JP3317734B2 - 粉粒状重合体の製造方法 - Google Patents
粉粒状重合体の製造方法Info
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つ嵩比重の高い粉粒状重合体の製造方法に関する。
重合体を回収する際に、得られる粉粒状重合体の粉体特
性を改良する方法は種々検討されており、例えば特開昭
60−217224号公報には重合体ラテックスを特定
の凝析剤濃度で凝析させる方法が開示されており、また
特開昭59−91100号公報には凝固剤の添加を2段
階以上で行う方法、特開昭55−90520号公報には
得られた凝析粒子に改質用の硬質樹脂や無機化合物等を
添加する方法が開示されている。しかし、特定の凝析剤
濃度で凝析させる方法は、ラテックス中に存在する界面
活性剤の種類・量等により全く凝析が起こらない場合
や、粉体特性の改良された粉粒状重合体が得られない場
合があり、特に凝析剤に対して安定な界面活性剤を含有
する重合体ラテックスに対する適応性が狭いという欠点
を有している。
法に関しても酸に対して不安定な界面活性剤のみを含有
するラテックスを凝固する場合、たとえ析出量やpHを
制御しても局部的に凝析が完結して、良好な粉粒状重合
体が得られないという欠点を有している。さらに、得ら
れる粉粒状重合体の嵩比重を高くするために、硬質樹脂
や無機化合物を凝析粒子に添加し表面改質する方法は、
粒子群の充填構造を密にして嵩比重を向上させるもので
あり、凝析粒子自体の粒子密度を向上させるには至らず
充分な嵩比重が得られないという欠点を有している。
題点を解決することを目的として鋭意検討した結果、硫
酸エステル系及び/又はスルホン酸系アニオン界面活性
剤を特定量含有する重合体ラテックスを凝析する際、ま
ずラテックス中の重合体を特定量凝析させ、酸に対して
安定な界面活性剤による乳化状態保持作用と酸の乳化状
態破壊作用を調節させて、次にさらに酸又は塩を添加し
て凝析を完結させ、得られた凝析スラリーを特定の温度
範囲で特定時間熱処理することにより、粒径分布がシャ
ープで且つ嵩比重の高い粉粒状重合体を提供することが
できることを見い出し本発明に到達した。
フト共重合体を除くホモ重合体又は共重合体100重量
部に対し硫酸エステル系及び/又はスルホン酸系アニオ
ン界面活性剤を合計で0.05〜0.5重量部含有する
ラテックス中の重合体を、酸を用いて下記式のpH範囲
で40〜80重量%凝析させた後、さらに酸又は塩を添
加して凝析を完結させ、凝析後のスラリーを90〜12
0℃の範囲で30分以上熱処理することを特徴とする紛
粒状重合体の製造方法に関する。
酸エステル系及び/又はスルホン酸系アニオン界面活性
剤の重量部数)以下、本発明を具体的に説明する。
ては、ゴム含有グラフト共重合体を除くホモ重合体、共
重合体であり、ジクロロスチレン、α−メチルスチレン
等のビニル芳香族化合物、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のビニルシアン化合物、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアル
キルアクリレート、アルキルメタクリレート、さらには
アクリル酸、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル
等のビニル化合物、ブタジエン、クロロプレン、イソプ
レン等の共役ジオレフィンとその置換生成物、エチレン
グリコール等の単量体からなるホモ重合体、共重合体又
はそれら重合体のラテックス混合物が挙げられる。
体ラテックス中に、重合体100重量部に対して硫酸エ
ステル系及び/又はスルホン酸系アニオン界面活性剤が
0.05〜0.5重量部、望ましくは0.05〜0.1
5重量部存在することが必要である。
ン界面活性剤としては、例えば高級アルコール硫酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等
があげられ、スルホン酸系アニオン界面活性剤として
は、例えばアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフ
ェニルエーテルスルホン酸塩等があげられる。該界面活
性剤は重合前、重合中、重合後いずれの時期に添加され
てもかまわない。
して0.05〜0.5重量部含有されるが、該界面活性
剤の含有量が0.05重量部未満であると酸による乳化
状態破壊作用に対し界面活性剤による乳化状態保持作用
が弱くなりすぎて凝析粒子の析出状態を安定に制御する
ことが困難になり粒径分布のシャープな粉粒状重合体を
得ることが困難になり好ましくない。一方、0.5重量
部を超えると界面活性剤による乳化状態保持作用が強く
なりすぎて多量の酸を用いないと凝析しなくなるため好
ましくない。
方法でよく、開始剤及びその他の重合助剤等に関しては
