JP6600437B1 - ゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの連続生産性に優れ、さらにパウダーの固着が抑制されるゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの製造方法を提供する。【解決手段】第1の凝固槽1と、第1の凝固槽に接続された第2の凝固槽2と、第1の凝固槽に原料を供給するための第1の供給部と、第1の凝固槽と第2の凝固槽との接続部に原料を供給するための第2の供給部と、第2の凝固槽からスラリーを排出するための排出口9とを備える装置を用いて、ゴム強化熱可塑性樹脂パウダーを製造する方法であって、ゴム質重合体に共重合可能な単量体をグラフト重合してなるグラフト共重合体を含むラテックス原料が第1の供給部から第1の凝固槽に供給され、平均粒子径が1.5μm以下である脂肪酸アミド乳化分散体が第2の供給部から接続部に供給され、脂肪酸アミド乳化分散体の供給量は、固形分換算で、ラテックス原料100質量部に対して0.2質量部〜2.0質量部である方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの製造方法に関する。
ゴム質重合体含有樹脂粉体の貯蔵安定性(固着のしやすさ)改善として、例えば特許文献1には、特定の段階を踏んで固結防止剤を添加する方法が示されている。
特開平10−279640号公報
しかし、この方法では連続生産性及び固着防止特性に関して未だ不十分である。本発明は、連続生産性及び固着防止特性に優れるゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの製造方法を提供することを目的とする。
上記事情に鑑み本発明は、第1の凝固槽と、第1の凝固槽に接続された第2の凝固槽と、第1の凝固槽に原料を供給するための第1の供給部と、第1の凝固槽と第2の凝固槽との接続部に原料を供給するための第2の供給部と、第2の凝固槽からスラリーを排出するための排出口とを備える装置を用いて、ゴム強化熱可塑性樹脂パウダーを製造する方法であって、ゴム質重合体に共重合可能な単量体をグラフト重合してなるグラフト共重合体を含むラテックス原料が第1の供給部から第1の凝固槽に供給され、平均粒子径が1.5μm以下である脂肪酸アミド乳化分散体が第2の供給部から接続部に供給され、脂肪酸アミド乳化分散体の供給量は、固形分換算で、ラテックス原料100質量部に対して0.2質量部〜2.0質量部である方法を提供する。
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの製造方法によれば、連続生産性に優れ、さらにパウダーの固着が十分に抑制されるため、パウダーの貯蔵安定性、ハンドリング性に優れるものが得られる。
本実施形態の製造方法に適用可能な装置の一実施形態を示す模式断面図である。 本実施形態の製造方法に適用可能な装置の他の実施形態を示す模式断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本実施形態の製造方法に用いられる装置は、第1の凝固槽と、第1の凝固槽に接続された第2の凝固槽と、第1の凝固槽に原料を供給するための第1の供給部と、第1の凝固槽と第2の凝固槽との接続部に原料を供給するための第2の供給部と、第2の凝固槽からスラリーを排出するための排出口とを備える。
第1の凝固槽と第2の凝固槽とは、第1の凝固槽から第2の凝固槽へスラリーが移送可能な形で接続されていればよい。例えば、第1の凝固槽と第2の凝固槽とが接続配管により接続されていてもよく(下記図1の態様)、第1の凝固槽と第2の凝固槽とが接しており、これらの2つの凝固槽が貫通口により直接接続されていてもよい(下記図2の態様)。
ラテックス原料は第1の供給部から第1の凝固槽に供給される。ラテックス原料は、ゴム質重合体に共重合可能な単量体をグラフト重合してなるグラフト共重合体と、任意で用いられる共重合可能な単量体を共重合してなる共重合体と、から構成される。
グラフト共重合体を構成するゴム質重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などのブタジエン系ゴム質重合体;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体などのエチレン−プロピレン系ゴム質重合体;アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体を主成分とする(メタ)アクリル系ゴム質重合体;シリコーン系ゴム質重合体;ブタジエン系ゴム質重合体/(メタ)アクリル系ゴム質重合体の複合ゴム質重合体;シリコーン系ゴム質重合体/(メタ)アクリル系ゴム質重合体の複合ゴム質重合体、及び塩素化ポリエチレンゴムなどが挙げられる。これらは1種または2種以上用いることができる。
グラフト共重合体を構成する共重合可能な単量体としては、ビニル系単量体が挙げられ、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体及び、メチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体、マレイミド系単量体、アミド系単量体、不飽和カルボン酸系単量体等が挙げられる。これらは1種または2種以上用いることができる。これらの中で、特に芳香族ビニル系単量体を使用することが好ましく、さらに、最終製品の耐薬品性の点から、シアン化ビニル系単量体を使用することが好ましい。
