JPS5917728B2 - 耐衝撃性樹脂の製造方法 - Google Patents

耐衝撃性樹脂の製造方法

Info

Publication number
JPS5917728B2
JPS5917728B2 JP13065476A JP13065476A JPS5917728B2 JP S5917728 B2 JPS5917728 B2 JP S5917728B2 JP 13065476 A JP13065476 A JP 13065476A JP 13065476 A JP13065476 A JP 13065476A JP S5917728 B2 JPS5917728 B2 JP S5917728B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
monomer
added
mixture
compound monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP13065476A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5355396A (en
Inventor
千年 酒井
義彦 武田
晃 羽多野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Polytec Co
Original Assignee
Mitsubishi Monsanto Chemical Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Monsanto Chemical Co filed Critical Mitsubishi Monsanto Chemical Co
Priority to JP13065476A priority Critical patent/JPS5917728B2/ja
Publication of JPS5355396A publication Critical patent/JPS5355396A/ja
Publication of JPS5917728B2 publication Critical patent/JPS5917728B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、耐衝撃性樹脂の製造法に関するもの35であ
り、更に詳しくは乳化重合方式で重合系に存在させた単
量体が実質的完全に重合するまでグラフト重合を行ない
、続いて新たな単量体を重合系に添加して重合方式を懸
濁方式に転換させて重合を実質的に完結させ、目的とす
る重合体をビーズ状で回収する方法に関する。
ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体等のゴ
ム質重合体に、スチレン及びアクリロニトリルとよりな
る成分をグラフトさせたグラフト重合体は、通常ABS
樹脂と称され、数多くの品種のものが市販されている。
このような耐衝撃性樹脂を製造する方法としては、ゴム
質重合体をスチレンとアクリロニトリルとの混合物を溶
解した溶液の塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法又は
塊状一懸濁二段重合法、更にはゴム質重合体ラテツクス
からの乳化重合法等0各種方法が知られている。ABS
樹脂のような耐衝撃性樹脂組成物を、例えば塊状重合法
によつて製造する場合には、ゴム質重合体をスチレン、
アクリロニトリルのような混合ビニル単量体に溶解させ
る必要があり、その溶解のためには可溶性ゴム質重合体
を使用する必要があり、ゴム質重合体の使用が制限され
る。
又、可溶性ゴム質重合体の溶解度及びその増粘現象によ
り、使用できるゴム濃度に限界がある。更に、重合反応
操作では、重合熱を反応混合物から除くことが困難であ
り、反応温度を調節することが容易ではない。このよう
な困難を克服するには、製造装置の設計に相当の苦心を
払わなければならない他方、溶液重合法による場合には
、重合熱除去の困難性はある程度軽減されるが、重合反
応終了後に、重合系に存在させた溶媒を回収しなければ
ならないという問題が生じる。
更に、懸濁重合法による場合は、ゴム質重合体をスチレ
ン、アクリロニトリルのようなビニル単量体に溶解させ
る点での困難性の制約が伴なうが、重合操作の容易さに
お℃・ては極めて有利である。
しかしながら、この方法によつて得られる耐衝撃性重合
体は、一般に強度は良好であるが、この重合体により成
形品を成形したときの製品の表面光沢が劣るという欠点
を有している。この成形品表面の光沢を改善するために
、懸濁重合を行う前に塊状による予備重合を行なう、い
わゆる塊状一懸濁二段重合法が提案されている。
