JP3505870B2 - 球状重合体粒子 - Google Patents

球状重合体粒子

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JP3505870B2 JP24052695A JP24052695A JP3505870B2 JP 3505870 B2 JP3505870 B2 JP 3505870B2 JP 24052695 A JP24052695 A JP 24052695A JP 24052695 A JP24052695 A JP 24052695A JP 3505870 B2 JP3505870 B2 JP 3505870B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ビニル系重合体お
よび/またはゴム変性ビニル系重合体のラテックスを、
水系において凝固して得られる重合体粒子に関し、さら
に詳しくは微細で、粒度分布の狭い球状重合体粒子に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来、例えば乳化重合法等により得られ
るビニル系重合体あるいはゴム変性ビニル系重合体のラ
テックスから重合体を回収する際には、一般に該ラテッ
クスを凝固剤により凝固して、粉末状あるいは球状の重
合体を得ている。重合体ラテックスから重合体を回収す
る最も一般的な方法は、重合体ラテックスと凝固剤溶液
とを凝固槽に連続的に供給し、攪拌して凝固する方法で
あるが、この方法により回収される重合体は不定形で、
微粉粒子も相当量含まれるため、ろ過時のフィルターの
目詰まりや脱水効率の低下を来たし、ペレット化する際
の押出機内での喰い込み不良や輸送時のブリッジ発生を
来たしやすく、さらには粉塵による火災あるいは爆発や
環境悪化のおそれもあり、取扱性、生産性、安全性等種
々の面で問題があった。また第2の方法として、重合体
ラテックスを凝固剤溶液とともに脱水スリット付二軸押
出機に供給し、混練して凝固する方法(特公昭59−3
7021号公報参照)が知られているが、この方法では
乳化剤、凝固剤等を回収重合体から除去するための水洗
効率が低く、不純物が回収重合体中に残り、最終製品の
品質を低下させるという欠点がある。さらに第3の方法
として、凝固剤溶液を凝固室内にミスト状に噴霧して、
重合体ラテックスの液滴と空間で接触させ、凝固する方
法(特開昭58−87102号公報参照)も知られてい
るが、この方法では装置の大型化が避けられず、また凝
固室内も汚れやすいため保守が煩雑となり、工業的に実
施する上で問題がある。このような問題を解決するた
め、本出願人は既に、凝固温度、凝固剤濃度あるいは攪
拌速度を特定することにより、回収重合体の粒子径ある
いはそれと粒度分布を制御する方法(特開平6−256
405号公報、特開平7−138376号公報参照)を
提案した。しかしながら、これらの方法も重合体粒子の
平均粒子径が比較的大きく、また真球度も十分でないた
め、特に流動性の面でさらなる改善が求められている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ビニ
ル系重合体および/またはゴム変性ビニル系重合体のラ
テックスを、水系において凝固することにより得られ
る、微細で、粒度分布が狭く、かつ平均真球度の高い球
状重合体粒子を提供することにある。 【0004】 【課題の解決手段】本発明の要旨は、ビニル系重合体お
よび/またはゴム変性ビニル系重合体のラテックスを、
水系において攪拌しつつ凝固して得られる粒子であっ
て、その平均粒子径が0.05〜0.mm、粒度分布
の広がりが2以下、平均真球度が0.7以上、かつ流動
性指数が75以上であることを特徴とする球状重合体粒
子、からなる。 【0005】 【0006】以下、本発明を詳細に説明する。重合体ラテックス(A) 本発明の球状重合体粒子は、ビニル系重合体および/ま
たはゴム変性ビニル系重合体のラテックス(以下、「重
合体ラテックス(A)」という。)を、水系において攪
拌しつつ凝固して得られるものである。重合体ラテック
ス(A)は、通常、ビニル系単量体を、ゴム状重合体の
非存在下または存在下で乳化重合することにより製造さ
れる。重合体ラテックス(A)を製造する際に使用され
るビニル系単量体は特に限定されるものではなく、目的
とするビニル系重合体あるいはゴム変性ビニル系重合体
の特性に応じて適宜選択されるが、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、α−クロロアクリル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸(無水
物)類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n
