C(C2 /C3 )+D
(C2 /C4 ) この換算凝固剤濃度を使って、所定の割合に混合された
凝固剤の凝析値(CM)を求める。そして、この場合、
次の条件で凝固する。 CM ≦換算凝固剤濃度≦CM +30
【0013】また、(ハ)の撹拌条件は、撹拌翼先端の
周速が100≦周速≦800(cm/s)、好ましくは
150≦周速≦750(cm/s)である。周速が10
0cm/s未満であると粗大粒子が多く生成する。ま
た、周速が800cm/sを超えると微粉が生成する。
目的を達成できない。また撹拌翼先端速度の増減によ
り、凝固粒子径をコントロールすることができる。ま
た、凝固した粒子の機械的強度およびカサ密度などの粉
体特性を改善するために、凝固粒子を加熱処理すること
ができる。この好ましい加熱処理条件は、Tm≦処理温
度≦Tm+80、さらに好ましくはTm+10≦処理温
度≦Tm+70である。Tmより低いと加熱処理の効果
が小さくなり、カサ密度の増加、回収凝固粒子中の含水
率の低減の効果が現われない。Tm+80℃を超えると
凝固粒子同士が融着してかたまりとなり、安定運転がで
きない。また、スラリー濃度を上げられない。また、こ
の加熱処理時間は5分≦処理時間≦180分である。好
ましくは10分≦処理時間≦120分である。5分より
短いと加熱処理の効果が小さく、カサ密度の増加、回収
凝固粒子中の含水率の低減の効果が現われない。180
分を超えると樹脂の色相など物性を損なうし、装置が大
きくなり経済的でない。ここでいう加熱処理時間は、連
続運転では平均滞留時間のことである。本発明では、従
来行なわれていた方法に比べ凝固剤の量が少ないため、
未凝固ラテックスがわずかに残るときがあって、微粉の
発生、後工程の脱水機の口布目詰り発生などの点で好ま
しくない場合がある。この場合、凝固槽と加熱処理槽と
の間に、さらに凝固剤を追加添加して完全に凝固を終わ
らせるのが好ましい。追加する凝固剤の量としては、凝
固剤が塩であって、その凝固剤の陽イオンが1価のと
き、系中濃度が200mmol/l以上、2価のとき、
系中濃度が5mmol/l以上、3価のとき、系中濃度
が2mmol/l以上、凝固剤が酸のとき、系中濃度が
5mmol/l以上増加するように、凝固剤を添加する
ことが好ましい。
【0014】本発明の重合体ラテックスの凝固方法のプ
ロセスについては特に制限するものではなく、一般に行
なわれている方法で行なうことができる。凝固方法の一
例を示す。重合体ラテックスと凝固剤(水溶液)と必要
に応じて水のそれぞれを、連続的あるいは回分的に本発
明の(ロ)の条件になるよう供給し、凝固スラリーを得
る。この凝固スラリーを得るときの本発明の(ハ)の混
合撹拌は、それぞれの成分の供給時および供給後に行な
われる。凝固スラリーは本発明の(イ)の凝固温度で加
熱するが、この加熱は上記各成分の供給中および供給後
に行なわれる。加熱中は凝固スラリーの重合成分がよく
分散するように凝固スラリーを撹拌する。この加熱によ
り重合体粒子が凝集し、凝集重合体粒子が生成する。そ
して、この撹拌に用いられる撹拌翼の形状は特に制限さ
れるものではなく、バドル翼、タービン翼、プロペラ
翼、ゲートタイプ翼など一般的に用いられる翼が使用で
きる。
【0015】本発明は凝固スラリー中の上記凝集重合体
粒子を分離し、必要に応じて水洗、乾燥し、乾燥重合体
粒子とすることができる。分離の方法としては、例えば
下記の方法が挙げられる。すなわち、水平ベルトフィル
ター、遠心脱水機などにより、脱水、洗浄および分離す
ることができる。さらに、フラッシュドライヤーや流動
乾燥機にて乾燥して、乾燥重合体粒子として回収するこ
とができる。また、凝固スラリーをそのまま、あるいは
水平ベルトフィルター、遠心脱水機などにて脱水した
後、脱水スリット付二軸押出機にて乾燥することができ
る。本発明による凝集重合体粒子は微粉粒子が少ないの
で、上記方法において通常発生する問題点、すなわち、 水平ベルトフィルター、遠心脱水機の濾布の目詰
り、 二軸押出機の入口部での噛み込み不良による低吐出
