JP3970954B2 - ゴム強化スチレン系樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム強化スチレン系樹脂の製造方法に関し、更に詳しくは、製造時に発塵が少なく、押出安定性が良好で、安定した品質を有するゴム強化スチレン系樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴム強化スチレン系樹脂の製造方法としては、(1)ゴム状重合体の存在下にビニル系単量体を共重合させる方法、(2)ゴム状重合体にビニル系単量体を共重合させたグラフト共重合体とスチレン系共重合体を混合する方法等が知られている。(1)の方法では、多様化する要求に対応するための多品種生産に難があり、(2)の方法では、グラフト共重合体は乳化重合法で製造されることが多いために微粉を多く含んでおり、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法等で製造された、ペレット状、グラニュー状、ビーズ状のスチレン系共重合体とを混合、溶融させると、混合時に不均一になったり、粉塵が発生したり、溶融時に分級が生じたり、サージングが生じ、ストランドが切れたり、吐出量にバラツキが生じたりして、物性の安定性を損なうという問題がある。
またグラフト共重合体を先に溶融させペレット化した後、スチレン系重合体と混合する方法も実施されているが、この方法は工程が複雑になり、経済的にも有利とは言い難い。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の粒子径分布を有するグラフト共重合体(A)とスチレン系共重合体(B)を混合することにより、分級、粉塵の発生が少なく、バラツキの少ない安定した品質が得られることを見出し本発明に至った。
【0004】
すなわち、本発明は、ゴム状重合体にビニル系単量体を重合させたグラフト共重合体(A)とスチレン系重合体(B)とからペレット状またはグラニュー状のゴム強化スチレン系樹脂を製造するに際し、乳化重合法で得られたラテックスを凝固して粉末状にしたものであって、嵩比重が0.40g/ cm 3 以上であり、53μm以下の微粉の含有量が10重量%以下であるグラフト共重合体(A)と53μm以下の微粉の含有量が10重量%以下であるスチレン系重合体(B)とを混合することを特徴とするゴム強化スチレン系樹脂の製造方法を内容とするものである。
【0005】
本発明に使用されるグラフト共重合体(A)は、粉体の粒子性状が重要である。すなわち、53μm以下の微粉の含有量が10重量%以下であることが必要であり、好ましくは5重量%以下である。
嵩比重は0.40g/cm3 以上が必要であり、0.45g/cm3 以上が好ましい。
粉体の流動特性(孔径5mm、高さ60mm、ホッパー角度45°のホッパーに粉体を充填した後、全パウダーが流れ出るまでに加えた一定衝撃の回数)は5以下が好ましい。
【0006】
53μm以下の微粉量が10重量%を越えると、スチレン系重合体(B)との混合時等に発塵性が大きく、粉塵爆発の危険や環境を悪化させ、また混合・溶融混練時に分級が生じ、更に品質のバラツキが生じる。
また嵩比重が0.40g/cm3 未満では混合・溶融時に分級が生じ、品質にバラツキが生じる。更に、パウダーの流動特性が5を越えると混合・溶融時に分級が生じ、品質にバラツキが生じるので好ましくない。
【0007】
本発明に用いられるグラフト共重合体(A)の好ましい組成は、ガラス転移温度−20℃以下、好ましくは−50℃以下のゴム状重合体30〜80重量%にビニル系単量体70〜20重量%をグラフト共重合させたものである。ゴム状重合体のガラス転移温度が−20℃より高くなると、得られるゴム強化スチレン系樹脂の耐衝撃性が低下し好ましくない。ゴム状重合体が30重量%未満では得られるゴム強化スチレン系樹脂の耐衝撃性が低下したり、スチレン系重合体(B)との混合比率に制限が生じたりして好ましくなく、80重量%を越えるとスチレン系重合体(B)との相溶性が悪くなり、得られるゴム強化スチレン系樹脂の耐衝撃性、剛性等の物性が低下したり、表面の光沢が低下したり不均一になったりして好ましくない。ゴム状重合体の粒子径は特に限定されないが、重量平均粒子径として、0.05〜1μmの範囲のものが好ましく使用される。0.05μm未満では耐衝撃性が低下し、1μmを越えると剛性、表面光沢が低下する傾向がある。