しかしながら、この方法による場合も、ビニル単量体へ
のゴム溶解の問題(種類、量の制約)、更には塊状重合
段階で生成する重合体を含有する粘稠なシロツプを、安
定に水性分散化し、懸濁重合を行なわなければならない
という困難を伴なう。一方、乳化重合方式では、上述の
如き諸欠点は相当回避することができる。すなわち、ゴ
ム質重合体ラテツクスに乳化状でスチレン、アクリロニ
トリルのようなビニル単量体を重合させるので、ゴム質
重合体のビニル単量体への溶解の工程は不必要であり、
このため使用するゴム質重合体の種類、濃度の制約も受
けない。更に重合熱の除去も困難ではない。しかしなが
ら、他方では、乳化状態から生成した重合体の回収には
困難を伴なう。すなわち、乳化状態から生成重合体をラ
テツクスから凝固分離するに際し、多量の水を要し、又
その後の水洗、脱水、乾燥にも多くの費用を要する。更
には、生成重合体の粒子が微細であるため脱水、水洗工
程で廃水中に同伴されて収率が低下したり、廃水を白濁
させるので環境汚染の問題もおこる。又、重合に使用し
た乳化剤や乳化状態から分離するための凝固剤が生成重
合体中に残存し、製品の熱安定性、電気的性質などに悪
影響を及ぼす場合が多い。このような乳化重合方式の長
所を生かし、欠点を排除した方法として、乳化−懸濁二
段重合法が多く提案されている。
例えば、特公昭41一13991号公報に記載の方法は
、ジエン系ゴム質重合体ラテツクスにアクリロニトリル
、スチレンのような単量体を添加し、ラテツクス相を部
分凝固させて懸濁重合法により重合を完結する方法であ
る。こうして得られた重合体からは、しかしながら、表
面の光沢が優れた成形品を得ることは困難であつた。ま
た、特公昭43−21073号公報に記載の方法は、乳
化状態から懸濁状態への転換が、重合系に未反応のビニ
ル単量体が存在するグラフト重合反応途中で行なわれる
ものである。この重合方式は、しかしながら、重合方式
の転換の時期の再現性に難があり、製造工程管理上問題
が生ずるおそれがある。更には、特公昭4925190
号公報に記載の方法は、グラフト重合体ラテツクスに、
スチレン、アクリロニトリル等の単量体、懸濁剤を加え
、更に酸又は電解質を加えてラテツクスを部分凝固させ
て、懸濁重合方式に転換する方法である。この方式は、
製造工程管理上の問題は生じないが、ラテツクスを部分
凝固させる際に、系に既に懸濁剤が添加されて存在する
ために、粒子内部に懸濁剤が内包され、得られる製品は
熱的安定性に難があるものとなる。特公昭49−251
91号公報記載の方法は、グラフト重合体にスチレン、
アクリロニトリル等の単量体を加え、これに酸又は電解
質を加えてラテツクスを部分凝固し、その後に懸濁剤を
加えて懸濁重合する方法である。この方法は、特公昭4
925190号公報記載の方法のように懸濁剤が粒子内
部に内包されるという問題はないが、単量体の存在下に
ラテツクスに酸又は電解質を加えると、グラフトラテツ
クスが完全に破壊され、塊化され易く、次に懸濁重合を
行なうのに困難を伴なう。また、この方法によるとグラ
フト重合体ラテツクスに単量体を均一に混和させるのに
長時間を要し、工業的には不利である。本発明者らは、
かかる状況に鑑み、乳化−懸濁二段重合法の工業的有利
な方法を提供すべく鋭意検討した結果、本発明を完成す
るに到つたものである。
本発明の目的は、充分に優れた物理的性質と、美しい表
面光沢を有する耐衝撃性樹脂を、工業的有利に製造する
方法を提供することにある。
しかしてかかる目的は、ゴム質重合体ラテツクスに、モ
ノビニル芳香族化合物単量体、又はモノビニル芳香族化
合物単量体と共重合しうる他のビニル化合物単量体とよ
りなる単量体混合物を添加し、乳化重合方式で、添加し
た単量体が実質的に完全に重合するまでグラフト重合し
、得られたグラフト重合体ラテツクスに電解質を添加し
混合する第一工程、第一工程で得られた混合物に、モノ
ビニル芳香族化合物単量体、又はモノビニル芳香族化合
物単量体と共重合しうる他のビニル化合物単量体とより
なる単量体混合物を添加し混合する第二工程、第二工程
で得られた混合物を攪拌することにより重合系を乳化状
態から懸濁状態に転換する第三工程、これら重合系に懸
濁剤を加え、懸濁重合方式で、重合系に存在する単量体
を実質的に完全に重合させ、得られた重合体をビーズ状
で回収する第四工程、よりなる方法によつて容易に達成
することができる。また、他の工程を同様に操作し第二
工程遂行の際、重合混合物に、電解質を添加することに
よつても、同様に達成することができる。以下、本発明
の方法を理解し易くするために、詳細に説明する。
本発明で使用しうるゴム質重合体ラテツクスとしては、
例えばポリブタジエン、ブタジエンを50%以上含むブ