−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、
n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレー
ト、t−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタ
クリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロア
クリロニトリル、α−シアノアクリロニトリル等のシア
ン化ビニル系単量体;アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルメタクリルアミド、N,N−ジメトキシアクリルアミ
ド、N,N−ジメトキシメタクリルアミド等の(メタ)
アクリルアミド類;マレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単
量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、クロロスチレン、ビニルピリジン等の芳香族ビニル
系単量体;ふっ化ビニル、塩化ビニル、臭化ビニル、塩
化ビニリデン等のハロゲン化ビニル系単量体;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレ
ン等を挙げることができる。これらのビニル系単量体
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。本発明における好ましいビニル系単量体は、(メ
タ)アクリル酸エステル類、シアン化ビニル系単量体、
芳香族ビニル系単量体であり、さらに好ましくは(メ
タ)アクリル酸エステル類、シアン化ビニル系単量体お
よび芳香族ビニル系単量体の群の少なくとも2種の混合
物である。また前記ビニル系単量体とともに、例えばマ
レイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系
単量体を併用することにより、特に耐熱性に優れたビニ
ル系重合体およびゴム変性ビニル系重合体を得ることが
できる。 【0007】また、ゴム変性ビニル系重合体を製造する
際に使用されるゴム状重合体も特に限定されるものでは
なく、目的とするゴム変性ビニル系重合体の特性に応じ
て適宜選択されるが、例えば天然ゴム、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、好ましくはス
チレン含量5〜60重量%のスチレン−ブタジエンゴ
ム、スチレン−イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム、(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエ
ンゴム、(メタ)アクリル酸エステル−イソプレンゴ
ム、アクリル系ゴム、エチレン−α−オレフイン系ゴ
ム、エチレン−α−オレフイン−非共役ジエン系ゴム、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イ
ソプレンブロック共重合体、水素化ブタジエン系(共)
重合体、水素化イソプレン系(共)重合体、カルボキシ
ルラバー、エチレン系アイオノマー、シリコーン系ゴム
等を挙げることができる。これらのゴム状重合体は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における好ましいゴム状重合体は、ポリブタジエ
ン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリル系ゴム、好ま
しくは不飽和基を含有するシリコーン系ゴムである。本
発明におけるゴム変性ビニル系重合体の具体例として
は、ブタジエン系ゴム変性ポリスチレン、ブタジエン系
ゴム変性アクリロニトリル−スチレン樹脂、ブタジエン
系ゴム変性メチルメタクリレート−アクリロニトリル−
スチレン樹脂、ブタジエン系ゴム変性メチルメタクリレ
ート−スチレン樹脂、ブタジエン系ゴム変性ポリメチル
メタクリレート、ブタジエン系ゴム変性メチルメタクリ
レート−アクリロニトリル樹脂、アクリル系ゴム変性ポ
リスチレン、アクリル系ゴム変性アクリロニトリル−ス
チレン樹脂、アクリル系ゴム変性メチルメタクリレート
−アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリル系ゴム変
性ポリメチルメタクリレート、アクリル系ゴム変性メチ
ルメタクリレート−アクリロニトリル樹脂等を挙げるこ
とができる。ゴム変性ビニル系重合体ラテックスにおけ
る全重合体成分に対するゴム状重合体の含量は、通常、
80重量%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好