特に制限はなく、通常使用されているものでよい。本発
明で使用する1段目の凝析剤としては、例えば塩酸、硫
酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸等の有機酸があげら
れる。
ス中の重合体を40〜80重量%凝析させる必要があ
る。ここで凝析した重合体量は、凝析スラリーを東洋濾
紙No.131(JIS P3801の第3種)で濾過
し、濾液中の重合体濃度を測定して得られた未凝析重合
体量より換算した。凝析した重合体量が40重量%未満
では凝析完結時に多くの重合体ラテックスが乳化状態破
壊作用が強い状態で凝析してしまい、粒径分布のシャー
プな粉粒状重合体を得ることが困難になり好ましくな
い。また、80重量%以上では、乳化状態破壊作用が強
すぎるために、粒径分布のシャープな粉粒状重合体を得
ることが難しい。
Hが下記の条件になるようにラテックスに添加すること
が好ましい。
酸エステル系及び/又はスルホン酸系アニオン界面活性
剤の重量部数)pHが右辺の値を超えるときは、酸によ
る乳化状態破壊作用に対し界面活性剤による乳化状態保
持作用が強くなりすぎて、全く凝析しなかったり、凝析
するまでに長時間を要したりするため好ましくない。
で用いられる上記記載の酸や硫酸アルミニウム、硫酸マ
グネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸ナ
トリウム、塩化マグネシウム等の無機塩類、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カルシウム等の有機塩類が該当し、これらを
単独又は混合して用いられる。
ラリーのpHを2.0以上にすることが好ましい。凝析
スラリーのpHが2.0未満の場合は水酸化ナトリウム
等のアルカリでpHを2〜4に調節することが好まし
い。
造より成り、90〜120℃の温度範囲で30分以上熱
処理することが望ましい。このような強い熱処理条件で
は微細粒子同士の融着が促進されて粒子密度が向上し、
粒子保形力も強くなる。熱処理、固化された粒子は水
洗、脱水、乾燥工程を経て粉粒状重合体として回収され
る。
図1を参照しながら説明する。重合体ラテックスは定量
ポンプ(1)から、酸は定量ポンプ(2)から第1槽
(5)に送られる。重合体の回収率を高めるために追加
する酸は定量ポンプ(3)から第2槽(6)に送られ
る。第3槽(7)にはスラリーのpH調節剤としてのア
ルカリが定量ポンプ(4)から送られる。スラリーを第
4槽(8)で熱処理した後、図示していないがさらに水
洗、脱水、乾燥し、粉粒状重合体を得る。
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。なお、実施例は図1に示す装置を用
いて行なった。
とブチルアクリレート15%を乳化重合させ共重合体ラ
テックス(固形分28%)を得た。得られたラテックス
の平均粒径は0.105μm、PHは8.0であり、ラ
テックス中に存在する界面活性剤の種類及び量は表5に
示すとおりである。上記ラテックスと表1に示す種類の
酸を第1槽のpH及び凝析した重合体量(%)が表1に
示す値になるように供給した。第2槽に表1に示す種類
の酸をpHが表1に示す値になるように供給した。第3
槽では表1に示す熱処理条件で凝析スラリーを固化し
た。第3槽から排出されたスラリーを水洗、脱水、乾燥
し、粉粒状重合体を得た。
す方法により測定した。これらの測定方法は以下の実施
例及び比較例で共通して使用した。評価結果を表1に示
す。粒子の均整度:粒子の均整度Nは、下記式で表し
た。 N=D75/D25 (式中D75は積算重量分布曲線の75%にある粒子径
(μm)又はD25は粒子群の積算重量分布曲線の25%
にある粒子径(μm)を表わす。) 嵩比重:JIS K−6721により測定した。
ているギアオーブンの中にいれて熱着色の状態の経時変
化を目視評価した。着色の状態を下記の3段階に分けて
評価した。 ○ ほとんど着色しない。 △ 黄色に着色する。 × 茶色に焦げる。
た重合体量(%)と、第2槽及び第3槽のpHを表1に
示すように変えた他は実施例1と同様にして粉粒状重合
体を得た。評価結果を表1に示す。
活性剤の量と、第1槽及び第2槽のpHを表1に示すよ
うに変え、第3槽でのアルカリ添加をせずpHを表1に
示すように変えた他は実施例1と同様にして粉粒状重合
体を得た。評価結果を表1に示す。
活性剤の量と、第1槽のpH及び凝析した重合体量
(%)、第2槽及び第3槽のpHを表1に示すように変
えた他は実施例4と同様にして粉粒状重合体を得た。評
価結果を表1に示す。
活性剤の種類及び量と、第1槽のpH及び凝析した重合
体量(%)、第2槽及び第3槽のpHを表1に示すよう
に変えた他は実施例4と同様にして粉粒状重合体を得
た。評価結果を表1に示す。
表2に示すように変えた他は実施例5と同様にして粉粒
状重合体を得た。評価結果を表2に示す。