任意で用いられる共重合体を構成する共重合可能な単量体としては、グラフト共重合体を構成する共重合可能な単量体と同様のものを用いることができる。
上記グラフト共重合体及び共重合体は、公知の乳化重合法によって得ることができる。
乳化重合法に用いる乳化剤としては、例えば、オレイン酸カリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸ナトリウムなどの脂肪族カルボン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウムなどの脂肪族スルホン酸塩;アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;高級アルコールの硫酸エステル塩;ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物;非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤;ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。これらは1種または2種以上用いることができる。
乳化重合法に用いる開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、レドックス型の開始剤として亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、アスコルビン酸、硫酸第一鉄等を還元剤とし、ペルオキソ二硫酸カリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどを酸化剤としたものが挙げられる。
本実施形態の製造方法においては、凝固剤が、第1の供給部から第1の凝固槽に供給される。凝固剤の一部は、第2の凝固槽に供給されてもよい。
凝固剤としては、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸などの無機酸、蟻酸、酢酸などの有機酸、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウムなどの無機酸金属塩などが挙げられる。これらは1種または2種以上用いることができる。
凝固剤の供給量は、固形分換算で、ラテックス原料100質量部に対して、2.0質量部〜8.0質量部が好ましく、3.5質量部〜6.5質量部がより好ましい。凝固剤の供給量が上記範囲であることで、凝集不良を抑制することができ、また凝固剤がゴム強化熱可塑性樹脂パウダーに残留することによる最終製品への悪影響(吸湿性等)を抑制することもできる。
本実施形態の製造方法においては、脂肪酸アミド乳化分散体が第2の供給部から接続部に供給される。これにより、スラリーと脂肪酸アミド乳化分散体が効率よく接触し、パウダー表面に脂肪酸アミドを効率よく存在させることができる。そのため、得られたパウダーの固着を抑制することができる。
上記脂肪酸アミド乳化分散体の脂肪酸アミドとしては、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。乳化分散させる方法に特に制限はなく、ビーズミルなどの機械的分散、転相法などの溶融分散法が挙げられる。乳化分散に用いられる乳化剤種も特に制限はなく、公知の乳化剤を使用することができる。
脂肪族アミド乳化分散体の平均粒子径は、1.5μm以下であり、1.0μm以下であることが好ましい。脂肪酸アミド乳化分散体の平均粒子径が上記範囲であることで、脂肪酸アミド乳化分散体が分離することを抑制することができ、また生産工程での悪影響(ストレーナーの閉塞等)を抑制することもできる。なお、脂肪族アミド乳化分散体の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば0.01μm以上とすることができる。また、脂肪酸アミド乳化分散体の平均粒子径は、JIS Z8826に準拠し、光子相関法による平均粒子径を動的光散乱法により測定することができる。
脂肪酸アミドの乳化分散体の供給量は、固形分換算で、ラテックス原料100質量部に対して0.2質量部〜2.0質量部であり、0.3質量部〜1.5質量部が好ましく、0.4質量部〜1.0質量部がより好ましい。脂肪酸アミドの乳化分散体の供給量が上記範囲であることで、ゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの固着を抑制することができ、最終製品への悪影響(流動性、耐熱性等)を抑制することもできる。
第1の凝固槽の槽内温度は、70〜95℃が好ましく、80〜90℃がさらに好ましい。第2の凝固槽の槽内温度は、第1の凝固槽の槽内温度以上であることが好ましく、第1の凝固槽の槽内温度よりも3〜28℃高いことがより好ましい。そうすることで、脱水性が良好かつかさ比重の高いパウダーが得られる。第2の凝固槽の槽内温度は、85〜98℃が好ましく、90〜98℃がさらに好ましい。スラリー濃度は、生産性の観点から20〜30%が好ましく、22〜28%がさらに好ましい。
第2の凝固槽からは、排出口を介して凝固されたスラリーが排出される。排出口から排出されたスラリーは、更なる凝固を行うために第3の凝固槽へと供給されてもよく、第3の凝固槽以降の凝固槽で更に凝固されてもよい。凝固後のスラリーを凝固槽より連続的に抜き取り、水洗、脱水、乾燥させることでゴム強化熱可塑性樹脂パウダーを得ることができる。