ましくは55重量%以下、特に好ましくは45重量%以
下であり、就中40重量%以下のものを用いる場合に最
も優れた効果が達成される。本発明においては、重合体
ラテックス(A)としてゴム変性ビニル系重合体ラテッ
クスを使用することにより、目的とする球状重合体粒子
を特に効率よく得ることができる。 【0008】重合体ラテックス(A)を製造する乳化重
合において使用される乳化剤としては、例えばアルキル
硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アル
キルアリールスルホン酸塩、ホルムアルデヒド縮合ナフ
タレンスルホン酸塩、アルキルりん酸塩、ポリオキシア
ルキレンアルキルエーテルりん酸塩、ポリオキシアルキ
レンアルキルフェニルエーテルりん酸塩等のアニオン性
乳化剤;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルアリールエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル等のノニオン性乳化剤;ふっ素系乳化
剤;反応性乳化剤等を挙げることができる。これらの乳
化剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用すること
ができる。重合体ラテックス(A)の固形分濃度は、通
常、10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%で
ある。 【0009】球状重合体粒子の製造方法 本発明球状重合体粒子は、前記重合体ラテックス
(A)を、水系において攪拌しつつ、下記(イ)〜
(ニ)の条件を組合せて凝固することにより製造するこ
とができる。 (イ) 凝固温度(℃)は、Tmを処理される重合体の
軟化点(℃)として、 (Tm−20)≦凝固温度≦(Tm+30)、 好ましくは(Tm−10)≦凝固温度≦(Tm+10)
である。 ここで、軟化点(Tm)は、処理される重合体ラテック
ス(A)から回収した重合体を乾燥したのち、JIS
K7206に準拠して測定したビカット軟化点である。
この場合、凝固温度が(Tm−20)より低いと、微粉
が生成し、一方(Tm−20)より高いと、凝固粒子が
融着しやすくなり、粗大粒子が生成したり、凝固粒子ス
ラリーの濃度を高くすることが困難となったりする。凝
固処理系の加熱は、凝固槽に設けた加熱ジャケット、加
熱パイプ、誘電加熱装置等の適宜の加熱手段により実施
することができる。 【0010】(ロ) 凝固剤濃度(ミリモル/リット
ル)は、C0 を凝析値(ミリモル/リットル)として、
下記(i)〜 (iii)のように定める。 (i) 凝固剤が塩である場合、該塩中のカチオンの価
数に応じて、 1価の場合:C0 ≦凝固剤濃度≦C0 +2000、 好ましくはC0 ≦凝固剤濃度≦C0 +1500; 2価の場合:C0 ≦凝固剤濃度≦C0 +30、 好ましくはC0 ≦凝固剤濃度≦C0 +20; 3価の場合:C0 ≦凝固剤濃度≦C0 +10、 好ましくはC0 ≦凝固剤濃度≦C0 +8; (ii) 凝固剤が酸である場合、 C0 ≦凝固剤濃度≦C0 +30、 好ましくはC0 ≦凝固剤濃度≦C0 +20; (iii) 凝固剤が、カチオン価数の異なる塩および酸の
群の2種以上の混合物である場合、混合凝固剤濃度をカ
チオンが2価の凝固剤の濃度に換算した換算凝固剤濃度
C(conv)で表し、混合凝固剤の換算凝固剤濃度による凝
析値をC(m) として、 C(m) ≦換算凝固剤濃度≦C(m) +30、 好ましくはC(m) ≦換算凝固剤濃度≦C(m) +20。 ここで、凝析値(C0)は、使用される重合体ラテックス
を濃度0.20重量%に水で希釈し、このラテックス1
0ccを試験管にとり、濃度を変えた凝固剤水溶液10
ccを添加して十分攪拌し、30℃の恒温槽内に静置し
た1時間後の沈澱の有無を調べたとき、沈澱が生じる凝
固剤水溶液の最低濃度(ミリモル/リットル)である。
また、換算凝固剤濃度C(conv)は、下記式で表される。 C(conv)=a(C2 /C1)+b+c(C2 /C3)+d(C2
4) 但し、C1 はカチオンが1価の塩からなる凝固剤の凝析
値(ミリモル/リットル)、aは該凝固剤の濃度(ミリ
モル/リットル); C2 はカチオンが2価の塩からなる凝固剤の凝析値(ミ
リモル/リットル)、bは該凝固剤の濃度(ミリモル/
リットル); C3 はカチオンが3価の塩からなる凝固剤の凝析値(ミ
リモル/リットル)、cは該凝固剤の濃度(ミリモル/
リットル); C4 は酸からなる凝固剤の凝析値(ミリモル/リット
ル)、dは該凝固剤の濃度(ミリモル/リットル)であ
る。 この場合、(換算)凝固剤濃度が前記下限未満である
と、凝固が不十分となって、未凝固物が残存し、一方前
記上限を超えると、微粉が生成する。このような凝固剤
濃度は、従来の重合体ラテックスの凝固に採用されてい