合体量(%)を表3に示すように変えた他は実施例1と
同様にして粉粒状重合体を得た。評価結果を表3に示
す。
合体量(%)と、第2槽及び第3槽のpHを表3に示す
ように変えた他は実施例1と同様にして粉粒状重合体を
得た。評価結果を表3に示す。
系及びスルホン酸系アニオン界面活性剤を存在させず、
第1槽のpH及び凝析した重合体量(%)と第2槽のp
Hを表3に示すように変え、第3槽でのアルカリ添加を
せずpHを表3に示すように変えた他は実施例1と同様
にして粉粒状重合体を得た。評価結果を表3に示す。
3に示すように変えた他は実施例5と同様にして粉粒状
重合体を得た。評価結果を表3に示す。
性剤を含有する重合体ラテックスを第1段目の凝析時の
析出量を制御し、特定の温度範囲で特定時間熱処理を施
すことによって、微粉が少なく、粒径分布がシャープで
嵩比重の高い粉粒状重合体を容易に得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ゴム含有グラフト共重合体を除くホモ重
合体又は共重合体100重量部に対し硫酸エステル系及
び/又はスルホン酸系アニオン界面活性剤を合計で0.
05〜0.5重量部含有するラテックス中の重合体を、
酸を用いて下記式のpH範囲で40〜80重量%凝析さ
せた後、さらに酸又は塩を添加して凝析を完結させ、凝
析後のスラリーを90〜120℃の範囲で30分以上熱
処理することを特徴とする紛粒状重合体の製造方法。 【数1】 (式中Xは共重合体100重量部に対する硫酸エステル
系及び/又はスルホン酸系アニオン界面活性剤の重量部
数) - 【請求項2】 2段目の凝析に酸を用い、スラリーのp
H2.0以上で凝析を完結させることを特徴とする請求
項1記載の粉粒状重合体の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04409093A JP3317734B2 (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 粉粒状重合体の製造方法 |
DE69424203T DE69424203T2 (de) | 1993-02-16 | 1994-02-14 | Verfahren zur Herstellung von pulver- und granulatförmigen Polymeren |
AT94102237T ATE192466T1 (de) | 1993-02-16 | 1994-02-14 | Verfahren zur herstellung von pulver- und granulatförmigen polymeren |
EP94102237A EP0611788B1 (en) | 1993-02-16 | 1994-02-14 | Method for producing powdery and granular polymers |
US08/197,282 US5514772A (en) | 1993-02-16 | 1994-02-16 | Method for producing powdery and granular polymers |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06256416A JPH06256416A (ja) | 1994-09-13 |
JP3317734B2 true JP3317734B2 (ja) | 2002-08-26 |
Family
ID=12681928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04409093A Expired - Lifetime JP3317734B2 (ja) | 1993-02-16 | 1993-03-04 | 粉粒状重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3317734B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102068055B1 (ko) * | 2014-03-20 | 2020-01-21 | 미쯔비시 케미컬 주식회사 | 비닐 중합체 분체, 열가소성 수지 조성물 및 그의 성형체 |
JP6616639B2 (ja) * | 2015-09-25 | 2019-12-04 | 株式会社カネカ | 凝固ラテックス粒子の製造方法 |
-
1993
- 1993-03-04 JP JP04409093A patent/JP3317734B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06256416A (ja) | 1994-09-13 |
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