JPH10279694A - メタアクリル酸エステル系または/及びアクリル酸エステル系複合重合体粒子、その製造方法および塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents
メタアクリル酸エステル系または/及びアクリル酸エステル系複合重合体粒子、その製造方法および塩化ビニル系樹脂組成物Info
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- JPH10279694A JPH10279694A JP9805497A JP9805497A JPH10279694A JP H10279694 A JPH10279694 A JP H10279694A JP 9805497 A JP9805497 A JP 9805497A JP 9805497 A JP9805497 A JP 9805497A JP H10279694 A JPH10279694 A JP H10279694A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 取扱い易い粒径でありながら、粉塵爆発の危
険性の低い、(メタ)アクリル酸エステル系複合重合体
粒子を提供すること。 【解決手段】 一次粒子の平均径が0.05〜2μmで
ある(メタ)アクリル酸エステル系重合体を凝集した粒
子に、難燃性重合体微粒子を、上記(メタ)アクリル酸
エステル系重合体100重量部あたり3〜30重量部付
着せしめてなる平均粒径が120〜500μmの(メ
タ)アクリル酸エステル系複合重合体粒子。
険性の低い、(メタ)アクリル酸エステル系複合重合体
粒子を提供すること。 【解決手段】 一次粒子の平均径が0.05〜2μmで
ある(メタ)アクリル酸エステル系重合体を凝集した粒
子に、難燃性重合体微粒子を、上記(メタ)アクリル酸
エステル系重合体100重量部あたり3〜30重量部付
着せしめてなる平均粒径が120〜500μmの(メ
タ)アクリル酸エステル系複合重合体粒子。
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
酸エステル系重合体を主体とする粒子およびその製造方
法に関し、詳しくは乾燥、空搬等において粉塵爆発性を
少なからしめた(メタ)アクリル酸エステル系複合重合
体およびその製造方法に関する。
酸エステル系重合体を主体とする粒子およびその製造方
法に関し、詳しくは乾燥、空搬等において粉塵爆発性を
少なからしめた(メタ)アクリル酸エステル系複合重合
体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に硬質塩化ビニル系樹脂コンパウ
ンドには射出成形や押出成形において深絞り、高伸張、
高発泡、艶出しや加工時の塩化ビニル系樹脂の溶融粘度
の調整等を良くする目的で(メタ)アクリル酸エステル
系の加工助剤がしばしば配合されている。同加工助剤の
多くは、乳化重合法で製造された(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合体が凝固工程、乾燥工程等を経て凝集体の
粉末にして製品化されている。重合反応直後の重合体の
一次粒子は殆どの場合、直径0.3μm以下の球状粒子
であるが、これが凝固されて粒径200μm前後の不定
形又は球形の凝集粒子(二次粒子)にして塩化ビニル系
樹脂成形用コンパウンドに配合されている。しかし、凝
固によって形成された二次粒子は粒径分布が広く、また
元々微細な一次粒子の集合体として形成されているため
に搬送や空送などにおいて強い外力を受けて成形加工前
までに一部崩れる現象があるため、100μm以下の大
きさの粒子が5〜15%存在するのが一般的で、製造直
後でも5%強は存在している。
ンドには射出成形や押出成形において深絞り、高伸張、
高発泡、艶出しや加工時の塩化ビニル系樹脂の溶融粘度
の調整等を良くする目的で(メタ)アクリル酸エステル
系の加工助剤がしばしば配合されている。同加工助剤の
多くは、乳化重合法で製造された(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合体が凝固工程、乾燥工程等を経て凝集体の
粉末にして製品化されている。重合反応直後の重合体の
一次粒子は殆どの場合、直径0.3μm以下の球状粒子
であるが、これが凝固されて粒径200μm前後の不定
形又は球形の凝集粒子(二次粒子)にして塩化ビニル系
樹脂成形用コンパウンドに配合されている。しかし、凝
固によって形成された二次粒子は粒径分布が広く、また
元々微細な一次粒子の集合体として形成されているため
に搬送や空送などにおいて強い外力を受けて成形加工前
までに一部崩れる現象があるため、100μm以下の大
きさの粒子が5〜15%存在するのが一般的で、製造直
後でも5%強は存在している。
【0003】さて、同加工助剤の多くは可燃性物質の
(メタ)アクリル酸エステル系単量体を主組成としてい
るため、平均粒子径が1000μm以上でも粉塵爆発性
を有する。(メタ)アクリル酸エステル系単量体に限ら
ず既存の可燃性物質より構成される粉体粒子は平均粒子
径が100μm以下の場合、例外なく高い粉塵爆発性を
有している。従って、これらの粒子を大量に貯蔵してそ
れを出し入れしたり、取り扱う場所においては粉塵爆発
の危険が潜在的に存在している。一般的に粉体粒子の平
均粒子径が大きくなるに従って、粉塵爆発の起こり易さ
は低減するが、たとえ大部分が平均粒子径が数1000
μmを越えるような粉体でも、100μm以下の微粒子
が数%存在すれば、粉塵爆発の危険は残る。もし、取り
扱う空間領域での酸素濃度を10容量%以下に制御でき
れば、粉塵爆発の危険性は皆無に近くなる。しかし、酸
素濃度を低く制御する設備を整えることは経済的な条件
などの困難を伴うので、現実はこの方法が利用されてい
るケースは極めて少ない。多くの場合は、静電気対策を
含む着火源の回避の取り組みが行われ、危険の抑制が図
られている。しかし、それだけでは粉塵爆発の危険は依
然として存在し、硬質塩化ビニル樹脂用加工助剤として
(メタ)アクリル酸エステル系の樹脂が生産されてから
の30年以上の歴史の中で、大きな粉塵爆発事故が国内
及び国外で数回発生している。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体を主組成としてい
るため、平均粒子径が1000μm以上でも粉塵爆発性
を有する。(メタ)アクリル酸エステル系単量体に限ら
ず既存の可燃性物質より構成される粉体粒子は平均粒子
径が100μm以下の場合、例外なく高い粉塵爆発性を
有している。従って、これらの粒子を大量に貯蔵してそ
れを出し入れしたり、取り扱う場所においては粉塵爆発
の危険が潜在的に存在している。一般的に粉体粒子の平
均粒子径が大きくなるに従って、粉塵爆発の起こり易さ
は低減するが、たとえ大部分が平均粒子径が数1000
μmを越えるような粉体でも、100μm以下の微粒子
が数%存在すれば、粉塵爆発の危険は残る。もし、取り
扱う空間領域での酸素濃度を10容量%以下に制御でき
れば、粉塵爆発の危険性は皆無に近くなる。しかし、酸
素濃度を低く制御する設備を整えることは経済的な条件
などの困難を伴うので、現実はこの方法が利用されてい
るケースは極めて少ない。多くの場合は、静電気対策を
含む着火源の回避の取り組みが行われ、危険の抑制が図
られている。しかし、それだけでは粉塵爆発の危険は依
然として存在し、硬質塩化ビニル樹脂用加工助剤として
(メタ)アクリル酸エステル系の樹脂が生産されてから
の30年以上の歴史の中で、大きな粉塵爆発事故が国内
及び国外で数回発生している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の状況
に鑑み、(メタ)アクリル酸エステル系重合体の凝集体
を1000μm以上の大きさに制御するとか、着火源を
払拭する等の困難を必要とすることなく、粉塵爆発を防
止することを実現すべくなされたものである。
に鑑み、(メタ)アクリル酸エステル系重合体の凝集体
を1000μm以上の大きさに制御するとか、着火源を
払拭する等の困難を必要とすることなく、粉塵爆発を防
止することを実現すべくなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に対し、難燃性で着火エネルギーの小さな重合体の微
細な粒子を(メタ)アクリル酸エステル系重合体の凝集
粒子に付着させることにより上記目的が達成されること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は、(1)一次粒子の平均径が0.