る濃度より低く、経済的に有利である。これは、他の
(イ)、(ハ)および(ニ)の凝固条件と組合せること
によって始めて可能となったものである。 【0011】(ハ) 最大攪拌速度(cm/秒)は、 50cm/秒≦最大攪拌速度≦800cm/秒、 好ましくは100cm/秒≦最大攪拌速度≦00cm
/秒である。 ここで、最大攪拌速度とは、採用された攪拌手段の移動
速度あるいは回転速度が最大となる箇所での攪拌速度を
意味し、例えば攪拌翼の場合、通常、攪拌翼の先端速度
が最大攪拌速度となる。この場合、最大攪拌速度が50
cm/秒未満であると、粒子が大きくなり過ぎて、粒子
径3mm以上の粗大粒子を生成し、粒度分布が広くなっ
て、重合体粒子が不均一となり、一方800cm/秒を
超えると、平均粒子径が0.05mm未満となり、本発
明の効果が十分達成されない。本発明においては、最大
攪拌速度を調節することにより、重合体粒子の平均粒子
径を制御することができる。凝固に使用される攪拌手段
としては、前記(ハ)最大攪拌速度の条件を達成できる
限り特に限定されるものでないが、好ましくは攪拌翼で
あり、例えばパドル翼、タービン翼、プロペラ翼、ゲー
トタイプ、ディスク翼翼等の一般に用いられている攪拌
翼を挙げることができる。また、凝固槽内に邪魔板等の
補助攪拌手段を付設することもできる。 【0012】(ニ) 凝固時間(分)は、 1分≦凝固時間、好ましくは2分≦凝固時間、 さらに好ましくは3分≦凝固時間、特に好ましくは4分
≦凝固時間、 最も好ましくは5分≦凝固時間である。 この場合、凝固時間が1分未満であると、充分造粒させ
ることが困難となり、球状の重合体粒子が得られず、ま
た粒度分布も広くなる。なお、ここでいう凝固時間と
は、連続運転の場合、凝固槽内での重合体の平均滞留時
間を意味する。凝固時間には、目的とする重合体粒子を
得る観点では、本質的に上限がないが、必要以上に凝固
処理を続けるのは、重合体の色相等を損なうおそれがあ
り、また生産性も低下するので、凝固時間は、通常、3
0分程度以下、好ましくは20分以下である。本発明の
球状重合体粒子を製造する際には、前記(イ)〜(ニ)
の条件が満足されなければならないが、各条件の好まし
い組合せは実験により設定すことができる。 【0013】さらに本発明においては、凝固した重合体
粒子の機械的強度、かさ密度等の粒体特性を改善するた
め、凝固処理に引き続いて加熱処理を行なうことができ
る。この加熱処理により、重合体粒子の真球度がさらに
改善される。前記加熱処理は、そのまま凝固槽内で行な
ってもよく、また凝固粒子を別の処理槽に導入して行な
ってもよい。別の処理槽で加熱処理を行なう場合、凝固
粒子を凝固処理の水系媒体から分離しないでそのまま処
理することが好ましい。このような加熱処理の好ましい
条件は、処理温度(℃)がTm≦処理温度≦(Tm+5
0)、さらに好ましくは(Tm+10)≦処理温度≦
(Tm+40)であり、処理時間(分)が5分≦処理時
間≦180分、さらに好ましくは10分≦処理時間≦1
20分である。また加熱処理時の攪拌速度は、凝固粒子
が融着や破砕を来さない限り特に限定されないが、凝固
処理時の攪拌速度と同等以上とすることが好ましい。こ
の場合、処理温度がTmより低いと、かさ密度の増加や
凝固粒子中の含水率の低減等の改善効果が充分発揮され
ず、一方(Tm+50)より高いと、凝固粒子同士が融
着して凝塊を生成し、円滑な運転や凝固粒子スラリーの
濃度を高くすることが困難となる。また、処理時間が5
分未満であると、かさ密度の増加や凝固粒子中の含水率
の低減等の改善効果が充分発揮されず、一方180分を
超えると、重合体の色相等を損なうおそれがあり、また
生産性も低下する。なお、ここでいう加熱処理時間と
は、連続運転の場合、処理槽内での重合体の平均滞留時
間を意味する。その後、得られた球状重合体粒子を、例
えば遠心脱水、流動乾燥、噴霧乾燥、ろ過等の適宜の方
法により脱水し、必要に応じて水洗、乾燥する。 【0014】 凝固に使用される凝固剤は、水溶性の酸
または塩である。このような凝固剤としては、例えば塩
酸、硝酸、硫酸等の無機酸;ぎ酸、酢酸、しゅう酸等の
有機酸;前記酸の1価金属塩、例えば塩化ナトリウム、
塩化カリウム、硝酸ナトリウム等;前記酸の2価金属
塩、例えば塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸第一鉄等;前記酸の3価金属塩、例えば
塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等を挙げることが
できる。これらの凝固剤は、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができる。前記凝固剤のうち、無機
酸および多価金属塩が好ましく、さらに好ましくは硫