タジエンと共重合しうる他の単量体との共重合体を含む
ラテツクスがあげられる。
ブタジエンと共重合させるために使用できる単量体とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、ハロースチレン
(例えばo−、m−及びp−クロルスチレン、2−メチ
ル−4−クロルスチレン等)のモノピニル芳香族化合物
;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシ
アン化合物;アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル等があげられる。ゴム質重合体は上の例のほかに更に
、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレンプロピ
レン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエンモノマー
三元共重合体、エピクロルヒドリンゴム等があげられる
。これらゴム質重合体は一部交サ結合したものであつて
もよい。交サ結合剤は、一般に交サ結合剤として知られ
ているもの、例えばジビニルベンゼン、ジアリルマレー
ト、ジアリルフマレート、ジアリルアジペート、アリル
アクリレート、多価アルコール及びエチレングリコール
ジメタクリレート等があげられる。これら交サ結合剤の
使用量は、交サ結合剤の種類により異なるが、その量は
ゴム質重合体形成用単量体の重量基準で、交サ結合剤を
約2%まで加えることができる。本発明においてモノビ
ニル芳香族化合物単量体とは、スチレン、α−メチルス
チレン、ハロースチレン(2・4−ジクロルスチレン)
、イソプロピルスチレン、t−ブチルスチレンその他の
置換スチレンをいう。また、本発明においてモノビニル
芳香族化合物単量体と共重合しうる他のビニル化合物単
量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
、α−クロロアクリロニトリル、エタクリロニトリル等
のビニルシアン化合物:アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等のア
クリル酸エステルリメタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル等
のメタクリル酸エステル;その他〉C−C〈基を有する
重合性の化合物をいう。
本発明にお℃・ては、第一工程で先ずグラフト重合体を
製造する。
ゴム質重合体ラテツクスに、前記のモノビニル芳香族化
合物単量体又はモノビニル芳香族化合物単量体と共重合
しうる他のビニル化合物単量体とよりなる単量体混合物
を添加し、乳化重合方式によつてグラフト重合を行なう
。単量体の使用量は、ゴム質重合体100重量部に対し
て、50〜500重量部となる範囲が好ましい。重合遂
行に際して使用しうる乳化剤としては、アルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステル
のナトリウム塩、同カリウム塩、ナフタリンスルホン酸
のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩などのアニオ
ン系界面活性剤である。乳化重合遂行に際しては重合開
始剤を使用するが、その種類には制限がなく、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、クメンハ
イドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド、
更にハイドロパーオキサイド一鉄塩などのレドツクス系
開始剤等通常乳化重合の遂行にあたつて使用されるもの
があげられる。乳化重合条件(温度、時間、乳化剤や重
合開始剤の添加方法等)は、通常採用されている条件で
あつてよい。第一重合工程では、グラフト重合反応は重
合系に存在させた単量体を、実質的完全に重合させる。
実質的完全に重合させないと、最終的に得られる樹脂組
成物の加工性、耐衝撃性、これより得られる成形品表面
光沢等が優れたものが得られないからである。第一工程
では次に、グラフト重合反応の終了したラテツクスに、
電解質を添加し、混合する。
使用しうる電解質の種類としては、塩化ナトリウム、塩
化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫
酸マグネシウム、硫酸アルミニウムなどの通常ラテツク
スの塩析に使用されているものである。その使用量は、
グラフト重合体ラテツクスの種類、特にグラフト重合遂
行の際に使用された乳化剤の種類、量等によつて決めら
れるべきである。この電解質の添加量が多すぎると、グ