05〜2μmである(メタ)アクリル酸エステル系重合
体を凝集した粒子に、難燃性重合体微粒子を、上記(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体100重量部あたり3
〜30重量部付着せしめてなる平均粒径が120〜50
0μmの(メタ)アクリル酸エステル系複合重合体粒
子、(2)一次粒子の平均径が0.05〜2μmの(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体ラテックスを凝固剤の
存在下に50〜80℃で凝固し、10〜50℃にて一次
粒子の平均径が0.05〜2μmのハロゲン化ビニル系
重合体ラテックスまたはハロゲン化ビニリデン系重合体
ラテックスを、固体成分の比率で上記(メタ)アクリル
酸エステル系重合体100重量部あたり3〜30重量部
添加して、50〜95℃にて凝集することを特徴とする
平均粒径が120〜500μmの(メタ)アクリル酸エ
ステル系複合重合体粒子の製造方法、および、を提供す
るものである。また、本発明を実施するための好ましい
態様は、(3)一次粒子の平均径が0.05〜2μmで
ある(メタ)アクリル酸エステル系重合体を凝集した粒
子に、一次粒子の平均径が0.05〜2μmである塩化
ビニル系重合体粒子を、上記(メタ)アクリル酸エステ
ル系重合体100重量部あたり3〜30重量部付着せし
めてなる平均粒径が120〜500μmの(メタ)アク
リル酸エステル系複合重合体粒子、(4)一次粒子の平
均径が0.05〜2μmの(メタ)アクリル酸エステル
系重合体ラテックスを凝固剤の存在下に50〜80℃で
凝固し、10〜50℃にて一次粒子の平均径が0.05
〜2μmの塩化ビニル系重合体ラテックスを、固体成分
の比率で上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体10
0重量部あたり3〜30重量部添加して、50〜95℃
にて凝集することを特徴とする平均粒径が120〜50
0μmの(メタ)アクリル酸エステル系複合重合体粒子
の製造方法、および、(5)一次粒子の平均径が0.0
5〜2μmである(メタ)アクリル酸エステル系重合体
を凝集した粒子に、一次粒子の平均径が0.05〜2μ
mである塩化ビニル系重合体粒子を、上記(メタ)アク
リル酸エステル系重合体100重量部あたり3〜30重
量部付着せしめてなる平均粒径120〜500μmの
(メタ)アクリル酸エステル系複合重合体粒子からなる
塩化ビニル樹脂成形用加工助剤を、塩化ビニル系樹脂1
00重量部あたり3〜30重量部配合してなる塩化ビニ
ル系樹脂組成物、である。
題に対し、難燃性で着火エネルギーの小さな重合体の微
細な粒子を(メタ)アクリル酸エステル系重合体の凝集
粒子に付着させることにより上記目的が達成されること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は、(1)一次粒子の平均径が0.
05〜2μmである(メタ)アクリル酸エステル系重合
体を凝集した粒子に、難燃性重合体微粒子を、上記(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体100重量部あたり3
〜30重量部付着せしめてなる平均粒径が120〜50
0μmの(メタ)アクリル酸エステル系複合重合体粒
子、(2)一次粒子の平均径が0.05〜2μmの(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体ラテックスを凝固剤の
存在下に50〜80℃で凝固し、10〜50℃にて一次
粒子の平均径が0.05〜2μmのハロゲン化ビニル系
重合体ラテックスまたはハロゲン化ビニリデン系重合体
ラテックスを、固体成分の比率で上記(メタ)アクリル
酸エステル系重合体100重量部あたり3〜30重量部
添加して、50〜95℃にて凝集することを特徴とする
平均粒径が120〜500μmの(メタ)アクリル酸エ
ステル系複合重合体粒子の製造方法、および、を提供す
るものである。また、本発明を実施するための好ましい
態様は、(3)一次粒子の平均径が0.05〜2μmで
ある(メタ)アクリル酸エステル系重合体を凝集した粒
子に、一次粒子の平均径が0.05〜2μmである塩化
ビニル系重合体粒子を、上記(メタ)アクリル酸エステ
ル系重合体100重量部あたり3〜30重量部付着せし
めてなる平均粒径が120〜500μmの(メタ)アク
リル酸エステル系複合重合体粒子、(4)一次粒子の平
均径が0.05〜2μmの(メタ)アクリル酸エステル
系重合体ラテックスを凝固剤の存在下に50〜80℃で
凝固し、10〜50℃にて一次粒子の平均径が0.05
〜2μmの塩化ビニル系重合体ラテックスを、固体成分
の比率で上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体10
0重量部あたり3〜30重量部添加して、50〜95℃
にて凝集することを特徴とする平均粒径が120〜50
0μmの(メタ)アクリル酸エステル系複合重合体粒子
の製造方法、および、(5)一次粒子の平均径が0.0
5〜2μmである(メタ)アクリル酸エステル系重合体
を凝集した粒子に、一次粒子の平均径が0.05〜2μ
mである塩化ビニル系重合体粒子を、上記(メタ)アク
リル酸エステル系重合体100重量部あたり3〜30重
量部付着せしめてなる平均粒径120〜500μmの
(メタ)アクリル酸エステル系複合重合体粒子からなる
塩化ビニル樹脂成形用加工助剤を、塩化ビニル系樹脂1
00重量部あたり3〜30重量部配合してなる塩化ビニ
ル系樹脂組成物、である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明において用いられる(メタ)アクリル酸エス
テル系重合体の構成単位である単量体は、(メタ)アク
リル酸エステル単量体、即ちメタアクリル酸エステル単
量体または/及びアクリル酸エステル単量体である。
(メタ)アクリル酸エステル単量体のアルキル基はメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2
−エチルヘキシル等炭素数1〜9のものである。本発明
に用いられる(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、
上記の単量体の群から選ばれる単一または複数の単量体
を、またはこれに更に必要に応じて共重合可能な他種単
量体0〜10重量%加えてなるものである。該重合体の
ガラス転移点は、50〜90℃の範囲にあることが好ま
しい。上記の共重合可能な他種単量体としては、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族
ビニル系化合物;(メタ)アクリロニトリル、シアン化
ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;2−ヒドロキ
シエチルフマレート、ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、モノブチルマレート、グリシジルメタクリレート、
ブトキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。該共
重合体としては、メタクリル酸メチルを50〜90重量
%含有するものが好ましい。本発明で用いられる(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体は、通常公知の乳化重
合法、播種乳化重合法または微細懸濁重合法等によって
得ることができる。これらの重合法により得られる重合
体の一次粒子の平均粒径は、0.05〜2μm、好まし
くは0.5〜1.5μmである。(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合体の一次粒子の平均径が0.05μmより
小さいと凝固し難くて凝固剤を多く要する傾向があり、
一方、2μmより大きいとラテックス中に凝集沈降成分
が多く、凝固後の粒度が粗くなってハロゲン化ビニル系
重合体またはハロゲン化ビニリデン重合体粒子の付着が
不均一になる傾向がある。
る。本発明において用いられる(メタ)アクリル酸エス
テル系重合体の構成単位である単量体は、(メタ)アク
リル酸エステル単量体、即ちメタアクリル酸エステル単
量体または/及びアクリル酸エステル単量体である。
(メタ)アクリル酸エステル単量体のアルキル基はメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2
−エチルヘキシル等炭素数1〜9のものである。本発明
に用いられる(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、
上記の単量体の群から選ばれる単一または複数の単量体
を、またはこれに更に必要に応じて共重合可能な他種単
量体0〜10重量%加えてなるものである。該重合体の
ガラス転移点は、50〜90℃の範囲にあることが好ま
しい。上記の共重合可能な他種単量体としては、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族
ビニル系化合物;(メタ)アクリロニトリル、シアン化
ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;2−ヒドロキ
シエチルフマレート、ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、モノブチルマレート、グリシジルメタクリレート、
ブトキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。該共
重合体としては、メタクリル酸メチルを50〜90重量
%含有するものが好ましい。本発明で用いられる(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体は、通常公知の乳化重
合法、播種乳化重合法または微細懸濁重合法等によって
得ることができる。これらの重合法により得られる重合
体の一次粒子の平均粒径は、0.05〜2μm、好まし
くは0.5〜1.5μmである。(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合体の一次粒子の平均径が0.05μmより
小さいと凝固し難くて凝固剤を多く要する傾向があり、
一方、2μmより大きいとラテックス中に凝集沈降成分
が多く、凝固後の粒度が粗くなってハロゲン化ビニル系
重合体またはハロゲン化ビニリデン重合体粒子の付着が
不均一になる傾向がある。
【0007】上記乳化重合等によって得られる(メタ)