酸、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムであり、特に好
ましくは塩化カルシウム、硫酸マグネシウムであり、就
中塩化カルシウムが最も好ましい。また、前記凝固剤と
ともに高分子凝集剤、例えばポリアクリルアミド、アク
リル酸−アクリルアミド共重合体(塩)、ポリ(メタ)
アクリル酸(塩)、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース等を併用することもできる。 【0015】球状重合体粒子 本発明の球状重合体粒子は、重合体ラテックス(A)
を、水系において攪拌しつつ凝固して得られる粒子であ
って、その平均粒子径、粒度分布の広がり平均真球度
および流動性指数が下記要件を満足する粒子である。球
状重合体粒子の平均粒子径は0.05〜0.mmであ
る。ここで、平均粒子径は、レーザ回析/散乱式粒度分
布測定装置を用いて測定し、また平均粒子径が1mmを
超える粒子については、画像解析により測定した。この
場合、平均粒子径が0.05mm未満であると、性状が
微粉体的となって取扱性が低下する。なお0.5mmを
超えると、凝固粒子スラリーが輸送配管内で閉塞しやす
く、工業化が困難となり、また卵形の凝固粒子が多くな
って、真球度も低下する。球状重合体粒子の粒度分布の
広がりは2以下、好ましくは0.7〜1.5である。こ
こで、粒度分布の広がりは、下記式で定義される。 粒度分布の広がり=(d90−d10)/d50 但し、d90、d50およびd10は、各粒子径毎にそれより
小さい粒子の積算量(重量%)を測定したとき、それぞ
れ90重量%、50重量%および10重量%の積算量に
対応する粒子径である。本発明の球状重合体粒子は、粒
度分布の広がりが2以下で、粒子の大きさが均一とな
り、微粉や粗大粒子が極めて少ない。球状重合体粒子の
平均真球度は0.7以上、好ましくは0.8〜1.0で
ある。ここで、真球度は、下記式で定義される。 真球度=粒子の短径/粒子の長径 本発明の球状重合体粒子は、平均真球度が0.7以上
で、形状が球に近い均一なものである。また、本発明の
球状重合体粒子は、真球度0.7以上の粒子を、通常、
80重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好
ましくは95重量%以上含有する。本発明の球状重合体
粒子は、流動性指数が75以上である。ここで、重合体
粒子の流動性指数は、「ケミカル エンジニアリング (C
emical Engineering) (1965 1 18 日発行 ) 163
168 頁に記載された方法により、「安息角」、「圧縮
度」、「スパチュラ角」および「均一度(または凝集
度)」の4つの値を測定し、それらの値から換算表にし
たがって点数を付与し、その総和で表される。この流動
性指数が大きいほど、重合体粒子の流動性が優れること
を意味する。本発明の球状重合体粒子は、従来の重合体
粒子に比べて、輸送工程やペレット化工程での取扱性、
押出機内での喰い込み性、および流動性が著しく優れ、
生産性が高く、また安全性や環境保全の面でも問題のな
いものとなる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。但し本発明は、例示した実施例に限定されるもの
ではない。 【0017】 【実施例】 実施例1 重合体ラテックス(A)として、ポリブタジエンラテッ
クスの存在下で、メチルメタクリレート、スチレンおよ
びアクリロニトリルを、乳化剤としてN−メチル−N−
オレイルタウリンナトリウムを用いて乳化グラフト共重
合して得られた、ブタジエン10重量%、メチルメタク
リレート57重量%、スチレン23重量%およびアクリ
ロニトリル10重量%からなるゴム変性ビニル系重合体
を用いた。このゴム変性ビニル系重合体ラテックスは、
固形分濃度が30重量%であり、その0.2重量%塩化
カルシウム水溶液による凝析値(C0 )が15ミリモル
/リットル、軟化点(Tm)が90℃であった。2段傾
斜パドル翼(翼径14cm)を備えた内容積10リット
ルの凝固槽に、前記グラフト共重合体ラテックスを30
0ミリリットル/分、凝固剤として2重量%塩化カルシ
ウム水溶液を120ミリリットル/分、イオン交換水を
580ミリリットル/分の速度で連続的に供給し、凝固
した重合体粒子スラリーを連続的に排出して、凝固を行
なった。このとき、凝固槽内の凝固剤濃度は20ミリモ
ル/リットルであった。また、凝固槽の温度はジャケッ
ト加熱により90℃に保持し、攪拌速度は攪拌翼先端速
度として300cm/秒に保持し、重合体の凝固槽内で
の平均滞留時間は10分であった。凝固槽から排出され
た重合体粒子スラリーを、110℃で40分間加熱処理
したのち、重合体粒子を遠心脱水機により分離して、水
洗、乾燥を行ない、球状重合体粒子を得た。得られた球
