JP2000119466A - 加熱成形性に優れる熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
加熱成形性に優れる熱可塑性樹脂組成物Info
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Abstract
肉成形が可能で、更には耐溶剤性ないし耐薬品性にも優
れた熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ゲル含有量が40〜90重量%であるゴ
ム質重合体の存在下にビニル系単量体をグラフト重合し
てなるゴム含有グラフト重合体であって、該ゴム含有グ
ラフト重合体中のゴム質重合体にグラフトした重合体の
グラフト密度が1〜15であるゴム含有グラフト重合体
(A)10〜90重量部と、芳香族ビニル単量体とシア
ン化ビニル単量体と、必要に応じて用いられる他の共重
合可能な単量体とを共重合してなる硬質共重合体(B)
90〜10重量部とを含有する加熱成形性に優れる熱可
塑性樹脂組成物。
Description
形、ブロー成形等(以下、これらを「加熱成形」と称
す。)により、均肉性、薄肉性等に優れ、物性バランス
にも優れた成形品を成形することが可能な熱可塑性樹脂
組成物に関する。
性樹脂は、良好な耐衝撃性、成形加工性を有することか
ら、従来、幅広い用途に使用されており、成形方法にお
いても、射出成形だけでなく、真空成形、圧空成形、ブ
ロー成形等の様々な加熱成形法が採用されている。
コスト低減等の観点から、加熱成形法による成形品の薄
肉化が強く求められている。この要望を満足するため、
熱可塑性樹脂組成物には、加熱成形した際に、部分的な
肉厚の変動のない、均一な肉厚(以下、「均肉性」と言
う。)と、薄肉化に伴う物性の低下を補うための、物性
強化が必要となる。この対応策として、例えば、ゴム含
有グラフト重合体の分子量を上げる方法、ゴム含有グラ
フト重合体量を増加させる方法が考えられている。
て、冷蔵庫の内箱がある。ABS樹脂が、この用途に使
用される理由としては、ABS樹脂の加熱成形品が剛性
と耐衝撃性との物性バランス及び冷蔵庫に使用される冷
媒のフロンに対する耐溶剤性に優れ、成形性に優れるこ
となどが挙げられる。しかし、近年の環境保護の観点か
ら、旧来使用してきたフロンに代えた、いわゆる代替フ
ロンが採用されるようになりつつあるが、ABS樹脂
は、この代替フロンに対する耐溶剤性に劣るために、対
応できなくなっているのが現状である。そこで、ABS
樹脂の代替フロンに対する耐溶剤性を高めるべく、種々
検討が行われ、一般的には、アクリロニトリル含有量を
高める方法が試みられている。
性樹脂組成物の均肉性や物性の強化を目的としてゴム含
有グラフト重合体の分子量を上げる方法やゴム含有グラ
フト重合体量を増加させる方法は、いずれもコストアッ
プにつながり、特に、ゴム含有グラフト重合体量を増加
させた場合には、ABS系樹脂の特徴の一つである剛性
が低下してしまうといった問題があった。
溶剤性を高めるために、アクリロニトリル含有量を高め
ることは、耐溶剤性の向上には有効であるものの、真空
成形性が大幅に低下し、薄肉化が不可能である上に、均
肉性と物性バランスにも問題が生じることから、その改
善が切に望まれている。
れた均肉性、物性バランスを有し、且つ薄肉成形が可能
で、更には代替フロン等に対する耐溶剤性ないし耐薬品
性にも優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することにあ
る。
れる熱可塑性樹脂組成物は、ゲル含有量が40〜90重
量%であるゴム質重合体の存在下にビニル系単量体をグ
ラフト重合してなるゴム含有グラフト重合体であって、
該ゴム含有グラフト重合体中のゴム質重合体にグラフト
した重合体のグラフト密度が1〜15であるゴム含有グ
ラフト重合体(A)10〜90重量部と、芳香族ビニル
単量体とシアン化ビニル単量体と、必要に応じて用いら
れる他の共重合可能な単量体とを共重合してなる硬質共
重合体(B)90〜10重量部とを含有することを特徴
とする。
フト重合体(A)と硬質共重合体(B)との合計で10