アクリル酸エステル系重合体は、ついで凝集体を形成さ
せるために凝固工程に送られる。凝固は、通常、凝固剤
の水溶液である凝固液を50〜80℃に加熱し、これに
撹拌しつつ(メタ)アクリル酸エステル系重合体の重合
後の水性分散液(ラテックス)を注ぐことにより行われ
る。本発明の製造方法に用いられる凝固剤は、例えば、
鉱酸、無機低分子系凝固剤、無機高分子系凝固剤、有機
高分子ノニオン系凝固剤、有機高分子アニオン系凝固
剤、有機高分子カチオン系凝固剤などの分散粒子を凝集
させる作用を有するものを使用することができる。鉱酸
としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸などを使用するこ
とができる。無機低分子系凝固剤としては、例えば、硫
酸アルミニウム、塩化アルミニウム、含鉄硫酸アルミニ
ウム、アンモニウムミョウバン、カリウムミョウバン、
硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、塩化カッパラ
ス、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグ
ネシウム、硫酸マグネシウム、アルミン酸ソーダ、塩化
カルシウム、ケイ酸ソーダなどが使用可能である。無機
高分子系凝固剤としては、例えば、ポリ塩化アルミニウ
ム、ポリ硫酸アルミニウム、ポリ塩化第二鉄、ポリ硫酸
第二鉄などを用いることができる。有機高分子ノニオン
系凝固剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリ
エチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、でんぷん
などが使用可能である。有機高分子アニオン系凝固剤と
しては、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルス
ルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ポリアクリルアミ
ド部分加水分解物、アクリルアミド・アクリル酸共重合
物、ポリアクリルアミドの部分スルホメチル化物、カル
ボキシメチルセルロースなどを例示することができる。
また、有機高分子カチオン系凝集剤としては、例えば、
ポリエチレンイミン、ジシアンジアミドホルムアルデヒ
ド縮合物、ポリメタクリルエステル、ポリアクリルエス
テル、ポリアミンなどを挙げることができる。
アクリル酸エステル系重合体は、ついで凝集体を形成さ
せるために凝固工程に送られる。凝固は、通常、凝固剤
の水溶液である凝固液を50〜80℃に加熱し、これに
撹拌しつつ(メタ)アクリル酸エステル系重合体の重合
後の水性分散液(ラテックス)を注ぐことにより行われ
る。本発明の製造方法に用いられる凝固剤は、例えば、
鉱酸、無機低分子系凝固剤、無機高分子系凝固剤、有機
高分子ノニオン系凝固剤、有機高分子アニオン系凝固
剤、有機高分子カチオン系凝固剤などの分散粒子を凝集
させる作用を有するものを使用することができる。鉱酸
としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸などを使用するこ
とができる。無機低分子系凝固剤としては、例えば、硫
酸アルミニウム、塩化アルミニウム、含鉄硫酸アルミニ
ウム、アンモニウムミョウバン、カリウムミョウバン、
硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、塩化カッパラ
ス、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグ
ネシウム、硫酸マグネシウム、アルミン酸ソーダ、塩化
カルシウム、ケイ酸ソーダなどが使用可能である。無機
高分子系凝固剤としては、例えば、ポリ塩化アルミニウ
ム、ポリ硫酸アルミニウム、ポリ塩化第二鉄、ポリ硫酸
第二鉄などを用いることができる。有機高分子ノニオン
系凝固剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリ
エチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、でんぷん
などが使用可能である。有機高分子アニオン系凝固剤と
しては、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルス
ルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ポリアクリルアミ
ド部分加水分解物、アクリルアミド・アクリル酸共重合
物、ポリアクリルアミドの部分スルホメチル化物、カル
ボキシメチルセルロースなどを例示することができる。
また、有機高分子カチオン系凝集剤としては、例えば、
ポリエチレンイミン、ジシアンジアミドホルムアルデヒ
ド縮合物、ポリメタクリルエステル、ポリアクリルエス
テル、ポリアミンなどを挙げることができる。
【0008】凝固液の調製は、通常固形分濃度30〜5
5重量%の(メタ)アクリル酸エステル系重合体ラテッ
クス1容に対して1〜4容の水を、偏心させた撹拌機を
備えた凝固槽に用意し、これに上記に例示される凝固剤
を濃度0.05〜3.0重量%になる量溶解させる。好
ましい凝固液は硫酸アルミニウム(結晶水含む)の0.
3〜1.0重量%水溶液である。また撹拌の強さは、通
常、単位容量当りの所要動力が1〜3kW/m2 となる
程度である。凝固により形成される(メタ)アクリル酸
エステル系重合体の凝集体の平均粒径は、次の方法によ
り測定される。即ち、JIS Z8801に規定の標準
篩のセットの最上段の粗い篩に試料の凝集体を入れて振
盪分級し、各段の篩の通過凝集体重量割合の累積値をそ
の篩の目開きに対する関係で捉え、50重量%の粉末の
通過する目開きを平均粒径とする。本発明において、好
ましい(メタ)アクリル酸エステル系重合体の凝集体の
平均粒径は、120〜500μm、より好ましくは15
0〜400μmである。(メタ)アクリル酸エステル系
重合体の凝集体の凝集粒子径の制御因子としては、
(イ)凝固剤の種類、(ロ)凝固液濃度、(ハ)凝固温
度、(ニ)(メタ)アクリル酸エステル系重合体ラテッ
クス濃度、(ホ)(メタ)アクリル酸エステル系重合体
ラテックスの温度、(ヘ)撹拌翼回転数、(ト)撹拌翼
形状、(チ)凝固時の両液の接触時間、(リ)凝固時の
両液の接触レート、(ヌ)ラテックスを凝固液に添加す
るかまたは逆に添加するか(ル)添加する流体のフィー
ドノズル形状、(ヲ)前記フィードノズルの液面上また
は液面下の固定位置、(ワ)易凝固性添加剤(界面活性
剤、滑剤、可塑剤、有機溶剤など)の利用の有無などで
ある。これらの因子の中では、特に(ロ)凝固液濃度、
(ハ)凝固温度および(ヘ)撹拌翼回転数が最も重要で
あり、100μm以下の細粒の凝集体の発生をできるだ
け少なくして、平均粒径を120〜500μm程度にす
る際は、(ロ)、(ハ)または(ヘ)の要因のいづれか
を調整することにより、所望の平均粒径を有する凝集体
の製造条件を効率的に見出すことができる。
5重量%の(メタ)アクリル酸エステル系重合体ラテッ
クス1容に対して1〜4容の水を、偏心させた撹拌機を
備えた凝固槽に用意し、これに上記に例示される凝固剤
を濃度0.05〜3.0重量%になる量溶解させる。好
ましい凝固液は硫酸アルミニウム(結晶水含む)の0.
3〜1.0重量%水溶液である。また撹拌の強さは、通
常、単位容量当りの所要動力が1〜3kW/m2 となる
程度である。凝固により形成される(メタ)アクリル酸
エステル系重合体の凝集体の平均粒径は、次の方法によ
り測定される。即ち、JIS Z8801に規定の標準
篩のセットの最上段の粗い篩に試料の凝集体を入れて振
盪分級し、各段の篩の通過凝集体重量割合の累積値をそ
の篩の目開きに対する関係で捉え、50重量%の粉末の
通過する目開きを平均粒径とする。本発明において、好
ましい(メタ)アクリル酸エステル系重合体の凝集体の
平均粒径は、120〜500μm、より好ましくは15
0〜400μmである。(メタ)アクリル酸エステル系
重合体の凝集体の凝集粒子径の制御因子としては、
(イ)凝固剤の種類、(ロ)凝固液濃度、(ハ)凝固温
度、(ニ)(メタ)アクリル酸エステル系重合体ラテッ
クス濃度、(ホ)(メタ)アクリル酸エステル系重合体
ラテックスの温度、(ヘ)撹拌翼回転数、(ト)撹拌翼
形状、(チ)凝固時の両液の接触時間、(リ)凝固時の
両液の接触レート、(ヌ)ラテックスを凝固液に添加す
るかまたは逆に添加するか(ル)添加する流体のフィー
ドノズル形状、(ヲ)前記フィードノズルの液面上また
は液面下の固定位置、(ワ)易凝固性添加剤(界面活性
剤、滑剤、可塑剤、有機溶剤など)の利用の有無などで
ある。これらの因子の中では、特に(ロ)凝固液濃度、
(ハ)凝固温度および(ヘ)撹拌翼回転数が最も重要で
あり、100μm以下の細粒の凝集体の発生をできるだ
け少なくして、平均粒径を120〜500μm程度にす
る際は、(ロ)、(ハ)または(ヘ)の要因のいづれか
を調整することにより、所望の平均粒径を有する凝集体
の製造条件を効率的に見出すことができる。
【0009】本発明において、(メタ)アクリル酸エス
テル系重合体の凝集体に付着させるために用いられる難
燃性重合体微粒子は、ハロゲン含有重合体、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリスルホンなどの重合体の平均粒径
が10μm以下の微粒子である。これらの難燃性重合体
微粒子の中で、ハロゲン含有重合体の微粒子が好まし
い。ハロゲン含有重合体としては、塩化ビニル、フッ化
ビニル、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル単量体単位
単独もしくは塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、臭化
ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン単量体単位単独
か、またはハロゲン化ビニル単量体単位もしくはハロゲ
ン化ビニリデン単量体単位50重量%以上とこれらに共
重合可能な単量体単位を50重量%以下とを含有する重
合体、すなわちハロゲン化ビニル系重合体またはハロゲ
ン化ビニリデン系重合体が挙げられる。かかるハロゲン
化ビニル系重合体またはハロゲン化ビニリデン系重合体
の微粒子は、乳化重合法、播種乳化重合法または微細懸
濁重合法によって造ることができる。ハロゲン化ビニル
系重合体粒子またはハロゲン化ビニリデン系重合体の一
次粒子の平均径は、0.05〜2μm、好ましくは0.