ゲル含有量(トルエン浸漬、24時間)は特に限定されないが、10〜95%が好ましい。10%未満では表面光沢が低下し、95%を越えると耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0008】
グラフト共重合体(A)は実質的にゴム状重合体にビニル系単量体がグラフト共重合したものと、ビニル系単量体からなる共重合体とからなる。
グラフト率〔(グラフト枝の重量/ゴム状重合体の重量)×100)〕は、10〜100%が好ましく、ビニル系共重合体の還元粘度は0.2〜1.0dl/g(N,Nジメチルホルムアミド溶液、30℃測定)の範囲が好ましい。グラフト率が10%未満ではスチレン系重合体(B)との相溶性が悪く、耐衝撃性、剛性が低下したり、表面光沢が低下したり、不均一になったりして好ましくなく、100%を越えると剛性が低下したり、成形加工性が悪くなったりして好ましくない。含有されるビニル系共重合体の還元粘度が0.2dl/g未満では耐衝撃性、耐薬品性が低下して好ましくなく、1.0dl/gを超えると成形加工性が低下する傾向がある。
【0009】
本発明のグラフト共重合体(A)に用いられるゴム状重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン、アクリル酸ブチル−ブタジエン等のジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、エチレン−プロピレン、エチレン−プロピレン−ジエン等のオレフィン系ゴムが例示され、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0010】
グラフト反応に用いられるビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル等が例示され、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。使用される割合は芳香族ビニル95〜20重量%、シアン化ビニル0〜40重量%、好ましくは5〜40重量%、(メタ)アクリル酸エステル0〜80重量%、好ましくは1〜70重量%(合計100重量%)の範囲が好ましい。芳香族ビニルが40重量%未満では成形加工性が低下し、シアン化ビニルが40重量%を超えると熱安定性が低下する傾向がある。
【0011】
グラフト共重合体(A)の製造方法は、乳化重合法が使用する単量体組成の自由度が広いために特に好適に用いられる。乳化重合法は公知の方法で実施することができる。例えば、ラテックス状のゴム状重合体の存在下にビニル系単量体を添加すれば良く、重合開始剤としては、公知の過硫酸塩、有機過酸化物等が使用できる。また必要により、乳化剤、連鎖移動剤等も使用できる。
【0012】
得られたラテックスから好適な粉体を製造する方法としては特に限定されないが、例えば特公昭61−42923号に開示されている方法を用いることもできる。
【0013】
すなわち、熱可塑性高分子よりなる高分子ラテックスを53μm未満の微細液滴が20重量%以下で、2mm以下の範囲内の液滴系を持つ液滴として、該ラテックスを凝固せしめ得る性質を有する気体又は該ラテックスを凝固せしめうる溶液の煙霧体を含む凝固性雰囲気相をその内部に保有する凝固室内に分散させる。
【0014】
この雰囲気相は、凝固ラテックス粒子を構成する多数の重合粒子をお互い同士強く固着させて単一の凝固ラテックス粒子を形成させ、しかも凝固ラテックス粒子同士の融着引き起こさないような温度範囲(凝固ラテックス粒子形成温度)に保たれており、そしてこの凝固室は、その壁面上を上記凝固ラテックス粒子形成温度に昇温された熱水が回収液として流下している壁面に囲まれている。
【0015】
分散されたラテックス液滴は、自らの表面張力で球形になり、ガス状凝固剤又は凝固剤溶液の煙霧体と接触し凝固する。凝固ラテックス粒子は回収液に捕集される前に、凝固剤をそのラテックス中の樹脂に対して0.36重量%から8重量%までの範囲で吸収し、回収液に衝突する際破壊を起こさない様に堅く凝固させてから回収液に捕集され球形粒子として回収液から回収される。