ラフト重合体はただちに凝固してしまい、その後の単量
体の混合、混合物の攪拌が困難となるので、好ましくな
い。逆に、この電解質の添加量が少なすぎる場合、又は
全く使用しない場合は、次の第二工程で単量体を添加し
、更にこれに続く第三工程で電解質を加えると、グラフ
ト重合体ラテツクスが完全に破壊され、塊状となつて攪
拌翼に付着するなどして、その後の重合反応の継続が不
可能となるので好ましくない。また、この第一工程での
電解質の添加量が少ない場合は、第三工程で重合混合物
に更に電解質を添加しないと、懸濁状態への転換は不可
能となる。この第一工程で添加することのできる電解質
の量は、グラフト重合体ラテツクス100重量部(固形
分)に対して、0.1〜5重量部である。グラフト重合
体ラテツクスに電解質を添加することにより、ラテツク
ス中のグラフト重合体ラテツクスに電解質を添加するこ
とにより、ラテツクス中のグラフト重合体は部分凝集を
おこす。第二工程では、第一工程で得られたグラフト重
合体が部分凝集している混合物に、単量体を添加する。
この工程で添加する単量体は、第一工程で使用したもの
と同じ種類、組成とする必要はなく、最終的に得られる
樹脂組成物に具有させようとする性質によつて、任意に
変えることができる。この第二工程において添加する単
量体の種類は、第一工程でグラフト重合の際に使用した
単量体と同種類とするのが好ましい。モノビニル芳香族
化合物としてはスチレン、これと共重合可能なビニル単
量体としてはアクリロニトリルを用いるのが、最も一般
的である。この第二工程で、反応混合物に添加する単量
体の量は、最終的に得られる樹脂組成物中のゴム質重合
体が5〜40重量%の範囲となるように考慮して定める
のがよく、グラフト重合体ラテツクス100重量部(固
形分)に対して20〜100重量部の範囲で定めるのが
好ましい。
上の第二工程終了後は、混合物を攪拌する第三工程を続
ける。
この攪拌は、重合系を乳化状態から懸濁状態に転換する
ために行なうものである。この攪拌は、特別な装置や特
別な強さにする必要はなく、グラフト重合反応を す
る重合缶で、通常の攪拌を行なえばよい。 を継続し
ている間に、重合系は系内のグラフ 合体と第二工程
で添加した単量体との混合物が0.1〜1韮程度の大き
さとなつて、水分に分散するので乳化状態から懸濁状態
に転換する。転換までに要する時間は、第一工程で混合
物に添加した電解質の種類、量等により影響される。第
一工程で添加した電解質の量が少ない場合は、この第三
工程で追加添加することができる。ここで添加する電解
質の種類は、前記第一工程で説明したものがそのまま使
用し得るが、必ずしも同一種類にする必要はない。その
使用量は、特に制約はないが、グラフト重合体ラテツク
ス100重量部(固形分)に対して、0.2〜10重量
部の範囲内で充分である。第四工程では、上記第三工程
にお〜・て生成したグラフト重合体と単量体との混合物
が水中に分散した分散系に、懸濁剤を加え、懸濁重合を
続ける。
使用しうる懸濁剤の種類は、ポリビニルアルコール、ヒ
ドロキシエチルセルローズ、メチルセルローズ、ポリア
クリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルローズ、ポリ酢
酸ビニル部分ケン化物など通常の懸濁重合に用いられる
ものがあげられる。懸濁重合を行なう際に、新たに重合
開始剤を添加するものが好ましい。この際用いられる重
合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリルなどのアゾ化合物等があげられる。これ
ら重合開始剤は、この第四工程で加えてもよいが、第二
段階で添加される単量体の少量に溶解して第二工程遂行
の際に重合系に添加することもできる。懸濁重合の条件
(温度、時間など)は、重合系に存在する単量体を実質
的に完全に重合させる条件とすればよい。なお、これら
グラフト重合反応遂行にあたり、単量体に連鎖移動剤、
安定剤、可塑剤を添加することができるし、乳化剤、懸
濁剤とともに分散助剤等を添加することもできる。
第四工程において、単量体を実質的に完全に重合させる
と、グラフト重合体は0.1〜1mmのビーズ状となる
ので、これを回収する。
回収方法は、通常の懸濁重合法によつて得られるビーズ
の回収法と全く同様の方法で回収することができる。本
発明方法及び本発明方法によつて得られる重合体(又は
樹脂)は、次のごとくすぐれた特徴を有し、その工業的
利用価値は極めて大である。(1)原料ゴム質重合体と
してラテツクス状態のものを使用するので、塊状重合法
、懸濁重合法、塊状一懸濁二段重合法にお〜・ておこる
ゴムの種類、使用量の制約等の問題は排除でき、最終的
に得られる製品中のゴム質重合体の種類含有率は、任意