5〜1.5μmである。該平均径が0.05μmより小
さいと、(メタ)アクリル酸エステル系重合体の凝集体
の凹部に塩化ビニル系重合体粒子が集中付着する傾向が
あるので、所望の粉塵爆発防止効果を得るのに塩化ビニ
ル系重合体粒子を多量要することとなる。また、塩化ビ
ニル系重合体の一次粒子の平均径が2μmより大きいと
きは、乳化重合法、播種乳化重合法または微細懸濁重合
法による場合は、重合反応が不安定であったことを意味
し、粒径が10μmを越える、中には100μmを越え
る凝集粒子が多く存在することになるので、(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体の凝集体へのハロゲン化ビニ
ル系重合体粒子またはハロゲン化ビニリデン系重合体粒
子の均一な付着が得られなくなる。(メタ)アクリル酸
エステル系重合体の凝集粒子に難燃性重合体微粒子を付
着させる方法の具体的態様として、ハロゲン化ビニル系
重合体粒子またはハロゲン化ビニリデン系重合体粒子を
付着させる方法について述べる。ハロゲン化ビニル系重
合体粒子またはハロゲン化ビニリデン系重合体粒子を付
着させる方法としては、前記の(メタ)アクリル酸エス
テル系重合体を凝固液中で50〜80℃で凝固させたス
ラリーに、撹拌下でハロゲン化ビニル系重合体粒子また
はハロゲン化ビニリデン系重合体粒子の水性分散液(ラ
テックス)を注ぐ方法が推奨される。ハロゲン化ビニル
系重合体またはハロゲン化ビニリデン系重合体ラテック
スを注ぐ際の(メタ)アクリル酸エステル系重合体スラ
リーの温度は10〜50℃である。ハロゲン化ビニル系
重合体またはハロゲン化ビニリデン系重合体ラテックス
を注ぐ時の凝固スラリーの温度が凝固時の50℃より高
いと、ハロゲン化ビニル系重合体またはハロゲン化ビニ
リデン系重合体自体の凝集粒子が多く生成してしまい、
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の凝集体に効果的
に付着しないからである。ハロゲン化ビニル系重合体ま
たはハロゲン化ビニリデン系重合体ラテックスを注いだ
後は、スラリーを50〜95℃の温度にする。これによ
り、ハロゲン化ビニル系重合体粒子またはハロゲン化ビ
ニリデン系重合体粒子が(メタ)アクリル酸エステル系
重合体の凝集体に固定される。ハロゲン化ビニル系重合
体またはハロゲン化ビニリデン系重合体の添加量は、
(メタ)アクリル酸エステル系重合体100重量部あた
り3〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。
3重量部より少いと粉塵爆発防止効果が小さくなり、一
方30重量部より多いと、(メタ)アクリル酸エステル
系重合体自体の有する効果や作用を希釈したり、これが
プラスチックの成形加工などに供されて得られる成形品
の色調、熱安定性または強度特性等を損なう可能性があ
る。
テル系重合体の凝集体に付着させるために用いられる難
燃性重合体微粒子は、ハロゲン含有重合体、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリスルホンなどの重合体の平均粒径
が10μm以下の微粒子である。これらの難燃性重合体
微粒子の中で、ハロゲン含有重合体の微粒子が好まし
い。ハロゲン含有重合体としては、塩化ビニル、フッ化
ビニル、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル単量体単位
単独もしくは塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、臭化
ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン単量体単位単独
か、またはハロゲン化ビニル単量体単位もしくはハロゲ
ン化ビニリデン単量体単位50重量%以上とこれらに共
重合可能な単量体単位を50重量%以下とを含有する重
合体、すなわちハロゲン化ビニル系重合体またはハロゲ
ン化ビニリデン系重合体が挙げられる。かかるハロゲン
化ビニル系重合体またはハロゲン化ビニリデン系重合体
の微粒子は、乳化重合法、播種乳化重合法または微細懸
濁重合法によって造ることができる。ハロゲン化ビニル
系重合体粒子またはハロゲン化ビニリデン系重合体の一
次粒子の平均径は、0.05〜2μm、好ましくは0.
5〜1.5μmである。該平均径が0.05μmより小
さいと、(メタ)アクリル酸エステル系重合体の凝集体
の凹部に塩化ビニル系重合体粒子が集中付着する傾向が
あるので、所望の粉塵爆発防止効果を得るのに塩化ビニ
ル系重合体粒子を多量要することとなる。また、塩化ビ
ニル系重合体の一次粒子の平均径が2μmより大きいと
きは、乳化重合法、播種乳化重合法または微細懸濁重合
法による場合は、重合反応が不安定であったことを意味
し、粒径が10μmを越える、中には100μmを越え
る凝集粒子が多く存在することになるので、(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体の凝集体へのハロゲン化ビニ
ル系重合体粒子またはハロゲン化ビニリデン系重合体粒
子の均一な付着が得られなくなる。(メタ)アクリル酸
エステル系重合体の凝集粒子に難燃性重合体微粒子を付
着させる方法の具体的態様として、ハロゲン化ビニル系
重合体粒子またはハロゲン化ビニリデン系重合体粒子を
付着させる方法について述べる。ハロゲン化ビニル系重
合体粒子またはハロゲン化ビニリデン系重合体粒子を付
着させる方法としては、前記の(メタ)アクリル酸エス
テル系重合体を凝固液中で50〜80℃で凝固させたス
ラリーに、撹拌下でハロゲン化ビニル系重合体粒子また
はハロゲン化ビニリデン系重合体粒子の水性分散液(ラ
テックス)を注ぐ方法が推奨される。ハロゲン化ビニル
系重合体またはハロゲン化ビニリデン系重合体ラテック
スを注ぐ際の(メタ)アクリル酸エステル系重合体スラ
リーの温度は10〜50℃である。ハロゲン化ビニル系
重合体またはハロゲン化ビニリデン系重合体ラテックス
を注ぐ時の凝固スラリーの温度が凝固時の50℃より高
いと、ハロゲン化ビニル系重合体またはハロゲン化ビニ
リデン系重合体自体の凝集粒子が多く生成してしまい、
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の凝集体に効果的
に付着しないからである。ハロゲン化ビニル系重合体ま
たはハロゲン化ビニリデン系重合体ラテックスを注いだ
後は、スラリーを50〜95℃の温度にする。これによ
り、ハロゲン化ビニル系重合体粒子またはハロゲン化ビ
ニリデン系重合体粒子が(メタ)アクリル酸エステル系
重合体の凝集体に固定される。ハロゲン化ビニル系重合
体またはハロゲン化ビニリデン系重合体の添加量は、
(メタ)アクリル酸エステル系重合体100重量部あた
り3〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。
3重量部より少いと粉塵爆発防止効果が小さくなり、一
方30重量部より多いと、(メタ)アクリル酸エステル
系重合体自体の有する効果や作用を希釈したり、これが
プラスチックの成形加工などに供されて得られる成形品
の色調、熱安定性または強度特性等を損なう可能性があ
る。
【0010】本発明の難燃性重合体微粒子を付着してな
る(メタ)アクリル酸エステル系複合重合体粒子の平均
粒径は、120〜500μmであり、好ましくは150
〜400μmである。この平均粒径が120μmより小
さいと、粉塵爆発抑止性が弱くなる。一方、500μm
より大きいと、粒度分布が2〜3mmもの粗粒子を含む
ほど広くなる傾向があり、成形品の表面が荒れる原因に
なる。本発明の上記(メタ)アクリル系複合重合体粒子
は、著しく粉塵爆発性が低いものである。それは難燃性
で、着火エネルギーの低いハロゲン化ビニル系重合体ま
たはハロゲン化ビニリデン系重合体が(メタ)アクリル
酸エステル系重合体の凝集粒子の表層部に付着されてい
るため、粉塵爆発性の極めて小さいハロゲン化ビニル系
重合体粒子またはハロゲン化ビニリデン系重合体粒子そ
のものと同様な性質が付与されることによるものと思わ
れる。本発明の上記(メタ)アクリル酸エステル系複合
重合体粒子は、粉塵爆発性が極端に低いので、従来のバ
ンドドライアー等の粉体を流動させずに加温状態に置く
乾燥機に代えて、流動乾燥機のような粉体を熱風中に流
動させて乾燥する、生産性の高い乾燥機で乾燥すること
を可能とする。また、物流過程でのバルク輸送や、成形