【0016】
本方法においては、回収液を壁面に流下させることにより、凝固ラテックス粒子の壁面付着を防止でき、更に回収液の温度及び凝固性雰囲気相の温度を所定の昇温された範囲に限定することにより、凝固性雰囲気相中へのラテックスの噴霧密度を、その温度範囲外では達成し得ない高密度状態に噴霧しても凝固雰囲気相中で合一せず、さらに凝固ラテックス粒子が回収液中に落下或いは突入した際にも破壊せず、しかも回収液中で互いに融着・合一を起こさぬようにすることが可能となる。
また、工業的規模で本方法を実施する場合、ほとんど全ての凝固ラテックス粒子を球形粒子として多量に取得するのに、装置を小形化することが可能となり工業的に非常に有利となる。
【0017】
凝固剤としては塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム等の無機塩類の水溶液、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸類の水溶液、酢酸、蟻酸等の有機酸類及びその水溶液等を単独に又は2種以上混合して煙霧状にしたものを用いることができる。
また必要に応じて、フェノール系、チオエーテル系、ホスファイト系等の酸化防止剤、トルエン、シクロヘキサン等の溶剤、ポリエチレン系のワックス、エチレンビスステアリルアミド等の滑剤、ポリメタクリレート系樹脂、アクリロニトリル−スチレン系樹脂の微粉体等をラテックス又は凝固ラテックス粒子に添加し、熱安定性、流動性、ブロッキング防止等の効果をより高めることも可能である。更に、凝固ラテックス粒子を熱処理し、凝固ラテックス粒子が粉体の取扱い時により破壊しないようにすることも可能である。
【0018】
本発明に用いられるスチレン系重合体(B)としては、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、スチレン−マレイミド共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイミド−アクリロニトリル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリロニトリル−マレイミド共重合体、スチレン−メチルメタアクリレート共重合体等が例示され、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。。溶液粘度は、0.3−0.5dl/g(N,Nジメチルホルムアミド溶液、30℃)の範囲が好ましい。0.3dl/g未満では得られるゴム強化スチレン系樹脂の耐衝撃性、耐薬品性、剛性等が低下し、1.5dl/gを越えると成形加工性が低下する傾向がある。
【0019】
スチレン系重合体(B)の製造方法としては特に限定されるものではなく、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合などの公知の方法により実施できる。スチレン系重合体(B)の形状としては、ビーズ状、グラニュー状又はペレット状のものが好ましく、53μm以下の微粉の含有量が10重量%以下であるものが用いられる。53μm以下の微粉が10重量%を越えると発塵性、分級等が生じる。
【0020】
得られるゴム強化スチレン系樹脂(C)の特性は、グラフト共重合体(A)及びスチレン系重合体(B)の組成、混合比等により左右される。
グラフト共重合体(A)とスチレン系重合体の組成範囲は、
Aa :グラフト共重合体(A)のグラフト枝のシアン化ビニルの割合(重量%)、
Ae :グラフト共重合体(A)のグラフト枝の(メタ)アクリル酸エステルの割合(重量%)、
Ap :グラフト共重合体(A)のグラフト枝のマレイミド誘導体の割合(重量%)、
Ba :スチレン系重合体(B)のシアン化ビニルの割合(重量%)、
Be :スチレン系重合体(B)の(メタ)アクリル酸エステルの割合(重量%)、
Bp :スチレン系重合体(B)のマレイミド誘導体の割合(重量%)
とした場合、
【0021】
【数1】
【0022】
の範囲が好ましい。この範囲外ではグラフト共重合体(A)とスチレン系重合体(B)の相溶性が悪くなり、得られるゴム強化スチレン系重合体(C)の耐衝撃性、剛性等が低下したり、成形品表面に剥離を生じたりする傾向がある。