に変えることができる。(2)重合系を乳化状態から懸
濁状態に転換させる過程にお〜・て、長時間の攪拌や槽
拌動力等の制約がなく、しかも再現性よくグラフト重合
体粒子が水中に分散した懸濁状態が得られる。
(3)重合系への懸濁剤の添加は、単量体混合物を添加
し、グラフト重合体と単量体との混合物よりなる分散粒
子生成後に行なうため、最終的に得られる重合体ビーズ
中に懸濁剤が内包されることがない。
このため、成形時の熱的安定性は優れたものとなる。(
4)最終的に得られるグラフト重合体は、乳化重合方式
によつた場合のように凝固工程が不要でビーズ状として
回収することができるため、水洗、分離、乾燥の各工程
も乳化重合方式のものに較べてはるかに容易である。
(5)得られるグラフト重合体は、衝撃強度などの物理
的性質が優れ、溶融状態での流動性も優れ、かつ、成形
品としたときも表面光沢は優れたものとなる。
以下、本発明の実施態様を実施例により詳細に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定
されるものではない。
実施例 1 (1)第一工程 (イ) ゴム質重合体ラテツクスの製造 撹拌装置、加熱装置及び原料添加用配管を有している容
量31のステンレス製オートクレーブに、を仕込み、6
0℃で反応させた。
重合反応途中3時間目と、8時間目に、それぞれ1部の
高級脂肪酸ナトリウムを重合系に添加した。12時間反
応を継続した後、冷却して反応を終了させた。
転化率は98%以上であり、ラテツクス中の固形分は4
8%であつた。また、重合体の平均粒径は0.18μで
あつた。
得られたゴム質重合体ラテツクスを[ゴムラテツクスA
」とする。(ロ)グラフト重合体の製造 攪拌装置、加熱装置及び原料添加用配管を有している容
量51のガラス製重合容器に、を仕込み、85℃で反応
させた。
この温度で3時間30分反応を継続させた後、重合容器
内温を冷却して反応を終了させた。転化率は98%以上
であり、得られたラテツクスの固形分は36%であつた
。このグラフト重合体ラテツクスを「G1ラテツクス」
という。(ハ)電解質の添加 攪拌装置、加熱装置及び原料添加用配管を有する容量3
1のガラス製重合容器に、 (2) 第二工程 第一工程(ハ)にお℃・て得られた混合物に、更に、を
添加し、撹拌を続けた。
この混合物に、更に10%硫酸マグネシウム水溶液30
重量部添加、混合した。(3)第三工程 第二工程で得られた混合物を、同じ重合容器中で撹拌し
続けた。
重合系は乳化状態から、0.1〜1m1L程度の直径の
粒子が水中に分散した分散系(懸濁状態)に転換した。
(4)第四工程 第三工程で得られた小粒状物が分散している分散系に、
アクリル酸アルキルエステルとアクリル酸の共重合物(
懸濁剤)の2%水溶液を9.5重量部添加した。
続いて、この懸濁状態にある分散系を重合条件下におき
、75℃で3時間、次いで85℃で1時間30分反応を
続けた。
反応終了後、重合容器内温を冷却し、遠心分離法でスラ
リーからビーズを回収した。スラリー廃液への微細な重
合体粒子の混人は少なく白濁しなかつた。またビーズへ
の塊状の凝集物の混入はなかつたし、攪拌翼、缶内壁へ
のスケールの付着もなかつた。ビーズを水洗し、70℃
に調節した温風乾燥機に入れ、48時間費やして乾燥し
た。得られたグラフト重合体は、直径0.1〜1mmの
ビーズ状であつた。この重合体を「樹脂G1」とする。
(5)諸物性の評価上記方法で得られた「樹脂G1」に
、硬質熱可塑性樹脂であるSAN−C(三菱モンサント
化成(株)製:スチレンーアクリロニトリル共重合体)
をブレンドして稀釈し、全組成物中のゴム質重合体の含
有率を13重量%とし、この組成物を用〜・て射出成形
法によつて試験片を作成し、諸物性を評価した。
その結果を第1表に示す。比較例攪拌装置、加熱装置及
び原料添加用配管を有する容量31のガラス製重合容器
に、を添加した。
攪拌を続けながら、10%硫酸マグネシウム水溶液30
重量部を添加し、混合した。撹拌を続けていると、重合
系中には塊状物が大量生成し、これが攪拌翼、重合容器
内壁に付着し、懸濁状態への転換はできなかつた。(1
)第一工程 (イ)グラフト重合体の製造 攪拌装置、加熱装置及び原料添加用配管を有している容
量51のガラス製重合容器に、を仕込み、85℃で反応
させた。
この温度で3時間反応を継続した後、重合容器内容物温
度を冷却して反応を終了させた。転化率は98%以上で
あり、得られたラテツクスの固形分は36%であつた。
このグラフト重合体ラテツクスを「G2ラテツクス」と
いう。(ロ)電解質の添加 攪拌装置、加熱装置及び原料添加用配管を有する容量3
1のガラス製重合容器に、 を仕込み、撹拌しつつ、10%硫酸マグネシウム水溶液
20重量部を添加し、混合した。