0重量部とする。
優れた均肉性、物性バランスを有し、且つ薄肉成形が可
能で、更には耐溶剤性ないし耐薬品性にも優れた熱可塑
性樹脂組成物を実現することができる。
系単量体、好ましくは、芳香族ビニル単量体5〜30重
量%を内封したオクルージョン構造を有するゴム質重合
体であることが好ましい。なお、このゴム質重合体に内
封されたビニル系単量体の割合は、ゴム含有グラフト重
合体(A)に対する重量%である。
ニル単量体の含有量は25〜50重量%であることが好
ましい。
する。
(A)とは、ゴム質重合体の存在下に、ビニル系単量体
をグラフト重合してなる共重合体である。
重合体としては、ポリブタジエン、ブタジエンと共重合
可能なビニル系単量体との共重合体、アクリル酸エステ
ル重合体、アクリル酸エステルと共重可能なビニル系単
量体との共重合体、エチレン−プロピレン又はブテン−
非共役ジエン共重合体等が挙げられる。また、アクリル
酸エステル重合体のアクリル酸エステルとしては、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリ
レート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、
n−ヘキシルアクリレート、2−メチルペンチルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチ
ルアクリレーなどが挙げられ、また、エチレン−プロピ
レン−非共役ジエン共重合体に含有されるジエンとして
は、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、
1,4−ヘプタジエン、1,5−シクロオクタジエン、
6−メチル−1,5−ヘプタジエン、11−エチル−
1,11−トリデカジエン、5−メチレン−2−ノルボ
ルネンなどが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以
上を用いることができる。
40〜90重量%であり、好ましくは60〜80重量%
である。このゲル含有量が40重量%未満では、物性バ
ランスが取りにくく、90重量%を超えると真空成形性
が劣るものとなる。
ゴム含量は40〜75重量%であることが好ましい。ゴ
ム含量が40重量%未満では耐衝撃性に劣り、75重量
%を超えてもグラフト率が低下することから耐衝撃性に
劣るものとなる。
単量体としては、芳香族ビニル、シアン化ビニル、(メ
タ)アクリル酸エステル、マレイミド化合物、不飽和カ
ルボン酸等が挙げられる。芳香族ビニル単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、ブロムスチレン等が挙げられ、特にスチレン、α−
メチルスチレンが好ましい。また、シアン化ビニル単量
体としては、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等
が挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル又はア
クリル酸エステルが挙げられ、マレイミド化合物として
は、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミド等が挙げられ、不飽和カルボン酸としては、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げ
られる。これらは、それぞれ1種を単独で、又は2種以
上を混合して用いることができる。
重合する上記単量体の重合体のグラフト密度は1〜15
であり、好ましくは1〜8、特に好ましくは2〜6であ
る。ここでいうグラフト密度とは、サンプルをアセトン
中に溶解させ、遠心分離器を用いて可溶分と不溶分とに
分離し、得られた不溶分(X)をオゾン分解させた後、
メタノール不溶分(a)を抽出し、得られたメタノール
不溶分をG.P.C(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー)にて重量平均分子量(Mw)を求め、これら
の結果を基に次の計算式により算出した値である。
であったり、15を超えると、物性バランス、特に流動