【0023】
グラフト共重合体(A)とスチレン系重合体(B)との混合比率は所望の物性により異なるが、ゴム強化スチレン系樹脂(C)中ゴム状重合体が5〜40重量%含有するように混合されることが好ましい。5重量%未満では得られるゴム強化スチレン系樹脂の耐衝撃性が低下し、40重量%を越えると剛性が低下したり、成形加工性が低下する不都合が生じる傾向がある。
【0024】
混合、溶融は通常の方法で実施することができる。例えば、所定量のグラフト共重合体(A)及びスチレン系重合体(B)をヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー等で混合した後、必要により、単軸、多軸の押出機で溶融、押出すことによりペレット状またはグラニュー状のゴム強化スチレン系樹脂(C)を得ることができる。
混合、溶融に際し、必要に応じ、公知の酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、顔料、染料、フィラー、難燃剤、帯電防止剤、防菌剤等の1種または2種以上を添加することもできる。さらに、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド等の熱可塑性樹脂の1種または2種以上を混合することも可能である。
【0025】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
尚、以下の記載において、特にことわらない限り、「%」は重量%、「部」は重量部を示す。
【0026】
実施例1〜5、比較例1〜3
(1)グラフト共重合体(A)の製造
グラフト共重合体(A−1):
ポリブタジエン(重量平均粒子径380mm、ゲル含有量89%)にアクリロニトリル及びスチレンをグラフト共重合させたラテックスであり、ポリブタジエン52%、アクリロニトリル14%、スチレン34%、末グラフト成分の溶液粘度0.50dl/g、グラフト率31%よりなり、固形分濃度31%であるラテックスに、乳化させたフェノール系酸化防止剤を1.0部添加し、温度30℃で、加圧ノズルの1種である空円錐ノズルで孔径が2.0mmのノズル8個を用い、噴霧圧力7.3Kg/cm2 で、高さ9m、直径1.5mの円筒状凝固室中に20L/分の供給速度で噴霧した。
一方、この凝固室は内壁上部に取り付けたサイドスプレーノズルから46℃の温水を2.5M3 /時の流量で回収液として内壁面を流下させており、その内部に凝固剤として23%、15℃の塩酸を孔径が2.0mmの内部混合形2流体ノズルから圧力0.6Kg/cm2 Gの水蒸気により0.65Kg/分の供給速度で100μm以下の微細液滴に分散させ、温度45〜46℃、圧力が大気圧の凝固性雰囲気をその内部に形成させ、下部より150NM3 /時の速度で排風させた。
噴霧されたラテックス液滴は凝固室内を落下中に凝固剤と接触し、凝固され回収液に捕集されてスラリーとして凝固室から取り出された。スラリー中のラテックス粒子は破壊や合一がほとんどなく、ほぼ球状を保持しており、未凝固ラテックスの溶解による回収液の濁りは全くなく、80℃で10分間の熱処理後、脱水、乾燥し、粉末状グラフト共重合体(A−1)を得た。
【0027】
グラフト共重合体(A−2):
上記(A−1)と同一ラテックスを用い、凝固剤として30%、15℃の塩化カルシウム水溶液2.5Kg/分の供給速度で噴霧した以外は、(A−1)と同一の条件で粉末状グラフト共重合体(A−2)を得た。
【0028】
グラフト共重合体(A−3):
A−1と同一ラテックスを用い、25℃で攪拌機付の300Lの容器にラテックス100Kg(固形分30Kg)を入れ、攪拌しながら、凝固剤として5%塩化カルシウム水溶液45Kgを添加し、凝固し、80℃で10分間の熱処理後、脱水、乾燥し、粉末状グラフト共重合体(A−3)を得た。
【0029】
上記グラフト共重合体(A−1)、(A−2)、(A−3)の特性を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
粒度分布: 湿式篩法 (%)
嵩比重:既知の方法 g/cm3