加工などの樹脂を使用する工程における計量操作等の粉
体の流動を伴う作業が安心して行えるようになる。一般
的に粉塵爆発性の評価基準としては、爆発のし易さ(爆
発下限界粉塵濃度)、爆発の激しさ(爆発強度指数Ks
t)および着火のし易さ(最小着火エネルギー)の各要
因毎に分けて比較されている。これらの中でも、特に爆
発下限界粉塵濃度が、粉塵爆発の危険性の指標として最
も重視されている。
る(メタ)アクリル酸エステル系複合重合体粒子の平均
粒径は、120〜500μmであり、好ましくは150
〜400μmである。この平均粒径が120μmより小
さいと、粉塵爆発抑止性が弱くなる。一方、500μm
より大きいと、粒度分布が2〜3mmもの粗粒子を含む
ほど広くなる傾向があり、成形品の表面が荒れる原因に
なる。本発明の上記(メタ)アクリル系複合重合体粒子
は、著しく粉塵爆発性が低いものである。それは難燃性
で、着火エネルギーの低いハロゲン化ビニル系重合体ま
たはハロゲン化ビニリデン系重合体が(メタ)アクリル
酸エステル系重合体の凝集粒子の表層部に付着されてい
るため、粉塵爆発性の極めて小さいハロゲン化ビニル系
重合体粒子またはハロゲン化ビニリデン系重合体粒子そ
のものと同様な性質が付与されることによるものと思わ
れる。本発明の上記(メタ)アクリル酸エステル系複合
重合体粒子は、粉塵爆発性が極端に低いので、従来のバ
ンドドライアー等の粉体を流動させずに加温状態に置く
乾燥機に代えて、流動乾燥機のような粉体を熱風中に流
動させて乾燥する、生産性の高い乾燥機で乾燥すること
を可能とする。また、物流過程でのバルク輸送や、成形
加工などの樹脂を使用する工程における計量操作等の粉
体の流動を伴う作業が安心して行えるようになる。一般
的に粉塵爆発性の評価基準としては、爆発のし易さ(爆
発下限界粉塵濃度)、爆発の激しさ(爆発強度指数Ks
t)および着火のし易さ(最小着火エネルギー)の各要
因毎に分けて比較されている。これらの中でも、特に爆
発下限界粉塵濃度が、粉塵爆発の危険性の指標として最
も重視されている。
【0011】爆発下限界粉塵濃度(g/m3 )について
は、社団法人日本粉体工業技術協会規格APS002
(1991年制定)の吹上げ式粉塵爆発試験装置による
試験が著名である。同試験は米国鉱山局で開発されたH
artmann装置(内容積1.2lの円筒容器内に約
0.5気圧の圧縮空気で粉塵サンプルを吹上げ、筒内中
央の電極間で出力15kV×20mAの容量でスパーク
させた際に粉塵サンプルが爆発する最低濃度を測定する
もの)で、一般には3桁の濃度の範囲で10g/m3 毎
に測定を繰り返し、同一濃度での5回の試験で1回以上
爆発した際の濃度をそのサンプルの爆発下限界粉塵濃度
(g/m3 )としている。同爆発下限界粉塵濃度は値が
小さい程、粉塵爆発を起こし易く、労働省産業安全研究
所が1994年に発行した産業安全研究所技術指針「可
燃性粉塵の爆発圧力及び圧力上昇速度の測定方法」に記
載の「可燃粉塵の爆発危険特性データ」によると木粉、
コーヒー、小麦、乳糖、油脂石鹸、粉砕ゴム、粉体塗装
用エポキシ樹脂などの有機物質よりなる多くの粉体で粒
径が100μm以下の微粉末の場合、殆ど例外なく爆発
下限界粉塵濃度の値は60g/m3 以下である。また、
日本粉体工業技術協会による同爆発下限界粉塵濃度値の
比較評価基準としては、100g/m3 以下が高爆発
性、100〜200g/m3 が中爆発性、200g/m
3 以上が低爆発性として判定されている。従って、粉塵
爆発性を改善する現実の問題として爆発下限界粉塵濃度
値が100g/m3 以上となることが望ましく、更に望
ましくは200g/m3 以上となることとされている。
は、社団法人日本粉体工業技術協会規格APS002
(1991年制定)の吹上げ式粉塵爆発試験装置による
試験が著名である。同試験は米国鉱山局で開発されたH
artmann装置(内容積1.2lの円筒容器内に約
0.5気圧の圧縮空気で粉塵サンプルを吹上げ、筒内中
央の電極間で出力15kV×20mAの容量でスパーク
させた際に粉塵サンプルが爆発する最低濃度を測定する
もの)で、一般には3桁の濃度の範囲で10g/m3 毎
に測定を繰り返し、同一濃度での5回の試験で1回以上
爆発した際の濃度をそのサンプルの爆発下限界粉塵濃度
(g/m3 )としている。同爆発下限界粉塵濃度は値が
小さい程、粉塵爆発を起こし易く、労働省産業安全研究
所が1994年に発行した産業安全研究所技術指針「可
燃性粉塵の爆発圧力及び圧力上昇速度の測定方法」に記
載の「可燃粉塵の爆発危険特性データ」によると木粉、
コーヒー、小麦、乳糖、油脂石鹸、粉砕ゴム、粉体塗装
用エポキシ樹脂などの有機物質よりなる多くの粉体で粒
径が100μm以下の微粉末の場合、殆ど例外なく爆発
下限界粉塵濃度の値は60g/m3 以下である。また、
日本粉体工業技術協会による同爆発下限界粉塵濃度値の
比較評価基準としては、100g/m3 以下が高爆発
性、100〜200g/m3 が中爆発性、200g/m
3 以上が低爆発性として判定されている。従って、粉塵
爆発性を改善する現実の問題として爆発下限界粉塵濃度
値が100g/m3 以上となることが望ましく、更に望
ましくは200g/m3 以上となることとされている。
【0012】爆発強度指数Kst(bar・m/se
c)及びそのランクについてはISO6184の試験法
に準拠した方法で測定される。爆発強度指数Kst(b
ar・m/sec)は爆発時の単位時間当たりの最大圧
力の上昇速度を示したもので、値が大きいほど爆発によ
る被害が大きくなる。爆発強度のランクとしてはKst
値0 bar・m/secがランク0、Kst値1〜2
00bar・m/secがランク1、Kst値201〜
300bar・m/secがランク2、Kst値300
bar・m/sec以上がランク3と4段階で相対比較
を行っており、爆発を起こした際の圧力放散口や瞬時消
日設備等の設計基準に用いられている。本発明の検討の
中で塩化ビニル系重合体を全く含まないメタクリル酸エ
ステル系重合体のみの場合、50μm程度の細かい凝集
粒子では爆発強度指数Kstは300bar・m/se
c以上でランク3となり、凝集粒子の大きさもKst値
の重要な因子となっている。最小着火エネルギー(ミリ
ジュール)については、前述の日本粉体工業技術協会規
格に準じて測定される。最小着火エネルギー(ミリジュ
ール)は千分の1秒間に着火させるのに必要なエネルギ
ーの値で小さい程着火し易くなる。爆発下限界粉塵濃度
や爆発強度指数Kstほど明確な比較評価基準はない
が、100以上では特に着火し難くなると判定されてい
る。
c)及びそのランクについてはISO6184の試験法
に準拠した方法で測定される。爆発強度指数Kst(b
ar・m/sec)は爆発時の単位時間当たりの最大圧
力の上昇速度を示したもので、値が大きいほど爆発によ
る被害が大きくなる。爆発強度のランクとしてはKst
値0 bar・m/secがランク0、Kst値1〜2
00bar・m/secがランク1、Kst値201〜
300bar・m/secがランク2、Kst値300
bar・m/sec以上がランク3と4段階で相対比較
を行っており、爆発を起こした際の圧力放散口や瞬時消
日設備等の設計基準に用いられている。本発明の検討の
中で塩化ビニル系重合体を全く含まないメタクリル酸エ
ステル系重合体のみの場合、50μm程度の細かい凝集
粒子では爆発強度指数Kstは300bar・m/se
c以上でランク3となり、凝集粒子の大きさもKst値
の重要な因子となっている。最小着火エネルギー(ミリ
ジュール)については、前述の日本粉体工業技術協会規
格に準じて測定される。最小着火エネルギー(ミリジュ
ール)は千分の1秒間に着火させるのに必要なエネルギ
ーの値で小さい程着火し易くなる。爆発下限界粉塵濃度
や爆発強度指数Kstほど明確な比較評価基準はない
が、100以上では特に着火し難くなると判定されてい
る。
【0013】本発明の上記(メタ)アクリル酸エステル
系複合重合体の好適な態様として、塩化ビニル系重合体
を付着させた(メタ)アクリル酸エステル系重合体の凝
集粒子からなる塩化ビニル系樹脂成形用加工助剤が挙げ
られる。同加工助剤は、塩化ビニル系樹脂の成形加工、
たとえば、射出成形や押出成形において深絞り、高伸
張、高発泡、艶出し、木粉をも配合する場合の相溶化作
用や加工時の塩化ビニル系樹脂の溶融粘度の調整などの
効果を得るために配合されて使用される。配合割合は、
成形対象の塩化ビニル系樹脂100重量部あたり、通