量、 二軸押出機の脱水スリットからの凝集粒子のもれ を生ずることなく、脱水、乾燥することができる。さら
に本発明の凝固方法で得られた粒子は球状に近く、粒度
分布が狭く、粒子のそろった粒子が回収できる。
【0016】
【実施例】以下に実施例により本発明の方法を具体的に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。粉体特性測定法 粒度分布の広がり;粒子径が1000μmまでは、レー
ザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製)に
より粒度分布を求める。1000μmを超えるものにつ
いては、画像解析により求める。平均粒子径d10
50、d90は、この粒度分布の累積分布曲線から求めた
10、50、90%の累積値の粒径である。粒度分布の
広がりの尺度としては、下記の式で求められる広がりを
採用した。好ましい広がりは2以下である。 広がり=(d90−d10)/d50 微粒子の有無;200メッシュ金アミを通り抜ける樹脂
量により求める。200メッシュ金アミ通り抜け樹脂量
は少ないほどよく、2重量%以下が合格。 粗大粒子の有無;32メッシュ金アミを通り抜けない樹
脂量より求める。樹脂量は少ないほどよく、2重量%以
下が好ましい。 実施例1 重合体ラテックスとして、スチレン−ブタジエン系ゴム
状重合体ラテックス60重量%(固形分)の存在下にス
チレン20重量%、メチルメタアクリレート20重量%
を乳化グラフト共重合して得られた重合体ラテックスを
用いた。この重合体ラテックスの固形分濃度は20重量
%であり、0.2重量%の硫酸(凝固剤)水溶液を用い
て測定された凝析値は2mmol/l、ビカット軟化点
は72℃であった。凝固剤としては1重量%硫酸水溶液
を使用した。内容積10リットルの撹拌機付き凝固槽に
連続的に上記重合体ラテックスを400ml/分、1重
量%硫酸水溶液を40ml/分、イオン交換水を560
ml/分添加した。このとき凝固槽内の凝固剤濃度は4
mmol/lであった。凝固槽の温度は、ジャケット加
熱により50℃にコントロールし、撹拌速度は撹拌翼先
端速度が250cm/sとなるように撹拌した。連続的
に凝固を行なった凝固槽から連続的に排出された凝固ス
ラリーを95℃で40分間加熱処理した後、遠心分離機
を用い、重合体成分の分離、水洗、脱水を行ない乾燥
し、乾燥粒子を得た。その結果を表1に示す。 実施例2 凝固槽内の凝固剤濃度が10mmol/lになるように
1重量%の硫酸水溶液を98ml/分、イオン交換水を
498ml/分で実施した以外は実施例1と同様に実施
した。結果を表1に示す。 実施例3 凝固温度を70℃で実施した以外は、実施例1と同様に
実施した。結果を表1に示す。 実施例4 重合体ラテックスとして、スチレン−ブタジエン系ゴム
状重合体ラテックス70重量%(固形分)の存在下にス
チレン10重量%、メチルメタアクリレート20重量%
を乳化グラフト共重合した重合体ラテックスを用いた。
この重合体ラテックスの固形分濃度は20重量%であ
り、0.2重量%の塩酸水溶液を用いて測定された凝析
値は4mmol/l、ビカット軟化点は58℃であっ
た。凝固剤としては1重量%塩酸水溶液を使用した。内
容積120リットルの撹拌機付き凝固槽に連続的に上記
重合体ラテックスを4.8リットル/分、1%塩酸水溶
液を0.26リットル/分、イオン交換水を6.94リ
ットル/分添加した。このとき凝固槽内の凝固剤濃度は
6mmol/lであった。凝固槽の温度は、ジャケット
加熱により40℃にコントロールし、撹拌速度は撹拌翼
先端速度が400cm/sとなるように撹拌した。連続
的に凝固槽から排出された凝固スラリーを95℃で40
分間加熱処理した後、脱水、洗浄、乾燥し、乾燥粒子を
得た。その結果を表1に示す。
【0017】比較例1 凝固温度が30℃で実施した以外は実施例1と同様に実
施した。結果を表1に示す。 比較例2 凝固温度を97℃で実施した以外は実施例1と同様に実