性と衝撃強度のバランスが取りに取り難くなり、また、
真空成形性も劣ることになるので、好ましくない。
のグラフト重合方法については、いかなる公知重合方法
も採用できるが、予め、ゴム質重合体とこれにグラフト
重合させる単量体とを混合、放置させることによって、
単量体をゴム質重合体に含浸させ、単量体含浸ゴム質重
合体にビニル系単量体をグラフト重合することが好まし
い。この方法の採用により、更に良好な加熱成形性と耐
衝撃性等の物性が充分に得られる。
ず、乳化重合にて製造されたゴム質重合体を撹拌翼、ジ
ャケット付き反応器内に仕込み、次に、グラフト重合さ
せるビニル系単量体の一部を一括投入又は、連続して滴
下し、撹拌しながら、40〜70℃にて5〜60分放置
し、更に開始剤を添加する。これにより、添加した単量
体は、ゴム質重合体に含浸し、ゴム質重合体内にて重合
体となる。このようにして、ゴム質重合体内に含浸した
他の単量体が重合して重合体を形成したものをオクルー
ジョン構造という。
量体(以下「オクルード単量体」と称す。)としては、
ゴム質重合体にグラフト重合させるビニル系単量体と同
様な単量体を使用することができ、好ましくは芳香族ビ
ニル単量体、シアン化ビニル単量体、特に好ましくは芳
香族ビニル単量体が用いられる。特に、芳香族ビニル単
量体を使用することで、流動性又は真空成形性が良好と
なる。
ム質重合体、即ち、予めビニル単量体等の単量体を含浸
させたゴム質重合体を用いる場合、ゴム質重合体中のオ
クルード単量体の含有量は5〜30重量%であることが
好ましい。この含有量が5重量%未満では、オクルージ
ョン構造を採用することによる上記効果を十分に得るこ
とができず、30重量%を超えると物性バランス、特
に、十分な耐衝撃性を得ることが難しい。
ニル単量体とシアン化ビニル単量体と、更に必要に応じ
て用いられる共重合可能な他の単量体を共重合してなる
共重合体からなり、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニ
ル単量体と、更に必要に応じて用いられる共重合可能な
他の単量体は、ゴム含有グラフト重合体(A)にグラフ
トさせる単量体として例示したものと同様な単量体が使
用できる。
ビニル単量体の含有量は、好ましくは25〜50重量%
であり、より好ましくは35〜50重量%、更に好まし
くは40〜50重量%である。シアン化ビニル単量体の
含有量が25重量%未満では、耐衝撃性等の物性が得に
くく、50重量%を超えると、耐薬品性は良好なるもの
の、混練時、成形時に熱変色を起こし易い。
ム含有グラフト重合体(A)10〜90重量部と上記硬
質共重合体(B)90〜10重量部とを合計で100重
量部となるように含むものである。この範囲よりもゴム
含有グラフト重合体(A)が多く、硬質共重合体(B)
が少ないと、流動性に劣り、逆にゴム含有グラフト重合
体(A)が少なく、硬質共重合体(B)が多いと、耐衝
撃性が不十分である。好ましい配合割合は、ゴム含有グ
ラフト重合体(A)30〜60重量部に対して、硬質共
重合体(B)70〜40重量部である。
じて顔料、染料、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、補強剤、充填剤など各種添加剤をその物性等
を損なわない範囲内に配合することができる。
て、特に制限はないが、例えば、押出機、バンバリーミ
キサー等を用いた溶融混練法が好ましい。
発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超
えない限り、以下の実施例により限定されるものではな
い。
を意味するものとする。また、各種物性の測定方法は次
の通りである。
エンに溶解し、15000rpmで60分間遠心分離
後、上澄液をデカンテーションし、不溶成分を60℃に
て24時間乾燥して、乾燥不溶分量Wg(g)を求め下
記式で算出した。 ゲル量(重量%)=Wg/Wc×100 [グラフト密度]サンプルをアセトン中に溶解させ、遠
心分離器を用いて可溶分と不溶分とに分離し、得られた
不溶分X(g)をオゾン分解させた後、メタノール不溶
分a(g)を抽出し、得られたメタノール不溶分をG.