常、3〜30重量部、である。塩化ビニル系樹脂コンパ
ウンドに配合されるその他の成分は、成形方法や目的の
成形品に応じて公知のものが採用される。該塩化ビニル
系樹脂コンパウンドから塩化ビニル系樹脂成形品を得る
には、押出成形、射出成形、圧縮成形、カレンダー成形
など公知の成形方法に則って行えばよい。本発明の塩化
ビニル系樹脂成形用加工助剤は、従来から存在する(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体からなる塩化ビニル系
樹脂成形用加工助剤と同様に、射出成形においては深絞
り成形を可能とし、発泡成形においては高倍率の発泡を
容易にし、また、折曲げ加工では曲げに伴う十分な伸び
を実現させ、更には、成形品に艶のある表面を持たせる
効果を有する。
系複合重合体の好適な態様として、塩化ビニル系重合体
を付着させた(メタ)アクリル酸エステル系重合体の凝
集粒子からなる塩化ビニル系樹脂成形用加工助剤が挙げ
られる。同加工助剤は、塩化ビニル系樹脂の成形加工、
たとえば、射出成形や押出成形において深絞り、高伸
張、高発泡、艶出し、木粉をも配合する場合の相溶化作
用や加工時の塩化ビニル系樹脂の溶融粘度の調整などの
効果を得るために配合されて使用される。配合割合は、
成形対象の塩化ビニル系樹脂100重量部あたり、通
常、3〜30重量部、である。塩化ビニル系樹脂コンパ
ウンドに配合されるその他の成分は、成形方法や目的の
成形品に応じて公知のものが採用される。該塩化ビニル
系樹脂コンパウンドから塩化ビニル系樹脂成形品を得る
には、押出成形、射出成形、圧縮成形、カレンダー成形
など公知の成形方法に則って行えばよい。本発明の塩化
ビニル系樹脂成形用加工助剤は、従来から存在する(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体からなる塩化ビニル系
樹脂成形用加工助剤と同様に、射出成形においては深絞
り成形を可能とし、発泡成形においては高倍率の発泡を
容易にし、また、折曲げ加工では曲げに伴う十分な伸び
を実現させ、更には、成形品に艶のある表面を持たせる
効果を有する。
【0014】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。尚、部数、%は特別の記載がない限り重
量基準である。尚、試験及び評価は次によった。 (1)一次粒子の平均径 重合終了後のラテックスを水で希釈し、超音波振とう器
により、0.5重量%の分散液を調製したのち、これを
(株)堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粘度分布測
定器「LA−910」にかけて粒径分布を測定し、累積
粒径分布曲線より、50重量%に相当する粒径d50を求
め、一次粒子の平均粒径とする。 (2)凝集粒子の平均粒径 JIS Z8801に規定の標準篩に試料凝集粒子50
gおよびエアロジル0.5gの混合物を入れ、振盪分級
して得られる、篩の目開きに対する凝集体の篩通過量の
関係において、50%通過量に対応する目開き相当粒子
径を平均粒径とする。 (3)成形加工性 塩化ビニル単独重合体樹脂(新第一塩ビ(株)製、ZE
ST700L、平均重合度680)100部、加工助剤
10部、アゾジカルボンアミド1部、錫系熱安定剤3部
及びポリエチレンワックス2部の混合物をシリンダー内
径40mm、圧縮比2.4の押出機にて断面38mm×
4mmのベルトダイを押出し成形し、成形品の表面性状
を下記により○、△、×で判定した。尚、押出機の温度
条件はC1 :140℃、C2 :170℃、C3 :180
℃、H:160℃、D1 :160℃である。 ○:押出成形後の成形物の表面が平滑 △:押出成形後の成形物の表面がやや平滑 ×:押出成形後の成形物の表面状態が粗い
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。尚、部数、%は特別の記載がない限り重
量基準である。尚、試験及び評価は次によった。 (1)一次粒子の平均径 重合終了後のラテックスを水で希釈し、超音波振とう器
により、0.5重量%の分散液を調製したのち、これを
(株)堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粘度分布測
定器「LA−910」にかけて粒径分布を測定し、累積
粒径分布曲線より、50重量%に相当する粒径d50を求
め、一次粒子の平均粒径とする。 (2)凝集粒子の平均粒径 JIS Z8801に規定の標準篩に試料凝集粒子50
gおよびエアロジル0.5gの混合物を入れ、振盪分級
して得られる、篩の目開きに対する凝集体の篩通過量の
関係において、50%通過量に対応する目開き相当粒子
径を平均粒径とする。 (3)成形加工性 塩化ビニル単独重合体樹脂(新第一塩ビ(株)製、ZE
ST700L、平均重合度680)100部、加工助剤
10部、アゾジカルボンアミド1部、錫系熱安定剤3部
及びポリエチレンワックス2部の混合物をシリンダー内
径40mm、圧縮比2.4の押出機にて断面38mm×
4mmのベルトダイを押出し成形し、成形品の表面性状
を下記により○、△、×で判定した。尚、押出機の温度
条件はC1 :140℃、C2 :170℃、C3 :180
℃、H:160℃、D1 :160℃である。 ○:押出成形後の成形物の表面が平滑 △:押出成形後の成形物の表面がやや平滑 ×:押出成形後の成形物の表面状態が粗い
【0015】(4)爆発下限界粉塵濃度 社団法人日本粉体工業技術協会規格APS002(19
91年制定)の吹上げ式粉塵爆発試験装置による試験結
果とした。 (5)爆発強度指数 ISO6184の試験法に準拠した方法で測定した。 (6)最小着火エネルギー 日本粉体工業技術協会規格APS002(1991年制
定)に準じて測定した。
91年制定)の吹上げ式粉塵爆発試験装置による試験結
果とした。 (5)爆発強度指数 ISO6184の試験法に準拠した方法で測定した。 (6)最小着火エネルギー 日本粉体工業技術協会規格APS002(1991年制
定)に準じて測定した。
【0016】メタクリル酸エステル系重合体の製造 ステンレス製反応機にメタクリル酸メチル50重量部、
アクリル酸n−ブチル20重量部、炭素数12〜18の
アルキル基を有するソジウムアルキルサルフェート1重
量部、過硫酸カリウム0.1重量部及び蒸留水150重
量部を添加し、撹拌しつつ重合温度53℃にて乳化重合
を行った。サンプリングした反応液の固形分濃度により
反応の終了を確認してから、得られたラテックス(一次
粒子平均粒径0.18μm)をシード重合のシードとし
て更にメタクリル酸メチル20重量部、アクリル酸n−
ブチル10重量部、t−ドデシルメルカプタン0.1重
量部を追加して引続き53℃にて重合し、重合率92%
で反応を終え、一次粒子の平均粒径が0.22μmの固
形分濃度が39.8重量%であるラテックスを得た。
アクリル酸n−ブチル20重量部、炭素数12〜18の
アルキル基を有するソジウムアルキルサルフェート1重
量部、過硫酸カリウム0.1重量部及び蒸留水150重
量部を添加し、撹拌しつつ重合温度53℃にて乳化重合
を行った。サンプリングした反応液の固形分濃度により
反応の終了を確認してから、得られたラテックス(一次
粒子平均粒径0.18μm)をシード重合のシードとし
て更にメタクリル酸メチル20重量部、アクリル酸n−
ブチル10重量部、t−ドデシルメルカプタン0.1重
量部を追加して引続き53℃にて重合し、重合率92%
で反応を終え、一次粒子の平均粒径が0.22μmの固
形分濃度が39.8重量%であるラテックスを得た。
【0017】塩化ビニル重合体の製造 ステンレス製耐圧容器に脱イオン水167部、過硫酸カ
リウム0.02部、炭素数12〜18のアルキル基を有
するソジウムアルキルサルフェート0.01部を仕込ん
で窒素置換、減圧脱気をくり返した。次いで塩化ビニル
100部を仕込み、撹拌して60℃にて乳化重合を開始
した。重合軟化率5〜85%の期間ソジウムアルキルル
サルフェート3%水溶液を一定レートで16.7部注入
した。かくして重合転化率90%で反応を終え、ソジウ
ムアルキルサルフェート5%水溶液4部を添加してラテ
ックスを得た。一次粒子の平均粒径は0.28μmであ
った。
リウム0.02部、炭素数12〜18のアルキル基を有
するソジウムアルキルサルフェート0.01部を仕込ん
で窒素置換、減圧脱気をくり返した。次いで塩化ビニル
100部を仕込み、撹拌して60℃にて乳化重合を開始
