JP3703124B2 - ゴム含有重合体の回収方法 - Google Patents

ゴム含有重合体の回収方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体特性のみならず、貯蔵性にも優れたゴム含有重合体の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に乳化重合法で製造される重合体は、該重合体を含んだラテックスに凝固剤を添加し、凝析、凝固することによって回収される。凝固方法としては、ラテックス中に多量の凝固剤を投入するか、または、多量の凝固剤中にラテックスを投入することなどが、最も一般的であるが、装置や工法を検討した特開昭57−59929に見られるようなラテックスを気相凝固する方法や特開昭58−87103に示されたような粉霧状ラテックス、および凝固剤によっ瞬間凝固法などのような連続的な凝固方法も多数提案されている。しかし、一般的な方法は勿論のこと、装置や工法を検討した方法にしても、得られる粉体は、その粒子が歪であったり、または粒子径の制御が難しい場合が多い。さらにその結果粒子径の分布が広くなりやすく、更に微粉が多く発生し、この微粉により粉塵爆発危険性や粉塵による作業環境の悪化等の問題、更に凝固後の脱水時における脱水性の低下等の生産性の問題も挙げられる。このような微粉に対する方策として、特開平5−77684に示されたように凝固条件を最適化することで粉体特性の改善が提案されている。しかし、このような提案では、基本的に微粉発生防止のみであり、ゴム含量が多い乳化重合方法による重合体の貯蔵安定性については何ら検討されていない。また、同様に微粉対策として特開平3−51728や特開平8−48717など第一段階にて緩やかな凝固を行ない、第二段階で完結させるという2段に分けた凝固方法が提案されている。しかし、この方法では第二段階にて2次凝集を引き起こしやすく、肥大粒子の発生、またはそれに伴う広い粒子分布と成りやすい。また、特に上記特開平3−51728では、ラテックスと凝固剤の投入順序の区別が無いため、凝固剤にラテックスを投入する場合、球状の粒子が得られず、回収された粉体は固結する可能性が高くなる。更に、特公昭58−48584に示されたように、高ゴム含有重合体と低ゴム含有重合体とをブレンドすることで粉体特性の改良が提案されている。しかしながら、この方法は、ブレンドされた混合物が製品または殆ど製品状態のものであれば可能であるが、高ゴム含有重合体が中間原料の場合、特定の低ゴム含有重合体と混合して貯蔵することができないなどの問題がある。更に、凝固後に滑剤やシリコンを添加する方法なども提案されているが、これらの方法では、歪な形状の粒子しか生成されず、表面積の大きさから、添加物が効率的に働かないし、その効果を高める為に添加量を増やすと得られる重合体の物性が低下するという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の従来の技術をもとに、微粉を少なく、嵩比重を高め、更に貯蔵安定性にも優れる広範囲のゴム含有重合体の回収を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記したような問題点を解決するために鋭意研究した結果、ゴム含有重合体を回収する際、特定の条件下にて二段階の凝固を行なうことで、粒径分布の狭い、球状の粒子を生成させ、その後、密封系撹拌槽での熱処理工程にて特定の条件下、特定の固結防止剤を添加することで、重合体粒子の表面に効率的に固結防止剤を被覆することにより目的を達成しうることを見いだした。ここで、肝要なことは、固結防止剤の添加時期である。第一段階凝固前や第二段階凝固前に添加しても、所望の粒子径、粒子形状、硬度が得られていないことから、固結防止剤が粒子に均一に被覆していない。そこで、所望の粒子径、形状、硬度になった粒子上に均一に固結防止剤を被覆するため、第二段階の凝固後、かつ熱処理前に添加することにある。
【0005】
本発明に従って、ゴム状重合体に乳化重合可能な、硬質重合体を形成する単量体をグラフト重合させて得られる共重合体のラテックスを下記(イ)〜(ニ)の条件下に二段階の凝析、および凝固を行ない、更に第二段階の凝固後に、加温可能な密封系撹拌槽において、固結防止剤を凝固スラリー中の固形分100重量部に対し0.1〜3.0重量部添加し、85〜150℃にて熱処理を行ない、重合体粒子表面が固結防止剤で均一に被覆されることを特徴とするゴム含有重合体の回収方法:
(イ)凝固剤の添加量は、回収するラテックス中の固形分100重量部に対し、第一段階と第二段階での凝固剤の合計量が1.0〜4.0重量部であり、
(ロ)第一段階での凝固剤の添加量が0.2〜2.0重量部
(ハ)凝固温度が、
第一段階 80〜100℃
第二段階 90〜120℃
(ニ)凝固時の固形分濃度が
第一段階 3〜20重量%
第二段階 3〜20重量%
であることが提供される。
【0006】
本発明方法によれば、二段階の凝固により所望の球状粒子を生成させ、この粒子に均一に固結防止剤を被覆させることにより、粉体特性に優れ、更に貯蔵安定性にもすぐれたゴム含有重合体を回収することができる。
【0007】
本発明のゴム含有重合体の回収方法において、用いられる乳化重合の方法については特に制限がなく、通常用いられる乳化剤、開始剤、及び重合助剤でもよい。すなわち、乳化剤としてはオレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどであり、開始剤としては、過酸化水素、過硫酸塩系などが使用される。上記乳化剤、開始剤などを使用して、ゴム状重合体に硬質重合体を形成する単量体をグラフト重合して重合体ラテックスを得る。
【0008】
本発明において使用される重合体ラテックス中のゴム重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン系共重合体、スチレン−イソプレン系共重合体アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体などのブタジエン系重合体、ブチルアクリレート、オクチルアクリレートなどのアクリル酸エステル系重合体およびシリコン系ゴムなどが挙げられる。これらのゴム状重合体は、1種または2種以上が用いられる。
【0009】
ゴム重合体にグラフト重合可能な単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどのアクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニルなどの化合物が挙げられ、この中から単独または2種以上の併用も可能である。
【0010】
本発明方法においてゴム含有重合体の例としては、一般に知られているところでは、MBS樹脂、ABS樹脂、ABSM樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、MES樹脂等が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。ここでグラフト重合体中のゴム重合体が20〜80重量部でありグラフト重合可能な単量体の合計が20〜80重量部であることが好ましい。
【0011】
本発明の重合体の回収方法は、二段階の凝固を行ない、更に密封系撹拌槽にて熱処理し、脱水、乾燥することを基本とする。二段階の凝固の際、前述の条件下、第一段階と第二段階にて分けて凝固を行なう。第一段階の凝固は、凝固完遂のための前処理的工程であるが、ここで、緩やかなる凝固により、後の第二段階で肥大化粒子の基本粒子を凝析させ、第二段階では、第一段階で生成した粒子を更なる凝固剤の添加により、ほぼ球状の粒子へと肥大化させる。この二段階の凝固工程において、前述の条件下に制御することで、最適な形状の粒子を生成することができる。
【0012】
二段階の凝固後、密封系撹拌槽に固結防止剤を特定の条件下に滴下し、重合体粒子表面に均一に、好ましくは膜を形成した状態で被覆する。これは、所望の形状、分布、および空隙率(乾燥粉体として、嵩密度、含水率等により表現できる)の粒子に、固結防止剤を被覆させ、密封系撹拌槽において必要以上の粒子間融着を防ぎ、所望の最終粒子径、粒子形状である球状及び、粒子の硬度を高めるためである。その結果、粒子は硬く、球状であることから、固結防止剤が効率的に粒子を被覆しており、更に乾燥粉体にした後も、固結防止剤の効果で安定して貯蔵される。
【0013】
嵩比重は好ましくは0.30以上、特に好ましくは0.35以上であり、含水率は好ましくは42%以下、特に好ましくは38%以下であり、また粒径分布(d50)は好ましくは200〜1000μm、特に好ましくは400〜1000μmであり、微粒子は好ましくは5%未満、特に好ましくは3%未満である。貯蔵安定性の指標、代用特性として採用される剪断値は好ましくは50g/cm2 以下、特に好ましくは40g/cm2 以下である。