本実施形態の製造方法により得られるゴム強化熱可塑性樹脂パウダーにおけるゴム質重合体の含有量は、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。ゴム質重合体の含有量を40質量%以上とする事で、ゴム強化熱可塑性樹脂を配合した最終組成物の成分設計自由度が向上し、製品の特殊化に寄与する事ができる。ゴム質重合体の含有量の上限は、特に限定されないが、例えば90質量%以下とすることができる。
本実施形態の製造方法により得られるゴム強化熱可塑性樹脂パウダーのゴム質重合体の含有量は、グラフト共重合体を構成するゴム質重合体の含有量やグラフト共重合体と共重合体をラテックス状態で混合することで調整可能である。
本実施形態の製造方法により得られるゴム強化熱可塑性樹脂パウダーは、該パウダー表面の50%以上に脂肪酸アミドが存在していることが好ましい。上記範囲で脂肪酸アミドが存在することで、パウダーの固着をより抑制することができる。
パウダー表面の脂肪酸アミドの存在割合は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS法)を用いて測定することができる。
得られるゴム強化熱可塑性樹脂パウダーは、線径0.10mmのステンレス鋼線よりなる200メッシュの平織金網(JIS G3555−2004に準拠)を通過するパウダーが、45質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であるとより好ましく、35質量%以下であると更に好ましい。上記範囲であることで、よりゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの固着を抑制することができる。また、平織金網を通過するパウダーの割合の下限は、4質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが更に好ましい。平織金網を通過するパウダーの割合は、例えば、ソニックシフター(株式会社セイシン企業製)を用いて測定することができる。
図1は、本実施形態の製造方法に適用可能な装置の一実施形態を示す模式断面図である。図1の装置は、第1の凝固槽1と、第2の凝固槽2と、第1の凝固槽1及び第2の凝固槽2を上部箇所で接続する接続配管3と、を備える。ラテックス原料、凝固剤、水等の原料は、それぞれ、原料供給口5a,5b及び5cから第1の凝固槽1に供給され、脂肪酸アミド乳化分散体は原料供給口7から接続配管3に供給される。凝固後のスラリーは、第2の凝固槽2の上部に設けられた排出口9から排出される。
第1の凝固槽1においては、原料供給口5a,5b及び5cからラテックス原料、凝固剤、水等の原料が供給され、スラリーが形成される。その後、スラリーは、第1の凝固槽1の接続配管3を通じて第2の凝固槽2へと移送され、この際に原料供給口7から脂肪酸アミド乳化分散体が供給される。さらに、第2の凝固槽2へと移送されたスラリーは、排出口9から排出される。排出口9から排出されたスラリーを水洗、脱水、乾燥することにより、ゴム強化熱可塑性樹脂パウダーを得ることができる。第1の凝固槽1及び第2の凝固槽2は、それぞれ攪拌翼(図示せず)を備えていてもよい。
図2は、本実施形態の製造方法に適用可能な装置の他の実施形態を示す模式断面図である。図2の装置においては、第1の凝固槽1と第2の凝固槽2が接しており、これらを貫通する接続部4を上部に有する。脂肪酸アミド乳化分散体は、原料供給口8から直接接続部4に供給される。その他は、図1の装置と同様の構成を有する。
以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
<パウダー固着性評価>
得られたゴム強化熱可塑性樹脂パウダーを目開き850μm、線径523μm、平織の試験篩(株式会社 飯田製作所製)で振い粗粒を除去した。篩を通過したパウダー25gを量り取り、直径50mm×高さ50mmのステンレス製モールド中に入れ、モールド上面から錘を設置し3kPa荷重の下、80℃、2時間熱処理を行いパウダー塊を得た。得られた塊を目開き2.8mm、線径1.11mm、平織の試験篩(株式会社 飯田製作所製)上に設置し、振動機(株式会社 平工製作所製:ロータップ式篩振盪機)で30秒間振動を与え、振動前後のパウダー塊重量から篩上の残存率を測定した。数値が低いほど、固着が抑制されていることを示す。
残存率=振動後のパウダー塊重量(g)/振動前のパウダー塊重量(g)×100
<パウダー表面に存在する脂肪酸アミドの存在割合の算出方法>
得られたゴム強化熱可塑性樹脂パウダーを42メッシュ金網を通過し、100メッシュ金網に堆積する150μm〜355μm径のパウダーに選別する。該パウダーを、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS法)を用い二次イオン化した脂肪酸アミド検出量から測定した。パウダー基材に対する存在割合を下記式(1)で求め、10個の平均値から存在割合50%以上を「〇」、存在割合11%〜49%を「△」、存在割合10%以下を「×」と評価した。
脂肪酸アミド存在割合(%)=((脂肪酸アミドの2次イオン検出面積÷基材の表面積)−(基材の2次イオン検出面積÷基材の表面積×0.7))×100・・・式(1)
<線径0.10mmのステンレス鋼線よりなる200メッシュの平織金網(JIS G3555−2004に準拠)を通過するパウダー含有割合の測定>
ソニックシフター(株式会社セイシン企業製)を用い測定した。