(2)第二工程 第一工程(口)において得ら.れた混合物に、更にを添
加し、撹拌を続けた。
この混合物に、更に10%硫酸マグネシウム水溶液を3
0重量部添加、混合した。(3)第三工程 第二工程で得られた混合物を、重合容器中で攪拌し続け
た。
重合系は乳化状態から、0.1〜1mm程度の直径の粒
子が水中に分散した分散系(懸濁状態)に転換した。(
4)第四工程 小粒子が水中に分散した上記の分散系に、アクリル酸ア
ルキルエステルとアクリル酸の共重合物の2%水溶液を
6重量部と、ポリ酢酸ビニル部分ケン化物の2%水溶液
を4重量部とを添加し、混合した。
続いて、この懸濁状態にある分散系を重合条件におき、
75℃で3時間、次いで85℃で1時間30分重合反応
を続けた。
反応終了後、重合容器内温を冷却し、遠心分離法でビー
ズを回収し、水洗した。ビーズへの塊状凝集物の混入は
なかつた。また攪拌翼、缶内壁へのスケールの付着もな
かつた。水洗したものを、70℃とした温風乾燥機に入
れ、48時間を要して乾燥した。得られたグラフト重合
体は、直径0.1〜1m711のビーズ状であつた。こ
の重合体を、「樹脂G2」とする。(5)諸物性の評価 上記方法で得られた「樹脂G2」に、SANCをブレン
ド稀釈し、全組成物中のゴム質重合体の含有率を12.
5重量%とし、この組成物より射出成形法によつて試験
片を作成し、諸物性を評価した。
その結果を第1表に示す。実施例 3 (1)第一工程 (イ)グラフト重合体の製造 実施例1(1)(イ)及び(口)に記載の方法に同じ。
(ロ)電解質の添加容量3.eのガラス製容器に、 (2) を仕込み、攪拌しつつ、10%塩化カルシウム水溶液2
0重量部を添加し、混合した。
第二工程 第一工程で得られた混合物に、更に を添加し、攪拌を続けた。
この混合物に、更に10%塩化カルシウム水溶液30重
量部添加し、混合した。(3)第三工程 第二工程で得られた混合物を、同じ重合容器中で攪拌し
続けた。
重合系は乳化状態から、0.1〜1龍程度の直径の粒子
が水中に分散した分散系(懸濁状態)に転換した。
(4)第四工程 上記工程で得られた分散系に、アクリル酸アルキルエス
テルとアクリル酸の共重合物の2%水溶液を95重量部
添加し、混合した。
次いで、この懸濁状態にある分散系を重合条件におき、
75℃で3時間、続いて85℃で1時間30分反応を続
けた。
反応終了後、重合容器内容物を冷却し、遠心分離法によ
つてビーズを回収、水洗し、乾燥した。得られたグラフ
ト重合体は、直径0.1〜1mmのビーズ状であつた。
この重合体を「樹脂G3」とする。(5)諸物性の評価 上記方法で得られた「樹脂G3」に、SANCをブレン
ド稀釈し、実施例1(5)に記載したと同様の方法で諸
物性を評価した。
その結果を第1表に示す。実施例 4 (1)第一工程 (イ)グラフト重合体の製造 実施例1(1)(イ)及び(口)に記載の方法に同じ。
(ロ)電解質の添加容量31?のガラス製重合容器に、 (2) を仕込み、撹拌しつつ、10%硫酸マグネシウム水溶液
30重量部を添加し、混合した。
第二工程第一工程で得た混合物に、更に を添加し、攪拌を続けた。
(3)第三工程 第二工程で得られた混合物を、同じ重合容器中で攪拌し
続けたところ、混合物は、乳化状態から0.1〜1mm
程度の直径の粒子が水中に分散した分散系(懸濁状態)
に転換した。
(4)第四工程 上記工程で得られた分散系に、アクリル酸アルキルエス
テルとアクリル酸の共重合物の2%水溶液を9,5重量
部添加し、混合した。
次いで、この懸濁状態にある分散系を、重合条件下にお
き、75℃で3時間、続いて85℃で1時間30分反応
を続けた。
反応終了後重合容器内容物を冷却し、遠心分離法によつ
てビーズを回収、水洗、乾燥した。得られたグラフト重
合体は、直径0.1〜17!Lmのビーズ状であつた。
この重合体を、「樹脂G4」とする。(5)諸物性の評
価 上記方法で得られた「樹脂G4」に、SANCをブレン
ド稀釈し、実施例1(5)に記載したと同様の方法で諸
物性を評価した。
その結果を第1表に示す。実施例 5 (1)第一工程 (イ)グラフト重合体の製造 実施例1(1Xイ)及び(口)に記載の方法に同じ。
(ロ)電解質の添加容量31のガラス製重合容器に、 (2) を仕込み、10%硫酸マグネシウム水溶液20重量部を
添加し、混合した。
第二工程 第一工程で得た混合物に、更に を添加し、攪拌を続けた、この混合物に、更に10%硫
酸マグネシウム水溶液を30重量部添加、混合した。
(3)第三工程 第二工程で得られた混合物を、同じ重合容器中で撹拌し
続けたところ、混合物は、乳化状態から直径0.1〜1
mmの粒子が水中に分散した分散系(懸濁状態)に転換
した。
(4)第四工程 上記工程で得られた分散系に、アクリル酸アルキルエス