状重合体粒子の評価結果を、表−1に示す。 実施例2 凝固剤濃度が30ミリモル/リットルとなるように、2
重量%塩化カルシウム水溶液を170ミリリットル/
分、イオン交換水を530ミリリットル/分の速度で供
給した以外は、実施例1と同様にして処理した。得られ
た球状重合体粒子の評価結果を、表−1に示す。 実施例3 攪拌翼先端速度を500cm/秒に変更した以外は、実
施例1と同様にして処理した。得られた球状重合体粒子
の評価結果を、表−1に示す。 実施例4 ゴム変性ビニル系重合体の凝固槽内での平均滞留速度が
2分となるように、ゴム変性ビニル系重合体ラテックス
を1500ミリリットル/分、2重量%塩化カルシウム
水溶液を600ミリリットル/分、イオン交換水を29
00ミリリットル/分の速度で供給した以外は、実施例
1と同様にして処理した。得られた球状重合体粒子の評
価結果を、表−1に示す。 【0018】比較例1 凝固温度を60℃に変更した以外は、実施例1と同様に
して処理した。得られた球状重合体粒子の評価結果を、
表−2に示す。 比較例2 凝固温度を130℃に変更した以外は、実施例1と同様
にして処理した。得られた球状重合体粒子の評価結果
を、表−2に示す。 比較例3 凝固剤濃度が5ミリモル/リットルとなるように、2重
量%塩化カルシウム水溶液を30ミリリットル/分、イ
オン交換水を670ミリリットル/分の速度で供給した
以外は、実施例1と同様にして処理した。得られた球状
重合体粒子の評価結果を、表−2に示す。 比較例4 凝固剤濃度が60ミリモル/リットルとなるように、2
重量%塩化カルシウム水溶液を340ミリリットル/
分、イオン交換水を360ミリリットル/分の速度で供
給した以外は、実施例1と同様にして処理した。得られ
た球状重合体粒子の評価結果を、表−2に示す。 比較例5 攪拌翼先端速度を30cm/秒に変更した以外は、実施
例1と同様にして処理した。得られた球状重合体粒子の
評価結果を、表−2に示す。 比較例6 攪拌翼先端速度を1000cm/秒に変更した以外は、
実施例1と同様にして処理した。得られた球状重合体粒
子の評価結果を、表−2に示す。 比較例7 ゴム変性ビニル系重合体の凝固槽内での平均滞留速度が
0.5分となるように、ゴム変性ビニル系重合体ラテッ
クスを6000ミリリットル/分、2重量%塩化カルシ
ウム水溶液を2400ミリリットル/分、イオン交換水
を11600ミリリットル/分の速度で供給した以外
は、実施例1と同様にして処理した。得られた球状重合
体粒子の評価結果を、表−2に示す。 【0019】 【表1】 【0020】 【表2】 【0021】 表−1および表−2から明らかなよう
に、本発明の球状重合体粒子は、押出機内での喰い込み
性および流動性に優れている。これに対して、比較例1
は凝固温度が低すぎるため、凝固粒子の平均粒子径が小
さく、均一な球状粒子を得ることができず、かつ重合体
粒子の流動性も低かった。比較例2は凝固温度が高すぎ
るため、凝固粒子が融着し、円滑な運転が不可能であっ
た。比較例3は凝固剤濃度が低すぎるため、充分凝固さ
せることができなかった。比較例4は凝固剤濃度が高す
ぎるため、凝固粒子の粒度分布が極めて広く、均一な球
状粒子を得ることができず、かつ重合体粒子の流動性も
低かった。比較例5は最大攪拌速度が小さすぎるため、
凝固中の混合が不充分で、凝固粒子が粗大化し、均一な
重合体粒子を得ることができなかった。比較例6は最大
攪拌速度が大きすぎるため、凝固粒子は比較的均一で形
状も良好であるが、平均粒子径が小さく、重合体粒子の
流動性も不充分であった。さらに、比較例7は凝固時間
が短すぎるため、造粒が不充分で、粒度分布が広く、重
合体粒子の流動性も不充分であった。 【0022】 【発明の効果】本発明の球状重合体粒子は、取扱性、押
出機内での喰い込み性および流動性が優れ、しかも安全
性および環境保全の面でも何ら問題なく扱うことができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 貞三 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−138376(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 6/22 C08J 3/16

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ビニル系重合体および/またはゴム変性
    ビニル系重合体のラテックスを、水系において攪拌しつ
    つ凝固して得られる粒子であって、その平均粒子径が
    0.05〜0.mm、粒度分布の広がりが2以下、平
    均真球度が0.7以上、かつ流動性指数が75以上であ
    ることを特徴とする球状重合体粒子。
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