した。重合軟化率5〜85%の期間ソジウムアルキルル
サルフェート3%水溶液を一定レートで16.7部注入
した。かくして重合転化率90%で反応を終え、ソジウ
ムアルキルサルフェート5%水溶液4部を添加してラテ
ックスを得た。一次粒子の平均粒径は0.28μmであ
った。
【0018】実施例1〜4、比較例1〜6 製造したメタクリル酸エステル系重合体ラテックスと塩
化ビニル重合体ラテックスを、表1に記す重合体比率に
なるよう各々計量する。メタクリル酸エステル系重合体
ラテックス1容を60℃に加熱し、これを凝固槽中で6
0℃に加熱した1.0%の硫酸アルミニウム水溶液3容
からなる凝固液に攪拌下で5分かけてフィードして凝固
を行った。次いで引続き攪拌下で凝固槽中のスラリーを
35℃に冷却し、スラリー中に塩化ビニル重合体ラテッ
クスを1分かけて添加し、添加終了に続いてスラリーを
85℃に昇温し10分間保った。その後スラリーを20
℃に冷却し、脱水してから50℃の熱風循環式棚段乾燥
機で乾燥して試験評価した。結果を表1に示す。
化ビニル重合体ラテックスを、表1に記す重合体比率に
なるよう各々計量する。メタクリル酸エステル系重合体
ラテックス1容を60℃に加熱し、これを凝固槽中で6
0℃に加熱した1.0%の硫酸アルミニウム水溶液3容
からなる凝固液に攪拌下で5分かけてフィードして凝固
を行った。次いで引続き攪拌下で凝固槽中のスラリーを
35℃に冷却し、スラリー中に塩化ビニル重合体ラテッ
クスを1分かけて添加し、添加終了に続いてスラリーを
85℃に昇温し10分間保った。その後スラリーを20
℃に冷却し、脱水してから50℃の熱風循環式棚段乾燥
機で乾燥して試験評価した。結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】各実施例及び比較例の結果から次のことが
導き出される。 実施例1:既存の標準的な組成及び粒子径を有するアク
リレート系塩化ビニル樹脂用加工助剤に相当する比較例
1と同一メタクリル酸エステル系重合体のラテックスの
固形分100重量部の量に対して、固形分比率が10重
量部となる塩化ビニル系重合体ラテックスを添加して凝
固したケースで、爆発下限界粉塵濃度が140g/m3
で、粒子径を変えずに爆発性判定が高爆発性から中爆発
性へとなり、大きな改良効果が得られた。 実施例2:実施例1において塩化ビニル系重合体ラテッ
クスの添加量を2倍としたケースで、爆発下限界粉塵濃
度が240g/m3 となり、粒子径を変えずに爆発性判
定を低爆発性とし、顕著な改善効果が見られた。一般的
に(メタ)アクリル酸エステル系塩化ビニル樹脂用加工
助剤の塩化ビニル樹脂に対する添加量は10重量%以下
であるため、実施例2を用いた場合には配合処方中の塩
化ビニル樹脂の量を1〜2重量%程度減らす程度でよ
く、最終成形物の機械的強度等には殆ど影響を与えるこ
とはない。 実施例3:一般的に粉塵爆発性の大小に影響する因子と
しては粒子径の大きさが最も大きい、実施例2のケース
が耐粉塵爆発性上は特に望ましいが、これと同じ効果を
維持しながら粒子径を低減できる範囲を求めた。実施例
2と比較して50μm程度細粒化しても、ほぼ同等の爆
発下限界粉塵濃度が得られた。 実施例4:実施例2と同一の塩化ビニル系重合体ラテッ
クス添加量で凝固粒子径を400μm以上と大きくした
ケースでは、爆発下限界粉塵濃度も400g/m3 を越
え、特に最小着火エネルギーが300ミリジュール以上
となり、粉塵爆発が極端に起こり難い状態となった。
導き出される。 実施例1:既存の標準的な組成及び粒子径を有するアク
リレート系塩化ビニル樹脂用加工助剤に相当する比較例
1と同一メタクリル酸エステル系重合体のラテックスの
固形分100重量部の量に対して、固形分比率が10重
量部となる塩化ビニル系重合体ラテックスを添加して凝
固したケースで、爆発下限界粉塵濃度が140g/m3
で、粒子径を変えずに爆発性判定が高爆発性から中爆発
性へとなり、大きな改良効果が得られた。 実施例2:実施例1において塩化ビニル系重合体ラテッ
クスの添加量を2倍としたケースで、爆発下限界粉塵濃
度が240g/m3 となり、粒子径を変えずに爆発性判
定を低爆発性とし、顕著な改善効果が見られた。一般的
に(メタ)アクリル酸エステル系塩化ビニル樹脂用加工
助剤の塩化ビニル樹脂に対する添加量は10重量%以下
であるため、実施例2を用いた場合には配合処方中の塩
化ビニル樹脂の量を1〜2重量%程度減らす程度でよ
く、最終成形物の機械的強度等には殆ど影響を与えるこ
とはない。 実施例3:一般的に粉塵爆発性の大小に影響する因子と
しては粒子径の大きさが最も大きい、実施例2のケース
が耐粉塵爆発性上は特に望ましいが、これと同じ効果を
維持しながら粒子径を低減できる範囲を求めた。実施例
2と比較して50μm程度細粒化しても、ほぼ同等の爆
発下限界粉塵濃度が得られた。 実施例4:実施例2と同一の塩化ビニル系重合体ラテッ
クス添加量で凝固粒子径を400μm以上と大きくした
ケースでは、爆発下限界粉塵濃度も400g/m3 を越
え、特に最小着火エネルギーが300ミリジュール以上
となり、粉塵爆発が極端に起こり難い状態となった。
【0021】比較例1:標準的な成分組成と凝固粒子径
を有する樹脂を用いたケースで、爆発強度指数Kst値
は粒子径の影響でランク1となっているが、爆発下限界
粉塵濃度と最小着火エネルギーは低値となった。 比較例2:比較例1の粒子径が与える影響として平均粒
子径を比較例1の200μmから90μmに低減させる
と、爆発下限界粉塵濃度は低値となり、特に爆発強度指
数Kst値が200を越えて評価基準がランク2となっ
た。更に、平均粒子径を40μmとした場合はKst値
が300を越えて評価基準がランク3となった。 比較例3:比較例2と反対に比較例1の粒子径を750
μmと大きくした場合、耐粉塵爆発性の性能は大きく向
上するが、粒子径が分布を持っているために最大粒子は
数mmを越える大きさとなり、押出時の成形加工性が低
下し成形物の意匠性が悪くなった。 比較例4:実施例1の塩化ビニル系重合体ラテックス添
加量を2重量部に減らした場合で、粒子径が多少大きい
にも係わらず、耐粉塵爆発性の同上効果が殆ど見られな
い。 比較例5:実施例1の塩化ビニル系重合体ラテックス添
加量を35重量部としたケースで、耐粉塵爆発性の効果
は大きいが、85℃×10分間の凝固条件では所定の炉
布を使用した際の脱水性が不十分で炉液も白濁し、脱水
時の工程ロスが発生した。 比較例6:実施例1と同様の塩化ビニル系重合体ラテッ
クスの添加量であっても、凝集粒子径を30μmと低下
させた場合には、耐粉塵爆発性の諸特性はいずれも低値
となった。
を有する樹脂を用いたケースで、爆発強度指数Kst値
は粒子径の影響でランク1となっているが、爆発下限界
粉塵濃度と最小着火エネルギーは低値となった。 比較例2:比較例1の粒子径が与える影響として平均粒
子径を比較例1の200μmから90μmに低減させる
と、爆発下限界粉塵濃度は低値となり、特に爆発強度指
数Kst値が200を越えて評価基準がランク2となっ
た。更に、平均粒子径を40μmとした場合はKst値
が300を越えて評価基準がランク3となった。 比較例3:比較例2と反対に比較例1の粒子径を750
μmと大きくした場合、耐粉塵爆発性の性能は大きく向
上するが、粒子径が分布を持っているために最大粒子は
数mmを越える大きさとなり、押出時の成形加工性が低
下し成形物の意匠性が悪くなった。 比較例4:実施例1の塩化ビニル系重合体ラテックス添
加量を2重量部に減らした場合で、粒子径が多少大きい
にも係わらず、耐粉塵爆発性の同上効果が殆ど見られな
い。 比較例5:実施例1の塩化ビニル系重合体ラテックス添
加量を35重量部としたケースで、耐粉塵爆発性の効果
は大きいが、85℃×10分間の凝固条件では所定の炉
布を使用した際の脱水性が不十分で炉液も白濁し、脱水
時の工程ロスが発生した。 比較例6:実施例1と同様の塩化ビニル系重合体ラテッ
クスの添加量であっても、凝集粒子径を30μmと低下
させた場合には、耐粉塵爆発性の諸特性はいずれも低値
となった。
【0022】
【発明の効果】本発明により、取扱い易い粒径でありな
がら、粉塵爆発の危険性の低い、(メタ)アクリル酸エ
ステル系複合重合体粒子が提供される。
がら、粉塵爆発の危険性の低い、(メタ)アクリル酸エ
ステル系複合重合体粒子が提供される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月4日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 メタアクリル酸エステル系また