テルとアクリル酸の共重合物の2%水溶液を6重量部と
、ポリ酢酸ビニル部分ケン化物の2%水溶液を4重量部
とを添加し、混合した。
次いで、この懸濁状態にある分散系を重合条件下におき
、75℃で4時而、続℃・て85℃で4時間反応を続け
た。
その後、重合容器内温を100℃に昇温し、少量の未反
応単量体を水蒸気とともに除去した。単量体除去操作終
了後、内温を冷却し、遠心分離法によつてビーズを回収
、水洗、乾燥した。得られたグラフト重合体は、直径0
.1〜1mmのビーズ状であつた。この重合体を、「樹
脂G5」とする。5)諸物性の評価 上記方法で得られた「樹脂G5」に、下言α6)参考例
記載の方法によつて製造したAS樹脂をブレンド稀釈し
、全組成物中のゴム質重合体の含有率を13重量%とし
、この組成物を用℃・て射出成形法によつて試験片を作
成し、諸物性を評価した。
その結果を第1表に示す。6)参考例(AS樹脂の製造
) 攪拌装置、加熱装置及び原料添加用配管を有する容量3
1のオートクレーブに、を仕込み、この混合物を重合条
件下におき、109℃で3時間、113℃で6時間反応
を続けた。
反応終了後、少量の未反応単量体を水蒸気蒸留法によつ
て除去した。その後、内温を冷却し、遠心分離法によつ
てビーズを回収、水洗、乾燥した。得られた共重合体は
α−メチルスチレン、スチレン及びアクリロニトリル三
元共重合体である。表より、本発明方法によつて得られ
る樹脂庁撃強度が高く、溶融状態での流動性も優れ、こ
ときも表面光沢の優れたもの1・である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ゴム質重合体ラテックスに、モノビニル芳香族化合
    物単量体、又はモノビニル芳香族化合物単量体と共重合
    しうる他のビニル化合物単量体とよりなる単量体混合物
    を添加し、乳化重合方法で添加した単量体が実質的完全
    に重合するまでグラフト重合し、得られたグラフト重合
    体ラテックスに電解質を添加し混合する第一工程、第一
    工程で得られた混合物にモノビニル芳香族化合物単量体
    、又はモノビニル芳香族化合物単量体と共重合しうる他
    のビニル化合物単量体とよりなる単量体混合物を添加し
    混合する第二工程、第二工程で得られた混合物を撹拌す
    ることにより、重合系を乳化状態から懸濁状態に転換す
    る第三工程、これら重合系に懸濁剤を加え懸濁重合方式
    で重合系に存在する単量体を実質的に完全に重合させ、
    得られた重合体をビーズ状で回収する第四工程、よりな
    ることを特徴とする耐衝撃性樹脂の製造方法。 2 第一工程及び第二工程で重合系に存在させる単量体
    の種類を同一組合せにすることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の方法。 3 第一工程及び第二工程で重合系に存在させる単量体
    が、スチレン及びアクリロニトリルの混合物であること
    を特徴とする、特許請求の範囲第1項又は第2項記載の
    方法。 4 ゴム質重合体ラテックスに、モノビニル芳香族化合
    物単量体、又はモノビニル芳香族化合物単量体と共重合
    しうる他のビニル化合物単量体よりなる単量体混合物を
    加えて、乳化重合方式で、存在させた単量体が実質的に
    完全に重合するまでグラフト重合し、得られたグラフト
    重合体ラテックスに電解質を添加し混合する第一工程、
    第一工程で得られた混合物にモノビニル芳香族化合物単
    量体、又はモノビニル芳香族化合物単量体と共重合しう
    る他のビニル化合物単量体とよりなる単量体混合物を添
    加し混合する第二工程、第二工程で得られた混合物に電
    解質を添加し攪拌することにより、重合系を乳化状態か
    ら懸濁状態に転換する第三工程、これら重合系に懸濁剤
    を加え懸濁重合方式で、重合系に存在させた単量体を実
    質的に完全に重合させ、得られた樹脂をビーズ状で回収
    する第四工程、よりなることを特徴とする耐衝撃性樹脂
    の製造方法。 5 第一工程及び第二工程で重合系に存在させる単量体
    の種類を同一組合せにすることを特徴とする特許請求の
    範囲第4項記載の方法。 6 第一工程及び第二工程で重合系に存在させる単量体
    が、スチレン及びアクリロニトリルの混合物であること
    を特徴とする、特許請求の範囲第4項又は第5項記載の
    方法。