流動特性:孔径5mm、高さ60mm、ホッパー角度45°のホッパーに粉体を充填した後、全粉体が流れ出るまでに加えた一定衝撃の回数
発塵性:低部に空気分散板として孔径20μmのグラスファイバー性フィルターを備えた内径40mm、高さ120mmの円筒容器の中に粉体15gを入れる。円筒容器の底からグラスファイバー性フィルターを通し、空気を空筒速度4.0cm/秒の速度で供給し、粉体を流動化させ、円筒容器上部の空気出口から飛び出した微粉を孔径2μmのグラスファイバー製フィルターで捕集し、5分間で飛び出した微粉量の割合(%)。
【0032】
(2)スチレン系重合体(B)の製造
スチレン系重合体(B−1):
懸濁重合法で製造されたアクリロニトリル29%、スチレン71%からなり、溶液粘度0.61dl/gである共重合体であって、平均径が500μmであり、53μm以下の微粉は0.1%以下のビーズを使用した。
【0033】
スチレン系重合体(B−2):
塊状重合法で製造され、スチレン55%、アクリロニトリル23%、フェニルマレイミド20%からなり、溶液粘度0.58dl/gである共重合体であって、溶融押出しされた、平均長さ3.1mm、平均直径2.5mmであり、53μm以下の微分は0.1%以下のペレットを使用した。
【0034】
(3)ゴム強化スチレン系樹脂(C)の製造
表2に示す割合で、グラフト共重合体(A−1)〜(A−3)とスチレン系重合体(B−1)、(B−2)及び両者の合計100部に対し、エチレンビスステアリルアミド0.5部(合計25.125Kg)とを容量75Lのヘンシェルミキサーで10分間攪拌し、混合した。
混合したコンパウンド全量をホッパーに入れ、スクリュー径50mmのベント式押出機で設定温度230℃で溶融混練してペレットを得た。
【0035】
得られたゴム強化スチレン系樹脂(C)の特性を下記の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
混合時の発塵性:
混合時のヘンシェルミキサーの覗き窓を開から観察し、下記の基準で評価した。
〇:ほとんど発塵がなく、前先が見える。
×:発塵が激しく前先が見えない。
【0038】
押出安定性:
溶融押出し時、押出機のアンペアー及び、ストランドを観察し、下記の基準で評価した。
〇:ストランド安定し、アンペアーもほとんどふれない。
×:ストランド不安定又はストランド切れが発生し、アンペアーもふれる。
【0039】
初期物性:
25Kgのコンパウンドを溶融押し出したもののうち、最初の3Kg分の物性を意味する。
後期物性:
25Kgのコンパウンドを溶融押し出したもののうち、最後の3Kg分の物性意味する。
【0040】
アイゾット衝撃値(Kg・cm/cm):
ASTM D−256、1/4インチ厚、ノッチ付、23℃
拡張力(Kg/cm2 ):
ASTM D−638、23℃
耐熱変形温度(℃):
ASTM D−648、1/4インチ厚、18.6Kg/cm2 荷重
光沢(%):
150mm×100mm×3mm平板(鏡面)の60°反射率
MI(メルトインデックス)(g/10分):
ASTM D−1238、230℃×10Kg
【0041】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、製造の際に発塵が少なく、押出安定性も良好で、安定した品質のゴム強化スチレン系樹脂を経済的かつ容易に製造できる。
Claims (2)
- ゴム状重合体にビニル系単量体を重合させたグラフト共重合体(A)とスチレン系重合体(B)とからペレット状またはグラニュー状のゴム強化スチレン系樹脂を製造するに際し、乳化重合法で得られたラテックスを凝固して粉末状にしたものであって、嵩比重が0.40g/ cm 3 以上であり、53μm以下の微粉の含有量が10重量%以下であるグラフト共重合体(A)と53μm以下の微粉の含有量が10重量%以下であるスチレン系重合体(B)とを混合することを特徴とするゴム強化スチレン系樹脂の製造方法。
- スチレン系重合体(B)の形状が、ビーズ状、グラニュー状又はペレット状であることを特徴とする請求項1記載のゴム強化スチレン系樹脂の製造方法。
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