は/及びアクリル酸エステル系複合重合体粒子、その製
造方法および塩化ビニル系樹脂組成物
は/及びアクリル酸エステル系複合重合体粒子、その製
造方法および塩化ビニル系樹脂組成物
Claims (3)
- 【請求項1】 一次粒子の平均径が0.05〜2μmで
ある(メタ)アクリル酸エステル系重合体を凝集した粒
子に、難燃性重合体微粒子を、上記(メタ)アクリル酸
エステル系重合体100重量部あたり3〜30重量部付
着せしめてなる平均粒径が120〜500μmの(メ
タ)アクリル酸エステル系複合重合体粒子。 - 【請求項2】 一次粒子の平均径が0.05〜2μmの
(メタ)アクリル酸エステル系重合体ラテックスを凝固
剤の存在下に50〜80℃で凝固し、10〜50℃にて
一次粒子の平均径が0.05〜2μmのハロゲン化ビニ
ル系重合体ラテックスまたはハロゲン化ビニリデン系重
合体ラテックスを、固体成分の比率で上記(メタ)アク
リル酸エステル系重合体100重量部あたり3〜30重
量部添加して、50〜95℃にて凝集することを特徴と
する平均粒径が120〜500μmの(メタ)アクリル
酸エステル系複合重合体粒子の製造方法。 - 【請求項3】 一次粒子の平均径が0.05〜2μmで
ある(メタ)アクリル酸エステル系重合体を凝集した粒
子に、一次粒子の平均径が0.05〜2μmである塩化
ビニル系重合体粒子を、上記(メタ)アクリル酸エステ
ル系重合体100重量部あたり3〜30重量部付着せし
めてなる平均粒径120〜500μmの(メタ)アクリ
ル酸エステル系複合重合体粒子からなる塩化ビニル樹脂
成形用加工助剤を、塩化ビニル系樹脂100重量部あた
り3〜30重量部配合してなる塩化ビニル系樹脂組成
物。 【0001】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9805497A JPH10279694A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | メタアクリル酸エステル系または/及びアクリル酸エステル系複合重合体粒子、その製造方法および塩化ビニル系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9805497A JPH10279694A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | メタアクリル酸エステル系または/及びアクリル酸エステル系複合重合体粒子、その製造方法および塩化ビニル系樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10279694A true JPH10279694A (ja) | 1998-10-20 |
Family
ID=14209554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9805497A Pending JPH10279694A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | メタアクリル酸エステル系または/及びアクリル酸エステル系複合重合体粒子、その製造方法および塩化ビニル系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10279694A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001060893A1 (en) * | 2000-02-16 | 2001-08-23 | Sanyo Chemical Industries, Ltd. | Resin dispersions having uniform particle diameters, resin particles and processes for producing both |
JP2002523535A (ja) * | 1998-08-18 | 2002-07-30 | ザ ダウ ケミカル カンパニー | 押出可能なバリアポリマー組成物、その組成物の製造方法、およびその組成物を含む単層または多層構造 |
JPWO2003093353A1 (ja) * | 2002-04-30 | 2005-09-08 | 株式会社カネカ | 重合体粒子およびその製造方法 |
JPWO2004076538A1 (ja) * | 2003-02-25 | 2006-06-01 | 株式会社カネカ | 重合体粒子組成物およびその製造方法 |
US8507711B2 (en) | 2007-10-02 | 2013-08-13 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Flame-retardant compound, flame-retardant particle, resin composition and resin formed body |
KR20160025738A (ko) | 2014-08-28 | 2016-03-09 | 세키스이가세이힝코교가부시키가이샤 | 합성 수지 입자 집합체 |
-
1997
- 1997-03-31 JP JP9805497A patent/JPH10279694A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002523535A (ja) * | 1998-08-18 | 2002-07-30 | ザ ダウ ケミカル カンパニー | 押出可能なバリアポリマー組成物、その組成物の製造方法、およびその組成物を含む単層または多層構造 |
JP2012193371A (ja) * | 1998-08-18 | 2012-10-11 | Dow Global Technologies Llc | 押出可能なバリアポリマー組成物、その組成物の製造方法、およびその組成物を含む単層または多層構造 |
JP2013108088A (ja) * | 1998-08-18 | 2013-06-06 | Dow Global Technologies Llc | 押出可能なバリアポリマー組成物、その組成物の製造方法、およびその組成物を含む単層または多層構造 |
WO2001060893A1 (en) * | 2000-02-16 | 2001-08-23 | Sanyo Chemical Industries, Ltd. | Resin dispersions having uniform particle diameters, resin particles and processes for producing both |
US7005480B2 (en) | 2000-02-16 | 2006-02-28 | Sanyo Chemical Industries, Ltd. | Resin dispersions having uniform particle diameters, resin particles and processes for producing both |
JPWO2003093353A1 (ja) * | 2002-04-30 | 2005-09-08 | 株式会社カネカ | 重合体粒子およびその製造方法 |
JPWO2004076538A1 (ja) * | 2003-02-25 | 2006-06-01 | 株式会社カネカ | 重合体粒子組成物およびその製造方法 |
JP4663521B2 (ja) * | 2003-02-25 | 2011-04-06 | 株式会社カネカ | 重合体粒子組成物およびその製造方法 |
US8507711B2 (en) | 2007-10-02 | 2013-08-13 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Flame-retardant compound, flame-retardant particle, resin composition and resin formed body |
KR20160025738A (ko) | 2014-08-28 | 2016-03-09 | 세키스이가세이힝코교가부시키가이샤 | 합성 수지 입자 집합체 |
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