<ゴム質重合体の製造方法>
攪拌翼を備えた耐圧反応器に純水130質量部、ブタジエン100質量部、ノルマルドデシルメルカプタン0.4質量部、10%オレイン酸カリウム溶液3質量部を仕込み、攪拌しながら昇温後、過硫酸カリウム0.25質量部を65℃で添加した。その後70℃に昇温し10%オレイン酸カリウム溶液22質量部を段階的に添加し、55時間で反応完了とした。得られたブタジエンゴムラテックスの平均粒子径(大塚電子:FPAR−1000を用い測定)は0.41μm、固形分は39.1%であった。
<グラフト共重合体の製造方法>
攪拌翼を備えた反応器に上記ブタジエンゴムラテックス153.45質量部(固形分で60質量部)と純水50質量部を仕込み、攪拌しながら昇温し、過硫酸カリウム0.3質量部を60℃で添加し、65℃に到達したらスチレン30質量部、アクリロニトリル10質量部からなる混合モノマー及び10%オレイン酸カリウム溶液20質量部を6時間かけ連続添加し、添加完了後70℃で2時間熟成を行った。得られたグラフト共重合体ラテックスの固形分は37.3%であった。
<脂肪酸アミドの乳化分散体>
エチレンビスステアリン酸アミドの乳化分散体で、固形分25%、平均粒子径、0.5μm(大塚電子:FPAR−1000を用い測定)を用いた。
以下に示す実施例1〜3及び比較例1〜4では、図1に示す装置により、上記グラフト共重合体及び脂肪酸アミドの乳化分散体を用いて、ゴム強化熱可塑性樹脂パウダーを製造し、上記の方法で評価した。その結果を表1に示す。
(実施例1)
容量15Lの攪拌翼を備えた2つの凝固槽を上部箇所で配管を接続し、第1槽は77℃、第2槽は93℃となるように温調した。第1槽にスラリー濃度が20%になるよう固形分換算で100質量部のグラフト共重合体ラテックス、純水、硫酸マグネシウム4.0質量部を固形分換算処理量で5kg/hの速度で連続添加し、接続部へ脂肪酸アミド乳化分散体を固形分換算で100質量部のグラフト共重合体ラテックスに対して0.2質量部連続添加した。
その後、第2槽の上部排出口からオーバーフローしたスラリーを水洗、脱水し、さらに熱風乾燥機で85℃、15時間乾燥させゴム強化熱可塑性樹脂パウダーを得た。得られたゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの固着性評価の結果は75%であった。
(実施例2)
脂肪酸アミド乳化分散体の添加量を、固形分換算で0.5質量部に変更したこと以外は実施例1と同条件の処理を実施した。得られたゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの固着性評価の結果は42%であった。
(実施例3)
脂肪酸アミド乳化分散体の添加量を、固形分換算で1.5質量部に変更したこと以外は実施例1と同条件の処理を実施した。得られたゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの固着性評価の結果は35%であった。
(比較例1)
脂肪酸アミド乳化分散体を添加しないこと以外は実施例1と同条件の処理を実施した。得られたゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの固着性評価の結果は92%であった。
(比較例2)
脂肪酸アミド乳化分散体の添加量を、固形分換算で0.05質量部に変更したこと以外は実施例1と同条件の処理を実施した。得られたゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの固着性評価の結果は89%であった。
(比較例3)
脂肪酸アミド乳化分散体を固形分換算で0.5質量部予めグラフト共重合体ラテックスに添加し、接続部へは供給しないこと以外は実施例1と同条件の処理を実施した。得られたゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの固着性評価の結果は92%であった。
(比較例4)
脂肪酸アミド乳化分散体を固形分換算で2.0質量部予めグラフト共重合体ラテックスに添加し接続部へは供給しないこと以外は実施例1と同条件の処理を実施した。得られたゴム強化熱可塑性樹脂パウダーの固着性評価の結果は90%であった。
Figure 0006600437
表1に示すとおり、実施例1〜3のゴム強化熱可塑性樹脂パウダーは、連続生産しながらパウダー表面に脂肪族アミドを付着させ良好な固着防止特性が得られた。
1…第1の凝固槽、2…第2の凝固槽、3…接続配管、4…接続部、5a,5b,5c,7,8…原料供給口、9…排出口。

Claims (1)

  1. 第1の凝固槽と、第1の凝固槽に接続された第2の凝固槽と、第1の凝固槽に原料を供給するための第1の供給部と、第1の凝固槽と第2の凝固槽との接続部に原料を供給するための第2の供給部と、第2の凝固槽からスラリーを排出するための排出口とを備える装置を用いて、ゴム強化熱可塑性樹脂パウダーを製造する方法であって、
    ゴム質重合体に共重合可能な単量体をグラフト重合してなるグラフト共重合体を含むラテックス原料が第1の供給部から第1の凝固槽に供給され、
    平均粒子径が1.5μm以下である脂肪酸アミド乳化分散体が第2の供給部から接続部に供給され、
    前記脂肪酸アミド乳化分散体の供給量は、固形分換算で、ラテックス原料100質量部に対して0.2質量部〜2.0質量部である方法。
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