【0014】
本発明において用いられる凝固剤としては、一般にラテックスを凝固する際に用いられるものが使用でき、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸などの無機酸類、酢酸、無水酢酸、蟻酸などの有機酸類、またはこれらの金属塩である。この金属塩としては、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどが挙げられる。
【0015】
本発明において用いられる固結防止剤としては、基本的に重合体粒子を被覆できればよいことから、従来の固結防止剤であるシリカ、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン等の無機系物なども挙げることができるが、ゴム重合体の物性等に影響を及ぼさないために、粉体として得られたゴム重合体に必要に応じて後添加される。滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤などのような一般に入手されるものが好ましい。ただし、密封系撹拌槽での熱処理において、粒子表面に均一に被覆し、必要以上の粒子間融着を防ぎ、好ましくは、膜を形成するために、固結防止剤の粒子径及び融点を規定する必要がある。この固結防止剤の粒子径が、10μm以下、好ましくは、1μm以下に分散でき、融点が、85〜150℃、好ましくは、95〜135℃である固結防止剤を用いる。固結防止剤の融点が85℃未満では、高温に成りうる貯蔵タンク等の中で粉体粒子が接着する可能性が極めて高く、また、150℃をこえると、重合体粒子に均一に被覆できない。このような固結防止剤は多数挙げることができるが、たとえば、上記添加物の中で滑剤に例をとると、ステアロアミド、オキシステアロアミド、オイレルアミド、エチレンビス・ステアロアミド等の脂肪酸アミドが挙げられる。この滑剤を使用する場合においても、単独でもよく、また、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0016】
本発明における凝固条件について説明する。総凝固剤の量は重合体ラテックス中の固形分100重量部に対し、1.0〜4.0重量部であり、好ましくは、1.5〜3.0重量部である。総凝固剤の量が、1.0部未満では凝固までは至らず、単なる乳化の不安定状態となるだけであり4.0重量部をこえると、凝固剤が多量に残存し、得られる重合体の熱安定性などの物性低下を招く。
【0017】
二段階の凝固剤の振り分け方については、総凝固剤の量の中、第一段階の凝固剤の量は0.2〜2.0重量部であり、好ましくは、0.5〜1.5部である。第一段階の凝固剤の添加量が0.2部未満の場合、単なる乳化の不安定状態になるだけであり、2.0部をこえると、第一段階にて急凝固が起こり、通常と同様な歪な形状の粒子が発生し、目的とする粒子が得られない。凝固の温度については、第一段階では80〜100℃、第二段階では、90〜120℃であり、好ましくは、第一段階では85〜95℃、第二段階では、90〜100である。第一段階の温度が80℃未満の場合、析出される粒子が非常に微細な為、後工程である密封系撹拌槽での熱処理の際、二次凝集が発生し、巨大粒子を生成する。また、100℃をこえると、初期粒子が大きくなりすぎ、製造上のラインの閉塞等を招き、生産上好ましくない。第二段階の温度が90℃未満の場合、粒子密度が上がらず、120℃をこえると二次凝集が発生し、巨大粒子を生成する。また、得られた重合体ラテックスを所望の濃度にする為に、純水にて希釈するが、ラテックスと更に加えた純水との混合物中の固形分の割合(以下、本発明で言うところの固形分濃度という)は第一段階では、3〜20%、第二段階でも3〜20%である。第一段階で、3%未満では初期粒子が小さくなり、20%を越えると、凝固槽の撹拌不良となる。第二段階でも同様である。
【0018】
更に、密封系撹拌槽での熱処理工程においてその温度は、85〜150℃であり、好ましくは、100〜135℃である。この場合、85℃未満では、粒子密度に変化がなく、150℃をこえると粒子間融着が大幅に増大する。また、加熱処理時間については5〜60分がよく、好ましくは、10〜40分がよい。加熱処理時間が、5分より短いと加熱処理が十分ではなく、また、60分より長いと生産性や、得られる重合体の熱履歴による物性の低下を招く。