P.Cにて重量平均分子量Mwを求め、これらの結果を
基に次の計算式により算出した。 グラフト密度=グラフト率/(重量平均分子量Mw/1
04) グラフト率(%)=a/(X−a)×100 なお、重量平均分子量Mwは、東ソー(株)製「GPC
(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)」を
用いた標準ポリスチレン換算法にて算出した。
1)の製造 以下の配合にて、乳化重合法によりABS共重合体を合
成した。
クスのゲル含有量は60重量%)を仕込み、60℃に加
熱した。60℃に保持したまま90分間放置後、反応率
が70%以上に達したことを確認後、更に原料Bの中で
AN/STと、不均化ロジン酸カリウム、水酸化カリウ
ムを仕込んだ。その後、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリ
ウム、結晶ブドウ糖、及びクメンハイドロパーオキサイ
ドを100分かけて連続添加した。その後70℃に昇温
して1時間保って反応を完結させた。かかる反応によっ
て得た重合体を硫酸により凝固させ、十分水洗後、乾燥
してグラフト重合体(A−1)を得た。得られたグラフ
ト重合体(A−1)中のグラフトされた重合体の重量平
均分子量、グラフト率を測定し、グラフト密度を求め
た。
2)の製造 原料Aにおいて、含浸させる単量体をST単独10部に
代えて、AN2部、ST8部の混合物を使用したこと以
外は、合成例1と同様にしてグラフト重合体(A−2)
を得、グラフト密度を求めた。
3)の製造 原料Aにおいて、ポリブタジエン・ラテックスに代えて
ポリブチルアクリレート・ラテックス(ゲル含有量:6
0重量%)を使用したこと以外は、合成例1と同様にし
てグラフト重合体(A−3)を得、グラフト密度を求め
た。
4)の製造 以下の配合にて、乳化重合法によりABS共重合体を合
成した。
酸化カリウム、ポリブタジエン・ラテックス(ゲル含有
量:60重量%)及びAN、ST、t−DMを仕込み、
60℃に加熱後、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウム、
結晶ブドウ糖及びクメンハイドロパーオキサイドを2時
間かけて連続添加し、その後70℃に昇温して1時間保
って反応を完結した。かかる反応によって得たラテック
スに酸化防止剤を添加し、その後硫酸により凝固させ、
十分水洗後、乾燥してグラフト重合体(A−4)を得、
グラフト密度を求めた。
5)の製造 原料Cのゴム質重合体として、ゲル含有量95重量%の
ポリブタジエン・ラテックスを使用し、t−DMの添加
量を0.2部にしたこと以外は合成例4と同様にして、
グラフト重合体(A−5)を得、グラフト密度を求め
た。
6)の製造 原料Aのゴム質重合体として、ゲル含有量35重量%の
ポリブタジエン・ラテックスを使用したこと以外は合成
例1と同様にして、グラフト重合体(A−6)を得、グ
ラフト密度を求めた。
7)の製造 原料Aのゴム質重合体として、ゲル含有量95重量%の
ポリブタジエン・ラテックスを使用したこと以外は合成
例1と同様にして、グラフト重合体(A−7)を得、グ
ラフト密度を求めた。
8)の製造 原料Aのゴム質重合体として、ゲル含有量60重量%の
ポリブタジエン・ラテックスを使用し、更に、t−DM
を0.2部添加したこと以外は合成例1と同様にして、
グラフト重合体(A−7)を得、グラフト密度を求め
た。
フト重合体(A−1)〜(A−8)の諸物性を表1に示
した。
ル0.5部、アゾビスイソブチロニトリル0.3部、t
−DM0.5部と、アクリロニトリル27部及びスチレ
ン73部からなるモノマー混合物を加え、開始温度60
℃として5時間加熱後、120℃に昇温し、4時間反応
後、重合物を取り出した。転化率は96%で、重量平均
分子量は130,000であった。
成 窒素置換した反応器に水120部、ポリビニルアルコー
ル0.5部、アゾビスイソブチロニトリル0.3部、t
−DM0.75部と、アクリロニトリル41部及びスチ
レン59部からなるモノマー混合物を加え、開始温度6
0℃として5時間加熱後、120℃に昇温し、4時間反
応後、重合物を取り出した。転化率は96%で、重量平
均分子量は130,000であった。
脂(株)製「PRN−208」)と共に混合させた後、2
20℃で2軸押出機(東芝(株)製「TEX−44」)
にて溶融混合し、ペレット化した。この樹脂ペレットを
4オンス射出成形機(日本製鋼(株)製)にて240℃
にて成形し、必要なテストピースを作成し、各種物性を
下記の方法で測定し、結果を表2に示した。
0×10×2mm)をベンディングホーム法試験治具に
沿わして固定後、試験片に薬液を塗布し、23℃の環境
下で48時間放置後、クレーズ及びクラックの発生有無
を確認し、試験治具の曲率から臨界歪み(%)を求め
た。薬液としては、花王(株)製「トイレマジックリ
ン」を使用した。
20×2mmの試験片を230℃でプレス成形により作
成した後、試験片をシクロペンタンに浸漬させ、48時