JP13065476A 1976-10-30 1976-10-30 耐衝撃性樹脂の製造方法 Expired JPS5917728B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13065476A JPS5917728B2 (ja) 1976-10-30 1976-10-30 耐衝撃性樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13065476A JPS5917728B2 (ja) 1976-10-30 1976-10-30 耐衝撃性樹脂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5355396A JPS5355396A (en) 1978-05-19
JPS5917728B2 true JPS5917728B2 (ja) 1984-04-23

Family

ID=15039407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13065476A Expired JPS5917728B2 (ja) 1976-10-30 1976-10-30 耐衝撃性樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5917728B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55120617A (en) * 1979-03-13 1980-09-17 Mitsubishi Rayon Co Ltd Production of impact-resistant resin
FR2619570B1 (fr) * 1987-08-20 1992-02-14 Charbonnages Ste Chimique Procede de fabrication d'une resine thermoplastique resistante au choc, comportant une etape de transfert des particules d'un latex de renforcement dans les monomeres de la matrice, par formation de complexes interpolymeres destabilisant le latex

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5355396A (en) 1978-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH01500438A (ja) ラテックスの凝集方法、得られた凝集ラテックスおよび熱可塑性母材を改質して耐衝撃性をもたせるための該ラテックスの応用
JP2010500466A (ja) 透明ゴム変性スチレン系樹脂及び連続塊状重合によるその製造方法
JPH02261813A (ja) グラフト共重合樹脂
JP3191942B2 (ja) 高衝撃強度を有する熱可塑性樹脂の製造方法
US3600465A (en) Thermoplastic moulding compositions
US4456734A (en) Rubber powders
US5352728A (en) Process for preparation of impact resistance and high gloss thermoplastic resin
JP2853987B2 (ja) スチレン系樹脂の製造方法
JPS5917728B2 (ja) 耐衝撃性樹脂の製造方法
JPS63245414A (ja) グラフト重合体の製造法
JPH0343403A (ja) スチレンおよびメタクリル酸の懸濁重合
JPH0768300B2 (ja) 耐衝撃性樹脂の製造方法
JPH0257564B2 (ja)
JPH01101317A (ja) グラフト重合体の製造方法
JPH02240113A (ja) スチレン/メタクリル酸コポリマーの大きいビーズの製造法
JP2000026526A (ja) 重合体ラテックスの製造方法
JPH0146522B2 (ja)
JPS6318603B2 (ja)
JPH0548769B2 (ja)
KR100215388B1 (ko) 내충격성및표면광택이우수한그라프트중합체의제조방법
JPS601883B2 (ja) 熱可塑性樹脂の製造法
KR100804386B1 (ko) 열가소성 수지의 제조방법
KR100370895B1 (ko) 분말특성이개선된고무함유그라프트공중합체조성물
JPH0639505B2 (ja) 耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方法
JPH09143231A (ja) ゴム強化スチレン系共重合体ラテックスの製造方法