【0019】
凝固剤の投入方法について説明する。凝固剤は各凝固段階とも乳化重合にて得られた重合体の存在下、つまり凝固槽中に重合体ラテックスを投入した後に凝固剤を添加する。この逆である凝固剤存在下にラテックスを添加すると得られる粒子は球状ではなく、歪な形状となり、脱水、乾燥後の粉体を貯蔵する場合、粒子間の接触点が多くなり、固結を招きやすい。
【0020】
固結防止剤の投入方法について説明する。固結防止剤は、添加撹拌槽内において小さくかつ均一に分散させるために、水や乳化剤などを用いて、予め乳化状態にしておく必要がある。この乳化状態の固結防止剤の添加時期については、第一段階凝固前、第二段階凝固前、熱処理前、脱水乾燥前後においても可能であるが、前記のように、所望の粒子径、形状、硬度になった粒子上に固結防止剤を均一かつ効率的に被覆するため、第二段階の凝固後かつ熱処理前でなければならない。この固結防止剤の添加手段は、凝固スラリー存在下に固結防止剤を添加する。この逆である固結防止剤存在下に凝固スラリーを添加するというスラリー粒子内部に固結防止剤が取り込まれ、十分なる効果が発揮できない。ここで、添加する固結防止剤の添加量は凝固スラリー中の重合体固形分100重量部に対し、0.1〜3.0重量部であり、好ましくは0.5〜2.0重量部である。0.1部未満では固結防止の効果がなく、3部をこえると、得られる重合体の物性の低下や密封系撹拌層内での適度な粒子間融着が行われない。
【0021】
【実施例】
以下に実施例により本発明の方法を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0022】
測定方法
嵩比重 JIS−K−6721に基づいて測定する。(単位:g/ml)
含水率 脱水後の含水粉体中に占める、乾燥後に消失した水分量で表示した。
【0023】
剪断値 粉体剪断値測定機(筒井理化機器(株)製)を用いて、面接触できる上下2段の箱状筒に乾燥粉体を入れ、この筒をそれぞれ逆方向に引っ張り、そのときの最大剪断値を測定した。すなわち、この数値が大きい程、固結しやすいことを示す。
【0024】
粒径分布 ASTM−EH70にて規定するフルイを用い、フルイ分布より粒径の分布を求めた。その平均粒径:d50は粒径分布の累積分布曲線より求めた50%累積値の粒径である。
【0025】
微粒子の量
200メッシュ金網を通り抜ける粉体量を全粉体量より求めた。
【0026】
合成例1
ゴム状重合体として、ポリブタジエン、このゴム重合体にグラフト重合させ、硬質重合体を形成する単量体としてスチレン、アクリロニトリルを選択し、通常のグラフト乳化重合によりポリブタジエン65重量部、アクリロニトリル10重量部、スチレン25重量部からなる固形分36重量%のラテックスを得た。
【0027】
実施例1
このラテックスに純水を加え、固形分濃度を7.5重量%とし、第一段階凝固槽へ投入した。その後、ラテックス中の重合体固形分100重量部に対し、凝固剤である硫酸0.5重量部を連続的に添加し、得られた凝析スラリーを第二段階凝固槽に投入した。この第二段階では硫酸2.0重量部を連続的に添加し、完遂された凝固スラリーとして次工程である密封系撹拌槽に投入した。ここで、予め、別の撹拌槽にて凝固スラリー中の重合体固形分100重量部に対し、固結防止剤であるエチレン・ビス・ステアラマイド(商品名:花王、EB−P、融点:146±2.5℃)45重量部、純水100重量部、乳化剤5重量部からなる混合液を135℃に昇温し、十分なる撹拌により乳化状態にした。この乳化混合液をレーザー回折・散乱式粒度測定装置(堀場社製)を用いて、平均粒子径を測定したところ、3μmであった。この固結防止剤の入った、乳化混合液5.0重量部を連続的に上記密封系撹拌槽に添加した後、密封系撹拌槽の温度を130℃にて30分加熱処理した。その後、遠心分離機を用い、重合体成分の分離、水洗、脱水を行ない、更に熱風乾燥(60℃にて5時間)して、乾燥重合体を得た。この得られた重合体の粉体特性を評価した。
【0028】
実施例2〜実施例12
合成例1により得られたラテックスを用いて、表1に示すように、実施例1と変更点以外は同様に実施した。
【0029】
変更点別に分類すると次のようになる。
【0030】