間放置後、クラックの発生の有無を確認した(○:発生
せず,×:発生した)。
Tダイ付き単軸押出機に供給して220℃で溶融して平
均肉厚1mmのシート成形品を得た。次に、得られたシ
ートを予備乾燥し、プラグアシスト式真空成形機を用い
て、シート表面を約160℃に制御しつつ、圧力Pを掛
け成形加工して、無蓋状の箱体の成形体を得、この箱体
について、下記のようにして外観と均肉性を調べた。 [外観観察]得られた箱体の外観を観察し、下記の基準
に基いて評価した。 ○:フィッシュアイ等が発生しておらず、極めてきれい ×:フィッシュアイ等が発生した [均肉性]得られた箱体の最も厚い部分(Ta)と最も
薄い部分(Tu)との比率(Ta/Tu)を求めた。こ
の比率が1に近づく程、均肉性に優れるとした。 上記評価結果を表2に示す。
関わらず、ゴム含有グラフト重合体のグラフト率、オク
ルード構造等が、本発明の範囲内であれば、極めて良好
な耐衝撃性と真空成形加工性が得られることが分かる。
合体のグラフト密度等が本発明の範囲内であれば、良好
な耐衝撃性と真空成形加工性が得られることが分かる。
のシアン化ビニル単量体の含有量が、特定範囲内であれ
ば、耐衝撃性、真空成形性だけでなく、耐薬品性、耐溶
剤性も良好であることがわかる。
例1〜3では、ゴム含有グラフト重合体のゲル含有量が
本発明の範囲外であるため、良好な衝撃強度及び成形性
が得られない。また、比較例4では、ゴム含有グラフト
重合体のグラフト密度が本発明の範囲外であるため、良
好な加熱成形性を得ることができない。
脂組成物は、耐衝撃性、成形加工性等の物性が高度な状
態でバランスがとれており、しかも、耐溶剤性、耐薬品
性、加熱成形性即ち、加熱成形品の均肉性、薄肉成形化
にも優れ、従来のABS樹脂に代表されるゴム含有スチ
レン系樹脂の欠点を大幅に改良した画期的な、優れた成
形材料である。従って、本発明の熱可塑性樹脂組成物は
真空成形、圧空成形、ブロー成形等の加熱成形法を用い
る成形品に極めて有用であり、その工業的な実用価値は
極めて大きい。
Claims (4)
- 【請求項1】 ゲル含有量が40〜90重量%であるゴ
ム質重合体の存在下にビニル系単量体をグラフト重合し
てなるゴム含有グラフト重合体であって、該ゴム含有グ
ラフト重合体中のゴム質重合体にグラフトした重合体の
グラフト密度が1〜15であるゴム含有グラフト重合体
(A)10〜90重量部と、 芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体と、必要に
応じて用いられる他の共重合可能な単量体とを共重合し
てなる硬質共重合体(B)90〜10重量部とを含有す
ることを特徴とする加熱成形性に優れる熱可塑性樹脂組
成物。 - 【請求項2】 ゴム質重合体が、ビニル系単量体を内封
したオクルージョン構造を有するゴム質重合体であっ
て、該ゴム質重合体に内封されたビニル系単量体の割合
が、ゴム含有グラフト重合体(A)に対して5〜30重
量%であることを特徴とする請求項1に記載の加熱成形
性に優れる熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項3】 ゴム質重合体に内封されたビニル系単量
体が芳香族ビニル単量体であることを特徴とする請求項
2に記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項4】 硬質共重合体(B)中のシアン化ビニル
単量体の含有量が25〜50重量%であることを特徴と
する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱可塑性
樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10295466A JP2000119466A (ja) | 1998-10-16 | 1998-10-16 | 加熱成形性に優れる熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10295466A JP2000119466A (ja) | 1998-10-16 | 1998-10-16 | 加熱成形性に優れる熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000119466A true JP2000119466A (ja) | 2000-04-25 |
Family
ID=17820968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10295466A Pending JP2000119466A (ja) | 1998-10-16 | 1998-10-16 | 加熱成形性に優れる熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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