施した。結果を表1に示す。 比較例3 凝固槽内の凝固剤濃度が1mmol/lとなるように1
重量%硫酸水溶液を10ml/分、イオン交換水を59
0ml/分で実施した以外は実施例1と同様に実施し
た。結果を表1に示す。 比較例4 凝固槽内の凝固剤濃度が40mmol/lとなるように
1重量%硫酸水溶液を392ml/分、イオン交換水を
208ml/分で実施した以外は実施例1と同様に実施
した。結果を表1に示す。 比較例5 撹拌速度が撹拌翼先端速度で80cm/sで実施した以
外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。 比較例6 撹拌速度が撹拌翼先端速度で1000cm/sで実施し
た以外は実施例1と同様に実施した。その結果を表1に
示す。実施例1〜4は本発明の範囲内で行なわれた例で
あり、微粉および粗大粒子が少なく、粒度分布の広がり
が狭いほぼ球状の粒子が得られており、本発明の目的が
達成されている。一方、比較例1は凝固温度が本発明の
範囲未満であり、微粉が多く粒子の形状も球形ではなか
った。比較例2は凝固温度が本発明の範囲を超えた場合
であり、粗大粒子が多く生成した。比較例3は凝固剤濃
度が本発明の範囲未満であり、凝固がほとんど起こらな
かった。比較例4は凝固剤濃度が本発明の範囲を超えて
おり、微粉および粗大粒子が多く生成した。比較例5は
撹拌速度が本発明の範囲未満であり、粗大粒子が多く生
成した。(ただし粒子は均一であった。)比較例6は撹
拌速度が本発明の範囲を超えており、微粉が多く生成し
た。(ただし粒子は均一であった。)
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】従来、重合体ラテックスから重合体を回
収する方法として、一般には重合体ラテックスに凝固剤
を加え重合体を凝集させ、これを加熱し重合体粒子を大
きくし、これを分離機で分離し、粉末状の重合体を得て
いたが、微粉粒子を多く含んでいるため、色々な問題が
生じている。本発明は、ゴム状重合体の含量が50重量
%以上の重合体ラテックスを凝固するにあたって、微粉
および粗大粒子が少なく、形状がほぼ球状の粒度分布が
非常に狭い凝固粒子を提供するものである。この凝固粒
子を得るための凝固方法は、従来一般に使用されている
凝固剤濃度より低く、かつ特定範囲の凝固剤濃度、特定
範囲の凝固温度および特定範囲の撹拌速度で凝固するこ
とで微粉粒子、粗大粒子の発生を抑え、ほぼ球状で粒度
分布の非常に狭い凝固粒子を得るものである。本発明の
重合体ラテックスの凝固方法は全く新規である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 貞三 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム変性ビニル系重合体、またはゴム変
    性ビニル系重合体とビニル系重合体からなり、かつゴム
    状重合体の含量が50重量%以上である重合体ラテック
    ス(A)を、下記の(イ)、(ロ)および(ハ)の条件
    で凝固することを特徴とする重合体ラテックスの凝固方
    法。 (イ)凝固温度(℃) (Tm−40℃)≦凝固温度≦(Tm+20℃) ただし、Tm;回収される重合体の軟化点(℃) (ロ)凝固剤濃度 凝固剤が塩であって、 その凝固剤の陽イオンが1価のとき、 C≦凝固剤濃度(mmol/l)≦C+2000、 その凝固剤の陽イオンが2価のとき、 C≦凝固剤濃度(mmol/l)≦C+30、 その凝固剤の陽イオンが3価のとき、 C≦凝固剤濃度(mmol/l)≦C+10、 凝固剤が酸のとき、 C≦凝固剤濃度(mmol/l)≦C+30 ただし、C;凝析値(mmol/l) (ハ)重合体ラテックスと凝固剤は撹拌下に接触し、そ
    の撹拌翼の先端の周速が 100≦周速≦800(cm/s)
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