実施例2〜実施例7までは、凝固工程における諸条件を変更した。
【0031】
実施例8〜実施例12までは、熱処理における諸条件を変更した。
【0032】
尚、実施例12は固結防止剤に、一般的に酸化防止剤として使用されるOA−2246(2,2−メチレンビス(4−メチル1−6−t−ブチルフェノール)吉富製薬(株)製、商品名:ヨシノックス2246、融点:125℃)を使用した以外は実施例1と同様に実施した。
【0033】
合成例2
ゴム状重合体としてポリブタジエンを用い、このゴム重合体にグラフト重合させ、硬質重合体を形成する単量体としてスチレン、アクリロニトリルを選択し、通常のグラフト乳化重合によりポリブタジエン20重量部、アクリロニトリル25重量部、スチレン55重量部からなる固形分35%のラテックスを得た。
【0034】
実施例13
合成例2で得られたラテックスを用いる以外は、実施例1と同様に実施した。
【0035】
比較例1〜比較例12
合成例1により得られたラテックスを用いて、表2に示すように、実施例1と変更点以外は同様に実施した。
【0036】
変更点別に分類すると次のようになる。
【0037】
比較例1は、固結防止剤を添加しない以外は、実施例1と同様に実施した。
【0038】
比較例2〜比較例3は、固結防止剤の添加時期について変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0039】
比較例4〜比較例10までは、凝固工程における諸条件を変更した。
【0040】
比較例11〜比較例13までは、熱処理工程における諸条件を変更した。
【0041】
尚、比較例11は固結防止剤に、一般的に酸化防止剤として使用されるOBP(オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシハイドロシナメイト:吉富製薬(株)製、融点:49〜54℃)を使用した。
【0042】
上記実施例1〜13、比較例1〜13における粉体特性結果について、表1、表2にそれぞれ示す。表1および表2において、凝固剤の添加量は、凝固剤を添加するラテックス中の重合体固形分100重量部に対する重量部で、また固結防止剤の添加量は凝固スラリー中の重合体固形分100重量部に対する重量部で示される。
【0043】
【表1】
Figure 0003703124
【0044】
【表2】
Figure 0003703124
【0045】
【発明の効果】
重合体ラテックスの二段階の凝固を特定の条件下で行うことにより所望の球状粒子を生成させ、この粒子に均一に固結防止剤を被覆させることにより、粉体特性にすぐれ、更に貯蔵安定にもすぐれたゴム含有重合体を回収することができる。

Claims (4)

  1. ゴム状重合体に乳化重合可能な、硬質重合体を形成する単量体をグラフト重合させて得られる共重合体のラテックスを下記(イ)〜(ニ)の条件下に二段階の凝析、および凝固を行ない、更に第二段階の凝固後に、加温可能な密封系撹拌槽において、固結防止剤を凝固スラリー中の固形分100重量部に対し0.1〜3.0重量部添加し、85〜150℃にて熱処理を行ない、重合体粒子表面が固結防止剤で均一に被覆されることを特徴とするゴム含有重合体の回収方法:
    (イ)凝固剤の添加量は、回収するラテックス中の固形分100重量部に対し、第一段階と第二段階での凝固剤の合計量が1.0〜4.0重量部であり、
    (ロ)第一段階での凝固剤の添加量が0.2〜2.0重量部
    (ハ)凝固温度が、
    第一段階 80〜100℃
    第二段階 90〜120℃
    (ニ)凝固時の固形分濃度が
    第一段階 3〜20重量%
    第二段階 3〜20重量%
    であること。
  2. グラフト重合体中のゴム重合体が20〜80重量部であり、ゴム状重合体にグラフト乳化重合可能な硬質重合体を形成する単量体の合計が20〜80重量部である請求項1に記載のゴム含有重合体の回収方法。
  3. 上記固結防止剤が10μm以下の粒子径を有し、かつその融点が85〜150℃である請求項1に記載したゴム含有重合体の回収方法。
  4. 上記固結防止剤を予め乳化状態にし、二段階の凝固により球状に生成した粒子の存在下、この乳化固結防止剤を添加する請求項1に記載したゴム含有重合体の回収方法。
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